JP2005072659A - 誘電体装荷アンテナ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】誘電体装荷アンテナとしてのモノコニカルアンテナ10は、錘面状表面を有する給電電極11と、この錘面状表面に対してその錘面の頂点V側に位置する平面状表面を有するアース電極12と、錘面状表面と平面状表面との間に介在する誘電部材13とを備えている。誘電部材13の外周面13aは、錘面状表面側から平面状表面側に向かって広がった形状を有している。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体装荷アンテナに関するものであり、特に、小型化及び広帯域化に適した誘電体装荷アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線通信機能を備えた携帯型の情報処理装置の普及がめざましい。このような情報処理装置における無線通信としては、例えば2.4GHz帯(2.471〜2.497GHz)の周波数の電磁波を使用する無線LANなどの通信がよく採用されている。
【0003】
一方、従来の無線LANよりもはるかに広い周波数帯域を利用するUWB(Ultra Wide Band)通信も提唱されている。UWB通信は、インパルス通信(inpulse radio)とも呼ばれ、非常に幅の短いパルスが送受信されることによって、データの送受信が行われる。このように、非常に幅の短いパルスを送受信するために、UWB通信において利用する周波数帯域は、数GHzオーダ、例えば3.1〜10.6GHz程度の超広帯域となる。これにより、UWB通信においては、壁等の障害物があっても通信が可能、フェージングが非常に少ない、時間解像度が高い、処理利得が非常に高い等、従来の無線LANと比較しての多くの利点を有している。
【0004】
この超広帯域のUWB通信を携帯型の情報処理装置において実現するためには、超広帯域かつ小型のアンテナの開発が重要である。
【0005】
従来、広い周波数帯域に適応できるアンテナとしては、バイコニカルアンテナやモノコニカルアンテナ(ディスコンアンテナ)などのコニカルアンテナが知られている。バイコニカルアンテナは、2つの円錐面形状の電極を、互いの頂点を一致させて面対称に配置した形状を有している。また、モノコニカルアンテナは、円錐面形状の電極(コーン)と、この円錐面形状の電極の頂点付近に、その中心線と同心かつ垂直に設けた円板形状の電極とからなっている。
【0006】
ところが、コニカルアンテナによって上記のような超広帯域を実現する場合、アンテナが大型化してしまうという問題がある。例えば、モノコニカルアンテナによって3.1〜10.6GHz程度の超広帯域を実現する場合、円錐面形状の電極の直径が20〜30cm程度となってしまう。このような大型のコニカルアンテナでは、携帯型の情報処理装置への実装は不可能である。
【0007】
ここで、特許文献1には、従来の無線LAN等に適した小型、低背の誘電体垂直偏波アンテナが開示されている。
【0008】
図27及び図28に、上記誘電体垂直偏波アンテナのそれぞれ斜視図及び断面図を示す。この誘電体垂直偏波アンテナは、円柱の誘電体110の一方の底面を円錐形にくり抜いてその部分に放射電極111を形成し、反対側の底面にアース電極112を形成し、放射電極111はアース電極112側に貫通孔の導体ピン114を介して引き出されて構成されている。
【0009】
そして、特許文献1には、上記円柱の誘電体110を、直径9.6mm、高さ10mmとして上記誘電体垂直偏波アンテナを構成し、中心周波数2.599GHz、帯域幅112.4MHzの周波数帯域が得られたことが開示されている。
【0010】
なお、上記特許文献1以外にも、誘電体を備えたアンテナに関する公知文献としては、例えば特許文献2から5がある。
【0011】
また、誘電体を備えたバイコニカルアンテナにおける電磁波放射の解析に関する公知文献として、例えば非特許文献1がある。
【0012】
【特許文献1】
特開平8−139515号公報(公開日1996年5月31日)
【0013】
【特許文献2】
実開平5−57911号公報(公開日1993年7月30日)
【0014】
【特許文献3】
特表平10−501384号公報(公表日1998年2月3日)
【0015】
【特許文献4】
特開平6−112730号公報(公開日1994年4月22日)
【0016】
【特許文献5】
特許第3201736号公報(発行日2001年8月27日)
【0017】
【非特許文献1】
ROBERT E. STOVALL, KENNETH K. Mei ”Application of a Unimoment Technique to a Biconical Antenna with Inhomogeneous Dielectric Loading” IEEE TRANSACTIONS ON ANTENNAS, VOL. AP−23, No. 3,MAY 1975, pp.335−342
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に開示された誘電体垂直偏波アンテナは、帯域幅が100MHzオーダとなっており、従来の無線LANへの適用の可能性はある。しかし、帯域幅が100MHzオーダでは、数GHzオーダの超広帯域を使用するUWB通信への適用は不可能である。
【0019】
ここで、アンテナの使用可能周波数帯域を規定する特性として、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio:電圧定在波比)がある。このVSWRの一般的な定義は、「一様な伝送線路または導波管において、ある周波数が与えられた場合、伝搬方向にある伝送線路、又は導波路に沿って発生する場(電圧又は電流)が定常状態になっている部分の最小振幅に対する最大振幅の比。VSWR=(1+p)/(1−p) p:反射係数」とされている。
【0020】
アンテナのVSWRは、そのアンテナを用いて送受信する信号の周波数帯域全般において低い値となることが望ましく、一般には、最大値が2から3程度に抑えられていることが望ましい。この理由は次の通りである。
【0021】
第1の理由は、VSWRが大きくなると、アンテナに入力したエネルギーのうち、反射されるエネルギーの割合が増大し、実際に空中に放射できるエネルギーの割合が低下することにある。つまり、VSWRの大きいアンテナは、損失が大きく、放射効率の低いアンテナとなってしまう。
【0022】
第2の理由は、一般に、VSWRの最大値が大きいということが、所定の周波数帯域におけるVSWRの最大値と最小値との差が大きい、つまり周波数の変化に対するVSWRの変動が大きいということにつながることにある。このように、周波数の変化に対するVSWRの変動が大きいと、送受信する信号の波形を変形してしまうことになる。例えば、送受信する信号としてパルス波からなる信号を想定した場合、そのパルス波の周波数スペクトルは、所定周波数帯域に分布することになる。この周波数帯域においてアンテナのVSWRの変動が大きいと、アンテナへ入力する信号の周波数スペクトルと、アンテナから出力する信号の周波数スペクトルとの間で相似関係が保てなくなってしまう。その結果、出力信号の波形は、入力信号の波形から崩れたものとなってしまう。
【0023】
なお、信号波形の変形の問題に関しては、必ずしもVSWRを小さくする必要はなく、入力する信号の周波数帯域全般におけるVSWRの変動を小さくできればよいことになるが、通常、この変動を小さくするためにはVSWRの最大値を小さくすることが有効である。
【0024】
以上の理由より、アンテナのVSWRは、そのアンテナを用いて送受信する信号の周波数帯域全般において低い値となることが望ましい。
【0025】
よって、UWB通信のような超広帯域の無線通信を実現するためには、極めて広い周波数帯域においてVSWRが小さく抑えられたアンテナが求められる。また、携帯型の情報処理装置への搭載も考慮すると、アンテナサイズは小型であることも求められる。
【0026】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができる誘電体装荷アンテナを提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明の誘電体装荷アンテナは、上記の課題を解決するために、錘面状表面を有する第1電極と、前記錘面状表面に対してその錘面の頂点側に位置する平面状表面を有する第2電極と、前記錘面状表面と前記平面状表面との間に介在する誘電部材とを備え、前記誘電部材の外周面は、前記錘面状表面側から前記平面状表面側に向かって広がった形状を有することを特徴としている。
【0028】
例えばモノコニカルアンテナのように、錘面状表面を有する第1電極と、錘面状表面に対してその錘面の頂点側に位置する平面状表面を有する第2電極とを備えたアンテナは、第1及び第2電極それぞれにおける、上記頂点側の部分を給電部とすることにより、広帯域化が可能であるという利点を有している。しかし、従来のこのようなアンテナにおいて広帯域化を実現するためには、サイズが大きくなるという問題があった。
【0029】
これに対し、上記の構成では、前記錘面状表面と前記平面状表面との間に誘電部材を介在させることにより、誘電部材の波長短縮効果によって小型化を可能としている。
【0030】
また、上記の構成では、誘電部材の外周面が、錘面状表面側から平面状表面側に向かって広がった形状を有している。これにより、誘電部材の外周面を円筒形状にする場合と比較して、より広い周波数帯域でのVSWRの最大値を小さくできる。
【0031】
よって、上記の構成では、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができる。
【0032】
本発明の誘電体装荷アンテナは、上記誘電体装荷アンテナにおいて、前記誘電部材の外周面と、前記誘電部材と前記錘面状表面及び平面状表面それぞれとの境界面とは共通の回転軸を有する回転面をなしており、前記回転軸を含む平面で切断したときの前記誘電部材の断面は、前記外周面が円弧となり、前記錘面状表面及び平面状表面それぞれとの境界面をなす2辺が半径となる扇形状であるように構成してもよい。
【0033】
上記の構成では、誘電部材の外周面と、誘電部材と錘面状表面及び平面状表面それぞれとの境界面とは共通の回転軸を有する回転面をなしているため、電磁波は、誘電部材の内部を、上記回転軸を中心としたほぼ軸対称に伝搬することになる。したがって、電磁波は、回転軸を含む平面で切断したときの誘電部材の断面に沿って伝搬することになる。
【0034】
ここで、上記の構成では、上記断面が、錘面状表面及び平面状表面それぞれとの境界面をなす2辺を半径とする扇形状となっているため、この扇形の中心付近を給電部とすることにより、給電部から誘電部材の外周面までの距離がほぼ一定となる。そうすると、給電部付近から伝搬する電磁波は、何れの方向においても、誘電部材を伝搬する距離がほぼ等しくなる。これにより、誘電部材の内部での複雑な反射によるVSWRの極大化を抑制することができる。
【0035】
あるいは、本発明の誘電体装荷アンテナは、上記誘電体装荷アンテナにおいて、前記誘電部材の外周面と、前記誘電部材と前記錘面状表面及び平面状表面それぞれとの境界面とは共通の回転軸を有する回転面をなしており、前記回転軸を含む平面で切断したときの前記誘電部材の断面は、前記錘面状表面及び平面状表面それぞれとの境界面をなす2辺が等辺となる二等辺三角形状であるように構成してもよい。
【0036】
上記のように、給電部から誘電部材の外周面までの距離をほぼ一定とするためには、誘電部材の断面を扇形状とすることが望ましいが、扇形状に近似した二等辺三角形状としてもよい。誘電部材の外周面は、断面が扇形状の場合には球面となるのに対し、断面が二等辺三角形状の場合には錘面となる。一般に、球面よりも錘面の方が形成しやすいので、上記の構成では、誘電部材の形成がより容易になる。
【0037】
本発明の誘電体装荷アンテナは、上記何れかの誘電体装荷アンテナにおいて、前記誘電部材は、誘電体材料と、当該誘電部材の損失係数を高めるように前記誘電体材料に混合された導電性粒子とを含むことが望ましい。
【0038】
一般には、放射効率向上の観点から、アンテナに用いる誘電部材の損失係数は低い方が望ましい。これに対して、上記の構成では、誘電部材の損失係数をある程度高くすることによる、誘電部材の内部を伝搬する電磁波の波形減衰効果によって、VSWRの最大値を小さくすることができる。
【0039】
あるいは、本発明の誘電体装荷アンテナは、上記何れかの誘電体装荷アンテナにおいて、前記誘電部材は、その損失係数が0.24以上であることが望ましい。
【0040】
上記の構成では、誘電部材の損失係数を0.24以上とすることにより、誘電部材の内部を伝搬する電磁波の波形減衰効果に起因するVSWRの低減が効果的に起こる。
【0041】
本発明の誘電体装荷アンテナは、上記の課題を解決するために、錘面状表面を有する第1電極と、前記錘面状表面に対してその錘面の頂点側に位置する平面状表面を有する第2電極と、前記錘面状表面と前記平面状表面との間に介在する誘電部材とを備え、前記誘電部材は、誘電体材料と、当該誘電部材の損失係数を高めるように前記誘電体材料に混合された導電性粒子とを含むことを特徴としている。
【0042】
上述のように、上記第1電極と第2電極とを備えたアンテナは、広帯域化が可能であるという利点を有し、これに誘電部材を介在させることにより、誘電部材の波長短縮効果によって小型化が可能となる。
【0043】
また、上記の構成では、誘電部材は、誘電体材料と、当該誘電部材の損失係数を高めるようにこの誘電体材料に混合された導電性粒子とを含んでいる。したがって、誘電部材に所定の損失係数を付与することができる。
【0044】
一般には、放射効率向上の観点から、アンテナに用いる誘電部材の損失係数は低い方が望ましい。これに対して、上記の構成では、誘電部材の損失係数をある程度高くすることによる、誘電部材の内部を伝搬する電磁波の波形減衰効果によって、VSWRを小さくすることができる。
【0045】
よって、上記の構成では、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができる。
【0046】
本発明の誘電体装荷アンテナは、上記の課題を解決するために、錘面状表面を有する第1電極と、前記錘面状表面に対してその錘面の頂点側に位置する平面状表面を有する第2電極と、前記錘面状表面と前記平面状表面との間に介在する誘電部材とを備え、前記誘電部材は、その損失係数が0.24以上であることを特徴としている。
【0047】
上述のように、上記第1電極と第2電極とを備えたアンテナは、広帯域化が可能であるという利点を有し、これに誘電部材を介在させることにより、誘電部材の波長短縮効果によって小型化が可能となる。
【0048】
また、上記の構成では、誘電部材は、その損失係数が0.24以上となっている。一般には、放射効率向上の観点から、アンテナに用いる誘電部材の損失係数は低い方が望ましい。これに対して、上記の構成では、誘電部材の損失係数を0.24以上とすることにより、誘電部材の内部を伝搬する電磁波の波形減衰効果に起因するVSWRの低減が効果的に起こる。これにより、VSWRを小さくすることができる。
【0049】
よって、上記の構成では、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができる。
【0050】
本発明の誘電体装荷アンテナは、上記の課題を解決するために、錘面状表面を有する第1電極と、前記錘面状表面に対してその錘面の頂点側に位置する平面状表面を有する第2電極と、前記錘面状表面と前記平面状表面との間に介在する誘電部材とを備え、前記誘電部材は、前記錘面の頂点に近い側から遠い側に向けて連続的又は段階的に比誘電率が小さくなっている部分を有することを特徴としている。
【0051】
上述のように、上記第1電極と第2電極とを備えたアンテナは、広帯域化が可能であるという利点を有し、これに誘電部材を介在させることにより、誘電部材の波長短縮効果によって小型化が可能となる。
【0052】
ここで、誘電部材の外周面などのように、比誘電率が変化する境界面においては、その比誘電率の変化の大きさに応じて電磁波の反射が生じる。上記の構成では、誘電部材が、上記頂点に近い側から遠い側に向けて連続的又は段階的に比誘電率が小さくなっている部分を有している。これにより、誘電部材の内部において上記給電部から伝搬する電磁波は、上記比誘電率の変化に応じて各部において反射されることになる。
【0053】
つまり、上記の構成では、電磁波の反射の発生箇所が分散することになり、これにともなって、それぞれの周波数の反射波も分散する。そうすると、所定の周波数に集中して強度の強い反射波が発生し、その周波数におけるVSWRが大きくなる、という不具合を避けることができる。その結果、より広い周波数帯域でのVSWRの最大値を小さくできる。
【0054】
よって、上記の構成では、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができる。
【0055】
ここで、前記誘電部材の外周面は、前記錘面状表面側から前記平面状表面側に向かって広がった形状を有するように構成することにより、誘電部材の外周面を円筒形状にする場合と比較して、より広い周波数帯域でのVSWRの最大値を小さくできる。
【0056】
また、前記誘電部材は、互いに比誘電率の異なる誘電体が重ね合わされた積層構造を有するように構成することにより、容易に形成することができる。
【0057】
また、前記誘電部材は、比誘電率の前記変化に応じて、当該誘電部材の損失係数が変化するように構成してもよい。
【0058】
本発明の誘電体装荷アンテナは、上記の課題を解決するために、それぞれ第1及び第2給電部を有する第1及び第2電極と、前記第1及び第2電極の間に介在する誘電部材とを備え、前記第1及び第2給電部から遠ざかるにしたがって、前記第1電極と前記第2電極との間隔が広がる断面を有し、前記誘電部材は、誘電体材料と、当該誘電部材の損失係数を高めるように前記誘電体材料に混合された導電性粒子とを含むことを特徴としている。
【0059】
例えばモノコニカルアンテナのように、第1電極と前記第2電極との間隔が、それぞれの給電部から遠ざかるにしたがって広がるような断面を有するアンテナは、広帯域化が可能であるという利点を有している。
【0060】
また、上記の構成では、第1及び第2電極の間に誘電部材を介在させることにより、誘電部材の波長短縮効果によって小型化が可能となる。
【0061】
さらに、上記の構成では、誘電部材は、誘電体材料と、当該誘電部材の損失係数を高めるようにこの誘電体材料に混合された導電性粒子とを含んでいる。したがって、誘電部材に所定の損失係数を付与することができる。
【0062】
一般には、放射効率向上の観点から、アンテナに用いる誘電部材の損失係数は低い方が望ましい。これに対して、上記の構成では、誘電部材の損失係数をある程度高くすることによる、誘電部材の内部を伝搬する電磁波の波形減衰効果によって、VSWRを小さくすることができる。
【0063】
よって、上記の構成では、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができる。
【0064】
本発明の誘電体装荷アンテナは、上記の課題を解決するために、それぞれ第1及び第2給電部を有する第1及び第2電極と、前記第1及び第2電極の間に介在する誘電部材とを備え、前記第1及び第2給電部から遠ざかるにしたがって、前記第1電極と前記第2電極との間隔が広がる断面を有し、前記誘電部材は、その損失係数が0.24以上であることを特徴としている。
【0065】
上述のように、上記のような第1電極と前記第2電極とを備えるアンテナは、広帯域化が可能であるという利点を有しており、これに誘電部材を介在させることにより、誘電部材の波長短縮効果によって小型化が可能となる。
【0066】
また、上記の構成では、誘電部材は、その損失係数が0.24以上となっている。一般には、放射効率向上の観点から、アンテナに用いる誘電部材の損失係数は低い方が望ましい。これに対して、上記の構成では、誘電部材の損失係数を0.24以上とすることにより、誘電部材の内部を伝搬する電磁波の波形減衰効果に起因するVSWRの低減が効果的に起こる。これにより、VSWRを小さくすることができる。
【0067】
よって、上記の構成では、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができる。
【0068】
本発明の誘電体装荷アンテナは、上記の課題を解決するために、それぞれ第1及び第2給電部を有する第1及び第2電極と、前記第1及び第2電極の間に介在する誘電部材とを備え、前記第1及び第2給電部から遠ざかるにしたがって、前記第1電極と前記第2電極との間隔が広がっていくとともに、前記誘電部材の誘電率が連続的又は段階的に小さくなっていく断面を有することを特徴としている。
【0069】
上述のように、上記のような第1電極と前記第2電極とを備えるアンテナは、広帯域化が可能であるという利点を有しており、これに誘電部材を介在させることにより、誘電部材の波長短縮効果によって小型化が可能となる。
【0070】
ここで、誘電部材の外周面などのように、比誘電率が変化する境界面においては、電磁波の反射が生じる。上記の構成では、第1及び第2給電部から遠ざかるにしたがって、前記第1電極と前記第2電極との間隔が広がっていくとともに、前記誘電部材の誘電率が連続的又は段階的に小さくなっていく断面を有している。これにより、誘電部材の内部において第1及び第2給電部から伝搬する電磁波は、上記比誘電率の変化に応じて各部において反射されることになる。
【0071】
つまり、上記の構成では、電磁波の反射の発生箇所が分散することになり、これにともなって、それぞれの周波数の反射波も分散する。そうすると、所定の周波数に集中して強度の強い反射波が発生し、その周波数におけるVSWRが大きくなる、という不具合を避けることができる。その結果、より広い周波数帯域でのVSWRの最大値を小さくできる。
【0072】
よって、上記の構成では、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができる。
【0073】
なお、上記何れかの断面を有する誘電体装荷アンテナは、前記給電部側に位置する回転軸に対して前記断面を回転させた回転体をなすように構成してもよい。
【0074】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
本発明の第1の実施形態について図1から図18及び図26に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0075】
図1及び図2に、本実施形態のモノコニカルアンテナ10の斜視図及び断面図をそれぞれ示す。モノコニカルアンテナ10は、給電電極11、アース電極12、誘電部材13、給電端子14を備えている。
【0076】
給電電極11は、導体からなる電極であり、その形状は、円錐体の錘面(円錐面)状となっている。給電電極11は、例えば、誘電部材13の内側表面をメッキすることにより形成することができる。
【0077】
アース電極12は、導体からなる電極であり、円板の形状を有し、その中心に同心の円筒形の貫通孔12aを有している。アース電極12は、給電電極11がなす円錘面の中心線に対して垂直となり、かつ、この中心線が貫通孔12aの中心に位置するように配置されている。また、アース電極12の給電電極11側の表面(上面)の高さ付近に、給電電極11がなす円錘面の頂点V(給電電極11の頂点V)が位置するように配置されている。つまり、給電電極11がなす円錘面の中心線と、アース電極12をなす円板の中心線と、貫通孔12aをなす円筒の中心線とは、何れも共通の中心線Cとなっている。アース電極12は、例えば、金属の板材によって構成することができる。
【0078】
誘電部材13は、誘電体からなり、給電電極11とアース電極12との間に介在して、給電電極11とアース電極12との間を埋める部材である。この誘電部材13の外周面13aは、円錘面(給電電極11をなす円錘面とは異なる円錘面)の一部をなす面である。したがって、誘電部材13は、中心線Cを含む平面において切断した場合に現れる断面が、中心線Cに対して互いに線対称となる2つの三角形をなし、この三角形の断面を中心線Cに対して回転させた回転体の形状を有していることになる。誘電部材13の断面がなす三角形は、一辺が給電電極11上に、他の一辺がアース電極12の上面上に位置している。そして、上記三角形のさらに他の一辺は、誘電部材13の外周面13aをなしている。また、誘電部材13の断面がなす三角形における給電電極11上の一辺の長さをL1、アース電極12の上面上の一辺の長さをL2とすると、L1=L2となっている。誘電部材13は、例えば、所定形状の金型を用いて樹脂を射出成形することによって形成することができる。
【0079】
給電端子14は、導体からなる端子であり、円柱又は円筒形状を有しており、その中心線が中心線Cと一致するようにしてアース電極12の貫通孔12a内に配置されている。給電端子14は、アース電極12の貫通孔12aの内周面から離間することによりアース電極12とは電気的に絶縁されている。また、給電端子14は、その一端が給電電極11の頂点Vに取り付けられることにより、給電電極11と電気的に接続されている。なお、給電端子14と給電電極11との接続部分、つまり給電電極11の頂点Vを、給電部と称する。給電端子14は、例えば、金属の棒材又は筒材によって構成することができる。また、給電端子14の給電電極11への接続は、例えば、銀ペーストを用いて実現することができる。
【0080】
このモノコニカルアンテナ10を用いて電磁波の送受信を行う場合には、このモノコニカルアンテナ10の中心に、アース電極12側から同軸ケーブルなどのケーブルが接続される。このとき、同軸ケーブルの内部導体(芯線)を給電端子14と接続し、同軸ケーブルの外部導体(シールド)をアース電極12の貫通孔12a付近に接続する。そのために、アース電極12には、同軸ケーブルと接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。なお、コネクタを設けることなく、同軸ケーブルをアース電極12に直接取り付けてもよい。
【0081】
なお、以下においては、説明の便宜上、モノコニカルアンテナを用いて電磁波を送信する場合を想定して、モノコニカルアンテナの特性等について説明するが、この特性等は、モノコニカルアンテナを用いて電磁波を受信する場合についてもほぼ同様に成り立つ。つまり、モノコニカルアンテナは、電磁波の送信用にも受信用にも使用することができる。
【0082】
また、以下においては、モノコニカルアンテナを用いて、UWB通信の周波数帯域にほぼ相当する、3.1〜10.6GHz帯域の高周波を送信する場合を想定する。
【0083】
次に、図3から図9に基づいて、誘電部材13を設けることによるアンテナ特性への影響について説明する。
【0084】
モノコニカルアンテナ10により電磁波を送信する場合、給電電極11の頂点Vに給電される高周波は、図3において破線で示すように、給電電極11とアース電極12との間、つまり、誘電部材13の内部を、頂点Vを中心とした同心球状に広がりつつ伝搬していく。このとき、誘電部材13の波長短縮効果により、誘電部材13の内部では、誘電部材13の外部と比較して、誘電部材13の比誘電率ε1に応じて電磁波の波長が短くなる。
【0085】
なお、本明細書においては、モノコニカルアンテナ10から電磁波が放射される空間(外部空間、通常は空気層)の誘電率ε0に対する、誘電部材13の誘電率ε1の比ε1/ε0を、誘電部材13の比誘電率と定義する。
【0086】
上記定義は、外部空間が空気層である場合には、比誘電率の一般的な定義と一致することになるが、例えば、モノコニカルアンテナ10を水中で使用することを前提とした場合には、外部空間は水中となり、誘電部材13の比誘電率は、水の誘電率に対する誘電部材13の誘電率の比を意味することになる。以下では、特に断らない限り、外部空間として空気層を想定する。
【0087】
上記のように、モノコニカルアンテナ10では、誘電部材13を設けることによって波長短縮効果を得ることができるため、誘電部材を設けない同一サイズのモノコニカルアンテナと比較して、より長波長の電磁波、つまり、より周波数の低い電磁波を送信することができる。逆に、低周波数側の限界を同一とすると、モノコニカルアンテナ10は、誘電部材を設けないモノコニカルアンテナよりもサイズを小さくすることができる。
【0088】
具体的には、モノコニカルアンテナ10において低周波数側の限界を3.1GHzとするためのサイズは、例えば、給電電極11の最大径(円錐体の底面に相当する部分の直径)を12mm、アース電極12の直径を34mm、誘電部材13の高さ(中心線C方向の高さ)を16mm、L1=L2=17mmとすることができた。なお、誘電部材13の比誘電率は12とした。これに対し、誘電部材を設けないモノコニカルアンテナにおいて低周波数側の限界を3.1GHzとするためには、給電電極11の最大径が200〜300mm程度になってしまう。
【0089】
このように、誘電部材13を備えたモノコニカルアンテナ10では、誘電部材を備えないモノコニカルアンテナに対して、サイズを1/10よりもさらに小さくすることができる。
【0090】
上記のように、誘電部材13の内部を同心球状に広がりつつ伝搬していった電磁波は、誘電部材13の外周面13aから外部空間へ放射される。このときの電磁波放射方向Rは、頂点Vを中心とした球面のうち、給電電極11とアース電極12とに挟まれた空間に位置する部分の半径方向にほぼ相当している。
【0091】
ここで、誘電部材13から外部空間へ電磁波が放射される際には、外周面13aを境界として誘電率が変化することに起因して反射が起こる。したがって、図3に示したように、入射波のうち、一部は放射波として外部空間に放射され、一部は反射波として誘電部材13内部へ戻っていくことになる。なお、誘電部材13における誘電損が十分小さいときには、入射波及び反射波はほとんど減衰しないことになるが、誘電損が大きくなると、入射波及び反射波は減衰しながら誘電部材13内部を伝搬することになる。
【0092】
ここで、上記波形減衰の効果について説明する。通常、誘電体を備えた誘電体装荷アンテナを構成する場合には、放射効率を向上させるため、誘電損を極力小さくするようにする。これに対し、モノコニカルアンテナ10では、誘電損を大きくすることによる波形減衰効果により、放射効率が低下するという弊害は生じるものの、広帯域化が可能であるという利点があることがわかった。
【0093】
このことを示すグラフを図4及び図5に示す。なお、これらのグラフでは、誘電部材13の誘電率ε1を一定とし、誘電部材13の誘電正接(tanδ1)を変化させることにより、誘電部材13における損失係数を変化させており、tanδ1が大きいほど、誘電損が大きくなることになる。また、図5のグラフでは、広帯域化を示す指標として、3.1〜10.6GHzの周波数帯域におけるVSWR(Voltage Standing Wave Ratio:電圧定在波比)の最大値を縦軸にとっている。
【0094】
図4のグラフより、tanδ1が大きくなるにつれて、ほぼ一定の割合で放射効率が低下していることがわかる。
【0095】
また、図5より、tanδ1が大きくなるにつれて、VSWRが低下し、広帯域化していることがわかる。VSWRの低下は、tanδ1の変化に対して一定ではなく、特に、tanδ1が0から0.02へ変化するときにVSWRが急激に低下し、tanδ1が0.02以上となるとVSWRの低下の度合いが徐々に小さくなることがわかる。
【0096】
このことから、広帯域化を図る上では、tanδ1を0.02以上にすることが望ましいといえる。また、放射効率の低下を極力防ぐという観点からは、tanδ1をあまり大きく設定しない方が望ましい。特に、放射効率を50%以上を維持するために、tanδ1は0.1以下であることが望ましい。
【0097】
誘電率ε1に応じて変化せずに誘電損を規定する値として、損失係数を用いる。損失係数とは、比誘電率(ここでいう比誘電率とは、上述した本明細書での定義とは異なり、常に空気層の誘電率を基準としたの誘電率の比率である。)と誘電正接との積として算出される値である。そこで、誘電部材13の比誘電率12を用いてtanδ1を損失係数に換算すると、図4及び図5はそれぞれ図6及び図7のようになる。そして、誘電部材13の損失係数は、広帯域化を図る上では0.24以上にすることが望ましく、放射効率の低下を極力防ぐという観点からは1.2以下であることが望ましいといえる。
【0098】
以上のように、モノコニカルアンテナ10では、誘電部材13を設けるとともに、誘電部材13のtanδ1を大きくすることにより、小型化かつ広帯域化を図ることができる。
【0099】
このことは、図8及び図9のグラフにも現れている。図8のグラフは、比較例1として、モノコニカルアンテナ10から誘電部材13を除いた構成のモノコニカルアンテナにおいて、3.1〜10.6GHzの周波数帯域におけるVSWRの変化をシミュレーションした結果であり、図9のグラフは、モノコニカルアンテナ10において、3.1〜10.6GHzの周波数帯域におけるVSWRの変化をシミュレーションした結果である。
【0100】
比較例1では、誘電部材による波長短縮効果及び波形減衰効果を得ることができないので、低周波数側においてVSWRが高くなっている。
【0101】
これに対し、モノコニカルアンテナ10では、波長短縮効果及び波形減衰効果により、低周波数側におけるVSWRが良好に低減されている。通常、アンテナに求められる特性としては、使用する周波数帯域におけるVSWRの最大値が2〜3程度であるが、モノコニカルアンテナ10では、この条件をほぼ満たしているといえる。
【0102】
なお、誘電部材13の誘電率ε1及びtanδ1の調整は、誘電部材13を構成する材料の調整によって実現することができる。ここでは、誘電部材13を樹脂で構成し、この樹脂に対してセラミックスを混合することによって誘電率ε1を、また、この樹脂に対して導電性粒子を混合することによってtanδ1を、それぞれ調整している。
【0103】
次に、図10(a)〜(e)、図11から図14に基づいて、誘電部材13の形状によるアンテナ特性への影響について説明する。
【0104】
図10(a)〜(e)に、誘電部材13の形状を変化させたモノコニカルアンテナの形状1〜5を示す。このうち、図10(c)に示す形状3が、図1及び図2に示したモノコニカルアンテナ10である。なお、図10(a)〜(e)に示した形状1〜5については、モノコニカルアンテナ10の給電電極11、アース電極12、誘電部材13、給電端子14それぞれに相当する部材に対し、対応するモノコニカルアンテナ10の部材の符号と同一の符号を付している。
【0105】
形状1,2,4,5について説明する。形状1は、誘電部材13の外周面が円筒形となるような形状に誘電部材13を形成したものであり、図27及び図28に示した従来の誘電体垂直偏波アンテナに近似した形状である。形状2及び形状4は、モノコニカルアンテナ10に対して、図2に示したL1とL2との関係を変化させ、それぞれL1>L2、L1<L2とした形状である。形状5は、形状1に対し、誘電部材13の直径を大きくした形状である。
【0106】
形状1〜5のモノコニカルアンテナについて、波長短縮効果及びVSWRをシミュレーションした結果を図11〜図13に示す。なお、図12及び図13は、図11に示したシミュレーション結果のうち、それぞれ波長短縮効果及びVSWRをグラフ化したものである。
【0107】
ここで、シミュレーション結果における波長短縮効果は、低周波数(長波長)側から高周波数(短波長)側に向かって周波数を変化させた場合に、最初にVSWRが所定値、具体的には2.5以下となったときの波長によって評価しており、形状5を基準としたパーセンテージによって表すこととする。また、シミュレーション結果におけるVSWRは、3.1〜10.6GHzの周波数帯域におけるVSWRの最大値によって評価している。
【0108】
図12より、波長短縮効果については、形状5が最も大きく、形状4,3,2,1の順に小さくなっていることがわかる。これは、給電部(頂点V)から誘電部材13と外部空間との境界までの最大距離及び最小距離が影響しているものと考えられ、この最大距離及び最小距離が大きくなるほど、波長短縮効果も大きくなると考えられる。
【0109】
また、図13より、VSWRについては、形状3が最も小さく、形状2,4,5,1の順に大きくなっていることがわかる。これは、給電部から誘電部材13と外部空間との境界までの距離のバラツキの大きさが影響しているものと考えられ、このバラツキが小さくなるほど、VSWRも小さくなると考えられる。
【0110】
例えば、形状3では、誘電部材13の外周面13aが、給電部を中心とした球面に近い形状をしているため、給電部から誘電部材13と外部空間との境界までの距離は、外周面13aの全域においてほぼ等しいことになる。
【0111】
一方、形状1では、給電部から誘電部材13と外部空間との境界までの距離が、給電電極11の円錘面の母線方向において最大値となり、アース電極12の半径方向において最小値となり、この最大値−最小値の差が大きくなっている。
【0112】
図14に、形状1のモノコニカルアンテナにおいて、3.1〜10.6GHzの周波数帯域におけるVSWRの変化のシミュレーション結果を示す。図14より、形状1では、3.1〜10.6GHzの周波数帯域における低周波数側のVSWRは良好に低減されているものの、4〜10GHzに現れるピークが高くなっていることがわかる。これは、形状1では、給電部から誘電部材13と外部空間との境界までの距離の等方性が大きく崩れているため、複雑な反射が起こってしまうためであると考えられる。
【0113】
以上より、誘電部材13は、外周面13aが給電部を中心とした球面に近い形状となるように形成することが望ましく、例えば、形状3のように、外周面13aをアース電極12側に広がる円錘面の一部とし、L1=L2とするのが望ましいことがわかる。
【0114】
次に、図15及び図16に基づいて、モノコニカルアンテナ10の一変形例であるモノコニカルアンテナ20について説明する。
【0115】
上述のように、誘電部材は、外周面が給電部を中心とした球面に近い形状となるように形成することが望ましい。そこで、誘電部材23の外周面23aを、給電部を中心とした球面としたものがモノコニカルアンテナ20である。この点以外は、モノコニカルアンテナ20はモノコニカルアンテナ10と同じように構成されている。
【0116】
このモノコニカルアンテナ20では、3.1〜10.6GHzの周波数帯域におけるVSWRの最大値を、より低減することができる。ただし、モノコニカルアンテナ10においても、この低減効果は十分得られる。また、モノコニカルアンテナ10の方が、外周面13aの形状がより形成しやすい形状であるといえる。したがって、VSWRの低減効果と、製造の容易さとを考慮して、モノコニカルアンテナ10と、モノコニカルアンテナ20との何れを採用するかを、適宜選択することができる。
【0117】
このように、誘電部材13・23の外周面13a・23aと、誘電部材13・23と給電電極11及びアース電極12それぞれとの境界面とは共通の回転軸(中心線C)を有する回転面をなしており、この回転軸を含む平面で切断したときの誘電部材13・23の断面が、次のような形状を有していることが望ましい。すなわち、上記断面が、給電電極11及びアース電極12それぞれとの境界面をなす2辺が等辺となる二等辺三角形状、あるいは、外周面23aが円弧となり、給電電極11及びアース電極12それぞれとの境界面をなす2辺が半径となる扇形状であることが望ましい。
【0118】
これにより、誘電部材13・23の内部での複雑な反射によるVSWRの極大化を抑制することができる。
【0119】
次に、図17及び図18に基づいて、モノコニカルアンテナ10及びモノコニカルアンテナ20の製造方法の一例について説明する。なお、モノコニカルアンテナ10とモノコニカルアンテナ20とは、ほぼ同様の方法によって製造することができるので、ここでは、主にモノコニカルアンテナ10を前提として製造方法を説明する。
【0120】
まず、誘電部材13を形成する。誘電部材13は、金型を用いて樹脂を射出成形することにより形成することができる。上述したように、誘電部材13には、誘電率ε1を調整するためのセラミックス、及びtanδ1を調整するための導電性粒子が混合されている。そこで、射出成形する樹脂に対して、予めこれらのセラミックスや導電性粒子を混合しておく。
【0121】
ここで、上記樹脂としては、例えば、ポリエーテルサルフォン(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エポキシ樹脂(EP)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI)、フェノール樹脂(PF)などを用いることができる。また、上記セラミックスとしては、チタン酸バリウムなどを用いることができる。また、上記導電性粒子としては、金属粒子、カーボンブラック粒子、磁性体粒子、導電性ポリマー粒子などを用いることができる。
【0122】
そして、形成した誘電部材13の内側表面に給電電極11を形成する。給電電極11は、誘電部材13の内側表面をメッキすることによって形成することができるほか、蒸着、スパッタリング蒸着、導電ペーストの塗布、金属板の貼り付け、円錐形状の金属のはめ込みなどによって形成してもよい。給電電極11を構成する材料としては、例えば、金、銀、銅などを用いることができる。
【0123】
そして、所定の形状に加工しておいたアース電極12及び給電端子14を取り付ける。ここで、アース電極12は、誘電部材13の裏面に接着剤などを用いて接着する。また、給電端子14は、給電電極11に電気的に接続するために、銀ペーストなどを用いて接着する。
【0124】
以上のように、本実施形態のモノコニカルアンテナ10・20(誘電体装荷アンテナ)は、錘面状表面(誘電部材13・23側の面)を有する給電電極11(第1電極)と、上記錘面状表面に対してその錘面の頂点側に位置する平面状表面(誘電部材13・23側の面)を有するアース電極12(第2電極)と、上記錘面状表面と上記平面状表面との間に介在する誘電部材13・23とを備えている。
【0125】
このモノコニカルアンテナ10・20では、給電電極11の頂点V、及びアース電極12の貫通孔12a付近、つまり給電電極11及びアース電極12の各中心部をそれぞれの給電部とすることにより、広帯域化が可能なアンテナとなる。そして、誘電部材13・23の波長短縮効果によって小型化が可能となる。
【0126】
このモノコニカルアンテナ10・20は、次の特徴的構成を有している。
【0127】
第1に、誘電部材13・23の外周面13a・23aは、上記錘面状表面側から上記平面状表面側に向かって広がった形状を有している。これにより、誘電部材の外周面を円筒形状にする場合と比較して、より広い周波数帯域でのVSWRの最大値を小さくできる(図11から図13参照)。
【0128】
第2に、誘電部材13・23は、樹脂等の誘電体材料と、誘電部材13・23の損失係数を高めるように上記誘電体材料に混合された導電性粒子とを含んでいる。したがって、誘電部材13・23に所定の損失係数を付与することができる。このように、誘電部材13・23の損失係数をある程度高くすることにより、誘電部材13・23の内部を伝搬する電磁波の波形減衰効果によって、VSWRを小さくすることができる。
【0129】
なお、誘電部材13・23は、その損失係数が0.24以上となるようなものであれば、上記のように誘電体材料と導電性粒子とを含む構成に限らない。誘電部材13・23の損失係数を0.24以上とすることにより、誘電部材13・23の内部を伝搬する電磁波の波形減衰効果に起因するVSWRの低減が効果的に起こる。これにより、VSWRを小さくすることができる。
【0130】
これらの特徴的構成によって、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができる。なお、これらの特徴的構成を組み合わせることによってより顕著な効果が得られるが、これらの特徴的構成は、それぞれ個別に上記各効果を奏するものである。
【0131】
なお、本実施形態では、モノコニカルアンテナ10・20に関して説明したが、これに限らず、それぞれ第1及び第2給電部を有する第1及び第2電極と、第1及び第2電極の間に介在する誘電部材とを備え、第1及び第2給電部から遠ざかるにしたがって、前記第1電極と前記第2電極との間隔が広がる断面を有する誘電体装荷アンテナにおいても、同様のことがいえる。
【0132】
このような誘電体装荷アンテナの上記断面の一例を図26(a)(b)に示す。図26(a)(b)に示すように、第1電極51・61及び第2電極52・62は、互いの間に誘電部材53・63が介在した状態で向き合っており、それぞれ第1給電部51a・61a及び第2給電部52a・62aを有している。
【0133】
この第1給電部51a・61a及び第2給電部52a・62aは、それぞれ第1電極51・61及び第2電極52・62において、互いの間隔が最も接近している部分に設けられている。そして、第1電極51・61及び第2電極52・62は、第1給電部51a・61a及び第2給電部52a・62aから遠ざかるにしたがって、互いの間隔が広がるように形成されている。
【0134】
このような誘電体装荷アンテナ50には、例えば、バイコニカルアンテナも含まれる。バイコニカルアンテナは、図26(a)の断面を、中心線Cに対して回転させた回転体の形状を有するものである。
【0135】
このような誘電体装荷アンテナ50・60では、上記誘電部材53・63を、樹脂等の誘電体材料と、当該誘電部材53・63の損失係数を高めるように上記誘電体材料53・63に混合された導電性粒子とを含んで構成することにより、波形減衰効果によって、VSWRを小さくすることができる。
【0136】
また、このような誘電体装荷アンテナ50・60では、上記誘電部材53・63を、その損失係数が0.24以上となるように構成することにより、波形減衰効果に起因するVSWRの低減が効果的に起こり、VSWRを小さくすることができる。
【0137】
なお、このような誘電体装荷アンテナ50・60と、モノコニカルアンテナ10・20との対応関係については、第1電極51・61及び第2電極52・62がそれぞれ給電電極11及びアース電極12に相当し、第1給電部51a・61a及び第2給電部52a・62aがそれぞれ、給電電極11の頂点V、及びアース電極12の貫通孔12a付近に相当し、誘電部材53・63が誘電部材13・23に相当することになる。
【0138】
〔実施形態2〕
本発明の第2の実施形態について図19から図26に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態において説明するモノコニカルアンテナ30・40において、実施形態1において説明したモノコニカルアンテナ10・20の構成部材と同一の機能を有する構成部材については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0139】
図19及び図20に、本実施形態のモノコニカルアンテナ30の斜視図及び断面図をそれぞれ示す。モノコニカルアンテナ30は、給電電極(第1電極)11、アース電極(第2電極)12、誘電部材34、給電端子14を備えている。ここで、給電電極11、アース電極12、及び給電端子14は、実施形態1の対応する構成部材と同一のものである。
【0140】
誘電部材34は、実施形態1の誘電部材13と同一形状を有し、給電電極11、アース電極12、給電端子14との配置関係についても誘電部材13と同様であるが、互いに電気的特性の異なる3種類の誘電体からなる3層構造である点が誘電部材13とは異なっている。つまり、誘電部材34は、最内周の誘電部材31、誘電部材31を取り巻く誘電部材32、誘電部材32を取り巻く最外周の誘電部材33から構成されている。
【0141】
この誘電部材34の外周面34cは、誘電部材13と同様に円錘面の一部をなす面である。また、誘電部材34は、中心線Cを含む平面において切断した場合に現れる断面において、誘電部材33と誘電部材32との境界面34b、及び誘電部材32と誘電部材31との境界面34aが、それぞれ外周面34cと平行となっているとともに、この断面を中心線Cに対して回転させた回転体の形状を有している。
【0142】
誘電部材31・32・33における、給電電極11上の長さ(給電電極11の母線方向の長さ)をそれぞれL11,L12,L13とし、アース電極12上の長さ(アース電極12の半径方向の長さ)をそれぞれL21,L22,L23とすると、L11=L21,L12=L22,L13=L23となっている。
【0143】
このモノコニカルアンテナ30を用いて電磁波の送受信を行う場合にも、このモノコニカルアンテナ30の中心に、アース電極12側から同軸ケーブルなどのケーブルが接続される。このとき、同軸ケーブルの内部導体(芯線)を給電端子14と接続し、同軸ケーブルの外部導体(シールド)をアース電極12と接続する。そのために、アース電極12には、同軸ケーブルと接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。なお、コネクタを設けることなく、同軸ケーブルをアース電極12に直接取り付けてもよい。
【0144】
誘電部材34では、誘電部材31・32・33が、それぞれ誘電率ε1a,ε1b,ε1cを有する誘電体からなり、それぞれの比誘電率がこの順に小さくなるように誘電率が調整されている。つまり、誘電部材34では、外側にいくにしたがって誘電率が、段階的に外部空間の誘電率ε0に近づくように設定されている。
【0145】
次に、図21及び図22に基づいて、誘電部材34の誘電率を上記のように設定することによるアンテナ特性への影響について説明する。
【0146】
モノコニカルアンテナ30により電磁波を送信する場合、給電電極11の頂点Vに給電される高周波は、図21において破線で示すように、給電電極11とアース電極12との間、つまり、誘電部材34の内部を、頂点Vを中心とした同心球状に広がりつつ伝搬していく。このとき、誘電部材34の波長短縮効果により、誘電部材31・32・33の内部では、誘電部材34の外部と比較して、電磁波の波長が、それぞれ誘電部材31・32・33の誘電率ε1a,ε1b,ε1cに応じて短くなる。
【0147】
上記のように、モノコニカルアンテナ30では、誘電部材13を設けることによって波長短縮効果を得ることができるため、誘電部材を設けない同一サイズのモノコニカルアンテナと比較して、より長波長の電磁波、つまり、より周波数の低い電磁波を送信することができる。逆に、低周波数側の限界を同一とすると、モノコニカルアンテナ30は、誘電部材を設けないモノコニカルアンテナよりもサイズを小さくすることができる。
【0148】
具体的には、モノコニカルアンテナ30において低周波数側の限界を3.1GHzとするためのサイズは、実施形態1のモノコニカルアンテナ10と同様に、例えば、給電電極11の最大径(円錐体の底面に相当する部分の直径)を12mm、アース電極12の直径を34mm、誘電部材34の高さ(中心線C方向の高さ)を16mm、L1=L2=17mmとすることができた。なお、誘電部材31・32・33の比誘電率はそれぞれ12,8,4とし、誘電部材31・32・33それぞれのtanδ1a,tanδ1b,tanδ1cは何れも0.1とした。
【0149】
上記のように、誘電部材34の内部を同心球状に広がりつつ伝搬していった電磁波は、誘電部材34の外周面34cから外部空間へ放射される。このときの電磁波放射方向Rは、頂点Vを中心とした球面のうち、給電電極11とアース電極12とに挟まれた空間に位置する部分の半径方向にほぼ相当している。
【0150】
ここで、誘電部材34を電磁波が伝搬する際、及び誘電部材34から外部空間へ電磁波が放射される際には、境界面34a・34b及び外周面34cを境界として誘電率が変化することに起因して反射が起こる。この反射の観点から、実施形態1のモノコニカルアンテナ10と、本実施形態のモノコニカルアンテナ30とを比較してみる。
【0151】
給電部と外部空間との間において誘電率が変化する界面としては、モノコニカルアンテナ10では、外周面13aのみであったのに対し、モノコニカルアンテナ30では、外周面34cに加え境界面34a・34bが存在している。したがって、モノコニカルアンテナ30では、モノコニカルアンテナ10と比較して、電磁波を反射する界面の数が増加しているといえる。
【0152】
一方、ε1=ε1aとすると、モノコニカルアンテナ10では、外周面13aにおいて誘電率ε1からε0へ比較的大きく誘電率が変化するのに対し、モノコニカルアンテナ30では、境界面34aにおいて誘電率ε1aからε1bへ、境界面34bにおいて誘電率ε1bからε1cへ、外周面34cにおいて誘電率ε1cからε0へと、それぞれ比較的小さく誘電率が変化することになる。
【0153】
そうすると、モノコニカルアンテナ30では、モノコニカルアンテナ10と比較して、反射の発生箇所が分散し、各箇所での反射波の影響が低減することになるといえる。
【0154】
図22のグラフは、このような特徴を有するモノコニカルアンテナ30において、3.1〜10.6GHzの周波数帯域におけるVSWRの変化をシミュレーションした結果を示している。モノコニカルアンテナ30に関する図22のグラフと、モノコニカルアンテナ10に関する図9のグラフとを比較すると、モノコニカルアンテナ30の方が、特に4GHz付近のピークが小さくなっていることがわかる。これは、モノコニカルアンテナ10では、4GHz付近の周波数に集中して強度の強い反射波が発生していたのに対し、モノコニカルアンテナ30では、反射の発生箇所が分散することにより、4GHz付近の周波数の反射波も分散したためであると考えられる。
【0155】
なお、モノコニカルアンテナ10の外周面13aにおける誘電率ε1からε0への誘電率変化を小さくするためには、誘電部材13の誘電率ε1自体を小さくすればよい、とも考えられるが、誘電率ε1自体を小さくしてしまうと、今度は給電部付近の給電電極11やアース電極12の導体と誘電部材13との誘電率変化が大きくなってしまい、この付近での反射が大きくなるので望ましくない。したがって、モノコニカルアンテナ30のように、誘電部材31から、誘電部材32、誘電部材33、外部空間の順に誘電率を段階的に小さくすることが望ましい。
【0156】
また、モノコニカルアンテナ30においても、広帯域化を図る観点から、tanδをある程度高くすることが望ましい。このとき、誘電部材31・32・33それぞれのtanδ1a,tanδ1b,tanδ1cを、変化させてもよい。
【0157】
なお、誘電部材31・32・33ごとに誘電率ε1a,ε1b,ε1c、及びtanδ1a,tanδ1b,tanδ1cを調整するためには、実施形態1と同様に、誘電部材31・32・33を樹脂で構成し、この樹脂に対して混合するセラミックス及び導電性粒子の種類や量を調整すればよい。
【0158】
なお、ここでは3層構造の誘電部材34について説明したが、誘電部材34は、2層構造であってもよく、4層構造以上であってもよい。また、ここでは誘電率が段階的に変化する誘電部材34について説明したが、誘電部材34は誘電率が連続的に変化するものであってもよい。
【0159】
次に、図23及び図24に基づいて、モノコニカルアンテナ30の一変形例であるモノコニカルアンテナ40について説明する。
【0160】
誘電部材を多層構造にした場合でも、各境界面及び外周面が給電部を中心とした球面に近い形状となるように形成することが望ましい。そこで、誘電部材44の各境界面44a・44b及び外周面44cを、給電部を中心とした球面としたものがモノコニカルアンテナ40である。この点以外は、モノコニカルアンテナ40はモノコニカルアンテナ30と同じように構成されている。
【0161】
このモノコニカルアンテナ40では、3.1〜10.6GHzの周波数帯域におけるVSWRの最大値を、より低減することができる。ただし、モノコニカルアンテナ30においても、この低減効果は十分得られる。また、モノコニカルアンテナ30の方が、境界面44a・44b及び外周面44cの形状がより形成しやすい形状であるといえる。したがって、VSWRの低減効果と、製造の容易さとを考慮して、モノコニカルアンテナ30と、モノコニカルアンテナ40との何れを採用するかを、適宜選択することができる。
【0162】
次に、図25(a)〜(e)に基づいて、モノコニカルアンテナ30の製造方法の一例について説明する。なお、モノコニカルアンテナ40についても、ほぼ同様の方法によって製造することができるので、ここでは、モノコニカルアンテナ30の製造方法のみを説明する。
【0163】
まず、図25(a)に示すように、誘電部材31を形成する。誘電部材31は、金型を用いて樹脂を射出成形することにより形成することができる。
【0164】
そして、図25(b)に示すように、誘電部材31の外側を覆うよにして誘電部材32を形成する。誘電部材32も金型を用いて樹脂を射出成形することにより形成するが、このとき、金型の中心に誘電部材31を配置して多重成形を行うことにより、誘電部材32を形成するのと同時に誘電部材32を誘電部材31に接合する。
【0165】
さらに、図25(c)に示すように、誘電部材32の外側を覆うよにして誘電部材33を形成する。誘電部材33も、金型の中心に、一体化された誘電部材31・32を配置して多重成形を行うことにより、誘電部材33を形成するのと同時に誘電部材33を誘電部材32に接合する。
【0166】
上述したように、誘電部材31・32・33には、誘電率ε1a,ε1b,ε1cを調整するためのセラミックス、及びtanδ1a,tanδ1b,tanδ1cを調整するための導電性粒子が混合されている。そこで、射出成形する樹脂に対して、予めこれらのセラミックスや導電性粒子を混合しておく。
【0167】
上記樹脂、セラミックス、導電性粒子としては、それぞれ実施形態1において例示した材料を用いることができる。
【0168】
そして、図25(d)に示すように、形成した誘電部材34の内側表面に給電電極11を形成する。給電電極11の形成には、実施形態1において例示した方法及び材料を用いることができる。
【0169】
そして、所定の形状に加工しておいたアース電極12及び給電端子14を取り付ける。ここで、アース電極12は、誘電部材13の裏面に接着剤などを用いて接着する。また、給電端子14は、給電電極11に電気的に接続するために、銀ペーストなどを用いて接着する。
【0170】
以上のように、本実施形態のモノコニカルアンテナ30・40(誘電体装荷アンテナ)は、錘面状表面(誘電部材34・44側の面)を有する給電電極11(第1電極)と、上記錘面状表面に対してその錘面の頂点側に位置する平面状表面(誘電部材34・44側の面)を有するアース電極12(第2電極)と、上記錘面状表面と上記平面状表面との間に介在する誘電部材34・44とを備えている。
【0171】
このモノコニカルアンテナ30・40では、給電電極11の頂点V、及びアース電極12の貫通孔12a付近、つまり給電電極11及びアース電極12の各中心部をそれぞれの給電部とすることにより、広帯域化が可能なアンテナとなる。そして、誘電部材34・44の波長短縮効果によって小型化が可能となる。
【0172】
このモノコニカルアンテナ30・40は、次の特徴的構成を有している。すなわち、誘電部材34・44は、給電電極11の頂点V、つまり給電部に近い側から遠い側に向けて連続的又は段階的に比誘電率が小さくなっている部分を有している。これにより、誘電部材34・44の内部において上記給電部から伝搬する電磁波は、上記比誘電率の変化に応じて各部において反射されることになる。
【0173】
つまり、モノコニカルアンテナ30・40では、電磁波の反射の発生箇所が分散することになり、これにともなって、それぞれの周波数の反射波も分散する。そうすると、所定の周波数に集中して強度の強い反射波が発生し、その周波数におけるVSWRが大きくなる、という不具合を避けることができる。その結果、より広い周波数帯域でのVSWRの最大値を小さくできる。
【0174】
よって、モノコニカルアンテナ30・40では、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができる。
【0175】
なお、本実施形態では、モノコニカルアンテナ30・40に関して説明したが、これに限らず、実施形態1において図26(a)(b)を用いて説明した断面を有する誘電体装荷アンテナ50・60においても、同様のことがいえる。
【0176】
つまり、誘電部材53・63を、第1給電部51a・61a及び第2給電部52a・62aから遠ざかるにしたがって、連続的又は段階的に比誘電率が小さくなっている部分を有するように構成することにより、所定の周波数に集中して強度の強い反射波が発生し、その周波数におけるVSWRが大きくなる、という不具合を避けることができる。
【0177】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0178】
【発明の効果】
以上のように、本発明の誘電体装荷アンテナは、錘面状表面を有する第1電極と、前記錘面状表面に対してその錘面の頂点側に位置する平面状表面を有する第2電極と、前記錘面状表面と前記平面状表面との間に介在する誘電部材とを備え、前記誘電部材の外周面は、前記錘面状表面側から前記平面状表面側に向かって広がった形状を有する構成である。
【0179】
これにより、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができるという効果を奏する。
【0180】
本発明の誘電体装荷アンテナは、上記誘電体装荷アンテナにおいて、前記誘電部材の外周面と、前記誘電部材と前記錘面状表面及び平面状表面それぞれとの境界面とは共通の回転軸を有する回転面をなしており、前記回転軸を含む平面で切断したときの前記誘電部材の断面は、前記外周面が円弧となり、前記錘面状表面及び平面状表面それぞれとの境界面をなす2辺が半径となる扇形状であるように構成してもよい。
【0181】
これにより、誘電部材の内部での複雑な反射によるVSWRの極大化を抑制することができる。
【0182】
あるいは、本発明の誘電体装荷アンテナは、上記誘電体装荷アンテナにおいて、前記誘電部材の外周面と、前記誘電部材と前記錘面状表面及び平面状表面それぞれとの境界面とは共通の回転軸を有する回転面をなしており、前記回転軸を含む平面で切断したときの前記誘電部材の断面は、前記錘面状表面及び平面状表面それぞれとの境界面をなす2辺が等辺となる二等辺三角形状であるように構成してもよい。
【0183】
これにより、誘電部材の内部での複雑な反射によるVSWRの極大化を抑制しつつ、誘電部材の形成がより容易になる。
【0184】
本発明の誘電体装荷アンテナは、上記何れかの誘電体装荷アンテナにおいて、前記誘電部材は、誘電体材料と、当該誘電部材の損失係数を高めるように前記誘電体材料に混合された導電性粒子とを含むことが望ましい。
【0185】
これにより、誘電部材の内部を伝搬する電磁波の波形減衰効果によって、VSWRの最大値を小さくすることができる。
【0186】
あるいは、本発明の誘電体装荷アンテナは、上記何れかの誘電体装荷アンテナにおいて、前記誘電部材は、その損失係数が0.24以上であることが望ましい。
【0187】
これによっても、誘電部材の内部を伝搬する電磁波の波形減衰効果に起因するVSWRの低減が効果的に起こる。
【0188】
本発明の誘電体装荷アンテナは、錘面状表面を有する第1電極と、前記錘面状表面に対してその錘面の頂点側に位置する平面状表面を有する第2電極と、前記錘面状表面と前記平面状表面との間に介在する誘電部材とを備え、前記誘電部材は、誘電体材料と、当該誘電部材の損失係数を高めるように前記誘電体材料に混合された導電性粒子とを含む構成である。
【0189】
これにより、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができるという効果を奏する。
【0190】
本発明の誘電体装荷アンテナは、錘面状表面を有する第1電極と、前記錘面状表面に対してその錘面の頂点側に位置する平面状表面を有する第2電極と、前記錘面状表面と前記平面状表面との間に介在する誘電部材とを備え、前記誘電部材は、その損失係数が0.24以上である構成である。
【0191】
これにより、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができるという効果を奏する。
【0192】
本発明の誘電体装荷アンテナは、錘面状表面を有する第1電極と、前記錘面状表面に対してその錘面の頂点側に位置する平面状表面を有する第2電極と、前記錘面状表面と前記平面状表面との間に介在する誘電部材とを備え、前記誘電部材は、前記錘面の頂点に近い側から遠い側に向けて連続的又は段階的に比誘電率が小さくなっている部分を有する構成である。
【0193】
これにより、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができるという効果を奏する。
【0194】
ここで、前記誘電部材の外周面は、前記錘面状表面側から前記平面状表面側に向かって広がった形状を有するように構成することにより、誘電部材の外周面を円筒形状にする場合と比較して、より広い周波数帯域でのVSWRの最大値を小さくできる。
【0195】
また、前記誘電部材は、互いに比誘電率の異なる誘電体が重ね合わされた積層構造を有するように構成することにより、容易に形成することができる。
【0196】
また、前記誘電部材は、比誘電率の前記変化に応じて、当該誘電部材の損失係数が変化するように構成してもよい。
【0197】
本発明の誘電体装荷アンテナは、それぞれ第1及び第2給電部を有する第1及び第2電極と、前記第1及び第2電極の間に介在する誘電部材とを備え、前記第1及び第2給電部から遠ざかるにしたがって、前記第1電極と前記第2電極との間隔が広がる断面を有し、前記誘電部材は、誘電体材料と、当該誘電部材の損失係数を高めるように前記誘電体材料に混合された導電性粒子とを含む構成である。
【0198】
これにより、上記の構成では、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができる。
【0199】
本発明の誘電体装荷アンテナは、それぞれ第1及び第2給電部を有する第1及び第2電極と、前記第1及び第2電極の間に介在する誘電部材とを備え、前記第1及び第2給電部から遠ざかるにしたがって、前記第1電極と前記第2電極との間隔が広がる断面を有し、前記誘電部材は、その損失係数が0.24以上である構成である。
【0200】
これにより、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができる。
【0201】
本発明の誘電体装荷アンテナは、それぞれ第1及び第2給電部を有する第1及び第2電極と、前記第1及び第2電極の間に介在する誘電部材とを備え、前記第1及び第2給電部から遠ざかるにしたがって、前記第1電極と前記第2電極との間隔が広がっていくとともに、前記誘電部材の誘電率が連続的又は段階的に小さくなっていく断面を有する構成である。
【0202】
これにより、小型化を図りつつ、VSWRの最大値が小さく抑えられた周波数帯域をより広くとることができる。
【0203】
なお、上記何れかの断面を有する誘電体装荷アンテナは、前記給電部側に位置する回転軸に対して前記断面を回転させた回転体をなすように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るモノコニカルアンテナの斜視図である。
【図2】図1のモノコニカルアンテナの断面図である。
【図3】図1のモノコニカルアンテナによる電磁波の放射を説明するための図面である。
【図4】図1のモノコニカルアンテナにおいて、誘電部材の誘電正接を変化させた場合の放射効率の変化を示すグラフである。
【図5】図1のモノコニカルアンテナにおいて、誘電部材の誘電正接を変化させた場合のVSWRの変化を示すグラフである。
【図6】図4のグラフについて、誘電正接を損失係数に換算したグラフである。
【図7】図5のグラフについて、誘電正接を損失係数に換算したグラフである。
【図8】誘電部材を備えないモノコニカルアンテナにおける周波数−VSWR特性を示すグラフである。
【図9】図1のモノコニカルアンテナにおける周波数−VSWR特性を示すグラフである。
【図10】(a)〜(e)は、それぞれ誘電部材の形状を変化させたモノコニカルアンテナの断面の形状1〜5を示す断面図である。
【図11】形状1〜5のモノコニカルアンテナにおける、波長短縮効果と、VSWRとを示す図表である。
【図12】形状1〜5のモノコニカルアンテナにおける波長短縮効果の相違を示すグラフである。
【図13】形状1〜5のモノコニカルアンテナにおけるVSWRの相違を示すグラフである。
【図14】形状1のモノコニカルアンテナにおける周波数−VSWR特性を示すグラフである。
【図15】図1のモノコニカルアンテナの一変形例を示す斜視図である。
【図16】図15のモノコニカルアンテナの断面図である。
【図17】図1のモノコニカルアンテナの製造方法を説明するための斜視図である。
【図18】図15のモノコニカルアンテナの製造方法を説明するための斜視図である。
【図19】本発明の第2の実施形態に係るモノコニカルアンテナの斜視図である。
【図20】図19のモノコニカルアンテナの断面図である。
【図21】図19のモノコニカルアンテナによる電磁波の放射を説明するための図面である。
【図22】図19のモノコニカルアンテナにおける周波数−VSWR特性を示すグラフである。
【図23】図19のモノコニカルアンテナの一変形例を示す斜視図である。
【図24】図23のモノコニカルアンテナの断面図である。
【図25】(a)〜(e)は、それぞれ図19のモノコニカルアンテナの製造段階における断面図である。
【図26】(a)及び(b)は、本発明に係るモノコニカルアンテナの他の例を示す断面図である。
【図27】従来の誘電体垂直偏波アンテナの斜視図である。
【図28】図26の誘電体垂直偏波アンテナの断面図である。
【符号の説明】
10,20,30,40 モノコニカルアンテナ(誘電体装荷アンテナ)
11 給電電極(第1電極)
12 アース電極(第2電極)
12a 貫通孔
13,23,31,32,33,34,41,42,43,44 誘電部材
13a,23a,34c,44c 外周面
14 給電端子
34a・34b 境界面
44a・44b 境界面
C 中心線(回転軸)
V 頂点
Claims (15)
- 錘面状表面を有する第1電極と、
前記錘面状表面に対してその錘面の頂点側に位置する平面状表面を有する第2電極と、
前記錘面状表面と前記平面状表面との間に介在する誘電部材とを備え、
前記誘電部材の外周面は、前記錘面状表面側から前記平面状表面側に向かって広がった形状を有することを特徴とする誘電体装荷アンテナ。 - 前記誘電部材の外周面と、前記誘電部材と前記錘面状表面及び平面状表面それぞれとの境界面とは共通の回転軸を有する回転面をなしており、
前記回転軸を含む平面で切断したときの前記誘電部材の断面は、前記外周面が円弧となり、前記錘面状表面及び平面状表面それぞれとの境界面をなす2辺が半径となる扇形状であることを特徴とする請求項1に記載の誘電体装荷アンテナ。 - 前記誘電部材の外周面と、前記誘電部材と前記錘面状表面及び平面状表面それぞれとの境界面とは共通の回転軸を有する回転面をなしており、
前記回転軸を含む平面で切断したときの前記誘電部材の断面は、前記錘面状表面及び平面状表面それぞれとの境界面をなす2辺が等辺となる二等辺三角形状であることを特徴とする請求項1に記載の誘電体装荷アンテナ。 - 前記誘電部材は、誘電体材料と、当該誘電部材の損失係数を高めるように前記誘電体材料に混合された導電性粒子とを含むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の誘電体装荷アンテナ。
- 前記誘電部材は、その損失係数が0.24以上であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の誘電体装荷アンテナ。
- 錘面状表面を有する第1電極と、
前記錘面状表面に対してその錘面の頂点側に位置する平面状表面を有する第2電極と、
前記錘面状表面と前記平面状表面との間に介在する誘電部材とを備え、
前記誘電部材は、誘電体材料と、当該誘電部材の損失係数を高めるように前記誘電体材料に混合された導電性粒子とを含むことを特徴とする誘電体装荷アンテナ。 - 錘面状表面を有する第1電極と、
前記錘面状表面に対してその錘面の頂点側に位置する平面状表面を有する第2電極と、
前記錘面状表面と前記平面状表面との間に介在する誘電部材とを備え、
前記誘電部材は、その損失係数が0.24以上であることを特徴とする誘電体装荷アンテナ。 - 錘面状表面を有する第1電極と、
前記錘面状表面に対してその錘面の頂点側に位置する平面状表面を有する第2電極と、
前記錘面状表面と前記平面状表面との間に介在する誘電部材とを備え、
前記誘電部材は、前記錘面の頂点に近い側から遠い側に向けて連続的又は段階的に比誘電率が小さくなっている部分を有することを特徴とする誘電体装荷アンテナ。 - 前記誘電部材の外周面は、前記錘面状表面側から前記平面状表面側に向かって広がった形状を有することを特徴とする請求項8に記載の誘電体装荷アンテナ。
- 前記誘電部材は、互いに比誘電率の異なる誘電体が重ね合わされた積層構造を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の誘電体装荷アンテナ。
- 前記誘電部材は、比誘電率の前記変化に応じて、当該誘電部材の損失係数が変化していることを特徴とする請求項8から10の何れか1項に記載の誘電体装荷アンテナ。
- それぞれ第1及び第2給電部を有する第1及び第2電極と、
前記第1及び第2電極の間に介在する誘電部材とを備え、
前記第1及び第2給電部から遠ざかるにしたがって、前記第1電極と前記第2電極との間隔が広がる断面を有し、
前記誘電部材は、誘電体材料と、当該誘電部材の損失係数を高めるように前記誘電体材料に混合された導電性粒子とを含むことを特徴とする誘電体装荷アンテナ。 - それぞれ第1及び第2給電部を有する第1及び第2電極と、
前記第1及び第2電極の間に介在する誘電部材とを備え、
前記第1及び第2給電部から遠ざかるにしたがって、前記第1電極と前記第2電極との間隔が広がる断面を有し、
前記誘電部材は、その損失係数が0.24以上であることを特徴とする誘電体装荷アンテナ。 - それぞれ第1及び第2給電部を有する第1及び第2電極と、
前記第1及び第2電極の間に介在する誘電部材とを備え、
前記第1及び第2給電部から遠ざかるにしたがって、前記第1電極と前記第2電極との間隔が広がっていくとともに、前記誘電部材の誘電率が連続的又は段階的に小さくなっていく断面を有することを特徴とする誘電体装荷アンテナ。 - 前記給電部側に位置する回転軸に対して前記断面を回転させた回転体をなすことを特徴とする請求項12から14の何れか1項に記載の誘電体装荷アンテナ。
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