JP2005075029A - 車両用のセンタバイザ - Google Patents

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Abstract

【課題】バイザ本体を減光板として利用しやすく、かつ防眩用のルームミラーとしても利用しやすいセンタバイザを提供する。
【解決手段】ルームミラー4の上方から車室に差し込む光を遮るためのバイザ本体2を備え、バイザ本体2が、ルームミラー4の上方のバイザ位置と、ルームミラー4のミラー40面上のミラー位置とに配置切換え可能に車両側に取付けられる車両用のセンタバイザ1であって、バイザ本体2は、光の一部を透過しかつ光の一部を反射するハーフミラー層20を有する。そしてバイザ本体2は、バイザ位置に配されることで減光板として利用でき、ミラー位置に配されることでルームミラー4に代わって防眩用のミラーとして利用できる構成になっている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、ルームミラーの上方から車室に差し込む光を遮るためのバイザ本体を備える車両用のセンタバイザに関する。
従来、種々のセンタバイザが知られており、例えば特許文献1に記載のセンタバイザが知られていた。特許文献1に係るセンタバイザによると、バイザ本体は、光の一部を透過しかつ光の一部を遮断する半透明板状に構成されていた。そしてバイザ本体は、ルームミラーの上方を覆うバイザ位置と、ルームミラーのミラー面上を覆うミラー位置とに配置切換え可能にルームミラーに取付けられていた。したがってバイザ本体は、バイザ位置に配されることで減光板として利用できる構成であった。そしてミラー位置に配されることでルームミラーのミラーを覆い、ミラーの防眩板として利用できる構成であった。
しかし特許文献1に係るセンタバイザは、二つの機能を備えるものの、両機能を同時に好適とすることが容易でない構成であった。例えば、減光板として好適とする程度にバイザ本体の光の透過率を小さくした場合(色を濃くした場合)は、防眩板としては光の透過率が小さすぎてしまう。一方、防眩板として好適とする程度にバイザ本体の光の透過率を大きくした場合(色を薄くした場合)は、減光板としては光の透過率が大きすぎてしまう。
特開2003−63247号公報
そこで本発明は、バイザ本体を減光板として利用しやすく、かつ防眩用のルームミラーとしても利用しやすいセンタバイザを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備える車両用のセンタバイザであることを特徴とする。請求項1に記載の発明によると、ルームミラーの上方から車室に差し込む光を遮るためのバイザ本体を備え、該バイザ本体が、ルームミラーの上方のバイザ位置と、ルームミラーのミラー面上のミラー位置とに配置切換え可能に車両側に取付けられる車両用のセンタバイザである。そしてバイザ本体は、光の一部を透過しかつ光の一部を反射するハーフミラー層を有する。そしてバイザ本体は、バイザ位置に配されることで減光板として利用でき、ミラー位置に配されることでルームミラーに代わって防眩用のミラーとして利用できる構成になっている。
すなわちバイザ本体は、ハーフミラー層を有する。したがってハーフミラー層は、バイザ本体がバイザ位置に配された際、車外からの光の一部を車室側に透過させる。かくしてバイザ本体は、減光板として利用され得る。またハーフミラー層は、ミラー位置に配された際、裏面がルームミラーによって覆われる。したがってハーフミラー層の裏面から車室側に透過する光の量は少なくなる。一方車室側の光は、ハーフミラー層によって車室側に反射される。またハーフミラー層が反射する光は、車室側からの光の一部である。したがってバイザ本体は、ルームミラーに代えてミラーとして利用されるとともに、反射する光の量が少ないために防眩用のミラーとして利用され得る。
かくしてバイザ本体は、ハーフミラー層の光の透過率によって減光板として利用されるのに好適な構成となり得る。そしてハーフミラー層の光の反射率によって防眩用のミラーとして利用されるのに好適な構成となり得る。
請求項2に記載の発明によると、バイザ本体は、ハーフミラー層の表裏両面に、光の一部を透過しかつ光の一部を遮断する半透明層を有している。
したがって半透明層は、車外から車室へ差込む光の一部を遮ることで、減光板としての減光率を向上させる。また半透明層の一つは、バイザ本体がミラー位置の際にハーフミラー層よりも乗員側に配される。そのためその半透明層は、ハーフミラー層によって反射される光の量を少なくする。したがって半透明層は、バイザ本体を防眩用のミラーとして使用する際の防眩率に寄与する。
かくしてバイザ本体は、ハーフミラー層の表裏両面に設けられた二つの半透明層の光の透過率によって減光板として利用されるのに好適な構成となり得る。またミラー位置におけるハーフミラー層の乗員側に配された半透明層によってバイザ本体は、防眩用のミラーとして利用されるのに好適な構成となり得る。
請求項3に記載の発明によると、バイザ本体がミラー位置にされた際にハーフミラー層よりも乗員側に配される一の半透明層は、バイザ本体を防眩用のミラーとして利用する際に十分に光を遮る光の透過率を有する。そして他の半透明層は、バイザ本体がバイザ位置にされた際において、一の半透明層とハーフミラー層と協働してバイザ本体を減光板として利用する際に十分に光を遮る光の透過率を有する構成になっている。
したがってバイザ本体は、一の半透明層によって防眩用のミラーとして好適な防眩率が構成される。そして二つの半透明層とハーフミラー層における光の透過率によって好適な減光率が構成される。かくしてバイザ本体は、バイザ本体を減光板として利用しやすく、かつ防眩用のルームミラーとしても利用しやすい構成となる。
請求項4に記載の発明によると、バイザ本体は、ハーフミラー層の一側表面上に光の一部を透過しかつ光の一部を遮断する半透明層を有する。そして半透明層は、バイザ本体がバイザ位置およびミラー位置の両位置において、ハーフミラー層よりも乗員側に配される構成になっている。
すなわち半透明層は、ミラー位置においてハーフミラー層よりも乗員側に配される。そのため半透明層は、ハーフミラー層によって反射される光の量を少なくする。したがって半透明層は、バイザ本体を防眩用のミラーとして利用する際の防眩率に寄与する。また半透明層は、バイザ位置において車外から車室へ差込む光の一部を遮る。したがって半透明層は、バイザ本体の減光板としての減光率を向上させる。しかも半透明層は、バイザ位置においてハーフミラー層よりも乗員側に配される。そのため半透明層は、ハーフミラー層から車室に反射される光の量を少なくする。そのためバイザ本体は、減光板として利用しやすくなる。かくしてバイザ本体は、半透明層によって防眩用のミラーとして好適で、かつ減光板として好適な構成となり得る。
したがって本発明に係るセンタバイザによると、バイザ本体を減光板として利用しやすく、かつ防眩用のルームミラーとしても利用しやすい。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1を図1〜4にしたがって説明する。
実施の形態1に係るセンタバイザ1は、図1に示すように運転席側のバイザ12と助手席側のバイザ13の間に配されている。そしてセンタバイザ1は、板状のバイザ本体2を有しており、バイザ本体2によってルームミラー4と車室天井面10との間を覆う構成になっている。またセンタバイザ1は、取付部3を有しており、取付部3がルームミラー4に取付けられている。したがってバイザ本体2は、ルームミラー4を介して車両側に取付けられている。
取付部3は、バイザ本体2の一端辺に設けられており、ルームミラー4の上端縁に回動可能に取付けられている。そのためバイザ本体2は、取付部3を軸中心に回動し、ルームミラー4の上方を覆うバイザ位置と、ルームミラー4のミラー40面上を覆うミラー位置とに反転移動する。そしてバイザ本体2は、バイザ位置に移動することで、ルームミラー4の上方から車室に差し込む光の一部を遮る(減光する)構成になっている。
ルームミラー4は、図2に示すように板状のミラー40を有する。そしてルームミラー4は、ミラー40を支持するケース41と、ケース41の背面からフロントガラス11に延出する脚部42を有する。そして脚部42の先端には、貼付部43が形成されており、貼付部43がフロントガラス11に貼り付けられている。ケース41は、ミラー40の裏面と外周側面を覆う構造であってミラー40を外傷から保護する。そしてケース41の上端部41aに取付部3が取付けられている。
バイザ本体2は、図2に示すように多層構造で構成されており、ハーフミラー層20と半透明層21,22とを一体に有する。ハーフミラー層20は、板状に構成されており、光の一部を透過し、かつ光の一部を反射する構成になっている。半透明層21,22は、板状に構成されており、光の一部を透過し、かつ光の一部を遮断する構成になっている。そして半透明層21,22がハーフミラー層20の表裏両面を覆うようにハーフミラー層20に貼り付けられている。そのためハーフミラー層20は、半透明層21,22を外傷から保護する。
そしてバイザ本体2は、図2の実線で示すバイザ位置においては減光板として利用され得る構成になっている。そして図2の仮想線で示すミラー位置においては、ルームミラー4に代えて防眩用のミラーとして利用され得る構成になっている。以下、バイザ本体2が減光板として利用されるメカニズムを図3にしたがって説明し、防眩用のミラーとして利用されるメカニズムを図4にしたがって説明する。
図3に示すようにバイザ位置におけるバイザ本体2には、車外から光L0が照射される。そして光L0が、順に半透明層22、ハーフミラー層20、半透明層21を通過し、各層によって減光される。したがって車外からの光L0は、バイザ本体2によって光L1に減光される。そして光L0の一部がバイザ本体2を透過するために、乗員は、バイザ本体2を通して前方を視認することができる。かくしてバイザ位置におけるバイザ本体2は、減光板として利用され得る。
またバイザ本体2には、車内側から光L2が照射される。そして光L2は、半透明層21を透過し、半透明層21によって減光される(光L3)。そして光L3の一部が、ハーフミラー層20を透過する(光L4)。
そして残りの一部が、ハーフミラー層20によって反射される(光L5)。そして反射された光L5は、再度半透明層21を通過する(光L6)。したがってハーフミラー層20によって反射される光L6は、車室からハーフミラー層20の往路において半透明層21を通過し、ハーフミラー層20から車室への帰路においても半透明層21を通過する。
そのためハーフミラー層20によって車室へ反射される光L6は、半透明層21によって減光される。そして光L6は、車外から車室に透過する光L1に比べて十分に小さくなる。かくしてバイザ位置におけるバイザ本体2は、ミラーとしての機能が小さく、減光板として利用しやすい。またバイザ本体2は、全体として光の透過率が約2±1%になるような構成になっている。したがってバイザ本体2は、遮光板として利用しやすい構成になっている。
また図4に示すようにバイザ本体2は、ミラー位置に配されることで裏面がルームミラー4によって覆われる。したがってバイザ本体2の裏面側は、光量が少なくなる。そして裏面側からの光L10は、バイザ本体2を通過することで減光される(光L11)。
一方、車内側からバイザ本体2に当たる光L12は、半透明層22を透過し、半透明層21によって減光される(光L13)。そして光L13の一部がハーフミラー層20を透過する(光L17)。そして残りの一部がハーフミラー層20によって反射され(光L15)、反射された光L15が、再度半透明層21を通過する(光L16)。
したがって車内側からの光L12は、ハーフミラー層20によって反射される(光L16)。そして光L16の光量は、裏面から車内側に通過する光L11の光量よりも多い。そのためバイザ本体2は、ミラーの機能を発揮する。
また車内からの光L12は、ハーフミラー層20への往路と、ハーフミラー層20からの帰路において半透明層22を通過する。したがって反射される光L16の光量は、半透明層22によって少なくなっている。そしてハーフミラー層20に到達した光L13は、その一部(光L15)のみがハーフミラー層20によって反射される。そのため車内から車内に反射される光L16は、ハーフミラー層20と半透明層21によって減光される。かくしてバイザ本体2は、防眩用のミラーとして利用され得る。
また車室側からハーフミラー層20を透過した光L14は、半透明層21を通過することで減光される(光L17)。そして光L17は、ミラー40によって反射されるが(光L18)、バイザ本体2を透過することで減光される(光L19)。したがって光L19は、ハーフミラー層20から反射する光L16に比べて十分小さくなる。かくしてミラー40によって反射された映像は、乗員によってほとんど認識できない。かくしてミラー40による映像と、ハーフミラー層20による映像とが二重になって見えることが防止されている。
次に、半透明層21,22の光の透過率の決定方法を説明する。
ハーフミラー層20は、比較的高価である。そのため一般的に流通しているタイプを選択し、できる限り安価なものを選択することが好ましい。例えば、光の透過率が10〜30%(光の反射率が70〜90%、)のハーフミラー層を選択する。
半透明層22は、バイザ本体2を防眩用のミラーとして利用する際に十分に(好適に)光を遮ることのできる光の透過率を有するものを選択する。例えば、図4に示すようにバイザ本体2を防眩用のミラーとして利用する際に、バイザ本体2の車室側の光の反射率が全体で10±3%となる光の透過率を有する半透明層を選択する(図4参照)。すなわちL16=L12×(10±3%)を満足する光の透過率を有する半透明層22を選択する。
半透明層21は、バイザ本体2を減光板として利用する際に、他の半透明層22とハーフミラー層20と協働してバイザ本体2を減光板として利用する際に十分に(好適に)光を遮ることのできる光の透過率を有するものを選択する。例えば、減光板としてバイザ本体2を利用する際に、バイザ本体2全体の光の透過率が2±1%になるような光の透過率を有する半透明層21を選択する(図3参照)。すなわちL1=L0×(2±1%)を満足する光の透過率を有する半透明層21を選択する。
以上のようにしてセンタバイザ1が構成される。すなわちバイザ本体2は、図3に示すようにハーフミラー層20を有する。そしてハーフミラー層20は、バイザ本体2がバイザ位置に配された際、車外からの光L0の一部を車室側に透過させる(光L1)。かくしてバイザ本体2は、減光板として利用され得る。
またハーフミラー層20は、図4に示すようにミラー位置に配された際、裏面がルームミラー4によって覆われる。したがってハーフミラー層20の裏面から車室側に透過する光の量が少なくなる(光L11)。一方車室側の光(L12)は、ハーフミラー層20によって車室側に反射される。またハーフミラー層20が反射する光は、車室側からの光の一部である。したがってバイザ本体2は、ルームミラー4に代えてミラーとして利用されるとともに、反射する光の量が少ないために防眩用のミラーとして利用され得る。
かくしてバイザ本体2は、ハーフミラー層20の光の透過率によって減光板として利用されるのに好適な構成となり得る。そしてハーフミラー層20の光の反射率によって防眩用のミラーとして利用されるのに好適な構成となり得る。
またバイザ本体2は、図3に示すようにハーフミラー層20の表裏両面に半透明層21,22を有している。したがって半透明層21,22は、車外から車室へ差込む光の一部を遮ることで、減光板としての減光率を向上させる。
また半透明層22は、図4に示すようにバイザ本体2がミラー位置の際にハーフミラー層20よりも乗員側に配される。そのため半透明層22は、ハーフミラー層20によって反射される光の量を少なくする。したがって半透明層22は、バイザ本体2を防眩用のミラーとして使用する際の防眩率に寄与する。
かくしてバイザ本体2は、図3に示すようにハーフミラー層20の表裏両面に設けられた二つの半透明層21,22の光の透過率によって減光板として利用されるのに好適な構成となり得る。また図4に示すようにミラー位置におけるハーフミラー層20の乗員側に配された半透明層22によってバイザ本体2は、防眩用のミラーとして利用されるのに好適な構成となり得る。
また半透明層22は、図4に示すようにバイザ本体2を防眩用のミラーとして利用する際に十分に光を遮る光の透過率を有する。そして半透明層21は、図3に示すようにバイザ本体2がバイザ位置にされた際において、半透明層22とハーフミラー層20と協働してバイザ本体2を減光板として利用する際に十分に光を遮る光の透過率(2±1%)を有する構成になっている。
したがってバイザ本体2は、一の半透明層22によって防眩用のミラーとして好適な防眩率が構成される。そして二つの半透明層21,22とハーフミラー層20における光の透過率によって好適な減光率が構成される。かくしてバイザ本体2は、バイザ本体2を減光板として利用しやすく、かつ防眩用のルームミラーとしても利用しやすい構成となる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2を図5〜7にしたがって説明する。
実施の形態2に係るセンタバイザは、実施の形態1に係るセンタバイザとほぼ同様に形成されている。しかし実施の形態2に係るセンタバイザ1は、図2に示す取付部3に代えて図5に示す取付部5を有する。そして取付部5とバイザ本体2の間には、バイザ本体2をスライドさせるスライド機構53を有する。以下、これら相違点を中心に実施の形態2について説明する。
取付部5は、図5に示すようにルームミラー4のケース41の上端縁に取付けられる本体部51と、本体部51をケース41に取付ける係止部50を有する。そして本体部51には、ガイド51aが形成され、バイザ本体2の裏面にはレール52が設けられている。かくしてガイド51aとレール52によってスライド機構53が構成されている。
そしてバイザ本体2は、レール52がガイド51aによって案内されることで、ルームミラー4より上方を覆うバイザ位置(図6参照)と、ルームミラー4のミラー40面上を覆うミラー位置とに平行移動する(図7参照)。
そして半透明層21は、図3に示すようにミラー位置においてハーフミラー層20よりも乗員側に配される。そして図4の括弧に示すようにミラー位置においてもハーフミラー層20よりも乗員側に配される。
次に、半透明層21,22の光の透過率の決定方法を説明する。
ハーフミラー層20は、比較的高価である。そのため一般的に流通しているタイプを選択し、できる限り安価なものを選択することが好ましい。例えば、光の透過率が10〜30%(光の反射率が70〜90%)のタイプのものを選択する。
半透明層21は、バイザ本体2を防眩用のミラーとして利用する際に十分に(好適に)光を遮ることのできる光の透過率を有するものを選択する。例えば、防眩用のミラーとしてバイザ本体2を利用する際に、バイザ本体2全体の光の反射率が10±3%になるような半透明層21を選択する(図4かっこ参照)。すなわちL16=L12×(10±3%)を満足する光の透過率を有する半透明層21を選択する。
半透明層22は、バイザ本体2を減光板として利用する際に、他の半透明層21とハーフミラー層20と協働してバイザ本体2を減光板として利用する際に十分に(好適に)光を遮ることのできる光の透過率を有するものを選択する。例えば、減光板としてバイザ本体2を利用する際に、バイザ本体2全体の光の透過率が2±1%になるような光の透過率を有する半透明層22を選択する(図3参照)。すなわちL1=L0×(2±1%)を満足する光の透過率を有する半透明層22を選択する。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3を図8,9にしたがって説明する。
実施の形態3に係るセンタバイザは、実施の形態2に係るセンタバイザとほぼ同様に形成されている。しかし実施の形態3に係るセンタバイザ1は、図3に示すバイザ本体2に代えて図8,9に示すバイザ本体6を有する点が実施の形態2と異なっている。以下、相違点を中心に実施の形態3について説明する。
バイザ本体6は、図8に示すようにハーフミラー層60と、ハーフミラー層60の一側表面に設けられた半透明層61を一体に有する。ハーフミラー層60は、実施の形態1,2のハーフミラー層20と同様に構成されており、半透明層61は、実施の形態1,2の半透明層21または半透明層22とほぼ同様に構成されている。
したがってバイザ本体6が図8に示すようにバイザ位置に配された際、車外からの光L20は、バイザ本体6によって減光される(光L21)。一方、車室内側の光L22は、半透明層61を通って減光され(光L23)、ハーフミラー層60によって一部反射される(光L25)。そして半透明層61を通って減光される(光L26)。そして光L26は、車外側からバイザ本体6を透過した光L21に比べて十分に小さい。かくしてバイザ本体6は、減光板として利用され得る。
そしてバイザ本体6が図9に示すようにミラー位置に配された際は、バイザ本体6がルームミラー4によって裏面側が覆われる。そのためバイザ本体6の裏面側は、光量が小さくなる(光L30)。そして光L30は、バイザ本体6を透過することで減光される(光L31)。
一方、車室内側の光L32は、半透明層61を通過することで減光される(光L33)。そして光L33の一部がハーフミラー層60によって反射される(光L35)。そして光L35は、半透明層61を通ることで減光される。かくしてバイザ本体6は、防眩用のミラーとして利用される。
そしてハーフミラー層60と半透明層61は、以下の条件を満足するようなものが選択される。すなわち(図8参照)L21=L20×(2±1%)(式1)、かつ(図9参照)L36=×L32×(10±3%)(式2)となるものが選択されている。
したがってハーフミラー層60の光の透過率と半透明層61の光の透過率は、式1を満たすものが選択されている。そしてハーフミラー層60の光の反射率と半透明層61の光の透過率は、式2を満たすものが選択されている。
以上のようにしてセンタバイザ1が構成される。すなわち半透明層61は、図9に示すようにミラー位置においてハーフミラー層60よりも乗員側に配される。そのため半透明層61は、ハーフミラー層60によって反射される光の量を少なくする。したがって半透明層61は、バイザ本体6を防眩用のミラーとして利用する際の防眩率に寄与する。
また半透明層61は、図8に示すようにバイザ位置において車外から車室へ差込む光L20の一部を遮る。したがって半透明層61は、バイザ本体6の減光板としての減光率を向上させる。しかも半透明層61は、バイザ位置においてハーフミラー層60よりも乗員側に配される。そのため半透明層61は、ハーフミラー層60から車室に反射される光L26の量を少なくする。そのためバイザ本体6は、減光板として利用しやすくなる。
かくしてバイザ本体6は、半透明層61によって防眩用のミラーとして好適で、かつ減光板として好適な構成となり得る。
(他の実施の形態)
本発明は、実施の形態1〜3に限定されず、以下の形態であってもよい。
(1)実施の形態1〜3は、ルームミラーがフロントガラスに取付けられていた。しかしルームミラーが車室天井面に延びる脚部を有し、その脚部の先端が車室天井面に取付けられる形態であってもよい。
(2)実施の形態1〜3は、バイザ本体がルームミラーに取付けられ、ルームミラーを介して車両側に取付けられる形態であった。しかしバイザ本体が車室天井面あるいはフロントガラスに取付けられることで車両側に取付けられる形態であってもよい。
(3)また実施の形態1〜3は、バイザ本体が二層もしくは一層の半透明層を備えていた。しかしバイザ本体が半透明層を備えず、ハーフミラー層のみあるいはハーフミラー層と透明層のみを備える形態であってもよい。この場合は、ハーフミラー層の光の反射率を防眩用のミラーに好適なものを選択する。そしてハーフミラー層の光の透過率を減光板に好適なものを選択する。これによりバイザ本体は、防眩用のミラーに好適でかつ減光板に好適な構成になる。
バイザ本体をバイザ位置にした状態のセンタバイザの正面図である。 図1の矢印A−A線断面矢視図である。 バイザ位置におけるバイザ本体の光の透過・反射の状態を示す図である。 ミラー位置におけるバイザ本体の光の透過・反射の状態を示す図である。 実施の形態2に係るセンタバイザの正面図である。 図5のB−B線断面矢視図である。 バイザ本体をミラー位置にした状態を示す図である。 実施の形態3に係るバイザ本体のバイザ位置における光の透過・反射の状態を示す図である。 実施の形態3に係るバイザ本体のミラー位置における光の透過・反射の状態を示す図である。
符号の説明
1…センタバイザ
2,6…バイザ本体
3,5…取付部
4…ルームミラー
20,60…ハーフミラー層
21,22,61…半透明層
40…ミラー

Claims (4)

  1. ルームミラーの上方から車室に差し込む光を遮るためのバイザ本体を備え、該バイザ本体が、前記ルームミラーの上方のバイザ位置と、前記ルームミラーのミラー面上のミラー位置とに配置切換え可能に車両側に取付けられる車両用のセンタバイザであって、
    前記バイザ本体は、光の一部を透過しかつ光の一部を反射するハーフミラー層を有し、前記バイザ位置に配されることで減光板として利用でき、前記ミラー位置に配されることで前記ルームミラーに代わって防眩用のミラーとして利用できる構成になっていることを特徴とする車両用のセンタバイザ。
  2. 請求項1に記載の車両用のセンタバイザであって、
    バイザ本体は、ハーフミラー層の表裏両面に、光の一部を透過しかつ光の一部を遮断する半透明層を有していることを特徴とする車両用のセンタバイザ。
  3. 請求項2に記載の車両用のセンタバイザであって、
    バイザ本体がミラー位置にされた際にハーフミラー層よりも乗員側に配される一の半透明層は、バイザ本体を防眩用のミラーとして利用する際に十分に光を遮る光の透過率を有し、
    他の半透明層は、前記バイザ本体がバイザ位置にされた際において、前記一の半透明層とハーフミラー層と協働して前記バイザ本体を減光板として利用する際に十分に光を遮る光の透過率を有する構成になっていることを特徴とする車両用のセンタバイザ。
  4. 請求項1に記載の車両用のセンタバイザであって、
    バイザ本体は、ハーフミラー層の一側表面上に光の一部を透過しかつ光の一部を遮断する半透明層を有し、
    該半透明層は、前記バイザ本体がバイザ位置およびミラー位置の両位置において、前記ハーフミラー層よりも乗員側に配される構成になっていることを特徴とする車両用のセンタバイザ。

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