JP2005076698A - 車両用発進クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動源および駆動輪間の動力伝達系に介設される車両用発進クラッチにおいて、動力伝達系の重量増大およびコスト増大を回避しつつ、充分なエンジンブレーキ効果が得られるようにする。
【解決手段】遠心ウエイト56および入力側回転部材55間には、クラッチオン状態からクラッチオフ状態となる側に前記遠心ウエイト56が回動する際の前記入力側回転部材55の回転数よりも高い回転数となるまでクラッチオフ状態からクラッチオン状態となる側への前記遠心ウエイト56の回動を制限する回動制限手段74が設けられる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、車両用発進クラッチに関し、特に、駆動輪に連なる出力側回転部材と、該出力側回転部材と同軸の回転軸線を有して車両の駆動源に連なる入力側回転部材と、該入力側回転部材の回転に伴う遠心力の作用に応じて前記出力側回転部材に摩擦係合してクラッチオン状態となる側に回動することを可能として前記入力側回転部材に回動可能に支承される遠心ウエイトと、該遠心ウエイトを前記摩擦係合を解消したクラッチオフ状態となる側にばね付勢するばね付勢手段とを備え、前記駆動源および前記駆動輪間の動力伝達系に介設される車両用発進クラッチに関する。
従来、たとえば特許文献1で開示される発進クラッチでは、遠心ウエイトに作用する遠心力が該遠心ウエイトをクラッチオフ側に付勢するばねのばね力以上になるのに応じて、遠心ウエイトをクラッチオン側に回動せしめ、出力側回転部材に摩擦係合させるようにしている。
特開平10−159973号公報
ところで、上記従来の発進クラッチでは、低回転でのクラッチの引きずりを防止するために、遠心ウエイトをクラッチオフ側に付勢するばねのばね力を比較的大きく設定している。そのため回転数が比較的高くなるのに応じて遠心ウエイトがクラッチオン側に回動するとともに、クラッチオン状態での回転数低下時には回転数が比較的高い状態でクラッチオフ状態になることになり、エンジンブレーキ作用回転数の下限値が高い。そのため、上記従来のものでは、発進クラッチと、一方向クラッチ等の他のメカニズムとを併用することでエンジンブレーキ効果を得るようにしており、動力伝達系の重量増加およびコスト増大の要因となっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、動力伝達系の重量増大およびコスト増大を回避しつつ、充分なエンジンブレーキ効果が得られるようにした車両用発進クラッチを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、駆動輪に連なる出力側回転部材と、該出力側回転部材と同軸の回転軸線を有して車両の駆動源に連なる入力側回転部材と、該入力側回転部材の回転に伴う遠心力の作用に応じて前記出力側回転部材に摩擦係合してクラッチオン状態となる側に回動することを可能として前記入力側回転部材に回動可能に支承される遠心ウエイトと、該遠心ウエイトを前記摩擦係合を解消したクラッチオフ状態となる側にばね付勢するばね付勢手段とを備え、前記駆動源および前記駆動輪間の動力伝達系に介設される車両用発進クラッチにおいて、前記遠心ウエイトおよび前記入力側回転部材間には、クラッチオン状態からクラッチオフ状態となる側に前記遠心ウエイトが回動する際の前記入力側回転部材の回転数よりも高い回転数となるまでクラッチオフ状態からクラッチオン状態となる側への前記遠心ウエイトの回動を制限する回動制限手段が設けられることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記回動制限手段は、前記入力側回転部材および前記遠心ウエイトの一方に設けられて他方側に突出する突起と、前記入力側回転部材および前記遠心ウエイトの一方に摺接する側にばね付勢されるとともに前記突起を乗り越えることを可能として前記入力側回転部材および前記遠心ウエイトの他方に保持される摺動部材とを備えることを特徴とする。
さらに請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、前記遠心ウエイトの前記入力側回転部材に対向する対向面には有底の保持穴が設けられ、前記対向面側に突出して前記入力側回転部材に設けられる突起を乗り越えることを可能として前記摺動部材が前記保持穴の開口端部に保持され、前記摺動部材を前記入力側回転部材に摺接させる側に付勢するばね力を発揮するばねが前記保持穴に収容されることを特徴とする。
上記請求項1記載の発明によれば、遠心ウエイトへのばね付勢手段によるばね付勢力を比較的小さく設定しても、クラッチオン状態からクラッチオフ状態となる側に遠心ウエイトが回動する際の入力側回転部材の回転数よりも高い回転数となるまで遠心ウエイトがクラッチオン状態となる側に回動することはないので、比較的高回転となるまでは遠心ウエイトのクラッチオン側への作動が制限される。しかもクラッチオン状態となるときには、遠心力がばね付勢手段のばね付勢力を大きく超えているので、回動制限手段による遠心ウエイトの回動制限が解除されたときには遠心ウエイトは速やかに出力側回転部材に押しつけられることになり、車両発進時の引きずり領域を減少せしめ、耐久性の向上およびクラッチのつながり感の向上を図ることができる。またばね付勢手段によるばね付勢力を比較的小さく設定することで、回転数が比較的低くなるまではクラッチオン状態が維持されることになり、エンジンブレーキを効果的に得ることができ、そのようなエンジンブレーキ効果を得るに際して、一方向クラッチ等の他のメカニズムとを併用する必要はないので、動力伝達系の重量増大およびコスト増大を回避することができる。
また上記請求項2記載の発明によれば、入力側回転部材および遠心ウエイトの一方に摺接する側にばね付勢される摺動部材が突起を乗り越えるまでは、クラッチオン状態となる側への遠心ウエイトの回動を制限することができ、簡単な構造を有する小型の回動制限手段を構成することができる。
さらに上記請求項3記載の発明によれば、比較的厚い遠心ウエイトに、摺動部材を保持せしめるとともにばねを収容するようにして、回転軸線に沿う方向での発進クラッチの小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
図1〜図6は車両用エンジンの縦断側面図、図2は図1の要部拡大図、図3はクラッチオフ状態での図2の3−3線に沿う断面図、図4はクラッチオン状態での図3に対応した断面図、図5は回動制限手段の作動状態の変化を示す図、図6は回転数に応じて遠心ウエイトに作用する力の変化を示す図である。
先ず図1において、駆動源であるエンジンEは、たとえば自動二輪車等の車両に搭載されるものであり、このエンジンEのエンジン本体11は、ピストン17を摺動自在に嵌合せしめるシリンダボア18を有するシリンダブロック12と、前記ピストン17の頂部との間に燃焼室19を形成してシリンダブロック12に結合されるシリンダヘッド13と、前記ピストン17にコネクティングロッド20を介して連結されるクランクシャフト21を回転自在に支承してシリンダブロック12に結合されるクランクケース14とから成り、前記クランクケース14は、一対のケース半体15,16が、前記シリンダボア18の軸線を含む平面を合わせ面として相互に結合されることで構成される。
クランクケース14を構成する一対のケース半体15,16の一方15から突出したクランクシャフト21の一端部には、発電機22のロータ23が固定されており、該発電機22を覆うようにして前記一方のケース半体に結合される第1カバー25に発電機22のステータ24が固定される。
シリンダヘッド13には、動弁装置28の一部を構成するカムシャフト29がクランクシャフト21と平行な軸線を有して回転自在に支承されており、クランクシャフト21からの回転動力が調時伝動機構30を介して前記カムシャフト29に1/2の減速比で伝達される。而して調時伝動機構30は、前記発電機22および前記一方のケース半体15との間でクランクシャフト21に固定される駆動スプロケット31と、前記カムシャフト29の一端部に固定される被動スプロケット32と、駆動および被動スプロケット31,32に巻きかけられる無端状のタイミングチェーン33とで構成され、前記一方のケース半体15、シリンダブロック12およびシリンダヘッド13にわたっては、前記タイミングチェーン33を走行させるためのチェーン通路34が設けられる。
エンジンの出力すなわちクランクシャフト21の回転動力は、発進クラッチ35、ダンパゴム36、変速クラッチ37および変速機38を含む動力伝達系39を介して駆動輪たとえば後輪Wに伝達される。
変速機38は、前記クランクシャフト21と平行な軸線を有してクランクケース14で回転自在に支承されるメインシャフト40およびカウンタシャフト41と、選択的な確立を可能としてメインシャフト40およびカウンタシャフト41間に設けられる複数段のギヤ列42とを備え、クランクケース14には、前記ギヤ列42を選択的に確立するために回動するシフトドラム43が回動自在に支承される。
クランクケース14を構成する一対のケース半体15,16の他方16から突出したクランクシャフト21の他端部は発進クラッチ35を介して駆動ギヤ46に連結されており、該駆動ギヤ46に噛合する被動ギヤ47が、前記他方のケース半体16から突出したメインシャフト40の端部に相対回転自在に支承され、この被動ギヤ47は、前記ダンパゴム36を介して変速クラッチ37のクラッチアウタ48に連結される。
前記変速クラッチ37は、ライダーの操作に応じたレリーズカム機構50の作用により、メインシャフト40に結合されるクラッチインナ49および前記クラッチアウタ48間を断・接する多板クラッチであり、該変速クラッチ37を遮断した状態で前記ギヤ列42の選択的な確立が可能となる。前記発進クラッチ35および変速クラッチ37は、前記他方のケース半体16に結合される第2カバー51で覆われる。
前記一方のケース半体15から突出したカウンタシャフト41の端部にはチェーン52が巻きかけられる駆動スプロケット53が固定されており、この駆動スプロケット53からチェーン52を介して後輪Wに動力が伝達される。
図2〜図4において、発進クラッチ35は、動力伝達系39においてクランクシャフト21および駆動ギヤ46間に介設される遠心クラッチであり、出力側回転部材54と、該出力側回転部材54と同軸の回転軸線を有する入力側回転部材55と、該入力側回転部材55の回転に伴う遠心力の作用に応じて前記出力側回転部材54に摩擦係合してクラッチオン状態となる側に回動することを可能として前記入力側回転部材54に回動可能に支承される複数個たとえば3個の遠心ウエイト56…と、それらの遠心ウエイト56…を前記摩擦係合を解消したクラッチオフ状態となる側にばね付勢するばね付勢手段としてのクラッチばね57…とを備える。
出力側回転部材54は、椀状に形成されており、一端側に駆動ギヤ46を有してクランクシャフト21を同軸に囲繞する円筒状の出力側伝動筒58の他端部に設けられた鍔部58aにリベット59…によって結合される。すなわち出力側回転部材54は、駆動ギヤ46、被動ギヤ47、ダンパゴム36、変速クラッチ37、駆動スプロケット53およびチェーン52を介して後輪Wに連なることになる。
入力側回転部材55は、椀状である前記出力側回転部材54の開口端に対応した位置で出力側回転部材54と同軸に配置されており、クランクシャフト21に相対回転不能に結合される入力側伝動筒60に溶接される。すなわち入力側回転部材55は入力側伝動筒60を介してクランクシャフト21に連なることになり、入力側伝動筒60および出力側伝動筒58間にはローラベアリング61が介装される。
入力側回転部材55の周方向に等間隔をあけた複数箇所たとえば3箇所には、クランクシャフト21と平行な軸線を有する支点ピン62…の基部が固定される。また出力側回転部材54内には、各遠心ウエイト56…に入力側回転部材55とは反対側で対向するリング状の挟持板63と、該挟持板63に関して遠心ウエイト56…と反対側に配置されるリング状の係合板64とが収容されており、前記支点ピン62…は、複数枚の鉄系金属板がそれぞれ積層されて成る遠心ウエイト56…、挟持板63および係合板64に挿通される。さらに各支点ピン62…の先端部には係合板64に係合する止め輪65…が嵌着されており、挟持板63および係合板64間には皿ばね66…が介装される。
靴形に形成される遠心ウエイト56…の一端部には支点ピン62…を挿通させる支持孔67…が両端を開放するようにして設けられる。また遠心ウエイト56…の中間部には、クラッチばね57…の一端を出力側回転部材54の半径方向に沿う遠心ウエイト56…の内方側から係合させ得る係合孔68…が設けられ、遠心ウエイト56…の他端部には前記クラッチばね57…の他端を係合させ得る係合孔69が設けられる。
また各遠心ウエイト56…の外周には、出力側回転部材54の内周に摩擦係合し得る摩擦材70…が接着される。
本発明に従えば、各遠心ウエイト56…および入力側回転部材55間には、クラッチオン状態からクラッチオフ状態となる側に遠心ウエイト56…が回動する際の入力側回転部材55の回転数よりも高い回転数となるまでクラッチオフ状態からクラッチオン状態となる側への各遠心ウエイト56…の回動を制限する回動制限手段74…が設けられる。
この回動制限手段74は、入力側回転部材55および遠心ウエイト56の一方に設けられて他方側に突出する突起75と、入力側回転部材55および遠心ウエイト56の一方に摺接する側にばね付勢されるとともに前記突起75を乗り越えることを可能として入力側回転部材55および遠心ウエイト56の他方に保持される摺動部材76とを備えるものである。
この実施例では、遠心ウエイト56の入力側回転部材55に対向する対向面56aには有底の保持穴77が設けられ、対向面56a側に突出して入力側回転部材55に設けられる突起75を乗り越えることを可能として摺動部材76が保持穴77の開口端部に保持され、摺動部材76を入力側回転部材55に摺接させる側に付勢するばね力を発揮するばね78が前記保持穴77に収容される。
前記突起75は、遠心ウエイト56の回動作動方向に沿う断面が、前記対向面56a側に突出する三角形状となるようにして形成されており、前記摺動部材76は、ボール状に形成される。
このような発進クラッチ37において、クランクシャフト21の回転数が「0」であるときには、図5(a)で示すように、摺動部材76…が突起75…よりも内方位置となる位置にあり、前記回転数の増大によって各遠心ウエイト56…に作用する遠心力が増大すると、各遠心ウエイト56…は、図5(b)で示すように、突起75に摺動部材76が当接することで回動を制限されるが、前記回転数がさらに増大して各遠心ウエイト56…に作用する遠心力がさらに増大すると、各遠心ウエイト56…は、図5(c)で示すように突起75を乗り越えた後、図5(d)で示すように、出力側回転部材54の内周に摩擦部材70…を押し当てて摩擦係合する位置まで回動し、クラッチオン状態となる。
ここで遠心ウエイト56に作用する力の変化について図6を参照しながら説明すると、遠心ウエイト56には、回転数の増大に応じて増大する遠心力がクラッチオン側に向けて作用するとともに、クラッチばね57のばね力Fspgと、突起75を摺動部材76が乗り越えるに必要な力Fbとの和(Fspg+Fb)がクラッチオフ側に向けて作用しており、クランクシャフト21すなわち入力側回転部材55の回転数が回転数N1以上となり、遠心ウエイト56に作用する遠心力が設定遠心力F1以上となったときに、遠心ウエイト56は、出力側回転部材54の内周に摩擦部材70…を押し当てて摩擦係合する位置まで回動し、クラッチオン状態となる。
而して、前記設定遠心力F1は、クラッチばね57のばね力Fspgよりも大きく設定されるものであり、摺動部材76が突起75を乗り越える際の力Fbの最大値およびクラッチばね57のばね力Fspgの和を超える値となったときの回転数で遠心ウエイト56に作用する遠心力である。
一方、クラッチオン状態では、摺動部材76は突起75を乗り越えた状態にあるので、遠心ウエイト56をクラッチオフ側に付勢するのはクラッチばね57のばね力Fspgだけであり、回転数が前記回転数N1よりも低い回転数N2となって遠心力が前記ばね力Fspg以下となると、遠心ウエイト56は出力側回転部材54への摩擦部材70の摩擦係合を解除するように内方側に作動し、それによりクラッチオフ状態となる。すなわちクラッチオン状態とクラッチオフ状態との間にヒステリシスが生じることになる。
なお回転数の低下時にも前記摺動部材76は突起75を乗り越えることになるが、その際、図6の点線で示すように、(Fspg−Fb)が遠心力よりも一時的に低くなる状態がり、その間だけ遠心ウエイト56の内方側への回動が停止するが、回転数がさらに低下することにより、(Fspg−Fb)が遠心力よりも大きくなるので、遠心ウエイト56は内方側の元の位置に戻ることになる。
次にこの実施例の作用について説明すると、エンジンEおよび後輪W間の動力伝達系39に介設される発進クラッチ37において、遠心ウエイト56…および入力側回転部材55…間には、クラッチオン状態からクラッチオフ状態となる側に遠心ウエイト56…が回動する際の入力側回転部材55の回転数よりも高い回転数となるまでクラッチオフ状態からクラッチオン状態となる側への各遠心ウエイト56…の回動を制限する回動制限手段74…が設けられている。
したがって遠心ウエイト56…へのクラッチばね57…によるばね付勢力を比較的小さく設定しても、比較的大きな設定遠心力F1以上の遠心力が作用するまで遠心ウエイト56…はクラッチオン状態となる側に回動することはなく、比較的高回転となるまでは遠心ウエイト56…のクラッチオン側への作動が制限される。
しかもクラッチオン状態となるときには、遠心力がクラッチばね57…のばね付勢力を大きく超えているので、回動制限手段74…による遠心ウエイト56の回動制限が解除されたときには遠心ウエイト56…は速やかに出力側回転部材54に押しつけられることになり、車両発進時の引きずり領域を減少せしめ、耐久性の向上およびクラッチのつながり感の向上を図ることができる。またクラッチばね57…によるばね付勢力を比較的小さく設定することで、回転数が比較的低くなるまではクラッチオン状態が維持されることになり、エンジンブレーキの作用回転数を低下させ、エンジンブレーキを効果的に得ることができ、そのようなエンジンブレーキ効果を得るに際して、一方向クラッチ等の他のメカニズムとを併用することは不要であるので、動力伝達系39の重量増大およびコスト増大を回避することができる。
また回動制限手段74は、入力側回転部材55および遠心ウエイト56の一方に設けられて他方側に突出する突起75と、入力側回転部材55および遠心ウエイト56の一方に摺接する側にばね付勢されるとともに突起75を乗り越えることを可能として入力側回転部材および遠心ウエイト56の他方に保持される摺動部材76とを備えるものであり、入力側回転部材55および遠心ウエイト56の一方に摺接する側にばね付勢される摺動部材76が突起75を乗り越えるまでは、クラッチオン状態となる側への遠心ウエイト56の回動を制限することができ、簡単な構造を有する小型の回動制限手段74を構成することができる。
さらに遠心ウエイト56の入力側回転部材55に対向する対向面56aには有底の保持穴77が設けられ、対向面56a側に突出して入力側回転部材55に設けられる突起75を乗り越えることを可能として摺動部材76が前記保持穴77の開口端部に保持され、摺動部材76を入力側回転部材55に摺接させる側に付勢するばね力を発揮するばね78が保持穴77に収容されるので、比較的厚い遠心ウエイト56に、摺動部材76を保持せしめるとともにばね78を収容するようにして、回転軸線に沿う方向での発進クラッチ37の小型化を図ることができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
車両用エンジンの縦断側面図である。 図1の要部拡大図である。 クラッチオフ状態での図2の3−3線に沿う断面図である。 クラッチオン状態での図3に対応した断面図である。 回動制限手段の作動状態の変化を示す図である。 回転数に応じて遠心ウエイトに作用する力の変化を示す図である。
符号の説明
37・・・発進クラッチ
39・・・動力伝達系
54・・・出力側回転部材
55・・・入力側回転部材
56・・・遠心ウエイト
56a・・・対向面
57・・・ばね付勢手段としてのクラッチばね
74・・・回動制限手段
75・・・突起
76・・・摺動部材
77・・・保持穴
78・・・ばね
E・・・駆動源としてのエンジン
W・・・駆動輪としての後輪

Claims (3)

  1. 駆動輪(W)に連なる出力側回転部材(54)と、該出力側回転部材(54)と同軸の回転軸線を有して車両の駆動源(E)に連なる入力側回転部材(55)と、該入力側回転部材(55)の回転に伴う遠心力の作用に応じて前記出力側回転部材(54)に摩擦係合してクラッチオン状態となる側に回動することを可能として前記入力側回転部材(55)に回動可能に支承される遠心ウエイト(56)と、該遠心ウエイト(56)を前記摩擦係合を解消したクラッチオフ状態となる側にばね付勢するばね付勢手段(57)とを備え、前記駆動源(E)および前記駆動輪(W)間の動力伝達系(39)に介設される車両用発進クラッチにおいて、前記遠心ウエイト(56)および前記入力側回転部材(55)間には、クラッチオン状態からクラッチオフ状態となる側に前記遠心ウエイト(56)が回動する際の前記入力側回転部材(55)の回転数よりも高い回転数となるまでクラッチオフ状態からクラッチオン状態となる側への前記遠心ウエイト(56)の回動を制限する回動制限手段(74)が設けられることを特徴とする車両用発進クラッチ。
  2. 前記回動制限手段(74)は、前記入力側回転部材(55)および前記遠心ウエイト(56)の一方に設けられて他方側に突出する突起(75)と、前記入力側回転部材(55)および前記遠心ウエイト(56)の一方に摺接する側にばね付勢されるとともに前記突起(75)を乗り越えることを可能として前記入力側回転部材(55)および前記遠心ウエイト(56)の他方に保持される摺動部材(76)とを備えることを特徴とする請求項1記載の車両用発進クラッチ。
  3. 前記遠心ウエイト(56)の前記入力側回転部材(55)に対向する対向面(56a)には有底の保持穴(77)が設けられ、前記対向面(56a)側に突出して前記入力側回転部材(55)に設けられる突起(75)を乗り越えることを可能として前記摺動部材(76)が前記保持穴(77)の開口端部に保持され、前記摺動部材(76)を前記入力側回転部材(55)に摺接させる側に付勢するばね力を発揮するばね(78)が前記保持穴(76)に収容されることを特徴とする請求項2記載の車両用発進クラッチ。
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