JP2005070876A - 文書処理装置および印刷制御方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラム - Google Patents
文書処理装置および印刷制御方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】指定された印刷指示でチェック印刷したならば、必要とされるコストを低減するとともに、短時間でプリチェック処理を効率よく完了することである。
【解決手段】製本アプリケーション１０４から生成される電子原稿１０３が印刷可能かどうかをチェックするプリフライトチェックの際に、製本アプリケーション１０４が設定している印刷指示に基づき、原稿の印刷そのものにかかわる部分以外の印刷指示を、システムが変更して自動簡略化する構成を特徴とする。
【選択図】 図１
【解決手段】製本アプリケーション１０４から生成される電子原稿１０３が印刷可能かどうかをチェックするプリフライトチェックの際に、製本アプリケーション１０４が設定している印刷指示に基づき、原稿の印刷そのものにかかわる部分以外の印刷指示を、システムが変更して自動簡略化する構成を特徴とする。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷属性部と文書データ部とから構成される電子文書を印刷処理する文書処理装置および印刷制御方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、マニュアル、カタログ、会議資料などの文書を電子文書で保管し、必要なときに、必要な部数だけ印刷するシステム（ＰＯＤ：Ｐｒｉｎｔ Ｏｎ Ｄｅｍａｎｄ）が普及している。
【０００３】
このようなシステムでは、通常の印刷のように、どのプリンタで出力するか、どのような体裁で出力するか、プリンタのどの機能を使用して印刷するか、といった指示を毎回するのではなく、印刷文書作成時に指定した指示を、電子文書化して、印刷文書に付随させることにより、印刷文書作成者がいないような場合でも、毎回同一の出力結果を得ることが可能になるようになっている。
【０００４】
また、プリントショップなど、原稿とともに印刷指示を顧客から受け取って印刷を行う形態の印刷業が普及している。また、そのような場合、顧客の指示通りに印刷を行う前に、印刷が正常に行えるかどうかをあらかじめチェックするワークフロー（プリフライトチェックと呼ばれる。入稿前のデータチェック、校正のこと。）が存在している。
【０００５】
プリフライトチェックの方法としては、▲１▼ＤＴＰ文書のページを構成する部品の内容確認、▲２▼ページが組み上がった段階の部品の欠如確認、▲３▼ページ単位の校正、▲４▼ページ面付け状態での校正、▲５▼仕上がりの印刷物における色見の校正がある。▲１▼及び▲２▼の確認は、近年自動でチェックできる仕組みが考えられている。（例えば、特許文献１）
【０００６】
【特許文献１】
特開２０００−２８０４３５号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、▲３▼〜▲５▼の校正については、顧客が目視により確認し、必要に応じて校正する必要があるが、顧客の指示は、用紙に対する指示が高級紙であったり、途中に空白頁をはさんでいたり、ステイプルやパンチ穴をあける指示が含まれていたりする。
【０００８】
この場合に、顧客の指示通りに忠実に印刷してチェックを行う場合、プリントショップにおいて、余計な費用や時間がかかる場合があり、また、印字のチェックを行う目的では、必ずしも指示どおりに印刷を行わなくてもよい指示が含まれている場合もある。
【０００９】
なお、従来より、テストプリントと称して、１つのアプリケーション内で作成された印刷データの印刷状態をチェックする機能を備えた文書処理システムも提案されているが、本発明が適用される文書処理システム、すなわち、複数の異なるアプリケーションで作成された文書をマージして１つの文書ファイルとして管理するようなシステムでは、上記のようなテストプリントでは、作成されたファイルの印刷状態をチェックする機能が備えられておらず、設定によっては、その印刷結果を得るために、アプリケーションで設定された属性等を容易に変更できないため、消耗剤（ステイプル針，高価な用紙，合資紙指定等）を無駄に消費しなければならず、結果として簡易あるいは安価に印刷結果を印刷開始前にチェックすることができないという不具合が発生してしまう問題点があった。
【００１０】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、製本アプリケーションが電子原稿から生成される電子原稿が印刷可能かどうかをチェックするプリフライトチェックの際に、製本アプリケーションが設定している印刷指示に基づき、原稿の印刷そのものにかかわる部分以外の印刷指示を、システムが変更して自動簡略化することにより、必要とされるプリチェック処理コストを低減するとともに、短時間でプリチェック処理を効率よく完了できる利便性に優れた文書処理環境を自在に整備できる文書処理装置および印刷制御方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラムを提供することである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の文書処理装置は以下に示す構成を備える。
【００１２】
本発明は、印刷アプリケーションから出力される出力情報を製本アプリケーションを介してブック，章，ページを含む階層的な印刷属性部と文書データ部とから構成される電子文書を編集処理可能な文書処理装置であって、前記電子文書に対してプリフライトチェックが指示されているかどうかを判断する判断手段と、前記判断手段によりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、設定されている前記印刷属性部の設定内容を簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成する変更手段と、前記変更手段により作成された前記プリフライト用の印刷属性部と前記文書データから選択された印刷装置に出力すべき印刷制御情報を生成する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【００１３】
上記目的を達成する本発明の印刷制御方法は以下に示す構成を備える。
【００１４】
本発明は、印刷アプリケーションから出力される出力情報を製本アプリケーションを介してブック，章，ページを含む階層的な印刷属性部と文書データ部とから構成される電子文書を編集処理可能な文書処理装置における印刷制御方法であって、前記電子文書に対してプリフライトチェックが指示されているかどうかを判断する判断ステップと、前記判断ステップによりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、設定されている前記印刷属性部の設定内容を簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成する変更ステップと、前記変更ステップにより作成された前記プリフライト用の印刷属性部と前記文書データから選択された印刷装置に出力すべき印刷制御情報を生成する制御ステップとを備えたことを特徴とする。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【００１６】
＜システム概要＞
まず、本発明に係る文書処理システムの概要について、図１乃至図１２を参照して以下に説明する。
【００１７】
尚、この文書処理システムは、一般のアプリケーションによって作成されたデータファイルを電子原稿ファイルに変換する電子原稿ライタと、その電子原稿ファイルを編集する機能を提供する製本アプリケーションとを含み、作成されたデータを一まとめにした文書の作成及び編集を可能とし、その操作性を向上させて文書編集を効率的に行えるものである。
【００１８】
＜システム構成及び動作＞
図１は、本発明の第１実施形態を示す文書処理装置を適用可能な文書処理システムにおけるソフトウェアの構成を説明するブロック図であり、本文書処理システムは、本発明の情報処理装置に好適な実施形態であるデジタルコンピュータ１００（以下、ホストコンピュータとも呼ぶ）によって実現されている。
【００１９】
図１に示す一般アプリケーション（以下、アプリケーションと呼ぶ）１０１は、ワードプロセシングやスプレッドシート、フォトレタッチ、ドロー、あるいはペイント、プレゼンテーション、テキスト編集などの機能を提供するアプリケーションプログラムが含まれ、ＯＳに対する印刷機能を有している。
【００２０】
これらのアプリケーションは、作成された文書データや画像データなどのアプリケーションデータを印刷する際に、オペレーティングシステム（ＯＳ）によって提供される所定のインタフェース（一般に、ＧＤＩと呼ばれる）を利用する。
【００２１】
即ち、アプリケーション１０１は、作成したデータを印刷するために、上述のインタフェースを提供するＯＳの出力モジュールに対して、あらかじめ定められるＯＳに依存する形式の出力コマンド（ＧＤＩ関数と呼ばれる）を送信する。
【００２２】
一方、出力コマンドを受けた出力モジュールは、その出力コマンドをプリンタ１０７等の出力デバイスが処理可能な形式に変換して、変換されたコマンド（ＤＤＩ関数と呼ばれる）を出力する。出力デバイスが処理可能な形式はデバイスの種類やメーカ、機種などによって異なるため、デバイスごとにデバイスドライバが提供されており、ＯＳではそのデバイスドライバを利用してコマンドの変換を行い、印刷データを生成し、ＪＬ（Ｊｏｂ Ｌａｎｇｕａｇｅ）でくくることにより印刷ジョブが生成される。ＯＳとして、例えばマイクロソフト社のウインドウズ（登録商標）を利用する場合には、前述した出力モジュールとしてはＧＤＩ（Ｇｒａｐｈｉｃ Ｄｅｖｉｃｅ Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）と呼ばれるモジュールが相当する。
【００２３】
電子原稿ライタ１０２は、上述のデバイスドライバを改良したものであり、本文書処理システム実現のために提供されるソフトウェアモジュールである。但し、電子原稿ライタ１０２は特定の出力デバイスを目的としておらず、詳細は後述する製本アプリケーション１０４やプリンタドライバ１０６により処理可能な形式に出力コマンドを変換する。
【００２４】
この電子原稿ライタ１０２による変換後の形式（以後、電子原稿形式と呼ぶ）は、ページ単位の原稿を詳細な書式をもって表現可能であれば特に問わない。実質的な標準形式のうち、例えばアドビシステムズによるＰＤＦ形式やＳＶＧ形式などが電子原稿形式として採用できる。
【００２５】
アプリケーション１０１から電子原稿ライタ１０２を利用させる場合には、出力に使用するデバイスドライバとして電子原稿ライタ１０２を指定してから印刷を実行させる。但し、電子原稿ライタ１０２によって作成されたままの電子原稿ファイルは、電子原稿ファイルとして完全な形式を備えていない。
【００２６】
そのため、デバイスドライバとして電子原稿ライタ１０２を指定するのは製本アプリケーション１０４であり、その管理下でアプリケーションデータの電子原稿ファイル１０３への変換が実行される。
【００２７】
そして、製本アプリケーション１０４は電子原稿ライタ１０２が生成した新規の不完全な電子原稿ファイル１０２ａを後述する形式を備えた電子原稿ファイル１０３として完成させる。
【００２８】
以下、この点を明瞭に識別する必要がある場合、電子原稿ライタ１０２によって作成されたファイルを「電子原稿ファイル」と呼び、製本アプリケーション１０４によって構造を与えられた電子原稿ファイル１０３を「ブックファイル」と呼ぶ。
【００２９】
また、特に区別する必要がない場合は、アプリケーションにより生成されるドキュメントファイル、電子原稿ファイル、及びブックファイルをいずれも文書ファイル（または文書データ）と呼ぶ。
【００３０】
このようにデバイスドライバとして電子原稿ライタ１０２を指定し、アプリケーション１０１によりデータを印刷させることで、アプリケーションデータはアプリケーション１０１によって定義されたページ（以後、論理ページあるいは原稿ページと呼ぶ）を単位とする電子原稿形式に変換され、電子原稿ファイル１０３としてハードディスクなどの記憶媒体に格納される。
【００３１】
なお、ハードディスクは、本実施形態の文書処理システムを実現するコンピュータが備えているローカルドライブであっても良く、ネットワークに接続されている場合にはネットワーク上に提供されるドライブであっても良い。
【００３２】
製本アプリケーション１０４は電子原稿ファイル（あるいはブックファイル）１０３を読み込み、それを編集するための機能を利用者に提供する。但し、製本アプリケーション１０４は、各ページの内容を編集する機能は提供しておらず、ページを最小単位として構成される、後述する章やブックの構造を編集するための機能を提供している。
【００３３】
製本アプリケーション１０４によって編集されたブックファイル１０３を印刷する際には、製本アプリケーション１０４によって電子原稿デスプーラ１０５が起動される。
【００３４】
電子原稿デスプーラ１０５は、製本アプリケーション１０４と共にコンピュータ内にインストールされるプログラムモジュールであり、製本アプリケーション１０４で利用するドキュメント（ブックファイル１０３）を印刷する際に、プリンタドライバ１０６へ描画データを出力するために使用されるモジュールである。
【００３５】
電子原稿デスプーラ１０５は、指定されたブックファイル１０３をハードディスクから読み出し、ブックファイル１０３に記述された形式で各ページを印刷するために、前述したＯＳの出力モジュールに適合する出力コマンドを生成し、不図示の出力モジュールに出力する。その際に、出力デバイスとして使用されるプリンタ１０７用のプリンタドライバ１０６がデバイスドライバとして指定される。
【００３６】
上述の出力モジュールは、受信した出力コマンドをデバイスコマンドに変換して指定されたプリンタ１０７用のプリンタドライバ１０６に出力し、そのプリンタドライバ１０６がプリンタ１０７で解釈実行可能なページ記述言語等のコマンドに変換する。そして、変換されたコマンドはプリンタドライバ１０６から不図示のシステムスプーラを介してプリンタ１０７に送信され、プリンタ１０７によってコマンドに応じた画像が印刷される。
【００３７】
図２は、図１に示したコンピュータ１００のハードウェアを説明するブロック図である。
【００３８】
図２において、ＣＰＵ２０１は、ＲＯＭ２０３のプログラム用ＲＯＭに記憶された、あるいはハードディスク２１１からＲＡＭ２０２にロードされたＯＳや一般アプリケーション、製本アプリケーションなどのプログラムを実行し、図１のソフトウェア構成や、後述するフローチャートの手順を実現する。
【００３９】
ＲＡＭ２０２は、ＣＰＵ２０１の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ（ＫＢＣ）２０５は、キーボード（ＫＢ）２０９や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。ＣＲＴコントローラ（ＣＲＴＣ）２０６は、ＣＲＴディスプレイ２１０の表示を制御する。ディスクコントローラ（ＤＫＣ）２０７は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、後述する編集ファイル等を記憶するハードディスク（ＨＤ）２１１やフレキシブルディスク（ＦＤ）等とのアクセスを制御する。ＰＲＴＣ２０８は、接続されたプリンタ１０７との間の信号の交換を制御する。ＮＣ２１２はネットワークに接続されて、ネットワークに接続された他の機器との通信制御処理を実行する。
【００４０】
編集アプリケーション１０４の詳細を言及する前に、ブックファイルのデータ形式について説明する。ブックファイルは紙媒体の書物を模倣した３層の層構造を有する。
【００４１】
＜電子原稿データの形式＞
以下、図３を参照してブックファイルのデータ形式について説明する。
【００４２】
図３は、図１に示したホストコンピュータ１００の電子原稿ファイル１０３の構造を説明する図であり、紙媒体の書物を模倣した３層の層構造を有する。
【００４３】
まず、上位層は「ブック」と呼ばれ、１冊の本を模倣しており、その本全般に係る属性が定義されている。その下の中間層は、本でいう章に相当し、やはり「章」と呼ばれる。各章についても、章毎の属性が定義できる。そして、下位層は「ページ」であり、アプリケーションプログラムで定義された各ページに相当する。
【００４４】
なお、各ページについてもページ毎の属性が定義できる。更に、一つのブックは複数の章を含んでいてよく、また一つの章は複数のページを含むこともできる。
【００４５】
図３に示す（Ａ）は、ブックファイル１０３の形式の一例を模式的に示す図である。図示するように、この例では、ブックファイル１０３におけるブック，章，ページは、それぞれに相当するノードにより示されている。一つのブックファイルは一つのブックを含む。
【００４６】
ブック，章は、ブックとしての構造を定義するための概念であるから、定義された属性値と下位層へのリンクとをその実体として含む。ページは、アプリケーションプログラムによって出力されたページ毎のデータを実体として有する。そのため、ページは、その属性値のほかに、原稿ページの実体（原稿ページデータ）と各原稿ページデータへのリンクを含む。
【００４７】
なお、紙媒体等に出力する際の印刷ページは複数の原稿ページを含む場合がある。この構造に関してはリンクによって表示されず、ブック、章、ページ各階層における属性として表示される。
【００４８】
図３において、ブック３０１には、ブック属性が定義されていると共に、２つの章３０２Ａ，３０２Ｂがリンクされている。このリンクにより、章３０２Ａ，３０２Ｂがブック３０１に包含されていることが表示される。
【００４９】
さらに、章３０２Ａには、ページ３０３Ａ，３０３Ｂがリンクされ、これらページが含まれることが示されている。各ページ３０３Ａ，３０３Ｂにはそれぞれ属性値が定義され、その実体である原稿ページデータ（１）、（２）へのリンクが含まれる。
【００５０】
これらリンクは、図３に示す（Ｂ）のように原稿ページデータ３０４のデータ（１），（２）を指し示し、ページ３０３Ａ、３０３Ｂ、３０３Ｃ、３０３Ｄの実体が原稿ページデータ（１）、（２）、（３）、（４）であることを表示している。
【００５１】
図４は、図３に示したブック属性リストの一例を説明する図である。
【００５２】
図４において、下位層と重複して定義可能な項目に関しては、下位層の属性値が優先採用される。そのため、ブック属性にのみ含まれる項目に関しては、ブック属性に定義された値はブック全体を通して有効な値となる。
【００５３】
しかし、下位層と重複する項目については、下位層において定義されていない場合における既定値としての意味を有する。なお、図示された各項目は具体的に１項目に対応するのではなく、関連する複数の項目を含むものもある。
【００５４】
図５は、図３に示した章属性リストの一例を示す図であり、図６は、図３に示したページ属性リストの一例を示す図である。
【００５５】
なお、章属性とページ属性との関係もブック属性と下位層の属性との関係と同様である。
【００５６】
上記図４〜図６から明らかなように、ブック属性に固有の項目は、印刷方法、製本詳細、表紙／裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りの６項目である。これらはブックを通して定義される項目である。
【００５７】
印刷方法の属性としては、片面印刷、両面印刷、製本印刷の３つの値を指定できる。
【００５８】
ここで、製本印刷とは、別途指定する枚数の用紙を束にして２つ折りにし、その束をつづり合わせることで製本が可能となる形式で印刷する方法である。製本詳細属性としては、製本印刷が指定されている場合に、見開き方向や、束になる枚数等が指定できる。
【００５９】
また、表紙／裏表紙属性は、ブックとしてまとめられる電子原稿ファイルを印刷する際に、表紙及び裏表紙となる用紙を付加することの指定、及び付加した用紙への印刷内容の指定を含む。
【００６０】
さらに、インデックス紙属性は、章の区切りとして、印刷装置に別途用意される耳付きのインデックス紙の挿入の指定及びインデックス（耳）部分への印刷内容の指定を含む。
【００６１】
この属性は、印刷用紙とは別に用意された用紙を所望の位置に挿入するインサート機能を持ったインサータが使用する印刷装置に備えられている場合か、あるいは、複数の給紙カセットを使用可能である場合に有効となる。これは合紙属性についても同様である。
【００６２】
さらに、合紙属性は、章の区切りとして、インサータから、あるいは給紙カセットから供給される用紙の挿入の指定、及び合紙を挿入する場合には、給紙元の指定などを含む。
【００６３】
また、章区切り属性は、章の区切り目において、新たな用紙を使用するか、新たな印刷ページを使用するか、特に何もしないか等の指定を含む。片面印刷時には、新たな用紙の使用と新たな印刷ページの使用とは同じ意味を持つ。両面印刷時には、「新たな用紙の使用」を指定すれば連続する章が１枚の用紙に印刷されることは無いが、「新たな印刷ページの使用」を指定すれば、連続する章が１枚の用紙の表裏に印刷されることがあり得る。
【００６４】
図５に示す章属性に関しては、章に固有の項目はなく、全てブック属性と重複する。従って、章属性における定義とブック属性における定義とが異なれば、章属性で定義された値が優先する。
【００６５】
ブック属性と章属性とにのみ共通する項目は、用紙サイズ、用紙方向、Ｎ−ｕｐ印刷指定、拡大縮小、排紙方法の５項目である。これらのうち、Ｎ−ｕｐ印刷指定属性は１印刷ページに含まれる原稿ページ数を指定するための項目である。指定可能な配置としては、１×１、１×２、２×２、３×３、４×４などがある。排紙方法属性は、排出した用紙にステイプル処理を施すか否かを指定するための項目であり、この属性の有効性は使用する印刷装置がステイプル機能を有するか否かに依存する。
【００６６】
図６に示すページ属性に固有の項目には、ページ回転属性、ズーム、配置指定、アノテーション、ページ分割などがある。ページ回転属性は、原稿ページを印刷ページに配置する際の回転角度を指定するための項目である。
【００６７】
また、ズーム属性は、原稿ページの変倍率を指定するための項目である。変倍率は、仮想論理ページ領域のサイズを１００％として指定される。仮想論理ページ領域とは、原稿ページを、Ｎｕｐ等の指定に応じて配置した場合に、１原稿ページが占める領域である。例えば、１×１であれば、仮想論理ページ領域は１印刷ページに相当する領域となり、１×２であれば、１印刷ページの各辺を約７０パーセントに縮小した領域となる。
【００６８】
ブック、章、ページについて共通な属性としては、ウォーターマーク属性及びヘッダ・フッタ属性がある。
【００６９】
ここで、ウォーターマークとは、アプリケーションで作成されたデータに重ねて印刷される、別途指定される画像や文字列などである。ヘッダ・フッタは、それぞれ各ページの上余白及び下余白に印刷されるウォーターマークである。但し、ヘッダ・フッタには、ページ番号や日時など変数により指定可能な項目が用意されている。
【００７０】
なお、ウォーターマーク属性およびヘッダ・フッタ属性において指定可能な内容は、章とページとは共通であるが、ブックはそれらと異なっている。ブックにおいてはウォーターマークやヘッダ・フッタの内容を設定できるし、また、ブック全体を通してどのようにウォーターマークやヘッダ・フッタを印刷するかを指定することができる。一方、章やページでは、その章やページにおいて、ブックで設定されたウォーターマークやヘッダ・フッタを印刷するか否かを指定できる。
【００７１】
＜ブックファイルの生成手順＞
ブックファイルは上述したような構造及び内容を有している。次に、製本アプリケーション１０４及び電子原稿ライタ１０２によるブックファイルの作成手順について説明する。ブックファイルの作成手順は、製本アプリケーション１０４によるブックファイルの編集操作の一環として実現される。
【００７２】
図７は、本発明に係る文書処理装置における第１のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、図１に示した製本アプリケーション１０４によりブックファイルを開く際の手順に対応する。なお、Ｓ７０１〜Ｓ７０４は各ステップを示す。
【００７３】
まず、開こうとするブックファイルが、新規作成すべきものであるか、それとも既存のものであるかを製本アプリケーション１０４が判定する（Ｓ７０１）。ここで、新規作成であると判断した場合には、章を含まないブックファイルを新規に作成する（Ｓ７０２）。
【００７４】
なお、新規に作成されるブックファイルは、図３の例で示せば、ブック３０１のみ有し、章のノードに対するリンクが存在しないブックのノードとなる。
【００７５】
ブック属性は、新規作成用としてあらかじめ用意された属性のセットが適用される。
【００７６】
そして、新規ブックファイルを編集するためのユーザインタフェース（ＵＩ）画面（図８に示す）を表示する（Ｓ７０４）。
【００７７】
図８，図９は、図２に示したＣＲＴ２上に表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図であり、図８は、新規にブックファイルが作成された際のＵＩ画面の一例である。この場合は、ブックファイルは実質的な内容を持たないため、ＵＩ画面１１００には何も表示されない。
【００７８】
また、図９は、既存のブックファイルから指定されたブックファイルを表示するＵＩ画面の一例である。ＵＩ画面１１００は、ブックの構造を示すツリー部１１０１と、印刷された状態を表示するプレビュー部１１０２とを含む。ツリー部１１０１には、ブックに含まれる章、各章に含まれるページが図３に示す（Ａ）のような木構造で表示される。ツリー部１１０１に表示されるページは原稿ページである。またプレビュー部１１０２には、印刷ページの内容が縮小されて表示される。その表示順序はブックの構造を反映したものとなっている。
【００７９】
一方、ステップＳ７０１で、既存のブックファイルがあると判断した場合には、指定されたブックファイルを開き（Ｓ７０３）、そのブックファイルの構造、属性、内容に従ってユーザインタフェース（ＵＩ）画面（図９参照）を表示して（Ｓ７０４）、処理を終了する。
【００８０】
さて、開かれたブックファイルには、電子原稿ライタ１０２によって電子原稿ファイルに変換されたアプリケーションデータを、新たな章として追加することができる。この機能を電子原稿インポート機能と呼ぶ。
【００８１】
図７に示す手順によって新規に作成されたブックファイルに電子原稿をインポートすることで、そのブックファイルには実体が与えられる。この機能は、図９の画面にアプリケーションデータをドラッグアンドドロップ操作することで起動される。
【００８２】
図１０は、本発明に係る文書処理装置における第２のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、電子原稿インポートの手順に対応する。なお、Ｓ８０１〜Ｓ８０４は各ステップを示す。
【００８３】
まず、指定されたアプリケーションデータを生成したアプリケーションプログラムを起動し、デバイスドライバとして電子原稿ライタ１０２を指定してアプリケーションデータを印刷出力させることで、電子原稿データに変換する電子原稿生成処理を行う（Ｓ８０１）。
【００８４】
そして、変換を終えたなら、変換されたデータが画像データであるか否かを判定する（Ｓ８０２）。この判定は、ウインドウズＯＳの下であれば、アプリケーションデータのファイル拡張子に基づいて行われる。
【００８５】
例えば、拡張子が「ｂｍｐ」であればウインドウズビットマップデータであり、「ｊｐｇ」であればｊｐｅｇ圧縮された画像データ、「ｔｉｆｆ」であればｔｉｆｆ形式の画像データであると判定できる。
【００８６】
また、このような画像データの場合は、ステップＳ８０１のようにアプリケーションを起動せずに、画像データから直接電子原稿ファイルを生成することが可能であるため、ステップＳ８０１の処理を省略することも可能である。
【００８７】
ここで、画像データでなかったと判断した場合には、ステップＳ８０１で生成された電子原稿ファイルを、現在開かれているブックファイルのブックに、新たな章として追加して（Ｓ８０３）、処理を終了する。なお、章属性としては、ブック属性と共通するものについてはブック属性の値がコピーされ、そうでないものについては、予め用意された規定値に設定される。
【００８８】
一方、ステップＳ８０２で画像データであると判断した場合には、原則として新たな章は追加されず、指定されている章に、ステップＳ８０１で生成された電子原稿ファイルに含まれる各原稿ページを追加して（Ｓ８０４）、処理を終了する。
【００８９】
但し、ブックファイルが新規作成されたファイルであれば、新たな章が作成されて、その章に属するページとして電子原稿ファイルの各ページが追加される。ページ属性は、上位層の属性と共通のものについてはその属性値が与えられ、アプリケーションデータにおいて定義された属性を電子原稿ファイルに引き継いでいるものについてはその値が与えられる。
【００９０】
例えば、Ｎｕｐ指定などがアプリケーションデータにおいて指定されていた場合には、その属性値が引き継がれる。このようにして、新規なブックファイルが作成され、あるいは、新規な章が追加される。
【００９１】
図１１は、本発明に係る文書処理装置における第３のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、図１０に示すステップＳ８０１において、電子原稿ライタ１０２により電子原稿ファイルを生成させる詳細手順に対応する。なお、Ｓ９０１〜Ｓ９０４は各ステップを示す。
【００９２】
まず、新たな電子原稿ファイルを作成してそれを開く（Ｓ９０１）。指定したアプリケーションデータに対応するアプリケーションを起動し、電子原稿ライタをデバイスドライバとしてＯＳの出力モジュールに対して出力コマンドを送信させる。出力モジュールは、受信した出力コマンドを電子原稿ライタ１０２によって電子原稿形式のデータに変換し、出力する（Ｓ９０２）。その出力先はステップＳ９０１で開いた電子原稿ファイルである。指定されたデータ全てについて変換が終了したか判定し（Ｓ９０３）、終了していれば電子原稿ファイルを閉じる（Ｓ９０４）。電子原稿ライタ１０２によって生成される電子原稿ファイルは、図３の（Ｂ）に示される原稿ページデータの実体を含むファイルである。
【００９３】
＜ブックファイルの編集＞
以上のようにして、アプリケーションデータからブックファイルを作成することができる。生成されたブックファイルについては、章及びページに対して次のような編集操作（１）〜（１２）が可能である。
【００９４】
編集操作は、（１）新規追加，（２）削除，（３）コピー，（４）切り取り，（５）貼り付け，（６）移動，（７）章名称変更，（８）ページ番号名称振り直し，（９）表紙挿入，（１０）合紙挿入，（１１）インデックス紙挿入，（１２）各原稿ページに対するページレイアウト等である。
【００９５】
このほか、一旦行った編集操作を取り消す操作や、更に取り消した操作をやり直す操作が可能である。これら編集機能により、例えば複数のブックファイルの統合、ブックファイル内で章やページの再配置、ブックファイル内で章やページの削除、原稿ページのレイアウト変更、合紙やインデックス紙の挿入などの編集操作が可能となる。
【００９６】
これらの操作を行うと、図４、図５に示す属性に操作結果が反映されたり、あるいはブックファイルの構造に反映される。
【００９７】
例えば、ブランクページの新規追加操作を行えば、指定された箇所にブランクページが挿入される。このブランクページは原稿ページとして扱われる。また、原稿ページに対するレイアウトを変更すれば、その変更内容は、印刷方法やＮ−ｕｐ印刷、表紙／裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りといった属性に反映される。
【００９８】
＜ブックファイルの出力＞
以上のように作成・編集されるブックファイルは、印刷出力を最終目的とするものである。ここで、利用者が図９に示した製本アプリケーション１０４のＵＩ画面１１００からファイルメニューを選択し、そこから「印刷」を選択すると、指定した出力デバイスにより印刷出力される。
【００９９】
この際、まず製本アプリケーション１０４は、現在開かれているブックファイル１０３からジョブチケットを作成し、そのジョブチケットを電子原稿デスプーラ１０５に渡す。
【０１００】
一方、電子原稿デスプーラ１０５は、ジョブチケットをＯＳの出力コマンド、例えばウインドウズのＧＤＩ関数に変換し、それを出力モジュール、例えばＧＤＩに送信する。出力モジュールは、指定されたプリンタドライバ１０６によってデバイスに適したコマンドを生成し、そのデバイスに送信する。
【０１０１】
ここで、ジョブチケット（ＪＴ）は原稿ページを最小単位とする構造を有するデータである。
【０１０２】
ジョブチケットにおける構造は、用紙上における原稿ページのレイアウトを定義している。ジョブチケットは、１ジョブにつき１つ発行される。そのため、まず最上位にドキュメントというノードがあり、文書全体の属性、例えば両面印刷／片面印刷などが定義されている。
【０１０３】
その下には、用紙ノードが属し、用いるべき用紙の識別子やプリンタにおける給紙口の指定などの属性が含まれる。
【０１０４】
各用紙ノードには、その用紙で印刷されるシートのノードが属する。１シートは１枚の用紙に相当する。各シートには、印刷ページ（物理ページ）が属する。片面印刷ならば１シートには１物理ページが属し、両面印刷ならば１シートに２物理ページが属する。
【０１０５】
各物理ページには、その上に配置される原稿ページが属する。また物理ページの属性として、原稿ページのレイアウトが含まれる。
【０１０６】
電子原稿デスプーラ１０５は、上述のジョブチケットを、出力モジュールへの出力コマンドに変換する。
【０１０７】
＜そのほかのシステム構成＞
本実施形態の文書処理システムの概要は以上のようなものである。これはスタンドアロン型のシステムであるが、これを拡張したサーバクライアントシステムでもほぼ同様の構成・手順でブックファイルを作成・編集できる。但し、ブックファイルや印刷処理はサーバによって管理される。
【０１０８】
図１２は、本発明の第１実施形態を示す文書処理装置を適用可能な文書処理システムにおけるソフトウェアの構成を説明するブロック図であり、本文書処理システムは、サーバクライアント型文書処理システム例に対応する。
【０１０９】
クライアント文書処理システムは、スタンドアロン型システムに、クライアントモジュールであるＤＯＭＳ（Ｄｏｃｕｍｅｎｔ Ｏｕｔｐｕｔ Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ Ｓｅｒｖｉｃｅ：文書出力管理サービス）ドライバ１０９及びＤＯＭＳプリントサービスモジュール１１０、ＤＳ（文書サービス）クライアントモジュール１０８を加えた構成を有する。
【０１１０】
このクライアント文書処理システム１２００に文書管理サーバ１２０１、印刷集中管理サーバ１２０２及びプリントサーバ１２０３が接続されている。これらサーバは、通常ネットワークによってクライアント文書処理システムと接続されるが、サーバが同時にクライアントとしても機能する場合には、ネットワーク間の通信をシミュレートするプロセス間通信によって接続される。
【０１１１】
なお、図１２に示す例では、文書管理サーバ１２０１と印刷集中管理サーバ１２０２の両方のサーバがクライアントに接続されているが、何れか一方のみネットワーク上に存在する場合もあり得る。例えば、接続されているサーバが文書管理サーバであれば、そのＤＳクライアントモジュール１０８を含む文書管理サーバクライアントシステム１２０１ＳＣが、また印刷集中管理サーバ１２０２であれば、そのクライアントモジュールを含む印刷管理サーバクライアントシステム１２０２ＳＣが、スタンドアロン型文書管理システムに追加される。
【０１１２】
文書管理サーバ１２０１は、製本アプリケーション１０４により作成・編集されたブックファイルを格納するサーバである。文書管理サーバ１２０１によってブックファイルを管理する場合、ブックファイルはクライアントＰＣのローカルＨＤに代わって、あるいはそれに加えて、文書管理サーバ１２０１のデータベース１２１１に保存される。
【０１１３】
製本アプリケーション１０４と文書管理サーバ１２０１との間のブックファイルの保存及び読み出しは、ＤＳクライアントモジュール１０８及びＤＳコア１２１２を介して行われる。
【０１１４】
印刷集中管理サーバ１２０２は、クライアント文書管理システム１２００に格納された、あるいは文書管理サーバ１２０１に格納されたブックファイルの印刷を管理するサーバである。クライアントにおける印刷要求は、ＤＯＭＳドライバ１０９およびＤＯＭＳプリントサービスモジュール１１０を介して印刷集中管理サーバ１２０２のＤＯＭＳＷＧサーバモジュール１２２１に送信される。
【０１１５】
集中印刷管理サーバ１２０２は、クライアントのプリンタで印刷する場合にはクライアントのＤＯＭＳプリントサービスモジュール１１０を介して電子原稿デスプーラ１０５に電子原稿データを渡し、プリントサーバ１２０３により印刷する場合には、プリントサーバ１２０３のＤＯＭＳプリントサービスモジュール２３１に送信する。
【０１１６】
集中印刷管理サーバ１２０２は、例えば保存されているブックファイルに対して印刷要求を発行した利用者の資格などについてセキュリティチェックを行ったり、印刷処理のログを保存したりする。このように、文書処理システムは、スタンドアロンとしても、クライアントサーバシステムとしても実現できる。
【０１１７】
＜プレビュー表示の内容＞
既に説明した通り、ブックファイル１０３が製本アプリケーション１０４によって開かれると、図９に示したユーザインタフェース画面１１００が表示される。
【０１１８】
ツリー部１１０１には、開いているブック（以下、「注目ブック」と呼ぶ）の構造を示すツリーが表示される。プレビュー部１１０３には、利用者の指定に応じて、３通りの表示方法が用意されている。
【０１１９】
まず、第１は原稿ページをそのまま表示する原稿ビューと呼ばれるモードである。この原稿ビューモードでは、注目ブックに属する原稿ページの内容が縮小されて表示される。なお、プレビュー部１１０２の表示にレイアウトは反映されない。
【０１２０】
次に、第２は印刷ビューモードである。この印刷ビューモードでは、プレビュー部１１０２には原稿ページのレイアウトが反映された形で原稿ページが表示される。そして、第３は簡易印刷ビューモードである。
【０１２１】
この簡易印刷ビューモードでは、各原稿ページの内容はプレビュー部の表示には反映されず、レイアウトのみが反映される。
【０１２２】
＜ステイプル制御＞
次に、ステイプル機能を有するプリンタと接続するコンピュータ１００の製本アプリケーション１０４によって行われるステイプル制御について説明する。
【０１２３】
図１３は、本発明に係る文書処理装置を適用可能な文書処理システムの一例を示すブロック図であり、ステイプル制御可能な文書処理システム例に対応する。
【０１２４】
図示するように、ステイプル制御可能な文書処理システムは、図２に示したホストコンピュータ１００とステイプル機能を有するプリンタ１０７とで構成される。以下、プリンタ１０７の構成について説明する。なお、本発明の機能が実現されるのであれば、単体の機器であっても、複数の機器からなるシステムであっても、ＬＡＮ，ＷＡＮ等のネットワークを介して接続がなされ、処理が行われるシステムであっても本発明を適用できる。
【０１２５】
図示するように、プリンタ１０７において、１３０１はプリンタＣＰＵ（ＣＰＵ）であり、ＲＯＭ１３０２内のプログラム用ＲＯＭに記憶された制御プログラム等や外部メモリ１３０３に記憶された制御プログラム等に基づいてシステムバス１３０４に接続される印刷部Ｉ／Ｆ１３０５を介して、印刷部（プリンタエンジン）１３０６に出力情報としての画像信号を出力する。
【０１２６】
また、このＲＯＭ１３０２内のプログラムＲＯＭには、ＣＰＵ１３０１の制御プログラム等が記憶され、ＲＯＭ１３０２内のフォント用ＲＯＭには、出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等が記憶され、ＲＯＭ１３０２内のデータ用ＲＯＭには、ハードディスク等の外部メモリ１３０３がないプリンタの場合、ホストコンピュータ１００上で利用される情報等が記憶されている。
【０１２７】
また、ＣＰＵ１３０１は、双方向のインタフェース１３１０，入力部１３０７を介してホストコンピュータ１００との通信処理が可能となっており、プリンタ１０７内の情報等をホストコンピュータ１００に通知できる。ＲＡＭ１３０８は、ＣＰＵ１３０１の主メモリや、ワークエリア等として機能するＲＡＭであり、図示しない増設ポートに接続されるオプションＲＡＭによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。
【０１２８】
なお、ＲＡＭ１３０８は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、ＮＶＲＡＭ等に用いられる。上述したハードディスク（ＨＤ）、ＩＣカード等の外部メモリ１３０３は、メモリコントローラ（ＭＣ）１３０９によりアクセスを制御される。
【０１２９】
外部メモリ１３０３は、オプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。また、操作パネル１３１１は操作のためのスイッチ及びＬＥＤ表示器等で構成されている。
【０１３０】
また、上述の外部メモリ１３０３は１個に限らず、複数個備えられ、内蔵フォントに加えてオプションカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されていても良い。更に、図示しないＮＶＲＡＭを有し、操作パネル（操作部）１３１１からのプリンタモード設定情報を記憶するようにしても良い。
【０１３１】
図１４は、本発明に係る文書処理装置で管理される印刷文書情報の構造を説明する図である。
【０１３２】
図１４に示すように、本実施形態における印刷指示文書の全体構造は、出力対象となるプリンタデバイス名Ｓ４０１、印刷対象となる印刷文書名Ｓ４０２、印刷文書の各頁をどのような配置、順序で印刷するかを記述する、ページ配置情報部Ｓ４０３、出力対象のプリンタへの指示を記述する、プリンタへの指示情報部Ｓ４０４とからなる。
【０１３３】
図１５は、図１４に示したページ配置情報部Ｓ４０３で示した印刷文書の各頁をどのような配置、順序で印刷するかを記述するページ配置情報部における、詳細設定の例を説明する図である。
【０１３４】
図１５において、ページレイアウトＳ５０１は、一枚の用紙に、何ページ分のデータを印字するかを示すもので、１ページ／枚、２ページ／枚、４ページ／枚、１６ページ／枚などがある。
【０１３５】
配置順Ｓ５０２は、複数ページのデータを一枚に印字する時の配置を示すもので、左から右向き、右から左向き、左から下向き、右から下向き等がある。
【０１３６】
スタンプＳ５０３は、用紙に透過イメージなどを描画するもので、マル秘、Ｃｏｎｆｉｄｅｎｔｉａｌなどのイメージがある。
【０１３７】
部数Ｓ５０４は、印刷部数を設定するものである。とじ方向Ｓ５０５は、印刷物をとじる方向を指定するもので、とじ代Ｓ５０６で指定した分の余白が印刷物に設定され、図１６に示す排紙方法Ｓ６０１と連動して、処理が行われることもある。
【０１３８】
図１６は、図１４に示した指示情報部Ｓ４０４の詳細設定例を説明する図である。
【０１３９】
図１６において、排紙方法Ｓ６０１は、排紙された用紙の処理を指定するもので、ステイプル、ソート、綴じ穴パンチなどがある。印刷方法Ｓ６０２は、片面印刷、両面印刷などを指定するものである。
【０１４０】
給紙方法Ｓ６０３は、用紙を給紙する部分を指定するもので、カセット１、カセット２、手差しトレイなどがある。解像度Ｓ６０４は、解像度を指定するもので、ファイン、ノーマルといった指定や、６００ｄｐｉ、３００ｄｐｉなど数字で示すものなどがある。
【０１４１】
図１７は、図１に示したプリンタ１０７に対して設定可能な指示情報の一例を示す図であり、システムが、実際にプリンタへ指示する時の指示情報を設定する構造例に対応する。
【０１４２】
なお、Ｗｉｎｄｏｗｓ（登録商標）システムにおいて、指示情報は、ＤＥＶＭＯＤＥと呼ばれるものである。
【０１４３】
ＤＥＶＭＯＤＥは、公開されている共通部分と、プリンタ毎に設定可能な拡張部分がある。本実施形態では、簡略化して、関係のある部分のみ抜き出してある。
【０１４４】
図１７において、デバイス名Ｓ７０１は、出力対象のプリンタ名が入っている。ＤＥＶＭＯＤＥサイズＳ７０２には、ＤＥＶＭＯＤＥの共通部分と拡張部分それぞれのサイズ、および合計のサイズが格納できる。
【０１４５】
用紙Ｓ７０３には、出力用紙のサイズが設定される。置方向Ｓ７０４には、用紙の送り方向（縦／横）が格納される。ドライババージョンＳ７０５は、ドライバのバージョンが入る。
【０１４６】
カラーモードＳ７０６は、カラープリンタの場合に、データをカラーで印刷するかモノクロで印刷するかを指定する部分である。ページレイアウトＳ７０７は、一枚の用紙に、何ページ分のデータを印字するかを示すもので、１ページ／枚、２ページ／枚、４ページ／枚、１６ページ／枚などがある。
【０１４７】
配置順Ｓ７０８は、複数ページのデータを一枚に印字する時の配置を示すもので、左から右向き、右から左向き、左から下向き、右から下向き、などがある。スタンプＳ７０９は、用紙にイメージなどを描画するもので、マル秘、Ｃｏｎｆｉｄｅｎｔｉａｌなどのイメージがある。
【０１４８】
部数Ｓ７１０は、印刷部数を設定するものである。とじ方向Ｓ７１１は、印刷物をとじる方向を指定する物で、とじ代Ｓ７１２で指定した分の余白が印刷物に設定される。時として、排紙方法Ｓ７１３と連動して、処理が行われることもある。
【０１４９】
排紙方法Ｓ７１３は、排紙された用紙の処理を指定するもので、ステープル、ソートなどがある。処理を行う位置については、とじ方向Ｓ７１１と連動する場合もある。印刷方法Ｓ７１４は、片面印刷、両面印刷などを指定するものである。
【０１５０】
給紙方法Ｓ７１５は、用紙を給紙する部分を指定するもので、カセット１、カセット２、手差しトレイなどがある。解像度Ｓ７１６は、解像度を指定するもので、ファイン、ノーマルといった指定や、６００ｄｐｉ、３００ｄｐｉなど数字で示すものなどがある。
【０１５１】
本実施形態のシステムでは、対象となる印刷文書名Ｓ４０２のデータに対するページ配置情報部Ｓ４０３と、プリンタへの指示情報部Ｓ４０４をまとめて、図５に示すＤＥＶＭＯＤＥを作成し、そのＤＥＶＭＯＤＥをデバイスに設定した後、文書データを送出することにより、印刷を行う。
【０１５２】
図１８は、本発明に係る文書処理装置における第４のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、図２に示したＣＰＵ２０１がＲＡＭ２０２にロードして実行する印刷制御プログラムに基づいて、上記印刷指示文書で設定されている内容をプリフライトチェック（いわゆる単一のページをテストプリントする処理とは異なる）するために、例えば複数のアプリケーションで作成されたページを統合して１つの物理ページが作成されており、かつ、その物理ページに対して設定された印刷設定中で必要な項目の設定を無効化あるいはデータ処理負担が軽い処理内容に変更して、簡易にページ出力させるための処理手順に対応する。なお、Ｓ２００〜Ｓ２１９は各ステップを示す。
【０１５３】
まず、ステップＳ２００で、図１９に示すユーザインタフェース画面で、プリフライトチェックが指示されているかどうかを判断する。
【０１５４】
図１９は、図９に示した製本アプリケーションのユーザインタフェース上で、メニュー操作により開かれる印刷設定時のダイアログ画面を示す図である。
【０１５５】
この画面のチェックボックスをユーザがチェックすることにより、プリフライトチェックを行うことを指示することができる。このステップ２００の判断の結果、ＹＥＳならばステップＳ２０１へ進み、ＮＯならば、製本アプリケーション１０４がジョブチケットで設定された内容で通常の印刷処理を行い（Ｓ２１９）、処理を終了する。
【０１５６】
そして、ステップＳ２０１で、ユーザの指示により、システムが印刷文書と、印刷指示文書の両方を受け取る。印刷指示文書（ジョブチケット）は、印刷対象となる印刷文書に付随し、対象の印刷文書をどのように印刷すべきかの情報が記述された電子文書である。印刷文書と印刷指示文書は、場合により統合されて１つの文書ファイルとなっている場合でも同様に、処理が可能である。
【０１５７】
次に、ステップＳ２０２で、印刷指示文書をオープンする。そして、ステップＳ２０３で、印刷指示文書に記述されたページ配置情報とプリンタ１０７への指示情報を読み込み、順次処理を行う。
【０１５８】
ここで、まず、「ページレイアウト」が「１ページ／枚」に指定されているかどうかをチェックし（Ｓ２０４）、ＹＥＳならば、使用する用紙を減らすべく、「２ページ／枚」に変更する（Ｓ２０５）とともに、「配置順」を「左上から右下」に設定して（Ｓ２０６）、ステップＳ２０７へ進む。
【０１５９】
次に、「スタンプ」の設定有無をチェックし（Ｓ２０７）、設定されていると判断した場合には、出力処理を簡易とすべく「設定なし」に変更して（Ｓ２０８）、ステップＳ２０９へ進む。
【０１６０】
次に、「部数」の指定有無をチェックし（Ｓ２０９）、「１」より大きい場合には、出力処理を簡易とすべく「１」に変更して（Ｓ２１０）、ステップＳ２１１へ進む。
【０１６１】
次に、「排紙方法」の指定有無をチェックし（Ｓ２１１）、「排紙方法」に対する設定があると判断した場合には、出力処理を簡易とすべく「設定なし」に変更して（Ｓ２１２）、ステップＳ２１３へ進む。
【０１６２】
次に、「印刷方法」の指定有無をチェックし（Ｓ２１３）、「片面印刷」になっていると判断した場合には、使用する用紙枚数を減らすべく、「両面印刷」に変更して（Ｓ２１４）、ステップＳ２１５へ進む。
【０１６３】
次に、「給紙方法」の指定有無をチェックし（Ｓ２１５）、指定があると判断した場合には、出力処理を簡易とすべく「自動」に変更して（Ｓ２１６）、ステップＳ２１７へ進む。
【０１６４】
そして、以上の変更を反映させた第２の印刷指示文書（簡易なジョブチケット）を保存する（Ｓ２１７）。
【０１６５】
次に、作成された第２の印刷指示文書に基づいて、ＤＥＶＭＯＤＥを作成して（Ｓ２１８）、処理を終了する。
【０１６６】
なお、上記第２の印刷指示文書は、ファイルの形式としては、第１の印刷指示文書とは別のファイルとしておいて、当該印刷文書に付随させてもよいし、図２０に示すように、印刷指示文書の中に、第２の印刷指示として含めてもよい。
【０１６７】
図２０は、本発明に係る文書処理装置において作成される第２の印刷指示文書の構造を説明する図である。
【０１６８】
図２０において、本実施形態における第２の印刷指示文書の全体構造は、出力対象となるプリンタデバイス名Ｓ９０１、印刷対象となる印刷文書名Ｓ９０２、印刷文書の各頁をどのような配置、順序で印刷するかを記述する、ページ配置情報部Ｓ９０３、出力対象のプリンタへの指示を記述する、プリンタへの指示情報部Ｓ９０４と、第２ページ配置情報部Ｓ９０５と、第２プリンタへの指示情報部Ｓ９０６からなる。なお、Ｓ９０１〜Ｓ９０４は、図１４に示したＳ４０１〜Ｓ４０４と同一で、Ｓ９０５とＳ９０６が上記のフローで新しく作られた印刷指示文書である。
【０１６９】
図２１は、本発明に係る文書処理装置における第５のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、上記図１８に示したステップＳ２１８で作成された第２の指示文書をもとに印刷を行う場合の印刷処理手順に対応する。なお、Ｓ３０１〜Ｓ３０８は各ステップを示す。
【０１７０】
まず、第２の指示文書のページ配置情報とプリンタへの指示情報から、すべての情報を元に、デバイスへの指示情報として、ＤＥＶＭＯＤＥを作成する（Ｓ３０１）。
【０１７１】
なお、図１５と図１６の印刷指示情報を元にしたＤＥＶＭＯＤＥが図５に示すものであり、上記フローから自動で作成した第２の印刷指示情報を元に作成したＤＥＶＭＯＤＥが図２２に示すものである。
【０１７２】
図２２は、図２１に示した処理で生成される第２の印刷指示情報を元に作成したＤＥＶＭＯＤＥの一例を示す図である。
【０１７３】
次に、作成したＤＥＶＭＯＤＥを、ＧＤＩ関数のＣｒｅａｔｅＤＣをＣａｌｌすることにより、ドライバに伝える（Ｓ３０２）。
【０１７４】
その後、データの送出の始まりをドライバへ伝え（ＧＤＩ関数のＳｔａｒｔＤｏｃをＣａｌｌ）る（Ｓ３０３）。そして、各頁のデータの送出の始まりをドライバへ伝え（ＳｔａｒｔＰａｇｅをＣａｌｌ）る（Ｓ３０４）。
【０１７５】
次に、各頁の描画（ＧＤＩ関数をＣａｌｌ）を行う（Ｓ３０５）。そして、各頁のデータの送出の終わりをドライバへ伝え（ＥｎｄＰａｇｅをＣａｌｌ）る（Ｓ３０６）。
【０１７６】
次に、頁が終わりかどうかを確認し（Ｓ３０７）、終わりではないと判断した場合は、ステップＳ３０４からステップＳ３０６を頁数分繰り返す。
【０１７７】
一方、ステップＳ３０７で、頁が終わりであると判断した場合は、データの送出の終わりをドライバへ伝え（ＥｎｄＤｏｃをＣａｌｌ）て（Ｓ３０８）、処理を終了する。これにより、印刷処理が行われる。
【０１７８】
〔第２実施形態〕
図２３，図２４は、本発明に係る文書処理装置で管理される印刷指示文書の一例を示す図であり、ページ配置情報を元にアプリケーションがデバイスに送出するデータの配置情報に対応する。なお、図２４は、図２３に示した印刷指示文書を書き換えたものである。
【０１７９】
図２３において、印刷用紙の一頁分の配置情報は以下のものからなっている。
【０１８０】
すなわち、用紙の識別番号Ｓ１００５、用紙の大きさと向きＳ１００６、表と裏の識別Ｓ１００７、それぞれの面に印字するデータの頁番号Ｓ１００８、文書データの拡縮率Ｓ１００９、データを印字する位置Ｓ１０１０からなる。
【０１８１】
引き続き、配置情報の内容の説明を行う。
【０１８２】
データＳ１００１では、Ａ４縦の用紙１の表の面に、文書頁の１頁目を等倍で、全体にそのまま配置することを意味する。また、データＳ１００２〜Ｓ１００４も同様である。通常の場合は、図２３に示すような状態になっている。
【０１８３】
図２５は、図２４に示した印刷指示情報に基づいて作成されるＤＥＶＭＯＤＥの一例を示す図である。
【０１８４】
図２６，図２７は、本発明に係る文書処理装置における第６のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、アプリケーションで処理可能な部分についてはアプリケーションで変更を行い、デバイスへのＤＥＶＭＯＤＥでの指示の変更は極力行わないようにする場合のデータ処理手順に対応する。なお、Ｓ１３０１〜Ｓ１３２４は各ステップを示す。
【０１８５】
なお、本処理の利点は、アプリケーション側で可能な処理を行うことにより、デバイスが変わった場合でもできる限り同じ出力にすることが可能となる点である。
【０１８６】
また、ステップＳ１３１７〜Ｓ１３２４については、図２１に示したステップＳ３０２〜Ｓ３０８と同様であるので説明は省略する。
【０１８７】
まず、アプリケーションで第２のページ配置情報を読み込む（Ｓ１３０１）。そして、ページレイアウトと印刷方法を読み込み、レイアウトが２ページ／枚であるかどうかチェックし（Ｓ１３０２）、２ページ／枚となっていると判断した場合は、用紙の大きさと向きをＡ４横置きとする（Ｓ１３０３）。図２４の例では、用紙の大きさと向きＳ１１０６を「Ａ４横置き」とすることに対応する。
【０１８８】
この後、各頁の処理を示すパラメータｉを「１」として、ステップＳ１３０４〜Ｓ１３１５を順に行う。
【０１８９】
一枚目Ｓ１１０１に対して、文書データの拡縮率Ｓ１１０９を設定し（Ｓ１３０５）、ステップＳ１３０６で、現在のページの処理を示すパラメータｉが１〜４のいずれであるかを判別（ｉ％４＝？）して、それぞれ分岐する。
【０１９０】
例えば、パラメータｉが「１」であれば、用紙Ｓ１１０５の面を表面に設定し（Ｓ１３０７）、左側Ｓ１１１０に配置する（Ｓ１３０８）。
【０１９１】
次のページＳ１１０２を読み込み、パラメータｉが「２」であれば、文書データの拡縮率Ｓ１１０９を設定し（１３０５）、用紙Ｓ１１０５の面を表面に設定し（Ｓ１３０９）、右側Ｓ１１１０に配置する（Ｓ１３１０）。
【０１９２】
次のページＳ１１０３を読み込み、文書データの拡縮率Ｓ１１０９を設定し（Ｓ１３０５）、パラメータｉが「３」であれば、用紙Ｓ１１０５の面を裏面に設定し（Ｓ１３１１）、左側Ｓ１１１０に配置する（Ｓ１３１２）。
【０１９３】
次のページＳ１１０４を読み込み、パラメータｉが「４」であれば、文書データの拡縮率Ｓ１１０９を設定し（１３０５）、用紙Ｓ１１０５の面を裏面に設定し（Ｓ１３１３）、右側Ｓ１１１０に配置する（Ｓ１３１４）。以上を繰り返し（Ｓ１３１５）、図２４の配置が完成する。
【０１９４】
ページ配置情報とプリンタへの指示情報からＤＥＶＭＯＤＥを作成する場合には、ページ配置を決定したため、ページレイアウトＳ１２０７の指示は「１ページ／枚」とし、配置順Ｓ１２０８は「設定なし」とし、その他の情報をＤＥＶＭＯＤＥに反映（図２５参照）させる（Ｓ１３１６）。
【０１９５】
そして、作成したＤＥＶＭＯＤＥを、ＧＤＩ関数のＣｒｅａｔｅＤＣをＣａｌｌすることにより、ドライバに伝える（Ｓ１３１７）。
【０１９６】
その後、データの送出の始まり（ＧＤＩ関数のＳｔａｒｔＤｏｃをＣａｌｌ）をドライバへ伝える（Ｓ１３１８）。各頁のデータの送出の始まり（ＳｔａｒｔＰａｇｅをＣａｌｌ）をドライバへ伝える（Ｓ１３１９）。
【０１９７】
そして、各頁の描画（ＧＤＩ関数をＣａｌｌ）を行う（Ｓ１３２０）。そして、次の文書頁の配置面Ｓ１１０７を読み込み、現在の頁と同じかどうかを判断して（Ｓ１３２１）、同じであると判断した場合には、引き続き次の頁の描画を行う（Ｓ１３２０）。
【０１９８】
一方、ステップＳ１３２１で、配置面が異なると判断した場合には、データの送出の終わり（ＥｎｄＰａｇｅをＣａｌｌ）をドライバへ伝える（Ｓ１３２２）。
【０１９９】
次に、頁が終わりかどうかを確認し（Ｓ１３２３）、終わりではないと判断した場合は、ステップＳ１３２０〜Ｓ１３２２を繰り返す。
【０２００】
一方、ステップＳ１３２３で、頁が終わりであると判断した場合は、データの送出の終わり（ＥｎｄＤｏｃをＣａｌｌ）をドライバへ伝える（Ｓ１３２４）。これにより、印刷が行われる。
【０２０１】
上記実施形態によれば、最終印刷物を出力する工程の前で印字内容をチェックする際に、印刷指示文書に記述された印刷指示のうち、印字の内容には無関係な指示に対し、自動的に、無効にする、または、簡易的な指示に置き換えることにより、簡易的に印刷内容の確認を行うことが可能となる。
【０２０２】
以下、図２８に示すメモリマップを参照して本発明に係る文書処理装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【０２０３】
図２８は、本発明に係る文書処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【０２０４】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報，作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のＯＳ等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【０２０５】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【０２０６】
本実施形態における図１８，図２１，図２６，図２７に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、ＣＤ−ＲＯＭやフラッシュメモリやＦＤ等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【０２０７】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ（またはＣＰＵやＭＰＵ）が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【０２０８】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【０２０９】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、ＯＳに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【０２１０】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ＭＯ、ＣＤ−ＲＯＭ、ＣＤ−Ｒ、ＣＤ−ＲＷ、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ＲＯＭ、ＤＶＤなどを用いることができる。
【０２１１】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【０２１２】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるＷＷＷサーバやｆｔｐサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【０２１３】
また、本発明のプログラムを暗号化してＣＤ−ＲＯＭ等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【０２１４】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているＯＳ（オペレーティングシステム）等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【０２１５】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるＣＰＵ等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【０２１６】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形（各実施形態の有機的な組合せを含む）が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【０２１７】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではなく、以下の実施態様も含まれることはいうまでもない。以下、その実施態様１〜１２について説明する。
【０２１８】
〔実施態様１〕
印刷アプリケーションから出力される出力情報を製本アプリケーションを介してブック，章，ページを含む階層的な印刷属性部と文書データ部とから構成される電子文書を編集処理可能な文書処理装置であって、前記電子文書に対してプリフライトチェックが指示されているかどうかを判断する判断手段（図１８に示すステップＳ２００）と、前記判断手段によりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、設定されている前記印刷属性部の設定内容を簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成する変更手段（図１８に示すステップＳ２０４〜Ｓ２１７）と、前記変更手段により作成された前記プリフライト用の印刷属性部と前記文書データから選択された印刷装置に出力すべき印刷制御情報を生成する制御手段（図１８に示すステップＳ２１９）とを備えたことを特徴とする文書処理装置。
【０２１９】
〔実施態様２〕
前記変更手段は、前記判断手段によりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、少なくとも設定されている前記印刷属性部中の合紙設定を合紙設定無し状態に変更したプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする実施態様１記載の文書処理装置。
【０２２０】
〔実施態様３〕
前記変更手段は、前記判断手段によりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、少なくとも設定されている前記印刷属性部中の特定の用紙タイプの設定を汎用の用紙タイプに変更したプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする実施態様１記載の文書処理装置。
【０２２１】
〔実施態様４〕
前記変更手段は、設定されている前記印刷属性部の設定内容をユーザ毎に異なる条件で簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする実施態様１記載の文書処理装置。
【０２２２】
〔実施態様５〕
前記製本アプリケーションによって設定されている前記印刷属性部の設定内容中で変更してもよい項目をユーザ毎に指定可能とすることを特徴とする実施態様１記載の文書処理装置。
【０２２３】
〔実施態様６〕
印刷アプリケーションから出力される出力情報を製本アプリケーションを介してブック，章，ページを含む階層的な印刷属性部と文書データ部とから構成される電子文書を編集処理可能な文書処理装置における印刷制御方法であって、前記電子文書に対してプリフライトチェックが指示されているかどうかを判断する判断ステップ（図１８に示すステップＳ２００）と、前記判断ステップによりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、設定されている前記印刷属性部の設定内容を簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成する変更ステップ（図１８に示すステップＳ２０４〜Ｓ２１７）と、前記変更ステップにより作成された前記プリフライト用の印刷属性部と前記文書データから選択された印刷装置に出力すべき印刷制御情報を生成する制御ステップ（図１８に示すステップＳ２１９）とを備えたことを特徴とする印刷制御方法。
【０２２４】
〔実施態様７〕
前記変更ステップは、前記判断ステップによりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、少なくとも設定されている前記印刷属性部中の合紙設定を合紙設定無し状態に変更したプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする実施態様６記載の印刷制御方法。
【０２２５】
〔実施態様８〕
前記変更ステップは、前記判断ステップによりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、少なくとも設定されている前記印刷属性部中の特定の用紙タイプの設定を汎用の用紙タイプに変更したプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする実施態様６記載の印刷制御方法。
【０２２６】
〔実施態様９〕
前記変更ステップは、設定されている前記印刷属性部の設定内容をユーザ毎に異なる条件で簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする実施態様６記載の印刷制御方法。
【０２２７】
〔実施態様１０〕
前記製本アプリケーションによって設定されている前記印刷属性部の設定内容中で変更してもよい項目をユーザ毎に指定可能とすることを特徴とする実施態様６記載の印刷制御方法。
【０２２８】
〔実施態様１１〕
実施態様６〜１０のいずれかに記載の印刷制御方法を実現するプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【０２２９】
〔実施態様１２〕
実施態様６〜１０のいずれかに記載の印刷制御方法を実現することを特徴とするプログラム。
【０２３０】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、製本アプリケーションから生成される電子原稿が印刷可能かどうかをチェックするプリフライトチェックの際に、製本アプリケーションが設定している印刷指示に基づき、原稿の印刷そのものにかかわる部分以外の印刷指示を、システムが変更して自動簡略化するので、指定された印刷指示でチェック印刷したならば、必要とされるコストを低減するとともに、短時間でプリチェック処理を効率よく完了できる利便性に優れた文書処理環境を自在に整備できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施形態を示す文書処理装置を適用可能な文書処理システムにおけるソフトウェアの構成を説明するブロック図である。
【図２】図１に示したコンピュータのハードウェアを説明するブロック図である。
【図３】図１に示したホストコンピュータの電子原稿ファイルの構造を説明する図である。
【図４】図３に示したブック属性リストの一例を説明する図である。
【図５】図３に示した章属性リストの一例を示す図である。
【図６】図３に示したページ属性リストの一例を示す図である。
【図７】本発明に係る文書処理装置における第１のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図８】図２に示したＣＲＴ上に表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図である。
【図９】図２に示したＣＲＴ上に表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図である。
【図１０】本発明に係る文書処理装置における第２のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図１１】本発明に係る文書処理装置における第３のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図１２】本発明の第１実施形態を示す文書処理装置を適用可能な文書処理システムにおけるソフトウェアの構成を説明するブロック図である。
【図１３】本発明に係る文書処理装置を適用可能な文書処理システムの一例を示すブロック図である。
【図１４】本発明に係る文書処理装置で管理される印刷文書情報の構造を説明する図である。
【図１５】図１４に示したページ配置情報部で示した印刷文書の各頁をどのような配置、順序で印刷するかを記述するページ配置情報部における、詳細設定の例を説明する図である。
【図１６】図１４に示した指示情報部の詳細設定例を説明する図である。
【図１７】図１に示したプリンタに対して設定可能な指示情報の一例を示す図である。
【図１８】本発明に係る文書処理装置における第４のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図１９】図９に示した製本アプリケーションのユーザインタフェース上で、メニュー操作により開かれる印刷設定時のダイアログ画面を示す図である。
【図２０】本発明に係る文書処理装置において作成される第２の印刷指示文書の構造を説明する図である。
【図２１】本発明に係る文書処理装置における第５のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図２２】図２１に示した処理で生成される第２の印刷指示情報を元に作成したＤＥＶＭＯＤＥの一例を示す図である。
【図２３】本発明に係る文書処理装置で管理される印刷指示文書の一例を示す図である。
【図２４】本発明に係る文書処理装置で管理される印刷指示文書の一例を示す図である。
【図２５】図２４に示した印刷指示情報に基づいて作成されるＤＥＶＭＯＤＥの一例を示す図である。
【図２６】本発明に係る文書処理装置における第６のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図２７】本発明に係る文書処理装置における第６のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図２８】本発明に係る文書処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
１００ ホストコンピュータ
１０１ アプリケーション
１０２ 電子原稿ライタ
１０３ 電子原稿ファイル
１０４ 製本アプリケーション
１０５ 電子原稿デスプーラ
１０６ プリンタドライバ
１０７ プリンタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷属性部と文書データ部とから構成される電子文書を印刷処理する文書処理装置および印刷制御方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、マニュアル、カタログ、会議資料などの文書を電子文書で保管し、必要なときに、必要な部数だけ印刷するシステム（ＰＯＤ：Ｐｒｉｎｔ Ｏｎ Ｄｅｍａｎｄ）が普及している。
【０００３】
このようなシステムでは、通常の印刷のように、どのプリンタで出力するか、どのような体裁で出力するか、プリンタのどの機能を使用して印刷するか、といった指示を毎回するのではなく、印刷文書作成時に指定した指示を、電子文書化して、印刷文書に付随させることにより、印刷文書作成者がいないような場合でも、毎回同一の出力結果を得ることが可能になるようになっている。
【０００４】
また、プリントショップなど、原稿とともに印刷指示を顧客から受け取って印刷を行う形態の印刷業が普及している。また、そのような場合、顧客の指示通りに印刷を行う前に、印刷が正常に行えるかどうかをあらかじめチェックするワークフロー（プリフライトチェックと呼ばれる。入稿前のデータチェック、校正のこと。）が存在している。
【０００５】
プリフライトチェックの方法としては、▲１▼ＤＴＰ文書のページを構成する部品の内容確認、▲２▼ページが組み上がった段階の部品の欠如確認、▲３▼ページ単位の校正、▲４▼ページ面付け状態での校正、▲５▼仕上がりの印刷物における色見の校正がある。▲１▼及び▲２▼の確認は、近年自動でチェックできる仕組みが考えられている。（例えば、特許文献１）
【０００６】
【特許文献１】
特開２０００−２８０４３５号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、▲３▼〜▲５▼の校正については、顧客が目視により確認し、必要に応じて校正する必要があるが、顧客の指示は、用紙に対する指示が高級紙であったり、途中に空白頁をはさんでいたり、ステイプルやパンチ穴をあける指示が含まれていたりする。
【０００８】
この場合に、顧客の指示通りに忠実に印刷してチェックを行う場合、プリントショップにおいて、余計な費用や時間がかかる場合があり、また、印字のチェックを行う目的では、必ずしも指示どおりに印刷を行わなくてもよい指示が含まれている場合もある。
【０００９】
なお、従来より、テストプリントと称して、１つのアプリケーション内で作成された印刷データの印刷状態をチェックする機能を備えた文書処理システムも提案されているが、本発明が適用される文書処理システム、すなわち、複数の異なるアプリケーションで作成された文書をマージして１つの文書ファイルとして管理するようなシステムでは、上記のようなテストプリントでは、作成されたファイルの印刷状態をチェックする機能が備えられておらず、設定によっては、その印刷結果を得るために、アプリケーションで設定された属性等を容易に変更できないため、消耗剤（ステイプル針，高価な用紙，合資紙指定等）を無駄に消費しなければならず、結果として簡易あるいは安価に印刷結果を印刷開始前にチェックすることができないという不具合が発生してしまう問題点があった。
【００１０】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、製本アプリケーションが電子原稿から生成される電子原稿が印刷可能かどうかをチェックするプリフライトチェックの際に、製本アプリケーションが設定している印刷指示に基づき、原稿の印刷そのものにかかわる部分以外の印刷指示を、システムが変更して自動簡略化することにより、必要とされるプリチェック処理コストを低減するとともに、短時間でプリチェック処理を効率よく完了できる利便性に優れた文書処理環境を自在に整備できる文書処理装置および印刷制御方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラムを提供することである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の文書処理装置は以下に示す構成を備える。
【００１２】
本発明は、印刷アプリケーションから出力される出力情報を製本アプリケーションを介してブック，章，ページを含む階層的な印刷属性部と文書データ部とから構成される電子文書を編集処理可能な文書処理装置であって、前記電子文書に対してプリフライトチェックが指示されているかどうかを判断する判断手段と、前記判断手段によりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、設定されている前記印刷属性部の設定内容を簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成する変更手段と、前記変更手段により作成された前記プリフライト用の印刷属性部と前記文書データから選択された印刷装置に出力すべき印刷制御情報を生成する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【００１３】
上記目的を達成する本発明の印刷制御方法は以下に示す構成を備える。
【００１４】
本発明は、印刷アプリケーションから出力される出力情報を製本アプリケーションを介してブック，章，ページを含む階層的な印刷属性部と文書データ部とから構成される電子文書を編集処理可能な文書処理装置における印刷制御方法であって、前記電子文書に対してプリフライトチェックが指示されているかどうかを判断する判断ステップと、前記判断ステップによりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、設定されている前記印刷属性部の設定内容を簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成する変更ステップと、前記変更ステップにより作成された前記プリフライト用の印刷属性部と前記文書データから選択された印刷装置に出力すべき印刷制御情報を生成する制御ステップとを備えたことを特徴とする。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【００１６】
＜システム概要＞
まず、本発明に係る文書処理システムの概要について、図１乃至図１２を参照して以下に説明する。
【００１７】
尚、この文書処理システムは、一般のアプリケーションによって作成されたデータファイルを電子原稿ファイルに変換する電子原稿ライタと、その電子原稿ファイルを編集する機能を提供する製本アプリケーションとを含み、作成されたデータを一まとめにした文書の作成及び編集を可能とし、その操作性を向上させて文書編集を効率的に行えるものである。
【００１８】
＜システム構成及び動作＞
図１は、本発明の第１実施形態を示す文書処理装置を適用可能な文書処理システムにおけるソフトウェアの構成を説明するブロック図であり、本文書処理システムは、本発明の情報処理装置に好適な実施形態であるデジタルコンピュータ１００（以下、ホストコンピュータとも呼ぶ）によって実現されている。
【００１９】
図１に示す一般アプリケーション（以下、アプリケーションと呼ぶ）１０１は、ワードプロセシングやスプレッドシート、フォトレタッチ、ドロー、あるいはペイント、プレゼンテーション、テキスト編集などの機能を提供するアプリケーションプログラムが含まれ、ＯＳに対する印刷機能を有している。
【００２０】
これらのアプリケーションは、作成された文書データや画像データなどのアプリケーションデータを印刷する際に、オペレーティングシステム（ＯＳ）によって提供される所定のインタフェース（一般に、ＧＤＩと呼ばれる）を利用する。
【００２１】
即ち、アプリケーション１０１は、作成したデータを印刷するために、上述のインタフェースを提供するＯＳの出力モジュールに対して、あらかじめ定められるＯＳに依存する形式の出力コマンド（ＧＤＩ関数と呼ばれる）を送信する。
【００２２】
一方、出力コマンドを受けた出力モジュールは、その出力コマンドをプリンタ１０７等の出力デバイスが処理可能な形式に変換して、変換されたコマンド（ＤＤＩ関数と呼ばれる）を出力する。出力デバイスが処理可能な形式はデバイスの種類やメーカ、機種などによって異なるため、デバイスごとにデバイスドライバが提供されており、ＯＳではそのデバイスドライバを利用してコマンドの変換を行い、印刷データを生成し、ＪＬ（Ｊｏｂ Ｌａｎｇｕａｇｅ）でくくることにより印刷ジョブが生成される。ＯＳとして、例えばマイクロソフト社のウインドウズ（登録商標）を利用する場合には、前述した出力モジュールとしてはＧＤＩ（Ｇｒａｐｈｉｃ Ｄｅｖｉｃｅ Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）と呼ばれるモジュールが相当する。
【００２３】
電子原稿ライタ１０２は、上述のデバイスドライバを改良したものであり、本文書処理システム実現のために提供されるソフトウェアモジュールである。但し、電子原稿ライタ１０２は特定の出力デバイスを目的としておらず、詳細は後述する製本アプリケーション１０４やプリンタドライバ１０６により処理可能な形式に出力コマンドを変換する。
【００２４】
この電子原稿ライタ１０２による変換後の形式（以後、電子原稿形式と呼ぶ）は、ページ単位の原稿を詳細な書式をもって表現可能であれば特に問わない。実質的な標準形式のうち、例えばアドビシステムズによるＰＤＦ形式やＳＶＧ形式などが電子原稿形式として採用できる。
【００２５】
アプリケーション１０１から電子原稿ライタ１０２を利用させる場合には、出力に使用するデバイスドライバとして電子原稿ライタ１０２を指定してから印刷を実行させる。但し、電子原稿ライタ１０２によって作成されたままの電子原稿ファイルは、電子原稿ファイルとして完全な形式を備えていない。
【００２６】
そのため、デバイスドライバとして電子原稿ライタ１０２を指定するのは製本アプリケーション１０４であり、その管理下でアプリケーションデータの電子原稿ファイル１０３への変換が実行される。
【００２７】
そして、製本アプリケーション１０４は電子原稿ライタ１０２が生成した新規の不完全な電子原稿ファイル１０２ａを後述する形式を備えた電子原稿ファイル１０３として完成させる。
【００２８】
以下、この点を明瞭に識別する必要がある場合、電子原稿ライタ１０２によって作成されたファイルを「電子原稿ファイル」と呼び、製本アプリケーション１０４によって構造を与えられた電子原稿ファイル１０３を「ブックファイル」と呼ぶ。
【００２９】
また、特に区別する必要がない場合は、アプリケーションにより生成されるドキュメントファイル、電子原稿ファイル、及びブックファイルをいずれも文書ファイル（または文書データ）と呼ぶ。
【００３０】
このようにデバイスドライバとして電子原稿ライタ１０２を指定し、アプリケーション１０１によりデータを印刷させることで、アプリケーションデータはアプリケーション１０１によって定義されたページ（以後、論理ページあるいは原稿ページと呼ぶ）を単位とする電子原稿形式に変換され、電子原稿ファイル１０３としてハードディスクなどの記憶媒体に格納される。
【００３１】
なお、ハードディスクは、本実施形態の文書処理システムを実現するコンピュータが備えているローカルドライブであっても良く、ネットワークに接続されている場合にはネットワーク上に提供されるドライブであっても良い。
【００３２】
製本アプリケーション１０４は電子原稿ファイル（あるいはブックファイル）１０３を読み込み、それを編集するための機能を利用者に提供する。但し、製本アプリケーション１０４は、各ページの内容を編集する機能は提供しておらず、ページを最小単位として構成される、後述する章やブックの構造を編集するための機能を提供している。
【００３３】
製本アプリケーション１０４によって編集されたブックファイル１０３を印刷する際には、製本アプリケーション１０４によって電子原稿デスプーラ１０５が起動される。
【００３４】
電子原稿デスプーラ１０５は、製本アプリケーション１０４と共にコンピュータ内にインストールされるプログラムモジュールであり、製本アプリケーション１０４で利用するドキュメント（ブックファイル１０３）を印刷する際に、プリンタドライバ１０６へ描画データを出力するために使用されるモジュールである。
【００３５】
電子原稿デスプーラ１０５は、指定されたブックファイル１０３をハードディスクから読み出し、ブックファイル１０３に記述された形式で各ページを印刷するために、前述したＯＳの出力モジュールに適合する出力コマンドを生成し、不図示の出力モジュールに出力する。その際に、出力デバイスとして使用されるプリンタ１０７用のプリンタドライバ１０６がデバイスドライバとして指定される。
【００３６】
上述の出力モジュールは、受信した出力コマンドをデバイスコマンドに変換して指定されたプリンタ１０７用のプリンタドライバ１０６に出力し、そのプリンタドライバ１０６がプリンタ１０７で解釈実行可能なページ記述言語等のコマンドに変換する。そして、変換されたコマンドはプリンタドライバ１０６から不図示のシステムスプーラを介してプリンタ１０７に送信され、プリンタ１０７によってコマンドに応じた画像が印刷される。
【００３７】
図２は、図１に示したコンピュータ１００のハードウェアを説明するブロック図である。
【００３８】
図２において、ＣＰＵ２０１は、ＲＯＭ２０３のプログラム用ＲＯＭに記憶された、あるいはハードディスク２１１からＲＡＭ２０２にロードされたＯＳや一般アプリケーション、製本アプリケーションなどのプログラムを実行し、図１のソフトウェア構成や、後述するフローチャートの手順を実現する。
【００３９】
ＲＡＭ２０２は、ＣＰＵ２０１の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ（ＫＢＣ）２０５は、キーボード（ＫＢ）２０９や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。ＣＲＴコントローラ（ＣＲＴＣ）２０６は、ＣＲＴディスプレイ２１０の表示を制御する。ディスクコントローラ（ＤＫＣ）２０７は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、後述する編集ファイル等を記憶するハードディスク（ＨＤ）２１１やフレキシブルディスク（ＦＤ）等とのアクセスを制御する。ＰＲＴＣ２０８は、接続されたプリンタ１０７との間の信号の交換を制御する。ＮＣ２１２はネットワークに接続されて、ネットワークに接続された他の機器との通信制御処理を実行する。
【００４０】
編集アプリケーション１０４の詳細を言及する前に、ブックファイルのデータ形式について説明する。ブックファイルは紙媒体の書物を模倣した３層の層構造を有する。
【００４１】
＜電子原稿データの形式＞
以下、図３を参照してブックファイルのデータ形式について説明する。
【００４２】
図３は、図１に示したホストコンピュータ１００の電子原稿ファイル１０３の構造を説明する図であり、紙媒体の書物を模倣した３層の層構造を有する。
【００４３】
まず、上位層は「ブック」と呼ばれ、１冊の本を模倣しており、その本全般に係る属性が定義されている。その下の中間層は、本でいう章に相当し、やはり「章」と呼ばれる。各章についても、章毎の属性が定義できる。そして、下位層は「ページ」であり、アプリケーションプログラムで定義された各ページに相当する。
【００４４】
なお、各ページについてもページ毎の属性が定義できる。更に、一つのブックは複数の章を含んでいてよく、また一つの章は複数のページを含むこともできる。
【００４５】
図３に示す（Ａ）は、ブックファイル１０３の形式の一例を模式的に示す図である。図示するように、この例では、ブックファイル１０３におけるブック，章，ページは、それぞれに相当するノードにより示されている。一つのブックファイルは一つのブックを含む。
【００４６】
ブック，章は、ブックとしての構造を定義するための概念であるから、定義された属性値と下位層へのリンクとをその実体として含む。ページは、アプリケーションプログラムによって出力されたページ毎のデータを実体として有する。そのため、ページは、その属性値のほかに、原稿ページの実体（原稿ページデータ）と各原稿ページデータへのリンクを含む。
【００４７】
なお、紙媒体等に出力する際の印刷ページは複数の原稿ページを含む場合がある。この構造に関してはリンクによって表示されず、ブック、章、ページ各階層における属性として表示される。
【００４８】
図３において、ブック３０１には、ブック属性が定義されていると共に、２つの章３０２Ａ，３０２Ｂがリンクされている。このリンクにより、章３０２Ａ，３０２Ｂがブック３０１に包含されていることが表示される。
【００４９】
さらに、章３０２Ａには、ページ３０３Ａ，３０３Ｂがリンクされ、これらページが含まれることが示されている。各ページ３０３Ａ，３０３Ｂにはそれぞれ属性値が定義され、その実体である原稿ページデータ（１）、（２）へのリンクが含まれる。
【００５０】
これらリンクは、図３に示す（Ｂ）のように原稿ページデータ３０４のデータ（１），（２）を指し示し、ページ３０３Ａ、３０３Ｂ、３０３Ｃ、３０３Ｄの実体が原稿ページデータ（１）、（２）、（３）、（４）であることを表示している。
【００５１】
図４は、図３に示したブック属性リストの一例を説明する図である。
【００５２】
図４において、下位層と重複して定義可能な項目に関しては、下位層の属性値が優先採用される。そのため、ブック属性にのみ含まれる項目に関しては、ブック属性に定義された値はブック全体を通して有効な値となる。
【００５３】
しかし、下位層と重複する項目については、下位層において定義されていない場合における既定値としての意味を有する。なお、図示された各項目は具体的に１項目に対応するのではなく、関連する複数の項目を含むものもある。
【００５４】
図５は、図３に示した章属性リストの一例を示す図であり、図６は、図３に示したページ属性リストの一例を示す図である。
【００５５】
なお、章属性とページ属性との関係もブック属性と下位層の属性との関係と同様である。
【００５６】
上記図４〜図６から明らかなように、ブック属性に固有の項目は、印刷方法、製本詳細、表紙／裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りの６項目である。これらはブックを通して定義される項目である。
【００５７】
印刷方法の属性としては、片面印刷、両面印刷、製本印刷の３つの値を指定できる。
【００５８】
ここで、製本印刷とは、別途指定する枚数の用紙を束にして２つ折りにし、その束をつづり合わせることで製本が可能となる形式で印刷する方法である。製本詳細属性としては、製本印刷が指定されている場合に、見開き方向や、束になる枚数等が指定できる。
【００５９】
また、表紙／裏表紙属性は、ブックとしてまとめられる電子原稿ファイルを印刷する際に、表紙及び裏表紙となる用紙を付加することの指定、及び付加した用紙への印刷内容の指定を含む。
【００６０】
さらに、インデックス紙属性は、章の区切りとして、印刷装置に別途用意される耳付きのインデックス紙の挿入の指定及びインデックス（耳）部分への印刷内容の指定を含む。
【００６１】
この属性は、印刷用紙とは別に用意された用紙を所望の位置に挿入するインサート機能を持ったインサータが使用する印刷装置に備えられている場合か、あるいは、複数の給紙カセットを使用可能である場合に有効となる。これは合紙属性についても同様である。
【００６２】
さらに、合紙属性は、章の区切りとして、インサータから、あるいは給紙カセットから供給される用紙の挿入の指定、及び合紙を挿入する場合には、給紙元の指定などを含む。
【００６３】
また、章区切り属性は、章の区切り目において、新たな用紙を使用するか、新たな印刷ページを使用するか、特に何もしないか等の指定を含む。片面印刷時には、新たな用紙の使用と新たな印刷ページの使用とは同じ意味を持つ。両面印刷時には、「新たな用紙の使用」を指定すれば連続する章が１枚の用紙に印刷されることは無いが、「新たな印刷ページの使用」を指定すれば、連続する章が１枚の用紙の表裏に印刷されることがあり得る。
【００６４】
図５に示す章属性に関しては、章に固有の項目はなく、全てブック属性と重複する。従って、章属性における定義とブック属性における定義とが異なれば、章属性で定義された値が優先する。
【００６５】
ブック属性と章属性とにのみ共通する項目は、用紙サイズ、用紙方向、Ｎ−ｕｐ印刷指定、拡大縮小、排紙方法の５項目である。これらのうち、Ｎ−ｕｐ印刷指定属性は１印刷ページに含まれる原稿ページ数を指定するための項目である。指定可能な配置としては、１×１、１×２、２×２、３×３、４×４などがある。排紙方法属性は、排出した用紙にステイプル処理を施すか否かを指定するための項目であり、この属性の有効性は使用する印刷装置がステイプル機能を有するか否かに依存する。
【００６６】
図６に示すページ属性に固有の項目には、ページ回転属性、ズーム、配置指定、アノテーション、ページ分割などがある。ページ回転属性は、原稿ページを印刷ページに配置する際の回転角度を指定するための項目である。
【００６７】
また、ズーム属性は、原稿ページの変倍率を指定するための項目である。変倍率は、仮想論理ページ領域のサイズを１００％として指定される。仮想論理ページ領域とは、原稿ページを、Ｎｕｐ等の指定に応じて配置した場合に、１原稿ページが占める領域である。例えば、１×１であれば、仮想論理ページ領域は１印刷ページに相当する領域となり、１×２であれば、１印刷ページの各辺を約７０パーセントに縮小した領域となる。
【００６８】
ブック、章、ページについて共通な属性としては、ウォーターマーク属性及びヘッダ・フッタ属性がある。
【００６９】
ここで、ウォーターマークとは、アプリケーションで作成されたデータに重ねて印刷される、別途指定される画像や文字列などである。ヘッダ・フッタは、それぞれ各ページの上余白及び下余白に印刷されるウォーターマークである。但し、ヘッダ・フッタには、ページ番号や日時など変数により指定可能な項目が用意されている。
【００７０】
なお、ウォーターマーク属性およびヘッダ・フッタ属性において指定可能な内容は、章とページとは共通であるが、ブックはそれらと異なっている。ブックにおいてはウォーターマークやヘッダ・フッタの内容を設定できるし、また、ブック全体を通してどのようにウォーターマークやヘッダ・フッタを印刷するかを指定することができる。一方、章やページでは、その章やページにおいて、ブックで設定されたウォーターマークやヘッダ・フッタを印刷するか否かを指定できる。
【００７１】
＜ブックファイルの生成手順＞
ブックファイルは上述したような構造及び内容を有している。次に、製本アプリケーション１０４及び電子原稿ライタ１０２によるブックファイルの作成手順について説明する。ブックファイルの作成手順は、製本アプリケーション１０４によるブックファイルの編集操作の一環として実現される。
【００７２】
図７は、本発明に係る文書処理装置における第１のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、図１に示した製本アプリケーション１０４によりブックファイルを開く際の手順に対応する。なお、Ｓ７０１〜Ｓ７０４は各ステップを示す。
【００７３】
まず、開こうとするブックファイルが、新規作成すべきものであるか、それとも既存のものであるかを製本アプリケーション１０４が判定する（Ｓ７０１）。ここで、新規作成であると判断した場合には、章を含まないブックファイルを新規に作成する（Ｓ７０２）。
【００７４】
なお、新規に作成されるブックファイルは、図３の例で示せば、ブック３０１のみ有し、章のノードに対するリンクが存在しないブックのノードとなる。
【００７５】
ブック属性は、新規作成用としてあらかじめ用意された属性のセットが適用される。
【００７６】
そして、新規ブックファイルを編集するためのユーザインタフェース（ＵＩ）画面（図８に示す）を表示する（Ｓ７０４）。
【００７７】
図８，図９は、図２に示したＣＲＴ２上に表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図であり、図８は、新規にブックファイルが作成された際のＵＩ画面の一例である。この場合は、ブックファイルは実質的な内容を持たないため、ＵＩ画面１１００には何も表示されない。
【００７８】
また、図９は、既存のブックファイルから指定されたブックファイルを表示するＵＩ画面の一例である。ＵＩ画面１１００は、ブックの構造を示すツリー部１１０１と、印刷された状態を表示するプレビュー部１１０２とを含む。ツリー部１１０１には、ブックに含まれる章、各章に含まれるページが図３に示す（Ａ）のような木構造で表示される。ツリー部１１０１に表示されるページは原稿ページである。またプレビュー部１１０２には、印刷ページの内容が縮小されて表示される。その表示順序はブックの構造を反映したものとなっている。
【００７９】
一方、ステップＳ７０１で、既存のブックファイルがあると判断した場合には、指定されたブックファイルを開き（Ｓ７０３）、そのブックファイルの構造、属性、内容に従ってユーザインタフェース（ＵＩ）画面（図９参照）を表示して（Ｓ７０４）、処理を終了する。
【００８０】
さて、開かれたブックファイルには、電子原稿ライタ１０２によって電子原稿ファイルに変換されたアプリケーションデータを、新たな章として追加することができる。この機能を電子原稿インポート機能と呼ぶ。
【００８１】
図７に示す手順によって新規に作成されたブックファイルに電子原稿をインポートすることで、そのブックファイルには実体が与えられる。この機能は、図９の画面にアプリケーションデータをドラッグアンドドロップ操作することで起動される。
【００８２】
図１０は、本発明に係る文書処理装置における第２のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、電子原稿インポートの手順に対応する。なお、Ｓ８０１〜Ｓ８０４は各ステップを示す。
【００８３】
まず、指定されたアプリケーションデータを生成したアプリケーションプログラムを起動し、デバイスドライバとして電子原稿ライタ１０２を指定してアプリケーションデータを印刷出力させることで、電子原稿データに変換する電子原稿生成処理を行う（Ｓ８０１）。
【００８４】
そして、変換を終えたなら、変換されたデータが画像データであるか否かを判定する（Ｓ８０２）。この判定は、ウインドウズＯＳの下であれば、アプリケーションデータのファイル拡張子に基づいて行われる。
【００８５】
例えば、拡張子が「ｂｍｐ」であればウインドウズビットマップデータであり、「ｊｐｇ」であればｊｐｅｇ圧縮された画像データ、「ｔｉｆｆ」であればｔｉｆｆ形式の画像データであると判定できる。
【００８６】
また、このような画像データの場合は、ステップＳ８０１のようにアプリケーションを起動せずに、画像データから直接電子原稿ファイルを生成することが可能であるため、ステップＳ８０１の処理を省略することも可能である。
【００８７】
ここで、画像データでなかったと判断した場合には、ステップＳ８０１で生成された電子原稿ファイルを、現在開かれているブックファイルのブックに、新たな章として追加して（Ｓ８０３）、処理を終了する。なお、章属性としては、ブック属性と共通するものについてはブック属性の値がコピーされ、そうでないものについては、予め用意された規定値に設定される。
【００８８】
一方、ステップＳ８０２で画像データであると判断した場合には、原則として新たな章は追加されず、指定されている章に、ステップＳ８０１で生成された電子原稿ファイルに含まれる各原稿ページを追加して（Ｓ８０４）、処理を終了する。
【００８９】
但し、ブックファイルが新規作成されたファイルであれば、新たな章が作成されて、その章に属するページとして電子原稿ファイルの各ページが追加される。ページ属性は、上位層の属性と共通のものについてはその属性値が与えられ、アプリケーションデータにおいて定義された属性を電子原稿ファイルに引き継いでいるものについてはその値が与えられる。
【００９０】
例えば、Ｎｕｐ指定などがアプリケーションデータにおいて指定されていた場合には、その属性値が引き継がれる。このようにして、新規なブックファイルが作成され、あるいは、新規な章が追加される。
【００９１】
図１１は、本発明に係る文書処理装置における第３のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、図１０に示すステップＳ８０１において、電子原稿ライタ１０２により電子原稿ファイルを生成させる詳細手順に対応する。なお、Ｓ９０１〜Ｓ９０４は各ステップを示す。
【００９２】
まず、新たな電子原稿ファイルを作成してそれを開く（Ｓ９０１）。指定したアプリケーションデータに対応するアプリケーションを起動し、電子原稿ライタをデバイスドライバとしてＯＳの出力モジュールに対して出力コマンドを送信させる。出力モジュールは、受信した出力コマンドを電子原稿ライタ１０２によって電子原稿形式のデータに変換し、出力する（Ｓ９０２）。その出力先はステップＳ９０１で開いた電子原稿ファイルである。指定されたデータ全てについて変換が終了したか判定し（Ｓ９０３）、終了していれば電子原稿ファイルを閉じる（Ｓ９０４）。電子原稿ライタ１０２によって生成される電子原稿ファイルは、図３の（Ｂ）に示される原稿ページデータの実体を含むファイルである。
【００９３】
＜ブックファイルの編集＞
以上のようにして、アプリケーションデータからブックファイルを作成することができる。生成されたブックファイルについては、章及びページに対して次のような編集操作（１）〜（１２）が可能である。
【００９４】
編集操作は、（１）新規追加，（２）削除，（３）コピー，（４）切り取り，（５）貼り付け，（６）移動，（７）章名称変更，（８）ページ番号名称振り直し，（９）表紙挿入，（１０）合紙挿入，（１１）インデックス紙挿入，（１２）各原稿ページに対するページレイアウト等である。
【００９５】
このほか、一旦行った編集操作を取り消す操作や、更に取り消した操作をやり直す操作が可能である。これら編集機能により、例えば複数のブックファイルの統合、ブックファイル内で章やページの再配置、ブックファイル内で章やページの削除、原稿ページのレイアウト変更、合紙やインデックス紙の挿入などの編集操作が可能となる。
【００９６】
これらの操作を行うと、図４、図５に示す属性に操作結果が反映されたり、あるいはブックファイルの構造に反映される。
【００９７】
例えば、ブランクページの新規追加操作を行えば、指定された箇所にブランクページが挿入される。このブランクページは原稿ページとして扱われる。また、原稿ページに対するレイアウトを変更すれば、その変更内容は、印刷方法やＮ−ｕｐ印刷、表紙／裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りといった属性に反映される。
【００９８】
＜ブックファイルの出力＞
以上のように作成・編集されるブックファイルは、印刷出力を最終目的とするものである。ここで、利用者が図９に示した製本アプリケーション１０４のＵＩ画面１１００からファイルメニューを選択し、そこから「印刷」を選択すると、指定した出力デバイスにより印刷出力される。
【００９９】
この際、まず製本アプリケーション１０４は、現在開かれているブックファイル１０３からジョブチケットを作成し、そのジョブチケットを電子原稿デスプーラ１０５に渡す。
【０１００】
一方、電子原稿デスプーラ１０５は、ジョブチケットをＯＳの出力コマンド、例えばウインドウズのＧＤＩ関数に変換し、それを出力モジュール、例えばＧＤＩに送信する。出力モジュールは、指定されたプリンタドライバ１０６によってデバイスに適したコマンドを生成し、そのデバイスに送信する。
【０１０１】
ここで、ジョブチケット（ＪＴ）は原稿ページを最小単位とする構造を有するデータである。
【０１０２】
ジョブチケットにおける構造は、用紙上における原稿ページのレイアウトを定義している。ジョブチケットは、１ジョブにつき１つ発行される。そのため、まず最上位にドキュメントというノードがあり、文書全体の属性、例えば両面印刷／片面印刷などが定義されている。
【０１０３】
その下には、用紙ノードが属し、用いるべき用紙の識別子やプリンタにおける給紙口の指定などの属性が含まれる。
【０１０４】
各用紙ノードには、その用紙で印刷されるシートのノードが属する。１シートは１枚の用紙に相当する。各シートには、印刷ページ（物理ページ）が属する。片面印刷ならば１シートには１物理ページが属し、両面印刷ならば１シートに２物理ページが属する。
【０１０５】
各物理ページには、その上に配置される原稿ページが属する。また物理ページの属性として、原稿ページのレイアウトが含まれる。
【０１０６】
電子原稿デスプーラ１０５は、上述のジョブチケットを、出力モジュールへの出力コマンドに変換する。
【０１０７】
＜そのほかのシステム構成＞
本実施形態の文書処理システムの概要は以上のようなものである。これはスタンドアロン型のシステムであるが、これを拡張したサーバクライアントシステムでもほぼ同様の構成・手順でブックファイルを作成・編集できる。但し、ブックファイルや印刷処理はサーバによって管理される。
【０１０８】
図１２は、本発明の第１実施形態を示す文書処理装置を適用可能な文書処理システムにおけるソフトウェアの構成を説明するブロック図であり、本文書処理システムは、サーバクライアント型文書処理システム例に対応する。
【０１０９】
クライアント文書処理システムは、スタンドアロン型システムに、クライアントモジュールであるＤＯＭＳ（Ｄｏｃｕｍｅｎｔ Ｏｕｔｐｕｔ Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ Ｓｅｒｖｉｃｅ：文書出力管理サービス）ドライバ１０９及びＤＯＭＳプリントサービスモジュール１１０、ＤＳ（文書サービス）クライアントモジュール１０８を加えた構成を有する。
【０１１０】
このクライアント文書処理システム１２００に文書管理サーバ１２０１、印刷集中管理サーバ１２０２及びプリントサーバ１２０３が接続されている。これらサーバは、通常ネットワークによってクライアント文書処理システムと接続されるが、サーバが同時にクライアントとしても機能する場合には、ネットワーク間の通信をシミュレートするプロセス間通信によって接続される。
【０１１１】
なお、図１２に示す例では、文書管理サーバ１２０１と印刷集中管理サーバ１２０２の両方のサーバがクライアントに接続されているが、何れか一方のみネットワーク上に存在する場合もあり得る。例えば、接続されているサーバが文書管理サーバであれば、そのＤＳクライアントモジュール１０８を含む文書管理サーバクライアントシステム１２０１ＳＣが、また印刷集中管理サーバ１２０２であれば、そのクライアントモジュールを含む印刷管理サーバクライアントシステム１２０２ＳＣが、スタンドアロン型文書管理システムに追加される。
【０１１２】
文書管理サーバ１２０１は、製本アプリケーション１０４により作成・編集されたブックファイルを格納するサーバである。文書管理サーバ１２０１によってブックファイルを管理する場合、ブックファイルはクライアントＰＣのローカルＨＤに代わって、あるいはそれに加えて、文書管理サーバ１２０１のデータベース１２１１に保存される。
【０１１３】
製本アプリケーション１０４と文書管理サーバ１２０１との間のブックファイルの保存及び読み出しは、ＤＳクライアントモジュール１０８及びＤＳコア１２１２を介して行われる。
【０１１４】
印刷集中管理サーバ１２０２は、クライアント文書管理システム１２００に格納された、あるいは文書管理サーバ１２０１に格納されたブックファイルの印刷を管理するサーバである。クライアントにおける印刷要求は、ＤＯＭＳドライバ１０９およびＤＯＭＳプリントサービスモジュール１１０を介して印刷集中管理サーバ１２０２のＤＯＭＳＷＧサーバモジュール１２２１に送信される。
【０１１５】
集中印刷管理サーバ１２０２は、クライアントのプリンタで印刷する場合にはクライアントのＤＯＭＳプリントサービスモジュール１１０を介して電子原稿デスプーラ１０５に電子原稿データを渡し、プリントサーバ１２０３により印刷する場合には、プリントサーバ１２０３のＤＯＭＳプリントサービスモジュール２３１に送信する。
【０１１６】
集中印刷管理サーバ１２０２は、例えば保存されているブックファイルに対して印刷要求を発行した利用者の資格などについてセキュリティチェックを行ったり、印刷処理のログを保存したりする。このように、文書処理システムは、スタンドアロンとしても、クライアントサーバシステムとしても実現できる。
【０１１７】
＜プレビュー表示の内容＞
既に説明した通り、ブックファイル１０３が製本アプリケーション１０４によって開かれると、図９に示したユーザインタフェース画面１１００が表示される。
【０１１８】
ツリー部１１０１には、開いているブック（以下、「注目ブック」と呼ぶ）の構造を示すツリーが表示される。プレビュー部１１０３には、利用者の指定に応じて、３通りの表示方法が用意されている。
【０１１９】
まず、第１は原稿ページをそのまま表示する原稿ビューと呼ばれるモードである。この原稿ビューモードでは、注目ブックに属する原稿ページの内容が縮小されて表示される。なお、プレビュー部１１０２の表示にレイアウトは反映されない。
【０１２０】
次に、第２は印刷ビューモードである。この印刷ビューモードでは、プレビュー部１１０２には原稿ページのレイアウトが反映された形で原稿ページが表示される。そして、第３は簡易印刷ビューモードである。
【０１２１】
この簡易印刷ビューモードでは、各原稿ページの内容はプレビュー部の表示には反映されず、レイアウトのみが反映される。
【０１２２】
＜ステイプル制御＞
次に、ステイプル機能を有するプリンタと接続するコンピュータ１００の製本アプリケーション１０４によって行われるステイプル制御について説明する。
【０１２３】
図１３は、本発明に係る文書処理装置を適用可能な文書処理システムの一例を示すブロック図であり、ステイプル制御可能な文書処理システム例に対応する。
【０１２４】
図示するように、ステイプル制御可能な文書処理システムは、図２に示したホストコンピュータ１００とステイプル機能を有するプリンタ１０７とで構成される。以下、プリンタ１０７の構成について説明する。なお、本発明の機能が実現されるのであれば、単体の機器であっても、複数の機器からなるシステムであっても、ＬＡＮ，ＷＡＮ等のネットワークを介して接続がなされ、処理が行われるシステムであっても本発明を適用できる。
【０１２５】
図示するように、プリンタ１０７において、１３０１はプリンタＣＰＵ（ＣＰＵ）であり、ＲＯＭ１３０２内のプログラム用ＲＯＭに記憶された制御プログラム等や外部メモリ１３０３に記憶された制御プログラム等に基づいてシステムバス１３０４に接続される印刷部Ｉ／Ｆ１３０５を介して、印刷部（プリンタエンジン）１３０６に出力情報としての画像信号を出力する。
【０１２６】
また、このＲＯＭ１３０２内のプログラムＲＯＭには、ＣＰＵ１３０１の制御プログラム等が記憶され、ＲＯＭ１３０２内のフォント用ＲＯＭには、出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等が記憶され、ＲＯＭ１３０２内のデータ用ＲＯＭには、ハードディスク等の外部メモリ１３０３がないプリンタの場合、ホストコンピュータ１００上で利用される情報等が記憶されている。
【０１２７】
また、ＣＰＵ１３０１は、双方向のインタフェース１３１０，入力部１３０７を介してホストコンピュータ１００との通信処理が可能となっており、プリンタ１０７内の情報等をホストコンピュータ１００に通知できる。ＲＡＭ１３０８は、ＣＰＵ１３０１の主メモリや、ワークエリア等として機能するＲＡＭであり、図示しない増設ポートに接続されるオプションＲＡＭによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。
【０１２８】
なお、ＲＡＭ１３０８は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、ＮＶＲＡＭ等に用いられる。上述したハードディスク（ＨＤ）、ＩＣカード等の外部メモリ１３０３は、メモリコントローラ（ＭＣ）１３０９によりアクセスを制御される。
【０１２９】
外部メモリ１３０３は、オプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。また、操作パネル１３１１は操作のためのスイッチ及びＬＥＤ表示器等で構成されている。
【０１３０】
また、上述の外部メモリ１３０３は１個に限らず、複数個備えられ、内蔵フォントに加えてオプションカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されていても良い。更に、図示しないＮＶＲＡＭを有し、操作パネル（操作部）１３１１からのプリンタモード設定情報を記憶するようにしても良い。
【０１３１】
図１４は、本発明に係る文書処理装置で管理される印刷文書情報の構造を説明する図である。
【０１３２】
図１４に示すように、本実施形態における印刷指示文書の全体構造は、出力対象となるプリンタデバイス名Ｓ４０１、印刷対象となる印刷文書名Ｓ４０２、印刷文書の各頁をどのような配置、順序で印刷するかを記述する、ページ配置情報部Ｓ４０３、出力対象のプリンタへの指示を記述する、プリンタへの指示情報部Ｓ４０４とからなる。
【０１３３】
図１５は、図１４に示したページ配置情報部Ｓ４０３で示した印刷文書の各頁をどのような配置、順序で印刷するかを記述するページ配置情報部における、詳細設定の例を説明する図である。
【０１３４】
図１５において、ページレイアウトＳ５０１は、一枚の用紙に、何ページ分のデータを印字するかを示すもので、１ページ／枚、２ページ／枚、４ページ／枚、１６ページ／枚などがある。
【０１３５】
配置順Ｓ５０２は、複数ページのデータを一枚に印字する時の配置を示すもので、左から右向き、右から左向き、左から下向き、右から下向き等がある。
【０１３６】
スタンプＳ５０３は、用紙に透過イメージなどを描画するもので、マル秘、Ｃｏｎｆｉｄｅｎｔｉａｌなどのイメージがある。
【０１３７】
部数Ｓ５０４は、印刷部数を設定するものである。とじ方向Ｓ５０５は、印刷物をとじる方向を指定するもので、とじ代Ｓ５０６で指定した分の余白が印刷物に設定され、図１６に示す排紙方法Ｓ６０１と連動して、処理が行われることもある。
【０１３８】
図１６は、図１４に示した指示情報部Ｓ４０４の詳細設定例を説明する図である。
【０１３９】
図１６において、排紙方法Ｓ６０１は、排紙された用紙の処理を指定するもので、ステイプル、ソート、綴じ穴パンチなどがある。印刷方法Ｓ６０２は、片面印刷、両面印刷などを指定するものである。
【０１４０】
給紙方法Ｓ６０３は、用紙を給紙する部分を指定するもので、カセット１、カセット２、手差しトレイなどがある。解像度Ｓ６０４は、解像度を指定するもので、ファイン、ノーマルといった指定や、６００ｄｐｉ、３００ｄｐｉなど数字で示すものなどがある。
【０１４１】
図１７は、図１に示したプリンタ１０７に対して設定可能な指示情報の一例を示す図であり、システムが、実際にプリンタへ指示する時の指示情報を設定する構造例に対応する。
【０１４２】
なお、Ｗｉｎｄｏｗｓ（登録商標）システムにおいて、指示情報は、ＤＥＶＭＯＤＥと呼ばれるものである。
【０１４３】
ＤＥＶＭＯＤＥは、公開されている共通部分と、プリンタ毎に設定可能な拡張部分がある。本実施形態では、簡略化して、関係のある部分のみ抜き出してある。
【０１４４】
図１７において、デバイス名Ｓ７０１は、出力対象のプリンタ名が入っている。ＤＥＶＭＯＤＥサイズＳ７０２には、ＤＥＶＭＯＤＥの共通部分と拡張部分それぞれのサイズ、および合計のサイズが格納できる。
【０１４５】
用紙Ｓ７０３には、出力用紙のサイズが設定される。置方向Ｓ７０４には、用紙の送り方向（縦／横）が格納される。ドライババージョンＳ７０５は、ドライバのバージョンが入る。
【０１４６】
カラーモードＳ７０６は、カラープリンタの場合に、データをカラーで印刷するかモノクロで印刷するかを指定する部分である。ページレイアウトＳ７０７は、一枚の用紙に、何ページ分のデータを印字するかを示すもので、１ページ／枚、２ページ／枚、４ページ／枚、１６ページ／枚などがある。
【０１４７】
配置順Ｓ７０８は、複数ページのデータを一枚に印字する時の配置を示すもので、左から右向き、右から左向き、左から下向き、右から下向き、などがある。スタンプＳ７０９は、用紙にイメージなどを描画するもので、マル秘、Ｃｏｎｆｉｄｅｎｔｉａｌなどのイメージがある。
【０１４８】
部数Ｓ７１０は、印刷部数を設定するものである。とじ方向Ｓ７１１は、印刷物をとじる方向を指定する物で、とじ代Ｓ７１２で指定した分の余白が印刷物に設定される。時として、排紙方法Ｓ７１３と連動して、処理が行われることもある。
【０１４９】
排紙方法Ｓ７１３は、排紙された用紙の処理を指定するもので、ステープル、ソートなどがある。処理を行う位置については、とじ方向Ｓ７１１と連動する場合もある。印刷方法Ｓ７１４は、片面印刷、両面印刷などを指定するものである。
【０１５０】
給紙方法Ｓ７１５は、用紙を給紙する部分を指定するもので、カセット１、カセット２、手差しトレイなどがある。解像度Ｓ７１６は、解像度を指定するもので、ファイン、ノーマルといった指定や、６００ｄｐｉ、３００ｄｐｉなど数字で示すものなどがある。
【０１５１】
本実施形態のシステムでは、対象となる印刷文書名Ｓ４０２のデータに対するページ配置情報部Ｓ４０３と、プリンタへの指示情報部Ｓ４０４をまとめて、図５に示すＤＥＶＭＯＤＥを作成し、そのＤＥＶＭＯＤＥをデバイスに設定した後、文書データを送出することにより、印刷を行う。
【０１５２】
図１８は、本発明に係る文書処理装置における第４のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、図２に示したＣＰＵ２０１がＲＡＭ２０２にロードして実行する印刷制御プログラムに基づいて、上記印刷指示文書で設定されている内容をプリフライトチェック（いわゆる単一のページをテストプリントする処理とは異なる）するために、例えば複数のアプリケーションで作成されたページを統合して１つの物理ページが作成されており、かつ、その物理ページに対して設定された印刷設定中で必要な項目の設定を無効化あるいはデータ処理負担が軽い処理内容に変更して、簡易にページ出力させるための処理手順に対応する。なお、Ｓ２００〜Ｓ２１９は各ステップを示す。
【０１５３】
まず、ステップＳ２００で、図１９に示すユーザインタフェース画面で、プリフライトチェックが指示されているかどうかを判断する。
【０１５４】
図１９は、図９に示した製本アプリケーションのユーザインタフェース上で、メニュー操作により開かれる印刷設定時のダイアログ画面を示す図である。
【０１５５】
この画面のチェックボックスをユーザがチェックすることにより、プリフライトチェックを行うことを指示することができる。このステップ２００の判断の結果、ＹＥＳならばステップＳ２０１へ進み、ＮＯならば、製本アプリケーション１０４がジョブチケットで設定された内容で通常の印刷処理を行い（Ｓ２１９）、処理を終了する。
【０１５６】
そして、ステップＳ２０１で、ユーザの指示により、システムが印刷文書と、印刷指示文書の両方を受け取る。印刷指示文書（ジョブチケット）は、印刷対象となる印刷文書に付随し、対象の印刷文書をどのように印刷すべきかの情報が記述された電子文書である。印刷文書と印刷指示文書は、場合により統合されて１つの文書ファイルとなっている場合でも同様に、処理が可能である。
【０１５７】
次に、ステップＳ２０２で、印刷指示文書をオープンする。そして、ステップＳ２０３で、印刷指示文書に記述されたページ配置情報とプリンタ１０７への指示情報を読み込み、順次処理を行う。
【０１５８】
ここで、まず、「ページレイアウト」が「１ページ／枚」に指定されているかどうかをチェックし（Ｓ２０４）、ＹＥＳならば、使用する用紙を減らすべく、「２ページ／枚」に変更する（Ｓ２０５）とともに、「配置順」を「左上から右下」に設定して（Ｓ２０６）、ステップＳ２０７へ進む。
【０１５９】
次に、「スタンプ」の設定有無をチェックし（Ｓ２０７）、設定されていると判断した場合には、出力処理を簡易とすべく「設定なし」に変更して（Ｓ２０８）、ステップＳ２０９へ進む。
【０１６０】
次に、「部数」の指定有無をチェックし（Ｓ２０９）、「１」より大きい場合には、出力処理を簡易とすべく「１」に変更して（Ｓ２１０）、ステップＳ２１１へ進む。
【０１６１】
次に、「排紙方法」の指定有無をチェックし（Ｓ２１１）、「排紙方法」に対する設定があると判断した場合には、出力処理を簡易とすべく「設定なし」に変更して（Ｓ２１２）、ステップＳ２１３へ進む。
【０１６２】
次に、「印刷方法」の指定有無をチェックし（Ｓ２１３）、「片面印刷」になっていると判断した場合には、使用する用紙枚数を減らすべく、「両面印刷」に変更して（Ｓ２１４）、ステップＳ２１５へ進む。
【０１６３】
次に、「給紙方法」の指定有無をチェックし（Ｓ２１５）、指定があると判断した場合には、出力処理を簡易とすべく「自動」に変更して（Ｓ２１６）、ステップＳ２１７へ進む。
【０１６４】
そして、以上の変更を反映させた第２の印刷指示文書（簡易なジョブチケット）を保存する（Ｓ２１７）。
【０１６５】
次に、作成された第２の印刷指示文書に基づいて、ＤＥＶＭＯＤＥを作成して（Ｓ２１８）、処理を終了する。
【０１６６】
なお、上記第２の印刷指示文書は、ファイルの形式としては、第１の印刷指示文書とは別のファイルとしておいて、当該印刷文書に付随させてもよいし、図２０に示すように、印刷指示文書の中に、第２の印刷指示として含めてもよい。
【０１６７】
図２０は、本発明に係る文書処理装置において作成される第２の印刷指示文書の構造を説明する図である。
【０１６８】
図２０において、本実施形態における第２の印刷指示文書の全体構造は、出力対象となるプリンタデバイス名Ｓ９０１、印刷対象となる印刷文書名Ｓ９０２、印刷文書の各頁をどのような配置、順序で印刷するかを記述する、ページ配置情報部Ｓ９０３、出力対象のプリンタへの指示を記述する、プリンタへの指示情報部Ｓ９０４と、第２ページ配置情報部Ｓ９０５と、第２プリンタへの指示情報部Ｓ９０６からなる。なお、Ｓ９０１〜Ｓ９０４は、図１４に示したＳ４０１〜Ｓ４０４と同一で、Ｓ９０５とＳ９０６が上記のフローで新しく作られた印刷指示文書である。
【０１６９】
図２１は、本発明に係る文書処理装置における第５のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、上記図１８に示したステップＳ２１８で作成された第２の指示文書をもとに印刷を行う場合の印刷処理手順に対応する。なお、Ｓ３０１〜Ｓ３０８は各ステップを示す。
【０１７０】
まず、第２の指示文書のページ配置情報とプリンタへの指示情報から、すべての情報を元に、デバイスへの指示情報として、ＤＥＶＭＯＤＥを作成する（Ｓ３０１）。
【０１７１】
なお、図１５と図１６の印刷指示情報を元にしたＤＥＶＭＯＤＥが図５に示すものであり、上記フローから自動で作成した第２の印刷指示情報を元に作成したＤＥＶＭＯＤＥが図２２に示すものである。
【０１７２】
図２２は、図２１に示した処理で生成される第２の印刷指示情報を元に作成したＤＥＶＭＯＤＥの一例を示す図である。
【０１７３】
次に、作成したＤＥＶＭＯＤＥを、ＧＤＩ関数のＣｒｅａｔｅＤＣをＣａｌｌすることにより、ドライバに伝える（Ｓ３０２）。
【０１７４】
その後、データの送出の始まりをドライバへ伝え（ＧＤＩ関数のＳｔａｒｔＤｏｃをＣａｌｌ）る（Ｓ３０３）。そして、各頁のデータの送出の始まりをドライバへ伝え（ＳｔａｒｔＰａｇｅをＣａｌｌ）る（Ｓ３０４）。
【０１７５】
次に、各頁の描画（ＧＤＩ関数をＣａｌｌ）を行う（Ｓ３０５）。そして、各頁のデータの送出の終わりをドライバへ伝え（ＥｎｄＰａｇｅをＣａｌｌ）る（Ｓ３０６）。
【０１７６】
次に、頁が終わりかどうかを確認し（Ｓ３０７）、終わりではないと判断した場合は、ステップＳ３０４からステップＳ３０６を頁数分繰り返す。
【０１７７】
一方、ステップＳ３０７で、頁が終わりであると判断した場合は、データの送出の終わりをドライバへ伝え（ＥｎｄＤｏｃをＣａｌｌ）て（Ｓ３０８）、処理を終了する。これにより、印刷処理が行われる。
【０１７８】
〔第２実施形態〕
図２３，図２４は、本発明に係る文書処理装置で管理される印刷指示文書の一例を示す図であり、ページ配置情報を元にアプリケーションがデバイスに送出するデータの配置情報に対応する。なお、図２４は、図２３に示した印刷指示文書を書き換えたものである。
【０１７９】
図２３において、印刷用紙の一頁分の配置情報は以下のものからなっている。
【０１８０】
すなわち、用紙の識別番号Ｓ１００５、用紙の大きさと向きＳ１００６、表と裏の識別Ｓ１００７、それぞれの面に印字するデータの頁番号Ｓ１００８、文書データの拡縮率Ｓ１００９、データを印字する位置Ｓ１０１０からなる。
【０１８１】
引き続き、配置情報の内容の説明を行う。
【０１８２】
データＳ１００１では、Ａ４縦の用紙１の表の面に、文書頁の１頁目を等倍で、全体にそのまま配置することを意味する。また、データＳ１００２〜Ｓ１００４も同様である。通常の場合は、図２３に示すような状態になっている。
【０１８３】
図２５は、図２４に示した印刷指示情報に基づいて作成されるＤＥＶＭＯＤＥの一例を示す図である。
【０１８４】
図２６，図２７は、本発明に係る文書処理装置における第６のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、アプリケーションで処理可能な部分についてはアプリケーションで変更を行い、デバイスへのＤＥＶＭＯＤＥでの指示の変更は極力行わないようにする場合のデータ処理手順に対応する。なお、Ｓ１３０１〜Ｓ１３２４は各ステップを示す。
【０１８５】
なお、本処理の利点は、アプリケーション側で可能な処理を行うことにより、デバイスが変わった場合でもできる限り同じ出力にすることが可能となる点である。
【０１８６】
また、ステップＳ１３１７〜Ｓ１３２４については、図２１に示したステップＳ３０２〜Ｓ３０８と同様であるので説明は省略する。
【０１８７】
まず、アプリケーションで第２のページ配置情報を読み込む（Ｓ１３０１）。そして、ページレイアウトと印刷方法を読み込み、レイアウトが２ページ／枚であるかどうかチェックし（Ｓ１３０２）、２ページ／枚となっていると判断した場合は、用紙の大きさと向きをＡ４横置きとする（Ｓ１３０３）。図２４の例では、用紙の大きさと向きＳ１１０６を「Ａ４横置き」とすることに対応する。
【０１８８】
この後、各頁の処理を示すパラメータｉを「１」として、ステップＳ１３０４〜Ｓ１３１５を順に行う。
【０１８９】
一枚目Ｓ１１０１に対して、文書データの拡縮率Ｓ１１０９を設定し（Ｓ１３０５）、ステップＳ１３０６で、現在のページの処理を示すパラメータｉが１〜４のいずれであるかを判別（ｉ％４＝？）して、それぞれ分岐する。
【０１９０】
例えば、パラメータｉが「１」であれば、用紙Ｓ１１０５の面を表面に設定し（Ｓ１３０７）、左側Ｓ１１１０に配置する（Ｓ１３０８）。
【０１９１】
次のページＳ１１０２を読み込み、パラメータｉが「２」であれば、文書データの拡縮率Ｓ１１０９を設定し（１３０５）、用紙Ｓ１１０５の面を表面に設定し（Ｓ１３０９）、右側Ｓ１１１０に配置する（Ｓ１３１０）。
【０１９２】
次のページＳ１１０３を読み込み、文書データの拡縮率Ｓ１１０９を設定し（Ｓ１３０５）、パラメータｉが「３」であれば、用紙Ｓ１１０５の面を裏面に設定し（Ｓ１３１１）、左側Ｓ１１１０に配置する（Ｓ１３１２）。
【０１９３】
次のページＳ１１０４を読み込み、パラメータｉが「４」であれば、文書データの拡縮率Ｓ１１０９を設定し（１３０５）、用紙Ｓ１１０５の面を裏面に設定し（Ｓ１３１３）、右側Ｓ１１１０に配置する（Ｓ１３１４）。以上を繰り返し（Ｓ１３１５）、図２４の配置が完成する。
【０１９４】
ページ配置情報とプリンタへの指示情報からＤＥＶＭＯＤＥを作成する場合には、ページ配置を決定したため、ページレイアウトＳ１２０７の指示は「１ページ／枚」とし、配置順Ｓ１２０８は「設定なし」とし、その他の情報をＤＥＶＭＯＤＥに反映（図２５参照）させる（Ｓ１３１６）。
【０１９５】
そして、作成したＤＥＶＭＯＤＥを、ＧＤＩ関数のＣｒｅａｔｅＤＣをＣａｌｌすることにより、ドライバに伝える（Ｓ１３１７）。
【０１９６】
その後、データの送出の始まり（ＧＤＩ関数のＳｔａｒｔＤｏｃをＣａｌｌ）をドライバへ伝える（Ｓ１３１８）。各頁のデータの送出の始まり（ＳｔａｒｔＰａｇｅをＣａｌｌ）をドライバへ伝える（Ｓ１３１９）。
【０１９７】
そして、各頁の描画（ＧＤＩ関数をＣａｌｌ）を行う（Ｓ１３２０）。そして、次の文書頁の配置面Ｓ１１０７を読み込み、現在の頁と同じかどうかを判断して（Ｓ１３２１）、同じであると判断した場合には、引き続き次の頁の描画を行う（Ｓ１３２０）。
【０１９８】
一方、ステップＳ１３２１で、配置面が異なると判断した場合には、データの送出の終わり（ＥｎｄＰａｇｅをＣａｌｌ）をドライバへ伝える（Ｓ１３２２）。
【０１９９】
次に、頁が終わりかどうかを確認し（Ｓ１３２３）、終わりではないと判断した場合は、ステップＳ１３２０〜Ｓ１３２２を繰り返す。
【０２００】
一方、ステップＳ１３２３で、頁が終わりであると判断した場合は、データの送出の終わり（ＥｎｄＤｏｃをＣａｌｌ）をドライバへ伝える（Ｓ１３２４）。これにより、印刷が行われる。
【０２０１】
上記実施形態によれば、最終印刷物を出力する工程の前で印字内容をチェックする際に、印刷指示文書に記述された印刷指示のうち、印字の内容には無関係な指示に対し、自動的に、無効にする、または、簡易的な指示に置き換えることにより、簡易的に印刷内容の確認を行うことが可能となる。
【０２０２】
以下、図２８に示すメモリマップを参照して本発明に係る文書処理装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【０２０３】
図２８は、本発明に係る文書処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【０２０４】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報，作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のＯＳ等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【０２０５】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【０２０６】
本実施形態における図１８，図２１，図２６，図２７に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、ＣＤ−ＲＯＭやフラッシュメモリやＦＤ等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【０２０７】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ（またはＣＰＵやＭＰＵ）が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【０２０８】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【０２０９】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、ＯＳに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【０２１０】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ＭＯ、ＣＤ−ＲＯＭ、ＣＤ−Ｒ、ＣＤ−ＲＷ、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ＲＯＭ、ＤＶＤなどを用いることができる。
【０２１１】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【０２１２】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるＷＷＷサーバやｆｔｐサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【０２１３】
また、本発明のプログラムを暗号化してＣＤ−ＲＯＭ等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【０２１４】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているＯＳ（オペレーティングシステム）等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【０２１５】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるＣＰＵ等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【０２１６】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形（各実施形態の有機的な組合せを含む）が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【０２１７】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではなく、以下の実施態様も含まれることはいうまでもない。以下、その実施態様１〜１２について説明する。
【０２１８】
〔実施態様１〕
印刷アプリケーションから出力される出力情報を製本アプリケーションを介してブック，章，ページを含む階層的な印刷属性部と文書データ部とから構成される電子文書を編集処理可能な文書処理装置であって、前記電子文書に対してプリフライトチェックが指示されているかどうかを判断する判断手段（図１８に示すステップＳ２００）と、前記判断手段によりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、設定されている前記印刷属性部の設定内容を簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成する変更手段（図１８に示すステップＳ２０４〜Ｓ２１７）と、前記変更手段により作成された前記プリフライト用の印刷属性部と前記文書データから選択された印刷装置に出力すべき印刷制御情報を生成する制御手段（図１８に示すステップＳ２１９）とを備えたことを特徴とする文書処理装置。
【０２１９】
〔実施態様２〕
前記変更手段は、前記判断手段によりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、少なくとも設定されている前記印刷属性部中の合紙設定を合紙設定無し状態に変更したプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする実施態様１記載の文書処理装置。
【０２２０】
〔実施態様３〕
前記変更手段は、前記判断手段によりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、少なくとも設定されている前記印刷属性部中の特定の用紙タイプの設定を汎用の用紙タイプに変更したプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする実施態様１記載の文書処理装置。
【０２２１】
〔実施態様４〕
前記変更手段は、設定されている前記印刷属性部の設定内容をユーザ毎に異なる条件で簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする実施態様１記載の文書処理装置。
【０２２２】
〔実施態様５〕
前記製本アプリケーションによって設定されている前記印刷属性部の設定内容中で変更してもよい項目をユーザ毎に指定可能とすることを特徴とする実施態様１記載の文書処理装置。
【０２２３】
〔実施態様６〕
印刷アプリケーションから出力される出力情報を製本アプリケーションを介してブック，章，ページを含む階層的な印刷属性部と文書データ部とから構成される電子文書を編集処理可能な文書処理装置における印刷制御方法であって、前記電子文書に対してプリフライトチェックが指示されているかどうかを判断する判断ステップ（図１８に示すステップＳ２００）と、前記判断ステップによりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、設定されている前記印刷属性部の設定内容を簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成する変更ステップ（図１８に示すステップＳ２０４〜Ｓ２１７）と、前記変更ステップにより作成された前記プリフライト用の印刷属性部と前記文書データから選択された印刷装置に出力すべき印刷制御情報を生成する制御ステップ（図１８に示すステップＳ２１９）とを備えたことを特徴とする印刷制御方法。
【０２２４】
〔実施態様７〕
前記変更ステップは、前記判断ステップによりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、少なくとも設定されている前記印刷属性部中の合紙設定を合紙設定無し状態に変更したプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする実施態様６記載の印刷制御方法。
【０２２５】
〔実施態様８〕
前記変更ステップは、前記判断ステップによりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、少なくとも設定されている前記印刷属性部中の特定の用紙タイプの設定を汎用の用紙タイプに変更したプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする実施態様６記載の印刷制御方法。
【０２２６】
〔実施態様９〕
前記変更ステップは、設定されている前記印刷属性部の設定内容をユーザ毎に異なる条件で簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする実施態様６記載の印刷制御方法。
【０２２７】
〔実施態様１０〕
前記製本アプリケーションによって設定されている前記印刷属性部の設定内容中で変更してもよい項目をユーザ毎に指定可能とすることを特徴とする実施態様６記載の印刷制御方法。
【０２２８】
〔実施態様１１〕
実施態様６〜１０のいずれかに記載の印刷制御方法を実現するプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【０２２９】
〔実施態様１２〕
実施態様６〜１０のいずれかに記載の印刷制御方法を実現することを特徴とするプログラム。
【０２３０】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、製本アプリケーションから生成される電子原稿が印刷可能かどうかをチェックするプリフライトチェックの際に、製本アプリケーションが設定している印刷指示に基づき、原稿の印刷そのものにかかわる部分以外の印刷指示を、システムが変更して自動簡略化するので、指定された印刷指示でチェック印刷したならば、必要とされるコストを低減するとともに、短時間でプリチェック処理を効率よく完了できる利便性に優れた文書処理環境を自在に整備できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施形態を示す文書処理装置を適用可能な文書処理システムにおけるソフトウェアの構成を説明するブロック図である。
【図２】図１に示したコンピュータのハードウェアを説明するブロック図である。
【図３】図１に示したホストコンピュータの電子原稿ファイルの構造を説明する図である。
【図４】図３に示したブック属性リストの一例を説明する図である。
【図５】図３に示した章属性リストの一例を示す図である。
【図６】図３に示したページ属性リストの一例を示す図である。
【図７】本発明に係る文書処理装置における第１のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図８】図２に示したＣＲＴ上に表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図である。
【図９】図２に示したＣＲＴ上に表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図である。
【図１０】本発明に係る文書処理装置における第２のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図１１】本発明に係る文書処理装置における第３のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図１２】本発明の第１実施形態を示す文書処理装置を適用可能な文書処理システムにおけるソフトウェアの構成を説明するブロック図である。
【図１３】本発明に係る文書処理装置を適用可能な文書処理システムの一例を示すブロック図である。
【図１４】本発明に係る文書処理装置で管理される印刷文書情報の構造を説明する図である。
【図１５】図１４に示したページ配置情報部で示した印刷文書の各頁をどのような配置、順序で印刷するかを記述するページ配置情報部における、詳細設定の例を説明する図である。
【図１６】図１４に示した指示情報部の詳細設定例を説明する図である。
【図１７】図１に示したプリンタに対して設定可能な指示情報の一例を示す図である。
【図１８】本発明に係る文書処理装置における第４のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図１９】図９に示した製本アプリケーションのユーザインタフェース上で、メニュー操作により開かれる印刷設定時のダイアログ画面を示す図である。
【図２０】本発明に係る文書処理装置において作成される第２の印刷指示文書の構造を説明する図である。
【図２１】本発明に係る文書処理装置における第５のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図２２】図２１に示した処理で生成される第２の印刷指示情報を元に作成したＤＥＶＭＯＤＥの一例を示す図である。
【図２３】本発明に係る文書処理装置で管理される印刷指示文書の一例を示す図である。
【図２４】本発明に係る文書処理装置で管理される印刷指示文書の一例を示す図である。
【図２５】図２４に示した印刷指示情報に基づいて作成されるＤＥＶＭＯＤＥの一例を示す図である。
【図２６】本発明に係る文書処理装置における第６のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図２７】本発明に係る文書処理装置における第６のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図２８】本発明に係る文書処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
１００ ホストコンピュータ
１０１ アプリケーション
１０２ 電子原稿ライタ
１０３ 電子原稿ファイル
１０４ 製本アプリケーション
１０５ 電子原稿デスプーラ
１０６ プリンタドライバ
１０７ プリンタ
Claims (12)
- 印刷アプリケーションから出力される出力情報を製本アプリケーションを介してブック，章，ページを含む階層的な印刷属性部と文書データ部とから構成される電子文書を編集処理可能な文書処理装置であって、
前記電子文書に対してプリフライトチェックが指示されているかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段によりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、設定されている前記印刷属性部の設定内容を簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成する変更手段と、
前記変更手段により作成された前記プリフライト用の印刷属性部と前記文書データから選択された印刷装置に出力すべき印刷制御情報を生成する制御手段と、を備えたことを特徴とする文書処理装置。 - 前記変更手段は、前記判断手段によりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、少なくとも設定されている前記印刷属性部中の合紙設定を合紙設定無し状態に変更したプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする請求項１記載の文書処理装置。
- 前記変更手段は、前記判断手段によりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、少なくとも設定されている前記印刷属性部中の特定の用紙タイプの設定を汎用の用紙タイプに変更したプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする請求項１記載の文書処理装置。
- 前記変更手段は、設定されている前記印刷属性部の設定内容をユーザ毎に異なる条件で簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする請求項１記載の文書処理装置。
- 前記製本アプリケーションによって設定されている前記印刷属性部の設定内容中で変更してもよい項目をユーザ毎に指定可能とすることを特徴とする請求項１記載の文書処理装置。
- 印刷アプリケーションから出力される出力情報を製本アプリケーションを介してブック，章，ページを含む階層的な印刷属性部と文書データ部とから構成される電子文書を編集処理可能な文書処理装置における印刷制御方法であって、
前記電子文書に対してプリフライトチェックが指示されているかどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップによりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、設定されている前記印刷属性部の設定内容を簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成する変更ステップと、
前記変更ステップにより作成された前記プリフライト用の印刷属性部と前記文書データから選択された印刷装置に出力すべき印刷制御情報を生成する制御ステップと、
を備えたことを特徴とする印刷制御方法。 - 前記変更ステップは、前記判断ステップによりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、少なくとも設定されている前記印刷属性部中の合紙設定を合紙設定無し状態に変更したプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする請求項６記載の印刷制御方法。
- 前記変更ステップは、前記判断ステップによりプリフライトチェックが指示されていると判断された場合に、少なくとも設定されている前記印刷属性部中の特定の用紙タイプの設定を汎用の用紙タイプに変更したプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする請求項６記載の印刷制御方法。
- 前記変更ステップは、設定されている前記印刷属性部の設定内容をユーザ毎に異なる条件で簡易に変更してプリフライト用の印刷属性部を作成することを特徴とする請求項６記載の印刷制御方法。
- 前記製本アプリケーションによって設定されている前記印刷属性部の設定内容中で変更してもよい項目をユーザ毎に指定可能とすることを特徴とする請求項６記載の印刷制御方法。
- 請求項６〜１０のいずれかに記載の印刷制御方を実現するプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
- 請求項６〜１０のいずれかに記載の印刷制御方を実現することを特徴とするプログラム。
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