JP2005077848A - ピアノのアクション - Google Patents

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Abstract

【課題】ピアノの押鍵動作に伴う鍵のタッチ感を容易に調整することができ、長期に渡って繰り返し使用するための、信頼性が優れたピアノのアクションを提供する。
【解決手段】アクション1は、複数の鍵3が揺動する筬中24を境に演奏側とは反対側に、各鍵3の上面に載置され鍵3とともに揺動するキャプスタン30と、キャプスタン30の上部に当接しキャプスタン30に押し上げられてハンマー2を回動させるウィッペン55とを備え、キャプスタン30を鍵3の長さ方向に沿って移動させ、ウィッペン55に対してキャプスタン30の当接位置を変えるキャプスタン移動機構60を備える。各キャプスタン30は、共通の回転軸34に回動自在に支持され、他端側が鍵3の上面に当接して鍵3の揺動に伴い揺動し、キャプスタン移動機構60は、複数の鍵3の側方に支持体32が鍵3の長さ方向に沿って移動可能に設けられ、支持体32が回転軸34を支持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ピアノの鍵に連結され、ハンマーを回動させることにより、打弦を行わせるピアノのアクションに関する。
従来、ピアノのアクションは、複数の鍵毎に、鍵が揺動する支点を境に演奏者とは反対側において、鍵上に突き出して固定されたキャプスタンの上部にウィッペンが当接して備えられ、演奏者の押鍵動作に伴ってウィッペンがキャプスタンに突き上げられ、ハンマーを回動させて打弦を行わせる。また、ピアノにおいては、押鍵動作に伴って演奏者の指に伝わるタッチ感がピアノの良否を決定する一つのパラメータであるので、押鍵動作に伴うタッチ感を調整するために、ピアノを組み立てる際に、鍵からのキャプスタンの突き出し量の調整が行われている。そして、一般に、キャプスタンは、鍵に羅合するネジ部が備えられ、キャプスタンを回転させて突き出し量の調整が行われる。
また、押鍵動作に伴うタッチ感を調整するために、鍵の一部に螺合し先端部がキャプスタンの周面に当接するネジを備え、ネジの先端部をキャプスタンの下面に押し付け、鍵からのキャプスタンの突き出し量の調整を行うもの(例えば、特許文献1参照)や、ウィッペンの上下方向に貫通して螺合し先端部がキャプスタンの上面に当接するネジを備え、ネジの先端部をキャプスタンの上面に押し付け、ウィッペンの上下位置の調整を行うもの(例えば、特許文献2参照)がある。
特開平10−039857号公報(第5頁、第1−3図) 特開平10−039858号公報(第5―6頁、第1−6図)
しかしながら、従来例及び特許文献1、特許文献2のように、押鍵動作に伴うタッチ感を調整する際に、ネジによってキャプスタンの突き出し量又はウィッペンの上下位置を調整する構成によれば、鍵のタッチ感を確認しながら、ネジを回転させて緩めたり締め付けたりする作業が面倒であった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、ピアノの押鍵動作に伴う鍵のタッチ感を容易に調整することができるピアノのアクションを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、複数の鍵が揺動する支点を境に演奏側とは反対側において、各鍵の上面に載置され演奏者の押鍵によって鍵とともに揺動するキャプスタンと、該キャプスタンの上部に当接し該キャプスタンに押し上げられてハンマーを回動させるウィッペンとを備え、ハンマーによって弦を打弦するピアノのアクションであって、前記キャプスタンを鍵の長さ方向に沿って移動させ、前記ウィッペンに対して該キャプスタンの当接位置を変えるキャプスタン移動手段を備えることを特徴とする。
請求項1に記載のピアノのアクションによれば、キャプスタンを鍵の長さ方向に沿って移動させ、ウィッペンに対してキャプスタンの当接位置を変えるキャプスタン移動手段を備えているので、演奏者の押鍵動作におけるタッチ感を自在に調整することができる。つまり、鍵の長さ方向にウィッペンに対してキャプスタンの当接位置を変化させると、鍵がキャプスタンを介してウィッペンから受ける荷重の作用点と鍵の揺動する支点との距離が変化するので、演奏者の押鍵動作におけるタッチ感を調整できる。
また、請求項1に記載のピアノのアクションによれば、押鍵動作におけるタッチ感を調整する際に、キャプスタンの位置を鍵の長さ方向に移動させる構成にしたので、従来のようにネジを回転させてキャプスタンの突き出し量又はウィッペンの上下位置を調整する構成に較べると、操作が容易にできる。
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のピアノのアクションにおいて、前記各キャプスタンは、一端が複数の鍵に跨って配設された共通の回転軸に回動自在に支持され、他端側が鍵の上面に当接して鍵の揺動に伴い揺動し、前記キャプスタン移動手段は、複数の鍵の側方に支持体が鍵の長さ方向に沿って移動可能に設けられ、該支持体が前記回転軸を支持していることを特徴とする。
請求項2に記載のピアノのアクションによれば、各キャプスタンは、一端が複数の鍵に跨って配設された共通の回転軸に回動自在に支持され、他端側が鍵の上面に当接して鍵の揺動に伴い揺動し、キャプスタン移動手段は、複数の鍵の側方に支持体が鍵の長さ方向に沿って移動可能に設けられ、支持体が回転軸を支持しているので、支持体を鍵の長さ方向に移動させることによって、回転軸及び各キャプスタンを鍵の長さ方向に移動させ、複数の鍵に対して押鍵動作におけるタッチ感を同時に調整することができる。
次に、請求項3に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか記載のピアノのアクションにおいて、前記ウィッペンの前記キャプスタンとの当接面は、前記鍵が揺動する支点に近づくにつれて該鍵の上面に近づくように、鍵の長さ方向に沿って傾斜していることを特徴とする。
請求項3に記載のピアノのアクションによれば、ウィッペンのキャプスタンとの当接面は、鍵の揺動する支点に近づくにつれて鍵の上面に近づくように、鍵の長さ方向に沿って傾斜しているので、キャプスタンの位置が鍵の揺動する支点に近づくにつれて、ウィッペンを上方に押し上げるように作用し、打弦動作を安定して得ることができる。つまり、キャプスタンの位置が鍵の揺動する支点に近づくにつれ、鍵の揺動量と共にキャプスタンの揺動量も小さくなり、キャプスタンに突き上げられるウィッペンの上昇位置が低くなる。そこで、ウィッペンのキャプスタンとの当接面には、鍵の揺動する支点に近づくにつれて鍵の上面に近づくように、傾斜をつけておけば、キャプスタンを鍵の揺動する支点に近づくように移動しても、この傾斜の分だけウィッペンが押し上げられ、鍵の揺動に伴うウィッペンの上昇位置が低くなることなく、延いてはハンマーの打弦力を安定して得ることができる。
次に、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のピアノのアクションにおいて、前記ハンマーを介して前記弦と反対側方向に、該ハンマーの軸に当接して該ハンマーの反対側方向の回動を停止させるハンマーレールを備え、前記キャプスタン移動手段の作動に伴って、前記ハンマーレールの位置を前記ハンマーの回動方向に沿って移動させるように構成されていることを特徴とする。
請求項4に記載のピアノのアクションによれば、ウィッペンのキャプスタンとの当接面が鍵の揺動する支点に近づくにつれて鍵の上面に近づくように鍵の長さ方向に沿って傾斜している際に、ハンマーを介して弦と反対側方向に、ハンマーの軸に当接してハンマーの反対側方向の回動を停止させるハンマーレールを備え、キャプスタン移動手段の作動に伴って、ハンマーレールの位置をハンマーの回動方向に沿って移動させるように構成されているので、キャプスタンを鍵の長さ方向に移動にさせることによってウィッペンの上下位置が変化し、押鍵前のハンマーの位置が変化しても、ハンマーの軸に対してハンマーレールの当接を維持することができる。つまり、ウィッペンのキャプスタンとの当接面が鍵の揺動する支点に近づくにつれて鍵の上面に近づくように鍵の長さ方向に沿って傾斜していれば、キャプスタンを鍵の揺動する支点に近づくように鍵の長さ方向に移動させると、この傾斜の高さ分だけウィッペンが上昇し、ハンマーの軸が弦方向に回動しハンマーレールに対して離間するので、この離間の距離の分だけハンマーレールをハンマーの回動方向に移動させ、ハンマーの軸に対してハンマーレールの当接を維持し、弦とは反対側方向のハンマーの停止を安定して得ることができる。
次に、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか記載のピアノのアクションにおいて、前記鍵及び前記ウィッペンの少なくとも一方と前記キャプスタンとの間に、該鍵の長さ方向に回転する回転体を備え、該回転体を介して該鍵及び該ウィッペンの少なくとも一方と該キャプスタンが当接することを特徴とする。
請求項5に記載のピアノのアクションによれば、鍵及びウィッペンの少なくとも一方とキャプスタンとの間に、鍵の長さ方向に回転する回転体を備え、回転体を介して鍵及びウィッペンの少なくとも一方とキャプスタンが当接するので、鍵とキャプスタンとの当接部及びウィペンとキャプスタンとの当接部の少なくとも何れかに摩擦力が加わることがなく、演奏者の押鍵動作に伴って鍵がスムーズに動作して良好なタッチ感を得ることができる。
次に、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか記載のピアノのアクションにおいて、前記鍵及び前記ウィッペンの少なくとも一方と前記キャプスタンとの間にフェルトを備え、該フェルトを介して該鍵及び該ウィッペンの少なくとも一方と該キャプスタンが当接することを特徴とする。
請求項6に記載のピアノのアクションによれば、鍵及びウィッペンの少なくとも一方とキャプスタンとの間にフェルトを備え、フェルトを介して鍵及びウィッペンの少なくとも一方とキャプスタンが当接するので、鍵及びウィッペンの少なくとも一方とキャプスタンが当接する際の衝撃を和らげ、接触音の発生を抑制することができる。
以下、本発明の一実施例を図面と共に説明する。図1は、本発明のピアノのアクションが適用された実施例の、アップライピアノのアクションの構成を表す側面図、図2は、同実施例においてキャプスタン移動機構の構成を表す外観斜視図である。
図1において、アクション1は、ハンマーシャンク18の先端にハンマーヘッド19を備え弦4を打弦するハンマー2と、鍵3の上面に載置され演奏者の押鍵によって鍵3と共に揺動するキャプスタン30と、キャプスタン30の上部に当接しキャプスタン30に押し上げられてハンマー2を回動させるハンマー作動部52(ハンマー作動部52の一部のみを図示する)と、ウィッペン55に対してキャプスタン30の当接位置を変えるキャプスタン移動機構60とを備えている。尚、本発明のキャプスタン移動手段は、キャプスタン移動機構60によってその機能が発現される。
鍵3は、ピアノ1台あたり88鍵設置され、筬中24を支点に揺動できるように設置されている。この鍵3は図中記載の手前側(所謂、演奏側である)を押鍵すると鍵3の図中記載の後側(所謂、筬中24を境に演奏側と反対側である)が上昇して、その押鍵動作をハンマー作動部52に伝達する。
ハンマー作動部52は、複数の鍵3が揺動する筬中24(所謂、鍵3が揺動する支点である)を境に演奏側(図1中の手前側である)とは反対側において、鍵3が押されると上昇するキャプスタン30、ウィッペンフレンジ56を介してセンターレール57に回動可能に支持され、キャプスタン30の上昇によって上向きに回動するウィッペン55、ウィッペン55にジャックフレンジ58aを介して回動可能に支持され、ウィッペン55と共に上昇するジャック58、ジャック58に対して当接及び離間すると共にセンターレール57にパットフレンジ59aを介して回動可能に支持されるバット59、バット59に連結され、バット59がジャック58により突き上げられると反時計回りに回動するハンマーシャンク(所謂、ハンマーの軸である)18、ハンマーシャンク18の先端に装着されたハンマーヘッド19、ハンマー2を介して弦4と反対側方向に配設され、ハンマーシャンク18に緩衝材20を介して当接するハンマーレール21、センターレール57に固定されたフレンジ21bに一端が支持されると共に他端がハンマーレール21に固定されたハンマーレールアーム21a等を備えている。
また、ウィッペン55のキャプスタン30との当接面55aは、鍵3が揺動する筬中24に近づくにつれて鍵3の上面に近づくように、鍵3の長さ方向に沿って傾斜している。
次に、キャプスタン30は、複数の鍵3に跨って配設された共通の回転軸34に一端側が回動自在に支持され、鍵3の長さ方向に配設されたアーム33と、アーム33の他端側に固定され、上下に突き出して配設されたヘッド部31と、ヘッド部31の周面に貼り付けられたフェルト31bとを備えている。
また、キャプスタン30は、ヘッド部31の下部がフェルト31bを介して鍵3の上面に当接するとともに、ヘッド部31の上部がフェルト31bを介してウィッペン55の下方の当接面55aに当接している。そして、キャプスタン30は、演奏者の押鍵動作に伴って鍵3が筬中24を支点に上方向に揺動すると、アーム33が回転軸34を軸に回動してヘッド部31が鍵3と一体となって揺動し、ウィッペン55を上方に押し上げる。
また、図2に示すように、キャプスタン30は、各鍵3に対応して備えられ、アーム33の一端側に回転軸34に係合する係合孔が形成され、共通の回転軸34に複数係合している。回転軸34には所定のピッチ毎に大径部34bと小径部34aとが形成されている。そして、キャプスタン30は、アーム33の一端側の係合孔に回転軸34の小径部34aが挿通され、回転軸34の小径部34aに回転自在に係合するとともに、両側が大径部34bに挟まれて回転軸34の軸方向にずれないように係合されている。また、回転軸34の両端は、支持体32に固定されている。
次に、キャプスタン移動機構60は、図1、図2に示すように、複数の鍵3の両側方に、支持体32に係合し鍵3の長さ方向に支持体32を移動させるスライドレール61と、スライドレール61における上レール62にアームピン66を介して係合し回連結シャフト68を軸にE方向及びE方向の逆方向に回動するアーム65とを備えている。すなわち、スライドレール61及びアーム65は2本存在する。
また、スライドレール61は、棚板73の上に、鍵3に平行に、支持体32の下に設置されている。スライドレール61は、上レール62と下レール63とによって構成され、そのうち下レール63の方はピアノ本体に固定されている。また、上レール62と下レール63との間には両者の摩擦を低減されるためのベアリング(図示せず)が設けられており、上レール62は下レール63の上を鍵3の長手方向に沿って自在にスライドできるようになっている。そして、上レール62のスライドに伴って上レール62に固定されている支持体32も鍵3の長さ方向に沿って移動し、この移動に伴って、回転軸34、回転軸34に係合しているキャプスタン30が移動する。また、スライドレール61の上レール62の手前側先端にはフレンジ64が設けられており、フレンジ64に設けられたアームピン66が、アーム65と上レール62とを連動させている。
また、図1に示すように、アーム65のそれぞれの一端は、棚板73の下面にネジ74、75によって取り付けられた取り付け部67において、連結シャフト68を中心にして回転可能に取り付けられており、2本のアーム65は連結シャフト68を介して連動する。
また、アーム65の他端には、アーム65を手前側に付勢するコイルスプリング65bと、このコイルスプリング65bによる付勢力に抗してアーム65を後側に索引するためのワイヤ65aとが接続されている。そして、ワイヤ65aは、一端が固定部材65cを介してアップライトピアノの側板(図示せず)に固定されたチューブ65dに収納されており、チューブ65dの他端に設けられた操作レバー(図示せず)を操作して所定量索引できるようにされている。
そして、操作レバー(図示せず)を操作してワイヤ65aを後側に索引すると、図1中の二点鎖線に示すように、アーム65が矢印Eの方向に回転し、上レール62が手前側(矢印Fに示す方向)にスライドし、そのスライドに伴って支持体32、回転軸34、キャプスタン30が図1中の二点鎖線に示すように、手前側に移動する。また、ワイヤ65aを索引する前の位置に操作レバーを戻すと、コイルスプリング65bの付勢力によってアーム65が矢印Eの逆方向に回転し、上レール62が後側にスライドし、そのスライドに伴って支持体32、回転軸34、キャプスタン30が後側(矢印Fの逆方向)に移動する。
また、ウィッペン55の当接面55aが傾斜しているので、キャプスタン30を矢印F方向に移動させるとハンマーシャンク18が図中の二点鎖線に示すように矢印H方向に回動し、キャプスタン30を矢印Fと逆方向に移動させるとハンマーシャンク18が矢印Hの逆方向に回動する。この際、ハンマーレール21は、ハンマーシャンク18の回動に伴って、ハンマーシャンク18から離間することのないように、ハンマーシャンク18が矢印H方向に回動すると矢印G方向に回動し、ハンマーシャンク18が矢印Hの逆方向に回動すると矢印G逆方向に回動するように構成されている。
即ち、ハンマーレール21を支持するハンマーレールアーム21aは、フレンジ21bを介してセンターレール57に回動可能に支持されるとともに、アーム65にワイヤ80によって接続されている。そして、操作レバー(図示せず)を操作してワイヤ65aを索引すると、アーム65が矢印Eの方向に回転してワイヤ80が手前側に索引され、ハンマーレールアーム21aが矢印G方向に回動し、ワイヤ65aを索引する前の位置に操作レバーを戻すと、アーム65が矢印Eの逆方向に回転してワイヤ80が後側に戻され、ハンマーレールアーム21aが矢印Gの逆方向に回動し、ハンマーレール21が緩衝材20を介してハンマーシャンク18に当接するように構成されている。
以下に、前記の構成を有する本発明の実施例の、ピアノのアクション1の作用効果を記載する。
本実施例のピアノのアクション1によれば、キャプスタン30を鍵3の長さ方向に沿って移動させ、ウィッペン55に対してキャプスタン30の当接位置を変えるキャプスタン移動機構60を備えているので、演奏者の押鍵動作におけるタッチ感を自在に調整することができる。つまり、鍵3の長さ方向にウィッペン55に対してキャプスタン30の当接位置を変化させると、鍵3がキャプスタン30を介してウィッペン55から受ける荷重の作用点と鍵3の揺動する筬中24との距離が変化するので、演奏者の押鍵動作におけるタッチ感を調整できる。
また、本実施例のピアノのアクション1によれば、押鍵動作におけるタッチ感を調整する際に、キャプスタン30の位置を鍵3の長さ方向(F方向又はF方向の逆方向)に移動させる構成にしたので、従来のようにネジを回転させてキャプスタンの突き出し量又はウィッペンの上下位置を調整する構成に較べると、操作が容易にできる。
また、本実施例のピアノのアクション1によれば、キャプスタン移動機構60によって移動させるキャプスタン30の方向が鍵3の長さ方向であって、鍵3の揺動に伴って作動させるキャプスタン30及びウィッペン55の揺動方向と略直交しているので、長期に渡って繰り返し使用するための、優れた信頼性を維持できる。即ち、本実施例のピアノのアクション1によれば、キャプスタン移動機構60によって移動させたキャプスタン30の鍵の長さ方向に、鍵の揺動に伴う荷重が直接に加えられることがないので、キャプスタン30の位置の変化を抑制でき、安定した動作を維持できる。
また、本実施例のピアノのアクション1によれば、各キャプスタン30は、一端が複数の鍵3に跨って配設された共通の回転軸34に回動自在に支持され、他端側が鍵3の上面に当接して鍵3の揺動に伴い揺動し、キャプスタン移動機構60は、複数の鍵3の側方に支持体32が鍵3の長さ方向に沿って移動可能に設けられ、支持体32が回転軸34を支持しているので、支持体32を鍵3の長さ方向に移動させることによって、回転軸34及び各キャプスタン30を鍵3の長さ方向に移動させ、複数の鍵3に対して押鍵動作におけるタッチ感を同時に調整することができる。
また、本実施例のピアノのアクション1によれば、ウィッペン55のキャプスタン30との当接面55aは、鍵3の揺動する支点となる筬中24に近づくにつれて鍵3の上面に近づくように、鍵3の長さ方向に沿って傾斜しているので、キャプスタン30の位置が筬中24に近づくにつれてウィッペン55を上方に押し上げるように作用し、打弦動作を安定して得ることができる。つまり、キャプスタン30の位置が筬中24に近づくにつれ、鍵3の揺動量と共にキャプスタン30の揺動量も小さくなり、キャプスタン30に突き上げられるウィッペン55の上昇位置が低くなる。そこで、本実施例では、ウィッペン55のキャプスタン30との当接面55aに、筬中24に近づくにつれて鍵3の上面に近づくように傾斜をつけているので、キャプスタン30を筬中24に近づくように移動しても、この傾斜の分だけウィッペン55が押し上げられ、鍵3の揺動の際にウィッペン55の上昇位置が低くなることなく、延いてはハンマー2の打弦力を安定して得ることができる。
また、本実施例のピアノのアクション1によれば、ウィッペン55の当接面55aが鍵3の揺動する支点となる筬中24に近づくにつれて鍵3の上面に近づくように鍵3の長さ方向に沿って傾斜している際に、ハンマー2を介して弦4と反対側方向に、ハンマーシャンク18に当接してハンマー2の反対側方向の回動を停止させるハンマーレール21を備え、キャプスタン移動機構60の作動に伴って、ハンマーレール21の位置をハンマー2の回動方向に沿って移動させるように構成されているので、キャプスタン30を鍵3の長さ方向に移動にさせることによって押鍵前のハンマー2の位置が変化しても、ハンマーシャンク18に対してハンマーレール21の当接を維持することができる。つまり、ウィッペン55の当接面55aが鍵3の揺動する支点となる筬中24に近づくにつれて鍵3の上面に近づくように鍵3の長さ方向に沿って傾斜していれば、キャプスタン30を筬中24に近づくように鍵3の長さ方向に移動させると、図1中の二点鎖線に示すように、この傾斜の高さ分だけウィッペン55が上昇し、ハンマーシャンク18が弦4方向に回動してハンマーレール21に対して離間するので、この離間の距離だけハンマーレール21をハンマー2の回動方向に移動させ、ハンマーシャンク18に対してハンマーレール21の当接を維持することにより、弦4とは反対側方向のハンマー2の停止を安定して得ることができる。
また、本実施例のピアノのアクション1によれば、鍵3及びウィッペン55とキャプスタン30との間にフェルト30bを備え、フェルト30bを介して鍵3及びウィッペン55とキャプスタン30が当接するので、鍵3及びウィッペン55とキャプスタン30が当接する際の衝撃を和らげ、接触音の発生を抑制することができる。
(変形例2)
次に、図3を用いて、本発明のピアノのアクションにおいて、キャプスタンの変形例について説明する。図3は、キャプスタンの変形例の構成を表す外観斜視図である。尚、本変形例におけるキャプスタンの構成は、基本的に前記実施例で表したキャプスタン30と同じ構成なので詳細な説明を省き、特徴となる部分について説明する。
図3において、キャプスタン40は、鍵3及びウィッペン55とキャプスタン40との間に、鍵3の長さ方向に回転する円筒形状の一対の回転体43を備え、回転体43を介して鍵3及びウィッペン55とキャプスタン40が当接するように構成されている。
また、キャプスタン40は、前記実施例と同じように、アーム41の一端側の係合孔に回転軸34の小径部34aが挿通され、回転軸34の小径部34aに回転自在に係合するとともに、両側が大径部34bに挟まれて回転軸34の軸方向にずれないように係合されている。そして、アーム41の両側にフレンジ42が固定されると共にフレンジ42に回転軸40aが固定され、回転体43が鍵3の長さ方向に回転自在に回転軸40aに対して係合している。また、回転体43の表面には、図示されないフェルトが貼り付けられている。
前記変形例のキャプスタン40を備えたピアノのアクション1によれば、鍵3及びウィッペン55とキャプスタン40との間に、鍵3の長さ方向に回転する回転体43を備え、回転体43を介して鍵3及びウィッペン55とキャプスタン40が当接するので、キャプスタン40の前後方向への移動の際、鍵3とキャプスタン40との当接部及びウィッペン55とキャプスタン40との当接部に摩擦力が加わることがなく、キャプスタン40の前後方向への移動の際及び演奏者の押鍵動作に伴って鍵3がスムーズに動作して良好なタッチ感を得ることができる。
以上、本発明の実施例及び変形例について説明したが、本発明は、上述した実施例及び変形例に限定されるものではなく、種々の態様を取ることができる。
例えば、実施例において、本発明のピアノのアクションとして、アップライトピアノのアクション1について記載したが、複数の鍵が揺動する支点を境に演奏側とは反対側において、各鍵の上面に載置され演奏者の押鍵によって鍵とともに揺動するキャプスタンと、キャプスタンの上部に当接しキャプスタンに押し上げられてハンマーを回動させるウィッペンとを備え、ハンマーによって弦を打弦するピアノのアクションであれば、例えば、グランドピアノや電子ピアノにも適用できる。
また、実施例のピアノのアクションによれば、88鍵の各鍵毎に備えた各キャプスタン30が共通の回転軸34に係合し、支持体32を鍵の長さ方向に移動させることによって、各キャプスタン30を鍵3の長さ方向に同時に移動させるものとしたが、回転軸34を複数に分割し、分割された回転軸をそれぞれ独立して移動させるようにキャプスタン移動機構を複数備え、各キャプスタン30を分割して移動できるようにしてもよい。
また、変形例におけるキャプスタン40は、円筒形状の回転体43を備えたが、球形状の回転体であってもよい。
本発明のピアノのアクションが適用された実施例の、アップライピアノのアクションの構成を表す側面図である。 同実施例においてキャプスタン移動機構の構成を表す外観斜視図である。 本発明のピアノのアクションが適用された、キャプスタンの変形例の構成を表す外観斜視図である。
符号の説明
1…アクション、2…ハンマー、3…鍵、4…弦、18…ハンマーシャンク、19…ハンマーヘッド、20…緩衝材、21…ハンマーレール、21a…ハンマーレールアーム、21b…フレンジ、24…筬中、30,40…キャプスタン、30b…フェルト、31…ヘッド部、32…支持体、33,41…アーム、34…回転軸、34a…小径部、34b…大径部、40a…回転軸、42…フレンジ、52…ハンマー作動部、55…ウィッペン、55a…当接面、56…ウィッペンフレンジ、57…センターレール、58a…ジャックフレンジ、58…ジャック、59…バット、59a…パットフレンジ、60…キャプスタン移動機構、61…スライドレール、62…上レール、63…下レール、64…フレンジ、65…アーム、65a…ワイヤ、65b…コイルスプリング、65c…固定部材、65d…チューブ、66…アームピン、67…取り付け部、68…連結シャフト、73…棚板、74,75…ネジ、80…ワイヤ。

Claims (6)

  1. 複数の鍵が揺動する支点を境に演奏側とは反対側において、各鍵の上面に載置され演奏者の押鍵によって鍵とともに揺動するキャプスタンと、該キャプスタンの上部に当接し該キャプスタンに押し上げられてハンマーを回動させるウィッペンとを備え、ハンマーによって弦を打弦するピアノのアクションであって、
    前記キャプスタンを鍵の長さ方向に沿って移動させ、前記ウィッペンに対して該キャプスタンの当接位置を変えるキャプスタン移動手段を備える、
    ことを特徴とするピアノのアクション。
  2. 前記各キャプスタンは、一端が複数の鍵に跨って配設された共通の回転軸に回動自在に支持され、他端側が鍵の上面に当接して鍵の揺動に伴い揺動し、前記キャプスタン移動手段は、複数の鍵の側方に、支持体が鍵の長さ方向に沿って移動可能に設けられ、該支持体が前記回転軸を支持している、
    ことを特徴とする請求項1に記載のピアノのアクション。
  3. 前記ウィッペンの前記キャプスタンとの当接面は、前記鍵が揺動する支点に近づくにつれて該鍵の上面に近づくように、鍵の長さ方向に沿って傾斜している、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のピアノのアクション。
  4. 前記ハンマーを介して前記弦と反対側方向に、該ハンマーに当接して該ハンマーの反対側方向の回動を停止させるハンマーレールを備え、前記キャプスタン移動手段の作動に伴って、前記ハンマーレールの位置を前記ハンマーの回動方向に沿って移動させるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載のピアノのアクション。
  5. 前記鍵及び前記ウィッペンの少なくとも一方と前記キャプスタンとの間に、該鍵の長さ方向に回転する回転体を備え、該回転体を介して該鍵及び該ウィッペンの少なくとも一方と該キャプスタンが当接する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか記載のピアノのアクション。
  6. 前記鍵及び前記ウィッペンの少なくとも一方と前記キャプスタンとの間にフェルトを備え、該フェルトを介して該鍵及び該ウィッペンの少なくとも一方と該キャプスタンが当接する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか記載のピアノのアクション。
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