JP2005073309A - ワイヤハーネスの固定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドアモジュールパネル等の自動車用のモジュールパネルにおけるワイヤハーネスの配索を容易にし、且つ取り外しも簡単にする。
【解決手段】ワイヤハーネスW/Hの電線群に、少なくとも長さ方向の両端に係止用輪15を設けている紐13を螺旋状に巻き付けて結束している一方、該ドアハーネス11の配索面には配索経路に沿って係止フック14を長さ方向に間隔をあけると共に配索経路を挟む上下位置に交互に突設し、上記係止フック14として、抜止部を有する上向きおよび下向きのJ字状フック14B,14Cと、先端に大径部からなる抜止部を有するI字状フック14Aとを設け、上記紐13の両端の係止用輪15を上記係止フック14に外嵌係止していると共に、該電線群に巻き付けている上記紐13の中間部を上記J字状フック14B,14CとI字状フック14Aに順次係止し、ワイヤハーネスを配索面に固定している。
【選択図】 図3
【解決手段】ワイヤハーネスW/Hの電線群に、少なくとも長さ方向の両端に係止用輪15を設けている紐13を螺旋状に巻き付けて結束している一方、該ドアハーネス11の配索面には配索経路に沿って係止フック14を長さ方向に間隔をあけると共に配索経路を挟む上下位置に交互に突設し、上記係止フック14として、抜止部を有する上向きおよび下向きのJ字状フック14B,14Cと、先端に大径部からなる抜止部を有するI字状フック14Aとを設け、上記紐13の両端の係止用輪15を上記係止フック14に外嵌係止していると共に、該電線群に巻き付けている上記紐13の中間部を上記J字状フック14B,14CとI字状フック14Aに順次係止し、ワイヤハーネスを配索面に固定している。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車にワイヤハーネスを簡単に配索固定するもので、特に、車体に取り付けられるモジュールのパネルに簡単にワイヤハーネスを固定できるようにするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車に配索されるワイヤハーネスを配索経路に沿って車体に固定するには、ワイヤハーネスに予め車体係止用のクリップをバンド締めあるいはテープ巻きで取り付けておき、これらクリップを車体側に予め穿設した貫通孔に挿入係止して固定している。
【0003】
上記のようにクリップを予めワイヤハーネスに取り付けると共に車体側に貫通孔を設ける場合、クリップと貫通孔との位置を一致させる必要があり、位置ずれが生じると、係止できなかったり、ワイヤハーネスをダブらせる必要がある等の問題がある。また、ワイヤハーネスが長尺な場合、クリップ取付個数が増加するため、コストアップとなり、さらに、廃車時にはクリップは車体側の貫通孔から取り外しにくいため、車体とワイヤハーネスとの分別作業に手数がかかる問題がある。
【0004】
また、ワイヤハーネスの車体への固定作業は自動車組み立てラインで行われているが、近時、自動車のモジュール化がすすみ、ワイヤハーネスを予め配索固定したモジュールとして提供し、このモジュールを自動車のフレームに組みつけるようにしたものが提供されている。
【0005】
例えば、先に本出願人は特開2002−280126号公報(特許文献1)でワイヤハーネスを予め配索したドアモジュールを提供している。
詳細には、図10(A)(B)に示すように、ドアフレーム1の内面側開口1aに取り付けるドアモジュール4を設け、該ドアモジュール4の樹脂製のパネル2から一対の片3a,3bからなる位置決め保持部3を一体的に突設し、該両片3a,3bの間にワイヤハーネスW/Hを押し込むことによりワイヤハーネスをパネル2に配索固定している。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−280126号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1のワイヤハーネスの固定構造では、位置決め保持部3はワイヤハーネスW/Hを両片3a,3b間に嵌め込んで固定するため、両片3a,3b間に挿入されるワイヤハーネスの径が細い場合には、ガタつきが発生して、異音が生じる問題がある。これを解決するには、ワイヤハーネスの外周面にテープなどを巻きつけて径を大きくして、位置決め保持部3でガタつきが生じないようにする必要があるが作業手数がかかりコスト高になる。あるいは、径が細いワイヤハーネスを保持する位置決め保持部では、その両片の幅の狭くしてガタつきを発生させいないことも可能であるが、その場合には、ワイヤハーネスの径が大となった場合には使用できず、汎用性の点で問題が生じる。
【0008】
また、ワイヤハーネスW/Hは位置決め保持部3のみでパネル2に固定されているため、位置決め保持部3の間ではワイヤハーネスに浮きが発生する可能性があり、振動などによってパネル2にワイヤハーネスが当って異音が発生する原因となる。さらに、ワイヤハーネスの電線群はテープで巻き付けて予め結束しておく必要のあり、その作業手数もかかる問題がある。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、ドアモジュールパネル等のモジュールのパネルにワイヤハーネスを容易に配索固定できるようにすることを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、ワイヤハーネスの電線群に、紐を螺旋状に巻き付けて結束している一方、該ワイヤハーネスの配索面には配索経路に沿って係止フックを長さ方向に間隔をあけると共に配索経路を挟む上下位置に交互に突設し、
上記係止フックとして、抜止部を有する上向きおよび下向きのJ字状フックと、先端に大径部からなる抜止部を有するI字状フックとを設け、
上記電線群に巻き付けている上記紐を上記J字状フックとI字状フックに順次係止し、ワイヤハーネスを配索面に沿って固定していることを特徴としているワイヤハーネスの固定構造を提供している。
【0011】
上記紐の両端に係止用輪を設け、該係止輪を上記係止フックに外嵌係止して、電線群に螺旋状に巻き付けた紐を巻き付け状態に保持している。あるいは、上記紐の両端をそれぞれ二股に分岐し、一方の分岐部の先端に設けた係止用輪に他方の分岐部の先端に設けた固定用クサビを上記係止用輪に挿入係止し、紐を巻き付け状態に保持している。
【0012】
上記構成によれば、ワイヤハーネスの電線群に螺旋状に巻き付けられた紐を、ワイヤハーネスの配索面上の配索経路に沿って設けられた係止フックに係止することで、ワイヤハーネスを配索面に固定することができる。従って、径の大きさとは関係なくワイヤハーネスを簡単に配索面に固定することができ、例えば、細いワイヤハーネスを配索する場合でも、従来のようにワイヤハーネスの外周面にテープなどを巻き付けて径を太くする作業が不要になる。また、電線群は紐で言わば縛られた状態で、この紐が係止フックに係止されることより、電線群は配索面から浮き上がることもなく、車両走行時に振動しにくく、よって、異音の発生を防止できる。
また、紐を電線群に巻き付けるため、電線群を従来のようにテープを巻き付けて結束しておく必要もない。このように、電線群の結束とパネルへの係止の両方を紐で行えるため、大幅なコストダウンを図ることができる。
【0013】
さらに、ワイヤハーネスの両端部においては、係止用輪を配索面に突設した係止フックに外嵌係止することでワイヤハーネスの両端部を配索面に固定することができると同時に、紐の両端を固定するためワイヤハーネスの外周面で紐の巻き付けがゆるんだり、ずれたりすることがない。
また、係止フックとして上向きJ字フック、下向きのJ字状フック、I字状フックを設けめ、上向きのJ字状フックには下方に配索されたワイヤハーネスの紐を下方から係止し、下向きのJ字状フックには上方に配索されたワイヤハーネスの紐を上方から係止しているため、紐は上方向と下方向の両方向に引っ張られて係止でき、上下いずれの方法にも緩んで抜けでることがない。かつ、I字状フックには、任意の方向から紐を係止して抜止部によって紐が外れることを防止しながら固定することができる。よって、ワイヤハーネスの配索位置に応じて、紐を係止しやすい形状の各係止フックを設けて確実且つ簡単にワイヤハーネスを固定することができる。
【0014】
上記紐はゴム紐あるいは樹脂紐からなり、かつ、該紐は上記ワイヤハーネスの幹線に螺旋状に巻き付ける主線と、該主線から分岐すると共に先端に上記係止フックに外嵌係止する係止用輪を備えた枝線を設け、該枝線をワイヤハーネスの支線に螺旋状に巻き付けていることが好ましい。
上記紐がゴム紐あるいは樹脂紐からなる場合には、伸縮性を有するため、ワイヤハーネスの外周面にきつく巻き付けても、さらに紐を引き伸ばして係止フックに引っ掛けることができる。
【0015】
また、ワイヤハーネスの幹線から支線が分岐している場合には、紐の主線を幹線に螺旋状に巻き付け、紐の枝線をワイヤハーネスの支線に巻き付けることで、分岐を有するワイヤハーネスを配索面に固定でき、ワイヤハーネスの支線においては、係止用輪を係止フックに外嵌係止することによって確実に配索面に固定することができる。
【0016】
上記係止用輪を設けている位置には、反対方向に延在する枝線を設け、その先端に上記係止用輪に挿入係止する固定用クサビを設けていることが好ましい。
このように係止用輪に対向する位置に先端に固定用クサビを有する枝線を設けた場合には、枝線をワイヤハーネスに巻装して対向する位置の係止用輪に挿通させることで、紐をワイヤハーネスの外周に確実に固定させることができる。
【0017】
本発明は、第2に、ワイヤハーネスの電線群に網状シートをすし巻き状態に巻き付けて結束している一方、該ワイヤハーネスの配索面には配索経路に沿って係止フックを長さ方向に間隔をあけると共に配索経路を挟む上下位置に交互に突設し、上記係止フックとして、抜止部を有する上向きおよび下向きのJ字状フックと、先端に大径部からなる抜止部を有するI字状フックとを設け、上記網状シートの線状部に囲まれた空隙に上記係止フックを通して、該係止フックに上記線状部を係止し、ワイヤハーネスを配索面に固定していることを特徴とするワイヤハーネスの固定構造を提供している。
【0018】
上記構成によれば、ワイヤハーネスの電線群は網状シートの巻き付けで結束されると同時に、ワイヤハーネスの配索経路に沿って設けられた係止フックに対して、網状シートの空隙を通して網状シートを係止することができる。よって、上記第1の発明のように係止用輪を設ける必要はないと共に、どの位置でも係止フックに係止させることができる。
また、ワイヤハーネスが幹線から支線が分岐している場合には、網状シートの空隙を通して支線を突出させることができる。
【0019】
上記網状シートは伸縮性材からなり、かつ、長さ方向の端縁に沿って間隔をあけて固定用クサビを突設し、電線群にすし巻きした網状シートの空隙に上記固定用クサビを挿入係止して、すし巻状態で固定していることが好ましい。
【0020】
網状シートが伸縮性材であるためワイヤハーネスの外周面に密着させた状態で巻きつけることができ、かつ、長さ方向の端縁に設けられた固定用クサビを、巻き付けた網状シートの空隙に挿入固定することで、長いワイヤハーネスであっても網状シートを確実に固定することができる。
また、網状シートをワイヤハーネスにきつく密着させて巻き付けても、伸縮性材であるため線状部を簡単に引き伸ばして空隙を係止フックに係止することができる。
【0021】
本発明のワイヤハーネスの固定構造は、ドアモジュール等のパネルの配索面にワイヤハーネスを配索固定する場合に好適に採用でき、上記係止フックにパネルに接着固定される固定部を設けて、係止フックをパネルに接着固定して突設している。あるいは、上記パネルより上記係止フックを一体成形で突設している。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5は第1実施形態のワイヤハーネスの固定構造を示す。
図1に示すドアモジュール10は、自動車のドアフレーム1に取り付けられるドア用のモジュールパネルである。該ドアモジュール10のパネル12の表面には、ドアに装着されるウィンドモータ等の電装品に電源を供給するワイヤハーネスW/Hを構成する電線群wを予め配索固定している。このドアモジュール10はドアフレーム1に設けた室内側の開口部1aに被せるように配置し、貫通穴12aを通してパネル12の裏面側にワイヤハーネスW/Hを引き出した後、ドアフレーム1の端面1bの貫通穴1cを通して車体パネル側へと引き出している。
【0023】
ドアモジュール10のパネル12は合成樹脂成型品で、図2(A)に示すように、パネル12に配索されるワイヤハーネスW/Hの配索経路に沿って複数の係止フック14を突設している。係止フック14は、図4(A)乃至(F)に示すような、I字状フック14A、上向きのJ字状フック14Bおよび下向きのJ字状フック14Cの三種類としている。
【0024】
図4(A)および(B)に示すI字状フック14Aは、棒状のフック本体14A―aと該フック本体14A―aの先端に設けた頭部からなる抜止部14A―bと、フック本体14A―aの下端に設けられた固定部14A―cとからなり、固定部14A−cの底面をパネル12に接着固定している。
【0025】
図4(C)および(D)に示す上向きのJ字状フック14Bは、弓形状に湾曲しているフック本体14B―aと、該フック本体14B―aの先端が湾曲の内側に向かって折り曲げられている抜止部14B―bと、フック本体14B―aの下端に設けられた固定部14B−cとからなり、該固定部14B−cとパネル12がフック本体14B−aの先端が上向きに開口するように接着固定している。固定部14B−cの外面には湾曲面14B−dを形成し、J字状フック14Bは、湾曲面14B−dがワイヤハーネスW/Hの外周面に上から当接するようなパネル12の位置に設けている。
【0026】
図4(E)および(F)に示す下向きのJ字状フック14Cは、弓形状に湾曲しているフック本体14C―aと、該フック本体14C―aのパネル12との取り付け側に設けた固定部14C−cとからなり、該固定部14C−cとパネル12がフック本体14C−aの先端が下向きに開口するように接着固定している。固定部14C−cの外面には湾曲面14C−dを形成され、湾曲面14C−dがワイヤハーネスW/Hの外周面に上から当接するようなパネル12の位置に下向きのJ字状フック14Cを設けている。
【0027】
ワイヤハーネスW/Hの外周面に、図3(A)に示すような紐13を、図3(B)に示すように螺旋状に巻き付けている。紐13はゴムまたはナイロン系樹脂等の伸縮性を有する材質から形成し、直線状の主線13aの両端部は分岐させて枝線16を設け、一方側の先端に係止用輪15を設けると共に他方側の先端に係止用輪15内に挿通して係止する固定用クサビ16aを設けている。
【0028】
紐13はワイヤハーネスW/Hを構成する電線群に螺旋状に巻きつける一方、紐13の両端はワイヤハーネスW/Hの長さ方向の両端部において、図3(C)に示すように、係止用輪15をI字状フック14Aに外嵌係止してパネル12に固定している。さらに、係止用輪15の対向する位置に設けられた枝線16を電線群wに巻きつけ、先端の固定用クサビ16aをI字状フック14Aに外嵌係止している係止用輪15内に挿通して係止することで、紐13がずれないようにワイヤハーネスW/Hの両端部で固定している。
【0029】
上記紐13が電線群の長さ方向の全体に螺旋状に巻き付けて結束したワイヤハーネスW/Hをパネル12上に配索固定するには、図3(B)に示すように、紐13の主線13aの一部を引っ張り、パネル12に突設された各係止フック14に引っ掛けてパネル12に取り付ける。
紐13は上記のようにゴムやナイロン系合成樹脂などの伸縮性材料からなるため、主線13aの任意の箇所を引っ張り、係止フック14に引っ掛けることができ、係止後には収縮する力が生じるため係止フック14に強固に係止できる。
【0030】
I字状フック14Aにおいては、棒状のフック本体14A―aに主線13aが掛けられているが、振動などで主線13aにゆるみが生じた場合でも、フック本体14A―aの先端に設けた抜止部14A―bに主線13aが係止されるため、I字状フック14Aから主線13aがはずれることを防止できる。
【0031】
また、上向きのJ字状フック14Bにおいても同様に、主線13aがフック本体14B―aに引っ掛けられているが、フック本体14B―aの先端に抜止部14B―bが形成されているため、主線13aが該抜止部14B―bに係止されて不用意に外れることを防止する。
さらに、湾曲面14B−dがワイヤハーネスW/Hとパネル12の間に位置し且つワイヤハーネスW/Hの外周に沿って隙間なく当接するため、ワイヤハーネスW/Hをがたつかせずにパネル12に固定できる。
【0032】
さらに、下向きのJ字状フック14Cにおいては、下向きに開口しているフック本体14C−aに上から引っ掛けるように主線13aを係止する。一方、湾曲面14C−dの上部にはワイヤハーネスW/Hが載置されるように当接しているため、ワイヤハーネスW/Hをがたつかせることなくパネル12に固定できる。
【0033】
また、ワイヤハーネスW/Hの下方配索位置では下向きJ字状フック14Cに紐13を係止してワイヤハーネスW/Hを下方に引っ張る一方、上方配索位置では上向きのJ字状フック14Bに紐を引っ掛けて上方に引っ張るため、ワイヤハーネスW/Hを配索経路に沿って屈折させることができる。かつ、紐13を下向きと上向きに引っ張るため、下向きJ字状フック14Cから下方に抜け出ないようにすることができる共に、上向きJ字状フック14Bから上方に抜けでないようにすることができる。
【0034】
上記構成とすると、1本の紐13でワイヤハーネスW/Hを構成する電線群を結束できると同時に、この紐13をフック14A〜14Cに引っ掛けていくだけでパネル12に固定することができる。
よって、廃車時に、ワイヤハーネスW/Hをパネル12から取り外す場合も、紐13を切断するだけで、容易にワイヤハーネスW/Hをパネル12から取り外すことができる。
【0035】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態のモジュールパネルでは、図5(A)に示すように、紐13’の直線状の主線13a’に、係止用輪15’と、該係止用輪15’の反対方向に延在し先端に固定用クサビ16a’が設けられた枝線16’が所要間隔をあけて多数設けている。
【0036】
第2実施形態では、複数設けられた係止用輪15’の一部は、枝線16’の固定用クサビ16’を挿通させて、上記第1実施形態と同様に紐13’の主線13a’をワイヤハーネスW/Hに固定するために用い、残りの係止用輪15’は、図5(B)に示すように、パネル12に突設されたI字状フック14A’およびJ字状フック14B’、14C’に挿通させて、ワイヤハーネスW/Hをパネル12に取り付けるために用いる。その他の構成は上記第1実施形態と同様の構成であるため説明を省略する。
【0037】
第2実施形態のワイヤハーネスの固定構造では、直線状の主線13a’に複数突設させた係止用輪15’を、各係止フック14A’、14B’、14C’に掛止させている。従って、ワイヤハーネスW/Hに巻装されている主線13a’を直接引っ張る必要がないため、予めワイヤハーネスW/Hに紐13’をきつく巻き付けておくことができ、電線群の結束が確実にできる。
また、複数箇所に係止用輪15’と固定用クサビ16a’を有する枝線16’を設けたため、ワイヤハーネスW/Hの長さ方向の複数箇所で係止用輪15’と固定用クサビ16a’と係合させて紐13’の主線13a’をワイヤハーネスW/Hに固定することができ、ワイヤハーネスW/Hをより確実に結束できる。
【0038】
図6は第3実施形態を示す。
第3実施形態では、紐13”の主線13a”から分岐する枝線13b”を設け、該枝線13b”の先端係止用輪15”を設けている。枝線13b”を設ける紐13”は、図6(B)に示すように、ワイヤハーネスW/Hの幹線W/H−1には主線13a”を巻き付けると共に幹線W/H−1から分岐する支線W/H−2に枝線13b”を巻き付け、一つの紐13”を用いている。
尚、幹線W/H−1から支線W/H−2が分岐している分岐点にはテープ20を巻装している。
【0039】
上記主線13a”に設ける枝線13b”は、図6(A)に示すように、直線状の枝線13b”の他に、湾曲状とした枝線13b−1”、両側にとげ状の突起を連続的に形成した枝線13b−2”、両側に円弧状の凹凸を連続的に形成した枝線13b−3”も設けている。
【0040】
湾曲している枝線13b−1”は、湾曲している部分を引き伸ばすことでワイヤハーネスW/Hから離れた位置の係止フックに掛止することができる一方、引き伸ばす前にはコンパクトであるため、保管時や作業時には邪魔にならない。
両側にとげ状の突起を形成した枝線13b−2”は、別の位置に設けられた係止用輪15”内に枝線13b−2”を挿通させて、係止用輪15”を係止して紐13”を固定することができる。この時、複数の突起を連続して形成しているため、ワイヤハーネスの径に応じて任意の位置で係止することができる。
円弧状の凹凸を形成した枝線13b−3”も、同様に凹凸に係止用輪を係止すして、任意の位置で係止できる紐13”の固定手段として用いることができる。
【0041】
図7乃至図9は第4実施形態を説明する。
第4実施形態のワイヤハーネスの固定構造では、紐に代えて、図7(A)に示すように、樹脂製メッシュ体からなる網状シート113を用いている。
この網状シート113は、図7(B)に示すように、斜め格子状の線状部113cに囲まれた空隙113bが多数形成された網状シート113からなり、この網状シート113をワイヤハーネスW/Hにすし巻き状に巻き付けて、ワイヤハーネスW/Hの電線群を結束すると共に、該網状シート113をパネルの係止フックに直接係止している。
【0042】
網状シート113は、その長さ方向の周縁113aに沿って間隔を開けて固定用クサビ116aを先端に設けた枝線116を突設し、ワイヤハーネスW/Hの電線群に網状シート113をすし巻き状態に巻きつけた後、固定用クサビ116aを空隙113bに挿入係止して、網状シート113を電線群に巻き付け固定している。
【0043】
上記網状シート113は、図7(C)に示すように、電線群に巻き付けられた網状シート113の線状部113cを引っ張って空隙部113bを、パネルから突設した係止フック14(I字状フック14A、上向きのJ字状フック14Bおよび下向きのJ字状フック14C)に通し、パネルに固定している。
その他の構成は上記第1実施形態と同様の構成であるため説明を省略する。
【0044】
上記第4実施形態のワイヤハーネスの固定構造では、ワイヤハーネスW/Hの電線群wの外周面の全面に網状シート113が巻き付けられているため、パネルとワイヤハーネスW/Hとの間に網状シート113が介在する面積が多く、振動などによってワイヤハーネスW/Hがパネルと当った場合でも、網状シート113が緩衝材となり異音が発生することをより確実に防止できる。
【0045】
上記網状シート113は斜めの格子状の線状部113cが形成された網状シート113としてるが、線状部の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、図8(A)に示すような上下左右に直交する線状部113c’が形成された網状シート113’や、図8(B)に示すような環状の線状部113c”が形成された網状シート113”でもよい。
【0046】
また、網状シートの線状部に囲まれた部分はすべてが貫通した空隙であることは条件ではなく、例えば、図8(C)乃至(F)に示すように、線状部に囲まれた部分のうちの一部が貫通した空隙113e,113f,113gとして形成され、残りの部分は薄肉部119として形成されていてもよい。
このように網状シートの線状部に囲まれた一部のみを貫通した空隙として形成した場合には、外部緩衝材からの保護機能を高めることができる。
【0047】
上記各実施形態で示した係止フックの変形例を図9(A)乃至(D)に示す。
図9(A)(B)に示すJ字状フック14Dは、弓形状のフック本体14D−aの上部側面に切欠14D−eを形成し、上記各実施形態で示したJ字状フックと同様にフック本体14D―aの下端部の外面に湾曲面14D−dを形成し、さらに、該湾曲面14D−dの対向する位置にリブ14D−fを形成している。
J字状フック14Dの切欠14D−eは、図9(A)に示すように、係止用輪15を係止した際に、切欠14D−e内に係止用輪15が保持されるため、係止用輪15がJ字状フック14Dからはずれることを確実に防止できる。
また、図9(B)に示すように、ワイヤハーネスW/Hを湾曲面14D−dとリブ14D−fの間に配置することによって、ワイヤハーネスW/Hをより確実に固定できるようにしている。
【0048】
図9(C)(D)に示すJ字状フック14Eは、弓形状のフック本体14E−aに湾曲面14E−d,切欠14E−e及びリブ14E−fを設け、且つフック本体14E―aの先端を内側に向かって折り曲げている抜止部14E―bを形成し、切欠14E−eによって係止用輪を係止できると同時に、抜止部14E―bによって係止用輪が係止フック14Eから外れることを防止している。
【0049】
上記各実施形態では、紐あるいは網状シートの材質をゴムまたは合成樹脂製としているが、繊維からなるものでもよい。
また、上記各フックはパネルへ接着固定する固定部を設けているが、パネルよりフックを一体成形で設けてもよい。しかしながら、ワイヤハーネスの配索形態によって、所要位置にフックを接着固定する方がパネルの汎用性を高めることができる。
さらに、上記いずれの実施形態もドアモジュールについて実施したものであるが、ドアモジュールにかぎらず、他のワイヤハーネスの配索箇所に適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、ワイヤハーネスに予め装着された紐あるいは網状シートをパネルより突設した係止フックに係止することで従来必要とされた車体係止用のクリップを用いることなく、ワイヤハーネスをパネルに簡単かつ確実に配索することができる。特に、ワイヤハーネスの径の大小に関係なく係止できるため、細い径のワイヤハーネスの配索時に、ワイヤハーネスの径を太くするテープ巻き作業が不要になると同時に、紐あるいは網状シートの線状部を引っ張って係止フックに引っ掛けるという簡単な作業でワイヤハーネスの配索ができ、ドアモジュール等のワイヤハーネスの配索作業に手間がかかるパネルにおいて配索作業が効率よく行える。
【0051】
また、ワイヤハーネスの外周面に紐あるいは網状シートを予め巻き付けておくことにより、複数の電線を結束するためのテープ巻作業が不要になり、作業手数を低減して生産性を高めることができる。
さらに、ワイヤハーネスの外周面の全長にわたって紐あるいは網状シートを巻き付け、この紐あるいは網状シートを直接に係止フックに引っかけて係止するため、ワイヤハーネスの電線群を配索面に沿って、浮き上がることなく保持でき、振動発生による異音の発生を防止できる。さらに、網状シートの網目に囲まれた部分は係止フックに引っかける部分は空隙とし、他の部分には薄肉部を設けると外部干渉材に対するワイヤハーネスの保護機能を高めることができる。
【0052】
また、紐あるいは網状シートと係止フックに引っ掛けることによりワイヤハーネスをパネルに取り付けているため、紐あるいは網状シートを係止フックから外せば簡単にワイヤハーネスをパネルから取り外すことができ、また紐あるいは網状シートはワイヤハーネスに単に巻き付けられているだけであるため、紐あるいは網状シートを切断することで、ワイヤハーネスと紐あるいは網状シートの分離も簡単にできる。よって、廃車時におけるリサイクル性が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】(A)は本発明の第1実施形態のパネルの斜視図、(B)はワイヤハーネスを配索した状態のパネルの斜視図である。
【図3】(A)は第1実施形態の紐の正面図、(B)は第1実施形態のワイヤハーネスの固定構造を示す要部斜視図、(C)は第1実施形態のワイヤハーネスの端部を示す要部拡大斜視図である。
【図4】(A)は第1実施形態のI字状フックを示す斜視図、(B)は(A)の側面図、(C)は第1実施形態の上向きのJ字状フックを示す斜視図、(D)は(C)の側面図、(E)は第1実施形態の下向きのJ字状フックを示す斜視図、(F)は(E)の側面図である。
【図5】(A)は第2実施形態の紐の正面図、(B)は第2実施形態のワイヤハーネスの固定構造を示す要部斜視図である。
【図6】(A)は第3実施形態の紐の正面図、(B)は紐を巻き付けたワイヤハーネスを示す要部斜視図である。
【図7】(A)は第4実施形態の網状シートの一部正面図、(B)は第3実施形態の網状シートを巻き付けたワイヤハーネスを示す要部斜視図、(C)は第3実施形態のワイヤハーネスの固定構造を示す要部斜視図である。
【図8】(A)は変形例の網状シートの一部正面図、(B)は変形例の網状シートの一部正面図、(C)は変形例の網状シートの一部正面図、(D)はは変形例の網状シートの一部正面図、(E)は変形例の網状シートの一部正面図、(F)は(D)のA−A’線一部断面図である。
【図9】(A)はJ字状フックの変形例を示す斜視図、(B)は(A)の側面図、(C)はJ字状フックの他の変形例を示す斜視図、(D)は(C)の側面図である。
【図10】(A)は従来例の斜視図、(B)は従来例の要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
10 ドアモジュール
12 パネル
13 紐
13a 主線
14 係止フック
14A I字状フック
14B 上向きのJ字状フック
14C 下向きのJ字状フック
15 係止用輪
16, 枝線
16a, 固定用クサビ
113 網状シート
113b 空隙
113c 線状部
W/H ワイヤハーネス
W/H−1 幹線
W/H−2 支線
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車にワイヤハーネスを簡単に配索固定するもので、特に、車体に取り付けられるモジュールのパネルに簡単にワイヤハーネスを固定できるようにするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車に配索されるワイヤハーネスを配索経路に沿って車体に固定するには、ワイヤハーネスに予め車体係止用のクリップをバンド締めあるいはテープ巻きで取り付けておき、これらクリップを車体側に予め穿設した貫通孔に挿入係止して固定している。
【0003】
上記のようにクリップを予めワイヤハーネスに取り付けると共に車体側に貫通孔を設ける場合、クリップと貫通孔との位置を一致させる必要があり、位置ずれが生じると、係止できなかったり、ワイヤハーネスをダブらせる必要がある等の問題がある。また、ワイヤハーネスが長尺な場合、クリップ取付個数が増加するため、コストアップとなり、さらに、廃車時にはクリップは車体側の貫通孔から取り外しにくいため、車体とワイヤハーネスとの分別作業に手数がかかる問題がある。
【0004】
また、ワイヤハーネスの車体への固定作業は自動車組み立てラインで行われているが、近時、自動車のモジュール化がすすみ、ワイヤハーネスを予め配索固定したモジュールとして提供し、このモジュールを自動車のフレームに組みつけるようにしたものが提供されている。
【0005】
例えば、先に本出願人は特開2002−280126号公報(特許文献1)でワイヤハーネスを予め配索したドアモジュールを提供している。
詳細には、図10(A)(B)に示すように、ドアフレーム1の内面側開口1aに取り付けるドアモジュール4を設け、該ドアモジュール4の樹脂製のパネル2から一対の片3a,3bからなる位置決め保持部3を一体的に突設し、該両片3a,3bの間にワイヤハーネスW/Hを押し込むことによりワイヤハーネスをパネル2に配索固定している。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−280126号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1のワイヤハーネスの固定構造では、位置決め保持部3はワイヤハーネスW/Hを両片3a,3b間に嵌め込んで固定するため、両片3a,3b間に挿入されるワイヤハーネスの径が細い場合には、ガタつきが発生して、異音が生じる問題がある。これを解決するには、ワイヤハーネスの外周面にテープなどを巻きつけて径を大きくして、位置決め保持部3でガタつきが生じないようにする必要があるが作業手数がかかりコスト高になる。あるいは、径が細いワイヤハーネスを保持する位置決め保持部では、その両片の幅の狭くしてガタつきを発生させいないことも可能であるが、その場合には、ワイヤハーネスの径が大となった場合には使用できず、汎用性の点で問題が生じる。
【0008】
また、ワイヤハーネスW/Hは位置決め保持部3のみでパネル2に固定されているため、位置決め保持部3の間ではワイヤハーネスに浮きが発生する可能性があり、振動などによってパネル2にワイヤハーネスが当って異音が発生する原因となる。さらに、ワイヤハーネスの電線群はテープで巻き付けて予め結束しておく必要のあり、その作業手数もかかる問題がある。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、ドアモジュールパネル等のモジュールのパネルにワイヤハーネスを容易に配索固定できるようにすることを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、ワイヤハーネスの電線群に、紐を螺旋状に巻き付けて結束している一方、該ワイヤハーネスの配索面には配索経路に沿って係止フックを長さ方向に間隔をあけると共に配索経路を挟む上下位置に交互に突設し、
上記係止フックとして、抜止部を有する上向きおよび下向きのJ字状フックと、先端に大径部からなる抜止部を有するI字状フックとを設け、
上記電線群に巻き付けている上記紐を上記J字状フックとI字状フックに順次係止し、ワイヤハーネスを配索面に沿って固定していることを特徴としているワイヤハーネスの固定構造を提供している。
【0011】
上記紐の両端に係止用輪を設け、該係止輪を上記係止フックに外嵌係止して、電線群に螺旋状に巻き付けた紐を巻き付け状態に保持している。あるいは、上記紐の両端をそれぞれ二股に分岐し、一方の分岐部の先端に設けた係止用輪に他方の分岐部の先端に設けた固定用クサビを上記係止用輪に挿入係止し、紐を巻き付け状態に保持している。
【0012】
上記構成によれば、ワイヤハーネスの電線群に螺旋状に巻き付けられた紐を、ワイヤハーネスの配索面上の配索経路に沿って設けられた係止フックに係止することで、ワイヤハーネスを配索面に固定することができる。従って、径の大きさとは関係なくワイヤハーネスを簡単に配索面に固定することができ、例えば、細いワイヤハーネスを配索する場合でも、従来のようにワイヤハーネスの外周面にテープなどを巻き付けて径を太くする作業が不要になる。また、電線群は紐で言わば縛られた状態で、この紐が係止フックに係止されることより、電線群は配索面から浮き上がることもなく、車両走行時に振動しにくく、よって、異音の発生を防止できる。
また、紐を電線群に巻き付けるため、電線群を従来のようにテープを巻き付けて結束しておく必要もない。このように、電線群の結束とパネルへの係止の両方を紐で行えるため、大幅なコストダウンを図ることができる。
【0013】
さらに、ワイヤハーネスの両端部においては、係止用輪を配索面に突設した係止フックに外嵌係止することでワイヤハーネスの両端部を配索面に固定することができると同時に、紐の両端を固定するためワイヤハーネスの外周面で紐の巻き付けがゆるんだり、ずれたりすることがない。
また、係止フックとして上向きJ字フック、下向きのJ字状フック、I字状フックを設けめ、上向きのJ字状フックには下方に配索されたワイヤハーネスの紐を下方から係止し、下向きのJ字状フックには上方に配索されたワイヤハーネスの紐を上方から係止しているため、紐は上方向と下方向の両方向に引っ張られて係止でき、上下いずれの方法にも緩んで抜けでることがない。かつ、I字状フックには、任意の方向から紐を係止して抜止部によって紐が外れることを防止しながら固定することができる。よって、ワイヤハーネスの配索位置に応じて、紐を係止しやすい形状の各係止フックを設けて確実且つ簡単にワイヤハーネスを固定することができる。
【0014】
上記紐はゴム紐あるいは樹脂紐からなり、かつ、該紐は上記ワイヤハーネスの幹線に螺旋状に巻き付ける主線と、該主線から分岐すると共に先端に上記係止フックに外嵌係止する係止用輪を備えた枝線を設け、該枝線をワイヤハーネスの支線に螺旋状に巻き付けていることが好ましい。
上記紐がゴム紐あるいは樹脂紐からなる場合には、伸縮性を有するため、ワイヤハーネスの外周面にきつく巻き付けても、さらに紐を引き伸ばして係止フックに引っ掛けることができる。
【0015】
また、ワイヤハーネスの幹線から支線が分岐している場合には、紐の主線を幹線に螺旋状に巻き付け、紐の枝線をワイヤハーネスの支線に巻き付けることで、分岐を有するワイヤハーネスを配索面に固定でき、ワイヤハーネスの支線においては、係止用輪を係止フックに外嵌係止することによって確実に配索面に固定することができる。
【0016】
上記係止用輪を設けている位置には、反対方向に延在する枝線を設け、その先端に上記係止用輪に挿入係止する固定用クサビを設けていることが好ましい。
このように係止用輪に対向する位置に先端に固定用クサビを有する枝線を設けた場合には、枝線をワイヤハーネスに巻装して対向する位置の係止用輪に挿通させることで、紐をワイヤハーネスの外周に確実に固定させることができる。
【0017】
本発明は、第2に、ワイヤハーネスの電線群に網状シートをすし巻き状態に巻き付けて結束している一方、該ワイヤハーネスの配索面には配索経路に沿って係止フックを長さ方向に間隔をあけると共に配索経路を挟む上下位置に交互に突設し、上記係止フックとして、抜止部を有する上向きおよび下向きのJ字状フックと、先端に大径部からなる抜止部を有するI字状フックとを設け、上記網状シートの線状部に囲まれた空隙に上記係止フックを通して、該係止フックに上記線状部を係止し、ワイヤハーネスを配索面に固定していることを特徴とするワイヤハーネスの固定構造を提供している。
【0018】
上記構成によれば、ワイヤハーネスの電線群は網状シートの巻き付けで結束されると同時に、ワイヤハーネスの配索経路に沿って設けられた係止フックに対して、網状シートの空隙を通して網状シートを係止することができる。よって、上記第1の発明のように係止用輪を設ける必要はないと共に、どの位置でも係止フックに係止させることができる。
また、ワイヤハーネスが幹線から支線が分岐している場合には、網状シートの空隙を通して支線を突出させることができる。
【0019】
上記網状シートは伸縮性材からなり、かつ、長さ方向の端縁に沿って間隔をあけて固定用クサビを突設し、電線群にすし巻きした網状シートの空隙に上記固定用クサビを挿入係止して、すし巻状態で固定していることが好ましい。
【0020】
網状シートが伸縮性材であるためワイヤハーネスの外周面に密着させた状態で巻きつけることができ、かつ、長さ方向の端縁に設けられた固定用クサビを、巻き付けた網状シートの空隙に挿入固定することで、長いワイヤハーネスであっても網状シートを確実に固定することができる。
また、網状シートをワイヤハーネスにきつく密着させて巻き付けても、伸縮性材であるため線状部を簡単に引き伸ばして空隙を係止フックに係止することができる。
【0021】
本発明のワイヤハーネスの固定構造は、ドアモジュール等のパネルの配索面にワイヤハーネスを配索固定する場合に好適に採用でき、上記係止フックにパネルに接着固定される固定部を設けて、係止フックをパネルに接着固定して突設している。あるいは、上記パネルより上記係止フックを一体成形で突設している。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5は第1実施形態のワイヤハーネスの固定構造を示す。
図1に示すドアモジュール10は、自動車のドアフレーム1に取り付けられるドア用のモジュールパネルである。該ドアモジュール10のパネル12の表面には、ドアに装着されるウィンドモータ等の電装品に電源を供給するワイヤハーネスW/Hを構成する電線群wを予め配索固定している。このドアモジュール10はドアフレーム1に設けた室内側の開口部1aに被せるように配置し、貫通穴12aを通してパネル12の裏面側にワイヤハーネスW/Hを引き出した後、ドアフレーム1の端面1bの貫通穴1cを通して車体パネル側へと引き出している。
【0023】
ドアモジュール10のパネル12は合成樹脂成型品で、図2(A)に示すように、パネル12に配索されるワイヤハーネスW/Hの配索経路に沿って複数の係止フック14を突設している。係止フック14は、図4(A)乃至(F)に示すような、I字状フック14A、上向きのJ字状フック14Bおよび下向きのJ字状フック14Cの三種類としている。
【0024】
図4(A)および(B)に示すI字状フック14Aは、棒状のフック本体14A―aと該フック本体14A―aの先端に設けた頭部からなる抜止部14A―bと、フック本体14A―aの下端に設けられた固定部14A―cとからなり、固定部14A−cの底面をパネル12に接着固定している。
【0025】
図4(C)および(D)に示す上向きのJ字状フック14Bは、弓形状に湾曲しているフック本体14B―aと、該フック本体14B―aの先端が湾曲の内側に向かって折り曲げられている抜止部14B―bと、フック本体14B―aの下端に設けられた固定部14B−cとからなり、該固定部14B−cとパネル12がフック本体14B−aの先端が上向きに開口するように接着固定している。固定部14B−cの外面には湾曲面14B−dを形成し、J字状フック14Bは、湾曲面14B−dがワイヤハーネスW/Hの外周面に上から当接するようなパネル12の位置に設けている。
【0026】
図4(E)および(F)に示す下向きのJ字状フック14Cは、弓形状に湾曲しているフック本体14C―aと、該フック本体14C―aのパネル12との取り付け側に設けた固定部14C−cとからなり、該固定部14C−cとパネル12がフック本体14C−aの先端が下向きに開口するように接着固定している。固定部14C−cの外面には湾曲面14C−dを形成され、湾曲面14C−dがワイヤハーネスW/Hの外周面に上から当接するようなパネル12の位置に下向きのJ字状フック14Cを設けている。
【0027】
ワイヤハーネスW/Hの外周面に、図3(A)に示すような紐13を、図3(B)に示すように螺旋状に巻き付けている。紐13はゴムまたはナイロン系樹脂等の伸縮性を有する材質から形成し、直線状の主線13aの両端部は分岐させて枝線16を設け、一方側の先端に係止用輪15を設けると共に他方側の先端に係止用輪15内に挿通して係止する固定用クサビ16aを設けている。
【0028】
紐13はワイヤハーネスW/Hを構成する電線群に螺旋状に巻きつける一方、紐13の両端はワイヤハーネスW/Hの長さ方向の両端部において、図3(C)に示すように、係止用輪15をI字状フック14Aに外嵌係止してパネル12に固定している。さらに、係止用輪15の対向する位置に設けられた枝線16を電線群wに巻きつけ、先端の固定用クサビ16aをI字状フック14Aに外嵌係止している係止用輪15内に挿通して係止することで、紐13がずれないようにワイヤハーネスW/Hの両端部で固定している。
【0029】
上記紐13が電線群の長さ方向の全体に螺旋状に巻き付けて結束したワイヤハーネスW/Hをパネル12上に配索固定するには、図3(B)に示すように、紐13の主線13aの一部を引っ張り、パネル12に突設された各係止フック14に引っ掛けてパネル12に取り付ける。
紐13は上記のようにゴムやナイロン系合成樹脂などの伸縮性材料からなるため、主線13aの任意の箇所を引っ張り、係止フック14に引っ掛けることができ、係止後には収縮する力が生じるため係止フック14に強固に係止できる。
【0030】
I字状フック14Aにおいては、棒状のフック本体14A―aに主線13aが掛けられているが、振動などで主線13aにゆるみが生じた場合でも、フック本体14A―aの先端に設けた抜止部14A―bに主線13aが係止されるため、I字状フック14Aから主線13aがはずれることを防止できる。
【0031】
また、上向きのJ字状フック14Bにおいても同様に、主線13aがフック本体14B―aに引っ掛けられているが、フック本体14B―aの先端に抜止部14B―bが形成されているため、主線13aが該抜止部14B―bに係止されて不用意に外れることを防止する。
さらに、湾曲面14B−dがワイヤハーネスW/Hとパネル12の間に位置し且つワイヤハーネスW/Hの外周に沿って隙間なく当接するため、ワイヤハーネスW/Hをがたつかせずにパネル12に固定できる。
【0032】
さらに、下向きのJ字状フック14Cにおいては、下向きに開口しているフック本体14C−aに上から引っ掛けるように主線13aを係止する。一方、湾曲面14C−dの上部にはワイヤハーネスW/Hが載置されるように当接しているため、ワイヤハーネスW/Hをがたつかせることなくパネル12に固定できる。
【0033】
また、ワイヤハーネスW/Hの下方配索位置では下向きJ字状フック14Cに紐13を係止してワイヤハーネスW/Hを下方に引っ張る一方、上方配索位置では上向きのJ字状フック14Bに紐を引っ掛けて上方に引っ張るため、ワイヤハーネスW/Hを配索経路に沿って屈折させることができる。かつ、紐13を下向きと上向きに引っ張るため、下向きJ字状フック14Cから下方に抜け出ないようにすることができる共に、上向きJ字状フック14Bから上方に抜けでないようにすることができる。
【0034】
上記構成とすると、1本の紐13でワイヤハーネスW/Hを構成する電線群を結束できると同時に、この紐13をフック14A〜14Cに引っ掛けていくだけでパネル12に固定することができる。
よって、廃車時に、ワイヤハーネスW/Hをパネル12から取り外す場合も、紐13を切断するだけで、容易にワイヤハーネスW/Hをパネル12から取り外すことができる。
【0035】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態のモジュールパネルでは、図5(A)に示すように、紐13’の直線状の主線13a’に、係止用輪15’と、該係止用輪15’の反対方向に延在し先端に固定用クサビ16a’が設けられた枝線16’が所要間隔をあけて多数設けている。
【0036】
第2実施形態では、複数設けられた係止用輪15’の一部は、枝線16’の固定用クサビ16’を挿通させて、上記第1実施形態と同様に紐13’の主線13a’をワイヤハーネスW/Hに固定するために用い、残りの係止用輪15’は、図5(B)に示すように、パネル12に突設されたI字状フック14A’およびJ字状フック14B’、14C’に挿通させて、ワイヤハーネスW/Hをパネル12に取り付けるために用いる。その他の構成は上記第1実施形態と同様の構成であるため説明を省略する。
【0037】
第2実施形態のワイヤハーネスの固定構造では、直線状の主線13a’に複数突設させた係止用輪15’を、各係止フック14A’、14B’、14C’に掛止させている。従って、ワイヤハーネスW/Hに巻装されている主線13a’を直接引っ張る必要がないため、予めワイヤハーネスW/Hに紐13’をきつく巻き付けておくことができ、電線群の結束が確実にできる。
また、複数箇所に係止用輪15’と固定用クサビ16a’を有する枝線16’を設けたため、ワイヤハーネスW/Hの長さ方向の複数箇所で係止用輪15’と固定用クサビ16a’と係合させて紐13’の主線13a’をワイヤハーネスW/Hに固定することができ、ワイヤハーネスW/Hをより確実に結束できる。
【0038】
図6は第3実施形態を示す。
第3実施形態では、紐13”の主線13a”から分岐する枝線13b”を設け、該枝線13b”の先端係止用輪15”を設けている。枝線13b”を設ける紐13”は、図6(B)に示すように、ワイヤハーネスW/Hの幹線W/H−1には主線13a”を巻き付けると共に幹線W/H−1から分岐する支線W/H−2に枝線13b”を巻き付け、一つの紐13”を用いている。
尚、幹線W/H−1から支線W/H−2が分岐している分岐点にはテープ20を巻装している。
【0039】
上記主線13a”に設ける枝線13b”は、図6(A)に示すように、直線状の枝線13b”の他に、湾曲状とした枝線13b−1”、両側にとげ状の突起を連続的に形成した枝線13b−2”、両側に円弧状の凹凸を連続的に形成した枝線13b−3”も設けている。
【0040】
湾曲している枝線13b−1”は、湾曲している部分を引き伸ばすことでワイヤハーネスW/Hから離れた位置の係止フックに掛止することができる一方、引き伸ばす前にはコンパクトであるため、保管時や作業時には邪魔にならない。
両側にとげ状の突起を形成した枝線13b−2”は、別の位置に設けられた係止用輪15”内に枝線13b−2”を挿通させて、係止用輪15”を係止して紐13”を固定することができる。この時、複数の突起を連続して形成しているため、ワイヤハーネスの径に応じて任意の位置で係止することができる。
円弧状の凹凸を形成した枝線13b−3”も、同様に凹凸に係止用輪を係止すして、任意の位置で係止できる紐13”の固定手段として用いることができる。
【0041】
図7乃至図9は第4実施形態を説明する。
第4実施形態のワイヤハーネスの固定構造では、紐に代えて、図7(A)に示すように、樹脂製メッシュ体からなる網状シート113を用いている。
この網状シート113は、図7(B)に示すように、斜め格子状の線状部113cに囲まれた空隙113bが多数形成された網状シート113からなり、この網状シート113をワイヤハーネスW/Hにすし巻き状に巻き付けて、ワイヤハーネスW/Hの電線群を結束すると共に、該網状シート113をパネルの係止フックに直接係止している。
【0042】
網状シート113は、その長さ方向の周縁113aに沿って間隔を開けて固定用クサビ116aを先端に設けた枝線116を突設し、ワイヤハーネスW/Hの電線群に網状シート113をすし巻き状態に巻きつけた後、固定用クサビ116aを空隙113bに挿入係止して、網状シート113を電線群に巻き付け固定している。
【0043】
上記網状シート113は、図7(C)に示すように、電線群に巻き付けられた網状シート113の線状部113cを引っ張って空隙部113bを、パネルから突設した係止フック14(I字状フック14A、上向きのJ字状フック14Bおよび下向きのJ字状フック14C)に通し、パネルに固定している。
その他の構成は上記第1実施形態と同様の構成であるため説明を省略する。
【0044】
上記第4実施形態のワイヤハーネスの固定構造では、ワイヤハーネスW/Hの電線群wの外周面の全面に網状シート113が巻き付けられているため、パネルとワイヤハーネスW/Hとの間に網状シート113が介在する面積が多く、振動などによってワイヤハーネスW/Hがパネルと当った場合でも、網状シート113が緩衝材となり異音が発生することをより確実に防止できる。
【0045】
上記網状シート113は斜めの格子状の線状部113cが形成された網状シート113としてるが、線状部の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、図8(A)に示すような上下左右に直交する線状部113c’が形成された網状シート113’や、図8(B)に示すような環状の線状部113c”が形成された網状シート113”でもよい。
【0046】
また、網状シートの線状部に囲まれた部分はすべてが貫通した空隙であることは条件ではなく、例えば、図8(C)乃至(F)に示すように、線状部に囲まれた部分のうちの一部が貫通した空隙113e,113f,113gとして形成され、残りの部分は薄肉部119として形成されていてもよい。
このように網状シートの線状部に囲まれた一部のみを貫通した空隙として形成した場合には、外部緩衝材からの保護機能を高めることができる。
【0047】
上記各実施形態で示した係止フックの変形例を図9(A)乃至(D)に示す。
図9(A)(B)に示すJ字状フック14Dは、弓形状のフック本体14D−aの上部側面に切欠14D−eを形成し、上記各実施形態で示したJ字状フックと同様にフック本体14D―aの下端部の外面に湾曲面14D−dを形成し、さらに、該湾曲面14D−dの対向する位置にリブ14D−fを形成している。
J字状フック14Dの切欠14D−eは、図9(A)に示すように、係止用輪15を係止した際に、切欠14D−e内に係止用輪15が保持されるため、係止用輪15がJ字状フック14Dからはずれることを確実に防止できる。
また、図9(B)に示すように、ワイヤハーネスW/Hを湾曲面14D−dとリブ14D−fの間に配置することによって、ワイヤハーネスW/Hをより確実に固定できるようにしている。
【0048】
図9(C)(D)に示すJ字状フック14Eは、弓形状のフック本体14E−aに湾曲面14E−d,切欠14E−e及びリブ14E−fを設け、且つフック本体14E―aの先端を内側に向かって折り曲げている抜止部14E―bを形成し、切欠14E−eによって係止用輪を係止できると同時に、抜止部14E―bによって係止用輪が係止フック14Eから外れることを防止している。
【0049】
上記各実施形態では、紐あるいは網状シートの材質をゴムまたは合成樹脂製としているが、繊維からなるものでもよい。
また、上記各フックはパネルへ接着固定する固定部を設けているが、パネルよりフックを一体成形で設けてもよい。しかしながら、ワイヤハーネスの配索形態によって、所要位置にフックを接着固定する方がパネルの汎用性を高めることができる。
さらに、上記いずれの実施形態もドアモジュールについて実施したものであるが、ドアモジュールにかぎらず、他のワイヤハーネスの配索箇所に適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、ワイヤハーネスに予め装着された紐あるいは網状シートをパネルより突設した係止フックに係止することで従来必要とされた車体係止用のクリップを用いることなく、ワイヤハーネスをパネルに簡単かつ確実に配索することができる。特に、ワイヤハーネスの径の大小に関係なく係止できるため、細い径のワイヤハーネスの配索時に、ワイヤハーネスの径を太くするテープ巻き作業が不要になると同時に、紐あるいは網状シートの線状部を引っ張って係止フックに引っ掛けるという簡単な作業でワイヤハーネスの配索ができ、ドアモジュール等のワイヤハーネスの配索作業に手間がかかるパネルにおいて配索作業が効率よく行える。
【0051】
また、ワイヤハーネスの外周面に紐あるいは網状シートを予め巻き付けておくことにより、複数の電線を結束するためのテープ巻作業が不要になり、作業手数を低減して生産性を高めることができる。
さらに、ワイヤハーネスの外周面の全長にわたって紐あるいは網状シートを巻き付け、この紐あるいは網状シートを直接に係止フックに引っかけて係止するため、ワイヤハーネスの電線群を配索面に沿って、浮き上がることなく保持でき、振動発生による異音の発生を防止できる。さらに、網状シートの網目に囲まれた部分は係止フックに引っかける部分は空隙とし、他の部分には薄肉部を設けると外部干渉材に対するワイヤハーネスの保護機能を高めることができる。
【0052】
また、紐あるいは網状シートと係止フックに引っ掛けることによりワイヤハーネスをパネルに取り付けているため、紐あるいは網状シートを係止フックから外せば簡単にワイヤハーネスをパネルから取り外すことができ、また紐あるいは網状シートはワイヤハーネスに単に巻き付けられているだけであるため、紐あるいは網状シートを切断することで、ワイヤハーネスと紐あるいは網状シートの分離も簡単にできる。よって、廃車時におけるリサイクル性が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】(A)は本発明の第1実施形態のパネルの斜視図、(B)はワイヤハーネスを配索した状態のパネルの斜視図である。
【図3】(A)は第1実施形態の紐の正面図、(B)は第1実施形態のワイヤハーネスの固定構造を示す要部斜視図、(C)は第1実施形態のワイヤハーネスの端部を示す要部拡大斜視図である。
【図4】(A)は第1実施形態のI字状フックを示す斜視図、(B)は(A)の側面図、(C)は第1実施形態の上向きのJ字状フックを示す斜視図、(D)は(C)の側面図、(E)は第1実施形態の下向きのJ字状フックを示す斜視図、(F)は(E)の側面図である。
【図5】(A)は第2実施形態の紐の正面図、(B)は第2実施形態のワイヤハーネスの固定構造を示す要部斜視図である。
【図6】(A)は第3実施形態の紐の正面図、(B)は紐を巻き付けたワイヤハーネスを示す要部斜視図である。
【図7】(A)は第4実施形態の網状シートの一部正面図、(B)は第3実施形態の網状シートを巻き付けたワイヤハーネスを示す要部斜視図、(C)は第3実施形態のワイヤハーネスの固定構造を示す要部斜視図である。
【図8】(A)は変形例の網状シートの一部正面図、(B)は変形例の網状シートの一部正面図、(C)は変形例の網状シートの一部正面図、(D)はは変形例の網状シートの一部正面図、(E)は変形例の網状シートの一部正面図、(F)は(D)のA−A’線一部断面図である。
【図9】(A)はJ字状フックの変形例を示す斜視図、(B)は(A)の側面図、(C)はJ字状フックの他の変形例を示す斜視図、(D)は(C)の側面図である。
【図10】(A)は従来例の斜視図、(B)は従来例の要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
10 ドアモジュール
12 パネル
13 紐
13a 主線
14 係止フック
14A I字状フック
14B 上向きのJ字状フック
14C 下向きのJ字状フック
15 係止用輪
16, 枝線
16a, 固定用クサビ
113 網状シート
113b 空隙
113c 線状部
W/H ワイヤハーネス
W/H−1 幹線
W/H−2 支線
Claims (6)
- ワイヤハーネスの電線群に、紐を螺旋状に巻き付けて結束している一方、該ワイヤハーネスの配索面には配索経路に沿って係止フックを長さ方向に間隔をあけると共に配索経路を挟む上下位置に交互に突設し、
上記係止フックとして、抜止部を有する上向きおよび下向きのJ字状フックと、先端に大径部からなる抜止部を有するI字状フックとを設け、
上記電線群に巻き付けている上記紐を上記J字状フックとI字状フックに順次係止し、ワイヤハーネスを配索面に沿って固定していることを特徴としているワイヤハーネスの固定構造。 - 上記紐の両端に係止用輪を設け、該係止輪を上記係止フックに外嵌係止し、あるいは、
上記紐の両端をそれぞれ二股に分岐し、一方の分岐部の先端に設けた係止用輪に他方の分岐部の先端に設けた固定用クサビを上記係止用輪に挿入係止している請求項1に記載のワイヤハーネスの固定構造。 - 上記紐はゴム紐あるいは樹脂紐からなり、かつ、該紐は上記ワイヤハーネスの幹線に螺旋状に巻き付ける主線と、該主線から分岐すると共に先端に上記係止フックに外嵌係止する係止用輪を備えた枝線を設け、該枝線をワイヤハーネスの支線に螺旋状に巻き付けている請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネスの固定構造。
- ワイヤハーネスの電線群に網状シートを巻き付けて結束している一方、該ワイヤハーネスの配索面には配索経路に沿って係止フックを長さ方向に間隔をあけると共に配索経路を挟む上下位置に交互に突設し、
上記係止フックとして、抜止部を有する上向きおよび下向きのJ字状フックと、先端に大径部からなる抜止部を有するI字状フックとを設け、
上記網状シートの線状部に囲まれた空隙に上記係止フックを通して、該係止フックに上記線状部を係止し、ワイヤハーネスを配索面に固定していることを特徴とするワイヤハーネスの固定構造。 - 上記網状シートは伸縮性材からなり、かつ、長さ方向の端縁に沿って間隔をあけて固定用クサビを突設し、電線群にすし巻きした網状シートの空隙に上記固定用クサビを挿入係止して、すし巻状態で固定している請求項4に記載のワイヤハーネスの固定構造。
- ドアモジュール等のパネルの配索面にワイヤハーネスを配索固定しており、上記係止フックは上記パネルに接着固定される固定部を備え、あるいは、上記パネルより上記係止フックを一体成形で突設している請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの固定構造。
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JP2003208717A JP2005073309A (ja) | 2003-08-25 | 2003-08-25 | ワイヤハーネスの固定構造 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013188024A (ja) * | 2012-03-08 | 2013-09-19 | Ts Tech Co Ltd | 線状部材の取付構造 |
-
2003
- 2003-08-25 JP JP2003208717A patent/JP2005073309A/ja not_active Withdrawn
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