JP2005068049A - 活性エステル基を有する芳香族カルボン酸及びその酸塩化物誘導体、並びにそれらの合成法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐熱性の高い縮合系高分子の原料として有用な新規な芳香族カルボン酸及びその酸塩化物誘導体を提供する。
【解決手段】 一般式(1)及び(3)で表される、活性エステル基を有する芳香族カルボン酸及びその酸塩化物誘導体、並びにその製造方法。
【化1】
式(1)中、Rはピリジル基、キノリル基または芳香族基を示し、Arは式(2)で表される基の中から選ばれる3価の基を示す。また、前記ピリジル基、キノリル基および芳香族基における、ベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良く、前記式(2)で表される基における、ベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、水酸基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良い。
【化2】
【化3】
【解決手段】 一般式(1)及び(3)で表される、活性エステル基を有する芳香族カルボン酸及びその酸塩化物誘導体、並びにその製造方法。
【化1】
式(1)中、Rはピリジル基、キノリル基または芳香族基を示し、Arは式(2)で表される基の中から選ばれる3価の基を示す。また、前記ピリジル基、キノリル基および芳香族基における、ベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良く、前記式(2)で表される基における、ベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、水酸基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良い。
【化2】
【化3】
Description
本発明は、活性エステル基を有する芳香族カルボン酸及びその酸塩化物誘導体、並びにそれらの合成法に関する。更に詳しくは、高分子、特に耐熱性の高い縮合系高分子の原料として有用な芳香族カルボン酸及びその酸塩化物誘導体、並びにそれらの合成法に関する。
一分子に2つのカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸およびその酸塩化物は、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂およびポリベンゾチアゾール樹脂などの原料として用いられている。これらの樹脂は用途に応じて、様々な構造を有する樹脂が合成されており、前記芳香族カルボン酸およびその酸塩化物も、これらの樹脂構造に対応する構造が、使用されている。
一方、これらの樹脂は、一般に熱可塑性の高分子であるが、高い耐熱性を有しており、高温環境において使用される用途に多く用いられている。また、これらの樹脂に、更に耐熱性やその他の機能性を付与するため、修飾可能な置換基を導入する試みがなされているが、そのような試みに用いる原料として、従来の技術では、アセチレン基を導入した芳香族カルボン酸が合成されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、温和な条件での反応において、従来よりも容易に、機能性基を樹脂に付与できる原料が望まれていた。
特開2002−201158号公報(p1−10)
一方、これらの樹脂は、一般に熱可塑性の高分子であるが、高い耐熱性を有しており、高温環境において使用される用途に多く用いられている。また、これらの樹脂に、更に耐熱性やその他の機能性を付与するため、修飾可能な置換基を導入する試みがなされているが、そのような試みに用いる原料として、従来の技術では、アセチレン基を導入した芳香族カルボン酸が合成されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、温和な条件での反応において、従来よりも容易に、機能性基を樹脂に付与できる原料が望まれていた。
本発明は、上記用途に適した活性エステル基を有する芳香族カルボン酸及びその酸塩化物誘導体、並びにそれらの合成法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は一般式(1)で表される、活性エステル基を有する芳香族カルボン酸および一般式(3)で表される、活性エステル基を有する芳香族カルボン酸の酸塩化物誘導体である。
[式(1)中、Rはピリジル基、キノリル基または芳香族基を示し、Arは式(2)で表される基の中から選ばれる3価の基を示す。また、前記ピリジル基、キノリル基および芳香族基における、ベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良く、前記式(2)で表される基における、ベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、水酸基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良い。]
[式(3)中、Rはピリジル基、キノリル基または芳香族基を示し、Arは前記式(2)で表される基の中から選ばれる3価の基を示す。また、前記ピリジル基、キノリル基および芳香族基における、ベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良く、前記式(2)で表される基における、ベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、水酸基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良い。]
又、本発明は、一般式(4)で表される化合物と、一般式(5)で表されるヒドロキシピリジン、ヒドロキシキノリンまたはフェノール化合物とを、塩基の存在下で反応させることを特徴とする、前記一般式(3)で表される芳香族カルボン酸の酸塩化物誘導体の合成法である。
[式(4)中、Arは前記式(2)で表される基の中から選ばれる3価の基を示す。また、前記ピリジル基、キノリル基および芳香族基における、ベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良く、前記式(2)で表される基における、ベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、水酸基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良い。]
[式(5)中、Rはピリジル基、キノリル基または芳香族基を示す。]
更に、本発明は、
一般式(6)で表される化合物と、前記一般式(5)で表されるヒドロキシピリジン、ヒドロキシキノリンまたはフェノール化合物とを反応させ、エステル化することを特徴とする、前記一般式(1)で表される芳香族カルボン酸の合成法であり、好ましくは、前記エステル化する反応が、縮合剤の存在下で行われる前記一般式(1)で表される芳香族カルボン酸の合成法である。
一般式(6)で表される化合物と、前記一般式(5)で表されるヒドロキシピリジン、ヒドロキシキノリンまたはフェノール化合物とを反応させ、エステル化することを特徴とする、前記一般式(1)で表される芳香族カルボン酸の合成法であり、好ましくは、前記エステル化する反応が、縮合剤の存在下で行われる前記一般式(1)で表される芳香族カルボン酸の合成法である。
[式(6)中、Arは前記式(2)で表される基の中から選ばれる3価の基を示す。また、前記ピリジル基、キノリル基および芳香族基における、ベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良く、前記式(2)で表される基における、ベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、水酸基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良い。]
更に、本発明は、前記一般式(1)で表される化合物を、塩素化剤で処理することを特徴とする、前記一般式(3)で表される芳香族カルボン酸の酸塩化物誘導体の合成法である。
本発明によれば、反応性の高い活性エステル基を有する芳香族カルボン酸及びその酸塩化物誘導体を得ることができ、これらは、高分子、特に縮合系高分子の原料として有用である。
本発明の芳香族カルボン酸は、一般式(1)で表される、活性エステル基を有する化合物であり、一般式(3)で表される、活性エステル基を有する芳香族カルボン酸の酸塩化物誘導体である。
ここで、活性エステル基は、カルボン酸から誘導される基のうち、高活性のものをいう。この活性エステル基は、アルコールおよびアミン化合物等の求核試薬と反応し、機能性基となる新たなエステル結合や新たなアミド結合等を生成することができる。
前記活性エステル基としては、例えば、ピリジル基として、2−ピリジル基、3−ピリジル基および4−ピリジル基などの基が挙げられ、キノリル基として、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基および8−キノリル基などの基が挙げられ、芳香族基として、フェニル基、1−ナフチル基および2−ナフチル基などの基が挙げられる。この中で、3−ピリジル基、8−キノリル基およびフェニル基が好ましい。
ここで、活性エステル基は、カルボン酸から誘導される基のうち、高活性のものをいう。この活性エステル基は、アルコールおよびアミン化合物等の求核試薬と反応し、機能性基となる新たなエステル結合や新たなアミド結合等を生成することができる。
前記活性エステル基としては、例えば、ピリジル基として、2−ピリジル基、3−ピリジル基および4−ピリジル基などの基が挙げられ、キノリル基として、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基および8−キノリル基などの基が挙げられ、芳香族基として、フェニル基、1−ナフチル基および2−ナフチル基などの基が挙げられる。この中で、3−ピリジル基、8−キノリル基およびフェニル基が好ましい。
一般式(1)で表される活性エステル基を有する化合物としては、例えば、
5−(3−ピリジルオキシカルボニル)イソフタル酸とその構造異性体、5−(8−キノリルオキシカルボニル)イソフタル酸とその構造異性体、5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸とその構造異性体、
3,5−ビス(4−カルボキシフェノキシ)安息香酸(3−ピリジル)エステルとその構造異性体、3,5−ビス(4−カルボキシフェノキシ)安息香酸(8−キノリル)エステルとその構造異性体、3,5−ビス(4−カルボキシフェノキシ)安息香酸フェニルエステルとその構造異性体、
3,5−ビス(4−カルボキシフェニル)安息香酸(3−ピリジル)エステルとその構造異性体、3,5−ビス(4−カルボキシフェニル)安息香酸(8−キノリル)エステルとその構造異性体、3,5−ビス(4−カルボキシフェニル)安息香酸フェニルエステルとその構造異性体、
4−(3,5−ジカルボキシフェノキシ)安息香酸(3−ピリジル)エステルとその構造異性体、4−(3,5−ジカルボキシフェノキシ)安息香酸(8−キノリル)エステルとその構造異性体、4−(3,5−ジカルボキシフェノキシ)安息香酸フェニルエステルとその構造異性体、
4−(3,5−ジカルボキシフェニル)安息香酸(3−ピリジル)エステルとその構造異性体、4−(3,5−ジカルボキシフェニル)安息香酸(8−キノリル)エステルとその構造異性体、4−(3,5−ジカルボキシフェニル)安息香酸フェニルエステルとその構造異性体、
9,9−ビス(4−カルボキシフェニル)−4−フルオレンカルボン酸(3−ピリジル)エステルとその構造異性体、9,9−ビス(4−カルボキシフェニル)−4−フルオレンカルボン酸(8−キノリル)エステルとその構造異性体、9,9−ビス(4−カルボキシフェニル)−4−フルオレンカルボン酸フェニルエステルとその構造異性体、
9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル−4−フルオレンカルボン酸(3−ピリジル)エステルとその構造異性体、9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル−4−フルオレンカルボン酸(8−キノリル)エステルとその構造異性体、9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル−4−フルオレンカルボン酸フェニルエステルとその構造異性体、
9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェニル)フェニル−4−フルオレンカルボン酸(3−ピリジル)エステルとその構造異性体、9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェニル)フェニル−4−フルオレンカルボン酸(8−キノリル)エステルとその構造異性体および9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェニル)フェニル−4−フルオレンカルボン酸フェニルエステルとその構造異性体
などが挙げられる。
5−(3−ピリジルオキシカルボニル)イソフタル酸とその構造異性体、5−(8−キノリルオキシカルボニル)イソフタル酸とその構造異性体、5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸とその構造異性体、
3,5−ビス(4−カルボキシフェノキシ)安息香酸(3−ピリジル)エステルとその構造異性体、3,5−ビス(4−カルボキシフェノキシ)安息香酸(8−キノリル)エステルとその構造異性体、3,5−ビス(4−カルボキシフェノキシ)安息香酸フェニルエステルとその構造異性体、
3,5−ビス(4−カルボキシフェニル)安息香酸(3−ピリジル)エステルとその構造異性体、3,5−ビス(4−カルボキシフェニル)安息香酸(8−キノリル)エステルとその構造異性体、3,5−ビス(4−カルボキシフェニル)安息香酸フェニルエステルとその構造異性体、
4−(3,5−ジカルボキシフェノキシ)安息香酸(3−ピリジル)エステルとその構造異性体、4−(3,5−ジカルボキシフェノキシ)安息香酸(8−キノリル)エステルとその構造異性体、4−(3,5−ジカルボキシフェノキシ)安息香酸フェニルエステルとその構造異性体、
4−(3,5−ジカルボキシフェニル)安息香酸(3−ピリジル)エステルとその構造異性体、4−(3,5−ジカルボキシフェニル)安息香酸(8−キノリル)エステルとその構造異性体、4−(3,5−ジカルボキシフェニル)安息香酸フェニルエステルとその構造異性体、
9,9−ビス(4−カルボキシフェニル)−4−フルオレンカルボン酸(3−ピリジル)エステルとその構造異性体、9,9−ビス(4−カルボキシフェニル)−4−フルオレンカルボン酸(8−キノリル)エステルとその構造異性体、9,9−ビス(4−カルボキシフェニル)−4−フルオレンカルボン酸フェニルエステルとその構造異性体、
9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル−4−フルオレンカルボン酸(3−ピリジル)エステルとその構造異性体、9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル−4−フルオレンカルボン酸(8−キノリル)エステルとその構造異性体、9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル−4−フルオレンカルボン酸フェニルエステルとその構造異性体、
9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェニル)フェニル−4−フルオレンカルボン酸(3−ピリジル)エステルとその構造異性体、9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェニル)フェニル−4−フルオレンカルボン酸(8−キノリル)エステルとその構造異性体および9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェニル)フェニル−4−フルオレンカルボン酸フェニルエステルとその構造異性体
などが挙げられる。
本発明の芳香族カルボン酸の酸塩化物誘導体は、一般式(3)で表される活性エステル基を有する化合物であり、その具体例としては、前記芳香族カルボン酸の具体例における酸塩化物誘導体が挙げられる。
本発明の一般式(1)及び(3)で表される芳香族カルボン酸及びその酸塩化物誘導体は、例えば、以下のルートによって合成することが出来る。
一般式(1)、一般式(3)および一般式(5)におけるRは、ピリジル基、キノリル基または芳香族基を示す。
一般式(1)、一般式(3)、一般式(4)および一般式(6)中、Arは前記式(2)で表される基の中から選ばれる3価の基を示す。
また、前記ピリジル基、キノリル基または芳香族基における、ベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良く、
前記式(2)で表される基におけるベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、水酸基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良い。
一般式(1)、一般式(3)、一般式(4)および一般式(6)中、Arは前記式(2)で表される基の中から選ばれる3価の基を示す。
また、前記ピリジル基、キノリル基または芳香族基における、ベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良く、
前記式(2)で表される基におけるベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、水酸基、フッ素原子およびトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良い。
まず、一般式(3)で表される酸塩化物誘導体の第一の合成例としては、一般式(4)で表されるトリカルボン酸トリクロリド化合物を、塩基の存在下、一般式(5)で表されるヒドロキシピリジン、ヒドロキシキノリンまたはフェノール化合物と反応させることにより、一般式(3)で表される酸塩化物誘導体を得ることができる。
一方、一般式(6)で表されるトリカルボン酸化合物を、縮合剤の存在下、一般式(5)で表されるヒドロキシピリジン、ヒドロキシキノリンまたはフェノール化合物と反応させることにより、一般式(1)で表される芳香族カルボン酸化合物が得られる。
次いで、一般式(3)で表される酸塩化物誘導体の第二の合成例としては、一般式(1)で表される芳香族カルボン酸化合物を、塩素化剤で処理することによって、一般式(3)で表される酸塩化物誘導体を得ることができる。
以下、合成法の例について、更に詳細に説明する。
一般式(4)で表される化合物としては、例えば、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリクロリドとその構造異性体、
3,5−ビス(4−クロロカルボニルフェノキシ)安息香酸クロリドとその構造異性体、
3,5−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)安息香酸クロリドとその構造異性体、
4−(3,5−ビスクロロカルボニルフェノキシ)安息香酸クロリドとその構造異性体、
4−(3,5−ビスクロロカルボニルフェニル)安息香酸クロリドとその構造異性体、
9,9−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)−4−フルオレンカルボン酸クロリドとその構造異性体、
9,9−ビス−4−(4−クロロカルボニルフェノキシ)フェニル−4−フルオレンカルボン酸クロリドとその構造異性体、
9,9−ビス−4−(4−クロロカルボニルフェニル)フェニル−4−フルオレンカルボン酸クロリドとその構造異性体、
などのトリカルボン酸トリクロリド化合物が挙げられる。
一般式(4)で表される化合物としては、例えば、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリクロリドとその構造異性体、
3,5−ビス(4−クロロカルボニルフェノキシ)安息香酸クロリドとその構造異性体、
3,5−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)安息香酸クロリドとその構造異性体、
4−(3,5−ビスクロロカルボニルフェノキシ)安息香酸クロリドとその構造異性体、
4−(3,5−ビスクロロカルボニルフェニル)安息香酸クロリドとその構造異性体、
9,9−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)−4−フルオレンカルボン酸クロリドとその構造異性体、
9,9−ビス−4−(4−クロロカルボニルフェノキシ)フェニル−4−フルオレンカルボン酸クロリドとその構造異性体、
9,9−ビス−4−(4−クロロカルボニルフェニル)フェニル−4−フルオレンカルボン酸クロリドとその構造異性体、
などのトリカルボン酸トリクロリド化合物が挙げられる。
一般式(6)で表される化合物としては、例えば、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸とその構造異性体、
3,5−ビス(4−カルボキシフェノキシ)安息香酸とその構造異性体、
3,5−ビス(4−カルボキシフェニル)安息香酸とその構造異性体、
4−(3,5−ジカルボキシフェノキシ)安息香酸とその構造異性体、
4−(3,5−ジカルボキシフェニル)安息香酸とその構造異性体、
9,9−ビス(4−カルボキシフェニル)−4−フルオレンカルボン酸とその構造異性体、
9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル−4−フルオレンカルボン酸とその構造異性体、
9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェニル)フェニル−4−フルオレンカルボン酸とその構造異性体、
などのトリカルボン酸化合物が挙げられる。
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸とその構造異性体、
3,5−ビス(4−カルボキシフェノキシ)安息香酸とその構造異性体、
3,5−ビス(4−カルボキシフェニル)安息香酸とその構造異性体、
4−(3,5−ジカルボキシフェノキシ)安息香酸とその構造異性体、
4−(3,5−ジカルボキシフェニル)安息香酸とその構造異性体、
9,9−ビス(4−カルボキシフェニル)−4−フルオレンカルボン酸とその構造異性体、
9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル−4−フルオレンカルボン酸とその構造異性体、
9,9−ビス−4−(4−カルボキシフェニル)フェニル−4−フルオレンカルボン酸とその構造異性体、
などのトリカルボン酸化合物が挙げられる。
上記合成例において、一般式(3)で表される酸塩化物誘導体は、第一の合成例において、
トリカルボン酸トリクロリド化合物(一般式(4))をテトラヒドロフランなどの有機溶媒に溶解した溶液に、
ヒドロキシピリジン、ヒドロキシキノリンまたはフェノールもしくはナフトールなどのフェノール化合物(一般式(5))と、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジンおよびメチルピリジンなどの塩基とをテトラヒドロフランなどの有機溶媒に溶解した溶液を滴下して、滴下終了後、還流させて反応させ、反応終了後に、再結晶することにより得られる。前記反応において、反応時間および前記溶媒量は、特に制限されない。また、塩基の使用量としては、トリカルボン酸トリクロリド化合物に対し1〜2等量倍が好ましい。
トリカルボン酸トリクロリド化合物(一般式(4))をテトラヒドロフランなどの有機溶媒に溶解した溶液に、
ヒドロキシピリジン、ヒドロキシキノリンまたはフェノールもしくはナフトールなどのフェノール化合物(一般式(5))と、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジンおよびメチルピリジンなどの塩基とをテトラヒドロフランなどの有機溶媒に溶解した溶液を滴下して、滴下終了後、還流させて反応させ、反応終了後に、再結晶することにより得られる。前記反応において、反応時間および前記溶媒量は、特に制限されない。また、塩基の使用量としては、トリカルボン酸トリクロリド化合物に対し1〜2等量倍が好ましい。
また、上記合成例において、一般式(1)で表される芳香族カルボン酸化合物は、
トリカルボン酸化合物(一般式(6))と、ヒドロキシピリジン、ヒドロキシキノリンまたはフェノールもしくはナフトールなどのフェノール化合物(一般式(5))とを、N−メチルピロリドンやテトラヒドロフランなどの有機溶媒に溶解した溶液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドおよびポリリン酸などの縮合剤を加えて攪拌して、反応させた後に、カラムクロマトグラフィーで分離精製することにより得られる。前記反応において、p−トルエンスルホン酸一水和物や4−ジメチルアミノピリジンなどの触媒を加えると反応性が向上する。また、前記反応において、反応時間および前記溶媒量は、特に制限されない。また、縮合剤の使用量としては、トリカルボン酸化合物に対し1〜2等量倍が好ましい。
トリカルボン酸化合物(一般式(6))と、ヒドロキシピリジン、ヒドロキシキノリンまたはフェノールもしくはナフトールなどのフェノール化合物(一般式(5))とを、N−メチルピロリドンやテトラヒドロフランなどの有機溶媒に溶解した溶液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドおよびポリリン酸などの縮合剤を加えて攪拌して、反応させた後に、カラムクロマトグラフィーで分離精製することにより得られる。前記反応において、p−トルエンスルホン酸一水和物や4−ジメチルアミノピリジンなどの触媒を加えると反応性が向上する。また、前記反応において、反応時間および前記溶媒量は、特に制限されない。また、縮合剤の使用量としては、トリカルボン酸化合物に対し1〜2等量倍が好ましい。
次に、第二の合成例として、一般式(3)で表される酸塩化物誘導体は、
上記で得られた芳香族カルボン酸化合物(一般式(1))を、溶媒中または、過剰量の塩素化剤を溶媒として用い、0〜70℃の温度範囲で反応させた後、前記溶媒を留去し、得られた固形物を洗浄用の溶媒で洗浄し、更に再結晶させることで、得ることができる。前記反応において、塩化ベンジルトリエチルアンモニウムなどの触媒を使用すると反応性が向上する。前記塩素化剤としては、塩化チオニルおよびオキサリルクロリド等の塩化物が好ましいが、塩素化剤の使用量は、一般式(1)で表される芳香族カルボン酸化合物に対して、2当量倍以上であり、特に上限はない。また、塩素化剤以外の溶媒を用いない場合には、10当量倍以上の大過剰で用いても差し支えない。前記溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテル等の炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンおよびクロロベンゼン等の塩素化溶媒があげられる。これらは、一般式(1)で表される芳香族カルボン酸化合物に対して、任意の量を使用できる。
上記で得られた芳香族カルボン酸化合物(一般式(1))を、溶媒中または、過剰量の塩素化剤を溶媒として用い、0〜70℃の温度範囲で反応させた後、前記溶媒を留去し、得られた固形物を洗浄用の溶媒で洗浄し、更に再結晶させることで、得ることができる。前記反応において、塩化ベンジルトリエチルアンモニウムなどの触媒を使用すると反応性が向上する。前記塩素化剤としては、塩化チオニルおよびオキサリルクロリド等の塩化物が好ましいが、塩素化剤の使用量は、一般式(1)で表される芳香族カルボン酸化合物に対して、2当量倍以上であり、特に上限はない。また、塩素化剤以外の溶媒を用いない場合には、10当量倍以上の大過剰で用いても差し支えない。前記溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテル等の炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンおよびクロロベンゼン等の塩素化溶媒があげられる。これらは、一般式(1)で表される芳香族カルボン酸化合物に対して、任意の量を使用できる。
以下に本発明を説明するために実施例を示すが、これによって本発明を限定するものではない。
得られた化合物は、特性評価のため、1H−NMR、MSの各種スペクトルの測定および元素分析を行った。各特性の測定条件は、次のとおりとした。
試験方法
(1)核磁気共鳴スペクトル分析(1H−NMR):日本電子製JNM−GSX400型を用いて測定した。1H−NMRは共鳴周波数400MHzで測定した。測定溶媒は、重水素化溶媒である重水素化ジメチルスルホキシドDMSO−d6を用いた。
(2)質量分析(MS):日本電子(株)製JMS−700型を用いてフィールド脱着(FD)法で測定した。
(3)元素分析:炭素及び水素はPERKIN ELMER社製2400型を用いて、塩素はフラスコ燃焼滴定法で測定した。
(1)核磁気共鳴スペクトル分析(1H−NMR):日本電子製JNM−GSX400型を用いて測定した。1H−NMRは共鳴周波数400MHzで測定した。測定溶媒は、重水素化溶媒である重水素化ジメチルスルホキシドDMSO−d6を用いた。
(2)質量分析(MS):日本電子(株)製JMS−700型を用いてフィールド脱着(FD)法で測定した。
(3)元素分析:炭素及び水素はPERKIN ELMER社製2400型を用いて、塩素はフラスコ燃焼滴定法で測定した。
[1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリクロリドから5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリドの合成]
4つ口の100mLフラスコに、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリクロリド5.58g(0.021mol)およびテトラヒドロフラン45mLを入れて撹拌した。この中に、フェノール1.98g(0.021mol)とトリエチルアミン2.34g(0.023mol)とをテトラヒドロフラン45mLに溶かした溶液を滴下した。滴下終了後、3時間還流し、還流終了後、反応液を濾過して、析出したトリエチルアミン塩酸塩を除去し、濾液の溶媒をエバポレーターにより留去し、白色固体を得た。これを、室温で1日間減圧乾燥し、生成物6.11gを得た(収率90.0%)。
4つ口の100mLフラスコに、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリクロリド5.58g(0.021mol)およびテトラヒドロフラン45mLを入れて撹拌した。この中に、フェノール1.98g(0.021mol)とトリエチルアミン2.34g(0.023mol)とをテトラヒドロフラン45mLに溶かした溶液を滴下した。滴下終了後、3時間還流し、還流終了後、反応液を濾過して、析出したトリエチルアミン塩酸塩を除去し、濾液の溶媒をエバポレーターにより留去し、白色固体を得た。これを、室温で1日間減圧乾燥し、生成物6.11gを得た(収率90.0%)。
ここで得られた生成物は、5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリドであり、そのスペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示していた。
[5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリド(C15H8Cl2O4)]
外観:白色固体
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ8.65(d,2H)、8.60(t,1H)、7.40(m,2H)、7.30(m,3H)
MS(FD)(m/z):322.0(M+)
元素分析:理論値 C:55.76% H:2.50% Cl:21.94%
実測値 C:55.50% H:2.41% Cl:21.99%
外観:白色固体
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ8.65(d,2H)、8.60(t,1H)、7.40(m,2H)、7.30(m,3H)
MS(FD)(m/z):322.0(M+)
元素分析:理論値 C:55.76% H:2.50% Cl:21.94%
実測値 C:55.50% H:2.41% Cl:21.99%
[1,3,5−ベンゼントリカルボン酸から5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸の合成]
3つ口の500mLフラスコに、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸4.20g(0.020mol)とフェノール1.90g(0.0202mol)、p−トルエンスルホン酸一水和物0.76g(0.004mol)、4−ジメチルアミノピリジン0.49g(0.004mol)およびテトラヒドロフラン123mLを入れ、さらにN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド6.19g(0.03mol)をテトラヒドロフラン6.2mlに溶かした溶液を加えて、室温で4時間攪拌した。攪拌後、反応液を濾過して、析出したN,N’−ジシクロヘキシルカルボウレアを除去し、濾液をエバポレーターにより、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル15mlに溶解させ、濾過により不溶物を除去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した溶液を、エバポレーターにより溶媒を留去して白色固体を得た。これを、室温で1日間減圧乾燥し、生成物5.15gを得た(収率90.0%)。
3つ口の500mLフラスコに、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸4.20g(0.020mol)とフェノール1.90g(0.0202mol)、p−トルエンスルホン酸一水和物0.76g(0.004mol)、4−ジメチルアミノピリジン0.49g(0.004mol)およびテトラヒドロフラン123mLを入れ、さらにN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド6.19g(0.03mol)をテトラヒドロフラン6.2mlに溶かした溶液を加えて、室温で4時間攪拌した。攪拌後、反応液を濾過して、析出したN,N’−ジシクロヘキシルカルボウレアを除去し、濾液をエバポレーターにより、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル15mlに溶解させ、濾過により不溶物を除去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した溶液を、エバポレーターにより溶媒を留去して白色固体を得た。これを、室温で1日間減圧乾燥し、生成物5.15gを得た(収率90.0%)。
ここで得られた生成物は、5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸であり、そのスペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示していた。
[5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸(C15H10O6)]
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):286.1(M+)
元素分析:理論値 C:62.94% H:3.52%
実測値 C:62.80% H:3.41%
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):286.1(M+)
元素分析:理論値 C:62.94% H:3.52%
実測値 C:62.80% H:3.41%
[5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸から5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリドの合成]
温度計およびジムロート冷却管を備えた500mLの4つ口フラスコに、上記で得た5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸5.15g(0.018mol)、1,2−ジクロロエタン100mL、塩化チオニル4.71g(0.040mol)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム4.1mg(0.00018mol)、を仕込み、3時間加熱還流した。溶液を熱時濾過し、溶媒を減圧濃縮後、ヘキサンを加え再結晶した。得られた固体を減圧乾燥することにより、生成物2.68gを得た(収率46%)。
温度計およびジムロート冷却管を備えた500mLの4つ口フラスコに、上記で得た5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸5.15g(0.018mol)、1,2−ジクロロエタン100mL、塩化チオニル4.71g(0.040mol)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム4.1mg(0.00018mol)、を仕込み、3時間加熱還流した。溶液を熱時濾過し、溶媒を減圧濃縮後、ヘキサンを加え再結晶した。得られた固体を減圧乾燥することにより、生成物2.68gを得た(収率46%)。
ここで得られた生成物は、5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリドであり、外観、1H−NMR,MS,元素分析のスペクトルデータはいずれも実施例1と一致し、同一化合物が得られたことを示していた。
[1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリクロリドから5−(3−ピリジルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリドの合成]
実施例1の5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリドの合成において、フェノールの代りに、3−ヒドロキシピリジン2.00gを使用する以外は実施例1と同様にして、5−(3−ピリジルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリド6.13gを得た。
実施例1の5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリドの合成において、フェノールの代りに、3−ヒドロキシピリジン2.00gを使用する以外は実施例1と同様にして、5−(3−ピリジルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリド6.13gを得た。
ここで得られた生成物は、5−(3−ピリジルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリドであり、そのスペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示していた。
[5−(3−ピリジルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリド(C14H7Cl2N1O4)]
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):323.0(M+)
元素分析:理論値 C:51.88% H:2.18% Cl:21.88% N:4.32%
実測値 C:51.50% H:2.21% Cl:21.99% N:4.32%
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):323.0(M+)
元素分析:理論値 C:51.88% H:2.18% Cl:21.88% N:4.32%
実測値 C:51.50% H:2.21% Cl:21.99% N:4.32%
[1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリクロリドから5−(8−キノリルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリドの合成]
実施例1の5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリドの合成において、フェノールの代りに、8−ヒドロキシキノリン3.05gを使用する以外は実施例1と同様にして、5−(8−キノリルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリド7.07gを得た。
実施例1の5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリドの合成において、フェノールの代りに、8−ヒドロキシキノリン3.05gを使用する以外は実施例1と同様にして、5−(8−キノリルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリド7.07gを得た。
ここで得られた生成物は、5−(8−キノリルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリドであり、そのスペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示していた。
[5−(8−キノリルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリド(C18H9Cl2N1O4)]
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):373.0(M+)
元素分析:理論値 C:57.78% H:2.42% Cl:18.95% N:3.74%
実測値 C:57.50% H:2.31% Cl:18.99% N:3.32%
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):373.0(M+)
元素分析:理論値 C:57.78% H:2.42% Cl:18.95% N:3.74%
実測値 C:57.50% H:2.31% Cl:18.99% N:3.32%
[9,9−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)−4−フルオレンカルボン酸クロリドから9,9−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)−4−フルオレンカルボン酸フェニルエステルの合成]
実施例1の5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリドの合成において、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリクロリドの代りに、9,9−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)−4−フルオレンカルボン酸クロリド10.62gを使用する以外は実施例1と同様にして、9,9−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)−4−フルオレンカルボン酸フェニルエステル10.65gを得た。
実施例1の5−(フェニルオキシカルボニル)イソフタル酸ジクロリドの合成において、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリクロリドの代りに、9,9−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)−4−フルオレンカルボン酸クロリド10.62gを使用する以外は実施例1と同様にして、9,9−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)−4−フルオレンカルボン酸フェニルエステル10.65gを得た。
ここで得られた生成物は、9,9−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)−4−フルオレンカルボン酸フェニルエステルであり、そのスペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示していた。
[9,9−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)−4−フルオレンカルボン酸フェニルエステル(C34H20Cl2O4)]
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):562.1(M+)
元素分析:理論値 C:72.48% H:3.58% Cl:12.58%
実測値 C:72.50% H:3.31% Cl:12.59%
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):562.1(M+)
元素分析:理論値 C:72.48% H:3.58% Cl:12.58%
実測値 C:72.50% H:3.31% Cl:12.59%
本発明によれば、反応性の高い活性エステル基を有する芳香族カルボン酸及びその酸塩化物誘導体を提供することができ、これらを原料として得られる芳香族ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂およびポリベンゾチアゾール樹脂などの樹脂は、更に耐熱性やその他の機能性を付与することが可能である。
Claims (6)
- 一般式(1)で表される、活性エステル基を有する芳香族カルボン酸。
- 一般式(3)で表される、活性エステル基を有する芳香族カルボン酸の酸塩化物誘導体。
- 一般式(4)で表される化合物と、一般式(5)で表されるヒドロキシピリジン、ヒドロキシキノリンまたはフェノール化合物とを、塩基の存在下で反応させることを特徴とする、一般式(3)で表される芳香族カルボン酸の酸塩化物誘導体の合成法。
- 一般式(6)で表される化合物と、一般式(5)で表されるヒドロキシピリジン、ヒドロキシキノリンまたはフェノール化合物とを反応させ、エステル化することを特徴とする、一般式(1)で表される芳香族カルボン酸の合成法。
- エステル化する反応が、縮合剤の存在下で行われる、請求項4に記載の芳香族カルボン酸の合成法。
- 一般式(1)で表される化合物を、塩素化剤で処理することを特徴とする、一般式(3)で表される芳香族カルボン酸の酸塩化物誘導体の合成法。
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WO2015141370A1 (ja) * | 2014-03-18 | 2015-09-24 | Dic株式会社 | 活性エステル樹脂、エポキシ樹脂組成物、その硬化物、プリプレグ、回路基板、及びビルドアップフィルム |
-
2003
- 2003-08-21 JP JP2003297990A patent/JP2005068049A/ja active Pending
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