JP2005070109A - 防水構造を具えた電気機器 - Google Patents

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Koichi Shirata
浩一 白田
Shigeji Hirai
成志 平井
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Abstract

【課題】防水部材の取付け作業性を良くし、且つ防水効果を高める。
【解決手段】デジタルカメラは、キャビネット1に開設された開口12に操作釦2を嵌め、キャビネット1の内側には、開口12と操作釦2の隙間から水分がキャビネット1に侵入することを防ぐ防水部材3が設けられている。キャビネット1内には、防水部材3をキャビネット1の内面に押圧する押さえ部材4が設けられている。キャビネット1は、前キャビネット半体10と後キャビネット半体11を合わせて構成され、両キャビネット半体10、11の少なくとも一方には、押さえ部材4を保持して、防水部材3がキャビネット1に押圧した状態を維持する嵌合凹部13を設けている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防水構造を具えた電気機器、具体的にはデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の防水構造を具えたデジタルカメラの背面図であり、図6は、図5をA−A線を含む面にて破断した断面図である(例えば、特許文献1参照)。
キャビネット(1)の背面には、複数の操作釦(2)(2)及び液晶パネル(75)が、周知の如く設けられている。キャビネット(1)の側面には蓋体(6)が枢支(60)されており、蓋体(6)を開いて、キャビネット(1)内にメモリカード(7)を挿入できる。
図6に示すように、操作釦(2)(2)はキャビネット(1)に開設された開口(12)に押圧操作可能に嵌まり、キャビネット(1)の内側には操作釦(2)(2)に対向して、メモリカード(7)が挿入されるカード収納箱(70)が配備されている。カード収納箱(70)の操作釦(2)側には、ゴム等から構成される防水部材(3)が設けられ、該防水部材(3)の周縁部に形成された突起(31)がキャビネット(1)の内面に形成された凹部(18)に嵌まる。これにより、キャビネット(1)の外部から進入した水分が、キャビネット(1)内に落下し、内部の回路部品をショートさせることを防いでいる。防水部材(3)に開設された孔(35)内に、操作釦(2)によって押されるスイッチ(SW)が配備される。
突起(31)を凹部(18)に嵌めただけでは防水効果として弱い。そこで、キャビネット(1)の内面に接着剤を塗布し、防水部材(3)をキャビネット(1)の内面に隙間無く取り付けるのが一般的である。この場合、接着剤が防水部材(3)からはみ出て、キャビネット(1)の内面に亘ってこぼれ出るのを防ぐために、図7に示すように、キャビネット(1)の内面にて防水部材(3)の外側に、壁片(19)を設けたものがある。壁片(19)を防水部材(3)に接近して設けることにより、防水部材(3)の位置決めをすることもできる。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−132757号公報(図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
接着剤は、キャビネット(1)の内側から塗布される。しかし、この場合、塗布する部位によっては、作業者から見にくい又は塗布されたか否かが確認しにくい場合がある。また、接着作業は時間が掛かる上に、ムラなく塗布するには熟練を要する。この結果、キャビネット(1)の製造工程に於いて、多大なる手間を要していた。
また、キャビネット(1)は一般に合成樹脂を金型内に射出し離型して形成されるが、キャビネット(1)には他の部品、例えばストロボを取り付ける為の孔が形成されるのが一般的である。従って、孔の位置によっては、金型にて壁片(19)を形成するのが困難な場合があり、壁片(19)を設けないのが好ましい場合もある。
また、従来の構成は、JIS防水保護等級4級と呼ばれ、キャビネット(1)に降りかかる滴からキャビネット(1)を保護するものであった。出願人は更にJIS防水保護等級5級以上の、具体的にはキャビネット(1)を水洗いしても、キャビネット(1)内に水が侵入しない防水効果を高めた構成を着想した。
本発明の目的は、防水部材の取付け作業性を良くし、且つ防水効果を高めることにある。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
キャビネット(1)内には、防水部材(3)をキャビネット(1)の内面に押圧する押さえ部材(4)が嵌められている。
また、キャビネット(1)は、前キャビネット半体(10)と後キャビネット半体(11)を合わせて構成され、両キャビネット半体(10)(11)の少なくとも一方には、押さえ部材(4)を保持して、防水部材(3)がキャビネット(1)に押圧した状態を維持する嵌合凹部(13)又は嵌合凸部(14)を設けている。
【0006】
【作用及び効果】
1.防水部材(3)は押さえ部材(4)によって、キャビネット(1)の内面に押圧される。防水部材(3)をキャビネット(1)に取り付けるのに、接着剤は要しない。これにより、従来に比して防水部材(3)の取付け作業性を良くし、且つ防水効果を高めることができる。
2.前キャビネット半体(10)と後キャビネット半体(11)の少なくとも一方には、嵌合凹部(13)又は嵌合凸部(14)が設けられている。キャビネット(1)の組立時には、防水部材(3)を何れかのキャビネット半体(10)に当て、押さえ部材(4)を嵌合凹部(13)又は嵌合凸部(14)に嵌める。防水部材(3)は押さえ部材(4)によりキャビネット半体(10)に押し付けられて、防水構造が構成される。この状態で、該キャビネット半体(10)内に他の回路部品を挿入する。次に、該キャビネット半体(10)に他のキャビネット半体(11)を合わせる。即ち、防水構造を維持した状態で、他の部品を組み立てることができ、この点でも作業性がよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一例を図を用いて詳述する。
図1は、キャビネット(1)を後ろから見た斜視図である。キャビネット(1)は、前キャビネット半体(10)と後キャビネット半体(11)を合わせて構成され、前キャビネット(1)の天面にシャッタ操作用と電源ON/OFF切換え用の2つの操作釦(2)(20)が設けられている。
図2は、前キャビネット半体(10)の分解斜視図である。前キャビネット半体(10)の天面には、両操作釦(2)(20)が内側から嵌まる開口(12)(12)が開設されており、両操作釦(2)(20)は防水部材(3)上に取り付けられている。防水部材(3)は、絶縁性のシリコンゴムから形成された矩形状の板材であり、周縁部にリブ(30)を上向きに突出している。防水部材(3)は、金属板を折曲して形成された押さえ部材(4)上に載置される。
押さえ部材(4)は、両操作釦(2)(20)に対応して透孔(42)(42)を開設した載置板(40)と、該載置板(40)から一段盛り上がった嵌め板(41)(41)を一体に形成して構成され、該嵌め板(41)が後記の如く、キャビネット(1)の嵌合凹部(13)に嵌まる。
押さえ部材(4)の下方には、基板(5)が配備され、該基板(5)上に操作釦(2)(20)に対応したスイッチ(SW1)(SW2)が設けられている。
【0008】
図3は、図1をB−B線を含む面にて破断した断面図である。防水部材(3)のリブ(30)は、先端部に突起(31)(31)を2つ並べており、中央部に押圧片(32)を下向きに突出している。尚、突起(31)は2つに限定されない。押さえ部材(4)によって防水部材(3)が前キャビネット半体(10)の天面裏側に押しつけられたときに、突起(31)が撓み変形して、前キャビネット半体(10)の天面裏側に密接する。これにより、開口(12)と操作釦(2)の隙間から進入した水分が、更にキャビネット(1)の内側に進入することは防止される。
防水部材(3)の押圧片(32)は、押さえ部材(4)の透孔(42)を通って、前記スイッチ(SW1)に対向する。
前キャビネット半体(10)及び後キャビネット半体(11)の上端部には、前記押さえ部材(4)の嵌め板(41)が挿入される嵌合凹部(13)が開設されている。図3では、嵌合凹部(13)と嵌め板(41)との間に、上下に隙間が空いているが、実際は嵌め板(41)は嵌合凹部(13)に軽摩擦を持って嵌まる。従って、嵌め板(41)が嵌合凹部(13)に嵌まった状態で、押さえ部材(4)は前キャビネット半体(10)に支持され、押さえ部材(4)は防水部材(3)を前キャビネット半体(10)の天面裏側に押圧する。
【0009】
(キャビネットの組立)
キャビネット(1)を組み立てるには、以下の手順で行う。
先ず、操作釦(2)を取り付けた防水部材(3)を前キャビネット半体(10)の内側に配備し、前キャビネット半体(10)の開口(12)に操作釦(2)を嵌める。次に、押さえ部材(4)の一方の嵌め板(41)を嵌合凹部(13)に嵌める。前記の如く、押さえ部材(4)は防水部材(3)の突起(31)(31)を前キャビネット半体(10)の天面裏側に押圧するから、この状態で操作釦(2)と開口(12)の隙間から進入した水分が、更にキャビネット(1)の内側に進入することは防止される。
この後に、スイッチ(SW1)を設けた基板(5)を前キャビネット半体(10)に取り付ける。他の回路部品、例えば電源回路等を前キャビネット半体(10)内に挿入した後に、前キャビネット半体(10)に後キャビネット半体(11)を合わせて、押さえ部材(4)の他方の嵌め板(41)を後キャビネット半体(11)の嵌合凹部(13)に嵌める。両キャビネット半体(10)(11)を接合して、キャビネット(1)が組み立てられる。
【0010】
上記図3では、前キャビネット半体(10)に回路部品を挿入するとしたが、後キャビネット半体(11)に回路部品を挿入してもよい。
また、図4に示すように、前キャビネット半体(10)又は後キャビネット半体(11)に嵌合凸部(14)を設けるとともに、押さえ部材(4)に嵌合凹部(13)を形成し、嵌合凸部(14)を嵌合凹部(13)に嵌めてもよい。図4に示す押さえ部材(4)は、モールド品(成形品)によって形成してもよい。
【0011】
(本例の効果)
1.上記例では、防水部材(3)が絶縁性であるから、操作釦(2)と開口(12)の隙間から電気ノイズがキャビネット(1)内に侵入することは防止される。
2.防水部材(3)は押さえ部材(4)によって、キャビネット(1)の内面に押圧される。防水部材(3)をキャビネット(1)に取り付けるのに、接着剤は要しない。これにより、従来に比して防水部材(3)の取付け作業性を良くし、且つ防水効果を高めることができる。具体的にはJIS防水保護等級5級以上の防水効果を達成でき、水気の多い場所、例えばスキー場での使用に適している。
3.前キャビネット半体(10)には、嵌合凹部(13)が設けられ、キャビネット(1)の組立時には、防水部材(3)を前キャビネット半体(10)に当て、押さえ部材(4)を嵌合凹部(13)に嵌める。防水部材(3)は前キャビネット半体(10)に押し付けられて、防水構造が構成される。この状態で、該前キャビネット半体(10)内に他の回路部品を挿入する。次に、該前キャビネット半体(10)に後キャビネット半体(11)を合わせる。即ち、防水構造を維持した状態で、他の部品を組み立てることができ、この点でも作業性がよい。
4.本例にあっては、金属板から構成される押さえ部材(4)にて、防水効果を高めることができ、部品点数が増加すること、及びコスト上昇を抑えることができる。また、押さえ部材(4)が金属板から構成されるから、押さえ部材(4)を配備するのに要する空間を小さくできる。
【0012】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、電気機器はデジタルカメラを例示したが、防水機能を有する電気機器であれば、電気カミソリ等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャビネットを後ろから見た斜視図である。
【図2】前キャビネット半体の分解斜視図である。
【図3】図1をB−B線を含む面にて破断した断面図である。
【図4】他の実施例に於いて、図1をB−B線を含む面にて破断した断面図である。
【図5】従来の防水構造を具えたデジタルカメラの背面図である。
【図6】図5をA−A線を含む面にて破断した断面図である。
【図7】別の従来例に於いて、図5をA−A線を含む面にて破断した断面図である。
【符号の説明】
(1) キャビネット
(2) 操作釦
(3) 防水部材
(4) 押さえ部材
(10) 前キャビネット半体
(11) 後キャビネット半体
(12) 開口

Claims (4)

  1. キャビネット(1)に開設された開口(12)に操作釦(2)を嵌め、キャビネット(1)の内側には、開口(12)と操作釦(2)の隙間から進入した水分がキャビネット(1)内に落下することを防ぐ防水部材(3)が設けられた電気機器に於いて、
    キャビネット(1)内には、防水部材(3)をキャビネット(1)の内面に押圧する押さえ部材(4)が嵌められたことを特徴とする電気機器。
  2. キャビネット(1)は、前キャビネット半体(10)と後キャビネット半体(11)を合わせて構成され、両キャビネット半体(10)(11)の少なくとも一方には、押さえ部材(4)を保持して、防水部材(3)がキャビネット(1)に押圧した状態を維持する嵌合凹部(13)又は嵌合凸部(14)を設けた請求項1に記載の電気機器。
  3. 防水部材(3)は絶縁性であり、キャビネット(1)の外部からの電気ノイズの進入を防ぐ請求項1又は2に記載の電気機器。
  4. 電気機器は、デジタルカメラである請求項1乃至3に記載の電気機器。
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