JP2005071870A - 光配給ユニット、照明ユニット、及び照明システム - Google Patents

光配給ユニット、照明ユニット、及び照明システム Download PDF

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Abstract

【課題】 少なくとも2つの照明位置において効率的に光量調整できるとともに、半導体発光素子において発生する熱を効率的に放散、または再利用することが可能な光配給ユニット、照明ユニット、及び照明システムを提供する。
【解決手段】 光配給ユニット3は、光ファイバ群7a及び7bを構成する複数の光ファイバ7と、LED39a〜39gと、光ファイバ7の一端とLED39a〜39gとをそれぞれ互いに光学的に接続するフォトユニット41a〜41gと、LED39a〜39gそれぞれの発光状態を制御する制御部31とを備える。そして、光ファイバ群7a及び7bが、互いに異なる照明位置に設けられる照明ユニット5a及び5bへそれぞれ延びている。LED39a〜39gからの光は、光ファイバ群7a及び7bを介して照明ユニット5a及び5bに送られ、照明光として照射される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、LEDやレーザダイオードなどの半導体発光素子を用いた光配給ユニット、照明ユニット、及び照明システムに関するものである。
近年、GaN系やZnSe系の青色LEDやGaN系の紫外LEDの光と、その青色光もしくは紫外光により励起された蛍光体の光との混色により白色光を実現する様々なタイプの白色LEDが開発されている。そして、このような白色LEDを用いた照明装置が提案されている。
例えば、図16に示す従来の照明装置100は、複数のLED101が基板102上に並んで設けられている。複数のLED101は、電気配線103を介して供給される電源電圧によって発光する。
また、特許文献1には、プリント基板上にLEDを複数並べ、光ファイバ束を構成する複数の光ファイバへLEDからの光を入射させる照明装置が開示されている。
特開平12−21206号公報
LEDなどの半導体発光素子を用いた照明システムにおいては、半導体発光素子に供給した電力の一部が熱となる。この熱によって半導体発光素子周辺の温度が上昇すると、半導体発光素子の内部量子効率やLEDの光取り出し効率の低下、及び半導体発光素子の寿命が短くなるなどの悪影響が生じる。図16に示した従来の照明装置100では、限られたスペースの中で充分な光量を確保する必要があるが、LED101を過密に並べると、熱による上記した悪影響が生じることとなる。或いは、LED101に対する電力供給量を大きくすると、大きな電流が配線に流れるため、漏電や火災といった防災面での不安が増大する。また、熱による悪影響を抑えるためにLED101の数を少なくする、或いはLED101へ供給する電力を抑えると、照明装置100が光量不足となり実用的ではなくなる。
また、特許文献1に開示された照明装置では、プリント基板上に配置された複数のLEDの光量調整をPWM方式によりまとめて行っている。しかしながら、この照明装置では、1つの照明装置に対し1カ所の照明位置における光量調整しか考慮されていない。従って、複数の照明位置を照明する場合、該複数の照明位置に対応する複数の照明装置が個別に光量調整することとなり、効率的な光量調整を期待できない。また、例えばLEDにおいて発生する熱を再利用する省エネルギーシステムを構築するような場合には、複数の照明装置から個別に発生する熱を利用することとなり、LEDにおいて発生する熱を効率的に再利用することが難しい。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、少なくとも2つの照明位置において効率的に光量調整できるとともに、半導体発光素子において発生する熱を効率的に放散、または再利用することが可能な光配給ユニット、照明ユニット、及び照明システムを提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明による光配給ユニットは、少なくとも2つの光ファイバ群を構成する複数の光ファイバと、複数の半導体発光素子と、複数の半導体発光素子のそれぞれに設けられ、複数の光ファイバの一端と複数の半導体発光素子とをそれぞれ互いに光学的に接続する複数の光コネクタと、複数の半導体発光素子と電気的に接続され、該複数の半導体発光素子それぞれの発光状態を制御する制御部とを備え、少なくとも2つの光ファイバ群が、互いに異なる照明位置へそれぞれ延びていることを特徴とする。
上記した光配給ユニットでは、互いに異なる少なくとも2つの照明位置へ光を提供する複数の半導体発光素子を、1つの光配給ユニット内に収めることが可能となる。半導体発光素子と照明位置とは光ファイバを介して隔離されているので、この光配給ユニットでは図16に示した従来の照明装置と比べて半導体発光素子の配置の自由度が高く、半導体発光素子同士の間隔を必要なだけ設けることが可能となる。また、少なくとも2つの照明位置へ光を提供する複数の半導体発光素子からの熱をまとめて放散または再利用することができる。従って、この光配給ユニットによれば、半導体発光素子において発生する熱を効率的に放散、または再利用することが可能となる。また、この光配給ユニットでは、複数の半導体発光素子それぞれの発光状態が制御部によってまとめて制御されるので、各照明位置において効率的に光量調整することができる。
また、光配給ユニットは、制御部と電気的に接続され、複数の半導体発光素子を駆動するための電源電圧を制御部に供給する電池をさらに備えることを特徴としてもよい。これによって、移動する物体に本光配給ユニットを容易に装備することができる。
また、光配給ユニットは、制御部と電気的に接続され、外部から供給される交流電源を直流電源に変換して該直流電源を制御部に供給する変換部をさらに備えることを特徴としてもよい。これによって、交流電源が供給されている建築物等において本光配給ユニットを好適に使用することができる。
また、光配給ユニットは、制御部と電気的に接続され、複数の半導体発光素子を駆動するための電源電圧を制御部に供給する蓄電池と、蓄電池と電気的に接続され、該蓄電池を充電する太陽電池とをさらに備えることを特徴としてもよい。これによって、外部からの電源の供給がなくても半永続的に動作することが可能となる。
また、光配給ユニットは、制御部と電気的に接続され、複数の半導体発光素子の発光状態を指示するための指示信号を外部から受信して該指示信号を制御部へ提供する通信部をさらに備えることを特徴としてもよい。これによって、光配給ユニットから離れた場所(例えば照明位置)において光配給ユニットへ発光量などを好適に指示することができる。
また、光配給ユニットは、複数の半導体発光素子を冷却する冷却装置をさらに備えることを特徴としてもよい。これによって、半導体発光素子において発生する熱をより効率的に放散することができる。
また、光配給ユニットは、複数の半導体発光素子から発生する熱を利用した温水器及び蓄熱器のうち少なくとも一方をさらに備えることを特徴としてもよい。これによって、半導体発光素子において発生する熱を好適に再利用することができる。
また、光配給ユニットは、複数の半導体発光素子が実装された基板と、基板を着脱可能に保持する1個ないし複数のスロットとをさらに備えることを特徴としてもよい。これによって、個数や配置、発光波長などが異なる半導体発光素子を、必要に応じて交換することができる。
また、光配給ユニットは、制御部が、複数の半導体発光素子の発光状態を制御するためのプログラムが格納されたメモリと、メモリからプログラムを読み出し、該プログラムを実行するCPUとを備えることが好ましい。
また、光配給ユニットは、制御部が、複数の半導体発光素子それぞれの発光量を時間制御することを特徴としてもよい。これによって、例えば照明時間が所定時間を超えると消灯するように半導体発光素子の発光量を制御するなどして、光配給ユニットが省エネルギー動作を行うことが可能となる。
また、光配給ユニットは、複数の半導体発光素子の動作履歴を記録する記録手段をさらに備えることを特徴としてもよい。或いは、光配給ユニットは、複数の半導体発光素子の動作履歴データを外部へ出力するための出力端子をさらに備えることを特徴としてもよい。これらのうち少なくとも一方によって、光配給ユニットの動作履歴を省エネルギーシステム設計に役立てることができる。
また、光配給ユニットは、乗り物に搭載されることを特徴としてもよい。一般的に、乗り物における照明装置のスペースは小さく限られているので、照明装置から発生する熱を効率的に放散することが困難である。本光配給ユニットは、熱を効率的に放散することができるので、乗り物に搭載する照明装置として好適である。
また、光配給ユニットは、光ファイバの他端と光学的に結合されたカラーフィルタや光拡散フィルタをさらに備えることを特徴としてもよい。これによって、照明色の色調の調整を容易に行うことができる。
また、光配給ユニットは、複数の半導体発光素子が、青色LEDまたは紫外LEDであることを特徴としてもよい。照明用の半導体発光素子として例えば白色LEDを用いた場合、光ファイバにおける光吸収量が該光ファイバの分散によって波長毎に異なり、白色LEDにおける発光色と照明位置における照明色とが微妙に異なる。しかも、照明位置が少なくとも2つ有る場合には、各照明位置への光ファイバの長さの違いによって各照明位置それぞれにおける照明色が互いに異なることとなる。そこで、本光配給ユニットのように青色LEDや紫外LEDなどからの単色光を光ファイバを介して各照明位置へ送り、各照明位置において白色光に変換するなどすれば、各照明位置において期待通りの照明色を得ることができる。
また、光配給ユニットは、光ファイバの他端と光学的に結合され、青色光または紫外光により励起されて該青色光または紫外光よりも長波長の可視光を発光する蛍光体をさらに備えることを特徴としてもよい。これによって、半導体発光素子からの青色光や紫外光などの単色光と蛍光体からの光を混色するなどして所定の照明色を得ることができる。なお、本発明の文面における蛍光体は、個体蛍光体の他、蛍光体粒子を含む樹脂や透明な部材の表面に蛍光材料の薄膜を形成したものなどの総称として用いることとする。
また、本発明による照明ユニットは、上記した光配給ユニットとともに用いられ、照明位置に配置される照明ユニットであって、光ファイバ群に含まれる光ファイバの他端を保持する保持部を備えることが好ましい。
また、本発明による照明ユニットは、青色LEDまたは紫外LEDを備える光配給ユニットとともに用いられ、照明位置に配置される照明ユニットであって、光ファイバ群に含まれる光ファイバの他端を保持する保持部と、光ファイバの他端と光学的に結合され、青色光または紫外光により励起されて該青色光または紫外光よりも長波長の可視光を発光する蛍光体をさらに備えることを特徴とする。これによって、光配給ユニットからの青色光や紫外光などの単色光と蛍光体からの光を混色するなどして所定の照明色を得ることができる。
また、照明ユニットは、光ファイバの他端と光学的に結合されたカラーフィルタや光拡散フィルタをさらに備えることを特徴としてもよい。これによって、照明色の色調や配光の調整を容易に行うことができる。
また、照明ユニットは、光ファイバの他端と光学的に結合された光反射手段及びレンズのうち少なくとも一方をさらに備えることを特徴としてもよい。これによって、照明ユニットに様々な配光デザインを施すことができる。
また、照明ユニットは、乗り物に搭載されることを特徴としてもよい。この照明ユニットは、上記した光配給ユニットとともに用いられることにより、熱が効率的に放散されるので、乗り物に搭載する照明装置として好適となる。
また、本発明による照明システムは、上記したいずれかの光配給ユニットと、上記したいずれかの照明ユニットであって、互いに異なる照明位置に配置された少なくとも2つの照明ユニットとを備えることを特徴とする。これによって、少なくとも2つの照明位置において効率的に光量調整できるとともに、半導体発光素子において発生する熱を効率的に放散、または再利用することが可能な照明システムを提供できる。
また、照明システムは、乗り物に搭載され、少なくとも2つの照明ユニットのうち2つの照明ユニットが、ヘッドライトとして配置されることを特徴としてもよい。これによって、2つのヘッドライトの光量を効率的に調整することができるとともに、ヘッドライトの照明によって発生する熱を効率的に放散することができる。
また、照明システムは、少なくとも2つの照明ユニットのうち一部の照明ユニットが、室内灯及びテールランプのうち少なくとも一方として配置されることが好ましい。
本発明による光配給ユニット、照明ユニット、及び照明システムによれば、少なくとも2つの照明位置において効率的に光量調整できるとともに、半導体発光素子において発生する熱を効率的に放散、または再利用することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら本発明による光配給ユニット、照明ユニット、及び照明システムの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態)
図1は、本発明による照明システムの実施形態を示すブロック図である。図1を参照すると、本実施形態の照明システム1は、光配給ユニット3、並びに照明ユニット5a及び5bを備えている。光配給ユニット3は、本体部30及び複数の光ファイバ7を有している。複数の光ファイバ7は、2つの光ファイバ群7a及び7bを構成している。複数の光ファイバ7の一端は、光配給ユニット3の本体部30と光学的に結合されている。複数の光ファイバ7のうち光ファイバ群7aに属する光ファイバ7の他端は、照明ユニット5aと光学的に結合されている。複数の光ファイバ7のうち光ファイバ群7bに属する光ファイバ7の他端は、照明ユニット5bと光学的に結合されている。照明ユニット5a及び5bは、互いに異なる照明位置に配置される。なお、本実施形態では、光配給ユニット3は光ファイバ7を6本有しており、そのうちの3本が光ファイバ群7aを構成し、他の3本が光ファイバ群7bを構成している。
光配給ユニット3は、照明ユニット5a及び5bへ照明光を供給するための装置である。光配給ユニット3の本体部30は、例えば照明ユニット5a及び5bから隔離された場所に配置される。ここで、図2は、本実施形態の光配給ユニット3を示す構成図である。図2を参照すると、光配給ユニット3は、制御部31、変換部33、通信部35、プラグ40、アンテナ42、放熱板43、及びLEDモジュール49をさらに備えている。
LEDモジュール49は、基板37、LED39a〜39gといった半導体発光素子、及びフォトユニット41a〜41gを備えている。フォトユニット41a〜41gは、LED39a〜39gのそれぞれに設けられている光コネクタ付きパッケージであり、LED39a〜39gはそれぞれフォトユニット41a〜41gにマウントされている。フォトユニット41a〜41gは、基板37上に実装されている。フォトユニット41a〜41gは、光ファイバ7の一端とLED39a〜39gとをそれぞれ互いに光学的に接続する。すなわち、フォトユニット41a〜41gは、光ファイバ7の一端にLED39a〜39gからの光が入射されるように光ファイバ7の一端を保持する。フォトユニット41a〜41gは、LED39a〜39gからの光を集光するための集光レンズを備えてもよい。また、フォトユニット41a〜41gは、LED39a〜39gからの光の色調を変化させるためのフィルタを備えてもよい。フォトユニット41a〜41gとしては、結合損失の小さなものが好ましく、また、高い耐熱性や耐候性を備えるものが好ましい。
LED39a〜39gのうちLED39a〜39cは、光ファイバ群7aに含まれる光ファイバ7のそれぞれに対応して設けられている。また、LED39e〜39gは、光ファイバ群7bに含まれる光ファイバ7のそれぞれに対応して設けられている。LED39a〜39gとしては、例えば砲弾型のLEDや面発光型のLEDなどを用いることができる。また、LED39a〜39gとしては、赤色、緑色、青色などの可視光を発光するLEDを用いることができる。このうち、青色LEDとしては、例えばGaN系半導体或いはZnSe系半導体から構成されるものを用いるとよい。
また、LED39a〜39gとしては、白色LEDや紫外LEDなどを用いることもできる。白色LEDとしては、青色LEDからの青色光により励起された蛍光体からの黄色光と該青色光とを混色して白色光とするものや、赤色LED、緑色LED、及び青色LEDを備えたもの、紫外光などにより励起されて赤色光、緑色光、及び青色光を発光する蛍光体を備えるもの等を用途に応じて用いることができる。なお、本実施形態では、LED39a〜39gとして紫外LEDを用いるものとする。紫外LEDとしては、例えばGaN系半導体から構成されるものを用いるとよい。
また、光ファイバ7としては、LED39a〜39gの発光波長に対し伝送損失の小さいものを用いるとよい。光ファイバ7としては、プラスチック系ファイバまたは石英系ファイバを用途に応じて用いることができる。特に、本実施形態のように半導体発光素子としてLEDが用いられる場合、コア径が大きくNAの大きなプラスチック系ファイバを用いれば、LED39a〜39gと光ファイバ7との結合損失を抑えることができる。プラスチック系ファイバとしては、PMMA(ポリメチルメタクリル)系、またはPC(ポリカーボネート)系のものを用いるとよい。PC系は高い耐熱性を有するがPMMA系よりも伝送損失が大きいので、用途に応じていずれか一方を用いるとよい。また、光配給ユニット3の本体部30と照明ユニット5a(5b)との距離が比較的大きい場合には、より伝送損失が小さい石英系ファイバであるHPCF(ハードポリマークラッドファイバ)を用いるとよい。光ファイバ7の長さは、配線に必要な長さで、一般的には3m以上であり、光ファイバ7の伝送損失は、例えば0.4〜0.6μmの波長の光に対して400dB/km以下、好ましくは50dB/km以下、さらに好ましくは20dB/km以下である。HPCFはPC系やPMMA系ファイバに比べてコア径が小さいので、HPCFを用いる場合にはボールレンズなどの集光レンズをフォトユニット41a〜41g内部に設けることが好ましい。また、LED39a〜39gの表面に微小レンズを形成したり、フォトニック結晶技術によるフォトニック結晶スラブや微小円柱フォトニック結晶によって光出射方向を調整されたLEDを用いれば、光ファイバ7とLED39a〜39gとの結合効率を高めることができる。
基板37は、例えばCuやAlなど熱伝導性に優れた金属やCu−WやAl−SiCなどの複合材料、またAlN、BNなどのセラミックスや、CVDダイヤモンドなどの材料からなり、LED39a〜39gにおける熱を放散するヒートシンクとして機能する。基板37は、その縁部が放熱板43に接触している。放熱板43には、複数の放熱フィンが本体部30の外部へ露出するように設けられている。LED39a〜39gにおいて発生した熱は、基板37及び放熱板43を介して本体部30の外部へ放散される。フォトユニット41a〜41gは、LED39a〜39gの熱放散性を高めるために互いに適切な間隔をあけて基板37上に配置されるとよい。また、LED39a〜39gからの熱をより効率的に放散するために、LED39a〜39gは、フォトユニット41a〜41g内においてフリップチップ実装されるか、或いはフェースダウン実装されるとよい。
変換部33は、光配給ユニット3の外部から供給される交流電源P1を直流電源P2に変換するための装置である。変換部33は、配線34aを介してプラグ40に電気的に接続されるとともに、配線34bを介して制御部31に電気的に接続されている。プラグ40は、例えば建築物などに備え付けられている交流電源分配用ソケット(図示せず)に差し込まれる。変換部33は、交流電源分配用ソケットからプラグ40及び配線34aを介して交流電源P1を受ける。変換部33は、交流電源P1を整流するなどして直流電源P2に変換し、直流電源P2を配線34bを介して制御部31へ提供する。
通信部35は、LED39a〜39gの発光状態を指示するための指示信号S1を光配給ユニット3の外部から受信して該指示信号を制御部31へ提供するための装置である。通信部35は、配線36aを介してアンテナ42に電気的に接続されるとともに、配線36bを介して制御部31に電気的に接続されている。アンテナ42は、光配給ユニット3の外部からの指示信号S1を電波を介して受ける。本実施形態では、指示信号S1は照明ユニット5a及び5bから送信される。通信部35は、指示信号S1を受信し、該指示信号S1を制御部31に提供するのに好適な形態の指示信号S2に変換する。通信部35は、配線36bを介して指示信号S2を制御部31へ提供する。
制御部31は、LED39a〜39gそれぞれの発光状態を制御するための装置である。制御部31は、配線38a〜38gを介してLED39a〜39gと電気的に接続されており、通信部35からの指示信号S2に基づいてLED39a〜39gの駆動電圧Sa〜Sgを生成し、該駆動電圧Sa〜SgをLED39a〜39gへそれぞれ提供する。制御部31は、指示信号S2の指示内容に加えて、例えばLED39a〜39gそれぞれの連続動作時間や消費電力等に基づいて、LED39a〜39gの発熱状態を緩和するようにLED39a〜39gの発光量を調整するとよい。このとき、制御部3は、例えば優先順位の低い照明位置へ光を提供するLEDの発光量を主に抑えるなど、各照明位置における必要光量を考慮してLED39a〜39g全体での総発光量を制御するとよい。或いは、制御部31は、例えば照明時間が所定時間以上になれば消灯するようにLED39a〜39gの発光量を時間制御すれば、光配給ユニットが好適に省エネルギー動作を行うことができる。
制御部31は、例えばCPU及びメモリを備えるコンピュータにより構成されるとよい。この場合、メモリにはLED39a〜39gの発光状態を制御するためのプログラムが格納される。そして、CPUは、メモリから該プログラムを読み出して実行する。また、制御部31は、LED39a〜39gの動作履歴を記録するメモリなどの記録手段を備えるとよい。或いは、制御部31は、LED39a〜39gの動作履歴を光配給ユニット3の外部へ出力するための出力端子を備えるとよい。これらの記録手段や出力端子を備えることによって、LED39a〜39gの動作履歴を取り出すことができ、この動作履歴を省エネルギーシステム設計に役立てることができる。
再び図1を参照する。照明ユニット5a及び5bは、光配給ユニット3から供給された光を照明光として照射するための装置である。ここで、図3は、本実施形態の照明ユニット5a(5b)を示す構成図である。図3を参照すると、照明ユニット5a(5b)は、光コネクタ51、蛍光体53、基部55、リモコン信号受信部57、及び電波出力端子59を備えている。
光コネクタ51及び蛍光体53は、それぞれ複数設けられており、互いに対になっている。光コネクタ51及び蛍光体53は、平板状の基部55に固定されている。本実施形態では、光コネクタ51及び蛍光体53は、光ファイバ群7a(7b)を構成する光ファイバ7の本数に対応してそれぞれ3つずつ設けられている。光コネクタ51は、光ファイバ7の他端を保持する保持部である。光コネクタ51は、光ファイバ7からの光が照明方向(図中の矢印L)へ照射されるように光ファイバ7の他端を保持する。
また、蛍光体53は、光配給ユニット3のLED39a〜39c(39e〜39g)からの紫外光により励起され、該紫外光よりも長波長の可視光(本実施形態では、赤色光、緑色光、及び青色光)を発光する。そして、蛍光体53からの赤色光、緑色光、及び青色光が混色されて白色光となり、該白色光が照明方向へ向けて照射される。なお、蛍光体53の発光色は赤色光、緑色光、及び青色光のいずれか1色でもよく、また他の色でもよい。例えば、光配給ユニット3のLED39a〜39c(39e〜39g)が青色光を発光する場合には、蛍光体53の発光色を黄色光とすれば、青色光と黄色光との混色によって白色光を好適に生成することができる。蛍光体53の発光色は、照明色の嗜好性または必要性に応じて定められるとよい。また、蛍光体53としては、固体蛍光体のほか、蛍光体粒子を含む樹脂や、透明な部材の表面に蛍光材料の薄膜を形成したものを用いるとよい。本実施形態ではLED39a〜39cが紫外光を発光するので、従来の蛍光灯に用いられている蛍光材を用いることもできる。
リモコン信号受信部57は、図示しないリモートコントローラからの指示信号を受信するための装置である。リモートコントローラからは、照明の点灯/消灯に加えて光量調節や消灯時間などの指示が与えられる。リモコン信号受信部57は、リモートコントローラからのこれらの指示を赤外光信号または電波信号として受け取り、該赤外光信号または電波信号を電気信号である指示信号S1に変換する。リモコン信号受信部57は、指示信号S1を電波出力端子59から電波にのせて発信する。電波出力端子59から発信された指示信号S1は、光配給ユニットのアンテナ42を介して通信部35において受信されることとなる。
なお、照明ユニット5a(5b)は、図示しないカラーフィルタや光拡散フィルタをさらに備えてもよい。本実施形態において照明ユニット5a(5b)がカラーフィルタや光拡散フィルタを備える場合には、これらのフィルタは、蛍光体53を介して光ファイバ7の他端と光学的に結合される。照明ユニット5a(5b)がこのようなフィルタを備えることにより、照明色の色調や配光を容易に調整することができる。
また、照明ユニット5a(5b)は、図示しないミラーなどの光反射手段や、レンズをさらに備えてもよい。本実施形態において照明ユニット5a(5b)が光反射手段やレンズを備える場合には、光反射手段及びレンズは、蛍光体53を介して光ファイバ7の他端と光学的に結合される。照明ユニット5a(5b)がこのような光反射手段及びレンズの少なくとも一方を備えることにより、照明の拡散や集光、或いは反射など、照明ユニット5a(5b)に様々な配光デザインを施すことができる。
なお、上記した各種フィルタ、ミラー、及びレンズは、光配給ユニット3の光ファイバ7の照明ユニット側の他端に設けられてもよい。
上記した構成の照明システム1は、以下のように動作する。まず、照明ユニット5a(5b)のリモコン信号受信部57が、リモートコントローラから点灯の指示を受ける。リモコン信号受信部57は、リモートコントローラからの指示を指示信号S1として電波にのせて発信する。光配給ユニット3の通信部35は、リモコン信号受信部57から指示信号S1を受信し、指示信号S1を指示信号S2に変換して該指示信号S2を制御部31へ提供する。制御部31は、指示信号S2に基づいて、LED39a〜39c(39e〜39g)に駆動信号Sa〜Sc(Se〜Sg)を送る。LED39a〜39c(39e〜39g)は、駆動信号Sa〜Sc(Se〜Sg)を受けて紫外光を発光する。LED39a〜39c(39e〜39g)からの紫外光は、光ファイバ群7a(7b)を構成する光ファイバ7の一端に入射し、該光ファイバ7を介して照明ユニット5a(5b)へ達する。照明ユニット5a(5b)では、LED39a〜39c(39e〜39g)からの紫外光によって蛍光体53が励起され、赤色光、緑色光、及び青色光が発生する。そして、これらの光が混色して白色光となり、この白色光が照明光として照明ユニット5a(5b)の外部へ照射される。
以後、リモートコントローラからの消灯、光量調節、及び消灯時間などの指示に応じて、上記した動作と同様の動作によって制御部31において駆動信号Sa〜Sc(Se〜Sg)が調整され、LED39a〜39c(39e〜39g)の発光量や点灯時間が制御される。また、制御部31において、LED39a〜39gそれぞれの必要な光量や連続動作時間や消費電力等に基づいて、LED39a〜39gの全体での発熱状態を緩和するようにLED39a〜39gの発光量が調整される。
以上に説明した本実施形態による照明システム1、光配給ユニット3、及び照明ユニット5a及び5bは、以下の効果を有する。すなわち、本実施形態による光配給ユニット3では、2つの照明ユニット5a及び5bへ光を提供する複数のLED39a〜39gを、1つの本体部30内に収めることが可能となる。また、複数のLED39a〜39gを含む本体部30と照明ユニット5a及び5bとは光ファイバ7を介して隔離されているので、この光配給ユニット3では従来の照明装置と比べてLED39a〜39gの配置の自由度が高く、LED39a〜39g同士の間隔を必要なだけ設けることが可能となる。また、2つの照明ユニット5a及び5bへ光を提供する複数のLED39a〜39gからの熱を、放熱板43によってまとめて放散することができる。従って、本実施形態による光配給ユニット3によれば、LED39a〜39gにおいて発生する熱を効率的に放散することが可能となる。また、本実施形態による光配給ユニット3では、複数のLED39a〜39gそれぞれの発光状態が制御部31によってまとめて制御されるので、照明ユニット5a及び5bにおいて効率的に光量調整することができる。
また、本実施形態による光配給ユニット3によれば、光を各照明位置へ供給するので大きな電流が配線に流れることがなく、漏電や火災といった防災面での不安がなくなる。また、光配給ユニット3は照明位置とは無関係に配置できるので、通気性のよい場所など好適な場所を選んで光配給ユニット3を設置することができる。また、光配給ユニット3がLED39a〜39gを備えることにより、照明ユニット5a及び5bが制御回路や電源などの設備を必要としない。例えば、図16に示した従来の照明装置では、LEDを駆動するためのAC/DCコンバータやスイッチなどの駆動・制御回路が必要となる。本実施形態の光配給ユニット3によれば、これらの機能はすべて光配給ユニット3に収められるので、照明ユニット5a及び5bを軽く低コストで製造することができるとともに、配光設計やデザインの自由度を高めることができ、さらに保守管理も容易となる。特に、映画館の客席誘導灯や建物の防犯灯など小さな照明を多く設置する場合には、本実施形態の光配給ユニット3を用いることによって各照明の制御回路をまとめることができるので、経済的である。また、照明ユニット5a及び5bのデザインに飽きた場合などには、照明ユニット5a及び5bのみ交換すればよく、照明ユニット5a及び5bはLEDを含まないので有害性が少なく容易にリサイクルできる。
また、光配給ユニット3は、本実施形態のように、制御部31と電気的に接続され、外部から供給される交流電源P1を直流電源P2に変換して直流電源P2を制御部31に供給する変換部33を備えていることが好ましい。これによって、交流電源が供給されている建築物等において光配給ユニット3を好適に使用することができる。
また、光配給ユニット3は、本実施形態のように、制御部31と電気的に接続され、LED39a〜39gの発光状態を指示するための指示信号S1を外部から受信して該指示信号を制御部31へ提供する通信部35を備えることが好ましい。これによって、光配給ユニット3から離れた場所(例えば照明位置)において光配給ユニット3へ発光量などを好適に指示することができる。
また、LED39a〜39gは、本実施形態のように、紫外LEDであることが好ましい。LED39a〜39gとして例えば白色LEDを用いた場合、光ファイバ7における光吸収量が該光ファイバ7の分散によって波長毎に異なり、LED39a〜39gにおける発光色と照明ユニット5a(5b)における照明色とが微妙に異なる。しかも、照明ユニット5aへの光ファイバ7の長さと、照明ユニット5bへの光ファイバ7の長さとの違いによって、各照明ユニットそれぞれにおける照明色が互いに異なることとなる。そこで、本実施形態による光配給ユニット3のように、紫外LEDからの単色光を光ファイバ7を介して照明ユニット5a及び5bへ送り、蛍光体53によって白色光に変換するなどすれば、照明ユニット5a及び5bにおいて期待通りの照明色を得ることができる。なお、この効果は、紫外LEDに限らず、青色LEDを用いても同様である。また、光ファイバ7の長さが比較的短い場合には、白色LEDを用いてもよい。
また、照明ユニット5a及び5bは、本実施形態のように、光ファイバ7の他端と光学的に結合され、LED39a〜39gからの紫外光や青色光により励起されて該紫外光や青色光よりも長波長の可視光を発光する蛍光体53を備えることが好ましい。これによって、LED39a〜39gからの紫外光や青色光により励起された蛍光体53からの可視光を混色するなどして所定の照明色を得ることができる。また、照明ユニット5a及び5bが光配給ユニット3の本体部30から隔離して配置されるので、蛍光体53がLED39a〜39gから隔離されることとなり、蛍光体53がLED39a〜39gからの熱の影響を受けずにすむ。従って、蛍光体53の劣化(透過率や発光効率の低下)を抑え、寿命や信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態による照明システム1は、光配給ユニット3と、互いに異なる照明位置に配置された2つの照明ユニット5a及び5bとを備えている。これによって、2つの照明位置において効率的に光量調整できるとともに、LED39a〜39gにおいて発生する熱を効率的に放散することが可能な照明システムを提供できる。
(第1の変形例)
図4は、上記した実施形態による光配給ユニット3の第1変形例を示す構成図である。図4を参照すると、本変形例による光配給ユニット3aは、上記した実施形態の光配給ユニット3の構成に加えて、さらに冷却装置44を備えている。冷却装置44は、LED39a〜39gを冷却するための装置であり、例えば空冷や水冷といった方式である。本変形例では、冷却装置44は基板37に設けられている。このように、光配給ユニット3が冷却装置44を備えることによって、LED39a〜39gにおいて発生する熱をより効率的に放散することができる。
(第2の変形例)
図5は、上記した実施形態による光配給ユニット3の第2変形例を示す構成図である。図5を参照すると、本変形例による光配給ユニット3bは、上記した実施形態の光配給ユニット3の構成に加えて、さらに温水器48を備えている。温水器48は、LED39a〜39gからの熱によって水を温める装置である。また、本変形例による光配給ユニット3bは、上記した実施形態の光配給ユニット3の放熱板43に代えて放熱板46を備えている。放熱板46は、LED39a〜39gから基板37を介して伝わる熱を温水器48に提供する。温水器48では、管に流入する冷水Cが放熱板46からの熱によって温められ、温水Hとなって外部へ提供される。このように、光配給ユニット3bが温水器48を備えることによって、LED39a〜39gにおいて発生する熱を好適に再利用することができる。なお、LED39a〜39gにおいて発生する熱を再利用する方法は温水器48に限られるものではなく、例えばパラフィンなどの蓄熱材を用いた蓄熱器によって、LED39a〜39gにおいて発生する熱を暖房などに利用することもできる。
(第3の変形例)
図6は、上記した実施形態による光配給ユニット3の第3変形例を示す構成図である。図6を参照すると、本変形例による光配給ユニット3cは、上記した実施形態の光配給ユニット3の変換部33及びプラグ40に代えて、電池45を備えている。電池45は、配線47を介して制御部31に電気的に接続されており、LED39a〜39gを駆動するための直流電源P3を制御部31へ供給する。電池45としては、例えば充電可能な蓄電池(バッテリー)や乾電池などを用いるとよい。このように、光配給ユニット3cが電池45を備えることによって、移動する物体に光配給ユニット3cを容易に装備することができる。さらには、光配給ユニット3cを比較的小さくすれば、携帯することも可能となる。
(第4の変形例)
図7は、上記した実施形態による光配給ユニット3の第4変形例を示す構成図である。図7を参照すると、本変形例による光配給ユニット3dは、上記した実施形態の光配給ユニット3の変換部33及びプラグ40に代えて、蓄電池63を備えている。また、本変形例による光配給ユニット3dは、さらに太陽電池62を備えている。蓄電池63は、配線61aを介して太陽電池62と電気的に接続されるとともに、配線61bを介して制御部31と電気的に接続されている。太陽電池62は、太陽光を受けて電力P4を生成し、該電力P4を配線61aを介して蓄電池63へ送る。蓄電池63は、太陽電池62からの電力P4によって充電される。蓄電池63は、LED39a〜39gを駆動するための電源電圧P5を制御部31に供給する。このように、光配給ユニット3dが太陽電池62及び蓄電池63を備えることによって、外部からの電源の供給がなくても半永続的に動作することが可能となる。
(第5の変形例)
図8は、上記した実施形態による光配給ユニット3の第5変形例を示す構成図である。図8を参照すると、本変形例による光配給ユニット3eは、上記した実施形態の光配給ユニット3の構成に加えて、さらにスロット67を備えている。そして、光配給ユニット3eは、複数のLEDモジュール49a及び49bを備えている。スロット67は、LEDモジュール49aまたは49bの基板37を着脱可能に保持しており、LEDモジュール49aとLEDモジュール49bとが互いに交換可能となっている。本変形例において、LEDモジュール49aは、上記した実施形態のLEDモジュール49と同様の構成を有している。また、LEDモジュール49bは、上記した実施形態のLEDモジュール49のLED39a〜39gに代えて、4つのLED65a〜65dを有している。LED65a〜65dは、例えばLED39a〜39gとは発光波長の異なるLEDであり、LED65a及び65bが光ファイバ群7aに、LED65c及び65dが光ファイバ群7bに、それぞれ対応している。
このように、光配給ユニット3eがスロット67を備えることによって、LEDの個数や配置、発光波長などが異なるLEDモジュールを、必要に応じて、或いは嗜好に応じて交換することができる。また、スロット67を複数備えることにより、LEDの個数の増設など拡張性を持たせることも容易となる。
(第1の実施例)
図9は、上記した実施形態及び変形例による照明システムの第1実施例を示す図である。図9に示すように、上記した実施形態及び変形例の照明システムは、家屋内の照明装置として用いることができる。なお、本実施例では、光配給ユニット3は、光ファイバ群7a及び7bに加えてさらに光ファイバ群7c及び7dを備えている。また、本実施例の照明システムは、照明ユニット5a及び5bに加えてさらに照明ユニット5c及び5dを備えている。本実施例では、本体部30は屋外に配置されている。そして、照明ユニット5a〜5cは、それぞれ室内を照明するように天井或いは壁面に配置されている。また、照明ユニット5dは、液晶画面のバックライトとして用いられている。
(第2の実施例)
図10は、上記した実施形態及び変形例による照明システムの第2実施例を示す図である。図10に示すように、上記した実施形態及び変形例による照明システムは、マンション等の集合住宅における各戸の照明装置として用いることができる。なお、本実施例では、照明システムは上記した第2変形例の光配給ユニット3bを複数備えている。そして、各光配給ユニット3bの本体部30からは光ファイバ束7eが各戸へ向けて延びている。光ファイバ束7eは、少なくとも2戸(本変形例では6戸)へそれぞれ延びる光ファイバ群を含んでいる。各戸においては目的や形状の異なる照明ユニットが用いられ、これらの照明ユニットが光配給ユニット3bにおいて集中管理される。光配給ユニット3bは、各戸からの電波による通信によって制御されるとよい。
また、光配給ユニット3bの温水器48(図5参照)から延びる配管は、温水槽48aに接続されている。この実施例のように、上記した照明システムによれば、集合住宅における各戸の照明によって発生する熱を効率的に再利用することができる。
(第3の実施例)
図11は、上記した実施形態及び変形例による照明システムの第3実施例を示す図である。図11に示すように、上記した実施形態及び変形例による照明システムは、自動車などの乗り物の照明装置として用いることができる。なお、本実施例では、照明システムは上記した第3変形例の光配給ユニット3cを備えている。すなわち、本実施例の光配給ユニット3cは、乗り物に搭載されているバッテリーから電源を供給される。また、本実施例の光配給ユニット3cは、冷却装置71によって冷却される。冷却装置71としては、例えば自動車のラジエータなどを用いるとよい。光配給ユニット3cは、本体部30から照明ユニット5a〜5eへ向けて延びる光ファイバ群7a〜7eを備えている。これらの光ファイバ群7a〜7eは、光ハーネスとして一体となっていてもよい。照明ユニット5a及び5bは、それぞれ左右テールランプとして配置されている。照明ユニット5cは、室内灯として配置されている。照明ユニット5d及び5eは、それぞれ左右ヘッドライトとして配置されている。
本実施例において、照明ユニット5d及び5e(ヘッドライト)へ延びる光ファイバ群7d及び7eとしては、高温のエンジンルーム内に設けられるため、必要に応じて耐熱性の高い光ファイバを用いるとよい。
本実施例のように、上記した照明システムが自動車などの乗り物に搭載されることにより、2つのヘッドライト、室内灯、及びテールランプの光量を効率的に調整することができる。また、一般的にヘッドライトなどは収容部が狭く熱放散性が悪いが、本実施例によれば、ヘッドライト、室内灯、及びテールランプの照明によって発生する熱をラジエータ等の冷却装置によって効率的に放散することができる。
(第4の実施例)
図12は、上記した実施形態及び変形例による照明システムの第4実施例を示す図である。図12に示すように、上記した実施形態及び変形例による照明システムは、携帯用の照明装置として用いることができる。なお、本実施例では、照明システムは上記した第3変形例の光配給ユニット3cを備えている。すなわち、光配給ユニット3cは、電池45(図6参照)を備えている。光配給ユニット3cは、本体部30から照明ユニット5a及び5bへ向けて延びる光ファイバ群7a及び7bを備えている。本実施例では、照明ユニット5aはヘッドランプとして配置されている。また、照明ユニット5bは懐中電灯として配置されている。
(第5の実施例)
図13は、上記した実施形態及び変形例による照明システムの第5実施例を示す図である。図13に示すように、上記した実施形態及び変形例による照明システムは、街灯や信号機として用いることができる。なお、本実施例では、照明システムは上記した第4変形例の光配給ユニット3dを備えている。すなわち、光配給ユニット3dは、太陽電池62及び蓄電池(図示せず、図7を参照)を備えており、昼間に電力を蓄えられるしくみとなっている。光配給ユニット3dの本体部30は、交通の妨げにならないよう地中に埋め込まれている。光配給ユニット3dは、本体部30から照明ユニット5a〜5dへ向けて延びる光ファイバ群7a〜7dを備えている。本実施例では、照明ユニット5aは街灯として配置されている。また、照明ユニット5b〜5dは、それぞれ信号機の青色灯、黄色灯、及び赤色灯として配置されている。
(第6の実施例)
図14は、上記した実施形態及び変形例による照明システムの第6実施例を示す図である。図14に示すように、上記した実施形態及び変形例による照明システムは、家屋の屋根裏用の照明や、地中の機械室の照明として用いることができる。屋根裏や機械室のように狭く通気性の悪い場所では、光配給ユニット3の本体部30を自由に配置できる本照明システムを用いるとよい。すなわち、本体部30を屋外や通気口など通気性のよい場所に配置することによって、LEDから発生する熱を好適に放散することができる。また、照明ユニット5a及び5bは、電源や制御回路などが不要なので小型であり、狭い場所でも好適に設置することができる。なお、屋根裏や機械室など狭い場所へ延びる光ファイバ群としては、狭い空間に這わすことができる所謂アンダーカーペット型のような薄い光ファイバケーブルを用いるとよい。
(第7の実施例)
図15は、上記した実施形態及び変形例による照明システムの第7実施例を示す図である。図15に示すように、上記した実施形態及び変形例による照明システムは、水槽用の照明装置として用いることができる。本実施例では、照明ユニット5a及び5bが水槽86内に配置されている。そして、光配給ユニット3の本体部30が水槽86の外部に配置されている。上記した実施形態及び変形例の照明ユニット5a及び5bは、電気回路や電源を備える必要がないので、比較的耐水性が高く、特別な防水機能を必要としない。従って、本実施例のように水槽86内を照明したい場合には、照明ユニット5a及び5bを水槽86内に配置すれば好適に照明することができる。なお、光ファイバ群7aまたは7bが水に接する場合には、耐水性の高い光ファイバを用いるとよい。
本発明による光配給ユニット、照明ユニット、及び照明システムは、上記した実施形態及び変形例に限られるものではなく、他にも様々な変形が可能である。例えば、上記した実施形態及び実施例では、照明ユニットが電波出力端を備え、光配給ユニットへ電波によって指示信号を送っている。指示信号の送信方法はこれに限らず、照明ユニットと光配給ユニットとを接続する通信用の光ファイバを介して光信号として送信してもよく、照明ユニットと光配給ユニットとを接続する通信配線を介して電気信号として送信してもよい。または、リモートコントローラやパソコンなどから光配給ユニットへ直接指示信号を送信してもよい。特に、パソコンを用いることにより、半導体発光素子の光量バランスを調整して配光調整をしたり、光量や点灯/消灯を時間制御して省エネルギー動作をさせることも容易になる。
また、上記した実施形態及び実施例では、光配給ユニットの半導体発光素子としてLEDを挙げているが、半導体発光素子としてはこの他にも例えばレーザダイオードを用いることもできる。
また、光配給ユニットの制御部はCPUやメモリなどを備えることが好ましいが、光配給ユニットの外部に設けられたコンピュータと光配給ユニット内の制御部とが送受信することにより、半導体発光素子の発光状態の制御の一部を該コンピュータが行ってもよい。
図1は、本発明による照明システムの実施形態を示すブロック図である。 図2は、本実施形態の光配給ユニットを示す構成図である。 図3は、本実施形態の照明ユニットを示す構成図である。 図4は、上記した実施形態による光配給ユニットの第1変形例を示す構成図である。 図5は、上記した実施形態による光配給ユニットの第2変形例を示す構成図である。 図6は、上記した実施形態による光配給ユニットの第3変形例を示す構成図である。 図7は、上記した実施形態による光配給ユニットの第4変形例を示す構成図である。 図8は、上記した実施形態による光配給ユニットの第5変形例を示す構成図である。 図9は、上記した実施形態及び変形例による照明システムの第1実施例を示す図である。 図10は、上記した実施形態及び変形例による照明システムの第2実施例を示す図である。 図11は、上記した実施形態及び変形例による照明システムの第3実施例を示す図である。 図12は、上記した実施形態及び変形例による照明システムの第4実施例を示す図である。 図13は、上記した実施形態及び変形例による照明システムの第5実施例を示す図である。 図14は、上記した実施形態及び変形例による照明システムの第6実施例を示す図である。 図15は、上記した実施形態及び変形例による照明システムの第7実施例を示す図である。 図16は、従来の照明装置を示す図である。
符号の説明
1…照明システム、3、3a〜3e…光配給ユニット、5a〜5d…照明ユニット、7…光ファイバ、7a〜7d…光ファイバ群、7e…光ファイバ束、30…本体部、31…制御部、33…変換部、35…通信部、37…基板、39a〜39g…LED、40…プラグ、41a〜41g…フォトユニット、42…アンテナ、43、46…放熱板、44…冷却装置、45…電池、48…温水器、49、49a、49b…LEDモジュール、51…光コネクタ、53…蛍光体、55…基部、57…リモコン信号受信部、59…電波出力端子、62…太陽電池、63…蓄電池、67…スロット。

Claims (24)

  1. 少なくとも2つの光ファイバ群を構成する複数の光ファイバと、
    複数の半導体発光素子と、
    前記複数の半導体発光素子のそれぞれに設けられ、前記複数の光ファイバの一端と前記複数の半導体発光素子とをそれぞれ互いに光学的に接続する複数の光コネクタと、
    前記複数の半導体発光素子と電気的に接続され、該複数の半導体発光素子それぞれの発光状態を制御する制御部と
    を備え、
    前記少なくとも2つの光ファイバ群が、互いに異なる照明位置へそれぞれ延びていることを特徴とする光配給ユニット。
  2. 前記制御部と電気的に接続され、前記複数の半導体発光素子を駆動するための電源電圧を前記制御部に供給する電池をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光配給ユニット。
  3. 前記制御部と電気的に接続され、外部から供給される交流電源を直流電源に変換して該直流電源を前記制御部に供給する変換部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光配給ユニット。
  4. 前記制御部と電気的に接続され、前記複数の半導体発光素子を駆動するための電源電圧を前記制御部に供給する蓄電池と、
    前記蓄電池と電気的に接続され、該蓄電池を充電する太陽電池と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光配給ユニット。
  5. 前記制御部と電気的に接続され、前記複数の半導体発光素子の発光状態を指示するための指示信号を外部から受信して該指示信号を前記制御部へ提供する通信部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光配給ユニット。
  6. 前記複数の半導体発光素子を冷却する冷却装置をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光配給ユニット。
  7. 前記複数の半導体発光素子から発生する熱を利用した温水器及び蓄熱器のうち少なくとも一方をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光配給ユニット。
  8. 前記複数の半導体発光素子が実装された基板と、
    前記基板を着脱可能に保持する少なくとも1つのスロットと
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光配給ユニット。
  9. 前記制御部が、
    前記複数の半導体発光素子の発光状態を制御するためのプログラムが格納されたメモリと、
    前記メモリから前記プログラムを読み出し、該プログラムを実行するCPUと
    を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光配給ユニット。
  10. 前記制御部が、前記複数の半導体発光素子それぞれの発光量を時間制御することを特徴とする請求項9に記載の光配給ユニット。
  11. 前記複数の半導体発光素子の動作履歴を記録する記録手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の光配給ユニット。
  12. 前記複数の半導体発光素子の動作履歴データを外部へ出力するための出力端子をさらに備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の光配給ユニット。
  13. 乗り物に搭載されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の光配給ユニット。
  14. 前記光ファイバの他端と光学的に結合されたカラーフィルタ及び光拡散フィルタのうち少なくとも一方をさらに備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の光配給ユニット。
  15. 前記複数の半導体発光素子が、青色LEDまたは紫外LEDであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の光配給ユニット。
  16. 前記光ファイバの他端と光学的に結合され、青色光または紫外光により励起されて該青色光または紫外光よりも長波長の可視光を発光する蛍光体をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の光配給ユニット。
  17. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の光配給ユニットとともに用いられ、前記照明位置に配置される照明ユニットであって、
    前記光ファイバ群に含まれる光ファイバの他端を保持する保持部を備えることを特徴とする照明ユニット。
  18. 請求項15に記載の光配給ユニットとともに用いられ、前記照明位置に配置される照明ユニットであって、
    前記光ファイバ群に含まれる光ファイバの他端を保持する保持部と、
    前記光ファイバの他端と光学的に結合され、青色光または紫外光により励起されて該青色光または紫外光よりも長波長の可視光を発光する蛍光体をさらに備えることを特徴とする照明ユニット。
  19. 前記光ファイバの他端と光学的に結合されたカラーフィルタ及び光拡散フィルタのうち少なくとも一方をさらに備えることを特徴とする請求項17または18に記載の照明ユニット。
  20. 前記光ファイバの他端と光学的に結合された光反射手段及びレンズのうち少なくとも一方をさらに備えることを特徴とする請求項17〜19のいずれか一項に記載の照明ユニット。
  21. 乗り物に搭載されることを特徴とする請求項17〜20のいずれか一項に記載の照明ユニット。
  22. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の光配給ユニットと、
    請求項17〜21のいずれか一項に記載の照明ユニットであって、互いに異なる前記照明位置に配置された少なくとも2つの照明ユニットと
    を備えることを特徴とする照明システム。
  23. 乗り物に搭載され、
    前記少なくとも2つの照明ユニットのうち2つの照明ユニットが、ヘッドライトとして配置されることを特徴とする請求項22に記載の照明システム。
  24. 前記少なくとも2つの照明ユニットのうち一部の照明ユニットが、室内灯及びテールランプのうち少なくとも一方として配置されることを特徴とする請求項22または23に記載の照明システム。
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