JP2005074338A - 汚染物質除去剤及びその製造方法 - Google Patents

汚染物質除去剤及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005074338A
JP2005074338A JP2003309093A JP2003309093A JP2005074338A JP 2005074338 A JP2005074338 A JP 2005074338A JP 2003309093 A JP2003309093 A JP 2003309093A JP 2003309093 A JP2003309093 A JP 2003309093A JP 2005074338 A JP2005074338 A JP 2005074338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
porous carrier
removing agent
coating layer
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003309093A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4403758B2 (ja
Inventor
Kazuhiro Fukumoto
和広 福本
Minoru Takahara
稔 高原
Kenichiro Suzuki
賢一郎 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2003309093A priority Critical patent/JP4403758B2/ja
Publication of JP2005074338A publication Critical patent/JP2005074338A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4403758B2 publication Critical patent/JP4403758B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】 窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質に対する除去性能が十分に高く、特に低濃度の窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質であっても確実に除去することが可能な汚染物質除去剤、並びにそのような汚染物質除去剤を効率良くかつ確実に製造することが可能な方法を提供すること。
【解決手段】 金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種からなりかつ平均細孔径が0.3〜10nmである多孔性担体の外表面のみに、Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os,Cu,Co,Ni,Fe及びSnからなる群から選択される少なくとも一種の金属、前記金属の酸化物、前記金属の合金並びに前記金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも一種の活性成分からなる被覆層が形成されていることを特徴とする汚染物質除去剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、窒素酸化物、硫黄酸化物等の汚染物質を除去するために有用な除去剤、並びにその製造方法に関するものである。
近年、人間を取り巻く環境に存在し得る成分であって人体に影響を及ぼす可能性のある汚染物質の存在が問題視されるようになってきており、例えば各種内燃機関の排ガス等における有害成分である窒素酸化物(NO)や硫黄酸化物(SO)をより確実に除去することが可能な汚染物質除去剤の開発が望まれている。
このような背景の下で窒素酸化物等を除去するための各種の除去剤が開発されており、例えば特開平1−299642号公報(特許文献1)には、天然または合成ゼオライトに、塩化銅、塩化銅の複塩および塩化銅のアンミン錯塩から選択される少なくとも一種の銅塩を担持させてなる低濃度窒素酸化物の吸着除去材が記載されている。また、特開平7−743号公報(特許文献2)には、活性炭、ゼオライト、ベントナイト、陶石および珪藻土のうちから選択される少なくとも一つの担体に、銅、鉄、マンガン、クロム、バナジウム、コバルト、亜鉛、ニッケル、パラジウムおよび白金のうちから選択される少なくとも一つの金属または金属酸化物と、アルカリ金属の炭酸塩および/または重炭酸塩とを担持させてなる吸着材が記載されている。更に、特開平7−88363号公報(特許文献3)には、白金、金、ルテニウム、ロジウムおよびパラジウムよりなる群から選ばれた少なくとも一種の貴金属の金属および/または金属化合物よりなる活性成分を担体に担持させてなる窒素酸化物用吸着剤が記載されている。
しかしながら、このように多孔性担体に銅系金属等の活性成分を担持せしめた従来の除去剤であっても、窒素酸化物等の汚染物質に対する除去性能は未だ十分なものではなく、特に低濃度の窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質を確実に除去することは困難であるという問題があった。
特開平1−299642号公報 特開平7−743号公報 特開平7−88363号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質に対する除去性能が十分に高く、特に低濃度の窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質であっても確実に除去することが可能な汚染物質除去剤、並びにそのような汚染物質除去剤を効率良くかつ確実に製造することが可能な方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、所定の平均細孔径を有する多孔性担体を先ず所定の金属微粒子を含みかつ前記多孔性担体の平均細孔径より大きい平均粒径を有する金属コロイドの分散液に懸濁させ、次いで所定の金属塩と還元剤を含む金属溶液に懸濁させることにより、前記多孔性担体の外表面のみに前記金属又はその酸化物若しくはその合金からなる被覆層が形成され、窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質に対する除去性能が十分に高い汚染物質除去剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の汚染物質除去剤は、金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種からなりかつ平均細孔径が0.3〜10nmである多孔性担体の外表面のみに、Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os,Cu,Co,Ni,Fe及びSnからなる群から選択される少なくとも一種の金属、前記金属の酸化物、前記金属の合金並びに前記金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも一種の活性成分からなる被覆層が形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の汚染物質除去剤の製造方法は、
金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種からなりかつ平均細孔径が0.3〜10nmである多孔性担体を、Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os,Cu,Co,Ni,Fe及びSnからなる群から選択される少なくとも一種からなる金属微粒子が界面活性剤で被覆されてなりかつ平均粒径が前記多孔性担体の平均細孔径より大きい金属コロイドを含有するコロイド分散液に懸濁させ、前記金属コロイドを前記多孔性担体に担持せしめる工程と、
前記金属コロイドを担持せしめた前記多孔性担体を、Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os,Cu,Co,Ni,Fe及びSnからなる群から選択される少なくとも一種の金属の塩と還元剤とを含有する金属溶液に懸濁させ、前記金属、前記金属の酸化物、前記金属の合金並びに前記金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも一種の活性成分からなる被覆層を前記多孔性担体の外表面のみに形成せしめる工程と、
前記被覆層を形成せしめた前記多孔性担体を洗浄し、前記多孔性担体の細孔内の前記金属塩を除去する工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
前記本発明の汚染物質除去剤及びその製造方法において、前記汚染物質除去剤の多孔性担体の細孔内には前記活性成分からなる被覆層が実質的に形成されておらず、更に前記金属の塩が実質的に残存していないことが好ましい。
また、前記本発明の汚染物質除去剤及びその製造方法において、前記多孔性担体は、活性炭、チタニア、セピオライト、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、セリア及びセリア−ジルコニア複合酸化物からなる群から選択される少なくとも一種からなり、比表面積が50〜3000m/g、細孔容積が0.1〜1.2ml/gのものであることが好ましい。
さらに、前記本発明の汚染物質除去剤においては、前記被覆層を構成する前記活性成分の担持量が、前記多孔性担体100重量部に対して0.1〜50重量部であることが好ましい。また、前記本発明の汚染物質除去剤の製造方法においては、前記多孔性担体に担持される前記金属コロイドの担持量が、前記多孔性担体100重量部に対して0.01〜20重量部であり、前記被覆層を構成する前記活性成分の担持量が、前記多孔性担体100重量部に対して0.1〜50重量部であることが好ましい。
なお、本発明において多孔性担体の「外表面のみ」に前記活性成分からなる被覆層が形成されているとは、多孔性担体の細孔内に全く前記活性成分が存在しないことを必ずしも意味するものではなく、多孔性担体の細孔内に前記活性成分からなる被覆層が実質的に形成されていなければよい。すなわち、細孔の入口近傍(好ましくは細孔の入口からその細孔の直径の2倍程度の深さの範囲内)に細孔を閉塞しない程度の少量(好ましくは活性成分の全量の10重量%以下程度の量)の前記活性成分が存在していてもよい。また、前記活性成分からなる被覆層は必ずしも連続層として形成されている必要はなく、前記活性成分からなる被覆層(前記活性成分からなる微粒子でもよい)が多孔性担体の外表面上に断続的に形成されていてもよい。
また、本発明の汚染物質除去剤においては多孔性担体の細孔内に金属塩が実質的に残存していないことが好ましいが、ここで「実質的に残存していない」とは後述する洗浄工程によって細孔内から金属塩が十分に除去された状態をいい、細孔内に金属塩が残存したとしてもその量が多孔性担体100重量部に対して5重量部以下程度であることが好ましい。
前記本発明の汚染物質除去剤によれば特に低濃度の窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質であっても確実に除去することが可能となる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、多孔性担体に銅系金属等の活性成分を担持せしめた従来の除去剤においては、多孔性担体の細孔内にも上記活性成分が担持されたことにより細孔が閉塞すると共に多孔性担体自身の物理的吸着特性が著しく低下してしまい、気中の希薄な窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質を多孔性担体表面に効率良く吸着・濃縮することができなかった。それに対して本発明の汚染物質除去剤においては、多孔性担体の外表面のみに所定の活性成分からなる被覆層が形成されており、細孔内は閉塞しておらず、多孔性担体本来の物理的吸着特性が保持されている。
そのため、気中の希薄な窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質が先ず多孔性担体の細孔内の物理的吸着作用により効率良く吸着・濃縮され、それと同時に濃縮された汚染物質が多孔性担体の外表面に担持された活性成分により遂次化学的に吸着・捕捉される。このようにして本発明の汚染物質除去剤によれば、多孔性担体の物理的吸着作用と活性成分の化学的吸着作用の複合効果により特に低濃度の窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質であっても確実に除去することが可能となると本発明者らは推察する。
さらに、前記本発明の汚染物質除去剤の製造方法によれば多孔性担体の外表面のみに所定の活性成分からなる被覆層が形成され、細孔内は閉塞せず多孔性担体本来の物理的吸着特性が保持される理由も必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の製造方法においては先ず特定の平均細孔径を有する多孔性担体を特定の金属コロイドを含有するコロイド分散液に懸濁させるが、その金属コロイドの平均粒径が多孔性担体の平均細孔径より大きいため、金属コロイドは多孔性担体の細孔内には入らずその外表面にのみ担持される。そして、次の工程でその多孔性担体を特定の金属塩と還元剤とを含有する金属溶液に懸濁させた際に、多孔性担体の外表面のみに担持されている金属微粒子が金属溶液中の金属を析出させる触媒として作用する。
そのため、多孔性担体の外表面のみが活性化されて金属溶液中の金属が多孔性担体の外表面のみに優先的に析出し、その金属又はその金属の酸化物若しくは合金からなる被覆層が多孔性担体の外表面のみに形成される。したがって、このようにして化学めっき処理された多孔性担体の細孔内には被覆層は実質的に形成されておらず、続いての工程で細孔内の金属塩を除去することにより、多孔性担体の外表面のみに所定の活性成分からなる被覆層が形成されかつ多孔性担体本来の物理的吸着特性が十分に保持されている本発明の汚染物質除去剤が得られると本発明者らは推察する。
以上説明したように、本発明によれば、窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質に対する除去性能が十分に高い汚染物質除去剤を得ることができ、それを用いれば特に低濃度の窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質であっても確実に除去することが可能となる。また、本発明の汚染物質除去剤の製造方法によれば、効率良くかつ確実に本発明の汚染物質除去剤を製造することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の汚染物質除去剤は、金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種からなりかつ平均細孔径が0.3〜10nmである多孔性担体の外表面のみに、Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os,Cu,Co,Ni,Fe及びSnからなる群から選択される少なくとも一種の金属、前記金属の酸化物、前記金属の合金並びに前記金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも一種の活性成分からなる被覆層が形成されていることを特徴とするものである。
本発明の汚染物質除去剤にかかる多孔性担体は、金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種であり、金属酸化物としては多孔性担体を形成するものであれば特に制限されないが、遷移金属、Al及びSiからなる群から選択される少なくとも一種の金属の単独酸化物又は複合酸化物であることが好ましく、具体的には、貴金族元素(Pt,Pd,Rh,Ru,Au等)、卑金属元素(Y,La,Ce,Pr,Nd,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ca,Mg,Al,K,Ti,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Ga,Rb,Sr,Zr,Nb,Mo,In,Sn,Cs,Ba,Ta,W等)、メタロイド元素(Si,Ge,As,Sb等)の酸化物が挙げられる。
更に上記の酸化物の中でもTi,Al,Si,Ce,Zr,Mg,Fe,Mn,Ni,Zn及びCuからなる群から選択される少なくとも一種の金属の単独酸化物又は複合酸化物が好ましく、チタニア、セピオライト、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、セリア及びセリア−ジルコニア複合酸化物からなる群から選択される少なくとも一種であるとより好ましい。なお、本発明にかかる金属酸化物は、セピオライト、ゼオライト及びセリア−ジルコニアのように複数の金属元素を含有していてもよく、更に非金属元素を含んでいてもよい。
このような金属酸化物を多孔性担体として使用することにより、窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質に対するより優れた物理的吸着作用が得られる傾向があり、後述する特定の活性成分による化学的吸着作用との相乗効果によって汚染物質をより確実に除去することができることとなる。
また、炭素質材料としては、多孔性担体を形成するものであれば特に制限されないが、活性炭又は黒鉛類似の炭素骨格構造を有する材料であることが好ましく、活性炭であることがより好ましい。このような炭素質材料を多孔性担体として使用した場合も、窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質に対するより優れた物理的吸着作用が得られる傾向があり、後述する特定の活性成分による化学的吸着作用との相乗効果によって汚染物質をより確実に除去することができることとなる。
本発明の汚染物質除去剤にかかる多孔性担体は、その平均細孔径が0.3〜10nmであることが必要であり、0.5〜5nmであることが好ましい。多孔性担体の平均細孔径が0.3nm以下では汚染物質に対するより十分な物理的吸着作用が得られず、他方、10nmを超えると細孔内にも後述する活性成分からなる被覆層が形成されて細孔が閉塞すると共にその物理的吸着特性が低下してしまう。
さらに、本発明にかかる多孔性担体の比表面積は50〜3000m/gであることが好ましく、300〜1500m/gであることがより好ましい。また、本発明にかかる多孔性担体の細孔容積は0.1〜1.2ml/gであることが好ましく、0.3〜0.8ml/gであることがより好ましい。このような比表面積及び細孔容積が上記下限未満では汚染物質に対するより物理的吸着作用が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると多孔性担体の機能的強度が著しく低下する傾向にある。また、本発明にかかる多孔性担体の平均粒径は50μm以下であることが好ましく、1〜10μmであるとより好ましい。上記範囲の平均粒径とすることで、多孔性担体の比表面積が大きくなり、その物理的吸着作用がより向上する傾向がある。なお、上記範囲の平均粒径を有する多孔性担体を圧粉して破砕し、数百μm〜数mm程度の粒径の顆粒状にして用いてもよい。また、上記多孔性担体の形状は特に制限はなく、粉末状、顆粒状、破砕状、ペレット状、モノリス状、板状及び繊維状等の形状を使用条件に応じて選択することができる。
本発明の汚染物質除去剤においては、前述の多孔性担体の外表面のみに、Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os,Cu,Co,Ni,Fe及びSnからなる群から選択される少なくとも一種の金属、前記金属の酸化物、前記金属の合金並びに前記金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも一種の活性成分からなる被覆層が形成されている。このような金属は、電位−pH線図におけるその金属固有の析出曲線が水素の発生電位曲線の近傍又はそれ以上の電位に位置するものであり、還元剤により金属イオンを還元する際に金属の析出より水素発生反応の方が優先することなく、還元剤の酸化還元電位と金属の還元電位との差により効率良く析出するものであり、中でもPt,Ag,Au,Cu,Co,Niが好ましい。本発明の汚染物質除去剤においてはこのような金属が活性成分として多孔性担体の外表面上に存在することにより、細孔内で吸着・濃縮された汚染物質がかかる活性成分により化学的に吸着・捕捉されることとなる。
なお、このような金属は単独で用いてもよいが、2種以上の合金又は他の金属との合金として使用してもよく、金属間の電位差を利用して異種金属を積層化して使用することも可能である。さらに、このような金属を薬剤、熱処理等により酸化させて、金属酸化物としたものを活性成分として使用してもよい。
本発明の汚染物質除去剤において前記被覆層を構成する前記活性成分の担持量は、前記多孔性担体100重量部に対して0.1〜50重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。前記活性成分の担持量が上記下限未満では活性成分による化学的吸着特性が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると多孔性担体の外表面に形成された被覆層により細孔が閉塞して多孔性担体の物理的吸着特性が低下し易くなる傾向にある。また、前記活性成分からなる被覆層の厚みは特に制限されないが、1000nm程度以下であることが好ましく、10〜500nm程度であるとより好ましい。
次に、本発明の汚染物質除去剤の製造方法について説明する。
本発明の汚染物質除去剤の製造方法においては、先ず、前述の多孔性担体を、Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os,Cu,Co,Ni,Fe及びSnからなる群から選択される少なくとも一種からなる金属微粒子が界面活性剤で被覆されてなりかつ平均粒径が前記多孔性担体の平均細孔径より大きい金属コロイドを含有するコロイド分散液に懸濁させ、前記金属コロイドを前記多孔性担体に担持せしめる。
ここで使用されるコロイド分散液は、Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os,Cu,Co,Ni,Fe及びSnからなる群から選択される少なくとも一種の金属の微粒子が界面活性剤で被覆されてなる金属コロイドを含有するものである。これらの金属微粒子は、次の工程において多孔性担体を特定の金属塩と還元剤とを含有する金属溶液に懸濁させた際に、金属溶液中の金属を析出させる触媒として作用するものであり、中でもPt,Ru,Rh,Pd及びAuが好ましい。また、かかる金属微粒子の平均粒径は50nm以下であることが好ましい。このような平均粒径とすることによって金属微粒子の比表面積が大きくなり、より優れた触媒活性が得られる傾向がある。
また、前記金属微粒子を被覆する界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤が使用でき、具体的には以下のものが挙げられる。すなわち、アニオン系界面活性剤(陰イオン系界面活性剤)としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、N−メチル−N−オレイルタウリン、石油スルホン酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物等が挙げられる。
また、カチオン系界面活性剤(陽イオン系界面活性剤)としては、第一脂肪族アミン類、第二脂肪族アミン類、第三脂肪族アミン類、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩、N,N−ジアルキルモルホリニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの尿素縮合物の塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの尿素縮合物の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
さらに、ノニオン系界面活性剤(非イオン系界面活性剤)としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、トリアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
そして、本発明においては、このような界面活性剤で前記金属微粒子が被覆されて形成される金属コロイドの平均粒径が前記多孔性担体の平均細孔径より大きいことが必要である。したがって、用いる多孔性担体に応じて、形成される金属コロイドの平均粒径が多孔性担体の平均細孔径より大きくなるよう、用いる界面活性剤が適宜選択される。このように本発明にかかる金属コロイドは前記金属微粒子が界面活性剤で被覆されて形成されておりかつその平均粒径が多孔性担体の平均細孔径より大きいため、金属微粒子が凝集することなく、しかも金属コロイドは多孔性担体の細孔内には入らずその外表面にのみ高分散で担持される。
さらに、このようなコロイド分散液を構成する分散媒としては、前記金属の塩を溶解するものであれば特に制限されないが、金属塩の溶解度が大きく、安全性が高く、またコストも安価なことから水が好ましい。また、水以外の分散媒としては、メタノール、エタノール、アセトン等の有機溶媒が使用可能であり、水と有機溶媒とを任意の割合で混合した混合溶媒を使用してもよい。
このようなコロイド分散液を得る方法は特に制限されないが、例えば、前記金属の塩を前記分散媒(溶媒)に溶解して金属溶液とし、そこに前記界面活性剤と還元剤とを加えることによって界面活性剤で被覆された金属微粒子を析出せしめることにより、前記コロイド分散液を得ることができる。なお、前記金属の塩の種類は特に制限されないが、前記金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物等が、水等の溶媒に対する溶解度が大きくかつ安価であることから好適に使用される。また、還元剤も特に制限されないが、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化合物、次亜リン酸化合物等のリン化合物、硫化ナトリウム等のイオウ化合物、水和ヒドラジン等のヒドラジン誘導体、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類といった従来公知の還元剤が好適に使用される。このようにしてコロイド分散液を得る工程における金属溶液中の金属塩の濃度は0.01〜2g/Lであることが好ましく、界面活性剤の濃度は0.05〜1g/Lであることが好ましく、還元剤の濃度は0.01〜1g/Lであることが好ましい。
本発明の汚染物質除去剤の製造方法においては、このようにして得られたコロイド分散液に前記多孔性担体を懸濁させることにより、金属コロイドを多孔性担体に担持せしめる。この工程における多孔性担体の添加量は、コロイド分散液中に多孔性担体が1〜100g/Lであることが好ましい。また、かかる工程における製造条件は特に制限されないが、コロイド分散液に前記多孔性担体を加えた後、10〜60℃程度の温度で0.5〜6時間程度撹拌することが好ましい。さらに、多孔性担体に金属コロイドを担持せしめた後に、必要に応じて濾過、洗浄、乾燥させてもよい。
このようにして多孔性担体に担持される金属コロイドの担持量は、多孔性担体100重量部に対して0.01〜20重量部であることが好ましく、0.05〜10重量部であることがより好ましい。金属コロイドの担持量が上記下限未満では金属微粒子が少ないため多孔性担体の外表面が十分に活性化されず、続いての工程において多孔性担体の外表面に十分量の活性成分を均一に析出させることが困難となる傾向にあり、他方、上記上限を超えるとコスト高となる傾向にある。
次に、本発明の汚染物質除去剤の製造方法においては、前記の工程において金属コロイドを担持せしめた前記多孔性担体を、Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os,Cu,Co,Ni,Fe及びSnからなる群から選択される少なくとも一種の金属の塩と還元剤とを含有する金属溶液(めっき浴)に懸濁させ、前記金属、前記金属の酸化物、前記金属の合金並びに前記金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも一種の活性成分からなる被覆層を前記多孔性担体の外表面のみに形成せしめる。これらの金属、その酸化物若しくは合金は、前述の通り、細孔内で吸着・濃縮された汚染物質を多孔性担体の外表面上で化学的に吸着・捕捉する活性成分として作用するものである。
また、これらの金属の塩の種類は特に制限されないが、前記金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物等が、水等の溶媒に対する溶解度が大きくかつ安価であることから好適に使用される。また、還元剤も特に制限されないが、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化合物、次亜リン酸化合物等のリン化合物、硫化ナトリウム等のイオウ化合物、水和ヒドラジン等のヒドラジン誘導体、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類といった従来公知の還元剤が好適に使用される。
さらに、このような金属溶液を構成する溶媒としては、前記金属の塩を溶解するものであれば特に制限されないが、金属塩の溶解度が大きく、安全性が高く、またコストも安価なことから水が好ましい。また、水以外の溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン等の有機溶媒が使用可能であり、水と有機溶媒とを任意の割合で混合した混合溶媒を使用してもよい。
このようにして活性成分からなる被覆層を析出せしめる工程における金属溶液中の金属塩の濃度は5〜150g/Lであることが好ましく、還元剤の濃度は1〜100g/Lであることが好ましい。また、この工程における多孔性担体の添加量は、金属溶液中に多孔性担体が1〜100g/Lであることが好ましい。さらに、このような金属溶液に必要に応じてpH調整剤、緩衝剤、錯化剤、促進剤、安定剤、改良剤等の添加剤を更に配合してもよい。これらの添加剤の配合量は特に制限されないが、一般的に50g/L程度以下であることが好ましい。また、かかる工程における製造条件は特に制限されないが、金属溶液に前記多孔性担体を加えた後、20〜90℃程度の温度で0.5〜6時間程度浸漬した状態としておくことが好ましい。
さらに、本発明の汚染物質除去剤の製造方法においては、前記の工程において被覆層を形成せしめた前記多孔性担体を洗浄し、前記多孔性担体の細孔内の前記金属塩を除去する。このような洗浄工程の具体的な方法は特に制限されないが、例えば、被覆層を形成せしめた前記多孔性担体を前記金属塩を溶解可能な溶媒中に分散させた後、20℃から溶媒の常圧沸点の間の温度で0.5〜3時間程度撹拌することが好ましい。このような洗浄用の溶媒としては、前記金属の塩を溶解するものであれば特に制限されないが、金属塩の溶解度が大きく、安全性が高く、またコストも安価なことから水が好ましい。また、水以外の溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン等の有機溶媒が使用可能であり、水と有機溶媒とを任意の割合で混合した混合溶媒を使用してもよい。さらに、溶媒の温度が高いほど金属塩、還元剤等の化学物質の溶媒に対する溶解度が大きくなるため、洗浄する際の溶媒の温度は上記範囲内で高い方が好ましい。用いる攪拌機は特に制限されないが、マグネットスターラー、プロペラ攪拌機、ヘンシェルミキサー、超音波洗浄機等が適宜使用される。
このようにして得られる本発明の汚染物質除去剤における前記被覆層を構成する前記活性成分の担持量は、前記多孔性担体100重量部に対して0.1〜50重量部であることが好ましく、1〜30重量部であることがより好ましい。前記活性成分の担持量が上記下限未満では活性成分による化学的吸着特性が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると多孔性担体の外表面に形成された被覆層により細孔が閉塞して多孔性担体の物理的吸着特性が低下し易くなる傾向にある。また、本発明の汚染物質除去剤においては、前述の洗浄工程によって多孔性担体の細孔内における金属塩、還元剤等の化学物質が十分に除去されていることが好ましく、細孔内における金属塩の残存量が多孔性担体100重量部に対して5重量部以下程度となっていることが好ましい。
本発明により得られた汚染物質除去剤の使用方法は特に制限されず、例えば処理対象となる汚染物質を含む気体と汚染物質除去剤とをバッチ式あるいは連続的に接触させることによって、汚染物質の除去が達成される。処理対象となる汚染物質としては各種内燃機関の排ガス等における有害成分である窒素酸化物(NO)や硫黄酸化物(SO)等が挙げられるが、本発明の汚染物質除去剤によれば希薄な汚染物質であっても確実に除去できることから、特に低濃度の汚染物質を対象とする場合に本発明の汚染物質除去剤は有効である。また、本発明の汚染物質除去剤を用いた処理の反応条件は特に制限されないが、通常は室温において各種汚染物質の除去を行うことができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜5)
先ず、塩化パラジウム(II)162mgをイオン交換水1Lに溶解した。次いで、強く撹拌しながら1%n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液10mLを加え、さらに0.15%水素化ホウ素ナトリウム水溶液50mLを加えて撹拌することにより、パラジウム微粒子が界面活性剤で被覆されたパラジウムコロイドを含有するコロイド分散液を調製した(全5ロット調製した)。なお、得られたパラジウムコロイドの平均粒径は3.5nmであった。
続いて、このようにして得られたコロイド分散液1Lにそれぞれ、下記の各多孔性担体:
(i)実施例1:活性炭粉末(キャタラー社製、商品名:BFG、平均細孔径:2nm、比表面積:1140m/g、細孔容積:0.55ml/g)6.5g;
(ii)実施例2:チタニア粉末{Sachtleben chemie社製、商品名:Hombikat UV100、平均細孔径:10nm(推定値)、比表面積:250m/g、細孔容積:0.3ml/g(推定値)}6.5g;
(iii)実施例3:シリカ粉末(富士シリシア化学社製、商品名:サイリシア730、平均細孔径:3nm、比表面積:700m/g、細孔容積:0.44ml/g)6.5g;
(iv)実施例4:セピオライト粉末(近江鉱業社製、商品名:P300、平均細孔径:1nm、比表面積:300m/g、細孔容積:0.8ml/g)6.5g;
(v)実施例5:ゼオライト粉末(和光純薬工業社製、商品名:モレキュラーシーブス4A、平均細孔径:0.4nm、比表面積:300m/g、細孔容積:0.28ml/g)6.5g;
を加え、25℃で3時間撹拌した後、濾過、水洗し、パラジウムコロイドが外表面に吸着担持された多孔性担体を得た。このようにして得られた多孔性担体におけるパラジウムコロイドの担持量は、多孔性担体100重量部に対して1.5重量部(実施例1)、1.5重量部(実施例2)、1.5重量部(実施例3)、1.5重量部(実施例4)、1.5重量部(実施例5)であった。
次に、イオン交換水1Lに対して、塩化ニッケル30g、次亜りん酸ナトリウム10g及び酢酸ナトリウム10gを加えて攪拌し、pH5.7のニッケル溶液(ニッケル化学めっき液)を調製した(全5ロット調製した)。続いて、このようにして得られたニッケル溶液1Lにそれぞれ、前記のパラジウムで活性化された各多孔性担体を加え、90℃で1時間浸漬した状態として外表面にニッケル被覆層(ニッケルめっき)を形成せしめた。
その後、ニッケル被覆層が形成された多孔性担体を濾過し、イオン交換水1L中に分散させてマグネットスターラーを用いて1時間攪拌して水洗することによって細孔内の残存金属塩等を除去し、さらに105℃で1時間乾燥せしめて本発明の汚染物質除去剤を得た。このようにして得られた汚染物質除去剤におけるニッケルの担持量は、多孔性担体100重量部に対して19.2重量部(実施例1)、19.8重量部(実施例2)、18.5重量部(実施例3)、20.3重量部(実施例4)、19.6重量部(実施例5)であった。また、各汚染物質除去剤の細孔内にはニッケル被覆層は形成されておらず、金属塩等の残存も認められなかった。
次いで、実施例1〜5で得られた各汚染物質除去剤0.1gを容量5Lのガスバックに入れ、初期濃度が100ppmのNOを含む空気5Lを導入して封止した。そして、24時間経過後に袋内に残留したNO濃度をガス検知管で測定し、下記式:
NO除去率(%)={(Cb−Cs)/Cb}×100
[式中、Cbは除去剤を入れない袋内のNO濃度(ppm)、Csは除去剤を入れた袋内のNO濃度(ppm)を示す。]
によりNO除去率を求めた。得られた結果を表1に示す。
(実施例6〜10)
先ず、イオン交換水1Lに対して、硫酸銅(II)五水和物10g、ホルマリン3g、水酸化ナトリウム6g、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム36.2g、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム三水和物20mg及び2,2−ビピリジル15mgを加えて攪拌し、pH12.5の銅溶液(銅化学めっき液)を調製した(全5ロット調製した)。続いて、ニッケル溶液に代えてこれらの銅溶液を用い、さらに浸漬条件を70℃で1時間とした以外は実施例1〜5とそれぞれ同様にして外表面に銅被覆層(銅めっき)が形成された多孔性担体を得、実施例1〜5と同様にして濾過、洗浄、乾燥して本発明の汚染物質除去剤を得た。このようにして得られた汚染物質除去剤における銅の担持量は、多孔性担体100重量部に対して8.5重量部(実施例6)、8.9重量部(実施例7)、9.6重量部(実施例8)、8.8重量部(実施例9)、7.9重量部(実施例10)であった。また、各汚染物質除去剤の細孔内には銅被覆層は形成されておらず、金属塩等の残存も認められなかった。次いで、これらの汚染物質除去剤を用いた以外は実施例1と同様にしてNO除去率を求めた。得られた結果を表1に示す。
(実施例11〜15)
先ず、イオン交換水1Lに対して、硫酸コバルト(II)七水和物22.5g、次亜りん酸ナトリウム21.2g、酒石酸ナトリウム二水和物115g及び硼酸30.9gを加えて攪拌し、さらに3.3M水酸化ナトリウム水溶液でpHを9に調整してコバルト溶液(コバルト化学めっき液)を調製した(全5ロット調製した)。続いて、ニッケル溶液に代えてこれらのコバルト溶液を用いた以外は実施例1〜5とそれぞれ同様にして外表面にコバルト被覆層(コバルトめっき)が形成された多孔性担体を得、実施例1〜5と同様にして濾過、洗浄、乾燥して本発明の汚染物質除去剤を得た。このようにして得られた汚染物質除去剤におけるコバルトの担持量は、多孔性担体100重量部に対して12.3重量部(実施例11)、12.5重量部(実施例12)、11.4重量部(実施例13)、13.0重量部(実施例14)、11.8重量部(実施例15)であった。また、各汚染物質除去剤の細孔内にはコバルト被覆層は形成されておらず、金属塩等の残存も認められなかった。次いで、これらの汚染物質除去剤を用いた以外は実施例1と同様にしてNO除去率を求めた。得られた結果を表1に示す。
(実施例16〜30)
実施例1〜5で得られた外表面にニッケル被覆層が形成された多孔性担体、実施例6〜10で得られた外表面に銅被覆層が形成された多孔性担体、並びに実施例11〜15で得られた外表面にコバルト被覆層が形成された多孔性担体をそれぞれ、6M水酸化ナトリウム水溶液中に90℃で1時間浸漬した後に濾過し、イオン交換水により濾液のpHが中性になるまで繰り返し水洗を行い、さらに105℃で1時間乾燥せしめて本発明の汚染物質除去剤を得た。このようにして得られた汚染物質除去剤における被覆層の表面には各金属の酸化物が生成されていた。また、各汚染物質除去剤の細孔内には被覆層は形成されておらず、金属塩等の残存も認められなかった。次いで、これらの汚染物質除去剤を用いた以外は実施例1と同様にしてNO除去率を求めた。得られた結果を表1に示す。
(比較例1)
先ず、イオン交換水300mLに対して無水塩化第二銅5gを加えて溶解した。次に、この塩化第二銅水溶液にゼオライト粉末(和光純薬工業社製、商品名:モレキュラーシーブ4A、平均細孔径:0.4nm、比表面積:300m/g、細孔容積:0.28ml/g)100gを加え、ホットスターラーを用いてよく撹伴しながら溶媒である水を蒸発乾固せしめた後、105℃で1時間乾燥せしめて比較のための従来の汚染物質除去剤を得た。このようにして得られた汚染物質除去剤は外表面及び細孔内に塩化第二銅を担持したゼオライトであり、塩化第二銅の担持量はゼオライト100重量部に対して5重量部であった。次いで、この汚染物質除去剤を用いた以外は実施例1と同様にしてNO除去率を求めた。得られた結果を表1に示す。
(比較例2)
先ず、イオン交換水300mLに対して水酸化ナトリウム5gを加えて溶解した。次に、この水酸化ナトリウム水溶液に比較例1で用いたものと同様のゼオライト粉末100gを加え、ホットスターラーを用いてよく撹伴しながら溶媒である水を蒸発乾固せしめた後、105℃で1時間乾燥せしめて比較のための従来の汚染物質除去剤を得た。このようにして得られた汚染物質除去剤は外表面及び細孔内に水酸化ナトリウムを担持したゼオライトであり、水酸化ナトリウムの担持量はゼオライト100重量部に対して5重量部であった。次いで、この汚染物質除去剤を用いた以外は実施例1と同様にしてNO除去率を求めた。得られた結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例1で用いたものと同様のゼオライト粉末をそのまま汚染物質除去剤として用いた以外は実施例1と同様にしてNO除去率を求めた。得られた結果を表1に示す。
Figure 2005074338
(比較例4)
先ず、イオン交換水1Lに対して硝酸ニッケル(II)六水和物67.3gを加えて溶解した。次に、この硝酸ニッケル水溶液にセピオライト粉末(近江鉱業社製、商品名:P300、平均細孔径:1nm、比表面積:300m/g、細孔容積:0.8ml/g)6.5gを加え、25℃で3時間撹伴した後に濾過し、硝酸ニッケルが含浸されたセピオライトを得た。次いで、この硝酸ニッケルが含浸されたセピオライトを空気中において500℃で3時間焼成した後、5容量%の水素を含む窒素気流中において350℃で3時間還元処理を施し、比較のための従来の汚染物質除去剤を得た。このようにして得られた汚染物質除去剤は外表面及び細孔内にニッケル金属を担持したセピオライトであり、ニッケルの担持量はセピオライト100重量部に対して4.8重量部であった。次いで、この汚染物質除去剤を用いた以外は実施例1と同様にしてNO除去率を求めた。得られた結果を、実施例4の結果と共に表2に示す。
(実施例31)
ニッケル被覆層が形成された多孔性担体を濾過した後、前述の水洗をすることなくそのまま105℃で1時間乾燥せしめた以外は実施例4と同様にして汚染物質除去剤を得た。このようにして得られた汚染物質除去剤は、実施例4で得られたものと同様に外表面にのみニッケル被覆層が形成されたセピオライトであったが、細孔内にはセピオライト100重量部に対して2.5重量部程度の塩化ニッケルの残存が認められた。次いで、この汚染物質除去剤を用いた以外は実施例1と同様にしてNO除去率を求めた。得られた結果を表2に示す。
Figure 2005074338
表1及び表2に示した結果から明らかなように、多孔性担体の外表面のみに所定の活性成分からなる被覆層が形成されている本発明の汚染物質除去剤によれば、従来の汚染物質除去剤を用いた場合に比べて、低濃度の窒素酸化物に対して非常に高い除去率を達成することが可能となり、細孔内に金属塩等が実質的に残存していないとその効果が更に向上することが確認された。
以上説明したように本発明の汚染物質除去剤は、各種内燃機関の排ガス等における窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質に対する除去性能が十分に高く、特に低濃度の窒素酸化物や硫黄酸化物等の汚染物質であっても確実に除去することが可能となる。したがって、本発明の汚染物質除去剤は、工場排ガスの浄化、自動車排ガスの浄化、各種燃焼機器(家庭用石油ガスファンヒータ等)の排ガスの浄化、自動車用又は家庭用空気清浄機による脱臭、燃料電池の燃料極側又は空気極側供給空気の浄化、等に有効に利用することが可能である。

Claims (8)

  1. 金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種からなりかつ平均細孔径が0.3〜10nmである多孔性担体の外表面のみに、Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os,Cu,Co,Ni,Fe及びSnからなる群から選択される少なくとも一種の金属、前記金属の酸化物、前記金属の合金並びに前記金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも一種の活性成分からなる被覆層が形成されていることを特徴とする汚染物質除去剤。
  2. 前記汚染物質除去剤の多孔性担体の細孔内に、前記活性成分からなる被覆層が実質的に形成されておらず、かつ、前記金属の塩が実質的に残存していないことを特徴とする請求項1に記載の汚染物質除去剤。
  3. 前記多孔性担体が、活性炭、チタニア、セピオライト、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、セリア及びセリア−ジルコニア複合酸化物からなる群から選択される少なくとも一種からなり、比表面積が50〜3000m/g、細孔容積が0.1〜1.2ml/gのものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の汚染物質除去剤。
  4. 前記被覆層を構成する前記活性成分の担持量が、前記多孔性担体100重量部に対して0.1〜50重量部であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の汚染物質除去剤。
  5. 金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種からなりかつ平均細孔径が0.3〜10nmである多孔性担体を、Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os,Cu,Co,Ni,Fe及びSnからなる群から選択される少なくとも一種からなる金属微粒子が界面活性剤で被覆されてなりかつ平均粒径が前記多孔性担体の平均細孔径より大きい金属コロイドを含有するコロイド分散液に懸濁させ、前記金属コロイドを前記多孔性担体に担持せしめる工程と、
    前記金属コロイドを担持せしめた前記多孔性担体を、Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os,Cu,Co,Ni,Fe及びSnからなる群から選択される少なくとも一種の金属の塩と還元剤とを含有する金属溶液に懸濁させ、前記金属、前記金属の酸化物、前記金属の合金並びに前記金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも一種の活性成分からなる被覆層を前記多孔性担体の外表面のみに形成せしめる工程と、
    前記被覆層を形成せしめた前記多孔性担体を洗浄し、前記多孔性担体の細孔内の前記金属の塩を除去する工程と、
    を含むことを特徴とする汚染物質除去剤の製造方法。
  6. 前記汚染物質除去剤の多孔性担体の細孔内に、前記活性成分からなる被覆層が実質的に形成されておらず、かつ、前記金属の塩が実質的に残存していないことを特徴とする請求項5に記載の汚染物質除去剤の製造方法。
  7. 前記多孔性担体が、活性炭、チタニア、セピオライト、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、セリア及びセリア−ジルコニア複合酸化物からなる群から選択される少なくとも一種からなり、比表面積が50〜3000m/g、細孔容積が0.1〜1.2ml/gのものであることを特徴とする請求項5又は6に記載の汚染物質除去剤の製造方法。
  8. 前記多孔性担体に担持される前記金属コロイドの担持量が、前記多孔性担体100重量部に対して0.01〜20重量部であり、前記被覆層を構成する前記活性成分の担持量が、前記多孔性担体100重量部に対して0.1〜50重量部であることを特徴とする請求項5〜7のうちのいずれか一項に記載の汚染物質除去剤の製造方法。
JP2003309093A 2003-09-01 2003-09-01 汚染物質除去剤及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4403758B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003309093A JP4403758B2 (ja) 2003-09-01 2003-09-01 汚染物質除去剤及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003309093A JP4403758B2 (ja) 2003-09-01 2003-09-01 汚染物質除去剤及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005074338A true JP2005074338A (ja) 2005-03-24
JP4403758B2 JP4403758B2 (ja) 2010-01-27

Family

ID=34411359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003309093A Expired - Fee Related JP4403758B2 (ja) 2003-09-01 2003-09-01 汚染物質除去剤及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4403758B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006127937A3 (en) * 2005-05-25 2007-03-22 Gore Enterprise Holdings Inc Aqueous delivery system for low surface energy structures
JP2008060385A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Fujitsu Ltd 冷却装置、電子機器および冷却媒体
US7544899B2 (en) * 2004-12-10 2009-06-09 Keihin Corporation Printed circuit board
US7820917B2 (en) 2004-01-29 2010-10-26 Nec Corporation Circuit board
JP2011016091A (ja) * 2009-07-09 2011-01-27 Toyota Motor Corp 排ガス浄化触媒
JP2011056365A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Toshiba Corp 多孔質担体、複合多孔質吸着体、油分吸着方法、浄水化方法、及び有価物回収方法
CN105688817A (zh) * 2016-04-01 2016-06-22 同济大学 金属阳离子吸附滤柱及其制备方法和金属阳离子回收系统
CN110975519A (zh) * 2019-12-13 2020-04-10 陈丽娜 一种呼吸科传染病病房用空气净化过滤装置
CN113929250A (zh) * 2020-06-29 2022-01-14 宝山钢铁股份有限公司 一种冷轧反渗透浓水零排放工艺及处理系统
JP7486148B2 (ja) 2018-12-20 2024-05-17 日揮ユニバーサル株式会社 汚染物質除去剤、汚染物質除去部材、及び汚染物質の除去方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7820917B2 (en) 2004-01-29 2010-10-26 Nec Corporation Circuit board
US7544899B2 (en) * 2004-12-10 2009-06-09 Keihin Corporation Printed circuit board
WO2006127937A3 (en) * 2005-05-25 2007-03-22 Gore Enterprise Holdings Inc Aqueous delivery system for low surface energy structures
US8851294B2 (en) 2005-05-25 2014-10-07 W. L. Gore & Associates, Inc. Aqueous delivery system for low surface energy structures
JP2008060385A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Fujitsu Ltd 冷却装置、電子機器および冷却媒体
JP4679475B2 (ja) * 2006-08-31 2011-04-27 富士通株式会社 冷却装置、電子機器および冷却媒体
JP2011016091A (ja) * 2009-07-09 2011-01-27 Toyota Motor Corp 排ガス浄化触媒
JP2011056365A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Toshiba Corp 多孔質担体、複合多孔質吸着体、油分吸着方法、浄水化方法、及び有価物回収方法
CN105688817A (zh) * 2016-04-01 2016-06-22 同济大学 金属阳离子吸附滤柱及其制备方法和金属阳离子回收系统
JP7486148B2 (ja) 2018-12-20 2024-05-17 日揮ユニバーサル株式会社 汚染物質除去剤、汚染物質除去部材、及び汚染物質の除去方法
CN110975519A (zh) * 2019-12-13 2020-04-10 陈丽娜 一种呼吸科传染病病房用空气净化过滤装置
CN113929250A (zh) * 2020-06-29 2022-01-14 宝山钢铁股份有限公司 一种冷轧反渗透浓水零排放工艺及处理系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP4403758B2 (ja) 2010-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5628225B2 (ja) 金属含有コロイド粒子担持担体およびその製造方法
JP2005238027A (ja) 触媒、排ガス浄化触媒、及び触媒の製造方法
JP2004148173A (ja) 有害物質浄化触媒及びその製造方法
WO2006103754A1 (ja) アンモニア分解触媒および該触媒を用いたアンモニア分解方法
JP4403758B2 (ja) 汚染物質除去剤及びその製造方法
KR20150095133A (ko) 질산성 질소의 제거효율과 질소 선택도가 높은 이중금속 촉매의 제조방법 및 그 촉매
JP4865250B2 (ja) 排ガス処理用触媒の製造方法
JP4811680B2 (ja) オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびオゾン分解除去方法
KR101892342B1 (ko) 오존 및 대기오염 물질 분해용 다공성 촉매 및 그 제조방법
JP5303483B2 (ja) オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびそれを用いたオゾン分解除去方法
WO2010073956A1 (ja) 触媒及び排ガス浄化方法
US20090011177A1 (en) Exhaust gas cleaning catalyst and process for producing the same
JP2002541050A (ja) 極性汚染物質に対し選択吸着能を有する、金属鍍金された活性炭及びその製造方法
CN110449150B (zh) 一种内嵌纳米金属的中空炭管阵列催化剂及其制备方法和应用
JP2006289248A (ja) 窒素酸化物浄化材料
JP2004057954A (ja) 水処理用触媒および水処理方法
JP5503155B2 (ja) 一酸化炭素除去フィルター
JP2004097893A (ja) 水処理用触媒および水処理方法
JP5261930B2 (ja) ガス浄化方法,ガス浄化触媒、及び排ガス浄化装置
JP2008055425A (ja) アルデヒド類の分解除去方法
JP5354399B2 (ja) オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびオゾン分解除去方法
EP2870997B1 (en) Catalyst for emission gas purification and production method thereof
CN114602446A (zh) 一种用于uv/过硫酸盐工艺的催化剂及其制备方法和应用
JP2002210369A (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
EP2794058B1 (en) Use of a composition comprising a metal-containing particulate and method for the removal of chloramines

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080304

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091013

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091026

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131113

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees