JP2005072088A - 太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 結晶性が高い光吸収層を備える太陽電池を生産性および信頼性よく製造できる製造方法、および太陽電池を提供する。
【解決手段】 InとGaとIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体からなる光吸収層を備える太陽電池の製造方法であり、基板11上に形成された第1の電極層12上に、GaとSeとを含みInを実質的に含まない第1の元素群を供給して第1の層13を形成する工程と、第1の層13上にInを含む第2の元素群を供給することによって光吸収層14を形成する工程とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽電池およびその製造方法に関する。
Ib族元素、IIIb族元素およびVIb族元素からなる化合物半導体薄膜(カルコパイライト構造化合物半導体薄膜)であるCuInSe2あるいはこれにGaを固溶させたCu(In,Ga)Se2(以下、CIGSという場合がある)を光吸収層に用いた薄膜太陽電池が高いエネルギー変換効率を示し、光照射等による変換効率の劣化がないという利点を有していることが報告されている。
高効率の太陽電池を製造するためには、CIGS膜を形成する際に、基板温度を上げて結晶性のよいCIGS膜を形成する必要がある。
太陽電池の特性を向上させるためには、CIGS膜(光吸収層)を構成する半導体の結晶性を高めることが重要である。そのためには、CIGS膜を形成する際の温度を、600℃近くの高温にすることが好ましい。
しかしながら、高温でCIGS膜を形成する場合、従来の太陽電池の構造では、CIGS膜が剥離する場合があるという問題があった。この剥離は、CIGS膜の形成速度が0.04μm/分程度の低速の場合には起きる可能性が小さいが、形成速度を0.8μm/分程度の高速にすると起きる可能性が大きくなる。
このような状況に鑑み、本願発明は、結晶性が高い光吸収層を備える太陽電池を生産性および信頼性よく製造できる製造方法、および太陽電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の製造方法は、InとGaとIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体からなる光吸収層を備える太陽電池の製造方法であって、電極層を備えた基板の前記電極層上に、Gaと前記VIb族元素としてSeとを含みInを実質的に含まない第1の元素群を供給して第1の層を形成する第1の工程と、前記第1の層上に、Inを含む第2の元素群を供給する第2の工程とを含み、前記第1の元素群と前記第2の元素群の少なくとも一方の元素群が前記VIb族元素をさらに含み、前記第1の工程及び前記第2の工程により前記光吸収層が形成されることを特徴とする。この方法によれば、560℃よりも高い温度に基板を加熱しても、電極層と光吸収層とが剥離せず、結晶性が高い光吸収層を容易に形成できる。
ここで、「Ib族」および「VIb族」は、IUPACの短周期型の周期表における族の分類に従う。なお、IUPACの長周期型の周期表においては、「Ib族」は11族を意味し、「VIb族」は16族を意味する。
上記の製造方法では、前記第2の元素群が、Gaと前記Ib族元素と前記VIb族元素とをさらに含み、前記第2の工程において、前記第2の元素群を構成するIn、Ga、前記Ib族元素及び前記VIb族元素の各々が少なくとも1つの元素群に含まれるように元素の組み合わせの異なる複数の元素群に分けて順次に前記第1の層上に供給することもできる。この方法によれば、光吸収層の組成の調整が容易となる。したがって、所望の化学量論的組成を有する光吸収層を形成することができる。
上記製造方法では、前記第1の元素群は、前記Ib族元素としてCuをさらに含んでもよい。この場合、前記第1の層において、(Cuの原子数)/(Gaの原子数)の値が1.2以上3以下であってもよい。
上記製造方法では、前記第2の元素群は、Gaと前記Ib族元素としてCuとVIb族元素としてSeとをさらに含んでもよい。
上記製造方法では、前記第1の層の厚さが0.03μm以上1μm以下であってもよい。
上記製造方法では、前記第2の工程において、前記基板を560℃よりも高い温度に加熱してもよい。
上記製造方法では、前記電極層がMoを主成分とする金属からなるものでもよい。
また、本発明の太陽電池は、電極層と、前記電極層上に形成された光吸収層とを備える太陽電池であって、前記光吸収層は、InとGaとIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体からなり、前記光吸収層は、前記電極層との界面の近傍の領域において、(Inの原子数)/(InとGaの合計の原子数)の値が、前記電極層側から前記光吸収層の内部に向かって、100倍以上に増加していることを特徴とする。
上記太陽電池では、前記領域は、前記電極層と前記光吸収層との界面から1μmまでの領域であってもよい。
本発明によれば、電極層と光吸収層(CIGS層)との間の剥離を生じさせることなく、電極層上にCIGS膜を高温で形成できる。このため、結晶性がよいCIGS膜を形成でき、特性が高い太陽電池が得られる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図1を参照して、本発明の製造方法の一例を説明する。
まず、図1(a)に示すように、基板11上に、第1の電極層12を形成する。基板11は特に限定はないが、たとえば、ステンレス基板やガラス基板やポリイミド基板を用いることができる。第1の電極層12には、Moを主成分(50原子%以上)とする金属膜を用いることができ、たとえばMo膜を用いることができる。第1の電極層12は、たとえば、スパッタ法や蒸着法で形成できる。
次に、図1(b)に示すように、第1の電極層12上に、GaとSeとを含みInを実質的に含まない第1の元素群を供給して第1の層13を形成する(第1の工程)。ここで、Inを実質的に含まないとは、Inを意図的に供給しないということであり、第1の元素群に意図しないIn(不純物としてのIn)が含まれたとしても、その割合は1原子%以下である。
第1の層13は、たとえば蒸着法やスパッタ法で形成できる。第1の層13を形成する際の基板温度は、たとえば300℃以上600℃以下であり、好ましくは450℃以上550℃以下である。
第1の元素群は、Cuをさらに含んでもよい。第1の元素群がCuを含む場合、第1の層13において、(Cuの原子数)/(Gaの原子数)の値は、たとえば1.2以上3以下(より好ましくは2以上2.5以下)であることが好ましい。上記値を1.2以上3以下とすることによって、形成される光吸収層14の結晶性および表面の平坦性を向上させることができ、特性が高い太陽電池が得られる。
第1の層13の厚さは、0.03μm以上1μm以下(より好ましくは0.1μm以上0.7μm以下)であることが好ましい。厚さが0.03μm未満の場合には、本発明の効果が低下する場合がある。また、厚さが1μmよりも大きい場合には、Gaが過剰に存在する第1の層13の影響が大きくなって太陽電池の変換効率が低下する場合がある。
次に、図1(c)に示すように、第1の層13上に、Inを含む第2の元素群を供給する。第1の層13に供給された第2の元素群は、第1の層13上に堆積すると共に、第1の層13の内部に拡散する。図1(d)に示すように、第2の元素群の供給によって、光吸収層14の形成が完了する(第2の工程)。なお、光吸収層14は、第1の層に第2の元素群が拡散してなる部分と第2の元素群が堆積してなる部分から構成される。このとき、光吸収層14は完全に均一になるのではなく、第1の電極層12との界面の近傍に、(Inの原子数)/(InおよびGaの合計の原子数)の値が大きく変化する領域14aが存在する。
第2の元素群は、1度に供給しても、複数回に分けて異なる元素群を供給してもよい。たとえば、In、GaとIb族元素とVIb族元素と含む第2の元素群を二回に分けて供給する場合は、In、Ga、Ib族元素及びVIb族元素の各々を少なくとも一方に含むように元素の組み合わせの異なる第1段階用の元素群および第2段階用の元素群を用い、第1の層13上に第1段階用の元素群を供給する第1段階と第1段階の後に第2段階用の元素群を供給する第2段階との2段階に分けて第2の元素群を第1の層上に供給する。
光吸収層14は、主に、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含むp形の化合物半導体からなる。Ib族元素にはCuを用いることができる。IIIb族元素には、InおよびGaから選ばれる少なくとも1つの元素(さらに少量のAlを含んでもよい)を用いることができる。VIb族元素にはSeおよびSから選ばれる少なくとも1つの元素を用いることができる。
第2の元素群は、光吸収層14を構成する元素のうち、第1の元素群に含まれなかった元素(たとえばIn)を少なくとも含む。ただし、第1の元素群に含まれる元素を含んでもよい。(第1の元素群):(第2の元素群)の組み合わせの例は、たとえば、(Ga、Se):(Cu、In、Ga、Se)、(Cu、Ga、Se):(Cu、In、Ga、Se)である。
第2の元素群は、たとえば蒸着法やスパッタ法で第1の層13上に供給できる。第2の元素群を供給する際の基板温度は、560℃よりも高いことが好ましく、600℃以上650℃未満であることがより好ましい。第2の元素群の堆積速度(成膜速度)は特に限定はないが、本発明の方法を用いることによって、0.8μm/分以上の高速で堆積させる場合であっても第1の電極層12から前記第1の層13が剥離することを防止できる。また、前記第1の層13と第2の元素群の堆積した層との間においても剥離は発生しない。つまり、第1の電極層12から剥離されることなく、光吸収層14を形成することができる。
次に、図1(e)に示すように、光吸収層14上に窓層15および第2の電極層16を形成し、さらに取り出し電極17および18を形成する。これらは、公知の材料および形成方法で形成できる。たとえば、窓層15には、CdS、ZnO、Zn(O,OH)、Zn(O,OH,S)、またはZnMgO等を用いることができ、これらは、化学浴析出法またはスパッタ法で形成できる。また、第2の電極層16には、ZnO膜、ZnO:Al膜、ITO膜などの透明導電膜を用いることができ、スパッタ法などによって形成できる。取り出し電極17および18には、導電性の高い金属を用いることができ、たとえば蒸着法などで形成できる。
このようにして太陽電池10を製造できる。本発明の製造方法では、Inを実質的に含まない第1の層13を形成することによって、理由は明確ではないが光吸収層14と第1の電極層12(特にMoを含む電極層またはMoからなる電極層)との剥離を防止できる。このため、本発明によれば、結晶性が高い光吸収層を備える太陽電池を生産性および信頼性よく製造できる。
次に、本発明の太陽電池について説明する。本発明の太陽電池は、上述した製造方法で製造された太陽電池であり、たとえば図1(e)に示される太陽電池10である。
この太陽電池10では、上述したように、光吸収層14が、Ib族元素とIIIb族元素(InおよびGaを含む)とVIb族元素とを含む化合物半導体からなる。そして、光吸収層14は、第1の電極層12側の界面近傍の領域14aにおいて、(Inの原子数)/(InとGaの合計の原子数)の値が、第1の電極層12側から第2の電極層16側(光吸収層14の内部側)に向かって100倍以上に増加している。ここで、領域14aの厚さは、通常、0.03μm以上1μm以下である。
なお、この実施形態で説明した太陽電池は一例である。本発明の製造方法およびそれによって製造される太陽電池は、上述した光吸収層の形成方法を用いることを除いて限定されない。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1では、Mo膜上にGaとSeからなる化合物膜を形成した後、CIGS膜を形成した例について説明する。
まず、ソーダライムガラス基板上にMo膜(電極層)を形成した。次に、GaとSeからなる化合物膜(第1の層)を蒸着法によってMo膜上に形成した。化合物膜の厚さは0.2μmであった。このときの基板温度は500℃であった。次に、化合物膜の上に蒸着法によって、1段階目としてCu、In、GaおよびSeを蒸着し、2段階目としてIn、GaおよびSeを蒸着してCIGS膜を形成した。このときの基板温度は600℃であった。これらの蒸着によって、最終的にCu(In,Ga)Se2の化学量論比に近い光吸収層を得た。
比較のためにMo膜上にGaとSeからなる化合物膜を蒸着せずにCIGS膜を形成したところ、CIGS膜がMo膜から剥離した。GaとSeからなる化合物膜を形成せずにCIGS膜を形成した場合、剥離が起こらない限界の基板温度は560℃であった。
本実施例では、ソーダライムガラス基板を用いたが、ステンレス基板を用いた場合でも同様の効果が得られた。また、本実施例では、化合物膜及びCIGS膜を蒸着法で形成したが、化合物層をスパッタ法で形成した場合や、CIGS膜をスパッタ法で形成した場合であっても、同様の効果が得られた。
実施例2では、CuとGaとSeからなる化合物膜をMo膜上に形成した後、CIGS膜を形成した例について説明する。
まず、ソーダライムガラス基板上にMo膜(電極層)を形成した。次に、Mo膜上に、CuとGaとSeからなる化合物膜(第1の層)を蒸着法によって形成した。この化合物膜においてCu/Gaの原子数比は2であった。このときの基板温度は500℃であった。
次に、化合物膜上に、1段階目としてCu、In、GaおよびSeを蒸着し、2段階目としてIn、GaおよびSeを蒸着してCIGS膜を形成した。このときの基板温度は600℃であった。これらの蒸着によって、最終的にCu(In,Ga)Se2の化学量論比に近い光吸収層を得た。
CuとGaとSeからなる化合物膜を最初に形成する実施例2の方法では、GaとSeからなる化合物膜を形成する実施例1の方法に比べて、CIGS膜の粒成長が促進された。その結果、実施例2の方法では、実施例1の方法で形成したCIGS膜に比べて、表面がより平らなCIGS膜を形成することができた。
本実施例では、ソーダライムガラス基板を用いたが、ステンレス基板を用いた場合でも同様の効果が得られた。また、本実施例では、化合物膜及びCIGS膜を蒸着法で形成したが、化合物層をスパッタ法で形成した場合や、CIGS膜をスパッタ法で形成した場合であっても、同様の効果が得られた。
実施例3では、実施例1の方法を用いて光吸収層を形成し、太陽電池を製造した例について説明する。
まず、ガラス基板上にMo膜(電極層)を形成し、さらにその上に、実施例1で説明した方法で光吸収層を作製した。
次に、光吸収層上にCdS膜を次の方法によって作製した。カドミウムを含む化合物(塩)である硫酸カドミウム(CdSO4)とアンモニアとを含有する溶液を用意した。溶液中の硫酸カドミウムの濃度は0.001M、アンモニアの濃度は1Mとした。この溶液を入れた容器を85℃に保った温水槽に静置した。この溶液に光吸収層を形成した基板を約6分間浸漬した。このようにしてCdS膜を形成した後、溶液から基板を引き上げて純水で洗浄した。
次に、CdS膜上に、ZnO膜(膜厚100nm)および透明導電膜であるITO膜(膜厚100nm)をスパッタ法によって形成した。スパッタの条件はZnO膜形成時はアルゴンガス圧2.7Pa(2×10-2Torr)、高周波パワー400W、ITO膜形成時はアルゴンガス圧1.1Pa(8×10-3Torr)、高周波パワー400Wによって形成した。その後、p側の取り出し電極とn側の取り出し電極は、NiCr膜とAu膜とを電子ビーム蒸着法によって積層することによって形成した。
このようにして、実施例3の太陽電池を作製した。また、Mo膜上にGaとSeからなる化合物を形成せずにCIGS膜を作製したことを除いて、上記太陽電池と同様の方法で比較例の太陽電池を作製した。
このようにして作製した2種類の太陽電池に、AM1.5で100mW/cm2の疑似太陽光を照射して太陽電池特性を測定した。
その結果、実施例3の太陽電池の特性は、短絡電流33.1mA/cm2、開放電圧0.613V、曲線因子0.674、変換効率13.7%であった。一方、比較例の太陽電池の特性は、短絡電流32.3mA/cm2、開放電圧0.560V、曲線因子0.492、変換効率8.9%であった。比較例の太陽電池は、CIGS膜の一部が剥離して面内の一部で短絡が起こったために効率が低下した。
GaとSeからなる化合物膜の膜厚が0.01μm未満のときは剥離が起こった。また、化合物膜の膜厚が1.2μmのときには、Ga濃度が高い層が厚すぎるため、短絡電流が25mA/cm2に低下してしまい、変換効率が低下した。したがってMo膜上に形成する化合物膜の厚さは、0.03μm以上1μm以下であることが好ましい。
実施例4では、実施例2の方法を用いて光吸収層を形成し、太陽電池を製造した例について説明する。
実施例4の製造方法は、化合物膜(第1の層)の組成が異なることを除いて、実施例3と同じである。実施例4では、CuとGaとSeからなる化合物膜を形成した。そして、この化合物膜において、Cu/Gaの原子数比は2とした。膜厚は0.2μmとした。
上記の方法によって作製した太陽電池の特性を、実施例3と同じ方法で評価した。その結果、実施例4の太陽電池の特性は、短絡電流33.1mA/cm2、開放電圧0.621V、曲線因子0.721、変換効率14.8%であった。
GaとSeからなる化合物膜を用いた場合に比べて特性がわずかによいのは、CIGS膜の表面が平らであるからである。
実施例4の製造方法において、Cu/Gaの原子数比が1.2よりも小さい場合、および3よりも大きい場合には、Mo膜(電極層)と光吸収層との間で剥離が起こり、変換効率が低下した。したがって、化合物膜(第1の層)がCuを含む場合には、そのCu/Gaの原子数比は、1.2以上3以下が好ましい。
以上、本発明の実施の形態について例を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用することができる。
本発明は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体からなる光吸収層を備える太陽電池およびその製造方法に適用できる。
(a)〜(e)は、太陽電池を製造するための本発明の方法の一例を模式的に示す工程断面図である。
符号の説明
10 太陽電池
11 基板
12 第1の電極層
13 第1の層
14 光吸収層
14a 領域
15 窓層
16 第2の電極層
17、18 取り出し電極

Claims (10)

  1. InとGaとIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体からなる光吸収層を備える太陽電池の製造方法であって、
    電極層を備えた基板の前記電極層上に、Gaと前記VIb族元素としてSeとを含みInを実質的に含まない第1の元素群を供給して第1の層を形成する第1の工程と、
    前記第1の層上に、Inを含む第2の元素群を供給する第2の工程とを含み、
    前記第1の元素群と前記第2の元素群の少なくとも一方の元素群が、前記VIb族元素をさらに含み、
    前記第1の工程及び前記第2の工程により前記光吸収層が形成されることを特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 前記第2の元素群が、Gaと前記Ib族元素と前記VIb族元素とをさらに含み、
    前記第2の工程において、前記第2の元素群を構成するIn、Ga、前記Ib族元素及び前記VIb族元素の各々が少なくとも1つの元素群に含まれるように元素の組み合わせの異なる複数の元素群に分けて順次に前記第1の層上に供給する請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記第1の元素群は、前記Ib族元素としてCuをさらに含む請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記第1の層において、(Cuの原子数)/(Gaの原子数)の値が1.2以上3以下である請求項3に記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記第2の元素群は、Gaと前記Ib族元素としてCuと前記VIb族元素としてSeとをさらに含む請求項1ないし4のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記第1の層の厚さが0.03μm以上1μm以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  7. 前記第2の工程において、前記基板を560℃よりも高い温度に加熱する請求項1ないし5のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  8. 前記電極層がMoを主成分とする金属からなる請求項1ないし5のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  9. 電極層と、前記電極層上に形成された光吸収層とを備える太陽電池であって、
    前記光吸収層は、InとGaとIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体からなり、
    前記光吸収層は、前記電極層との界面の近傍の領域において、(Inの原子数)/(InとGaの合計の原子数)の値が、前記電極層側から前記光吸収層の内部に向かって、100倍以上に増加していることを特徴とする太陽電池。
  10. 前記領域は、前記電極層と前記光吸収層との界面から1μmまでの領域である請求項9に記載の太陽電池。
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