JP2005069569A - 減圧式加熱機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】大気圧より低い圧力に維持されて熱媒液W1を収容する減圧容器1と、熱媒液W1を加熱するために減圧容器1内に配設された加熱装置2と、減圧容器1内上方の減圧空間内に配設された熱交換器3を備え、加熱装置2による熱媒液W1の加熱により発生する沸騰蒸気によって、熱交換器3内を通流する被加熱流体W2を加熱する減圧式加熱機で、減圧容器1の側壁1a内側に沸騰蒸気案内用の案内部材11が設けられて、側壁1aと加熱装置2の間を通って上昇する沸騰蒸気を加熱装置2側へ案内する。
【選択図】 図1
Description
すなわち、熱媒液が加熱されると沸騰蒸気が発生して、その沸騰蒸気が熱媒液中を上昇することになる。ところが、作動開始時においては、熱媒液上部の温度が低いため、その低温の熱媒液に急速に熱を奪われて、沸騰蒸気が急激に凝縮して消滅し、その際、「バリバリ」という衝撃音を発し、その衝撃音が減圧容器の側壁に伝達されて、不快な騒音発生の原因となる。
しかし、沸騰蒸気の急激な凝縮による衝撃音は、主として熱媒液の水面近くで発生するものであり、その熱媒液の水面近くに対する対策が不十分であるため、減圧容器を二重構造にしたり吸音材を配設するなど、比較的大掛かりな構造を採用する割には、必ずしも十分な騒音抑制効果を期待することができないという問題があった。
したがって、減圧容器の側壁内側に案内部材を設けるだけの簡単な構造で、作動開始時における騒音の発生を効果的に抑制することができる。
すなわち、熱媒液の水位を加熱装置の天板上面より下方に位置させることで、作動開始と共に熱媒液の上部も急速に加熱されて昇温するが、その反面、加熱装置の天板が過熱によって劣化することが懸念される。しかし、上述したように、案内部材が沸騰蒸気と一緒に噴出する熱媒液を加熱装置側へ案内するので、その熱媒液が加熱装置の天板にもかかって天板の過熱を抑制することになる。
そのため、熱媒液の水位を加熱装置の天板上面より下方に位置させることが可能となり、それによって熱媒液上部の低温化が抑制され、沸騰蒸気の急激な凝縮そのものが抑制されて、その結果、作動開始時における騒音の発生がより一層確実に抑制される。
そして、前記案内部材が、その通流部材を通って上昇する沸騰蒸気を火炉側、つまり、減圧容器の側壁から遠ざかる方向へ案内するので、上述したように、沸騰蒸気の急激な凝縮による衝撃音が減圧容器の側壁に伝達されるのが確実に抑制される。
そして、その多数本の火炎管の上方に補助案内板が設けられて、その補助案内板が、火炎管の間および火炎管と火炉の間を通って上昇する沸騰蒸気を火炉側へ案内し、前記案内部材が、側壁と火炎管の間を通って上昇する沸騰蒸気を火炉側へ案内するので、上述したように、沸騰蒸気の急激な凝縮による衝撃音が減圧容器の側壁に伝達されるのが確実に抑制されるとともに、熱媒液による火炉の冷却も確実となる。
缶体1は、円筒状の側壁1aと、その側壁1aの底部と上部を閉鎖する底壁1bと上壁1cにより構成され、缶体1内には、熱媒液としての熱媒水W1が収容され、その熱媒水W1より上方の減圧空間内に熱交換器3が配設されて、その熱交換器3内を被加熱流体としての水W2が通流するように構成されている。
火炉5は、断面形状が円形で、缶体1の側壁1aと底壁1bとの間に所定の間隔を有するように配設され、火炉5の入口5bには、ファン9を備えたバーナ10が取り付けられて、バーナ10からの火炎が燃焼室4内へ噴出され、火炉5の出口5cから缶体1外へ排出されるように構成され、熱媒水W1の水位が、加熱装置2の天板上面、つまり、この実施例においては、火炉5の天板5aの上面より下方に位置するように設定されている。
そして、缶体1の側壁1aの内側には、沸騰蒸気案内用の案内部材としての案内板11が、火炉5の天板5aより若干上方に位置し、かつ、内側ほど上方に位置するように傾斜した状態で側壁1aの全周にわたって設けられ、その案内板11が、後に詳しく説明するように、堰部材7と通流管8内を通って上昇する沸騰蒸気V、および、火炉5と側壁1aの間を通って上昇する沸騰蒸気Vを加熱装置2の火炉5側へ案内するように構成されている。
減圧式加熱機の作動は、バーナ10の燃焼により開始され、バーナ10からの火炎が燃焼室4内へ噴出されると、堰部材7内と通流管8内の熱媒水W1、および、火炉5の外側にある熱媒水W1が加熱されて沸騰蒸気Vが発生する。
その沸騰蒸気Vは、熱媒水W1中を上昇し、熱媒水W1の上部に至ると、低温の熱媒水W1に熱を奪われて急激に凝縮して消滅し、その際、「バリバリ」という衝撃音を発し、その衝撃音が缶体1の側壁1aに伝達されて騒音となる。
そして、作動中においては、沸騰蒸気Vが熱交換器3に接触し、熱交換器3内を通流する水W2を加熱して温水にし、熱を奪われた沸騰蒸気Vは凝縮水となって熱媒水W1に戻るのである。
ただし、実施例2の缶体1は、実施例1の缶体1を横向きにしたような構造で、円筒状の側壁1aと、その側壁1aの両端を閉鎖する閉鎖壁1b,1cにより構成されて、熱媒液としての熱媒水W1が収容され、上方の減圧空間内に熱交換器3が配設されている。
すなわち、火炉5が横向きに配設され、その火炉5と缶体1の側壁1aとの間に多数本の火炎管13が配置された構成とされ、熱媒水W1の水位が、加熱装置2の天板上面、つまり、この実施例においては、火炉5の天板部分5aや分配器12の天板12aの上面より下方に位置するように設定されている。
なお、図示はしないが、この実施例2の減圧式加熱機においても、実施例1と同様に、火炉5の入口にファンを備えたバーナが取り付けられて、バーナからの火炎が燃焼室4内へ噴出され、火炎管13を通って缶体1外へ排出されるように構成されている。
しかし、缶体1の側壁1aと閉鎖壁1b,1cの内側に案内板11が設けられ、さらに、火炎管13の上方などに補助案内板14が設けられているので、図6に示すように、沸騰蒸気Vと沸騰蒸気Vと伴に上方へ噴出す熱媒水W1は、案内板11と補助案内板14の案内作用により加熱装置2の火炉5側へと案内され、「バリバリ」という衝撃音が缶体1の側壁1aに直接伝達されるのが回避される。
そして、作動中においては、沸騰蒸気Vが熱交換器3に接触し、熱交換器3内を通流する水W2を加熱して温水にし、熱を奪われた沸騰蒸気Vは凝縮水となって熱媒水W1に戻るのである。
また、減圧式加熱機の一例として減圧式温水機、つまり、熱交換器3内を通流する被加熱流体として水W2を使用して温水を生成する例を示したが、減圧式温水機以外の各種の減圧式加熱機にも適用することができる。
1a 減圧容器の側壁
2 加熱装置
3 熱交換器
4 燃焼室
5 火炉
5a 加熱装置の天板
6 通流部材
7 堰部材
8 通流管
11 案内部材
12a 加熱装置の天板
13 火炎管
14 補助案内板
V 沸騰蒸気
W1 熱媒液
W2 被加熱流体
Claims (5)
- 大気圧より低い圧力に維持されて熱媒液を収容する減圧容器と、その熱媒液を加熱するために前記減圧容器内に配設された加熱装置と、前記減圧容器内上方の減圧空間内に配設された熱交換器を備え、前記加熱装置による熱媒液の加熱により発生する沸騰蒸気によって、前記熱交換器内を通流する被加熱流体を加熱するように構成されている減圧式加熱機であって、
前記減圧容器の側壁内側に沸騰蒸気案内用の案内部材が設けられ、その案内部材が、前記側壁と加熱装置の間を通って上昇する沸騰蒸気を前記加熱装置側へ案内するように構成されている減圧式加熱機。 - 前記熱媒液の水位が、前記加熱装置の天板上面より下方に位置するように設定されている請求項1に記載の減圧式加熱機。
- 前記加熱装置が、燃焼火炎用の燃焼室を有する火炉と、前記側壁の近くにおいて前記燃焼室を上下に貫通して前記熱媒液を通流させる複数の通流部材により構成され、前記案内部材が、前記通流部材を通って上昇する沸騰蒸気を前記火炉側へ案内するように構成されている請求項1または2に記載の減圧式加熱機。
- 前記通流部材が、前記側壁に沿って配設された堰部材と、その堰部材と側壁の間に沿って配設された多数本の通流管により構成され、前記堰部材が、燃焼火炎を前記通流管側へ案内するように構成されている請求項3に記載の減圧式加熱機。
- 前記加熱装置が、燃焼火炎用の燃焼室を有する火炉と、前記燃焼室に連通して火炉と前記側壁との間で横方向に配設された多数本の火炎管により構成され、その多数本の火炎管の上方に補助案内板が設けられて、前記案内部材が、前記側壁と火炎管の間を通って上昇する沸騰蒸気を前記火炉側へ案内し、前記補助案内板が、前記火炎管の間および火炎管と火炉の間を通って上昇する沸騰蒸気を前記火炉側へ案内するように構成されている請求項1または2に記載の減圧式加熱機。
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