JP2005077881A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐破砕性と帯電環境安定性との両立ならびに低温定着性と耐熱保管性との両立を達成し、環境安全性にも優れた静電荷像現像用トナーを提供すること。
【解決手段】 コア粒子表面にシェル層を有してなるコアシェル構造型トナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、シェル層がポリエステル樹脂からなり、トナー中のスズ含有量が0.027重量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真、静電記録および静電印刷等における静電荷像を現像するために用いられる静電荷像現像用トナーに関する。
従来より、静電荷像現像用トナーにおいては低温定着性と耐熱保管性という互いに相反する特性が要求されている。すなわち、低温定着性とは、紙等の記録媒体へのトナー像の定着の際、比較的低い定着温度でのオイルレス定着方式を採用しても、定着ローラーへの記録媒体の巻き付きを引き起こすことなく、トナー像を十分な強度で定着させ得る特性であり、そのような低温定着性を向上させるためにはトナー構成樹脂として、溶融温度が比較的低い樹脂を使用する手法が考えられる。しかしながら、そのような手法を採ると、樹脂のガラス転移点も低下するために、比較的高温での保管時に凝集が発生するという耐熱保管性低下の問題が生じる。
またトナーにおいてはトナー粒子表面に着色剤が露出することにより帯電環境安定性等が悪化することも問題となっている。帯電環境安定性が悪化すると、例えば、高温高湿環境下や低温低湿環境下で連続的に画出しした場合、帯電量が変動し、画像濃度の低下が起こったり、カブリが発生する。
帯電環境安定性の低下を防止するために、コア粒子表面にシェル層を有してなるコアシェル構造型トナー粒子において、コア粒子に着色剤を含有させる技術が報告されている(特許文献1)。コア粒子およびシェル層はスチレン−アクリル系樹脂等の付加重合型樹脂からなっている。しかしながら、上記技術で得られるトナー粒子は付加重合型樹脂からなり、靭性に乏しいため、耐破砕性に問題があった。トナー粒子の耐破砕性が低いと、トナー粒子が破砕され、実機内の汚染や大きな帯電変動の原因になる。そのような耐破砕性の問題は、トナー粒子をスリーブやローラ等の現像部材と規制部材との間隙を通過させることによって摩擦・帯電させる1成分現像方式において特に顕著であった。
そこでコアシェル構造型トナー粒子のシェル層を比較的靭性の高いポリエステル樹脂から形成する試みがなされている。ポリエステル樹脂はアルコール成分と酸成分とを重縮合させてなるものであり、該樹脂には重縮合反応促進のための触媒が通常、添加されている。触媒としては数多くの化合物が提案されているが、そのような化合物の大多数は、不十分な触媒活性またはその他の欠点、例えば、得られたポリエステルが着色するなどのカラートナーへの適用の問題を有する。そのため、静電荷像現像用トナーの分野で使用される重縮合触媒としてはスズ化合物が最も一般的であり、その添加量は原料全量に対して通常、0.20重量%以上である。しかしながら、上記のような試みにおいては、シェル層をコア粒子表面に均一に形成することが困難であった。そのため、帯電環境安定性の問題が再び生じた。また、低温定着性と耐熱保管性との両立の達成が困難であった。さらにスズ化合物触媒はスズという重金属を含んでいるため最近では環境施策の用件に合わなくなってきており、その代替もしくは更なる削減が望まれていた。
特開2002−116574号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、すなわち外部からのストレスに対しても破砕することのない優れた耐破砕性と環境に対する優れた帯電安定性(帯電環境安定性)の両立を達成する静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明はまた、耐破砕性と帯電環境安定性との両立だけでなく、低温定着性と耐熱保管性との両立も達成し、環境安全性にも優れた静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明は、コア粒子表面にシェル層を有してなるコアシェル構造型トナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、シェル層がポリエステル樹脂からなり、トナー中のスズ含有量が0.027重量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーに関する。
本発明により、外部からのストレスに対しても破砕することのない優れた耐破砕性と環境に対する優れた帯電安定性(帯電環境安定性)の両立を達成する静電荷像現像用トナーを提供できる。
本発明のトナーはまた、低温定着性と耐熱保管性との両立も達成できる。特に、本発明のトナーはオイルを塗布しない定着システムにおいても良好な定着分離性を呈する。
本発明のトナーはさらに、スズの含有量が少ないので、環境安全性に優れている。
本発明の静電荷像現像用トナーは、コア粒子表面にシェル層を有してなるコアシェル構造型トナー粒子を含有するものである。
(コア粒子)
本発明においてコア粒子はいかなる構成を有していて良く、例えば、少なくとも樹脂粒子が凝集/融着されてなる構成を有していても良いし、または1の樹脂粒子から構成されていてもよい。コア粒子、ひいてはトナー粒子の粒度分布のシャープ化および粒度分布の再現性などの観点から、前者の構成を有することが好ましい。以下、前者の構成を有するコア粒子について説明する。
本明細書中、「凝集」は、少なくとも複数の樹脂粒子が単に付着することを意図する概念で用いるものとする。「凝集」によって、構成粒子は接触しているものの、樹脂粒子等の溶融による結合は形成されていない、いわゆるヘテロ凝集粒子(群)が形成される。そのような「凝集」によって形成される粒子群を「凝集粒子」と呼ぶものとする。
「融着」は、凝集粒子における個々の構成粒子の界面の少なくとも一部において樹脂粒子等の溶融による結合が形成され、使用、取り扱い単位としての一つの粒子となることを意図する概念で用いるものとする。そのような「融着」がなされた粒子群を「融着粒子」と呼ぶものとする。
「凝集/融着」とは、凝集と融着とが同時あるいは段階的に起こること、または、凝集と融着とを同時あるいは段階的に起こさせる行為をいう。
コア粒子を構成する樹脂粒子の樹脂種は、コア粒子の表面に後述のシェル層を保持可能あれば特に制限されるものではなく、例えば、付加重合型樹脂が好ましく使用できる。付加重合型樹脂としては例えば、ラジカル重合性モノマーを付加重合させてなるスチレンアクリル系樹脂が好ましく使用される。
スチレンアクリル系樹脂からなる樹脂粒子はいわゆる乳化重合法または懸濁重合法等の湿式法によって製造可能である。スチレンアクリル系樹脂粒子を乳化重合で得るに際しては、重合開始剤含有の水系媒体にラジカル重合性モノマーを逐次、添加分散し、加熱により重合を進行させる。この際、極性基を有するモノマー(酸性極性基を有するモノマーもしくは塩基性極性基を有するモノマー)を添加することが好ましい。複数のモノマーは別々に加えても良いし、予め複数のモノマーを混合しておいて添加しても良い。更に、モノマー添加中にモノマー組成を変更することも可能である。また、モノマーはそのまま添加しても良いし、予め水や界面活性剤等と混合、調製した乳化液として添加することもできる。重合温度および重合時間は、重合反応が起こる範囲で適宜設定することができる。樹脂粒子の粒子径は、重量平均粒径で50〜500nmの範囲にあることが好ましい。
ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−ノニルスチレン、p−フェニルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類、シクロヘキセン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニル等を挙げることができる。
酸性極性基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸等のカルボキシル基を有するモノマー、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有するモノマー等が挙げられる。
塩基性極性基を有するモノマーとしては、アミノスチレン及びその四級塩、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の窒素含有複素環含有モノマー、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、及びこれらのアミノ基を四級化したアンモニウム塩を有する(メタ)アクリル酸エステル、更には、アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、アクリル酸アミド等を挙げることができる。
本発明では、ラジカル重合性モノマーとしてスチレン、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルが、酸性極性基を持つモノマーとしてアクリル酸、メタクリル酸が好適に使用される。
ラジカル重合性モノマーとともにラジカル重合性架橋剤を添加してもよい。かかるラジカル重合性架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル、ブタジエン、イソプレン等の不飽和結合を2個以上有する化合物が挙げられる。
本発明では、重合体の分子量調整のために必要に応じて公知の連鎖移動剤を使用することができるが、その様な連鎖移動剤の具体的な例としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン、オクタンチオール、ステアリルチオールやn−オクチル3−メルカプトプロピオネート、αメチルスチレンダイマー,エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。連鎖移動剤は単独又は二種類以上の併用でもよい。
乳化重合法で用いられる重合開始剤は水溶性を有する限り特に制限されず、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、及び、これら過硫酸塩を一成分として酸性亜硫酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス開始剤、過酸化水素、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の水溶性重合開始剤、及び、これら水溶性重合性開始剤を一成分として第一鉄塩等の還元剤と組み合わせたレドックス開始剤系、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル等が用いられる。これら重合開始剤はモノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせても良い。
水系媒体には通常、界面活性剤が含有される。界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤の中から選ばれる少なくとも一種を用いる。これらの界面活性剤は二種以上を併用してもよい。この中で特にアニオン系界面活性剤を主として用いることが好ましい。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などのイオン性界面活性剤を好適なものとして例示することができる。また、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレノキサイドとのエステル、ソルビタンエステルなどのノニオン性界面活性剤も使用することができる。
これらの界面活性剤は乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的で使用してもよい。
コア粒子を構成する樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は、通常15,000〜500,000とされ、好ましくは20,000〜200,000、更に好ましくは25,000〜150,000とされる。軟化点は、通常90〜140℃とされ、好ましくは100〜130℃、更に好ましくは110〜120℃とされる。
コア粒子を構成する樹脂粒子は、分子量の異なる複数の樹脂粒子(例えば、高分子量樹脂粒子,中間分子量樹脂粒子,低分子量樹脂粒子)から構成されていてもよいし、多段重合法により分子量の異なる樹脂を多層化(複合化)させた樹脂粒子(複合樹脂粒子)から構成されていてもよい。複合樹脂粒子は通常、3層構造を有することが好ましく、その場合には高分子量樹脂からなる中心部に順次、中間分子量樹脂からなる中間層および低分子量樹脂からなる外層が積層されてなる構造を有することが、オフセット発生防止の観点から好ましい。このようにコア粒子が分子量の異なる複数の樹脂を含む場合、コア粒子全体の重量平均分子量および軟化点がそれぞれ上記範囲内であればよい。
樹脂粒子を構成する高分子量樹脂粒子(複合樹脂粒子の高分子量成分)の重量平均分子量(Mw)は、通常160,000〜500,000とされる。かかる高分子量樹脂を含む樹脂粒子を使用することにより、得られるトナーに十分な内部凝集力(高温時の耐オフセット性)を付与することができる。
樹脂粒子を構成する低分子量樹脂粒子(複合樹脂粒子の低分子量成分)の重量平均分子量(Mw)は、通常15,000〜20,000とされる。かかる低分子量樹脂を含む樹脂粒子を使用することにより、得られるトナーに優れた定着強度をより有効に付与することができる。
樹脂粒子を構成する中間分子量樹脂粒子(複合樹脂粒子の中間分子量成分)の重量平均分子量(Mw)は、通常20,001〜159,999とされる。
樹脂粒子として分子量の異なる樹脂を多層化した複合樹脂粒子を得る場合には、乳化重合法等による多段重合法を採用することが好ましい。すなわち、複合樹脂粒子を製造するに際しては、乳化重合法等の常法に従って樹脂粒子を調製し、当該樹脂粒子の分散系液にラジカル重合性モノマーを追加して添加し、重合を行うことで多層化(複合化)する方法を採用することが好ましい。特に、複合樹脂粒子が3層構造を有する場合、ワックスの離脱防止の観点から中間層にワックスが含有されることが好ましい。
ワックスとしては、種々の公知のものを例示することができる。このようなワックスの具体例としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン、グラフト化ポリエチレン、グラフト化ポリプロピレン等のオレフィン系ワックス、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス、水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス、ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン、アルキル基、フェニル基を有するシリコーン系ワックス、ステアリン酸等の高級脂肪酸、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、長鎖脂肪酸アルコール、ペンタエリスリトール等の長鎖脂肪酸多価アルコール、及びその部分エステル体、パラフィン系ワックス、フィッシャートロプシュワックス等が例示される。
本発明のトナーを構成する好適なワックスとして、下記一般式(1)で示される結晶性のエステル化合物(以下、「特定のエステル化合物」という。)からなるものを挙げることができる。
一般式(1):R1−(OCO−R2n
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基を示し、nは1〜4の整数である。)
特定のエステル化合物を示す一般式(1)において、R1 およびR2 は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。炭化水素基R1 の炭素数は1〜40とされ、好ましくは1〜20、更に好ましくは2〜5とされる。炭化水素基R2 の炭素数は1〜40とされ、好ましくは16〜30、更に好ましくは18〜26とされる。また、一般式(1)において、nは1〜4の整数とされ、好ましくは2〜4、さらに好ましくは3〜4、特に好ましくは4とされる。特定のエステル化合物は、アルコールとカルボン酸との脱水縮合反応により好適に合成することができる。
特定のエステル化合物の具体例としては、下記式(1w)〜(22w)に示す化合物を例示することができる。
Figure 2005077881
Figure 2005077881
これらのワックスの中で低温定着性を改善するためにより好ましいのは、融点が100℃以下のワックスであり、更に好ましいワックスの融点は50〜100℃の範囲、特に好ましいのは55〜90℃の範囲である。融点が100℃を越えると定着温度低減の効果が乏しくなる。
上記樹脂粒子が凝集/融着されてなるコア粒子は、少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で塩析により凝集/融着させることによって得られる。コア粒子の体積平均粒径は通常、5.5〜6.5μmである。水系媒体中には通常、着色剤粒子などのトナー構成材料が添加され、樹脂粒子とともに凝集/融着される。トナー構成材料としてワックス粒子および荷電制御剤粒子が添加され樹脂粒子とともに凝集/融着されてもよい。
塩析は例えばコロイドに関する文献・書籍や高分子刊行会発行、室井宗一著「高分子ラテックスの化学」第6章以降に詳細に記載されており、溶媒中の分散粒子の電気2重層を圧縮させて粒子を凝集させるための手段である。本発明で塩析を起こすために用いられる凝集剤としては、樹脂粒子の極性官能基の極性、樹脂粒子分散液や樹脂粒子とともに凝集される着色剤粒子などの分散液に用いられる界面活性剤と逆極性の界面活性剤の他、2価以上の無機金属塩を好適に用いることができる。一般的に、価数が高いほど凝集力は増大するため、樹脂粒子の凝集スピードや製造プロセスの安定性を考慮して凝集剤は選択される。凝集剤の具体例としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。
凝集剤を添加するに当って、一般的には系内での急激な凝集を抑制する観点から分散系の温度は40℃以下に保つことが好ましい。温度が40℃を越える条件で凝集剤を添加すると急速な凝集が起こり、粒径制御が困難となったり、得られた粒子のかさ密度が低く問題となる場合がある。更にその後、通常は、加熱して粒子の凝集と融着を同時進行させて融着粒子を生成させる。撹拌は通常の公知の撹拌装置、例えばパドル翼、イカリ翼、三枚後退翼、マックスブレンド翼、ダブルヘリカル等を有する反応槽で行っても良いし、ホモジナイザー、ホモミキサー、ヘンシェルミキサー、等を用いることもできる。攪拌の回転数は、系が乱流状態となるように設定されることが好ましい。
凝集(塩析反応)による粒径成長は、分散液のpHと温度を調節することにより、比較的容易に制御することが可能である。pHの値は反応系のゼータ電位や等電点、また使用する凝集剤の種類・量、乳化剤の種類・量、目標とするトナーの粒径によって変わるため一義的には定義できないが、例えばアルミニウム系凝集剤を用いる場合、塩析作用を効果的に発現させるpHは2〜6であり、マグネシウム系凝集剤の場合はpH7〜12とされる。
反応温度についてもpHと同様、一義的に定義することはできないが、40〜95℃の範囲で粒径成長が制御できる条件であることが好ましい。この範囲よりも高い温度では、凝集と融着の同時進行により形状がほぼ真球状となりやすく形状制御性に欠ける為好ましくない。反応は、所定の温度で少なくとも10分以上保持し、より好ましくは20分以上保持することにより所望の粒径のコア粒子とする。反応温度が樹脂のTgよりも低ければ粒子は凝集するだけで融着は進まず、Tgよりも高ければ粒子の凝集と融着は同時進行する。融着が進まない場合、融着は、凝集の後であってシェル層の形成前に、またはシェル層の形成時に昇温させることにより行うことができる。
コア粒子の形成工程では、所定の温度までは一定速度で昇温してもよいし、段階的に昇温しても良い。系の攪拌翼の回転数を適宜調節してもよい。
粒子の凝集速度や粒径制御については所望の粒径に到達するまで系内の粒子の凝集状態を顕微鏡や粒径測定器などでモニターしながら、反応温度や攪拌回転数を操作することで行う。そして所望の粒径に到達したときに、シェル層の形成工程に連続的に進行してもよいし、系の粒径成長を停止あるいは成長速度を遅くするために凝集力を低下させる操作を行ってもよい。
系の凝集力を低下させる手段としては、粒子の安定性を増加させる手段や凝集剤の凝集作用を低下させる手段を用いることができる。例えば粒子の安定性を増加させる手段としては系のpHを安定側に調整する(例えば酸性下で凝集させる場合は中性からアルカリ性側に、アルカリ性下で凝集させる場合は中性から酸性側に調整する)方法や上述の界面活性剤を添加するなどの方法が用いられる。また凝集剤の凝集作用を低下させる手段としては価数の異なる金属カチオンを加え、拮抗作用により凝集力を著しく低下させることができる。凝集力を低下させた後に昇温し、融着を促進したり形状を球形側に制御することが可能である。
着色剤としては、各種の無機顔料、有機顔料および染料を挙げることができる。無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。どのような顔料でも使用することができるが、好適な無機顔料を以下に例示する。黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。これらの無機顔料は所望に応じて、単独または複数を選択併用することが可能である。
有機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。どのような顔料でも使用することができるが、具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:3、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド238等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同1 11、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同8 2、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー 25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
これらの有機顔料および染料は所望に応じて、単独または複数を選択併用することが可能である。
これらの着色剤は前記の界面活性剤の存在下で水中に分散させた分散体の状態のものを用いるのが望ましい。着色剤分散体は分散粒径が1μm以下のものを用いるのが好ましく、より好ましくは100〜500nmの範囲である。
ワックスを粒子として用いて樹脂粒子とともに凝集/融着させる場合、ワックスは前記の界面活性剤の存在下で水中に分散させた分散体の状態のものを用いるのが望ましい。このとき、ワックス分散体は1μm以下の分散粒径を有することが好ましく、より好ましくは100〜500nmの範囲である。
荷電制御剤としては、公知の任意のものを単独ないしは併用して用いることができる。カラートナー適応性(荷電制御剤自体が無色ないしは淡色でトナーへの色調障害がないこと)を勘案すると、正荷電性としては四級アンモニウム塩化合物が、負荷電性としてはサリチル酸もしくはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウム等との金属塩、金属錯体や、ベンジル酸の金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物等が好ましい。これらの荷電制御剤は前記の界面活性剤等を用いて分散体として使用することができる。
(シェル層)
本発明においてシェル層は特定のポリエステル樹脂からなる。すなわちシェル層を構成するポリエステル樹脂は多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との重縮合反応物であって、当該反応の際にスズ化合物触媒の使用量を抑えたものである。本発明においてはスズ化合物触媒の使用量を抑えて得られたポリエステル樹脂を使用することにより、トナー中のスズ含有量0.027重量%以下、好ましくは0.015重量%以下、特に0.009重量%以下を達成する。本発明においてはそのようなトナー中のスズ含有量を達成するようなポリエステル樹脂を用いてシェル層を形成することにより、シェル層の均一な形成が可能になり、結果として帯電環境安定性の低下をもたらすことなく、耐破砕性が向上したトナーを得ることができる。さらに、そのようなシェル層を有するトナー粒子は優れた耐熱保管性を確保し、また定着時においてワックスが迅速に粒子表面に滲み出るため、低温定着性と耐熱保管性の両立を達成できる。
スズ含有量の測定には、例えば、電子線マイクロアナライザー(EPMA)(EPM-810:島津製作所社製)、高周波プラズマ発光分析装置(ICP-1000III:島津製作所社製)あるいは、原子吸光光度計(AA-670G型:島津製作所製)とグラファイトファーネストアナライザー(GFA-4A型:島津製作所製)とを組合せた装置等を使用できる。また、上記測定装置に限らず同様の原理を用いた測定装置を用いることができる。
トナー中のスズ含有量が多過ぎると、シェル層形成用ポリエステル樹脂自体のスズ含有量が多いためにシェル層を均一に形成できず、帯電環境安定性が低下するだけでなく、低温定着性と耐熱保管性の両立も達成できない。
トナー中のスズ含有量は「ポリエステル樹脂合成時のスズ化合物触媒使用量」だけでなく、「コア粒子とシェル層との比率」等にも依存するため、上記トナー中のスズ含有量を達成するための「ポリエステル樹脂合成時のスズ化合物触媒使用量」は一概に規定できないが、通常は該ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との総量に対して0.18重量%以下、好ましくは0.10重量%以下、特に0.06重量%以下が適切である。スズ化合物触媒使用量が多過ぎると、加熱混合中に樹脂の分解反応などが起こりやすくなる。
上記のような使用量で使用可能なスズ化合物触媒は重縮合反応を促進し得るスズ含有化合物であれば特に制限されず、例えば、有機スズ酸化物が挙げられる。有機スズ酸化物の具体例として、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート等が挙げられる。
本発明においてシェル用ポリエステル樹脂は合成時に上記使用量のスズ化合物とともに他の触媒が使用されてもよいし、またはスズ化合物を使用することなく、他の触媒が使用されてもよい。
他の触媒としては、重縮合反応を促進可能であれば、特に制限されず、全ての有機および無機系触媒が使用可能であり、好ましくは有機系触媒、特に有機金属触媒である。
有機金属触媒としては、トナーの耐破砕性と高温高湿および低温低湿下での帯電環境安定性とのさらなる向上の観点から、チタンアルコラートならびにアルカリおよびアルカリ土類金属アルコキシドなどのような金属アルコラートを使用することが好ましく、特にチタンアルコラートが好ましい。
チタンアルコラートは一般式;
Ti(OR3
(式中、R3は炭素数1〜10、好ましくは2〜8、特に2〜6のアルキル基を示す)で表される化合物である。そのようなチタンアルコラートの具体例として、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート又はテトラ−2−エチルヘキシルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラオクチルチタネート等が挙げられる。
チタンアルコラートとして、シュウ酸チタン酸カリウム、シュウ酸チタン酸ナトリウムなどのような複合チタンアルコラートを使用してもよい。
アルカリ金属アルコキシドの具体例として、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、ヘキサノール等のアルコールの他に3級アルコール類の水酸基の水素をアルカリ金属で置換した化合物等が挙げられる。
アルカリ土類金属アルコキシドの具体例として、例えば、上記アルカリ金属アルコキシドと同様のアルコールの水酸基の水素をアルカリ土類金属で置換した化合物等が挙げられる。
他の触媒として金属アルコラートを使用した場合のトナーの耐破砕性および帯電環境安定性の向上は以下のメカニズムに基づくものと考えられる。
金属アルコラートは合成されたポリエステル樹脂中において架橋剤の役目を果たす。すなわち、金属アルコラートはポリエステル樹脂中の水酸基やカルボキシル基等の官能基と反応して橋掛け構造をつくり、該ポリエステル樹脂を三次元構造に近づけたり、巨大分子化する。例えば、チタンアルコラートは水酸基に対して図1に示すような反応を起こし、ポリエステルの架橋剤として作用する。また例えば、チタンアルコラートはカルボキシル基に対しては図2に示すような反応を起こし、ポリエステルの架橋剤として作用する。そのようなポリエステル樹脂をシェル層に含有させることにより、該シェル層がより強固になり、トナーの耐破砕性が著しく向上する。また金属アルコラートの架橋作用によってポリエステル樹脂の水酸基やカルボキシル基が消費されるため、帯電環境安定性がより向上する。
他の触媒は単独でまたは組み合わせて使用されてよい。
シェル用ポリエステル樹脂合成時の触媒の総使用量はスズ化合物触媒の使用量が上記範囲内である限り特に制限されず、通常は該ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との総量に対して0.001〜0.4重量%、好ましくは0.005〜0.2重量%、更に好ましくは0.01〜0.1重量%の範囲内である。上記触媒の総使用量を維持しつつ、金属アルコラート(特にチタンアルコラート)の使用割合を上げると、高温高湿並びに低温低湿での帯電環境安定性と耐破砕性とが向上する。そのような向上効果を得るための金属アルコラート(特にチタンアルコラート)の使用割合は触媒総使用量の30〜100重量%、好ましくは60〜100重量%が適切である。
シェル用ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分としては、静電荷像現像用トナーの分野でトナー構成樹脂としてのポリエステル樹脂を構成し得るものであれば特に制限されないが、コア粒子とシェル層との相溶性を向上させ、コア粒子に対するシェル層の表面均一化を促進する観点から、脂肪族多価アルコール化合物を主成分とすることが好ましい。脂肪族多価アルコール化合物を主成分とすることにより、結果としてトナー粒子の耐破砕性を維持しつつ低温での定着性も良好なものとすることができる。
脂肪族多価アルコール化合物の具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリストリール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール等の炭素数2〜18の脂肪族多価アルコール、及びそれらの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。特に炭素数2〜6の脂肪族多価アルコールが好ましく、より好ましくはエチレングリコール、ネオペンチルグリコールである。
脂肪族多価アルコール化合物の使用量は全アルコール成分に対して50重量%以上が適当であり、好ましくは70〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%である。脂肪族多価アルコール化合物は2種類以上組み合わせて使用されてよく、その場合にはそれらの総使用量が上記範囲内であればよい。
多価アルコール成分としてはビスフェノールAおよびそのアルキレンオキシド付加物等の芳香族多価アルコール化合物を使用してもよいが、環境安全性の観点から、芳香族多価アルコール化合物、特にビスフェノールAおよびそのアルキレンオキシド付加物の使用量は少ないほど好ましく、より好ましくは全アルコール成分に対して5重量%以下が適当である。
ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物としてはポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。
多価カルボン酸成分としては、静電荷像現像用トナーの分野でトナー構成樹脂としてのポリエステル樹脂を構成し得るものであれば特に制限されず、2価カルボン酸化合物と、必要に応じて3価以上の多価カルボン酸化合物を含有する。
2価カルボン酸化合物の具体例としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸や、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、ならびにこれらの酸の無水物およびアルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸化合物の具体例としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ならびにこれらの酸の無水物およびアルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げられる。
ポリエステル樹脂は3価以上の多価アルコール化合物または/および3価以上の多価カルボン酸化合物を含有することが好ましい。3価以上の多価アルコール化合物または/および3価以上の多価カルボン酸化合物を用いることにより、ポリエステル樹脂とワックス類との相溶性が良好となり、耐オフセット性が向上される。また、ポリエステル主鎖が軟質化され、低温での定着性が改善される。但し、3価以上の多価アルコール化合物または/および3価以上の多価カルボン酸化合物の量があまりに多くなると高分子化が進み、コア粒子にシェル層がつきにくくなる。これらの観点から適切な、3価以上の多価アルコール化合物および3価以上の多価カルボン酸化合物の総使用量は多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との総量に対して30〜70重量%、特に40〜60重量%である。
ポリエステル樹脂は、上記のような多価アルコール成分と多価カルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中、前記触媒存在下で150〜300℃、好ましくは180〜250℃の温度で重縮合反応させることによって合成可能である。
シェル用ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、通常2,000〜200,000とされ、好ましくは10,000〜150,000、更に好ましくは10,000〜100,000とされる。
軟化点(Tm)は、通常90〜140℃とされ、好ましくは100〜130℃、更に好ましくは100〜120℃とされる。
ガラス転移点は(Tg)、通常35〜75℃とされ、好ましくは40〜70℃、更に好ましくは45〜65℃とされる。
酸価(Av)は、通常1〜40KOHmg/gとされ、好ましくは1〜35KOHmg/g、更に好ましくは1〜30KOHmg/gとされる。
水酸価(OHv)は、通常1〜40KOHmg/gとされ、好ましくは1〜35KOHmg/g、更に好ましくは1〜30KOHmg/gとされる。
ポリエステル樹脂は2種類以上組み合わせて使用されてよく、その場合は各ポリエステル樹脂が上記のMw,Tm,Tg,AvおよびOHvを有すれば良い。
シェル層は、上記ポリエステル樹脂からなる粒子(以下、単にシェル粒子ということがある)を水系媒体中、コア粒子表面に付着/融着させてコア粒子を粒子成長させることにより形成可能である。「付着/融着」とは、付着と融着とが同時あるいは段階的に起こること、または、付着と融着とを同時あるいは段階的に起こさせる行為をいう。
ポリエステル樹脂粒子は例えば、以下に示すような溶融分散法、溶液分散法等によって得ることができる。
・溶融分散法
ポリエステル樹脂を軟化点以上の温度(例えば、溶融温度)に維持しながら、水系媒体中に機械的手段により分散させてもよいし、または水系媒体中でポリエステル樹脂を必要に応じて加圧下で軟化点以上の温度(例えば、溶融温度)に加熱した後、機械的手段により分散させてもよい。
機械的手段としては、例えば、スリットを有するリング状固定子とスリットを有するリング状回転子とを、僅かな間隔を保持して、相互にかみ合うように同軸上にもうけた高速回転型連続式乳化分散機を使用するのが好ましい。粒子の粒径制御においては上記分散機の回転数、並びに時間、水系媒体の加熱温度、樹脂自体の温度等を適宜調整することにより任意の粒径に制御できる。水系媒体中には分散安定化のために前記の界面活性剤が適宜添加されてもよい。
粒子を安定に分散するためには、水系媒体中あるいは樹脂の溶融体中に前記界面活性剤や塩基性物質を添加することができるが、トナーの帯電特性と樹脂粒子の安定性の観点からは、水系媒体に塩基性物質を添加することが好ましい。塩基性物質としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機塩基化合物、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどの有機アミン類等が挙げられる。水系媒体は水であることが好ましく、さらに好ましくは脱イオン水である。
・溶液分散法
ポリエステル樹脂を有機溶媒に溶解し、得られた溶液を水系媒体中、ホモジナイザー等の混合撹拌装置によって高速剪断下で分散し、加熱することによって有機溶媒を除去する。
有機溶媒はポリエステル樹脂を溶解可能で、かつ水に不溶なものが使用され、ポリエステルの構成成分にもよるが、通常、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロフォルム、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素類、エタノール、ブタノール、ベンジルアルコールエーテル、テトラヒドロフラン等のアルコール類、エーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類が挙げられる。
水系媒体中には分散安定化のために前記の界面活性剤が適宜添加されてもよい。
有機溶媒の除去は減圧下で行ってもよい。
ポリエステル樹脂粒子の粒径は、シェル層の均一形成性の観点から、100〜300nm、好ましくは150〜250nm、更に好ましくは200〜250nmである事が好ましい。
コア粒子表面にシェル粒子を付着/融着させるためには、コア粒子を得るための凝集/融着工程に連続して、このシェル層形成工程を実施することが好ましい。すなわち、樹脂粒子の凝集/融着によって得られたコア粒子の分散液にシェル粒子の分散液を添加する。このとき、シェル粒子の付着/融着によってコア粒子を粒子成長させるために、凝集/融着工程で所望の粒径に到達させたときの反応温度またはそれ以上の温度に設定することが好ましい。シェル粒子の付着/融着のために好適な温度範囲としては、(Tg+10)〜(Tg+50)℃とされ、特に好ましくは(Tg+15)〜(Tg+40)℃とされる。ここでTgはシェル用ポリエステル樹脂のガラス転移点である。
コア粒子に対するシェル粒子の付着性(即ち凝集性)を制御する手段としては凝集/融着工程で挙げた手段(反応温度や系のpH、攪拌回転数、活性剤などの調整)を用いることができる。上記手段により、シェル粒子同士の凝集を避けコアにシェル粒子が付着していくような緩やかな条件に設定することが望ましい。また、上記の手段でシェル粒子がコア粒子に付着しない場合は、凝集/融着工程で用いた凝集剤を適宜追加添加することにより凝集力を増加させて付着させてもよい。
シェル粒子がコア粒子に付着する様子や融着する様子は、反応途中のサンプリングにより電子顕微鏡で粒子表面を観察することで確認することができる。系内で浮遊するシェル粒子が全てコア粒子に付着したのを確認した後は、通常、完全に系の凝集力を消失させて粒子成長を停止し、シェル層の被膜化・粒子の形状制御を行う(熟成処理段階)。粒子の形状については上述の形状測定装置FPIA-2000により随時モニターすることができる。
コア粒子を構成する樹脂粒子とシェル層を構成する樹脂粒子との配合重量比(コア:シェル)は特に制限されるものではなく、通常は50:50〜95:5、特に80:20〜95:5であることが好ましい。
以上のようにして得られるコア−シェル構造のトナー粒子の体積平均粒径は3〜10μm、特に4〜7μmであり、次世代の高解像用現像剤として有用である。
得られたトナー粒子には、通常、洗浄処理、乾燥処理および外添処理がなされる。
洗浄処理工程では、得られたトナー粒子の分散液からトナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。濾別されたトナー粒子を洗浄する手段は従来公知の洗浄方法が用いられ、例えば、濾別されたトナー粒子を攪拌装置を具備した容器中で純水でリスラリー化・攪拌するなどの方法や、減圧濾過や遠心分離濾過中に純水をかける等の方法が用いられる。また、このときにトナー粒子中に残存する界面活性剤や金属塩類を溶出/除去するために純水で洗浄する前に予め酸性またはアルカリ性の処理を施してもよい。このような処理によってはシェル用ポリエステル樹脂の合成時に使用されたスズ化合物触媒はほとんど除去されるものではないが、本発明においては該樹脂の合成時においてスズ化合物触媒の使用量を抑えているので、トナー中のスズ含有量を有効に低減できる。
乾燥処理工程では通常、トナー粒子の水分が1重量%以下、好ましくは0.6重量%以下になるまで乾燥される。
外添処理工程では、乾燥処理されたトナー粒子に対して単独あるいは複数種の外添剤が添加・混合され、トナーを得る。外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム等の各種無機酸化微粒子、必要に応じて疎水化処理した微粒子、ビニル系重合体、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸等が使用できる。特にフルカラートナーにおいてはプロセスが複雑となるため、流動性、帯電性、転写性、クリーニング性をさらに向上させ得る機能性粒子を添加することが望ましい。外添剤の添加量は、トナー粒子に対して0.05〜5重量部の範囲が好ましい。
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することが好ましい。トナーをスリーブやローラ等の現像部材と規制部材との間隙を通過させることによって摩擦・帯電させる一成分現像方式において耐破砕性の問題は特に顕著であるが、そのような現像方式においても本発明のトナーは耐破砕性に優れているためである。
本発明のトナーはキャリアと混合されて二成分現像剤として使用されてもよい。そのときのキャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることができる。
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、以下において「部」および「%」は特に断りの無い限り、全て重量基準であるものとする。
(シェル粒子の作製)
ポリエステル樹脂含有スラリーAの製造法
表1の構成Iに示すフマル酸以外の原料及び全原料に対して0.08重量%の酸化ジブチル錫を窒素雰囲気下、220℃で5時間反応させた後、フマル酸を表1に示す使用量で添加し、200℃で反応させて、ポリエステル樹脂Aを得た。次にそのポリエステル樹脂Aを200℃に維持したまま毎分1Lの速度で0.5重量%の希アンモニア水を、ポリエステル樹脂中に送り込んでスラリーを得た。得られたスラリーは60℃まで冷却して取り出した。さらに、脱イオン水で希釈して固形分含有量を25%に調製し、最終的に200nmのスラリーAを得た。
ポリエステル樹脂含有スラリーBの製造法
表1の構成Iに示すフマル酸以外の原料及び全原料に対して0.04重量%の酸化ジブチル錫並びに0.04重量%のテトラブチルチタネートを窒素雰囲気下、220℃で5時間反応させた後、フマル酸を表1に示す使用量で添加し、200℃で反応させて、ポリエステル樹脂Bを得た。次にそのポリエステル樹脂Bを200℃に維持したまま毎分1Lの速度で0.5重量%の希アンモニア水を、ポリエステル樹脂中に送り込んでスラリーを得た。得られたスラリーは60℃まで冷却して取り出した。さらに、脱イオン水で希釈して固形分含有量を25%に調製し、最終的に200nmスラリーBを得た。
ポリエステル樹脂含有スラリーCの製造法
表1の構成Iに示すフマル酸以外の原料及び全原料に対して0.08重量%のテトラブチルチタネートを窒素雰囲気下、220℃で5時間反応させた後、フマル酸を表1に示す使用量で添加し、200℃で反応させて、ポリエステル樹脂Cを得た。次にそのポリエステル樹脂Cを200℃に維持したまま毎分1Lの速度で0.5重量%の希アンモニア水を、ポリエステル樹脂中に送り込んでスラリーを得た。得られたスラリーは60℃まで冷却して取り出した。さらに、脱イオン水で希釈して固形分含有量を25%に調製し、最終的に200nmのスラリーCを得た。
ポリエステル樹脂含有スラリーDの製造法
表1の構成IIに示すフマル酸以外の原料及び全原料に対して0.08重量%の酸化ジブチル錫を窒素雰囲気下、220℃で5時間反応させた後、フマル酸を表1に示す使用量で添加し、200℃で反応させて、ポリエステル樹脂Dを得た。次にそのポリエステル樹脂Dを200℃に維持したまま毎分1Lの速度で0.5重量%の希アンモニア水を、ポリエステル樹脂中に送り込んでスラリーを得た。得られたスラリーは60℃まで冷却して取り出した。さらに、脱イオン水で希釈して固形分含有量を25%に調製し、最終的に200nmのスラリーDを得た。
ポリエステル樹脂含有スラリーEの製造法
表1の構成Iに示すフマル酸以外の原料及び全原料に対して0.08重量%の酸化ジブチル錫並びに0.04重量%のテトラブチルチタネートを窒素雰囲気下、220℃で5時間反応させた後、フマル酸を表1に示す使用量で添加し、200℃で反応させて、ポリエステル樹脂Eを得た。次にそのポリエステル樹脂Eを200℃に維持したまま毎分1Lの速度で0.5重量%の希アンモニア水を、ポリエステル樹脂中に送り込んでスラリーを得た。得られたスラリーは60℃まで冷却して取り出した。さらに、脱イオン水で希釈して固形分含有量を25%に調製し、最終的に200nmのスラリーEを得た。
ポリエステル樹脂含有スラリーFの製造法
表1の構成Iに示すフマル酸以外の原料及び全原料に対して0.04重量%の酸化ジブチル錫並びに0.08重量%のテトラブチルチタネートを窒素雰囲気下、220℃で5時間反応させた後、フマル酸を表1に示す使用量で添加し、200℃で反応させて、ポリエステル樹脂Fを得た。次にそのポリエステル樹脂Fを200℃に維持したまま毎分1Lの速度で0.5重量%の希アンモニア水を、ポリエステル樹脂中に送り込んでスラリーを得た。得られたスラリーは60℃まで冷却して取り出した。さらに、脱イオン水で希釈して固形分含有量を25%に調製し、最終的に200nmのスラリーFを得た。
ポリエステル樹脂含有スラリーGの製造法
表1の構成Iに示すフマル酸以外の原料及び全原料に対して0.16重量%の酸化ジブチル錫を窒素雰囲気下、220℃で5時間反応させた後、フマル酸を表1に示す使用量で添加し、200℃で反応させて、ポリエステル樹脂Gを得た。次にそのポリエステル樹脂Gを200℃に維持したまま毎分1Lの速度で0.5重量%の希アンモニア水を、ポリエステル樹脂中に送り込んでスラリーを得た。得られたスラリーは60℃まで冷却して取り出した。さらに、脱イオン水で希釈して固形分含有量を25%に調製し、最終的に200nmのスラリーGを得た。
ポリエステル樹脂含有スラリーHの製造法
表1の構成Iに示すフマル酸以外の原料及び全原料に対して0.2重量%の酸化ジブチル錫を窒素雰囲気下、220℃で5時間反応させた後、フマル酸を表1に示す使用量で添加し、200℃で反応させて、ポリエステル樹脂Hを得た。次にそのポリエステル樹脂Hを200℃に維持したまま毎分1Lの速度で0.5重量%の希アンモニア水を、ポリエステル樹脂中に送り込んでスラリーを得た。得られたスラリーは60℃まで冷却して取り出した。さらに、脱イオン水で希釈して固形分含有量を25%に調製し、最終的に200nmのスラリーHを得た。
Figure 2005077881
EG;エチレングリコール
NPG;ネオペンチルグリコール
BPA-PO;ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物
BPA-EO;ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物
TPA;テレフタル酸
TMA;トリメリット酸
FA;フマル酸
以上のようにして得られたポリエステル樹脂含有スラリーの酸価(AV)、水酸基価(OHV)、軟化点(Tm)、ガラス転移点(Tg)及び重量平均分子量(Mn)を表2に示す。
Figure 2005077881
(コア用樹脂粒子の作製)
第一段重合;
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlの反応釜にアニオン系界面活性剤 C1021(OCH2CH22OSO3Na7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、反応釜内の温度を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン70.1g、n−ブチルアクリレート19.9g、メタクリル酸10.9g、t−ドデシルメルカプタン10.0gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を80℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を調製した。
第二段重合;
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン105.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタクリル酸6.2g、t−ドデシルメルカプタン5.6gからなる単量体混合液に、結晶性物質として、WEP−5(日本油脂)98.0gを添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。一方、アニオン系界面活性剤(上記式)1.6gをイオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を82℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記ラテックスを固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、前記例示WEP−5含有の単量体溶液を0.5時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(KPS)5.1gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添加し、この系を82℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第二段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面が中間分子量樹脂により被覆された構造の樹脂微粒子の分散液)を得た。これを「ラテックス1」とする。
第三段重合;
上記の様にして得られたラテックス1に、重合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン300g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸15.3g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.0gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層にWEP−5が含有されている樹脂微粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス2」とする。このラテックス2を構成する樹脂微粒子は、20,000、80,000にピーク分子量を有するものであり、また、この樹脂微粒子の重量平均粒径は130nmであった。
(着色剤分散液の作製)
シアン着色剤分散液C1
顔料C.I.ピグメントブルー15:3 50重量部
ドデシル硫酸エステルNa塩 10重量部
イオン交換水 200重量部
上記をサンドグラインダーミルで分散させ、体積平均粒子径(D50)が170nmの顔料微粒子分散液を得た。
(トナー粒子の作製)
実施例1
コア粒子の形成
ラテックス2を420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと、着色剤分散液1166gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム・6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に84℃まで昇温し、融着粒子の生成(粒径成長時間90分)を行った。
シェル層の形成
その状態で、「コールターカウンター TA-II」にて融着粒子の粒径を測定し、個数平均粒径が6.1μmになった時点で、ポリエステル含有樹脂スラリーA(シェル粒子)をコアラテックス(コア粒子)総量(固形分)の15%に相当する量で3gの界面活性剤をイオン交換水1000mlに溶解した水溶液と共に分散させた後、15gの凝集剤(塩化マグネシウム・6水和物)をイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を滴下しながら約4時間攪拌した。次いで、塩化ナトリウム80.4gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に熟成処理として液温度95℃にて2時間にわたり加熱攪拌することにより、粒子の融着及び結晶性物質の相分離を継続させた(熟成工程)。その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停止した。生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行い、その後、40℃の温風で乾燥することにより、トナー粒子を得た。
実施例2〜7および比較例1
スラリーAの代わりに表3に示すスラリーを用いたこと以外、実施例1の方法と同様にして、トナー粒子を得た。
(評価方法)
<シェル化確認評価手順>
ステップ1(遠心分離法による目視評価)
撹拌を停止した直後のトナー粒子分散液を高速度遠心機(型式55-1;佐久間製作所製)により所定の条件下(7500rpmで10分間遠心分離)でトナー粒子と液体成分とに分離し、その後取り出した上澄み液を観察してシェルの付き具合を確認した。
◎;トナー粒子分散液がトナー粒子と液体成分に完全に分離し、上澄み液が完全に透明であった;
○;トナー粒子分散液がトナー粒子と液体成分に完全に分離し、上澄み液がわずかに濁っていた;
△;トナー粒子分散液がトナー粒子と液体成分にほぼ完全に分離し、上澄み液にやや濁りが有ったが、実用上問題なかった;
×;トナー粒子分散液がトナー粒子と液体成分に分離せず、乳濁色をしており透視できない状態であり、実用上問題があった。
ステップ2(洗浄工程によるろ液確認)
イオン交換水を用いた第1回目の洗浄工程中のろ液を観察し、以下のランク付けを行った。
○;ろ液が完全に透明であった;
△;わずかに濁りが見られるがほぼ透明であり、実用上問題なかった;
×;乳濁色をしており、実用上問題があった。
<スズ含有量>
トナー中のスズ含有量の測定は、高周波プラズマ発光分析装置(ICP-1000III:島津製作所社製)を用いて行った。
以下の評価項目においては、各実施例または比較例で得られたトナー粒子に対して、外添剤として疎水性シリカH2000(15nm)(ヘキストジャパン社製)0.8重量%、疎水性チタニアSTT30A(30nm)(チタン工業社製)0.4重量%を添加混合して得られたトナーを用いた。
<耐熱保管性>
トナー20gをガラス瓶に入れ、50℃の高温下に24時間放置後、そのトナーを目視で確認することにより評価した。
○:凝集トナーがなく、全く問題なし;
△:軽い軟凝集が存在するが、軽い力ですぐ解れ、実用上問題ないもの;
×:強い凝集塊が存在し、容易には解れないもので実用上問題あり。
<環境安定性>
L/L環境(10℃、15%RH)およびH/H環境(30℃、85%RH)においてC/W比20%の画像で1000枚の連続ランニングを行った後、画像濃度と感光体上のカブリを目視観察した。
◎;画像濃度低下およびカブリは全く発生していなかった;
○;画像濃度低下およびカブリはわずかに見られたが殆ど問題のないレベルであった;
△;画像濃度低下および/又はカブリが若干発生していたが、実用上問題のないレベルであった;
×;画像濃度低下および/又はカブリが発生し、実用上問題があった。
<実機耐久性(耐破砕性)評価方法I(写真)>
評価は、L/L環境下(10℃/15%RH)において、カラーレーザープリンタmagicolor 2300 DL(ミノルタ製)により白紙で2000枚の連続耐久試験を行った後、スリーブ上から評価トナーを採取して、反射型電子顕微鏡を用いて、1000倍の倍率で視野を変えて観察を5回行い、トナー500個中の破砕トナーの平均個数で行った。評価基準を以下に示す。
◎:破砕トナーが全くなく(1個未満)で、実用上問題ないもの;
○:破砕トナーが1〜2個存在するが、実用上問題ないもの;
△:破砕トナーが3〜9個存在し、実用上問題あるもの;
×:破砕トナーが10個以上存在し、実用上問題あるもの。
<実機耐久性(耐破砕性)評価方法II(粒径変化)>
評価は、L/L環境下(10℃/15%RH)において、カラーレーザープリンタ(ミノルタ製magicolor 2300 DL)により白紙2000枚の連続耐久試験を行った後、スリーブ上から評価トナーを採取して、粒径測定器(コールターマルチサイザーII;べックマンコールター社製)において測定した粒径3μ以下の微粉成分の個数%の違いについて評価した。評価基準を以下に示す。
◎:粒径3μ以下の微粉成分の個数が3%未満であり、耐久前のトナーの微粉成分量と全く同じであった;
○:粒径3μ以下の微粉成分の個数が3%以上5%未満であった;
△:粒径3μ以下の微粉成分の個数が5%以上10%未満であった;
×:粒径3μ以下の微粉成分の個数が10%以上であった。
<定着性>
各実施例および比較例で得られたトナーをカラーレーザープリンタ(ミノルタ製magicolor 2300 DL)(ミノルタ社製)における4つの現像器に充填した。プリンタの定着機としては標準装備の定着機を取り出し、定着温度を任意に制御できるように一部改造した外部定着装置を用いて評価した。当該定着装置はオイルレス定着方式を採用するものである。
(定着分離)
オフセットの発生しない温度の下限値+15℃に定着装置のローラ温度を設定して、MTペーパー(坪量64g/m2)を用いて、合計付着量15g/m2の全面ベタ画像を画だしした。上記ペーパー上、画像は上下端及び左右端で各5mm欠損させている。定着ローラへの巻き付きが発生せず、通紙できたトナーを「○」、定着ローラへの巻き付きが発生し、通紙できなかったトナーを「×」とした。
(定着剥離強度)
上記分離性の評価方法において150℃で紙上に定着された画像を真中から2つに折り曲げてその剥離性を目視にて以下のように総合判断した。
○:剥離が生じず、実用上問題なし;
△:若干剥離が生じるが、実用上問題がない;
×:剥離が生じ、実用上問題あり。
Figure 2005077881
(各種物性評価方法)
<樹脂分子量>
GPCによる樹脂の分子量の測定方法としては、測定試料0.5〜5.0mg(具体的には1mg)に対してTHFを1cc加え、室温にてマグネティックスターラなどを用いて攪拌を行い十分に溶解させる。次いで、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフィルタで処理した後にGPCへ注入する。GPCの測定条件としては、40℃にてカラムを安定化させ、THFを毎分0.35ccの流速で流し、1mg/ccの濃度の試料を約10μl注入して測定する。カラムは、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、東ソー社製のTSKgel Super HZ1000、HZ2000、HZ2500、HZ3000、HZ4000、HZM-N、HZM-M、HZM-H、TSK guardcolumn SuperHZ-L、HZ-Hの組み合わせなどを挙げることができる。検出器としては、屈折率検出器(IR検出器)またはUV検出器を用いることが好ましい。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いた。
<ガラス転移点(Tg)>
示差走査熱量計(DSC-200:セイコー電子社製)を用い、測定する試料10mgを精密に秤量して、これをアルミニウムパンに入れ、リファレンスとしてアルミナをアルミニウムパンに入れたものを用い、昇温速度30℃/minで常温から200℃まで昇温させた後、これを冷却し、昇温速度10℃/minで20℃〜150℃の間で測定を行い、この昇温過程で30℃〜90℃の範囲におけるメイン吸熱ピークのショルダー値をTgとした。
<軟化点(Tm)>
フローテスター(CFT-500:島津製作所社製)を用い、測定する試料1.0gを秤量し、h1.0mm×φ1.0mmのダイを使用し、昇温速度3.0℃/min、予熱時間180秒、荷重30kg、測定温度範囲60〜140℃の条件で測定を行い、上記の試料が1/2流出したときの温度を樹脂軟化点(Tm)とした。
<酸価>
10mgの試料をトルエン50mlに溶解し、0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用いて、予め標定されたN/10水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定し、N/10水酸化カリウム/アルコール溶液の消費量から算出した値である。
<水酸価>
水酸価は、秤量された試料を無水酢酸で処理し、得られたアセチル化合物を加水分解し、遊離する酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムmgで表した。
<コア粒子を構成する樹脂粒子およびシェル用樹脂粒子の粒径(スラリーの粒径)>
スラリーの粒径は、マイクロトラックUPA150(日機装社製)にて測定した。
<コア粒子およびトナー粒子の粒径>
コア粒子の粒径は、マイクロトラックUPA150(日機械装社製)にて測定した。トナー粒子の粒径は、マルチサイザーII(ベックマンコールター社製)にて測定した。
チタンアルコラートの架橋作用を説明するための概念図を示す。 チタンアルコラートの架橋作用を説明するための概念図を示す。

Claims (4)

  1. コア粒子表面にシェル層を有してなるコアシェル構造型トナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、シェル層がポリエステル樹脂からなり、トナー中のスズ含有量が0.027重量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. シェル層のポリエステル樹脂における該樹脂の構成成分としてのビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物の含有量が5重量%未満であることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. コア粒子が少なくとも樹脂粒子を凝集/融着してなる構成を有することを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. コア粒子が付加重合型樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。

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