JP2005072504A - 配線基板 - Google Patents

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Atsuhiro Kobayashi
厚博 小林
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Abstract

【課題】 熱伝導率が高い絶縁基体に、半導体素子の低消費電力化に対応して信号のより一層の低損失化が可能な低抵抗の配線層が形成されているとともに、その配線層に金属部材が強固にろう付けされて成る配線基板を提供すること。
【解決手段】 配線基板は、熱伝導率が10W/m・K以上のセラミックスから成る絶縁基体1と、絶縁基体1との同時焼成により絶縁基体1に形成されたタングステンおよびモリブデンの少なくとも1種と銅とから成る第1配線層2と、絶縁基体1との同時焼成により絶縁基体に形成されたタングステンおよびモリブデンの少なくとも1種と鉄族金属とから成る第2配線層3と、第1配線層2および第2配線層3の表面に被着された銅めっき層8と、第2配線層3にろう付けされた金属部材6とを具備し、銅めっき層8と第2配線層3との間にそれらの成分が相互に拡散した拡散層が形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、熱伝導性が高い絶縁基体の表面に、低抵抗の第1配線層と、高接着強度を有し金属部材がろう付けされる第2配線層とを具備した配線基板に関するものである。
従来、半導体素子が搭載される配線基板は、一般に、アルミナセラミックスから成る絶縁基体の少なくとも表面に、タングステンやモリブデンなどの高融点金属からなる配線層を被着形成したセラミック配線基板が多用されている。ところが、従来から多用されている高融点金属からなる配線層では、電気抵抗の高い高融点金属(タングステン:電気抵抗率(20℃)5.5×10−6Ω・cm、モリブデン:同5.7×10−6Ω・cm)からなることから、配線層を、半導体素子等の演算速度の高速化等に対応して十分に低抵抗とすることができないという問題があった。
これに対して、近年に至り、低抵抗導体である銅や銀(銅:電気抵抗率(20℃)1.7×10−6Ω・cm、銀:同1.6×10−6Ω・cm)と同時焼成可能な、いわゆるガラスセラミックスを用いた配線基板が提案されている。
ところが、ガラスセラミックスに施される銅,銀等から成るメタライズ層の接着強度が高々19.6N(2kgf)以下と低いため、この配線層に外部接続用のリード端子等の金属部材を取着した場合、配線層と絶縁基体との接着強度が不十分となり、配線層の剥がれ等を生じやすくなってしまうという問題がある。
また、ガラスセラミックスの熱伝導率は高々2W/m・Kしかなく、近時の高集積化にともない作動時の発熱量の増大している半導体素子等からの放熱を効率よく行なうことができないという問題もある。
そこで、この電気的問題点と、配線層の接着強度の不足、および熱的問題を同時に解決する方法として、本出願人は先に酸化アルミニウムを主成分とする相対密度が95%以上のセラミックスから成る絶縁基体と、絶縁基体の表面および/または内部に銅を10〜70体積%、タングステンおよび/またはモリブデンを30〜90体積%の割合で含有する第1のメタライズ層(第1配線層)と、絶縁基体の表面にタングステンおよび/またはモリブデンを50体積%の割合で含有し、鉄族元素を酸化物換算で0.1〜5体積%、酸化アルミニウムを0〜45体積%の割合で含有してなる第2のメタライズ層(第2配線層)とを具備する配線基板およびその製造方法を提案した(特許文献1参照)。
この配線基板によれば、絶縁基体が酸化アルミニウム質焼結体等から成り、かつ相対密度が高く緻密であるため熱伝導性が高く、また、第1のメタライズ層(第1配線層)が低抵抗の銅を含有するため配線層を形成する導体の電気抵抗を低く(電気抵抗率(20℃)で約3×10−6〜5×10−6Ω・cm)することができる。
また、第2のメタライズ層(第2配線層)がモリブデンおよび/またはタングステンと鉄族元素とから成ることから、低温での焼結性が良好で、配線層の絶縁基体に対する接着強度が例えば約39.2〜58.8N(4〜6kgf)程度と優れるとともに、第1のメタライズ層(第1配線層)との同時焼成が可能である。
なお、この配線基板は以下の工程により製作される。即ち、
(1)酸化アルミニウム等のセラミック粉末に助剤、着色剤等を添加してなる原料粉末に、有機バインダー,溶剤等を添加して得た泥漿状物をシート状に成形してセラミックグリーンシートを形成する工程、
(2)このセラミックグリーンシートの表面に、タングステンおよび/またはモリブデンを30乃至90体積%、銅を10乃至70体積%の割合で含有して成る第1の導体ペーストを塗布するとともに、鉄族金属を酸化物換算で0.1乃至5体積%、タングステンおよび/またはモリブデンを95乃至99.9体積%の割合で含有して成る第2の導体ペーストを塗布する工程、
(3)第1,第2の導体ペーストを塗布したセラミックグリーンシートを焼成し、タングステンおよび/またはモリブデンと銅とから成る第1配線層及びタングステンおよび/またはモリブデンと鉄族金属とから成る第2配線層を有する絶縁基体を得る工程である。
特開2000−188453号公報
しかしながら、上記従来の配線基板は、配線層が、電気抵抗率で約3×10−6〜5×10−6Ω・cmと従来品に比し低抵抗の導体で形成されているものの、近年の半導体素子の低消費電力化に伴い、配線層中で伝播される信号のより一層の低損失化が必要となり、さらなる低抵抗化が求められるようになってきている。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて完成されたもので、その目的は、熱伝導率が高い絶縁基体に、半導体素子の低消費電力化に対応して信号のより一層の低損失化が可能な低抵抗の配線層が形成されているとともに、その配線層にリード端子等の金属部材が強固にろう付けされて成る配線基板を提供することである。
本発明の配線基板は、熱伝導率が10W/m・K以上のセラミックスから成る絶縁基体と、該絶縁基体との同時焼成により前記絶縁基体に形成されたタングステンおよびモリブデンの少なくとも1種と銅とから成る第1配線層と、前記絶縁基体との同時焼成により前記絶縁基体に形成されたタングステンおよびモリブデンの少なくとも1種と鉄族金属とから成る第2配線層と、前記第1配線層および第2配線層の表面に被着された銅めっき層と、前記第2配線層にろう付けされた金属部材とを具備しており、前記銅めっき層と前記第2配線層との間にそれらの成分が相互に拡散した拡散層が形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の配線基板は、好ましくは、前記拡散層の厚みが0.5乃至2.5μmであることを特徴とするものである。
本発明の配線基板によれば、絶縁基体の熱伝導率が10W/m・K以上と高いことから、近時の発熱量が増大している半導体素子を搭載したとしても、その半導体素子の作動にともなう発熱を絶縁基体を介して効率良く外部に放散させることができる。
また、本発明の配線基板によれば、第1配線層をタングステンおよび/またはモリブデンと銅とで形成するとともに、その表面に、電気抵抗率が1.7×10−6Ω・cmと、配線層を形成する導体の約1/2程度の低抵抗の銅からなるめっき層を被着したことから、第1配線層をより一層低抵抗とし、第1配線層を伝播する信号の損失を極めて効果的に低減させることができ、半導体素子を正常に作動させることができる。
また、本発明の配線基板によれば、銅を主成分とする第1配線層の表面に銅めっき層を被着させ、第1配線層と銅めっき層との結合が主として同じ金属である銅同士の結合となることから、銅めっき層を第1配線層に強固に被着させることができる。
また、本発明の配線基板によれば、金属部材がろう付けされる第2配線層をタングステンおよび/またはモリブデンと鉄族金属とで形成したことから、第2配線層を絶縁基体に強固に接着させることができるとともに絶縁基体に対し金属部材を強固にろう付け固定することが可能となる。
また本発明の配線基板によれば、第2配線層の表面に銅めっき層を被着させるとともに、銅めっき層と第2配線層との間に、銅成分が相互に拡散して成る銅の拡散層を形成したことから、金属部材を第2配線導体にろう付けする際のろう材の濡れ性を良好にすることができるとともに、ろう付け時に、銅めっき層の銅成分がろう材中に拡散することを効果的に防止することができ、ろう材を介して金属部材を第2配線層に極めて強固にろう付けすることができる。
本発明の配線基板によれば、好ましくは、拡散層の厚みを0.5乃至2.5μmとしたことから、この拡散層を介して、第2配線層に銅めっき層をより確実に強固に被着させておくことができるとともに、拡散層の存在に起因して銅めっき層の電気伝導性が低下するようなことをより確実に防止し、第2配線層をより確実に低電気抵抗とすることができ、より低電気抵抗の配線基板とすることができる。
本発明の配線基板について添付の図面を基に以下に説明する。図1は、本発明の配線基板を半導体素子搭載用の配線基板に用いた場合の実施の形態の例を示し、1は絶縁基体、2は第1配線層、3は第2配線層であり、これらの絶縁基体1、第1配線層2、第2配線層3により半導体素子4を搭載する配線基板5が主に構成され、第2配線層3には外部接続用の金属材料からなるリード端子6がろう材7を介してろう付け取着されている。
なお、絶縁基体1に形成した貫通孔1a内にも第1配線層2と同様の導体が充填され、第1配線層2と第2配線層3とを電気的に接続するようにしている。
本発明によれば、図2に要部拡大断面図で示したように、第1配線層2をタングステンおよびモリブデンの少なくとも1種と銅とにより形成するとともに、第2配線層3をタングステンおよびモリブデンの少なくとも1種と鉄族元素とにより形成したものであり、第1配線層2および第2配線層3は絶縁基体1と同時焼成によって形成されたものである。また、第1配線層2および第2配線層3の表面には銅めっき層8が被着されている。
本発明において、絶縁基体1は半導体素子4を搭載し支持する基体として作用し、酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,炭化珪素質焼結体等のセラミックスにより形成され、上面に半導体素子4が搭載される。
また絶縁基体1は、その熱伝導性を10W/m・K以上するとともに、機械的強度を良好とする上では、相対密度95%以上の高緻密体から構成されるものであることが好ましい。さらに絶縁基体1は、第1配線層2との同時焼成による保形性を良好なものとする上では、1200℃乃至1500℃の低温で焼成することが必要となるが、このような低温での焼成においても相対密度95%以上に緻密化することがよい。
かかる観点から、本発明における絶縁基体1は、例えば、酸化アルミニウムを主成分とするもの、具体的には酸化アルミニウムを90重量%以上の割合で含有するものが好適に使用され、第2の成分として、Mn化合物をMnO換算で2.0乃至6.0重量%の割合で含有するものが好ましい。即ち、マンガン化合物が2.0重量%よりも少ないと、1200℃乃至1500℃での緻密化が達成されにくくなり、また6.0重量%よりも多いと絶縁基体1の電気的な絶縁性が低下する。マンガン化合物の最適な範囲はMnO換算で3乃至7重量%である。
また、この絶縁基体1中には、第3の成分として、SiOおよびMgO,CaO,SrO等のアルカリ土類元素酸化物を低温焼結性を高めるために合計で0.4乃至8重量%の割合で含有させることが好ましい。
さらに、この絶縁基体1中には、着色成分や誘電率などの誘電特性の向上のために、W,Mo,Crなどの金属を着色成分とし2重量%以下の割合で含んでいてもよい。
上記酸化アルミニウム以外の成分は、酸化アルミニウム主結晶相の粒界に非晶質相あるいは結晶相として存在するが、熱伝導性を高める上で粒界中に助剤成分を含有する結晶相が形成されていることが好ましい。
また、絶縁基体1を酸化アルミニウムを主成分として形成した場合、酸化アルミニウム主結晶相は、粒状または柱状の結晶として存在するが、これら主結晶相の平均結晶粒径は、1.5乃至5.0μmであることが好ましい。なお、主結晶相が柱状結晶からなる場合、上記平均結晶粒径は、短軸径に基づくものである。この主結晶相の平均結晶粒径が1.5μmよりも小さいと、高熱伝導化が難しく、平均粒径が5.0μmよりも大きいと基板材料として用いる場合に要求される十分な強度が得られにくくなる。
本発明において、第1配線層2は、配線基板5に搭載された半導体素子4の電極を接続させる電極パッドとして作用するとともに、半導体素子4の電極を外部に導出する導電路として作用し、第2配線層3は外部接続用のリード端子6等の金属部材をろう材7を介してろう付け取着するための接続パッドとして作用する。
第1配線層2は、銅を10乃至70体積%、タングステンおよびモリブデンの少なくとも1種を30乃至90体積%の割合で含有することが好ましい。これは、第1配線層2の低抵抗化と、絶縁基体1との同時焼成性を達成するとともに、第1配線層2の同時焼成時の保形成を維持するためである。上記銅の量が10体積%よりも少なく、タングステンやモリブデン量が90体積%よりも多いと、第1配線層2を形成する導体の電気抵抗が約5×10−6Ω・cm以上と高くなる。また銅の量が70体積%よりも多く、タングステンやモリブデン量が30体積%よりも少ないと、第1配線層2の同時焼成時の保形成が低下し、第1配線層2においてにじみが発生したり、溶融した銅によって第1配線層2が凝集して断線が生じるとともに、絶縁基体1と第1配線層2の熱膨張系数差により第1配線層2の剥離が発生するためである。最適な組成範囲は、銅が40乃至60体積%、タングステンおよびモリブデンの少なくとも1種が60乃至40体積%である。
また、本発明においては、第1配線層2中におけるタングステンやモリブデンは、平均粒径1乃至10μmの球状あるいは数個の粒子による焼結粒子として銅からなるマトリックス中に分散含有されていることが好ましい。これは、上記平均粒径が1μmよりも小さい場合、第1配線層2の保形性が悪くなるとともに組織が多孔質化し第1配線層2の抵抗も高くなる。10μmを超えると、銅のマトリックスがタングステンやモリブデンの粒子によって分断されてしまい第1配線層2の抵抗が高くなったり、銅成分が分離してにじみなどが発生するためである。タングステン,モリブデンは平均粒径は1.3乃至5μm、特に1.3乃至3μmの大きさがよく、その平均粒径で第1配線層2中に分散されていることがより好ましい。
また、上記第1配線層2中には、絶縁基体1との密着性を改善するために、アルミナセラミックス、または絶縁基体1と同じ成分のセラミックスを0.05乃至2体積%の割合で含有させることも可能である。
さらに、本発明の配線基板5においては、銅を含有する第1配線層2を銅の融点を超える温度で絶縁基体1と同時焼成することにより、第1配線層2中の銅成分が絶縁基体1中に拡散する場合があるが、銅を含む第1配線層2の周囲のセラミックスへの銅の拡散距離が20μm以下、特に10μm以下であることが好ましい。これは、銅のセラミックス中への拡散距離が20μmを超えると、電気回路形成時に第1配線層2間の絶縁性が低下し電気回路の信頼性が低下するためである。銅の拡散距離を20μm以下とすることにより、第1配線層2のうち、同一平面内に形成された第1配線層2間の最小線間距離を100μm以下、特に90μm以下として高密度化を成すことができる。
また本発明の配線基板5においては、図2に示すように、第1配線層2の表面に銅めっき層8が被着されている。この銅めっき層8は、電気抵抗率が1.7×10−6Ω・cmと非常に低抵抗の銅からなることから、第1配線層2をより一層低抵抗とし、配線基板5に搭載される半導体素子4の低消費電力化に対応して、第1配線層2中を伝播される信号の損失を極めて小さなものに低減する作用をなす。
この銅めっき層8は、その厚みが3μm未満では、後述するように第2配線層3の銅めっき層8と第2配線層との間に拡散層を形成するための熱処理等の際に銅成分の不要な拡散により電気抵抗が高くなる傾向があり、15μmを超えると内部応力により第1配線層2に対する密着性が低下し、フクレ,ハガレ等の不具合を生じるおそれがある。従って、第1配線層2に被着する銅めっき層8は、その厚みを3μm乃至15μmの範囲としておくことが好ましく、3μm乃至6μmの範囲としておくことがより一層好ましい。
また銅めっき層8は、後述するめっき液成分の銅めっき層8中への共析量が0.1重量%を超えると、これらの共析成分が銅の結晶粒間に存在することに伴う電気抵抗の増大を生じるおそれがある。従って、銅めっき層8は、共析成分の含有量が0.1重量%未満の高純度のものであることが好ましい。
さらに、本発明の配線基板5においては、絶縁基体1の表面に、タングステンおよびモリブデンの少なくとも1種と鉄族元素とから成り、リード端子6等の金属部材がろう付けされる第2配線層3が形成されている。この第2配線層3に対しては、金属部材との高い接合強度とともに、絶縁基体1との高い接着強度が要求される。しかしながら、第1配線層2の組成では十分な接着強度を得ることが難しい。
そこで、本発明によれば、第2配線層3を上記組成とすることにより絶縁基体1との高い接着強度を付与し得る。すなわち、第2配線層3を、導体成分として低融点の銅を多量に含有する第1配線層2と同時焼成によって形成する場合、その焼成温度を1200乃至1500℃の低温として焼成する必要があることから、タングステンやモリブデンのみからなる導体では、その低温焼成時に十分に焼結することができない。
そして、本発明によれば、タングステンやモリブデン以外に、鉄族金属を酸化物換算で0.1乃至5体積%の割合で含有させることにより、低温での焼結性を高めることができる。従って、この鉄族金属の量が0.1体積%未満の場合には、第2配線層3の緻密化が進行せず焼結不良になるため、絶縁基体1との接着強度が低下する。逆に、鉄族金属の量が5体積%を超える場合には、タングステン,モリブデンの粒子が異常粒成長し接着強度が低下する。この鉄族金属の量は、特には酸化物換算で0.5乃至2体積%が好ましい。
また、この第2配線層3中には、酸化アルミニウム等を主成分とする絶縁基体1との接着強度を高めるために、酸化アルミニウム等の絶縁基体1と同種のセラミック粉末を添加することも有効である。しかし、その含有量が45体積%よりも多いと焼結不良を招くとともに後述するめっき工程においてめっき欠け(めっきが付着しない)が発生する。このめっき欠けは、リード端子6等の金属部材の接合信頼性の低下を招く。したがって、例えば酸化アルミニウムの場合、第2配線層3中に添加される酸化アルミニウムのセラミック粉末の含有量は特に2〜35体積%が好ましい。
この第2配線層3中の鉄族金属としては、鉄,ニッケル,コバルトが挙げられるがこれらの中でもニッケルが最も好ましい。また、鉄族金属の酸化物換算量は、鉄(Fe)の場合はFe、ニッケル(Ni)の場合はNiO、コバルト(Co)の場合はCoの形態で換算した量である。
なお、リード端子6は、配線基板の外部接続用の端子として作用し、銅や銅を主成分とする合金、鉄−ニッケル合金、鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属材料から成り、金属材料に圧延加工、打抜き加工等の周知の金属加工を施すことにより形成される。このリード端子6は、第2配線層3上に、間に銀−銅共晶ろう等のろう材を挟んで載せるとともに、約800℃で熱処理することにより第2配線層3上にろう付け取着される。
本発明の配線基板5においては、第2配線層3の表面にも銅めっき層8が被着されている。第2配線層3に被着される銅めっき層8は、モリブデンおよびタングステンの少なくとも1種と鉄族金属とから成る第2配線層3に対する密着性が良好であるとともに、ろう材7の濡れ性が良好であることから、第2配線層3にろう材7を介してリード端子6を強固に接合することができる。
本発明の配線基板においては、第2配線層3に被着された銅めっき層と第2配線層3との間に、それらの成分が相互に拡散した拡散層が形成されている。拡散層を形成しておくことにより、リード端子6を第2配線導体3にろう付けする際のろう材7の濡れ性を良好にすることができるとともに、ろう付け時に、銅めっき層8の銅成分がろう材7中に拡散することを効果的に防止することができ、ろう材7を介して金属部材としてのリード端子6を第2配線層3に極めて強固にろう付けすることができる。
この場合、拡散層の厚みは0.5μm乃至2.5μmとすることが好ましい。拡散層の厚みを上記範囲とすることにより、この拡散層を介して、第2配線層3に銅めっき層8をより確実に強固に被着させておくことができるとともに、拡散層の存在に起因して銅めっき層8の電気伝導性が低下するようなことをより確実に防止し、第2配線層3をより確実に低電気抵抗とすることができ、より確実に低電気抵抗の配線基板とすることができる。
この場合、拡散層の厚みが0.5μm未満では、銅めっき層8の第2配線層3に対する被着を、ろう付け時の熱応力等に耐えられるほど十分に強固なものとすることが困難となる。また、2.5μmを超えると、拡散層が厚く銅めっき層8中に存在することにより、銅めっき層8による電気抵抗の低減の効果が不十分になり第2配線層3の電気抵抗を高くしてしまうおそれがある。
また、第2配線層3に被着され、拡散層が形成された銅めっき層8は、その厚みが1μm未満では拡散層の一部が外表面に露出してろう材の濡れ性等を劣化させるおそれがあり、15μmを超えると、ろう材7中にめっき層の銅が拡散しやすくなる傾向があり、ろう材7の成分が所定範囲から外れ、ろう材7に銅成分の偏析や、濡れ性、接合性の劣化等の不具合を生じ、金属部材を第2配線層3に強固にろう付けすることができなくなってしまうおそれがある。従って、第2配線層3に被着され、拡散層が形成された銅めっき層8は、その厚みを1乃至5μmの範囲とすることが好ましい。
なお、この第2配線層3に被着される銅めっき層8は、第1配線層2に被着される銅めっき層8と同様のものを用いることができ、第1配線層2と同時に形成される。
銅めっき層8は、硫酸銅等の銅供給源となる銅化合物と、ホルマリン,次亜リン酸ナトリウム等の還元剤とを主成分とする無電解銅めっき液中に第1配線層2および第2配線層3を所定時間浸漬することにより、第1配線層2および第2配線層3上に所定厚みに被着形成される。この場合、被着形成される銅メッキ層8は、使用する還元剤の種類に応じてめっき層中に含有する共析成分が変化し、例えばホルマリンであれば銅含有量が99.9重量%以上の高純度の銅めっき層8が形成され、次亜リン酸ナトリウムであればリンを数重量%含有する銅めっき層8が形成される。従って、銅めっき層8は低抵抗化を図る上では高純度であることが好ましいことから、ホルマリン等のめっき層中への共析成分を含有しない還元剤を用いることが好ましい。
また、上記第2配線層3と銅めっき層8との間の拡散層は、例えば、第2配線層3の表面に銅めっき層8を被着させた後、温度800℃乃至900℃、時間10分乃至30分、還元雰囲気中で熱処理することにより形成することができる。
また、上記第1配線層2および第2配線層3に被着させた各銅めっき層8は、さらにその露出表面を0.03乃至3μmの厚さの金めっき層(不図示)で被覆しておくとよく、この場合銅めっき層8の酸化腐食を効果的に防止することができるとともに、ボンディングワイヤのボンディング性等をより一層良好とすることができる。
かくして、本発明の配線基板は、絶縁基体1の搭載部に半導体素子4を搭載するとともに半導体素子4の各電極を第1配線層2にボンディングワイヤ9を介して電気的に接続し、しかる後、必要に応じて半導体素子4を金属やセラミックスから成る板状の蓋体や封止樹脂(不図示)等を用いて気密封止することによって、製品としての半導体装置が完成する。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。例えば、上記実施の形態では、本発明の配線基板を半導体素子搭載用の配線基板に適用した場合について説明したが、これを混成集積回路基板等に適用してもよい。
本発明の配線基板について実施の形態の例を示す断面図である。 図1の配線基板の要部拡大断面図である。
符号の説明
1・・・絶縁基体
1a・・・貫通孔
2・・・第1配線層
3・・・第2配線層
4・・・半導体素子
5・・・配線基板
6・・・リード端子
7・・・ろう材
8・・・銅めっき層
9・・・ボンディングワイヤ

Claims (2)

  1. 熱伝導率が10W/m・K以上のセラミックスから成る絶縁基体と、該絶縁基体との同時焼成により前記絶縁基体に形成されたタングステンおよびモリブデンの少なくとも1種と銅とから成る第1配線層と、前記絶縁基体との同時焼成により前記絶縁基体に形成されたタングステンおよびモリブデンの少なくとも1種と鉄族金属とから成る第2配線層と、前記第1配線層および第2配線層の表面に被着された銅めっき層と、前記第2配線層にろう付けされた金属部材とを具備しており、前記銅めっき層と前記第2配線層との間にそれらの成分が相互に拡散した拡散層が形成されていることを特徴とする配線基板。
  2. 前記拡散層の厚みが0.5乃至2.5μmであることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
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