JP2005072409A - エピタキシャル基板、半導体積層構造、エピタキシャル基板の製造方法、およびエピタキシャル基板表面におけるピット発生抑制方法 - Google Patents

エピタキシャル基板、半導体積層構造、エピタキシャル基板の製造方法、およびエピタキシャル基板表面におけるピット発生抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高品質かつピットの発生が抑制されたAl含有III族窒化物半導体のエピタキシャル基板を提供する。
【解決手段】サファイアやSiCなどの単結晶基材に対し、NHガスにより窒化処理を行うことによって基材表面に窒化層を形成し、さらにバッファ層をIII族窒化物層のエピタキシャル形成温度よりも低温で、かつ、ごく薄く(5nm以下)形成する。そのうえで、III族窒化物層をエピタキシャル形成する。これにより、X線ロッキングカーブ測定による(002)面半値幅が200sec以下、(102)面半値幅が1500sec以下であって基板表面が原子レベルで平坦であるという結晶品質を実現し、かつ、基板表面におけるピットの発生が従来よりも1/15〜1/10程度に抑制されたエピタキシャル基板を得ることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、基材の上にIII族窒化物層を形成したエピタキシャル基板、およびその製造技術に関する。
GaN系化合物半導体やAlN系化合物半導体などのIII族窒化物半導体には、他の半導体と比較して、バンドギャップが大きい上、絶縁破壊電界が大きく、飽和電子移動度が高いという特徴がある。このため、III族窒化物半導体は、紫外〜緑色領域のLED(発光ダイオード;Light Emitting Diode)、LD(レーザーダイオード;Laser Diode)、受光素子などの光デバイスや高周波特性に優れたHEMT(高電子移動度トランジスタ;High Electron Mobility Transistor)、HBT(ヘテロバイポーラトランジスタ;Hetero Bipolar Transistor)などの電子デバイスの材料として、多くの研究対象となっている。
しかしながら、III族窒化物半導体については、大サイズのバルク単結晶を作製することが現状では困難であることから、上記のようなデバイスにおいて基板材料として用いる場合、例えばMOCVD法(有機金属化学気相成長法;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を用いて、III族窒化物半導体をサファイアやSiC等の単結晶基材上にヘテロエピタキシャル成長させた、いわゆるエピタキシャル基板が用いられる。例えばGaN系化合物のエピタキシャル基板の場合、これらの基材とGaN系化合物との格子不整合が大きいため、基材上に直接エピタキシャル層を形成したとしても、高品質のエピタキシャル基板を得ることはできないが、エピタキシャル層と基材との間に、高品質な単結晶が成長しない温度にてAlNやGaNからなるバッファ層(低温バッファ層)を形成することによって、高品質のエピタキシャル基板が得られることが既に公知となっている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
一方、AlN系化合物については、エピタキシャル層の形成に先立ち基材を例えばNH雰囲気にて窒化することによって、結晶品質を改善する技術が公知となっている(例えば特許文献3参照。)。また、GaN系化合物の場合と同様に、低温バッファ層を形成することにより高品質のAlNが形成されるとの報告例もある(例えば、非特許文献1参照。)。
特公平8−8217号公報 特許3026087号公報 特開2002−367917号公報 Amy Hanlon, P. Morgan Pattison, John F. Kaeding, Rajat Sharma, Paul Fini and Shinji Nakamura "292nm AlGaN single-quantum well light emitting diodes grown on transparent AlN base","Jpn.J.Appl.Phys." Vol.42(2003)pp.L628-L630
特許文献1および特許文献2には、GaNあるいはAlGaNのエピタキシャル層を有するエピタキシャル基板の作製において、エピタキシャル層の形成温度よりも低い温度にて、特許文献1においては2nm以上、特許文献2においては10nm以上の低温バッファ層を形成したうえで、エピタキシャル層を形成する技術が開示されている。しかしながら、AlN系化合物のエピタキシャル基板を作製しようとする場合、同程度の膜厚を有する低温バッファ層を形成したとしても、結晶品質のよいエピタキシャル層が得られず、場合によってはクラックを発生してしまうという問題がある。これは、係るバッファ層には多量の貫通転位が存在し、これに起因してエピタキシャル層においても多量の転位が生成されることが要因と考えられる。
一方、特許文献3に開示されている技術を用いた場合、窒化をするほど結晶品質はよくなるが、ピットの発生が増加するという問題点がある。これは、基材表面に窒素原子が存在すると、窒化をしない場合よりも基材表面近傍におけるエピタキシャル層形成時の原子の表面拡散が容易となって、結晶成長がより促進されることが理由であると推察される。図9は、これを説明するためのエピタキシャル基板1の平面模式図である。すなわち、窒化処理を行った場合、図9(a)のように基材表面上に結晶核101の形成が起こると、図9(b)のようにひとたび形成された結晶核からの島102の成長が進みやすく、その結果、図9(c)のようにそれぞれに十分成長したうえで島103同士が接触することになる。窒化処理により面方位の揺らぎは低減されるものの、原子の拡散が促進されすぎて核密度が粗になってしまい、島結合部のピットが消失し難いと推察される。また、基材の窒化には、基材表面に窒素が導入されることにより、基材本体から窒化アルミニウムに近い状態に組成及び結晶構造が連続的に変化し、格子ミスマッチを効率よく緩和するという効果もある。
また、非特許文献1においては、所要の効果を得るために必要とされる低温バッファ層の厚みが特定されておらず、結晶品質と低温バッファ層の厚みとの相関が明確ではない。
本発明は、上記の問題点を解決するものであり、結晶品質に優れ、かつピットの発生が抑制されたAl含有III族窒化物半導体のエピタキシャル基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基材と、前記基材の上にエピタキシャル形成され、含有される全てのIII族元素に対するAl元素のモル分率が50%以上であるIII族窒化物層と、備えるエピタキシャル基板であって、前記基材の表面の少なくとも一部が窒化されており、前記基材の前記表面と前記III族窒化物層との間の少なくとも一部にバッファ層が形成されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のエピタキシャル基板であって、前記バッファ層の厚さが5nm以下であることを特徴とするエピタキシャル基板。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のエピタキシャル基板であって、前記バッファ層の形成温度が前記III族窒化物層の形成温度よりも低いことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載のエピタキシャル基板であって、前記バッファ層の形成温度が1100℃以下であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1または請求項4に記載のエピタキシャル基板であって、前記Al元素のモル分率が80%以上であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載のエピタキシャル基板であって、前記III族窒化物層がAlNからなることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、前記バッファ層が、III族窒化物を原料として形成されたものであることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7に記載のエピタキシャル基板であって、前記バッファ層の前記原料に含有される全てのIII族元素に対するAl元素のモル分率が、前記III族窒化物層に含有される全てのIII族元素に対するAl元素のモル分率以上であることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、前記基材が、サファイア単結晶あるいはSiC単結晶からなることを特徴とする。
請求項10の発明は、基材の上に、含有される全てのIII族元素に対するAl元素のモル分率が50%以上であるIII族窒化物層がエピタキシャル形成されてなるエピタキシャル基板を製造する方法であって、前記基材の表面の少なくとも一部を窒化する窒化処理工程と、前記基材と前記III族窒化物層との間の少なくとも一部にバッファ層を形成するバッファ層形成工程と、前記バッファ層の上に前記III族窒化物層をエピタキシャル形成する工程と、を備えることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項10に記載の製造方法であって、前記バッファ層の厚さを5nm以下とすることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項11に記載の製造方法であって、前記窒化処理工程が、前記バッファ層形成工程よりも先に行われることを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項11に記載の製造方法であって、前記窒化処理工程が、前記バッファ層形成工程よりも後に行われることを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項13に記載の製造方法であって、前記バッファ層形成工程は、前記基材の前記表面の上に前記バッファ層として微結晶群の分布を形成させる工程であり、前記窒化処理工程は、前記微結晶群の相互の隙間を介して前記基板の前記表面を窒化する工程であることを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項10ないし請求項14のいずれかに記載の製造方法であって、前記バッファ層の形成温度が前記III族窒化物層の形成温度よりも低いことを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項15に記載の製造方法であって、前記バッファ層の形成温度が1100℃以下であることを特徴とする。
請求項17の発明は、基材の上に、含有される全てのIII族元素に対するAl元素のモル分率が50%以上であるIII族窒化物層がエピタキシャル形成されてなるエピタキシャル基板表面におけるピットの発生を抑制する方法であって、前記基材の表面の少なくとも一部を窒化する窒化処理工程と、前記基材と前記III族窒化物層との間の少なくとも一部にバッファ層を形成するバッファ層形成工程と、前記バッファ層の上に前記III族窒化物層をエピタキシャル形成する工程と、を備えることを特徴とする。
請求項18の発明は、半導体積層構造であって、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のエピタキシャル基板と、前記エピタキシャル基板の上に形成されたIII族窒化物半導体層群と、を備えることを特徴とする。
請求項1ないし請求項17の発明によれば、III族窒化物層の結晶品質が優れ、かつ、ピットの発生が従来よりも抑制されたエピタキシャル基板を提供することができる。
特に、請求項2、および請求項11ないし請求項14の発明によれば、バッファ層の厚みを5nm以下にすることで、結晶核が微細に分散したバッファ層が得られるとともに、エピタキシャル形成に際しては、窒化層の作用により原子の拡散が促進されることによって、エピタキシャル形成の早い段階から結晶核が合体して成長が進むことになる。これにより、結晶品質が良く、かつピットの発生が抑制されたエピタキシャル基板を提供することができる。
特に、請求項3、請求項4、請求項15および請求項16の発明によれば、バッファ層をIII族窒化物層よりも低温で形成することで、結晶核が微細に分散したバッファ層が得られるとともに、エピタキシャル形成に際しては、窒化層の作用により原子の拡散が促進されることによって、エピタキシャル形成の早い段階から結晶核が合体して成長が進むことになる。これにより、結晶品質が良く、かつピットの発生しないエピタキシャル基板を提供することができる。
また、請求項18の発明によれば、III族窒化物層の結晶品質が優れ、かつピットの発生しないエピタキシャル基板を、光デバイスや電子デバイスの作製に用いることになるので、当該光デバイスや電子デバイスの動作性能の向上が実現できる。
<エピタキシャル基板の構造>
図1は、本発明の実施の形態に係るエピタキシャル基板1の積層構造を示す断面模式図である。エピタキシャル基板1は、後述する処理を施した後の基材11の上に、MOCVD法を用いてIII族窒化物層12をエピタキシャル成長させることにより作製されるものである。
基材11は、例えば、サファイア,ZnO,LiAlO,LiGaO,MgAl,(LaSr)(AlTa)O,NdGaO,MgO,Si,SiC,GaAs,AlN,GaN,AlGaNおよびZrB等の単結晶から適宜選択して使用することが可能である。特に、III族窒化物層の表面平坦性を確保するという観点から、基板成長面としては、C面のIII族窒化物層を成長可能な面が望ましく、さらに、III族窒化物層の結晶品質の高品質化の観点から、特に、A面・C面サファイア、C面4H―SiC、6H−SiC単結晶を用いることが望ましい。ここでいうA面、C面は、結晶面の(11−20)面、(0001)面をそれぞれ意味する。また、基材11の厚みにも制限はないが、例えば、220μm〜3000μmの範囲の厚みを有するものが好適である。
基材11には、III族窒化物層12のエピタキシャル形成に先だって所定の窒化処理が施されて、あらかじめその表面に窒化層11aが形成されている。窒化処理は、所定の温度に加熱された基材11をアンモニアガス雰囲気中に保持する態様が、その好適な一例である。この場合、処理条件を変えることにより、窒化層11aの深さを制御することが可能である。特に、この窒化層11aの状態としては、C面サファイア基板を基材11として用いた場合、表面層の1nmの深さにおける窒素含有量が2原子モル%以上、望ましくは5原子モル%以上であることが望ましく、C面4Hあるいは6HSiC基板を基材11として用いた場合、同深さにおける窒素含有量が3原子モル%以上、望ましくは5原子モル%以上であることが望ましい。なお、本窒素含有量はXPS(X線光電子分光)を用いて測定することができる。
III族窒化物層12は、含有する全てのIII族元素に対するAl元素のモル分率が、50%以上、好ましくは80%以上となる組成を有してなる窒化物である。より好ましくは、III族窒化物層12はAlNである。本実施の形態に係るエピタキシャル基板1においては、上述の窒化層11aおよび次述するバッファ層13を形成したうえで、III族窒化物層12のエピタキシャル形成がなされている。III族窒化物層12の形成は、1100℃以上の温度(基材温度)で行うことが好ましい。これより低い温度範囲では、結晶性のよいIII族窒化物層12が得られないからである。より好ましくは、1150℃以上から1250℃で行う。これにより、転位が減少し、III族窒化物層12の結晶性が向上する。また、III族窒化物層12は、0.2μm以上の厚みに形成されるのが好適な一例である。特に、C面サファイア基板を基材とする場合は、好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは0.8μm以上の厚みに形成される。C面4Hあるいは6HSiC基板を基材とする場合は、好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは0.4μm以上の厚みに形成される。厚みの上限については、ピット発生の抑制の観点から、厚ければ厚いほど望ましいが、クラックの発生等他の条件を考慮に入れて、決定する。
また、エピタキシャル基板1においては、基材11とIII族窒化物層12との間に、バッファ層13が形成されている。バッファ層13の形成は、MOCVD法により、III族窒化物層12の形成に先立って行われる。バッファ層13は、後述するIII族窒化物層12の形成の場合と、同一種の原料ガスを用いて形成されるのが好ましい。この場合、バッファ層13は、III族窒化物層12以上のAlモル分率を有することになる。また、バッファ層13はIII族窒化物層12の形成温度よりも低い温度にて形成される。さらに、バッファ層13の厚さは、5nm以下、より好ましくは、2nm以下となるように形成されるのが好ましい。バッファ層13の厚さがこれ以上大きくなると、特許文献1および2に開示された技術を用いた場合と同様に、結晶性が劣化するからである。なお、本実施の形態において、バッファ層13の厚さは、「90%厚さ」によって定義するものとする。ここでいう「90%厚さ」は、AFM(原子間力顕微鏡)により5μm×5μmの表面粗さを測定し、その高さ分布累積グラフの高い側から90%の位置での高さを表すものである。
本実施の形態においては、このように、基材11の窒化処理を行い、さらにバッファ層13をごく薄く形成したうえで、III族窒化物層12をエピタキシャル形成することによって、高品質でかつピットの発生しないエピタキシャル基板1を得ることができる。係る効果が実現する理由は、以下のように推察される。なお、図2はこれを説明するための、エピタキシャル基板1の平面模式図である。
特許文献3に開示された技術を用いる場合、窒化層の上に直接にエピタキシャル層を形成することになるが、本実施の形態では、これと異なり、窒化を行った基材11にいったん、エピタキシャル層であるIII族窒化物層12を形成するよりも低い温度で、バッファ層13を形成している。形成温度が低いことから、直接にエピタキシャル層を形成する場合ほどには、基材表面における原子の拡散は進まないと考えられる。すなわち、図2(a)のように結晶核14が形成され始める状態から始まり、図2(b)に示すように、結晶性の悪い微細な島あるいは結晶核14が、密に分散した状態、換言すれば、微結晶群の分布が形成された状態に至っているものと推定される。なお、図2においては説明の都合上、結晶核14を実際よりも誇張して示しており、図2が基材11に対する結晶核14の実際の相対的な大きさを表すものではない。さらに、厚みをごく薄く形成することを併せ考えると、バッファ層13の断面構造は、図1(a)には窒化層11aを完全に覆う態様ように概念的に描いてあるが、より正確には、図1(b)に示すような状態であるものと推定される。あるいは、結晶が網目状に成長した状態も起こり得ると考えられる。なお、こうした場合、厳密には窒化層11aの上に、当該窒化層11aを全て覆うという狭義の「層」が形成されているとは言えないが、本発明においては、係る場合であっても、バッファ層13が形成されていると称する。
そして、本実施の形態においては、このように微細な島あるいは結晶核が密に分散してなるバッファ層13の上に、III族窒化物層12をエピタキシャル形成させている。係るエピタキシャル形成に際しては、窒化層11aの作用により、初期の段階から原子の配列が揃いやすいことから、結晶方位のそろった島が高密度に形成され、図2(c)さらには(d)に示すように、成膜を継続するに従い近接する島の間で次々と合体が生じ、その結果として、表面が原子レベルで平坦で、かつピットの発生が抑制された高結晶品質のIII族窒化物層12の形成が実現されると考えられる。
また、ピットの発生を抑制することにより、Alを50%以上含むIII族窒化物層の結晶品質の劣化の原因である層内の酸化を抑制することができ、その酸素濃度として、1×1019atoms/cc以下、さらには、1×1018atoms/cc以下を実現することができる。
ここで、結晶性に関しては、III族窒化物層12の(002)面および(102)面のX線ロッキングカーブ測定におけるロッキングカーブ半値幅について、結晶の傾きばらつきの指標となる(002)面においては200sec以下、結晶の面内方位のばらつきの指標となる(102)面においては1500sec以下、という値が実現される。なお、表面窒化によって基材11表面の窒素含有量が多くなるほど、原料元素の表面拡散が効率良く行われるようになるため、結晶性は向上する。ちなみに、(002)面の半値幅が200sec以下というのは、GaNエピタキシャル基板において実現される値よりも優れた値である。また、(102)面が1500sec以上の半値幅を有すると、転位密度がおおむね5×1010/cm以上となって、もはや高品質なエピタキシャル基板であるとはいえない。
<エピタキシャル基板の製造方法>
図3は、本実施の形態に係るエピタキシャル基板1の製造装置2の断面模式図である。製造装置2は、III族有機金属ガスを原料ガスとして用い、化学気相反応法によってIII族窒化物膜を形成する、いわゆる「MOCVD装置」である。製造装置2は、エピタキシャル基板1を作製するための原料ガスを、基材11の主面上に流すことができるように構成されている。また、エピタキシャル基板1に対しさらにエピタキシャル層を多層に形成し、光デバイスや電子デバイスの作製に供する半導体積層構造を実現することも可能である。この際、エピタキシャル基板1上に成長するIII族窒化物は、エピタキシャル基板1の表面層であるIII族窒化物層よりも、含有される全てのIII族元素に対するAl元素のモル分率が大きくないことが望ましい。この条件を満たすことにより、低転位でかつクラックの存在しないIII族窒化物層を実現することができる。たとえば、エピタキシャル基板1の表面層としてAlNを用いた場合、GaN、InNはもちろんのこと、全組成域のAlGaInNを成長させることができる。ここでいうAlGaInNは、n−type、p−type、絶縁性の各種の導電性を持つことが可能である。
製造装置2は、反応性ガスを基材11の主面に導入するための、反応性ガス導入管31を備える。反応性ガス導入管31は、気密の反応容器21内にあり、その2つの外部端は、それぞれ、反応性ガスの導入口22および排気口24となっている。また、反応性ガス導入管31には、基材11の主面上に反応性ガスを接触させるために開口部31hが設けられている。
反応容器21の外側にある導入口22には、配管系L1およびL2が接続されている。
配管系L1は、アンモニアガス(NH)、窒素ガス(N)および水素ガス(H)を供給するための配管系である。
一方、配管系L2は、TMA(トリメチルアルミニウム;Al(CH)、TMG(トリメチルガリウム;Ga(CH)、TMI(トリメチルインジウム;In(CH)、CP2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム;Mg(C)、シランガス(SiH)、窒素ガスおよび水素ガスを供給するための配管系である。さらに、配管系L2には、エピタキシャル基板やデバイス形成の際の原料ガスとなるTMA、TMG、TMIおよびCP2Mgの供給源24d〜24gが接続される。
なお、TMA、TMG、TMIおよびCP2Mgの供給源24d〜24gは、バブリングを行うために、窒素ガスの供給源24bに接続されている。同様に、TMA、TMG、TMIおよびCP2Mgの供給源24d〜24gは、水素ガスの供給源24cに接続される。
また、製造装置2においては、水素(H)もしくは窒素(N)、またはその混合ガスがキャリアガスとして機能する。なお、全てのガス供給系は、流量計を用いて、ガス流量が制御されている。各ガスの流量を適宜に制御することにより、単相も含め、種々の混晶組成を有するIII族窒化物をエピタキシャル形成させることが可能となっている。
さらに、排気口24には、反応容器21の内部のガスを強制排気する真空ポンプ27が接続されている。
また、反応容器21の内部には、エピタキシャル層の形成対象となる基材11を載置する基材台(サセプタ)28と、基材台28を反応容器21の内部に支持する支持脚29とが設けられる。基材台28は、その直下に設けられたヒータ30によって加熱することにより温度制御可能である。ヒータ30は、例えば抵抗加熱式のヒータである。製造装置2においては、基材11と密着している基材台28の温度を変更することにより、エピタキシャル層の成長温度を変化させることが可能である。換言すれば、MOCVD法におけるエピタキシャル成長温度は、ヒータ30によって可変に制御可能とされている。
<実施例1>
以下、実施例として、本実施の形態に係るエピタキシャル基板の製造方法に係る具体的な製造手順と、作製されたエピタキシャル基板の品質評価結果の一例を説明する。また、当該エピタキシャル基板に半導体積層構造を形成する方法もあわせて説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。図4は、係るエピタキシャル基板の製造手順を示す図である。図5は、係る製造手順の主な段階におけるエピタキシャル基板の積層構造を示す断面模式図である。
本実施例においては、基材11として、直径が2インチ、厚さ430μmの略円形状のC面サファイア単結晶を使用し、(001)面を成長面として、AlNをIII族窒化物層12としてエピタキシャル形成した。
まず、有機溶剤および硫酸(HSO)と過酸化水素水(H)との混合液を用いて基材11を洗浄した(ステップS1)。次に、製造装置2の反応容器21内部に設けられた基材台28に基材11を載置し(ステップS2)、圧力を10Torrと保持した状態で、水素を流速2m/secで流しながら、ヒータ30によって、基材11を1200℃まで昇温した(ステップS3)。なお、以後の処理において、2m/secの総ガス流速を保つように、水素ガス流量を調整した。基材11が1200℃まで加熱されると、この状態で10分間保持することによって、基材11の表面のサーマルクリーニングを行った(ステップS4)。サーマルクリーニングを行うことにより、基板表面が洗浄されるとともに、再結晶化(水素アニール)も進行させることができる。
サーマルクリーニングに引き続き、窒化処理を行った(ステップS5)。窒化処理は、図5(a)に示すように、基材11の温度を1200℃に保った状態で、アンモニア(NH)ガスを、NH分圧が2Torrになるように反応性ガス導入管31に導入することにより行った。基板表面の窒素原子濃度が7mol%となるように窒化時間を調整した。
窒化処理により窒化層11aを形成した後、NHの導入を停止し、いったん950℃まで降温し(ステップS6)、バッファ層形成処理を行った(ステップS7)。バッファ層形成処理は、図5(b)に示すように、950℃に保った状態で、NH分圧を0.2Torr、NHとTMAのモル比をNH:TMA=50:1として反応性ガス導入管31に導入することにより行い、90%厚さが4nmになるようにバッファ層を形成した。
バッファ層の形成を終えると、NHとTMAとの導入を一旦停止し、基材11を1230℃に昇温し(ステップS8)、III族窒化物層12としてAlNをエピタキシャル形成させた(ステップS9)。図5(c)に示すように、AlNの形成は、1230℃に保った状態で、NH分圧を0.4Torr、NHとTMAのモル比をNH:TMA=100:1として反応性ガス導入管31に導入することにより行った。これにより、0.8μm厚のAlNを形成させた。
最終的に得られたエピタキシャル基板1について、AlNの(002)面および(102)面のX線ロッキングカーブ測定を行った。測定は、20枚の基板について行った(以下同様)。結晶の傾きばらつきの指標となる(002)面のロッキングカーブ半値幅の平均値は60sec、結晶の面内方位のばらつきの指標となる(102)面のロッキングカーブ半値幅の平均値は1100secとなった。また、転位密度は1×1010/cmであった。さらに、AFM(Atomic Force Microscope:原子間力顕微鏡)による表面平坦性評価を行った。評価は、20枚の基板について行った(以下同様)。その結果、表面粗さの指標であるRa値の平均値は、0.15nmであり、平均ピット密度は、1個/25μm以下であった。これにより、エピタキシャル基板1の最表面が原子レベルで平坦であり、ピットが少ないことが確認された。
エピタキシャル基板1の上にさらに半導体積層構造を形成する場合、その手順は例えば以下のようになる。なお、以下では、Siがドナーとして機能するHEMT構造を形成する場合を一例として説明する。また、図6は、当該手順に従って形成されたHEMT構造を例示する断面模式図である。まず、TMGおよびアンモニアガスの混合ガスを反応性ガス導入管31の内部へ導入して、Al0.25Ga0.75Nの組成を有する層厚3μmのエピタキシャル層41を形成する。次に、TMAガス、TMGおよびアンモニアガスの混合ガスを反応性ガス導入管31の内部へ導入して、Al0.25Ga0.75Nを層厚25nmのエピタキシャル層42を形成する。
<実施例2>
基材として、サファイアに代わり、直径2インチ、厚さ250μmの単結晶6H−SiCを用い、(001)面を成長面としてエピタキシャル基板を作製した。本実施例においては、実施例1のステップS1に相当する処理として、バッファドフッ酸(buffered HF)にて洗浄を行った後、サーマルクリーニングを30分行い、基材表面の窒素原子濃度が6mol%となるように窒化時間を調整した点を除くと、実施例1と同じ条件で作製を行った。
最終的に得られたAlNの結晶品質を評価したところ、(002)面のX線ロッキングカーブ半値幅の平均値は160sec、(102)面のX線ロッキングカーブ半値幅の平均値は1000secとなった。また、転位密度は1×1010/cmであった。さらに、AFMによる表面平坦性評価の結果、Ra値の平均値は、0.20nmであり、平均ピット密度は1個/25μm以下であった。実施例2においても、エピタキシャル基板1の最表面は原子レベルで平坦であり、ピットが少ないことが確認された。
<比較例1>
上記実施例1において、AlNバッファ層を形成するステップを省略し、基材の窒化処理を行った後、AlNをエピタキシャル形成させた。
最終的に得られたAlNの結晶品質を評価したところ、X線ロッキングカーブの半値幅の平均値は、(002)で70sec、(102)で1000secであり、転位密度は1×1010/cmであった。すなわち、結晶品質は実施例1とほぼ同等であることが確認された。ただし、AFMによる表面平坦性評価を行ったところ、Ra値は0.35nmであり、平均ピット密度は10個/25μm以下であった。すなわち、比較例1においては実施例1の約10倍のピットが存在することになる。
<比較例2>
上記実施例2において、AlNバッファ層を形成する工程を省略し、基材の窒化処理を行った後、AlNをエピタキシャル形成させた。
最終的に得られたAlN膜の結晶品質を評価したところ、X線ロッキングカーブの半値幅の平均値は、(002)で120秒、(102)で1000秒であり、転位密度は1×1010/cmであることが確認された。すなわち、結晶品質は実施例1とはぼ同等であった。ただし、表面平坦性をAFMを用いて評価したところ、Ra値は0.45nmであり、平均ピット密度15個/25μm以下であった。すなわち、比較例2においては実施例2の約15倍のピットが存在することになる。
上記実施例1および実施例2をそれぞれ比較例1および比較例2と比較すれば明らかなように、本実施の形態にかかるエピタキシャル基板は、結晶性、転位密度および表面平滑性の点からみた結晶品質が優れているのみならず、ピットの発生を従来の約1/15〜1/10にまで抑制することが実現されてなるものである。すなわち、本実施の形態においては、基材に窒化処理を施した後、ごく薄いバッファ層を形成した上で、III族窒化物層をエピタキシャル形成することによって、結晶品質がよく、かつピットの発生が抑制されたエピタキシャル基板が実現されているといえる。
<変形例>
上述の実施の形態では、窒化処理の後にバッファ層形成処理を行っているが、これに代わり、バッファ層形成処理を行った後に、窒化処理を行っても、本発明の効果を得ることができるエピタキシャル基板を作製可能である。図7は、係る場合のエピタキシャル基板の製造手順を示す図である。図7においては、基材としてサファイアを用い、AlNをIII族窒化物層としてエピタキシャル形成するものとする。図8は、係る製造手順の主な段階におけるエピタキシャル基板の積層構造を示す断面模式図である。
図7に示す手順においては、有機溶剤およびHSOとHとの混合液を用いて基材11を洗浄し(ステップS101)。次に、製造装置2の反応容器21内部に設けられた基材台28に基材11を載置し(ステップS102)、ヒータ30を用いて基材11を1200℃まで加熱(ステップS103)して、サーマルクリーニングを行う(ステップS104)までは上述の実施例1に示す手順(図4)と同じであるが、その後、基材はいったん950℃まで降温され(ステップ105)、バッファ層形成処理が行われる(ステップ106)ことになる。
バッファ層形成処理においては、図8(a)に示すように、基材11の温度を950℃に保った状態で、NH分圧を0.2Torr、NHとTMAのモル比がNH:TMA=50:1として反応性ガス導入管31に導入し、90%厚さが4nmになるようにバッファ層が形成される。これにより、結晶性の悪い微細な島あるいは結晶核が、密に分散した状態が実現される。
バッファ層が形成されると、NHとTMAの導入を一旦停止し、1230℃まで昇温して(ステップS107)、窒化処理(ステップS108)を行う。図8(b)に示すように、窒化処理は、基材11の温度を1230℃に保った状態で、NHガスを、NH分圧が2Torrになるように反応性ガス導入管31に導入することにより行う。係る窒化処理によって、基材11の少なくともバッファ層13が形成されていない表面部分から、窒化層11aが形成されることになる。この際、バッファ層13の下部にも窒素原子が拡散し、基材11の最表面及びバッファ層13における結晶化が促進される。
窒化層11aが形成されると、引き続いて、AlNからなるIII族窒化物層12を形成させる(ステップS109)。図5(c)に示すように、III族窒化物層12の形成は、1200℃に保った状態で、NH分圧を0.4Torr、NHとTMAのモル比をNH:TMA=100:1として反応性ガス導入管31に導入することにより行う。これにより、0.8μm厚のAlNが形成されることになる。
このようにエピタキシャル基板を作製しても、上述の実施例1の場合と同様に、結晶品質が優れ、かつピットの発生が抑制されたエピタキシャル基板を得ることができる。
エピタキシャル基板1の積層構造を示す断面模式図である。 本実施の形態に係る結晶成長を説明するための平面模式図である。 エピタキシャル基板1の製造装置2の断面模式図である。 実施例1に係るエピタキシャル基板の製造手順を示す図である。 実施例に係る製造手順の主な段階におけるエピタキシャル基板の積層構造を示す断面模式図である。 HEMT構造を例示する断面模式図である。 変形例に係るエピタキシャル基板の製造手順を示す図である。 変形例に係る製造手順の主な段階におけるエピタキシャル基板の積層構造を示す断面模式図である。 従来技術による結晶成長を説明するための平面模式図である。
符号の説明
1 エピタキシャル基板
2 製造装置
11 基材
11a 窒化層
12 III族窒化物層
13 バッファ層
14 結晶核
21 反応容器
22 導入口
24 排気口
24b 窒素ガス供給源
24c 水素ガス供給源
24d〜24g 原料ガス供給源
27 真空ポンプ
28 基材台
29 支持脚
30 ヒータ
31 反応性ガス導入管
31h 開口部
L1、L2 配管系

Claims (18)

  1. 基材と、
    前記基材の上にエピタキシャル形成され、含有される全てのIII族元素に対するAl元素のモル分率が50%以上であるIII族窒化物層と、
    を備えるエピタキシャル基板であって、
    前記基材の表面の少なくとも一部が窒化されており、
    前記基材の前記表面と前記III族窒化物層との間の少なくとも一部にバッファ層が形成されていることを特徴とするエピタキシャル基板。
  2. 請求項1に記載のエピタキシャル基板であって、
    前記バッファ層の厚さが5nm以下であることを特徴とするエピタキシャル基板。
  3. 請求項1または請求項2に記載のエピタキシャル基板であって、
    前記バッファ層の形成温度が前記III族窒化物層の形成温度よりも低いことを特徴とするエピタキシャル基板。
  4. 請求項3に記載のエピタキシャル基板であって、
    前記バッファ層の形成温度が1100℃以下であることを特徴とするエピタキシャル基板。
  5. 請求項1または請求項4に記載のエピタキシャル基板であって、
    前記Al元素のモル分率が80%以上であることを特徴とするエピタキシャル基板。
  6. 請求項5に記載のエピタキシャル基板であって、
    前記III族窒化物層がAlNからなることを特徴とするエピタキシャル基板。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、
    前記バッファ層が、III族窒化物を原料として形成されたものであることを特徴とするエピタキシャル基板。
  8. 請求項7に記載のエピタキシャル基板であって、
    前記バッファ層の前記原料に含有される全てのIII族元素に対するAl元素のモル分率が、前記III族窒化物層に含有される全てのIII族元素に対するAl元素のモル分率以上であることを特徴とするエピタキシャル基板。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、
    前記基材が、サファイア単結晶あるいはSiC単結晶からなることを特徴とするエピタキシャル基板。
  10. 基材の上に、含有される全てのIII族元素に対するAl元素のモル分率が50%以上であるIII族窒化物層がエピタキシャル形成されてなるエピタキシャル基板を製造する方法であって、
    前記基材の表面の少なくとも一部を窒化する窒化処理工程と、
    前記基材と前記III族窒化物層との間の少なくとも一部にバッファ層を形成するバッファ層形成工程と、
    前記バッファ層の上に前記III族窒化物層をエピタキシャル形成する工程と、
    を備えることを特徴とするエピタキシャル基板の製造方法。
  11. 請求項10に記載の製造方法であって、
    前記バッファ層の厚さを5nm以下とすることを特徴とするエピタキシャル基板の製造方法。
  12. 請求項11に記載の製造方法であって、
    前記窒化処理工程が、前記バッファ層形成工程よりも先に行われることを特徴とするエピタキシャル基板の製造方法。
  13. 請求項11に記載の製造方法であって、
    前記窒化処理工程が、前記バッファ層形成工程よりも後に行われることを特徴とするエピタキシャル基板の製造方法。
  14. 請求項13に記載の製造方法であって、
    前記バッファ層形成工程は、前記基材の前記表面の上に前記バッファ層として微結晶群の分布を形成させる工程であり、
    前記窒化処理工程は、前記微結晶群の相互の隙間を介して前記基板の前記表面を窒化する工程であることを特徴とするエピタキシャル基板の製造方法。
  15. 請求項10ないし請求項14のいずれかに記載の製造方法であって、
    前記バッファ層の形成温度が前記III族窒化物層の形成温度よりも低いことを特徴とするエピタキシャル基板の製造方法。
  16. 請求項15に記載の製造方法であって、
    前記バッファ層の形成温度が1100℃以下であることを特徴とするエピタキシャル基板の製造方法。
  17. 基材の上に、含有される全てのIII族元素に対するAl元素のモル分率が50%以上であるIII族窒化物層がエピタキシャル形成されてなるエピタキシャル基板表面におけるピットの発生を抑制する方法であって、
    前記基材の表面の少なくとも一部を窒化する窒化処理工程と、
    前記基材と前記III族窒化物層との間の少なくとも一部にバッファ層を形成するバッファ層形成工程と、
    前記バッファ層の上に前記III族窒化物層をエピタキシャル形成する工程と、
    を備えることを特徴とするピット発生抑制方法。
  18. 半導体積層構造であって、
    請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のエピタキシャル基板と、
    前記エピタキシャル基板の上に形成されたIII族窒化物半導体層群と、
    を備えることを特徴とする半導体積層構造。
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