JP2005076573A - 電動送風機 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成により送風効率を向上させることができる電動送風機を提供することを課題とする。
【解決手段】羽根車2と、羽根車2の吐出側に配設された複数の渦巻き型の静翼13を有するディフューザ7と、羽根車2を駆動するモータ5とを備え、前記静翼13の渦巻きの内周側表面部において、静翼3の空気流入側の端部Aから、渦巻きの内周側に隣接する静翼13の空気流入側の端部Aとディフューザ7の中心とを結ぶ仮想線に交差する点Bまでの部分に、ディフューザ7の中心側に突出する突出部16を形成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電動送風機に関するものであり、さらに詳しくは、例えば電気掃除機の掃除機本体内で集塵室の後方(下流側)などに配されて、所定方向への空気の流れを生じさせるディフューザを有する電動送風機に関するものである。
この種の電動送風機におけるディフューザには、複数の渦巻き型の静翼が形成されている。そして、夫々の静翼の空気流入側の端部は、ディフューザに流入する空気の衝突による損失を低減させるため薄肉に形成されていた。(例えば、特許文献1参照)
特開2000−170693号公報(図2)
しかしながら、静翼の空気流入側の端部においては、薄肉部により流入する空気の衝突による損失を低減させて送風効率の低下を防止することはできるが、静翼の、空気流入側の端部から、内周側に隣接する静翼の空気流入側の端部とディフューザの中心とを結ぶ仮想線に交差する点までの間においては、静翼に沿って流れる空気流に乱れが生じて渦流が発生し送風効率が低下する欠点があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成により送風効率を向上させることができる電動送風機を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための第1の手段は、羽根車と、羽根車の吐出側に配設された複数の渦巻き型の静翼を有するディフューザと、羽根車を駆動するモータとを備え、前記静翼の渦巻きの内周側表面部において、静翼の空気流入側の端部から、渦巻きの内周側に隣接する静翼の空気流入側の端部とディフューザの中心とを結ぶ仮想線に交差する点までの部分に、ディフューザの中心側に突出する突出部を形成したことを特徴とする。
上記課題を解決するための第1の手段において、前記静翼の突出部は、滑らかな曲線で形成されていることが好ましい。
また、前記静翼の突出部の最大肉厚は、1.1mm以上1.4mm以下に形成されていることが好ましい。
さらに、前記ディフューザの静翼間に形成される空気流路は、空気の流れ方向に向かって静翼間の寸法は略一定で、且つ、静翼高さ寸法が大きくなるように形成されていることが好ましい。
本発明の請求項1の構成によれば、静翼に突出部を形成するという簡単な構成により、電動送風機の送風効率を向上させることができる等の効果を奏する。
本発明の請求項2の構成によれば、送風の乱れをさらに防止することができ、簡単な構成により、電動送風機の送風効率を向上させることができる等の効果を奏する。
本発明の請求項3の構成によれば、簡単な構成により、電動送風機の送風効率を著しく
向上させることができる等の効果を奏する。
本発明の請求項4の構成によれば、静翼間に形成させる空気流路を高さ方向で増大させることにより、電動送風機を極力大型化させることなく、電動送風機の送風効率を向上させることができる等の効果を奏する。
(第1実施形態)
本発明に係る電動送風機の第1実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。
本発明の電動送風機1は、外部から空気を吸引する羽根車2と、羽根車2を覆うと共に、上方に空気流入口3を有するファンケーシング4と、羽根車2の下流側に設けられ、羽根車2を駆動するモータ5と、モータ5を支持すると共に、モータ5を覆うモータケース6と、羽根車2とモータ5との間に設けられ、羽根車2によりモータケース6内へ送風される空気を整流するディフューザ7とを備えている。
羽根車2を駆動するモータ5は、ファンケーシング4内に固定されたステータ8と、ステータ8の内側に回転自在に配設されたロータ9と、ロータ9に連なってロータ9の下流側に配設された整流子10と、整流子10に当接するブラシ11と、ブラシ11を保持するブラシホルダー12とから構成されている(図1参照)。
ディフューザ7は、上流側に向けて渦巻状に突出形成された静翼13により構成される複数の空気流路14を有する円筒状に形成されており、螺子15によりモータケース6に固定されることによって、モータケース6の上方開放を閉塞するようになっている(図1、図2参照)。
ディフューザ7の静翼13が重なり合う領域Xの空気流路14は、空気の流れを減速し動圧を静圧に回復させるために、図2に示すように正面から見て下流側に向かって略扇状に広がっている。また、静翼13が重なり合っていない領域Yの空気流路14、即ち、静翼13の、静翼13の空気流入側の端部Aから、渦巻きの内周側に隣接する静翼13の空気流入側の端部Aとディフューザ7の中心とを結ぶ仮想線に交差する点Bまでの部分には、ディフューザ7の中心側に突出する突出部16が形成されている。突出部16は滑らかな曲線で形成されている。静翼13の空気流入側の端部Aは、背景技術と同様に流入する空気の衝突による損失を低減させるために薄肉に形成されている(図3参照)。
この電動送風機1にあっては、電動送風機1外の空気は、羽根車2の駆動によりファンケーシング4の空気流入口3から電動送風機1内に流入し、ディフューザ7を介してモータケース6内に送風される。
ディフューザ7の静翼13の空気流入側の端部Aを薄肉に形成しているため、流入する空気の衝突による損失を低減させて送風効率の低下を防止することができる。また、静翼13の、静翼13の空気流入側の端部Aと、渦巻きの内周側に隣接する静翼13の空気流入側の端部Aとディフューザ7の中心とを結ぶ仮想線に交差する点Bとの間に、ディフューザ7の中心側に突出する突出部16が形成されている。この結果、静翼13の空気流入側の端部Aと交差する点Bとの間を静翼13に沿って流れる空気流は、突出部16により極力減速を少なくして効率よく渦流の発生を防止できる速度まで減速させることができるため、空気流に乱れが生じることがなく送風効率が向上する。また、静翼13の突出部16は、滑らかな曲線により形成されているため、空気流の乱れをさらに防止することができる。
静翼13の突出部16の最大肉厚は、実験に基づいて設定している(図4参照)。本実験において、静翼13が重なり合う領域Xの肉厚は1.0mmである。そして、突出部16の最大肉厚を種々変化させた時の、電動送風機1の仕事率を測定してグラフ化している。図4において、横軸は突出部16の最大肉厚(mm)を示し、縦軸は電動送風機1の仕事率(w)を示している。また、電動送風機1の仕事率が高い程、静翼13に沿って流れる空気流の乱れが少なく、送風効率が向上していることを示している。そして、図4から、静翼13の突出部16の最大肉厚が1.1mm以上1.4mm以下の時、電動送風機1の送風効率が著しく向上することが分かる。即ち、電動送風機1の静翼13が重なり合う領域Xの肉厚は一般的に略1.0mmになっており、電動送風機1の送風効率が著しく向上させるためには、突出部16の最大肉厚を1.1mm以上1.4mm以下にすればよい。
(第2実施形態)
図5乃至図7は第2実施形態を示している。第1実施形態では、ディフューザ7の静翼13が重なり合う領域Xの空気流路14を図2に示すように正面から見て下流側に向かって略扇状に広げた。これに対して、第2実施形態では、ディフューザ7aの静翼13aが重なり合う領域X´の空気流路14aは、図5に示すように正面から見て略一定幅に形成すると共に、図7に示すように静翼13aの高さを空気の流れ方向に向かって高くしている。
空気の流れを減速し動圧を静圧に回復させるために形成されたディフューザ7aの静翼13aが重なり合う領域X´の空気流路14aは、できる限り長く形成した方が電動送風機1の送風効率が向上する。しかしながら、第1実施形態のように、静翼13が重なり合う領域Xの空気流路14を正面から見て下流側に向かって略扇状に広げた構成(図2参照)の場合、電動送風機1の送風効率を向上させるために、静翼13が重なり合う領域Xの空気流路14を長く形成すると、空気流路14を長く形成した分だけディフューザ7の外径が大きくなってしまう。この結果、電動送風機1が大型化してしまう。
これに対して、第2実施形態では、図5に示すようにディフューザ7aの静翼13aが重なり合う領域X‘の空気流路14aの幅を略一定にして空気流路14aを長く形成することにより、ディフューザ7aの外径を大きくすることなく、空気流路14aを長くすることができる。また、静翼13aの高さ寸法を図7に示すように空気の流れ方向に向かって高くすることにより、静翼13aの高さを最低限高くするだけで、空気の流れを減速し動圧を静圧に回復させることができる。従って、第2実施形態の構成とすることにより、電動送風機1の大型化を極力防止することができると共に、空気の流れを減速し動圧を静圧に十分回復させることができ、電動送風機1の送風効率を向上させることができる。
尚、第1実施形態及び第2実施形態の構成を別々に説明したが、第1実施形態及び第2実施形態を組み合わせた構成にしてもよい。この結果、電動送風機1の送風効率をより以上向上させることができる。
本発明を実施するための最良の第1実施形態を示す電動送風機を側方から見た半断面図である。 同電動送風機のディフューザを正面から見た図である。 同電動送風機のディフューザを正面から見た図で、図2のα部を拡大した状態を示す。 静翼の突出部の最大肉厚と電動送風機の仕事率との関係を示す実験データである。 本発明を実施するための最良の第2実施形態を示す電動送風機のディフューザを正面から見た図である。 同電動送風機のディフューザを正面から見た図で、拡大した静翼を示す。 図5及び図6のC―C断面図で、静翼の高さ関係を示す。
符号の説明
1 電動送風機
2 羽根車
4 ファンケーシング
5 モータ
6 モータケース
7 ディフューザ
13 静翼
16 突出部
A 端部
B 交差する点

Claims (4)

  1. 羽根車と、羽根車の吐出側に配設された複数の渦巻き型の静翼を有するディフューザと、羽根車を駆動するモータとを備え、前記静翼の渦巻きの内周側表面部において、静翼の空気流入側の端部から、渦巻きの内周側に隣接する静翼の空気流入側の端部とディフューザの中心とを結ぶ仮想線に交差する点までの部分に、ディフューザの中心側に突出する突出部を形成したことを特徴とする電動送風機。
  2. 前記静翼の突出部は、滑らかな曲線で形成されていることを特徴とする請求項1記載の電動送風機。
  3. 前記静翼の突出部の最大肉厚は、1.1mm以上1.4mm以下に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電動送風機。
  4. 前記ディフューザの静翼間に形成される空気流路は、空気の流れ方向に向かって静翼間の寸法は略一定で、且つ、静翼高さ寸法が大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電動送風機。
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