JP2005068460A - 低延性および被削性に優れた非調質型熱間鍛造部品およびこの部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フェライト単相組織を有し、フェライト相中に粒径が10nm未満の微細析出物が分散析出し、鋼組成が質量%で、C:0.15%以下、Si:1%以下、Mn:2%以下、Ti:0.03〜0.35%、Mo:0.05〜0.8%、残部:Feおよび不可避的不純物からなり、降伏応力が600N/mm2以上で0.85以上の降伏比を有し、且つ、引張破断による破面が脆性破面である。
【選択図】 図2
Description
0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)}≦1.5・・・・(1)
但し、各元素は、含有量(質量%)である。
を満足することに特徴を有するものである。
0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(Nb/93)+(V/51)+(W/192)}≦1.5 ・・・・(2)
但し、各元素は含有量(質量%)とし、含まれないものは0とする。
を満足することに特徴を有するものである。
この発明に関わる熱間鍛造部品は、そのミクロ組織を、フェライト単相組織に粒径10nmの微細析出物を分散析出させた組織とする。
C:0.15質量%以下
C含有量が0.15質量%を超えて含有すると、微細析出物が粗大化し、十分な析出強化が得られない。そのため目標とする降伏比が得られず、また、引張破断面が延性破面になりやすい。よって、C含有量は、0.15質量%以下が適当である。より好ましくは、0.03〜0.12質量%である。
Siは、フェライトに固溶して硬度を高め、フェライトの延性を低下させる。しかし、Si含有量が1.00質量%を超えると、鋼材の鍛造加熱時の脱炭が多くなって、疲労強度が低下する。また、熱間延性が低下して鍛造時の割れ発生の原因となる。よって、Si含有量は、1.00質量%以下に限定する。より好ましくは0.15質量%以下である。
Mnは、鋼中のSと結合してMnSを形成して鋼材の延性を高める。よって、引張破断において脆性破面を得るためには、Mn含有量を2.00質量%以下にする必要がある。より好ましくは0.5〜1.8質量%である。
Tiは、Ti系炭化物、Moと共にTi−Mo系炭化物を含む析出物を微細に析出させ、強度を向上させるために添加する。0.03質量%以上添加しなければその効果は得られず、一方、0.50質量%を超えて添加すると析出物が粗大化し、強度が低下するだけでなく、0.85以上の降伏比が得られない。よって、Ti含有量は、0.03〜0.50質量%とする。より好ましくは0.03〜0.20質量%である。
Moは、Mo系炭化物、Tiと共にTi−Mo系炭化物を含む析出物を微細に析出させ、強度を向上させるために添加する。その効果を得るには、0.05質量%以上の添加が必要であり、一方、0.8質量%を超えて添加するとベイナイト等の低温変態相を形成し、微細析出物による析出強化が不足する。よって、Mo含有量は、0.05〜0.8質量%とする。より好ましくは0.15〜0.45質量%である。なお、Moは、拡散速度が遅く、Tiと共に析出する場合、析出物の成長速度が低下し、微細な析出物が得られやすい。
このパラメーターは、析出物の大きさに影響を与えるもので、0.5〜1.5とした場合、粒径10nm未満の微細析出物の形成が容易となり、好ましい。さらに好ましくは、0.7〜1.3である。
Nbは、Tiと共に微細析出物を形成して強度上昇に寄与するが、0.08質量%を超えるとその効果が飽和するため、0.08質量%以下とする。より好ましくは0.04質量%以下である。
Vは、Tiと微細析出物とを形成するが、0.15質量%を超えると析出物が粗大化するようになるため、0.15質量%以下とする。より好ましくは0.10質量%以下である。
Wは、Tiと微細析出物とを形成するが、1.5質量%を超えると析出物が粗大化するようになるため、1.5質量%以下とする。より好ましくは1.0質量%以下である。
図3は、この発明に係る熱間鍛造部品の概略製造工程図であり、S1は、棒鋼製造工程、S2は、搬送工程、そして、S3は、製品仕上工程を示す。図3に示すように、棒鋼製造工程(S1)において鋼塊を熱間圧延して棒鋼とし、このようにして調製した棒鋼を搬送工程(S2)によって製品仕上工程(S3)に搬送し、ここで棒鋼を熱間鍛造加工し、所望の部品形状とした後、析出処理により微細析出物を析出させて降伏比0.85以上とする。なお、製品仕上工程(S3)において、熱間鍛造後の冷却速度を調整し、析出処理を省略することも可能である。
鍛造加熱温度は、1100℃以上とする。この発明では鍛造後の析出処理等により微細析出物を析出させるため、鍛造時に溶解時から残存する炭化物を固溶させる。
鍛造温度は、900〜1200℃とする。鍛造後の析出処理により微細析出物を析出させるが、その析出促進のために1200℃以下の温度で鍛造する必要がある。また、900℃未満になると鍛造荷重が高くなりすぎるために熱間では鍛造が難しい。よって、鍛造温度は、900〜1200℃に限定する。
1A:コンロッド本体部分
1a:コンロッド本体の接合面
2:コンロッドキャップ
2B:コンロッドキャップ部分
2b:コンロッドキャップの接合面
3:小端部
4:大端部
5:コンロッドボルト
6:コンロッドナット
7:ボルト孔
Claims (11)
- フェライト単相組織を有し、フェライト相中に粒径が10nm未満の微細析出物が分散析出していることを特徴とする、降伏応力600N/mm2以上で0.85以上の降伏比を有し、且つ、引張破断による破面が脆性破面であることを特徴とする、被削性に優れた非調質型熱間鍛造部品。
- 鋼組成が質量%で、
C:0.15%以下、
Si:1%以下、
Mn:2%以下、
Ti:0.03〜0.50%、
Mo:0.05〜0.8%、
残部:Feおよび不可避的不純物
からなることを特徴とする、請求項1記載の、被削性に優れた非調質型熱間鍛造部品。 - 鋼組成として、更に、下記(1)式、
0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)}≦1.5・・・・(1)
但し、各元素は、含有量(質量%)である。
を満足することを特徴とする、請求項2記載の、被削性に優れた非調質型熱間鍛造部品。 - 前記微細析出物は、TiとMoとの炭化物であることを特徴とする、請求項1から3の何れか1つに記載の、被削性に優れた非調質型熱間鍛造部品。
- 鋼組成として、更に、質量%で、
Nb:0.08%以下、
V:0.15%以下、
W:1.5%以下
の少なくとも1つを含有する、請求項2記載の、被削性に優れた非調質型熱間鍛造部品。 - 鋼組成として、更に、下記(2)式、
0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(Nb/93)+(V/51)+(W/192)}≦1.5 ・・・・(2)
但し、各元素は含有量(質量%)とし、含まれないものは0とする。
を満足することを特徴とする、請求項5記載の、被削性に優れた非調質型熱間鍛造部品。 - 前記微細析出物がTiとMoと、Nb、V、Wの内の少なくとも1つとを含む炭化物であることを特徴とする、請求項1、5または6記載の、被削性に優れた非調質型熱間鍛造部品。
- 鋼組成として、更に、質量%で、
S:0.03〜0.1%、
Pb:0.2%以下、
Ca:0.005%以下、
B:0.02%以下
の少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項2、3、5または6に記載の、被削性に優れた非調質型熱間鍛造部品。 - 鋼組成が請求項2、3、5、6および8の何れか1つに記載の鋼を1100℃以上に加熱後、900から1200℃の温度で熱間鍛造し、その後の冷却過程において、550から700℃の温度域を0.5℃/sec以下の冷却速度で冷却することを特徴とする、降伏応力600N/mm2以上で0.85以上の降伏比を有し、且つ、引張破断による破面が脆性破面であることを特徴とする、被削性に優れた非調質型熱間鍛造部品の製造方法。
- 鋼組成が請求項2、3、5、6および8の何れか1つに記載の鋼を1100℃以上に加熱後、900から1200℃の温度で熱間鍛造し、その後の冷却過程において、550から700℃の温度に10から60分間保持することを特徴とする、降伏応力600N/mm2以上で0.85以上の降伏比を有し、且つ、引張破断による破面が脆性破面であることを特徴とする、被削性に優れた非調質型熱間鍛造部品の製造方法。
- 鋼組成が請求項2、3、5、6および8の何れか1つに記載の鋼を1100℃以上に加熱後、900から1200℃の温度で熱間鍛造し、550から700℃に加熱し、10から60分間保持することを特徴とする、降伏応力600N/mm2以上で0.85以上の降伏比を有し、且つ引張破断による破面が脆性破面であることを特徴とする、被削性に優れた非調質型熱間鍛造部品の製造方法。
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