JP2005066674A - フローはんだ付け装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 挿入実装部品が挿入された条件の異なるプリント基板に対して、最適な温度プロファイルを短時間で自動的に設定する。
【解決手段】 挿入実装部品4が搭載されたプリント基板5を搬送する搬送コンベア6と、この搬送コンベア6上のプリント基板5に溶融したはんだを塗布するためのフローはんだ槽7とを備えたフローはんだ付け装置1において、上記プリント基板5の表面積、厚さ、層数、耐熱温度、耐熱時間及び枚数等の条件に応じた上記搬送コンベア6上のプリント基板5の温度プロファイルが複数記憶され、入力された上記各条件に応じて最適な温度プロファイルを選択すると共に、選択された温度プロファイルに合わせて上記フローはんだ槽7の温度を調節する温度設定制御部8を備えた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フローはんだ付け装置、特にはんだ付けするプリント基板の最適な温度プロファイルを短時間で自動的に設定するように改良されたフローはんだ付け装置に関するものである。
図5に従来のフローはんだ付け装置を示す。
かかるフローはんだ付け装置51は、挿入実装部品54が搭載されたプリント基板55を搬送する搬送コンベア56と、この搬送コンベア56上のプリント基板55にはんだを塗布するフローはんだ槽57とを備えている。搬送コンベア56は、複数の搬送室52に区画された搬送路53に設けられている。
フローはんだ付け装置51のプリント基板55搬送方向上流側には、プリント基板55をフローはんだ付け装置51に搬入するための搬入コンベア58と、プリント基板55にフラックスを塗布するフラックス噴霧装置59とが設けられている。フローはんだ付け装置51のプリント基板55搬送方向下流側には、搬出コンベア61が設けられている。
上記各装置でフローはんだ付けを行うに際しては、予めプリント基板55のはんだ付け以外の部分にはんだが付着しないように、パレットや耐熱テープ等でマスキングを行った後、コンデンサ62、コネクタ63やLED64等の挿入実装部品54をプリント基板55に挿入・搭載しておく。そして、プリント基板55を搬入コンベア58に載置し、フラックス噴霧装置59内を通過させて、プリント基板55の裏面にフラックスを塗布する。
その後、表面に挿入実装部品54が挿入・搭載され、裏面にフラックスが塗布されたプリント基板55は、搬送コンベア56に載置されて、フローはんだ付け装置51内をフローはんだ槽57側へと移動しながら、フローはんだ槽57の熱によって徐々に昇温する。そして、フローはんだ槽57内で溶融しているはんだをポンプ(図示せず)にて噴流させて、プリント基板55をフローはんだ槽57上を通過させることで、噴流している溶融はんだをプリント基板55に塗布する。その後、塗布されたはんだは、搬送コンベア56上のプリント基板55と共に温度が下がり固まる。
ところで、プリント基板55に応じて好適なはんだ付けを行うために、プリント基板55の温度プロファイル及び搬送コンベア56の搬送速度を最適なものに決定する必要がある。しかし、搬送コンベア56の搬送速度は、あまり変えることができないので、特に温度プロファイルの決定が重要となる。
従来は、上記温度プロファイルを決定するために、プリント基板55の面積、厚さ及び層数に応じて予め決定された複数の温度プロファイルの中から選択するか、或いはプリント基板55のはんだ付けを行う前に、温度プロファイルチェッカ(図示せず)とサンプル基板(図示せず)を用いて数回に亘って基板を測定しながら、温度プロファイルを最適なものに設定するようになっていた。
しかしながら、上述した従来のフローはんだ付け装置51では、プリント基板55の面積、厚さ及び層数に応じて予め決定された複数の温度プロファイルの中から好適な温度プロファイルを選択しているため、温度プロファイルの選択肢が少なく、また、プリント基板55の条件も細かく設定されないので、実際のプリント基板55通りにデータを入力できない。従って、必ずしも最適な温度プロファイルが得られる訳ではなく、品質管理上の問題が発生していた。
そのため、実際は、プリント基板55のはんだ付けを行う前に、温度プロファイルチェッカとサンプル基板を用いて数回に亘って温度プロファイルを測定しながら、上記選択した温度プロファイルを最適なものに設定することが多く、この場合、温度プロファイルの設定に膨大な時間を要するといった問題があった。
また、実際のプリント基板55をフローはんだ付け装置51にて、はんだ付けしたときに、温度プロファイルがどのようになっているのか確認することができないという問題もあった。
そこで本発明は、上記課題を解決すべく案出されたものであり、その目的は、挿入実装部品が挿入された条件の異なるプリント基板に対して、最適な温度プロファイルを短時間で自動的に設定できるフローはんだ付け装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、挿入実装部品が搭載されたプリント基板を搬送する搬送コンベアと、この搬送コンベア上のプリント基板に溶融したはんだを塗布するためのフローはんだ槽とを備えたフローはんだ付け装置において、上記プリント基板の表面積、厚さ、層数、耐熱温度、耐熱時間及び枚数等の条件に応じた上記搬送コンベア上のプリント基板の温度プロファイルが複数記憶され、入力された上記各条件に応じて最適な温度プロファイルを選択すると共に、選択された温度プロファイルに合わせて上記フローはんだ槽の温度を調節する温度設定制御部を備えたものである。
そして、上記温度設定制御部が、上記プリント基板の表面積、厚さ、層数、耐熱温度、耐熱時間及び枚数等を入力する入力装置と、入力された上記各種条件に応じて上記搬送コンベア上のプリント基板の温度プロファイルを選択するマイクロコンピュータとを備えたものが好ましい。
また、上記温度設定制御部に、上記プリント基板の搬送路の実測温度と上記温度プロファイルによる設定温度とを表示する温度表示部を設けたものが好ましい。
本発明によれば、温度プロファイル決定のための入力条件(パラメータ)を多く採ったことにより、より高精度な温度プロファイルを得ることができ、従来のように、温度プロファイルのチェック測定を行う必要が無く、最適な温度プロファイルを短時間で自動的に設定できる。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図2に示すように、本実施の形態に係るフローはんだ付け装置1は、挿入実装部品4が搭載されたプリント基板5を搬送する搬送コンベア6と、この搬送コンベア6上のプリント基板5にはんだを塗布するためのフローはんだ槽7とを備えている。
フローはんだ付け装置1のプリント基板5搬送方向上流側には、プリント基板5をフローはんだ付け装置1に搬入するための搬入コンベア10と、プリント基板5にフラックスを塗布するフラックス噴霧装置9とが設けられている。フローはんだ付け装置1のプリント基板5搬送方向下流側には、搬出コンベア11が設けられている。
搬送コンベア6は、フローはんだ付け装置1内で長手方向に延びる搬送路3内に設けられている。搬送路3は、複数、例えば4箇所に分割されて搬送室2が形成されている。各搬送室2間の隔壁(図示せず)には、搬送コンベア6及びプリント基板5が通過するための貫通穴(図示せず)がそれぞれ設けられている。各搬送室2内の搬送コンベア6の近傍には、搬送コンベア6上の雰囲気温度を測定する温度計(図示せず)が設けられている。この温度計は後述する温度設定制御部8に電気的に接続されており、その計測値は、温度設定制御部8に入力されるようになっている。
フローはんだ槽7は、プリント基板5搬送方向上流側から三番目の搬送室2の下部に設けられている。フローはんだ槽7は、はんだを溶融する溶融槽18と、溶融したはんだを搬送室2内に噴霧する噴霧装置19とを備えている。噴霧装置19は、搬送コンベア6の搬送方向に沿って複数(本実施の形態では2箇所)設けられている。
ところで、本実施の形態に係るフローはんだ付け装置1は、はんだ付けされるプリント基板5の表面積、厚さ、層数、耐熱温度、耐熱時間及び枚数等の条件に応じたプリント基板5の温度プロファイルが複数記憶され、入力された上記各条件に応じて最適な温度プロファイルを選択すると共に、選択された温度プロファイルに合わせて上記フローはんだ槽7の温度を調節する温度設定制御部8を備えたことを特徴とする。
図1に示すように、温度設定制御部8には、プリント基板5の表面積(長さ×幅)、厚さ、層数、耐熱温度、耐熱時間及び枚数等を入力する入力装置11と、入力された上記各種条件に応じてフローはんだ槽7の温度プロファイルを選択するマイクロコンピュータ(図示せず)とが設けられている。入力装置11は、各条件を入力するための数値入力キーボード12と、入力された各数値を表示する表示部13とで構成されている。マイクロコンピュータは、各条件の組合せ毎に最適な温度プロファイルを予め多数記憶しており、入力装置11で入力された条件に応じた温度プロファイルを選択するようになっている。
各条件の組合せ毎に最適な温度プロファイルは、予め搬送コンベア6上のプリント基板5の温度を実測してデータを採取しておき、マイクロコンピュータに記録した各条件と温度プロファイルとを比較して、各入力条件での最適温度プロファイルを選択する。なお、各入力条件に適合しないプリント基板5の場合には、ファジー理論(特開平8−222847号公報参照)等を採用したプログラムを駆使して、プリント基板5の各条件を入力したときに、自動的に最適な温度プロファイルを推定計算して設定できるように構成してもよい。
温度設定制御部8は、フローはんだ槽7の溶融槽18に設けられた加熱装置(図示せず)に電気的に接続されており、選択された温度プロファイルに応じて溶融槽18を所望の温度に加熱するようになっている。
温度設定制御部8には、各搬送室2内に設けられた温度計から入力される搬送室2内の実測温度(図1中、細線にて示す)Bと、選択された温度プロファイルによる設定温度(図1中、太線にて示す)Aとを表示する温度表示部14が設けられている。
上記構成のフローはんだ付け装置1でフローはんだ付けを行うに際しては、まず、入力装置11によって、プリント基板5の各条件(面積(長さ×幅)、厚さ、層数等の数値)を入力する。そして、挿入実装部品4の点数を入力し、挿入された挿入実装部品4の中で、熱に対する使用制限がある場合には、部品の耐熱温度と耐熱時間を入力する。これら入力は全て数値入力キーボード12で行う。
一方、予めプリント基板5のはんだ付け以外の部分にはんだが付着しないように、パレットや耐熱テープ等でマスキングを行った後、コンデンサ15、コネクタ16やLED17等の挿入実装部品4をプリント基板5に挿入・搭載しておく。そして、プリント基板5を搬入コンベア10に載置し、フラックス噴霧装置9内を通過させて、プリント基板5の裏面にフラックスを塗布する。
その後、表面に挿入実装部品4が挿入・搭載され、裏面にフラックスが塗布されたプリント基板5は、搬送コンベア6に載置されて、フローはんだ付け装置1内をフローはんだ槽7側へと移動しながら、フローはんだ槽7の熱によって徐々に昇温する。そして、フローはんだ槽7内で溶融しているはんだを噴霧装置19にて噴流させて、プリント基板5をフローはんだ槽7上を通過させることで、噴流している溶融はんだを塗布する。その後、塗布されたはんだは、フローはんだ槽7から離反する方向へと移動する搬送コンベア6上のプリント基板5と共に温度が下がり固まる。
本発明によれば、上記温度プロファイルを、はんだ付けされるプリント基板5の表面積、厚さ、層数、耐熱温度、耐熱時間及び枚数等の条件に応じて複数記憶されたプリント基板5の温度プロファイルから、入力された上記各条件に応じて最適な温度プロファイルを選択するようになっている。すなわち、温度プロファイル決定のための入力条件(パラメータ)を多く採ったことにより、より高精度な温度プロファイルを選択して得ることができ、従来のように、温度プロファイルのチェック測定を行う必要が無く、最適な温度プロファイルを短時間で自動的に設定できる。さらに挿入実装部品4の耐熱性も考慮しているので、挿入実装部品4が損傷することはない。
また、入力条件に適合しないプリント基板5の場合(プリント基板5に適合する温度プロファイルがない場合)であっても、ファジー理論等を採用したプログラムを駆使して、プリント基板5の各条件を入力したときに、自動的に最適な温度プロファイルを推定計算して設定できるように構成すれば、上述のように温度プロファイルのチェック測定を行う必要が無く、最適な温度プロファイルを短時間で自動的に設定できる。
ここで実際に、多種のプリント基板5をはんだ付けして、その状態を確認したところ、図3に示すように、全てのプリント基板5の全てのはんだ付け箇所21が良好なはんだ付け状態であり、プリント基板製品全体の品質を保証できるようになった。
ここで、図4に示した温度プロファイルの一例について説明する。
図4のグラフの横軸はプリント基板5が搬送路3に搬入されてからの時間経過を示し、縦軸は搬送コンベア6で搬送されるプリント基板5の温度を示す。
搬送コンベア6上のプリント基板5は、1〜3分かけて、フローはんだ槽7上部まで移動する。このとき、プリント基板5は、フローはんだ槽7からの放射熱によって徐々に加熱され、フローはんだ槽7上の搬送室2内まで移動したときに183℃を超える。このとき、フローはんだ槽7の温度は、選択された温度プロファイルによって決定されており、その温度に応じてプリント基板5が設定温度まで加熱される。そして、噴霧装置19で溶融したはんだが噴霧されたとき(一回目)にプリント基板5の温度が250℃を超える。ここで、はんだは荒めにプリント基板5に付着する。その3〜6秒後に再度はんだが噴霧されてプリント基板5の温度が再度250℃を超える。ここで、はんだは二度塗りされて整えられ、きれいにプリント基板5に付着する。
その後、塗布されて付着したはんだは、搬送コンベア6上のプリント基板5と共に温度が下がり固まる。
このとき、各搬送室2内に温度計を設けてこれで測定された温度と、設定された温度プロファイルの温度とを温度表示部14で表示しているので、温度プロファイルがどのようなものであるかと、設定された温度プロファイルに沿ってプリント基板5の温度が推移しているかとを確認することができる。従って、プリント基板5のはんだ付けの精度向上を確認することができる。
なお、上記実施の形態では、温度設定制御部8が選択された温度プロファイルに応じてフローはんだ槽7の温度を調整するようになっているが、これに限られるものではなく、フローはんだ槽7の温度調整と共に、搬送コンベア6の搬送速度やフローはんだ槽7からの距離を調整することによって、搬送コンベア6上のプリント基板5の温度を変化させるようにしても良い。
また、温度設定制御部8をコンピュータに接続して、プリント基板5の面積(長さ×幅)、厚さ、層数、挿入実装部品4の点数、それらの耐熱温度、耐熱時間、さらにはプリント基板5の材質を、温度設定制御部8からコンピュータに送信して、コンピュータでシミュレーションを行って最適な温度分布(温度プロファイル)を決定できるように構成してもよい。そのとき、コンピュータにプリンタやモニタを接続して、フローはんだ付け装置1の温度分布をプリント或いはモニタリングするようにしてもよい。
1 フローはんだ付け装置
4 挿入実装部品
5 プリント基板
6 搬送コンベア
7 フローはんだ槽
8 温度設定制御部
11 入力装置
14 温度表示部
4 挿入実装部品
5 プリント基板
6 搬送コンベア
7 フローはんだ槽
8 温度設定制御部
11 入力装置
14 温度表示部
Claims (3)
- 挿入実装部品が搭載されたプリント基板を搬送する搬送コンベアと、この搬送コンベア上のプリント基板に溶融したはんだを塗布するためのフローはんだ槽とを備えたフローはんだ付け装置において、上記プリント基板の表面積、厚さ、層数、耐熱温度、耐熱時間及び枚数等の条件に応じた上記搬送コンベア上のプリント基板の温度プロファイルが複数記憶され、入力された上記各条件に応じて最適な温度プロファイルを選択すると共に、選択された温度プロファイルに合わせて上記フローはんだ槽の温度を調節する温度設定制御部を備えたことを特徴とするフローはんだ付け装置。
- 上記温度設定制御部が、上記プリント基板の表面積、厚さ、層数、耐熱温度、耐熱時間及び枚数等を入力する入力装置と、入力された上記各種条件に応じて上記搬送コンベア上のプリント基板の温度プロファイルを選択するマイクロコンピュータとを備えた請求項1記載のフローはんだ付け装置。
- 上記温度設定制御部に、上記プリント基板の搬送路の実測温度と上記温度プロファイルによる設定温度とを表示する温度表示部を設けた請求項1または2記載のフローはんだ付け装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003302651A JP2005066674A (ja) | 2003-08-27 | 2003-08-27 | フローはんだ付け装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003302651A JP2005066674A (ja) | 2003-08-27 | 2003-08-27 | フローはんだ付け装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005066674A true JP2005066674A (ja) | 2005-03-17 |
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ID=34406873
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003302651A Pending JP2005066674A (ja) | 2003-08-27 | 2003-08-27 | フローはんだ付け装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005066674A (ja) |
-
2003
- 2003-08-27 JP JP2003302651A patent/JP2005066674A/ja active Pending
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