JP2005074533A - スローアウェイチップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 新しいスローアウェイチップで被切削物を切削加工する前の“慣らし加工”が少なくて済み、かつ使用開始後短時間から被切削物を高品質の切削加工面に仕上げることができ、かつ長寿命のスローアウェイチップを提供する。
【解決手段】 すくい面7と逃げ面8との交差稜のうちノーズ部5を切刃6とし、ノーズ部5の角度を60°以下とするとともに、ノーズ部5のすくい面7側における膜厚tfが逃げ面8側における膜厚trよりも厚く、かつ逃げ面8側における膜厚trが0.5〜5μmなるように少なくともノーズ部5に硬質被覆膜22を被覆したスローアウェイチップである。
【選択図】図4

Description

本発明は、切刃に硬質被覆膜を被覆したスローアウェイチップに関し、特に切削加工の仕上げ面粗度を高めることが可能な超精密切削加工に適したスローアウェイチップに関する。
従来より、切刃に硬質被覆膜をコーティングした切削工具が知られており、例えば、特許文献1では、硬質被覆膜の膜厚dに対して切刃の刃先にd/2<r(ホーニングの曲率半径)<25dのホーニングを施すことによって硬質被覆膜の耐剥離性を防止できることが記載されている。また、本出願人は、特許文献2にて切刃先端に微小ホーニングを施すことによって切刃のシャープネスを損なうことなく切削加工ができ、超精密加工用のチップの長寿命化ができることを提案した。
特開2000−52107号公報 特開2002−160108号公報
しかしながら、特許文献1、2のように、切刃に微小ホーニングを施す方法においては、切刃の形状を正確に被削材表面の形状に合わせることができず、チップをホルダに取り付けるときの微妙な取り付き状態の違いによって、加工面には依然としてチップの横切刃形状が転写され、表面粗さの改善には限界があった。
そこで、高い加工面平滑性を要求される超精密加工の加工現場では、切削加工に使用する前にあらかじめダミーの被切削材料を切削して、新品チップの切刃稜をある程度摩耗させる“慣らし加工”が施こされているのが実状であった。また、従来のチップにおいてはこの“慣らし加工”について数百個のオーダーで行われており、“慣らし加工”に用いられる被削材、時間等の無駄が発生していた。
また、かかる“慣らし加工”を長く続けると切刃の形状が初期状態から大きく変化してしまい、早い段階で切れ味が低下しビビリが発生したりすることにより、加工寸法精度が低下してしまい、チップの寿命が短くなるという問題もあった。
本発明は、上記従来の課題を改善して、新しいスローアウェイチップで被切削物を切削加工する前の“慣らし加工”が少なくて済み、かつ使用開始後短時間から被切削物を高品質の切削加工面に仕上げることができ、かつ長寿命のスローアウェイチップを提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するため、本発明では、チップの切刃形状を短時間の“慣らし加工”で被削材の加工面に合った形状となるように硬質被覆膜の膜厚を逃げ面側で0.5〜5μmに設定するとともに、すくい面側においては逃げ面よりも厚い硬質被覆膜を形成することによって、短時間の“慣らし加工”で高品質な仕上げ面粗度を達成することができ、超精密加工等の仕上げ加工において優れた切削性能を発揮できるとともに、切屑との接触によって摩耗しやすいすくい面側における耐摩耗性にも優れることから、長期間にわたって寸法精度のよい加工が可能であり、長寿命なスローアウェイチップとなることを知見した。
すなわち、本発明のスローアウェイチップは、すくい面と前記逃げ面との交差稜のうち少なくともノーズ部を切刃とし、前記ノーズ部の角度を60°以下とするとともに、前記ノーズ部のすくい面側における膜厚が前記逃げ面側における膜厚よりも厚く、かつ前記逃げ面側における膜厚が0.5〜5μmとなるように少なくとも前記ノーズ部に硬質被覆膜を被覆したことを特徴とするものである。
ここで、前記ノーズ部の交差稜における硬質被覆膜の膜厚が、前記逃げ面における硬質被覆膜の膜厚以下であることが、慣らし加工をさらに短時間で終了させる点で望ましい。
また、前記ノーズ部から連続するすくい面に、すくい角:5°〜25°、幅:0.5〜3.0mmのチップブレーカを形成したことが、精密加工を行う上で切屑が被削材表面に滞留して切刃6との間に噛み込んで加工面の面粗度が低下することを防止する点で望ましく、このようなブレーカを形成した場合でも、すくい面が早期に摩耗することなく、長期にわたって安定した加工精度で良好に加工することができる。
また、周期律表第4a,5a,6a族金属の少なくとも1種の炭化物、窒化物または炭窒化物からなる硬質粒子間を鉄族金属からなる結合相8質量%以上にて結合してなる超硬合金またはサーメットからなること、さらには、前記硬質粒子の平均粒径が1μm以下であることが、慣らし加工にて早く切刃を加工面形状に変形させることができて、早期に安定した面粗度を達成できる点で望ましい。
上記本発明のスローアウェイチップによれば、すくい面と前記逃げ面との交差稜のうちノーズ部を切刃とし、前記ノーズ部の角度を60°以下とするとともに、前記ノーズ部のすくい面側における膜厚が前記逃げ面側における膜厚よりも厚く、かつ前記逃げ面側における膜厚が0.5〜5μmなるように少なくとも前記ノーズ部に硬質被覆膜を被覆してチップの切刃形状を短時間の“慣らし加工”で被削材の加工面に合った形状とすることによって、短時間の“慣らし加工”で高品質な仕上げ面粗度を達成することができ、超精密加工等の仕上げ加工において優れた切削性能を発揮できるとともに、切屑との接触によって摩耗しやすいすくい面側における耐摩耗性にも優れることから、長期間にわたって寸法精度のよい加工が可能であり、長寿命なスローアウェイチップとなる
本発明のスローアウェイチップについてその一実施態様をホルダ内に装着した一例である内径加工用の切削工具についての平面図である図1、図1の切削工具をA方向から見た図である図2、および図1の切削工具をB方向からみた図である図3に基づいて説明する。
図1によれば、切削工具(以下、単に工具と略す。)1はホルダ2の先端に孔3が形成され、この孔3内にスローアウェイチップ(以下、単にチップと略す。)4を装着してなる。
また、図1によれば、チップ4は、略棒状をなし、長手方向の一端にノーズR5が形成されて切刃6をなすとともに、他端に長手方向に対して斜めに配設された後端斜面9を有する形状からなり、この後端斜面9をホルダ2に取り付けられた円柱状の固定部材10に当接して固定されている。
本発明によれば、図4の切刃6付近の(a)要部側面拡大図、および(b)要部断面拡大図に示すように、切刃6は母材21の表面に硬質被覆膜22が被覆された構成からなるが、本発明によれば、すくい面7と逃げ面8との交差稜のうち少なくともノーズ部5を切刃6とし、ノーズ部5の角度θを60°以下とするとともに、切刃6のすくい面7側における膜厚tが逃げ面8側における膜厚tよりも厚く、かつ逃げ面8側における膜厚tが0.5〜5μm、特に2〜4μmになるように少なくとも切刃6に硬質被覆膜22を被覆したことを特徴とするものであり、かかる構成によって、短時間の“慣らし加工”で高品質な仕上げ面粗度を達成することができ、超精密加工等の仕上げ加工において優れた切削性能を発揮できるとともに、切屑との接触によって摩耗しやすいすくい面7側における耐摩耗性にも優れることから、長期間にわたって寸法精度のよい加工が可能であり、長寿命な工具1となる。なお、本発明におけるノーズ部の角度θとは、図4に示すように前逃げ面8aと横逃げ面8bとの外挿線同士を交差させたときのなす角θの意である。また、本発明の切刃6のすくい面7側における膜厚t、および逃げ面8側における膜厚tとは切刃6以外の部分よりも1.5〜5倍厚く形成される傾向にある。
ここで、ノーズ部5の角度θは60°以下であること、かつ、切刃6断面における曲率半径:Rr=10μm以下のシャープエッジとすることが望ましく、これによって、短時間の“慣らし加工”で高品質な仕上げ面粗度を達成することができ、超精密加工等の仕上げ加工において優れた切削性能を発揮できるとともに、長期間にわたって寸法精度の高い加工が可能となり、チップ4の長寿命化につながる。
さらに、切刃6にホーニング加工を施す等して切刃6断面の曲率半径Rrが10μmより大きくなると、切刃6の切れ味が低下してびびりが発生しやすく、また、慣らし加工に長時間を要して切削工程の効率が悪くなる。さらに、切刃6断面はシャープエッジである必要があり、切刃6断面の曲率半径Rrは5μm以下、特に3μm以下であることが望ましい。
また、本発明においては、図1および図4に示すように、スローアウェイチップ4のノーズ部5からすくい面7側に凹状または凸状のブレーカ部24を形成してもよく、これによって切り屑の排出性が向上してびびり発生の抑制および加工面粗度の向上を図ることができるとともに、特に凹状のブレーカは切刃6をよりシャープにして慣らし加工をより短くできる。
なお、チップ4の材質として、周期律表第4a,5a,6a族金属の少なくとも1種の炭化物、窒化物または炭窒化物からなる硬質粒子間を鉄族金属からなる結合相8質量%以上、特に10質量%以上にて結合してなる超硬合金またはサーメットを用いることにより、加工初期に切刃6にチッピング等が発生することなく、かつ短時間の“慣らし加工”で高品質な仕上げ面粗度を達成することができる。
また、上記超硬合金またはサーメットの硬質粒子の平均粒径を1μm以下とすることによって、強度に優れて長時間の切削加工を可能とすることができる。
さらに、上記母材21の表面に被着形成される硬質被覆膜22は、CVD法またはPVD法等公知の気相蒸着法にて周期律表4a、5aおよび6a族金属、Al、Siの群から選ばれる少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)または立方晶窒化硼素(cBN)からなることが耐摩耗性および耐欠損性の点で望ましい。なお、硬質被覆膜22の膜厚調整は必要な部分に所定時間マスクを施しながら成膜することにより可能である。また、本発明によれば、上記成膜方法としてPVD法を用いる場合にはエッジ効果およびマスク設置の影響により切刃6のすくい面7側における膜厚t、および逃げ面8側における膜厚tとは切刃6以外の部分よりも1.5〜5倍厚く形成される傾向にある。
また、ノーズ部5の交差稜における硬質被覆膜22の膜厚tが、逃げ面8における硬質被覆膜22の膜厚t以下であることが、慣らし加工をさらに短時間で終了させる点で望ましい。
さらに、ノーズ部5から連続するすくい面7に、すくい角:5°〜25°、幅:0.5〜3.0のチップブレーカ24を形成したことが、精密加工を行う上で切屑が被削材表面に滞留して切刃6との間に噛み込んで加工面の面粗度が低下することを防止する点で望ましく、このようなチップブレーカ24を形成した場合でも、すくい面7が早期に摩耗することなく、長期にわたって良好に加工することができる。
さらに、ノーズ部5において、逃げ角αを7°以上としたことが、切れ味を高めて加工面精度および面粗度を高めることができる点で望ましい。
また、周期律表第4a,5a,6a族金属の少なくとも1種の炭化物、窒化物または炭窒化物からなる硬質粒子間を鉄族金属からなる結合相8質量%以上にて結合してなる超硬合金またはサーメットからなること、さらには、前記硬質粒子の平均粒径が1μm以下であることが、慣らし加工にて早く切刃6を加工面形状に変形させることができて、早期に安定した面粗度を達成できる点で望ましい。
なお、図1に示されるように、工具1はチップ後端斜面9がホルダ2の固定部材10に当接されて固定されているため、チップ4を交換する際にも切刃6を精度よく位置決めして装着することができるとともに、チップ4を強固に拘束できることから切削中にチップ4が回転して切刃6の位置がずれたりチップ4が緩んだりすることを防止できる。
なお、図1によれば、チップ4の後端斜面9は棒状体の長手方向に対して斜めに配設されており、製造上寸法精度が高く、製造が容易であるというメリットがある。
ここで、図1のチップ4についての拡大図である図6、および図6のチップ4をA方向から見た投影図である図7(a)に示すように、切刃6は突出部16の横切刃に続く側面からわずかs=0.1〜1.0mmに断面方向の外側に形成され、突出部16が被削材に干渉することを防止する。ここで、切刃6を形成する方法としては、棒状の突出部16を作製した後、突出部16の切刃6より後端の部分を研磨して作製してもよいし、予め切刃6が棒状の突出部16よりも大きくなるように棒状体を作製してもよい。
また、切刃6の上面にはすくい面7が形成されており、すくい面7はブレーカ24として機能するように凹曲面をなしている。
さらに、図1乃至3においては、ホルダ2の先端には長手方向にチップ4を固定する孔3に連通する第1のスリット溝11が設けられ、また、第1のスリット溝11の終端は図3に示すように略棒状孔と直交する方向に配設される第2のスリット溝14と連通し、第2のスリット溝14よりも先端側においては第1のスリット溝11が開口したコの字状をなしている。そして、ホルダ2の第1のスリット溝11間(コの字状の開口部)を繋ぐようにホルダ2にボルト12が螺合されることによってチップ4のホルダ拘束部15に孔3の壁面が押圧されチップ4の側面がホルダ2に拘束される。
また、図6によれば、チップ4はホルダ2の孔3内に固定されるホルダ拘束部15とホルダ2から突出する突出部16とからなり、ホルダ拘束部15の径rよりも突出部16の径rが小さくなるように形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ホルダ拘束部15の径rと突出部16の径rが同じであってもよい。なお、小径の内径加工が可能である点、ホルダの拘束力を向上できる点でr/rの比は0.15〜1、特に0.3〜0.8であることが望ましい。なお、rは強固な拘束力を得るために3mm以上であることが望ましい。
さらに、チップ4を強固に拘束できるとともにチップ4を小型化する点では、チップ4の全長Lに対する突出部16の長さLの比L/Lは、0.4〜3、特に0.5〜2であることが望ましい。また、チップ4は用途に応じて突出部16の直径、長さを変えることができ、かつホルダ拘束部15は同じ直径、長さとすることによって突出部16のサイズが異なるチップ4であっても同じホルダ2を用いて取り付けることができる。
さらには、図6のチップ4に示すようにチップ4の突出部16は基本的には断面が円形にて形成されるが、内径加工の際に切屑の排出性をよくし、かつ加工後の被削材壁面との干渉を防止するために、図6のチップのB−B断面図である図7(b)に示すように、突出部16の断面が楕円形状、または円や楕円の一部を切り欠いた形状からなるものであってもよい。
さらにまた、ホルダ拘束部15は加工の容易性、製造工程の短縮化、チップ4の取付精度向上、拘束力向上の点で断面が円形をなす、すなわちホルダ拘束部15が丸棒であることが望ましい。
また、本発明によれば、図8に示すように、チップ4の拘束力を高めるために、チップ側面に凹状の切欠き19を設け、切欠き19にホルダ2に固定されるネジ部材20を挿設することも可能である。
一方、固定部材10は鋼であってもよいが、耐摩耗性、耐塑性変形性の点で超硬合金、サーメットまたはセラミックスから構成されてもよい。また、固定部材10はチップ4と当接する部分を精度よく合わせられるとともに加工が容易な円柱形状に形成されることが望ましいが、側面が長手方向に一部切り欠かれてチップ4と当接する部分が平面をなす形状や多角柱形状であってもよい。
他方、本発明のチップ4および工具1は、特に直径が4mm以下、特に3mm以下の極小径の内径加工用として最適であり、かかる極小内径加工においても安定して高精度で滑らかな仕上げ面を有する品質の高い加工を達成することができるものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、外径加工や端面加工等の他の旋削加工に対しても高い品質の加工を達成しうるものである。
平均粒径0.4μmのWC粉末に対して、平均粒径1.5μmのCr粉末を0.6質量%、平均粒径1.2μmのVC粉末を0.3質量%、平均粒径0.5μmのCo粉末を12質量%との割合で添加、混合して、焼成後の形状が図1となるように成形して焼成した後、膜厚調整が必要な部分に所定時間マスクを施しながらPVD法にて表1に示す硬質被覆層をコーティングして表1に示す形状のスローアウェイチップを作製した。なお、前記ノーズ部から連続するすくい面に、すくい角度:15°、幅1.5mmのチップブレーカを形成した。また、ノーズR部の曲率半径は0.2mmとした。
得られたチップについて、下記条件で慣らし加工を行い、被削材の面粗度が算術平均粗さ(Ra)で0.1μm以下となるまでに要した加工本数を比較し、また、慣らし加工を終えた後のチップを用いて引き続き同じ加工条件で本番の切削加工を行い、加工寸法公差から外れた時点を寿命としてチップの本番加工数を比較した。
<加工条件>
被削材 SUS430F
加工形態 Φ7mm 外径端面仕上げ切削
切削速度 V=160m/min
切り込み 0.02mm
送り 0.02mm/rev
切削状態 湿式
結果は表1に示した。
Figure 2005074533
表1の結果から明らかなように、本発明に従い、すくい面と前記逃げ面との交差稜のうちノーズ部を切刃とし、前記ノーズ部の角度を60°以下とするとともに、前記ノーズ部のすくい面側における膜厚が前記逃げ面側における膜厚よりも厚く、かつ前記逃げ面側における膜厚が0.5〜5μmなるように少なくとも前記ノーズ部に硬質被覆膜を被覆した試料No.3〜7ではいずれも160個以下の慣らし加工で被削材の表面粗さ(Ra)を0.1μm以下に制御することができ、加工効率が向上した。また、チップの寿命も2800個以上加工可能と優れたものであった。なお、試料No.3において、突出部の切刃から十分離れた部分における硬質被覆層の平均膜厚を測定したところ1.5μmであった。
これに対して、すくい面と逃げ面の硬質被覆膜の膜厚が同じである試料No.1、8、逃げ面の硬質被覆膜の膜厚が2.0μmを超える試料No.9、および逃げ面の硬質被覆膜の膜厚が0.5μmより薄い試料No.10では、いずれも本発明のチップと比較して慣らし加工に要する個数が多く、加工効率が低いか、または、本番の加工についても少ない加工数で寸法公差から外れてしまい寿命の短いものであった。
本発明のスローアウェイチップをホルダに装着した切削工具の一実施形態を示す平面図である。 図1の切削工具のA方向から見た図である。 図1の切削工具のB方向から見た図である。 (a)は図1のスローアウェイチップの先端部拡大平面図、(b)は図1のスローアウェイチップの切刃の要部拡大断面図である。 図1のスローアウェイチップの平面図である。 (a)は図5のスローアウェイチップをA方向から見た図、(b)は図6のB−B断面図である。 本発明のスローアウェイチップの他の実施態様を示す平面図である。
符号の説明
1 切削工具(工具)
2 ホルダ
3 孔
4 スローアウェイチップ(チップ)
5 ノーズ部
6 切刃
7 すくい面
8 逃げ面
9 後端斜面
10 固定部材
11 第1のスリット溝
12 ボルト
13 押え板
14 第2のスリット溝
15 ホルダ拘束部
16 突出部
17 細径部
18 凹部
19 切欠き
20 ネジ部材
21 母材
22 硬質被覆膜
24 チップブレーカ
θ:ノーズ部の角度
α:逃げ角
Rr:切刃断面における曲率半径

Claims (5)

  1. すくい面と逃げ面との交差稜のうち少なくともノーズ部を切刃とし、前記ノーズ部の角度を60°以下とするとともに、前記ノーズ部のすくい面側における膜厚が前記逃げ面側における膜厚よりも厚く、かつ前記逃げ面側における膜厚が0.5〜5μmとなるように少なくとも前記ノーズ部に硬質被覆膜を被覆したことを特徴とするスローアウェイチップ。
  2. 前記ノーズ部の交差稜における硬質被覆膜の膜厚が、前記逃げ面における硬質被覆膜の膜厚以下であることを特徴とする請求項1記載のスローアウェイチップ。
  3. 前記ノーズ部から連続するすくい面に、すくい角:5°〜25°、幅:0.5〜3.0mmのチップブレーカを形成することを特徴とする請求項1または2に記載のスローアウェイチップ。
  4. 前記スローアウェイチップが、周期律表第4a,5a,6a族金属の少なくとも1種の炭化物、窒化物または炭窒化物からなる硬質粒子間を鉄族金属からなる結合相8質量%以上にて結合してなる超硬合金またはサーメットからなる請求項1乃至3のいずれかに記載のスローアウェイチップ。
  5. 前記硬質粒子の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項4記載のスローアウェイチップ。
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