JP2003249817A - 2周波用共用スリーブアンテナ - Google Patents

2周波用共用スリーブアンテナ

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JP2003249817A
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元和 濱野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造コストの低い小型の2周波共用スリーブア
ンテナの構造を提供することである。 【解決手段】2周波共用スリーブアンテナにおいて,同
軸給電線1の先端部の外部導体を取り除いて形成した放
射素子8aと,第一の周波数送受信用の放射素子8bの
間にインダクタンス素子9を設け,更に第一および第二
の周波数送受信用のスリーブ素子10a,10cと,第
一の周波数送受信用のスリーブ10b,10dの間にイ
ンダクタンス素子11を設けて構成し,1周波用スリー
ブアンテナのレドーム20に収納した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,無線LANなどの
送受信に用いられる2周波共用スリーブアンテナに関す
る。
【0002】
【従来の技術】無線LANなどに用いられる2周波共用
送受信用スリーブアンテナの概略図を図7(A)(B)
に示す。図に示すように,2周波共用スリーブアンテナ
は,第一の周波数に対応した長さ略λ/4の先端が開放
された円筒状のスリーブ素子3の基部に,同軸給電線1
の中心導体1aが接続されている。また,長さ略λ/4
の先端が開放された円筒状のスリーブ素子5の基部に,
上記同軸給電線1の外部導体1bが接続されている。さ
らに,上記第一の周波数より高い第二の周波数に対応し
た長さ略λ/4の先端が開放された円筒状のスリーブ素
子4の基部に,上記同軸給電線1の中心導体1aが接続
され,上記円筒状のスリーブ素子3と同心円状になるよ
うに接続されている。また,上記第二の周波数に対応し
た長さ略λ/4の先端が開放された円筒状のスリーブ素
子6の基部に,上記同軸給電線1の外部導体1bが接続
され,上記円筒状のスリーブ素子5と同心円状になるよ
うに接続して構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが従来の2周波
共用スリーブアンテナによると,円筒状スリーブ素子
3,4,5,6が同心円状に構成されているので,1周
波のスリーブアンテナよりスリーブ外周の径が太くなる
ため,1周波のスリーブアンテナのレドームに収納でき
なくなる。そのため,2周波用のレドームが新規に必要
となり,部品の共用ができないためコストが高くなる問
題点があった。また,同軸給電線路長が25λH(λH
は第二の周波数に対応した波長)と長いため,2周波の
内,第二の周波数帯域の信号が外部導体に誘起され,第
二の周波数帯域のアンテナの指向性が劣化する影響を与
えている。本発明は,上記の問題点1に鑑みてなされた
もので,その目的とするところは上記問題を解決するた
めに,小型の2周波共用スリーブアンテナの構造を提供
することである。他の目的は,既存の1周波スリーブア
ンテナのレドームを共用化し,製造コストの低い2周波
共用スリーブアンテナの構造を提供することである。他
の目的は,特に第二の周波数帯域の指向性を向上させた
2周波共用スリーブアンテナの構造を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め,請求項1の発明は2周波共用スリーブアンテナにお
いて,同軸給電線先端部の外部導体を取り除いて形成し
た放射素子の基部と端部の間にインダクタンス素子を有
し,さらに,スリーブ素子の基部と端部の間にインダク
タンス素子を設けて構成される。
【0005】請求項2の発明は,請求項1の発明におい
て,スリーブアンテナに接続された同軸給電線の外部導
体に,送受信周波数に対応する波長の略λ/4に相当す
る長さの先端開放の折り返し部を設けて構成される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に,本発明を具体化した実施
の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は,本発
明に係る2周波共用スリーブアンテナ7の一例を示す説
明図であり,1は同軸給電線,8aは第一および第二の
周波数送受信用の放射素子,8bは第一の周波数送受信
用の放射素子,9はインダクタンス素子,10a,10
cは第一および第二の周波数送受信用のスリーブ,10
b,10dは第一の周波数送受信用のスリーブ,11
a,11bはインダクタンス素子であり,同軸給電線1
及び放射素子8a,8bは直線状に配置されている。
【0007】ここで,本願の実施例について詳細に説明
する。図1,図2に示すように,放射素子8a,8b
は,同軸給電線1の外部導体を除いた中心導体と,その
周囲を覆う誘電体とで構成されている。第一の周波数の
波長をλL,第二の周波数の波長をλHとすると,放射
素子の直径W1は0.002〜0.05λL ,放射素
子8bの長さL1は0.05〜0.1λL,放射素子8
aの長さL2は0.25〜0.35λHである。また,
スリーブ素子は同軸給電線1に平行かつ対象軸に対向配
置した2組の導電性板体10a,10b,10c,10
d,11a,11bからなり,双方は互いに直交配置さ
れて上部で十字状に互いに連結されている。導電性板体
10a,10b,10c,10d,11a,11bの寸
法について,導電性板体10a,10cの長さL3は
0.06〜0.15λL,インダクタンス素子11a,
11bの長さL4は0.08〜0.3λH,導電性板体
10b,10dの長さL5は0.03〜0.11λH,
導電性板体10a,10b,10c,10dの横幅W2
は0.02〜0.06λL,インダクタンス素子11
a,11bの横幅W3は0.008〜0.03λHで形
成され,連結部12は中央に円形の挿通孔12cが形成
され,導電性材料で形成された連結部材13が装着さ
れ,同軸給電線1の外部導体と接続されている。尚,導
電性板体10b,11a,10d,11bの部分に関し
ては,対向配置した1組だけでもよい。
【0008】更に,上記スリーブアンテナ7の下部の同
軸給電線上には,上記と同様に第二の周波数の受信電波
の波長λHに対応した第二のスリーブ素子が配置され,
その導電性板体12は同軸給電線1に平行かつ対象軸に
対向配置した2組の導電性板体12a,12bから成
り,双方は互いに直交配置されて上部で十字状に互いに
連結されている。導電性板体12a,12bの長さL6
は0.1〜0.25λH,導電性板体12a,12bの
横幅W4は0.05〜0.13λHで形成されている。
また,スリーブ素子10a,10cとスリーブ素子12
a,12bの間の長さL7は0.6〜0.8λHで形成
されている。尚,スリーブ素子10aの面とスリーブ素
子12aの面および,スリーブ素子10cの面とスリー
ブ素子12bの面を各々同一面に配置したが,スリーブ
素子12a,12bを同軸給電線1の軸線に対して任意
の角度(例えば45度)だけ回転して取付けても良い。
また,図3(A)に示すように,2周波共用スリーブア
ンテナ7はレドーム20(詳しくは20a,20b)に
収納されている。
【0009】尚,レドーム20には,アンテナスタンド
21と一体形成されたヒンジ部21aと嵌合するヒンジ
受部20cが,レドーム20aに一体形成されている。
レドーム20,アンテナスタンド21は,合成樹脂材料
で形成されている。また,レドーム20は,電波の透過
性の良い材質が用いられている。2周波共用スリーブア
ンテナ7を収納したレドーム20をアンテナスタンド2
1に取付けた状態では,図3(B)に示すように,レド
ーム20(換言すれば2周波共用スリーブアンテナ7)
を矢印22の方向に可動させることができ,2周波共用
スリーブアンテナの指向性23を目標物方向に調整する
ことができるようになっている。以上,詳述したよう
に,同軸給電線先端部の外部導体を取り除いて形成した
放射素子の基部と端部の間にインダクタンス素子を有
し,さらにスリーブ素子の基部と端部の間にインダクタ
ンス素子を設けたので,図7に示すような同心円状のス
リーブ4,6が不要となり,アンテナの小型化が可能と
なる。
【0010】次に,2周波共用スリーブアンテナ7の動
作について述べる。上記スリーブアンテナ7が接続され
ている同軸給電線1の他方の端部には,記載しない同軸
コネクターが接続されている。この同軸コネクターを記
載しない送受信機の共用アンテナ端子に接続することに
より,2周波のうち,第一の周波数の送信電波は8b〜
10b間全体で放射され,第二の周波数の受信電波はイ
ンダクタンス9,11a,11bでインピーダンスが高
くなり,そこから先端へは伝送されず8a〜10a間で
放射される。尚,スリーブ素子12a,12bを設けた
ので,同軸給電線1の外部導体から伝送されてくる第二
の周波数帯の不要信号は抑制され,指向特性が向上す
る。
【0011】次に,指向特性の向上について詳述する。
図4〜図6は,放射素子を軸とした垂直面の指向特性を
表したものである。図4は,スリーブ素子12a,12
bを設ける前のデータであり指向特性に乱れが生じてい
るが,本発明のスリーブ素子12a,12bを設けた場
合は,図5に示すように指向特性が向上していることが
分かる。図6は,スリーブ素子12a,12bを設けた
場合の第一の周波数における指向性を表しており,2周
波に渡って良好な指向特性が得られていることがわか
る。尚,本発明は上記実施の形態に限定されるものでは
なく,以下に例示するように,本発明の趣旨を逸脱しな
い範囲で適宜に変更して実施することも可能である。本
実施例では,放射素子は同軸給電線1の中心導体および
中心導体を絶縁するための誘電体で形成したが,誘電体
を全て除去しても良いし,誘電体の一部を除去しても良
い。ただし,この場合は2周波の指向性,利得,定在波
比が規定値に入るようにL1〜L7,W1〜W4の値を
最適化する必要がある。
【0012】
【発明の効果】以上詳述したように,請求項1の発明に
よれば,1周波のスリーブアンテナの寸法で2周波の電
波を放射できるため,1周波のスリーブアンテナのレド
ームに収納ができるので,部品の共用が可能となり新規
の金型費用などが不要になり,コストを安くすることが
できる。
【0013】請求項2の発明によれば,同軸給電線の外
部導体からの影響を抑圧することができ,指向特性を向
上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2周波共用スリーブアンテナの斜視
図。
【図2】図1に示す2周波共用スリーブアンテナの寸法
図。
【図3】(A)2周波共用スリーブアンテナをレドーム
に収納する場合の説明図。(B)アンテナ部の回動動作
と指向性の関係を示す説明図。
【図4】スリーブ12a,12bを設けない場合の,第
二の周波数における垂直面指向性を示す特性図。
【図5】スリーブ12a,12bを設けた場合の,第二
の周波数における垂直面指向性を示す特性図。
【図6】スリーブ12a,12bを設けた場合の,第一
の周波数における垂直面指向性を示す特性図
【図7】(A)従来の2周波共用スリーブアンテナを示
す部分斜視図。(B)図7(A)のAA線矢視断面図。
【符号の説明】
1…同軸給電線,7…2周波共用スリーブアンテナ,8
a,8b…放射素子,9,11a,11b…インダクタ
ンス素子,10a,10b,10c,10d…スリーブ
素子,12a,12b…スリーブ素子,12c…挿通
孔,13…連結部材,20a,20b…レドーム,20
c…ヒンジ受部,21…アンテナスタンド,21a…ヒ
ンジ部,23…指向性を説明する補助線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同軸給電線を放射素子とした2周波共用ス
    リーブアンテナにおいて,同軸給電線先端部の外部導体
    を取り除いて形成した放射素子の基部と端部の間にイン
    ダクタンス素子を有し,さらにスリーブ素子の基部と端
    部の間にインダクタンス素子を設けたことを特徴とす
    る,直線偏波用2周波共用スリーブアンテナ。
  2. 【請求項2】上記スリーブアンテナに接続された同軸給
    電線の外部導体に,送受信周波数に対応する波長の略λ
    /4に相当する長さの先端開放の折り返し部を設けたこ
    とを特徴とする,請求項1に記載の2周波共用スリーブ
    アンテナ。
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