JP2011056365A - 多孔質担体、複合多孔質吸着体、油分吸着方法、浄水化方法、及び有価物回収方法 - Google Patents

多孔質担体、複合多孔質吸着体、油分吸着方法、浄水化方法、及び有価物回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸着性粒子等の機能性粒子を構成する磁性担体の強度を簡易な手法で向上させる。
【解決手段】1次粒子である厚さ0.1μm以上1μm以下のZn膜を被覆した磁性粉、又は1次粒子である平均粒子径が0.1μm以上100μm以下のSn粒子を付着した磁性粉が凝集した2次凝集体を含むようにして多孔質担体を構成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質担体に関するものである。
昨今、工業の発達や人口の増加により水資源の有効利用が求められている。そのためには、工業排水などの廃水の再利用が非常に重要である。これらを達成するためには水の浄化、すなわち水中から他の物質を分離することが必要である。
液体からほかの物質を分離する方法としては、各種の方法が知られており、たとえば膜分離、遠心分離、活性炭吸着、オゾン処理、凝集による浮遊物質の除去などが挙げられる。このような方法によって、水に含まれるリンや窒素などの環境に影響の大きい化学物質を除去したり、水中に分散した油類、クレイなどを除去したりすることができる。これらのうち、膜分離はもっとも一般的に使用されている方法のひとつであるが、水中に分散した油類を除去する場合には膜の細孔に油が詰まり易く、膜の寿命が短くなりやすいという問題がある。このため、水中の油類を除去するには膜分離は適切でない場合が多い。
このため重油等の油類が含まれている水からそれらを除去する手法としては、例えば重油の浮上性を利用し、水上の設置されたオイルフェンスにより水の表面に浮いている重油を集め、表面から吸引および回収する方法、または、重油に対して吸着性をもった疎水性材料を水上に敷設し、重油を吸着させて回収する方法等が挙げられる。
水中の油を吸着させる方法としては、親水性ブロックと親油性ブロックとを有する吸着ポリマーを用いて油を吸着させ、その後その吸着ポリマーを水から除去する方法が挙げられる。このようなポリマーは例えば特許文献1などに開示されている。しかしながら、この方法では吸着ポリマーと水の分離に労力がかかるだけでなく、油が吸着したポリマーが軟化して作業性が悪いという問題もある。
一方で、磁性化された吸着性粒子を用いて、油類を吸着した後の吸着性粒子を、磁気を用いて分離する方法も知られている。例えば特許文献2には、担体としての磁性体の表面をステアリン酸で修飾し、その磁性体に水中の油を吸着させ、回収する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、吸着性粒子を構成する担体である磁性体の強度が十分でなく、吸着性粒子を例えばカラム内に配置する際に担体が壊れてしまったり、排水の圧力によって破壊してしまったりなどの問題があった。
特開平07−102238号公報 特開2000−176306号公報
本発明は、吸着性粒子等の機能性粒子を構成する磁性担体の強度を簡易な手法で向上させることを目的とする。
本発明の一態様は、1次粒子である厚さ0.1μm以上1μm以下のZn膜を被覆した磁性粉が凝集した2次凝集体を含むことを特徴とする、多孔質担体に関する。
また、本発明の一態様は、1次粒子である平均粒子径が0.1μm以上100μm以下のSn粒子を付着した磁性粉が凝集した2次凝集体を含むことを特徴とする、多孔質担体に関する。
本発明によれば、吸着性粒子等の機能性粒子を構成する磁性担体の強度を簡易な手法で向上させることができる。
以下、本発明の詳細、並びにその他の特徴及び利点について説明する。
(多孔質吸着体)
本実施形態における多孔質担体は、1次粒子である厚さ1μm以下のZn膜を被覆した磁性粉が凝集した2次凝集体を含む(第1の多孔質担体)。また、本実施形態における多孔質担体は、1次粒子である平均粒子径が100μm以下のSn粒子を磁性粉間に付着した磁性粉が凝集した2次凝集体を含む(第2の多孔質担体)。
すなわち、本実施形態においては、第1の多孔質担体及び第2の多孔質担体は、それぞれ磁性粉間にZn膜が形成され、及びSn粒子が付着しているので、これらZn膜及びSn粒子によって、磁性粉の強度を補完し、これによって第1の多孔質担体及び第2の多孔質担体の強度が向上し、これらの担体を吸着性粒子等の種々の機能性粒子に適用することができる。なお、Sn粒子の付着は、以下に説明する製造方法に起因して、一般には融着を介して行われることになる。
なお、本実施形態における担体は多孔質となっているが、これは上記1次粒子が凝集して2次凝集体となる際に、多くの孔が形成されることによる。なお、多孔の度合(空孔率)は以下に説明する製造方法に起因して適宜制御することができる。
第1の多孔質担体において、磁性粉をZn膜で被覆して強度の向上を図る理由は、以下の製造方法で説明するように、Zn膜の形成が比較的容易、すなわちZnが比較的低温で高い蒸気圧を呈するので、磁性粉の表面に比較的短時間で被膜を形成することができ、製造コストの低減を図ることができることに起因する。また、Znのように表面に金属酸化膜を形成する場合、金属酸化膜の最表面にはOH基を形成するため、シランカップリング剤、Ti系カップリング剤、Al系カップリング剤などの油分吸着性の吸着分子(基)を簡易に付加することができ、油分吸着剤等の機能性粒子としての適用が容易となるためである。また、これらのカップリング剤は、マグネタイトなどの酸化鉄表面に形成するOH基にも容易に付加するため、Zn層が完全に磁性粉を被覆する必要はない。
第2の多孔質担体において、磁性粉にSn粒子を付着させて強度の向上を図る理由は、以下の製造方法で説明するように、Sn粒子が比較的低い温度で溶融し、磁性粉の表面に簡易に付着(融着)することによる。また、Sn粒子の表面には上記同様の理由でOH基が形成されやすく、シランカップリング剤、Ti系カップリング剤及びAl系カップリング剤などの油分吸着性の物質(基)を簡易に付加することができ(複合多孔質吸着体)、油分吸着剤等の機能性粒子としての適用が容易となるためである。また、上記同様の理由でカップリング剤は磁性粉表面にも直接付加するため、Sn粒子が完全に磁性粉を被覆する必要はない。
なお、第1の多孔質担体を形成する際、十分なZn蒸気を得るにはある程度高い温度雰囲気を設定する必要があるので、磁性粉の酸化を防止すべく、減圧雰囲気下で形成することが好ましい。一方、第2の多孔質担体を形成する際、Sn粒子の溶融は比較的低い温度を設定すれば足りるので、特に減圧雰囲気を設定する必要はなく、大気圧下でも構わない。磁性粒子の酸化防止には、アルゴン雰囲気または窒素雰囲気における低酸素濃度下で形成することが好ましい。
第1の多孔質担体及び第2の多孔質担体のいずれにおいても、1次粒子のコアとなる磁性粉は、磁性体からなるものであれば特に限定されるものではない。用いられる磁性体は、室温領域において強磁性を示す物質であることが望ましい。しかしながら、本発明の実施においてはこれらに限定されるものではなく、強磁性物質を全般的に用いることができ、例えば鉄、および鉄を含む合金、磁鉄鉱、チタン鉄鉱、磁硫鉄鉱、マグネシアフェライト、コバルトフェライト、ニッケルフェライト、バリウムフェライト、などが挙げられる。
これらのうち水中での安定性に優れたフェライト系化合物であればより効果的に本発明を達成することができる。例えば磁鉄鉱であるマグネタイト(Fe)は安価であるだけでなく、水中でも磁性体として安定し、元素としても安全であるため、水処理に使用しやすいので好ましい。
また、磁性粉は、球状、多面体、不定形など種々の形状を取り得るが特に限定されない。用いるに当って望ましい磁性担体の粒径や形状は、製造コストなどを鑑みて適宜選択すれば良く、特に球状または角が丸い多面体構造が好ましい。鋭角な角を持つ粒子であると、表面を被覆するZn層およびSn粒子を傷つけ、多孔質担体の形状を維持しにくくなってしまうことがあるためである。
なお、磁性粉とは、その粒子がすべて磁性体で構成される必要はない。すなわち、磁性粉が磁性体粒子からなるものであって、その表面が腐食防止などの目的で表面処理されていてもよい。すなわち、後述するように、最終的に得られる多孔質担体が、水処理において磁力によって回収される際に、磁力が及ぶだけの磁性体を含有することだけが必要である。
また、磁性粉の大きさは、磁性粉の密度、多孔質担体の密度など種々の条件によって変化する。但し、磁性粉の平均粒子径は、一般に0.05〜100μm、好ましくは0.2〜5μmである。なお、この平均粒子径の大きさは、製造上コストを考慮したものである。但し、磁性粉の平均粒子径が100μmよりも大きいと、凝集する粒子が大きくなりすぎて、水への分散が悪くなる傾向があり、また粒子の実効的な表面積が減少して、吸着性粒子等を構成した場合に、例えば油類などの吸着量が減少する傾向にあるので好ましくない。また粒子径が0.05μmより小さくなると、1次粒子が緻密に凝集し、多孔質担体の表面積が小さくなる傾向があるので好ましくない。
ここで、平均粒子径は、レーザー回折法により測定されたものである。
また、第1の多孔質担体において、1次粒子を構成する磁性体の表面を被覆するZn膜は、厚さ1μm以下である。Zn膜の膜厚が1μmを超えると多孔質担体の磁性が低下し、不純物吸着後の磁気分離能力が低下するため好ましくない。Znの膜厚は、SEMなどによる断面観察や、AES、XPSによる深さ方向分析による求めることが出来る。
また、Zn膜の厚さの下限値は0.1μmである。Zn膜の厚さがこれよりも低いと、磁性粉の強度を補完して第1の多孔質担体に対し十分な強度を付与することができない。
なお、第1の多孔質担体においては、磁性粉とZn膜との間にFeZn層が形成されていることが好ましい。この層は、磁性粉とZn膜との反応によって形成された中間層であるので、この層の存在によって、磁性粉とZn膜との密着性が著しく向上する。FeZn層は、以下に示す第1の多孔質担体の製造方法に起因して形成されるものである。すなわち、製造方法において、熱処理温度や熱処理時間等を適宜に制御することによって形成することができる。
第2の多孔質担体において、1次粒子を構成する磁性体間に付着(融着)するSn粒子は、平均粒子径が100μm以下である。Sn粒子の平均粒子径が100μmを超えると多孔質担体のSn含有比率が増大することで磁性が低下し、不純物吸着後の磁気分離能力が低下するため好ましくない。Sn粒子の平均粒子径は、上述したように、例えば、レーザー回折法により求めることができる。
また、Sn粒子の平均粒子径の下限値は0.1μmである。Sn粒子の大きさがこれよりも低いと、磁性粉の強度を補完して第2の多孔質担体に対し十分な強度を付与することができない。
なお、Sn粒子は、磁性粉同士がネッキングした状態で接続することが好ましいが、必ずしも要求されるものではない。
第1の多孔質担体及び第2の多孔質担体のいずれにおいても、2次凝集体の平均粒子径Zと磁性粉の平均粒子径Xの比Z/Xが、10〜10000の範囲にあることが好ましく、20〜500であることがより好ましい。比Z/Xがこの範囲より小さい(凝集体径が小さい)と取り扱い性が悪くなる傾向があり、10000より大きい(凝集体径が大きい)と2次凝集体が大きいため、これらの担体を用いて油分吸着粒子等の機能性粒子を構成した場合、水への分散性が悪くなり、機能性粒子本来の機能を奏することができない場合がある。
ここで、2次凝集体の平均粒子径は、電子顕微鏡を用いて観察することで測定する。具体的には、市販の画像解析ソフトで自動計算ができるが、例えば写真中に任意の直線(例えば対角線)を引き、その線上にある粒子の平均粒子径を算出することにより2次凝集体の平均粒子径を測定することができる。なお、本発明による多孔質吸着体、すなわち2次凝集体の粒子径は特に限定されないが、取り扱い性や水への分散性の観点から、好ましくは5μm〜500μmであり、より好ましくは10μm〜50μmである。
また、第1の多孔質担体及び第2の多孔質担体の比重は特に制限されないが、一般に2g/cm以上、好ましくは3g/cm以上であり、かつ10g/cm以下であることが好ましい。上記第1の多孔質担体及び第2の多孔質担体は、多孔質であるため、水中に分散させた時に表面に気泡が付着したり、内部に空気が入ったりすることがある。このため、多孔質担体そのものの比重が高すぎると、水上に浮上してしまい、撹拌して水中に分散させるのにエネルギーを要する場含がある。逆に比重が高すぎると多孔質担体が沈降してしまい、撹拌して水中に分散させるのにエネルギーを要する場合がある。
第1の多孔質担体は、例えば、粒径200nmの磁性粉と粒径50μmのZn粒子とを均一に分散させ、10MPaの加圧を負荷させた状態で、真空熱処理炉内に投入し、真空度10−4Paオーダーに真空引きした後、300℃で5時間熱処理することによって得ることができる。この際、Zn粒子は蒸気となり、磁性粉の粒子を被覆したZn層となる。また、熱処理後はバルクの形態を呈するので、適宜粉砕して所望の大きさとする。
この場合、負荷圧力を増減させる、又は熱処理温度、熱処理時間を増減させることによって、第1の多孔質担体の空孔率を制御することができる。例えば、負荷圧力を減少させれば、空孔率が増大し、熱処理温度又は熱処理時間を減少させれば同様に空孔率が増大する。但し、負荷圧力等を過度に減少させると、担体自体の製造が困難となるので、実験等によって適宜最適な条件を見出すことになる。
同様に、負荷圧力を増大させる、又は熱処理温度若しくは熱処理時間を増大させれば、磁性粉とZn膜(粒子)との間にFeZn層が形成されやすくなる。但し、この場合は空隙率が減少するので、両者の兼ね合いを考慮して適宜実験等により最適な条件を見出すことになる。
第2の多孔質担体は、上記Zn粒子の代わりにSn粒子を用い、熱処理温度を250℃とし、大気圧下で熱処理を行うことによって得ることができる。この際、Sn粒子が溶融して、磁性粉同士が融着するようになる。用いるSn粒子は、純Snのほか、Sn−Zn合金、Sn−Ag合金、Sn−Cu合金、Sn−Ag−Cu合金などの2元系、3元系合金であってもよい。なお、この場合においても、熱処理後はバルクの形態を呈するので、適宜粉砕して所望の大きさとする。なお、空孔率に関しては、上記第1の多孔質担体の場合と同様である。
(多孔質担体の応用)
第1の多孔質担体及び第2の多孔質担体は、所定の吸着分子(基)を付着させることによって複合多孔質吸着体とし、上述のように油分吸着粒子のような機能性粒子として使用することが可能であるが、それら自体が多孔質であるために、上述のような吸着分子を付着させない場合においても、機能性粒子として作用させることができ、油分吸着や有価物回収を実施して浄水化を行うこともできる。以下に、これら油分吸着及び有価物回収を含めた浄水化方法について簡単に説明する。
最初に、油分やリン、ホウ素などの有価物を含んでなる水に、Zn、Snまたは磁性粉にカップリング剤を付加した上記第1の多孔質担体又は第2の多孔質担体を分散させる。これら多孔質担体の表面に付加したカップリング剤は、油分及び有価物との親和性により、これら油分及び有価物がカップリング剤に吸着される。
このとき、本実施形態における多孔質担体の表面は平滑ではなく、多孔質構造をとるために、相対的に表面積が大きく、不純物の吸着効率が高い。したがって、多孔質担体の吸着率は、不純物濃度や分散させる多孔質吸着体の添加量にも依存するが、非常に高いものである。具体的には、十分な量の多孔質担体を水中に添加した場合には、一般に80%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の油分等が多孔質担体の表面に吸着される。
多孔質担体に油分等が吸着した後、多孔質担体が水中から分離され、水中から油分等が除去されるようになる。多孔質担体は磁性を有するので、多孔質担体を水中から分離する際には、磁力が利用される。すなわち、コアに用いられている磁性粉が磁石により吸引されるので、多孔質吸着体を簡便に回収することができる。
なお、磁性を利用した分離の他に、重力による沈降や、サイクロンを用いた遠心力による分離を利用することも可能であり、それらの併用により、作業性を改善することもできる。
水処理の対象とされる水は特に限定されない。具体的には工業排水、下水、生活排水などに用いることができる。処理しようとする水に含まれる油分等の濃度も特に限定されないが、過度に油分等の濃度が高い場合には、多孔質担体が多量に必要となるため、別の手段により油分等の濃度を下げてから上述した浄水化の方法に付すほうが効率的である。具体的には、本実施形態による水浄化方法は、油分等の濃度が1%以下の水に用いることが好ましく、0.1%以下の水に用いることがより好ましい。
処理後に回収された多孔質担体は、再生して再利用することも可能であり。再生するためには吸着された油分等を多孔質担体から除去することが必要である。このような除去を行うためには、溶媒による洗浄を用いることが好ましい。この場合に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、シクロヘキサンおよびそれらの混合物を用いることが好ましい。但し、それ以外の溶媒を用いてもよい。
(実施例1)
第1の多孔質担体の作製のため、粒径200nmの磁性粉と粒径10μmのZn粒子とを質量比で95:5とし、それらを均一に分散させ、10MPaの圧力を負荷させた状態で、真空熱処理炉内に投入し、真空度10−4Paオーダーに真空引きした後、300℃で5時間熱処理した。この際、Zn粒子は蒸気となり、磁性粉の粒子を被覆したZn層となった。また、熱処理後はバルクの形態を呈するので、適宜粉砕し、ふるい分級することで125μm〜300μmの多孔質担体が得られた。
多孔質担体の強度評価としては、レーザー回折式粒度分布測定装置を用い、多孔質担体の平均粒径分布を測定し、10μm以上の占有率を評価基準として判断した。すなわち、この測定法においては、多孔質担体をスクリュー水流中に投入して測定するため、強度不十分の場合は、多孔質担体は破壊されて1次粒子となるため、10μm以上の粒度分布は得られないこととなる。
以上のような評価結果に基づき、10μm以上の粒子分布の占有率は45.8%となり、部分的には1次粒子に再分離したものの、所望強度を有した多孔質担体が得られることが判明した。これらの多孔質担体は、さらに17,000rpmの回転数を有する攪拌体により生じるスクリュー水流中に投下し、3分経過後においても、その粒径を維持することから、十分な強度が有すると言える。結果を表1に示す。
(実施例2)
磁性粉とZn粒子との配合を質量比で90:10としたこと以外には、上記実施例1と同様にして、第1の多孔質担体を作製した。粒度分布測定したところ、10μm以上の粒径を有する粒子の占有率は50.2%となり、実施例1と比較して収率が向上する結果となった。結果を表1に示す。
(実施例3)
第2の多孔質担体として、粒径200nmの磁性粉と粒径50μmのSn粒子とを質量比で95:5とし、それらを均一に分散させ、250℃に加熱した状態で、0.5MPaの圧力を負荷し、成形体を得た。この際、Sn粒子は溶融し、磁性粉と融着することで粒子間を接続した状態となった。また、加圧成形後はバルクの形態を呈するので、適宜粉砕し、ふるい分級することで125μm〜300μmの多孔質担体が得られた。
実施例1と同様に、レーザー回折式粒度分布測定装置を用い、多孔質担体の平均粒径分布を測定し、10μm以上の粒子の占有率を評価基準として判断した。その結果、10μm以上の粒子分布の占有率は34.4%となり、部分的には1次粒子に再分離したものの、所望強度を有した多孔質担体が得られることが判明した。これらの多孔質担体は、さらに17,000rpmの回転数を有する攪拌体により生じるスクリュー水流中に投下し、3分経過後においても、その粒径を維持することから、十分な強度が有すると言える。結果を表1に示す。
(実施例4〜6および比較例1〜3)
実施例4では、第2の多孔質担体として磁性粉とSn粒子の配合を質量比で90:10とし、実施例5〜6は、7.0MPaの加圧を負荷させたれいである。それぞれの粒度分布測定結果は、表1に示す通りであり、それぞれにおいて高い多孔質担体の回収率が示される。
一方、比較例1、2及び3は、Zn粒子及びSn粒子を配合せずに、加熱下、加圧成形した場合の条件にて作製した。粒度分布測定結果では、10μm以上の粒子の占有率はいずれも10%を下回り、大部分が1次粒子に再分離したことから、本条件では、十分な担体強度が得られないことが判明した。結果を表2に示す。
Figure 2011056365
Figure 2011056365
(実施例7)
油分吸着や有価物回収可能な機能性粒子として作用させるためには、実施例2および実施例6で 得られた多孔質担体(3g)に対し、プロピルトリエトキシシラン(0.01g)をトルエン中で110℃で8時間攪拌して反応させた。 反応終了後、未反応プロピルトリエトキシシランをトルエン、エタノールでそれぞれ洗浄して乾燥させることで、油分吸着や有価物回収可能な機能性粒子を得た。また、プロピルトリエトキシシランの替わりとして、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシランなどのシランカップリング剤を用いても同様の効果が得られる。得られた機能性粒子は、95%以上の高い油分回収率を有することから、水処理技術に応用することが可能であることが判明した。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。

Claims (8)

  1. 1次粒子である厚さ0.1μm以上1μm以下のZn膜を被覆した磁性粉が凝集した2次凝集体を含むことを特徴とする、多孔質担体。
  2. 前記Zn膜と前記磁性粉との間に、FeZn層を有することを特徴とする、請求項1に記載の多孔質担体。
  3. 1次粒子である平均粒子径が0.1μm以上100μm以下のSn粒子を付着した磁性粉が凝集した2次凝集体を含むことを特徴とする、多孔質担体。
  4. 前記1次粒子の平均粒子径が0.1〜5μmであり、前記多孔質吸着体の平均粒子径が0.01〜1 mmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の多孔質担体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一に記載の多孔質吸着体に吸着分子を付着させたことを特徴とする、複合多孔質吸着体。
  6. 請求項1〜4のいずれか一に記載の多孔質吸着体を用いた油分吸着方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか一に記載の多孔質吸着体を用いた浄水化方法。
  8. 請求項1〜4に記載の多孔質吸着体を用いた有価物回収方法。
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