JP2005071710A - 電池の製造方法および電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属製の外装缶を有する電池であって、製造過程中における外装缶を構成する金属材料のダストに起因した短絡の発生が少なく信頼性の高い電池の製造方法および電池を提供する。
【解決手段】 保護膜60は、ガラス膜被覆である琺瑯で構成されており、開口端縁を含む外装缶10の表面にコーティングされている。保護膜60のコーティング領域は、外装缶10における外側壁全域と、端縁および内壁に沿って電極体20の上端に接続された正極集電板31の高さ位置よりも缶底側に至るまでの連続した領域である。この保護膜60は、上記のように琺瑯で構成されているので、絶縁性および耐食性を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電池の製造方法および電池に関し、特に金属製の外装缶を備え、この外装缶からの金属ダストに起因する内部短絡の発生を低減するための技術に関する。
一般にアルカリ電池は、金属製であって有底円筒状の外装缶に、正負両極板とセパレータより構成された電極体が収納され、外装缶の開口部が封口蓋によって封口されて構成されている。封口蓋を用いた封口には、角形電池などにおいてはレーザ溶接法などが用いられることもあるが、円筒型電池にあっては、製造コストなどの面からカシメ加工法が多く用いられている。この方法では、外装缶内に電極体を収納した後、外装缶の側壁における電極体が収納された箇所よりもやや開口部よりの箇所に縮径加工を施し(シーム工程)、これによって内壁に棚部分が形成される。この棚部分の形成により、外装缶の内方に収納された電極体は、缶内部に保持される。そして、この棚部分の上に封口蓋を載置する。この状態において、封口蓋と外装缶との間にガスケットなどを介し、外装缶の開口縁部をカシメ加工することにより封口蓋を固定し、封口がなされる。シーム工程について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、外装缶200の内方には、電極体220が収納されている。収納された電極体220には、上端側に正極集電板231、下端側に負極集電板232が接続されている。そして、電極体220は、下側の負極集電体232が外装缶200の内底に密着するまで挿入されており、負極集電板232と外装缶200の缶底とは溶接固定されている。また、正極集電板231の外周縁には、外装缶200との接触防止(絶縁)用の絶縁体233が介挿されている。
図4に示すように、シーム工程においては、先ず、外装缶200の開口端縁200aと缶底との両側に型501、502がそれぞれ押し当てられ、缶の軸方向に圧縮力Fが加えられている。そして、外装缶200は、上記圧縮力Fが加えられた状態で、回転作用を受け、外側壁における電極体220が収納された部分よりやや上部に溝入れ用の加工コマ503が押し当てられて、封口蓋載置用の棚部分が設けられる。
ところで、カシメ加工によって封口される電池では、異極となる封口蓋と外装缶とがガスケットを挟んだだけの状態で近接することになり、完成後の電池において、この間に金属片などが付着することで短絡を生じることも考えられる。そこで、上記近接箇所における外装缶あるいは封口蓋に絶縁加工を施し、完成後の電池における短絡の発生を抑制する技術も開発されている(特許文献1)。
特開平10−294093号公報
しかしながら、上記特許文献1のように封口後の外装缶と封口蓋との間の絶縁性を確保した場合であっても、製造過程において、外装缶の開口端縁などから外装缶を構成する金属材料の粉あるいは小片(金属ダスト)が外装缶の内部に落下することがある。具体的には、上記図4に示すように外装缶200の開口端縁200aに型501を押し当てて圧縮力を加えながら回転させる際に、その間における滑りなどが原因で外装缶200の開口端縁200aから金属ダスト300が発生し、外装缶200の内部に落下する場合がある。落下した金属ダスト300は、電極体220の中に入り込んでしまった場合に、正極と負極とを電気的に繋ぎ合わせる働きをしてしまい、内部短絡の原因となる。
本発明は、上記問題を解決しようとなされたものであって、金属製の外装缶を有する電池であって、製造過程中における外装缶を構成する金属材料のダストに起因した短絡の発生が少なく信頼性の高い電池の製造方法およびこれより得られる電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る電池の製造方法は、金属からなる有底筒状の外装缶に対して、その開口端縁を保護膜でコーティングするステップと、外装缶の内方に電極体を収納するステップと、これら2つのステップの後に、外装缶の開口部を、封口蓋を用いて封口するステップとを備えることを特徴とする(請求項1)。
また、本発明は、上記請求項1に係る電池の製造方法において、収納するステップと封口するステップとの間には、外装缶における電極体が収納された部分よりも開口部側の一部領域を縮径するシームステップが介挿されており、当該シームステップにおいては、外装缶の開口端縁と缶底との各々から型を押し当てて圧縮力を作用させながら、当該外装缶の外周面における縮径しようとする箇所に対して、その断面方向内方に向けて押圧することを特徴とする(請求項2)。
また、本発明は、上記請求項1または2に係る電池の製造方法において、電極体の上端に正極集電体が接合されており、保護膜が絶縁材料から構成されており、コーティングするステップでは、開口端縁から外装缶の内壁に沿って正極集電体が最接近するのに相当する箇所よりも缶底側にまで続けて保護膜を形成することを特徴とする(請求項3)。
また、本発明は、上記請求項3に係る電池の製造方法において、コーティングするステップでは、外装缶における外側壁を保護膜でコーティングすることを特徴とする(請求項4)。
また、本発明は、請求項1から4の何れかに係る電池の製造方法において、保護膜を、琺瑯(例えば、酸化チタン、酸化シリコンなどのガラス膜被覆)、金属酸化膜(例えば、酸化アルミニウムなど)、珪素化合物の膜(例えば、窒化シリコン、シリコーン樹脂など)、高分子膜(例えば、フッ素樹脂やPET樹脂など)の中から選択される少なくとも一種を用いた構成とすることを特徴とする(請求項5)。なお、保護膜の構成については、上記のものが望ましいが、外装缶の開口端縁を保護出来るものであれば、これに限定されるものではない。
さらに、本発明は、正負両極板とセパレータとから構成される電極体が、金属製の外装缶に収納され、外装缶における電極体の収納口が封口蓋をもって封口されてなる電池において、外装缶における封口側の端縁を、保護膜でコーティングしておくことを特徴とする(請求項6)。
また、本発明は、上記請求項6に係る電池において、電極体の上端に正極集電体が接合されており、保護膜が絶縁材料から構成されているとともに、外装缶の内側壁における端縁から正極集電体が最接近する箇所よりも缶底側にまで続く領域および外装缶の外側壁をコーティングするように形成されていることを特徴とする(請求項7)。
なお、上記請求項6、7に係る電池において、保護膜については、琺瑯(例えば、酸化チタン、酸化シリコンなどのガラス膜被覆)、金属酸化膜(例えば、酸化アルミニウムなど)、珪素化合物の膜(例えば、窒化シリコン、シリコーン樹脂など)、高分子膜(例えば、フッ素樹脂やPET樹脂など)の中から選択される少なくとも一種を用いた構成から形成されていることが望ましい。
上記請求項1に係る電池の製造方法では、封口するステップよりも前の段階で、外装缶の開口端縁を保護膜でコーティングするステップを実施するので、封口時などにおいて、外装缶の開口端縁からその構成金属の摩滅などによる金属ダストの発生がなく、このような金属ダストの混入による内部短絡の発生が抑制される。
また、上記製造方法では、コーティングするステップを収納するステップの前に実施すれば、電極体を収納する際に、外装缶の開口端縁で電極体が損傷を受けることもなく、この面からも完成後における電池の信頼性を向上させることが出来、また、製造過程における歩留まりを向上させることもできる。
従って、本発明に係る電池の製造方法では、内部短絡の発生が少なく高い信頼性を有する電池を高効率に製造することが可能である。
上記製造方法において、保護膜を絶縁材料から構成しておき、この保護膜を外装缶に沿って、正極集電体が最接近する箇所よりも缶底側にまで続いて形成するようにしておけば、保護膜が正極集電体と外装缶との間の絶縁体としても機能する。よって、上記図4における絶縁体233を設けなくても、正極集電体と外装缶との間の絶縁状態を容易な構成で確保することが出来る。
上記請求項5に係る電池では、外装缶の封口側の端縁が保護膜によってコーティングされているので、製造過程中のシーム工程において、当該封口側の端縁に型を押し当てて圧縮力が加えられても、摩擦力によって外装缶の端縁からその金属ダストが飛散することがなく、外装缶内に短絡の原因となる金属ダストが混入することもない。よって、本発明に係る電池では、製造過程中に外装缶の構成金属の摩滅などによる金属ダストが発生しにくく、電池における内部短絡の発生の確率が低減される。また、完成後の電池においても、外装缶の封口側の端縁が保護膜でコーティングされているので、この部分と封口蓋などとの間への導電性のゴミなどが付着した場合にも短絡の発生が生じにくい。即ち、本発明に係る電池における保護膜は、少なくとも外装缶における端縁を強化する目的で形成されているものである。
従って、本発明の電池では、製造過程中における外装缶を構成する金属材料のダストに起因するものをはじめ短絡の発生が少なく、高い信頼性を有する。
以下では、本発明の実施の形態に係る電池について、ニッケル−カドミウム電池(以下、「Ni−Cd電池」という。)を一例に説明する。
(Ni−Cd電池1の構造)
先ず、本発明の実施の形態に係るNi−Cd電池1の構造について、図1を用いて説明する。図1は、Ni−Cd電池1の外観斜視図であって、便宜上、外装缶10の一部を切り欠いて示してある。
図1に示すように、本実施の形態に係るNi−Cd電池1は、円筒型の外観形状を有し、例えば、SCサイズのものである。Ni−Cd電池1は、有底筒状の外装缶10に電極体20が収納されており、また、図示はしていないが、電解液が充填されている。そして、外装缶20における上方の開口部は、封口蓋40により封口されている。封口蓋40の固定方法には、本実施の形態ではカシメ加工が用いられている。また、カシメ部10bにおいて、外装缶10と封口蓋40との間には、ガスケット50が介挿されている。
また、図1の拡大部分に示すように、外装缶10とガスケット50との間には、外装缶10の内表面にコーティングされた保護膜60が形成されている。この保護膜60については、後述する。Ni−Cd電池1の構成要素の内、電極体20は、ともに長尺状の正極板21と負極板22が間にセパレータ23を挟んだ状態で巻回され、渦巻き状に成形されている。そして、電極体20の上端には、正極板21からの集電用としての正極集電板31が接合されており、一方、下端には、負極板22からの集電用としての負極集電板32が接合されている。
正極集電板31および負極集電板32は、ともに金属材料からなる円板状の本体形状を有し、正極集電板31は、これより短冊状の接続リード部31aが延出されている。接続リード部31aは、その端部で封口蓋40に接合されている。また、正極集電板31における円板状をした本体部主面には、電解液あるいは内部で発生したガスの流通を良好に保つための孔が複数設けられている。負極集電板32は、その中央部分で外装缶10に溶接接合されている。
図1に示すように、封口蓋40には、電池内の内圧が一定以上に上昇した場合に内部のガスを外部に放出するためのガス抜き弁機構が設けられている。この封口蓋40については、一般的に多く用いられている構造を有するものであるので、ここでの詳しい説明を割愛するが、上記のように、正極集電板31と接続されていることから、正極端子としても機能する。
外装缶10は、上述のように円筒型の外観形状を有し、図面上方におけるカシメ部10bで、間にガスケット50を介した状態で封口蓋40に対してカシメ加工が施されている。このカシメ加工によって、外装缶10と封口蓋40との間の気密が確保された状態での封口がなされる。
また、図1に示すように、外装缶10における電極体20の収納領域の上端では、その側壁が全周にわたって縮径加工された縮径部10aを有している。縮径部10aを設けることにより、外装缶10の内壁は、棚部分が形成されることになり、封口蓋40がこれに載置されることになる。
図1の拡大部分に示す保護膜60は、ガラス膜被覆である琺瑯で構成されており、端縁を含めた外装缶10の表面にコーティングされている。保護膜60の膜厚は、例えば1〜50(μm)程度に設定されている。保護膜60のコーティング領域は、外装缶10における外側壁の全域と、端縁および内壁に沿って電極体20の上端に接続された正極集電板31の高さ位置よりも缶底側に至るまでの連続した領域である。この保護膜60は、上記のように琺瑯で構成されているので、絶縁性を有し、また、耐食性にも優れる。
なお、本実施の形態においては、外装缶10における缶底外面には、保護膜60によるコーティングを施していないが、電池の接続端子としての領域をあけた状態で、缶底外面にも保護膜60のコーティングを施してもよい。
(Ni−Cd電池1の製造)
次に、上記構成のNi−Cd電池1の製造方法、特に外装缶10への縮径部10aの形成(シーム工程)までの製造過程について、図2および図3を用いて説明する。
図2(a)に示すように、深絞り加工などによって平板より有底円筒状の缶100を形成する。この缶100の製造に用いる板材は、例えば、板厚0.2〜0.8(mm)程度のNi鍍金鋼板である。この状態においては、開口端縁100aは特別の仕上げ加工等は施されておらず、加工時などに発生した微細なバリなどが存在する状態である。
なお、上記図2(a)に示す板材から缶100への加工条件などについては、一般的に電池の外装缶を形成する上で用いられる条件と差異はないので、説明を省略する。
次に、図2(b)に示すように、有底筒状の缶100に対して、その開口端縁100aおよびこれに続く内外壁を琺瑯により構成される保護膜60をもってコーティングする。保護膜60は、缶100の外側壁の全域と、開口端縁100aおよび内壁の一部領域にチタン乳白フリットを塗布し、これを約760〜850(℃)で焼成することで形成できる。外装缶10の内壁における保護膜60の形成深さL1は、上述のように、電極体20を収納した際に、保護膜60の下端が、電極体20の上端に接合された正極集電板31の収納高さよりも缶底側となるように設定される。
なお、図2(b)の拡大部分にも示すように、保護膜60は、開口端縁100aは勿論、外壁および内壁との境界となるエッジについても外装缶60の表面が露出しないように形成されている。
次に、図3(a)に示すように、保護膜60のコーティングがなされた缶100に対しては、その開口部より電極体20が収納される。電極体20には、予め上端に正極集電板31、下端に負極集電板32が接合されている。電極体20への両集電体31、32の接合には、抵抗溶接法あるいはレーザ溶接法が用いられる。そして、負極集電板32を缶100の缶底に接触させた状態でこれらの間を溶接固定する。この固定についても、抵抗溶接法あるいはレーザ溶接法を用いることが出来る。
図3(b)に示すように、電極体20が収納された缶100に対してシーム加工を施す(シーム工程)。即ち、缶100の側壁に対して、封口蓋40を載置するための棚部分を内壁に形成するために、その一部において縮径を施すものである。
シーム工程では、先ず、電極体20が収納された缶100の上下からそれぞれ上側押さえ型501、下側押さえ型502を押し当てる。そして、両押さえ型501、502と缶100との間で出来るだけ滑りが生じないように、缶100および両押さえ型501、502を一緒に回転させる。缶100には、回転とともに両押さえ型501、502からこれを挟み込む方向に圧縮力Fを作用させる。この圧縮力Fは、これだけでは缶100が座屈してしまわない程度の強さに設定されている。また、上側押さえ型501については、缶100の表面(開口端縁100a)に直接接触しているのではなく、外装缶10における開口端縁100aにコーティングされた保護膜60を介した状態で接触している。
図3(b)に示すように、缶100には、上述のように軸方向に圧縮力Fを受けながら回転された状態で、側壁の縮径しようとする箇所に対して加工コマ503をその径方向に宛われる。そして、この加工コマ503を少しずつ缶100の径方向中心に向けて進めて行き押圧することで縮径部10aが形成される。なお、加工コマ503についても、缶100の側壁表面に押し当てた状態で、缶100の回転に対応して回転する。
図3(c)に示すように縮径部10aが形成された缶100では、収納された電極体20が缶100の外部に飛び出さないように保持されるにいたり、また、上記図1に示す封口蓋40を載置する棚部分が缶100の内壁に形成されることになる。
図示していないが、この後に、上記棚部分に封口蓋40が載置され、カシメ加工によって、缶100が外装缶10の形態を有することになり、Ni−Cd電池1が完成する。
(Ni−Cd電池1およびその製造方法の優位性)
上述のような構造を有するNi−Cd電池1およびその製造過程においては、以下に示すような優位性を有する。
先ず、図1に示すように、完成後のNi−Cd電池1においては、電池の封口蓋40とこれに近接する外装缶10のカシメ部10bとの間を橋渡しするように導電性のダストなどが付着した場合でも、短絡を生じることがない。即ち、保護膜で外装缶の封口側端縁がコーティングされず、封口側端縁が露出している従来の電池においては、ガスケット50の厚みだけをあけて正極である封口蓋40と負極である外装缶10とが近接し、且つ、外装缶の封口側端縁が露出しているので、上記箇所に導電性のダストが付着した場合には短絡に至る。それに対して、本実施の形態に係るNi−Cd電池1では、外装缶10の端縁および外側壁の全域が絶縁性を有する保護膜60でコーティングされているので、上記箇所に導電性のダストが付着した場合にも、短絡を発生しにくい。
また、図1の拡大部分に示すように、絶縁性の保護膜60は、電極体20に接続された正極集電板31と外装缶10の壁面との間に介挿する位置にまで形成されているので、電池1に対して振動などが加わって、電極体20が径方向に振れた場合にも、正極集電板31と外装缶10とが接触してしまうことがなく、この間での短絡も防止できる。
また、図1に示すように、Ni−Cd電池1では、外装缶10の外側壁の全域を保護膜60でコーティングしているので、樹脂チューブなどで側面を保護しなくても外装缶10の外側壁と外部との間の絶縁を図ることが出来るとともに、保護膜60が外装缶10の外側壁に対して隙間なく密着しているので、電触の発生が抑制される。
さらに、製造過程においては、図3(a)に示すように、缶100の開口端縁には、このエッジを覆うように保護膜60が形成されているので、コーティングされていない場合よりもエッジに丸みがついている。これによって、缶100に電極体20を挿入する際に、缶100の開口縁における角で電極体20の負極板22やセパレータ23が傷つけられることがない。よって、極板活物質の脱落等による極板性能の低下や、これに起因する内部短絡の発生が抑制される。
また、図3(b)に示すシーム工程においては、上述のように、缶100の上下方向から挟み込み、その軸方向に向けて圧縮力Fを作用させるための上下押さえ型501、502の内、上側押さえ型501については、缶100の開口端縁100aに直接接しているのではなく、間に保護膜60を介しているので、押さえ型501と缶100との間に滑りが生じたような場合にも、缶100の開口端縁100aが摩滅することがない。よって、本実施の形態に係る製造方法では、シーム工程においても、缶100を構成する金属材料(例えば、ステンレスなど)の微粉や小片などが飛散することがなく、完成後の電池1でも内部短絡を生じにくい。即ち、缶100の表面(開口端縁100aを含む。)をコーティングする保護膜60が、シーム工程あるいは他の工程などにおいて、開口端縁の摩滅による金属材料の微粉や小片(金属ダスト)の発生を抑制し、これらが外装缶10内に混入することで生じる内部短絡を抑制する。
なお、図3(b)に示すシーム工程において、コーティングされている保護膜60の一部が摩滅され、その微粉などが飛散する可能性はあるが、保護膜60は絶縁性を有するので、電池の内部短絡の原因となることはない。この面からも、保護膜60を絶縁性の材料から構成しておくことが望ましい。
また、保護膜60の形成は、上記のように、特別に工数のかかるものではなく、コスト面でもあまり不利になるものではない。
従って、本実施の形態に係るNi−Cd電池1は、内部短絡の発生が少なく、信頼性が高い。また、本実施の形態に係る電池の製造方法では、簡易な方法をもって上記信頼性の高い電池を製造することが出来る。
(確認実験)
以下では、上記本発明に係る電池における優位性を確認するために実施した確認実験について、説明する。
実験対象電池;SCサイズのNi−Cd電池
(実施例) 上記実施の形態に係るNi−Cd電池1と同様に外装缶10の端縁および内壁の一部および外側壁の全域を琺瑯の保護膜60でコーティングした。
保護膜の形成;チタン乳化フリットを塗布後、約800(℃)で焼成。
シーム加工条件;
上側押さえ型回転数:1000(rpm)
加工コマの接触時間:0.15(sec.)
加工コマの加圧力:350(N)
(比較例) 基本的な構造は、実施例と同様であるが、保護膜でのコーティングを実施しなかった。
このような保護膜の形成の有無の違いによる2種類の電池を作製し、次のような評価を行った。
(1)バリ不良発生率
作製した実施例および比較例のNi−Cd電池について、電池電圧不良品のバリ不良発生を電池解体して黙視確認した。
(2)5Nパック浸水試験電触発生率
作製した実施例および比較例のNi−Cd電池について、5Nパック(紙チューブ仕様)を作製した。そして、各電池を充電した後に、5%塩水中へ2時間浸漬し、電触による外装缶における外側壁の錆びを黙視確認した。
(3)電池残空間比率
封口蓋の一部に孔を開け、外装缶内部に電解液を注入せずに、実施例および比較例に係るNi−Cd電池を作製し、浸水試験を実施した。そして、浸水前後の重量を比較することによって、電池内部残空間を算出した。
各評価の結果を表1に示す。
Figure 2005071710
表1に示すように、バリ不良発生率については、比較例の電池では0.21(%)発生していたのに対して、実施例の電池での発生はなかった。これより、実施例の電池では、製造時におけるシーム加工時に発生するバリ不良発生が、完全に抑制されたことがわかる。
また、表1に示すように、5Nパック浸水試験電触発生率については、比較例の電池ではN=10全数で電触の発生が確認されたのに対して、実施例の電池では、電触の発生は全くなかった。これより、実施例の電池では、外装缶外側面を保護膜(絶縁膜)で覆うことにより、バック加工後にパック内に水が浸入した場合に起こる電触の発生が抑制され、外装缶内側壁を保護膜(絶縁膜)でコーティングしていることから、正極集電板と外装缶との間に絶縁体(防振リング)を介挿させなくても、この間の絶縁が確実に図られる。よって、実施例の電池では、絶縁体(防振リング)を省くことができ、その分電池残空間体積が大きい。このような実施例に係る電池における電池残空間体積面での優位性が、表1における電池残空間比率に示されている。即ち、実施例の電池は、比較例の電池に比べて15(%)も電池残空間比率が大きい結果となっている。
(その他の事項)
上記実施の形態においては、電池の一例として円筒型のNi−Cd電池1を一例としたが、本発明が対象とする電池はこれに限定を受けるものではない。例えば、電池種類については、Ni−Cd電池以外にニッケル−水素(Ni−MH)電池やリチウムイオン電池、また、形状については、円筒型以外に角型などに適用してもよい。角型電池では、外装缶との間でレーザ溶接することで封口蓋を固定することが多いが、このような場合にも、本発明の構成を採用することによって、封口前のハンドリング中などにおける外装缶からの金属微粉や金属小片の飛散、外装缶内への落下などを抑制することが可能となる。即ち、電池の製造において、上記実施の形態では、カシメ加工を用いて封口を実施し、その前段階でのシーム工程での金属微粉など(金属ダスト)の落下・混入を防止出来る旨の記載をしたが、これに封口方法および有効となる製造工程が限定を受けるものはない。
さらに、上記実施の形態では、琺瑯で保護膜を形成することとしたが、保護膜の構成についても、これに限定を受けるものではない。例えば、保護膜の構成としては、酸化アルミニウムに代表される金属酸化膜、窒化シリコン、シリコーン樹脂などの珪素化合物からなる膜、フッ素樹脂やPET樹脂など高分子膜などを採用することも出来る。保護膜の形成方法については、上記実施の形態においては、焼成により琺瑯からなる保護膜60を形成するものとしたが、これに限らずCVD法、スパッタ法、樹脂塗布法などを用いることとしてもよい。また、膜厚などの寸法に関しても、本発明は、上記実施の形態に限定を受けるものではない。
本発明に係る電池およびその製造方法は、ノートパソコンなどに代表されるような高い信頼性が要求される携帯型電子機器などの電力源として好適である。
本発明の実施の形態に係るNi−Cd電池1の外観斜視図(一部切り欠き)である。 Ni−Cd電池1を製造するに当たって、電極体20を収納する前の段階における缶100への前処理工程を示す工程図である。 缶100への電極体20の収納から缶100の一部に縮径部10aを設けるまでの工程を示す工程図である。 従来の電池の製造におけるシーム工程を示す概略図である。
符号の説明
1.Ni−Cd電池
10.外装缶
20.電極体
21.正極板
22.負極板
23.セパレータ
31.正極集電板
32.負極集電板
40.封口蓋
50.ガスケット
60.保護膜
300.金属ダスト
501.上側押さえ型
502.下側押さえ型
503.加工コマ

Claims (7)

  1. 金属材料からなる有底筒状の外装缶に対して、その開口端縁を保護膜でコーティングするステップと、
    前記外装缶の内方に電極体を収納するステップと、
    前記コーティングするステップおよび収納するステップの後に、前記外装缶の開口部を、封口蓋を用いて封口するステップとを備える
    ことを特徴とする電池の製造方法。
  2. 前記収納するステップと封口するステップとの間には、前記外装缶における前記電極体が収納された部分よりも開口部側の一部領域を縮径するシームステップが介挿されており、
    当該シームステップにおいては、外装缶の開口端縁と缶底との各々から型を押し当てて圧縮力を作用させながら、当該外装缶の外周面における縮径しようとする箇所に対して、その断面方向内方に向けて押圧する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電池の製造方法。
  3. 前記電極体は、上端に正極集電体が接合されており、
    前記保護膜は、絶縁材料から構成されており、
    前記コーティングするステップでは、前記開口端縁から前記外装缶の内壁に沿って前記正極集電体が最接近するのに相当する箇所よりも缶底側にまで続けて前記保護膜を形成する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電池の製造方法。
  4. 前記コーティングするステップでは、前記外装缶における外側壁を前記保護膜でコーティングする
    ことを特徴とする請求項3に記載の電池の製造方法。
  5. 前記コーティングするステップでは、保護膜を、琺瑯、金属酸化膜、珪素化合物の膜、高分子膜の中から選択される少なくとも一種を用いた構成とする
    ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の電池の製造方法。
  6. 正負両極板とセパレータとから構成される電極体が、金属製の外装缶に収納され、外装缶における電極体の収納口が封口蓋をもって封口されてなる電池であって、
    前記外装缶における封口側の端縁は、保護膜でコーティングされている
    ことを特徴とする電池。
  7. 前記電極体は、上端に正極集電体が接合されており、
    前記保護膜は、絶縁材料から構成されているとともに、前記外装缶の内側壁における前記端縁から前記正極集電体が最接近する箇所よりも缶底側にまで続く領域および前記外装缶の外側壁をコーティングするように形成されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の電池。


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