JP2005066487A - 液体吐出方法及び液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属微粒子のコロイド溶液をヘッドから吐出する場合でも、ヘッド周辺に投光してもヘッドに目詰まりが発生しないようにすること。
【解決手段】液体吐出装置101は、金属微粒子コロイド溶液をノズル110の先端から基材102に向かって吐出する液体吐出ヘッド103と、液体吐出ヘッド103の吐出電極107に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段104と、ノズル110の先端周辺に投光する光源114と、ノズル110の先端周辺を撮影する撮影装置115と、撮影装置115で撮影された映像を表示する表示装置116と、を備える。光源114の光の最大分光強度における波長が、前記コロイド溶液のプラズモン吸収に起因した最大分光吸収度における波長を含む波長帯域であって前記コロイド溶液の分光吸収度が最大分光吸収度の1/2以上最大分光吸収度以下となる波長帯域から外れている。
【選択図】図11

Description

本発明は、ヘッドの吐出口からコロイド溶液を吐出する液体吐出装置及びそれを用いた液体吐出方法に関する。
従来のインクジェット記録方式としては、圧電素子の振動によりインク流路を変形させることによりインク液滴を吐出させるピエゾ方式、インク流路内に発熱体を設け、その発熱体を発熱させて気泡を発生させ、気泡によるインク流路内の圧力変化に応じてインク液滴を吐出させるサーマル方式、インク流路内のインクを帯電させてインクの静電吸引力によりインク液滴を吐出させる静電吸引方式が知られている。
また、従来の静電吸引方式のインクジェットプリンタとして、例えば特許文献1、特許文献2に記載のものが挙げられる。特許文献1、特許文献2の何れのインクジェットプリンタでも、インクの吐出を行うヘッドに吐出電極が設けられており、ヘッドから所定間隔を離れた位置には、接地された対向電極が対向配置されており、この対向電極とヘッドとの間に用紙等の記録媒体が搬送される。そして、吐出電極に電圧を印加することによってインクに帯電させて、ヘッドから対向電極に向かってインクが吐出する。
また、インクジェットプリンタは、用紙等の記録媒体に向けてインクをヘッドから吐出することで記録媒体に画像を記録することの他、インクの代わりに導電性ペーストを回路基板に向けてヘッドから吐出することで回路基板に回路配線を形成することにも用いられている(例えば、特許文献3参照。)。導電性ペーストとしては、金、銀、銅等の金属微粒子を分散させたコロイド溶液を用いることが一般的である。
また、インクジェットプリンタを自動制御すること、インクジェットプリンタの動作を確認すること等を目的として、ヘッドから吐出されるインク、導電性ペーストの状態、記録媒体や回路基板に着弾したインクや導電性ペーストの状態、ヘッドの状態等についてインクジェットプリンタの動作中に検査する必要がある。導電性ペーストの状態等を検査するためには光学的に行うのが一般的である(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照。)。つまり、インク、導電性ペースト、記録媒体、回路基板、ヘッドからの反射光・透過光を撮像素子、光センサ、眼球等によって受光することにより、導電性ペースト等の状態を検査する。
特開平8−238774号公報 特開2000−127410号公報 特表2003−518332号公報 特開2003−127392号公報 特開2003−57440号公報
ところで、導電性ペースト等の状態を光学的に検査するためには光が必要であり、暗所(可視光のみならず、紫外線、赤外線等の他の波長域の光が無い場所も含む。)では導電性ペースト等の状態を光学的に検知することができない。そのためヘッドの周辺に投光する必要があるが、金属微粒子のコロイド溶液をヘッドから吐出する場合には、光が原因でヘッドの目詰まりを引き起こすことがある。
そこで、本発明は、上記のような問題点を解決しようとしてなされたものであり、金属
微粒子のコロイド溶液をヘッドから吐出する場合でも、ヘッド周辺に投光してもヘッドに目詰まりが発生しないようにすることを目的とする。
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明のように、吐出口を有するヘッドに対向した基材に向けて、金属微粒子を含有したコロイド溶液を前記ヘッドにより前記吐出口から吐出する液体吐出方法であって、前記ヘッド周辺に投光するとともに、その光の最大分光強度(以下、最大分光強度Emaxという。)における波長(以下、最大強度スペクトル波長という。)が、前記コロイド溶液のプラズモン吸収に起因した最大分光吸収度における波長(以下、最大吸光スペクトル波長という。)を含む波長帯域であって前記コロイド溶液の分光吸収度が最大分光吸収度の1/2以上最大分光吸収度以下となる波長帯域(以下、半値帯域という。)から外れていることを特徴とする液体吐出方法を提供する。
請求項10に記載の発明のように、吐出口を有するヘッドに対向した基材に向けて、金属微粒子を含有したコロイド溶液を前記ヘッドにより前記吐出口から吐出する液体吐出装置であって、前記ヘッド周辺に向けて光を発する光源を備え、前記光源から発する光の最大分光強度(以下、最大分光強度Emaxという。)における波長(以下、最大強度スペクトル波長という。)が、前記コロイド溶液のプラズモン吸収に起因した最大分光吸収度における波長(以下、最大吸光スペクトル波長という。)を含む波長帯域であって前記コロイド溶液の分光吸収度が最大分光吸収度の1/2以上最大分光吸収度以下となる波長帯域(以下、半値帯域という。)から外れていることを特徴とする液体吐出装置を提供する。
なお、「基材」とは吐出されたコロイド溶液の着弾を受ける対象物をいい材質的には特に限定されない。基材はガラス、金属、ポリイミド樹脂、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリアリレート、ポリカーボネート又はポリエーテルサルファン等から形成したものでも良いし、これらの積層体であっても良い。また、例えば、上記構成をインクジェットプリンタに適応した場合には、用紙やシート等の記録媒体が基材に相当し、金属微粒子で回路配線を形成する場合には、回路配線が形成されるべきベースが基材に相当することとなる。
また、「最大分光強度」とは、吐出口周辺に当てる光の強度をスペクトル分布で表した場合に最大となる強度をいい、その最大強度における波長を「最大強度スペクトル波長」とをいう。
また、「プラズモン吸収」とは、金属微粒子を含有したコロイド溶液が紫外線から近赤外線の波長帯域において光を吸収するがそのように光を吸収することをいう。
また、「最大分光吸収度」とは、プラズモン吸収に起因した金属微粒子コロイド溶液の吸光度をスペクトル分布で表した場合に最大となる吸光度をいい、その最大吸光度における波長を「最大吸光スペクトル波長」という。
本発明は、コロイド溶液中の金属微粒子はプラズモン吸収により表面に電荷が現れるため、プラズモン吸収を起こした金属微粒子の表面状態がプラズモン吸収を起こしていない金属微粒子の表面状態とは異なるという知見に基づく。
即ち、金属微粒子のコロイド溶液に光が入射するとプラズモン吸収が起こるので、吐出口の目詰まりが発生するが、金属微粒子のコロイド溶液に光が入射しなければ、コロイド溶液のプラズモン吸収が起こらないので、吐出口の目詰まりが発生しない。つまり、請求項1、10に記載に記載された波長の光をヘッドに当てた場合でも、吐出口に存するコロ
イド溶液にプラズモン吸収が発生することを抑えることができる。
好ましくは、請求項2、11に記載の発明のように、前記光の最大強度スペクトル波長と前記コロイド溶液の最大吸光スペクトル波長との差の絶対値が100nmを越えると良い。
このようにすれば、吐出口に存するコロイド溶液にプラズモン吸収が発生することをさらに良く抑えることができる。
好ましくは、請求項3、4、12、13に記載の発明のように、半値帯域内での前記光源から発する光の最大分光強度が、前記光源から発する光の最大分光強度Emaxの40%以下、さらに好ましくは前記光源から発する光の最大分光強度Emaxの10%以下であると良い。
このようにすれば、吐出口に存するコロイド溶液にプラズモン吸収が発生することをさらに良く抑えることができる。
請求項5に記載の発明のように、請求項1から4の何れか一項に記載の液体吐出方法であって、前記ヘッドには吐出電極を設け、前記吐出電極に電圧を印加することで発生した電界によって前記コロイド溶液を前記吐出口から前記基材に向けて吐出する液体吐出方法を提供する。
請求項14に記載の発明のように、請求項10から13の何れか一項に記載の液体吐出装置であって、前記ヘッドに設けられた吐出電極と、前記吐出電極に電圧を印加する電圧印加手段と、を更に具備し、前記電圧印加手段が前記吐出電極に電圧を印加することで発生した電界によって前記コロイド溶液を前記吐出口から前記基材に向けて吐出する液体吐出装置を提供する。
このようにすれば、吐出口の直径を25μm以下、更には10μm以下に形成した場合でも、吐出口からコロイド溶液を吐出することができる。
好ましくは、請求項6〜9、15〜18に記載の発明のように、前記吐出口の直径が、25μm以下、さらに好ましくは20μm未満、さらに好ましくは8μm以下、さらに好ましくは4μm以下であると良い。
なお、吐出口の形状は円形に限定されるものではない。例えば、吐出口の断面形状が多角形、星形その他の形状である場合には、その形状の外接円の直径を吐出口の直径とする。また、吐出口の直径は0.2[μm]より大きい方が望ましい。吐出口の直径を0.2[μm]より大きくすることで、液滴の帯電効率を向上させることができるので、液滴の吐出安定性を向上させることができる。ヘッドの吐出口が形成された位置から500[μm]離して基材を対向配置することが、吐出口を微小にした場合でも高い着弾精度を得ることができるので好ましい。また、ヘッド内に存する液体に圧力を印加するように構成することが好ましい。
なお、請求項5、請求項14に記載の発明において、次のようにすることが好ましい。(1) ヘッドの吐出口を形成した部分を電気絶縁材で形成するとともに吐出口内に吐出電極を挿入し又は当該吐出電極として機能するメッキ形成を行うことが好ましい。
(2) ヘッドの吐出口を形成した部分を電気絶縁材で形成し、吐出口内に電極を挿入或いは電極としてのメッキを形成すると共にヘッドの外側にも吐出用の電極を設けることが好ましい。
ヘッドの外側の吐出用電極は、例えば、吐出口周辺の端面或いは、吐出口周辺の側面の全周若しくは一部に設けられる。
(1)及び(2)により、吐出力を向上させることができるので、吐出口の直径をさらに微小化しても、低電圧で液滴を吐出することができる。
(3) 基材を導電性材料または絶縁性材料により形成することが好ましい。
(4) 吐出電極に印加される吐出電圧Vは次式(1)の範囲を満足することが好ましい。
Figure 2005066487
ただし、γ:コロイド溶液の表面張力[N/m]、ε0:真空の誘電率[F/m]、d:吐出口の直径[m]、h:吐出口−基材間距離[m]、k:ヘッドの吐出口を形成した部分の形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
(5) 吐出電極に印加する吐出電圧が1000[V]以下であることが好ましい。
吐出電圧の上限値をこのように設定することにより、吐出制御を容易とすると共に装置の耐久性の向上及び安全対策の実行により確実性の向上を容易に図ることが可能となる。(6) 吐出電極に印加する吐出電圧が500[V]以下であることが好ましい。
吐出電圧の上限値をこのように設定することにより、吐出制御をより容易とすると共に装置の耐久性のさらなる向上及び安全対策の実行により確実性のさらなる向上を容易に図ることが可能となる。
(7) 吐出口と基材との距離が500[μm]以下とすることが、吐出口の直径を微小にした場合でも高い着弾精度を得ることができるので好ましい。
(8) 吐出口内のコロイド溶液に圧力を印加するように構成することが好ましい。
(9) 単一パルスによって吐出する場合、
Figure 2005066487
により決まる時定数τ以上のパルス幅Δtを印加する構成としても良い。ただし、ε:溶液の誘電率[F/m]、σ:溶液の導電率[S/m]とする。
請求項1、10に記載の発明のようにすれば、ヘッド周辺に光を当てても、吐出口に存する金属微粒子コロイド溶液に光が入射しても、コロイド溶液のプラズモン吸収を抑えることができる。そのため、吐出口が詰まることを防止することができ、コロイド溶液の吐出不良及び不吐出の発生を抑えることができる。
また、ヘッド周辺に投光しているため、その周囲が明るくなり、吐出口周辺の状態を光学センサで検知したり、吐出口の周辺を撮影装置で撮影したり、吐出口周辺を観察したりすることができる。更には、吐出口から吐出されるコロイド溶液の状態を光学センサで検知したり、撮影装置で撮影したり、観察したりすることができる。
請求項2、3、4、11、12、13に記載の発明のようにすれば、吐出口の目詰まりを更に良く抑えることができる。
請求項5、14に記載の発明のようにすれば、吐出口の直径を微小径としても、吐出口から液体を吐出することができる。また、吐出口の直径が微小径になると、プラズモン吸
収に起因して吐出口に目詰まりが発生しやすくなるが、光の波長域がコロイド溶液にプラズモン吸収を発生させないような波長域となっているため、微小径な吐出口であっても目詰まりの発生を抑えることができる。
請求項6、15に記載の発明のようにすれば、吐出電極に電圧を印加する場合において、電界強度分布が狭くなることにより、電界を集中させることができる。その結果、形成される液滴を微小で且つ形状の安定化したものとすることができると共に、総印加電圧を低減することができる。また、液滴は、吐出口から吐出された直後、電界と電荷の間に働く静電力により加速されるが、吐出口から離れると電界は急激に低下するので、その後は、空気抵抗により減速する。しかしながら、微小液滴でかつ電界が集中した液滴は、基材に近づくにつれ、鏡像力により加速される。この空気抵抗による減速と鏡像力による加速とのバランスをとることにより、微小液滴を安定に飛翔させ、着弾精度を向上させることが可能となる。
請求項7、8、9、16、17、18に記載の発明のようにすれば、吐出電極に電圧を印加する場合において、さらに電界を集中させることが可能となり、さらなる液滴の微小化と、飛翔時に基材の距離の変動が電界強度分布に影響することを低減させることができるので、基材の位置精度や特性の液滴形状への影響や着弾精度への影響を低減することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
以下の実施形態で説明する静電吸引型液体吐出装置に備わったノズルの先端に形成された吐出口の直径(以下、ノズル径とも称す。)は、25[μm]以下であるのが好ましく、さらに好ましくは20[μm]未満、さらに好ましくは8[μm]以下、さらに好ましくは4[μm]以下とすることが好ましい。また、吐出口の直径は、0.2[μm]より大きいことが好ましい。以下、吐出口の直径と電界強度との関係について、図1〜図6を参照しながら以下に説明する。図1〜図6に対応して、吐出口の直径をφ0.2,0.4,1,8,20[μm]及び参考として従来にて使用されている吐出口の直径がφ50[μm]である場合の電界強度分布を示す。
ここで、各図において、ノズル中心位置とは、ノズル先端の吐出口の液体吐出面の中心位置を示す。また、各々の図の(a)は、ノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。なお、印加電圧は、各条件とも200[V]と一定にした。図中の分布線は、電荷強度が1×106[V/m]から1×107[V/m]までの範囲を示している。
図7に、各条件下での最大電界強度を示す図表を示す。
図1〜図6から、吐出口の直径がφ20[μm](図5)以上だと電界強度分布は広い面積に広がっていることが分かった。また、図7の図表から、ノズルと対向電極の距離が電界強度に影響していることも分かった。
これらのことから、吐出口の直径がφ8[μm](図4)以下であると電界強度は集中すると共に、対向電極の距離の変動が電界強度分布にほとんど影響することがなくなる。従って、吐出口の直径がφ8[μm]以下であれば、対向電極の位置精度及び基材の材料特性のバラ付きや厚さのバラツキの影響を受けずに安定した吐出が可能となる。
次に、ノズルに形成された吐出口の直径とノズルの先端位置に液面があるとした時の最大電界強度との関係を図8に示す。なお、図8において、ノズル径とは、吐出口の直径を指す。
図8に示すグラフから、吐出口の直径がφ4[μm]以下になると、電界集中が極端に大きくなり最大電界強度を高くすることができるのが分かった。これによって、液体の初期吐出速度を大きくすることができるので、液滴の飛翔安定性が増すと共に、ノズル先端部での電荷の移動速度が増すために吐出応答性が向上する。
続いて、吐出した液滴における帯電可能な最大電荷量について、以下に説明する。液滴に帯電可能な電荷量は、液滴のレイリー分裂(レイリー限界)を考慮した以下の(3)式で示される。
Figure 2005066487
ここで、qはレイリー限界を与える電荷量[C]、ε0は真空の誘電率[F/m]、γは液体の表面張力[N/m]、d0は液滴の直径[m]である。
上記(3)式で求められる電荷量qがレイリー限界値に近いほど、同じ電界強度でも静電力が強く、吐出の安定性が向上するが、レイリー限界値に近すぎると、逆にノズルの液体吐出孔で液体の霧散が発生してしまい、吐出安定性に欠けてしまう。
ここで、ノズルに形成された吐出口の直径とノズル先端部で吐出する液滴が飛翔を開始する吐出開始電圧、該初期吐出液滴のレイリー限界での電圧値及び吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比との関係を示すグラフを図9に示す。なお、図9において、ノズル径とは、吐出口の直径を指す。
図9に示すグラフから、吐出口の直径がφ0.2[μm]からφ4[μm]の範囲において、吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比が0.6を超え、液滴の帯電効率が良い結果となっており、該範囲において安定した吐出が行えることが分かった。
例えば、図10に示す吐出口の直径とノズル先端部の強電界(1×106[V/m]以上)の領域の関係で表されるグラフでは、吐出口の直径がφ0.2[μm]以下になると電界集中の領域が極端に狭くなることが示されている。このことから、吐出する液滴は、加速するためのエネルギーを十分に受けることができず飛翔安定性が低下することを示す。よって、吐出口の直径はφ0.2[μm]より大きく設定することが好ましい。なお、図10において、ノズル径とは、ノズルに形成された吐出口の直径を指す。
以下、本発明を適用した静電吸引型液体吐出装置101について図11を用いて説明する。ここで、図11は静電吸引型液体吐出装置101の要部を示した図面である。図11において、静電吸引型液体吐出装置101に備わる液体吐出ヘッド103を破断して示し、周辺機器・周辺回路も図11に図示する。
図11に示すように、この静電吸引型液体吐出装置101は、帯電可能な液体(詳細には後述するが、金属微粒子のコロイド溶液)をノズル110の先端から基材102に向かって吐出する液体吐出ヘッド103と、電圧による信号で液体吐出ヘッド103を駆動することによって液体吐出ヘッド103に吐出動作を行わせるための吐出電圧印加手段104と、ノズル110の先端周辺に投光する光源114と、ノズル110の先端周辺を撮影する撮影装置115と、撮影装置115で撮影された映像を表示する表示装置116と、を備える。
(基材)
基材102は液体吐出ヘッド103に対向配置されている。この基材102の電気的特性は特に限定されず、絶縁体であっても良いし、半導体であっても良いし、導電体であっても良い。また、基材102の形状も特に限定されず、平板状であっても良いし、円盤状であっても良いし、シート状であっても良いし、円筒状であっても良いし、台状であっても良い。
また、基材102が導電体である場合に、その基材102にアース、配線、電極等が接することで、液体吐出ヘッド103に対向した対向電極として基材102を機能させても良い。その場合、基材102に所定レベルの電圧が印加されていても良いし、基材102が接地されていても良い。
また、液体吐出ヘッド103に対向する対向電極を設置し、その対向電極に基材102を載置することで基材102を液体吐出ヘッド103に対向配置しても良い。その対向電極に所定レベルの電圧が印加されていても良いし、その対向電極が接地されていても良い。更には、液体吐出ヘッド103に対向する絶縁性の台を設置し、その台に基材102を載置することで基材102を液体吐出ヘッド103に対向配置しても良い。
静電吸引型液体吐出装置101をインクジェットプリンタに適用した場合、用紙、プラスチックフィルム、シート材等の記録媒体が基材102に相当する。基材102がシート状を呈している場合には、基材102の液体吐出ヘッド103に向いた面の反対面に接して基材102を支えるプラテン等の支持部材を液体吐出ヘッド103に対向するように設けると良いが、この場合には支持部材が絶縁体であっても良いし、導電体であっても良いし、半導体であっても良い。支持部材が導電体の場合には、その支持部材に所定レベルの電圧が印加し又はその支持部材を接地することによって、支持部材を対向電極として機能させても良い。
また、この静電吸引型液体吐出装置101に、液体吐出ヘッド103による液体の吐出方向に交差する面に沿わして基材102を移動させる基材移動機構を設けると良い。特に、基材移動機構は、液体の吐出方向に直交する面(以下、直交面という。)に沿わして基材102を移動させる構成をしていると良いが、直交面内でも直交する二方向に基材102を移動させることによって基材102を直交面に沿わして移動させる構成としても良い。また、基材移動機構は直交面内でも一方向にのみ基材102を移動させる構成をしても良いが、このような基材移動機構はインクジェットプリンタにおいて記録媒体を搬送する搬送機構として用いられる。
(液体吐出ヘッド)
液体吐出ヘッド103は、図11において最も上層に位置するとともにベースとなる基板105と、基板105に積層されるとともに供給路109を形成した絶縁樹脂層106と、絶縁樹脂層106に積層された吐出電極107と、吐出電極107に積層されるとともにノズル110を形成したノズルプレート108と、を具備する。
基板105は、シリコン、絶縁性の高い樹脂又はセラミックから平板状に形成されたものである。基板105上に絶縁樹脂層106が形成されているが、絶縁樹脂層106はフォトレジスト法により形状加工されたものである。つまり、基板105上に感光性樹脂層をべた一面に成膜し、供給路109及び液室111のパターンに従ってその感光性樹脂層を露光・現像することにより供給路109及び液室111の部分を感光性樹脂層から除去すると、形状加工された絶縁樹脂層106が形成される。この液室111には、液体が供給路109を通じて図示しないピエゾ素子等からなるポンプによって供給されるようになっている。このポンプは、後述するノズル110の先端部まで液体を供給し、当該先端部からこぼれ出さない範囲の供給圧力を維持して液体の供給を行うようになっている。なお、液体は、ポンプによって液室111に供給される前にタンクに貯留されている。
絶縁樹脂層106には、導電性素材(例えば、NiP)の吐出電極107が形成されており、吐出電極107の液室111に対応した部分には液室111にまで通じる流路口107aが形成されている。また、吐出電極107は、底面視した場合に液室111を囲む
ようなリンク状を呈している。吐出電極107は、絶縁樹脂層106上に導電層を気相成長法又はメッキ法によりべた一面に成膜し、その導電層上にフォトレジスト法によりマスクをし、マスクをした状態で導電層にエッチングを施すことによって形状加工されたものである。
ノズルプレート108には、基材102に向かって突出したノズル110が一体形成されている。ノズル110の形状は、その先端に向かうにつれて径が細くなるように先端部で尖鋭に形成されており、限りなく円錐形に近い円錐台形に形成されている。ノズル110の先端には吐出口112が開口形成されており、吐出口112を末端とするとともに吐出電極107の流路口107aを介して液室111まで通じるノズル内流路113がノズル110に形成されている。ノズル内流路113は、ノズル110の先端部からノズル110の中心線に沿ってノズルプレート108を貫通している。ノズル内流路113では吐出電極107が面しており、液室111に供給された液体はノズル内流路113内にも充填され、ノズル内流路113内において吐出電極107に直接接する。
ノズルプレート108は、フォトレジスト法により形状加工されたものである。つまり、感光性樹脂層をべた一面に成膜し、ノズル110のパターンに従ってその感光性樹脂層を露光・現像することによりノズル110の部分で感光性樹脂層を残留させると、形状加工されたノズルプレート108が形成される。
これらノズル110を含めてノズルプレート108は電気絶縁性を有しており、ノズル内流路113の内面も電気絶縁性を有している。また、ノズル110を含めてノズルプレート108が撥水性を有していても良いし(例えば、ノズルプレート108がフッ素を含有した樹脂で形成されている。)、ノズル110の表層に撥水性を有する撥水膜が形成されていても良い(例えば、ノズルプレート108の表面に金属膜が形成され、更にその金属膜上にその金属と撥水性樹脂との共析メッキによる撥水層が形成されている。)。ここで撥水性とは、吐出される液体に対してはじく性質である。また、液体に応じた撥水処理方法を選択することによって、ノズルプレート108の撥水性をコントロールすることができる。撥水処理方法としては、カチオン系又はアニオン系の含フッ素樹脂の電着、フッ素系高分子、シリコーン系樹脂、ポリジメチルシロキサンの塗布、焼結法、フッ素系高分子の共析メッキ法、アモルファス合金薄膜の蒸着法、モノマーとしてのヘキサメチルジシロキサンをプラズマCVD法によりプラズマ重合させることにより形成されるポリジメチルシロキサン系を中心とする有機シリコン化合物やフッ素系含有シリコン化合物等の膜を付着させる方法がある。
ノズルプレート108及びノズル110の素材は、具体的には、エポキシ、PMMA、フェノール、ソーダガラス、石英ガラス等の絶縁材の他、Siのような半導体、Ni、SUS等のような導体であっても良い。但し、導体によりノズルプレート108及びノズル110を形成した場合には、少なくともノズル110の先端部における先端部端面、より望ましくは先端部における周面については、絶縁材による被膜を設けることが望ましい。
ノズル110についてさらに詳説する。ノズル110の内部直径において、ノズル110の先端部における吐出口112の直径とノズル内流路113の直径とが均一であって、前述の通りこれらが超微小径で形成されている。具体的な各部の寸法の一例を挙げると、吐出口112の直径は、25[μm]以下であるのが良く、さらに好ましくは20[μm]未満、さらに好ましくは8[μm]以下、さらに好ましくは4[μm]以下であると良い。また、吐出口112の直径は、0.2[μm]より大きいことが望ましい。本実施形態では吐出口112の直径を1[μm]とし、超微小化による電界集中を図っている。そして、ノズル110の先端部における外部直径は2[μm]に設定し、ノズル110の先端部における肉厚をノズル内流路113の内部直径よりも小さい0.5[μm]に設定し
、吐出口112に形成される液体のメニスカスの外形の微小化を図っている。また、ノズル110の根元における外部直径は5[μm]とし、ノズルの周面にテーパを形成している。
なお、ノズル110の高さ(突出高さ)は100[μm]に設定されているが、ノズル110の突出高さが0[μm]であっても良い。つまり、突出したノズル110が形成されておらず、平坦なノズルプレート108の下面に吐出口112が単に形成されて吐出口112から液室111間で通じるノズル内流路113が形成されているだけでも良い。
また、ノズル内流路113の形状は、図11に示すような、内径一定の直線状に形成しなくとも良い。例えば、図12(A)に示すように、ノズル内流路113の液室111側の端部における断面形状が丸みを帯びて形成されていても良い。また、図12(B)に示すように、ノズル内流路113の液室111側の端部における内径が吐出側端部における内径と比して大きく設定され、ノズル内流路113の内面がテーパ周面形状に形成されていても良い。さらに、図12(C)に示すように、ノズル内流路113の液室111側の端部のみがテーパ周面形状に形成されると共に当該テーパ周面よりも吐出端部側は内径一定の直線状に形成されていても良い。
図11では、液体吐出ヘッド103に一つのノズル110が設けられているが、ノズル110が複数設けられていても良い。ノズル110が複数設けられている場合、吐出電極107、供給路109及び液室111がノズル110ごとに独立して形成されている。ノズル110が複数設けられている場合でも、勿論、各ノズル110の先端には吐出口112が形成され、更に各ノズル110の内部にはノズル内流路113が形成されている。
また、この静電吸引型液体吐出装置101に、液体吐出ヘッド103による液体の吐出方向に交差する面に沿わして液体吐出ヘッド103を移動させるヘッド移動機構を設けると良い。特に、ヘッド移動機構は、液体の吐出方向に直交する面(以下、直交面という。)に沿わして液体吐出ヘッド103を移動させる構成をしていると良いが、直交面内でも直交する二方向に液体吐出ヘッド103を移動させることによって液体吐出ヘッド103を直交面に沿わして移動させる構成をしても良い。また、基材移動機構が直交面内でも一方向にのみ基材102を移動させる構成をした場合、ヘッド移動機構は基材102の移動方向に直交する方向に液体吐出ヘッド103を往復移動させる構成をしている。
(吐出電圧印加手段兼帯電手段)
吐出電圧印加手段104は、接地を基準とした定常電圧をバイアス電圧として吐出電極107に印加するバイアス電圧印加部104aと、液体の吐出を行う時のみにパルス電圧をバイアス電圧に重畳して吐出電極107に印加するパルス電圧印加部104bと、を具備する。パルス電圧印加部104bによるパルス電圧の波形は、矩形状であっても良いし、三角形状であっても良いし、サイン波の一つの山形状又は谷形状であっても良いし、交流波形の一つの山形状又は谷形状であっても良い。
パルス電圧印加部104bがオフ状態の場合には、一定のバイアス電圧が吐出電極107に印加され、パルス電圧印加部104bがオン状態の場合にはバイアス電圧とパルス電圧を重畳した電圧が印加される。バイアス電圧印加部104aにより印加されるバイアス電圧のレベルは吐出口112から液体が吐出されない程度であり、パルス電圧印加部104bによるパルス電圧のレベルをバイアス電圧のレベルに足し合わせると吐出口112から液体が吐出するようになる。バイアス電圧とパルス電圧とを重畳した電圧レベルV[V]は、次式の条件を満たすように設定されている。
Figure 2005066487
ただし、γ:液体(コロイド溶液)の表面張力[N/m]、ε0:真空の誘電率[F/m]、d:吐出口112の直径[m]、h:ノズル−基材間距離[m]、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
上記条件は理論値であり、実際上は、吐出口112に液体の凸状メニスカスが形成された時とメニスカスが形成されていない時における試験を行い、適宜な電圧値を求めても良い。バイアス電圧印加部104aによってバイアス電圧を印加しなくても良いが、パルス電圧印加部104bによってパルス電圧のみが吐出電極107に印加した時に吐出口112から液体が吐出し、そのパルス電圧のレベルは上記式(1)を満たすようになっている(つまり、バイアス電圧のレベルが0[V]である。)。
なお、基材102が対向電極として機能する場合、又は、基材102が対向電極に支持されている場合、その対向電極を接地するときには、パルス電圧の印加時にはノズル110の先端部と対向面との間に生じる電界による静電力によって吐出された液滴が対向電極側に誘導される。また、ノズル110の超微細化による当該ノズル110の先端部での電界集中により電界強度を高めることで液滴の吐出を行うことから、対向電極による誘導がなくとも液滴の吐出を行うことは可能ではあるが、ノズル110と対向電極との間での静電力による誘導が行われた方が望ましい。また、帯電した液滴の電荷を対向電極の接地により逃がすことも可能である。
(撮影装置)
撮影装置115は、光電変換することにより撮像を行う撮像素子(CCD型撮像素子であっても良いし、CMOS型撮像素子であっても良いし、その他の撮像素子であっても良い。)と、この撮像素子に結像する光学レンズ(拡大結像するレンズであっても良いし、縮小結像するレンズであっても良いし、等倍結像するレンズであっても良い。)とを具備する。撮影装置115により撮影を行う範囲としては、次の(1)〜(7)の何れかが挙げられる。(1)ノズル110の先端部、(2)ノズル110全体、(3)ノズル110の先端部から基材102までの液滴の軌道、(4)ノズル110から吐出された液滴が着弾する着弾点、(5)基材102全体、(6)基材102及びヘッド103全体、(7)前記(1)〜(6)の組み合わせ。つまり、ノズル110から吐出される液体(吐出の瞬間、飛翔中、着弾後の何れでも良い。)を撮影装置115により撮影することによって、液体を観察できれば良い。撮影装置115で撮影された映像は表示装置116に表示されるが、撮影装置115から出力された映像信号が表示装置116に直接入力しても良いし、撮影装置115から出力された映像信号が一旦コンピュータに入力して更にそのコンピュータから表示装置116に入力しても良い。撮影装置115からコンピュータに映像信号が入力される場合には、その映像信号がコンピュータの処理に用いられても良い。なお、撮影装置115の撮像素子が感度を示す光の波長は、後述する光源114から発する光の波長域に含まれている。
(光源)
光源114は、ノズル110の先端周辺に向けて光を発するものである。光源114による投光範囲は、次の(1)〜(7)の何れかが挙げられる。(1)ノズル110の先端部、(2)ノズル110全体、(3)ノズル110の先端部から基材102までの液滴の軌道、(4)ノズル110から吐出された液滴が着弾する着弾点、(5)基材102全体
、(6)基材102及びヘッド103全体、(7)前記(1)〜(6)の組み合わせ。つまり、ノズル110から吐出される液体(吐出の瞬間、飛翔中、着弾後の何れでも良い。)を光源114で投光することによって、液体を撮影装置115で観察できれば良い。
(液体)
液体吐出ヘッド103に供給されて液体吐出ヘッド103のノズル110から吐出される液体について説明する。液体吐出ヘッド103から吐出される液体は、金属微粒子を液状の分散媒に分散してなる分散液であり、金属微粒子をコロイド微粒子としたコロイド溶液である。液体に含有した金属微粒子の粒径は、1〜100nm程度である。金属微粒子としては、Ag、Au、Cu、Pd、Ptが挙げられるが、他の金属種であっても良い。また、液体に界面活性剤、安定剤等の添加剤が添加されていても良い。
(液体のプラズモン吸収)
粒径3〜20nmのAg、Au、Cu、Pd、Pt等の金属微粒子を含有したコロイド溶液は、紫外線から近赤外線の波長帯域において光の吸収を持つ。この吸収のことをプラズモン吸収と呼ぶ。プラズモン吸収は電子のプラズマ振動に起因した発色メカニズムによるものであり、金属中の自由電子が光電場により揺さぶられて金属微粒子表面に電荷が表れ、非線形分極が生じるためであるとされている。ここで、プラズモン吸収に起因した金属微粒子コロイド溶液の分光吸収度を波長ごとに表した場合(つまり、金属微粒子コロイド溶液の吸光度のスペクトル分布を表した場合)、最大分光吸収度における波長を最大吸光スペクトル波長と称し、その最大吸光スペクトル波長の値をλp[nm]と表す。図13は、銀(Ag)微粒子を含有したコロイド溶液のプラズモン吸収に起因した吸光度のスペクトル分布を表したグラフであり、図14は、金(Au)微粒子を含有したコロイド溶液のプラズモン吸収に起因した吸光度のスペクトル分布を表したグラフである。図13、図14において、横軸は波長を表し、縦軸は分光吸収度を表す。分光吸収度は、被検体(ここでは、コロイド溶液)に入射した光量をI0とし、その被検体を透過した光量をIとした場合、log(I/I0)で表される。また、図13、図14のグラフを求めるにあたっては、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製のU−3310)を用いた。図13に示すように、銀微粒子のコロイド溶液は波長420nmに最大分光吸収度を持ち、図14に示すように、金微粒子のコロイド溶液は波長530nmに最大分光吸収度を持つ。
(光源の波長とプラズモン吸収との関係)
光源114の分光強度を波長ごとに表した場合(光源114の光強度のスペクトル分布を表した場合)、全波長域内における最大分光強度(以下、最大分光強度をEmaxと表す。)における波長を最大強度スペクトル波長と称し、その最大吸光スペクトル波長の値をλa[nm]と表す。一方、液体吐出ヘッド103から吐出される金属微粒子コロイド溶液の最大吸光スペクトル波長λpを含む波長帯域であって分光吸収度が最大分光吸収度の1/2以上最大分光吸収度以下となる波長帯域を半値帯域と称する。例えば、図13のグラフに示すように、銀微粒子のコロイド溶液の半値帯域は波長380〜450nmであり、金微粒子のコロイド溶液の半値帯域は波長470〜570nmである。
光源114の最大強度スペクトル波長λaが液体吐出ヘッド103から吐出されるコロイド溶液の半値帯域から外れるように、光源114が設定されている。つまり、例えば、液体吐出ヘッド103から吐出されるコロイド溶液が銀微粒子コロイド溶液の場合には、光源114の最大強度スペクトル波長λaが380nm未満又は450nmを越えるように、光源114が設定されており、吐出されるコロイド溶液が金微粒子コロイド溶液の場合には、光源114の最大強度スペクトル波長λaが470未満又は570を越えるように、光源114が設定されている。
さらに好ましくは、光源114の最大強度スペクトル波長λaが、液体吐出ヘッド103から吐出されるコロイド溶液の最大吸光スペクトル波長λpよりも100nmを越えて大きいか又は100nmを越えて小さくなるように、光源114が設定されている。つまり、式で表すと次式(A)を満たすように、光源114が設定されている。
|λa−λp|>100 … (A)
さらに好ましくは、光源114の光強度のスペクトル分布を表した場合、半値帯域内における最大分光強度が、最大分光強度Emaxの40%以下となるようにさらに好ましくは10%以下となるように、光源114が設定されている。
以上のように光源114の波長・強度を設定するには、種類を適宜選定したり、光学フィルタを設けたりすれば良い。
(静電吸引型液体吐出装置を用いた液体吐出方法及び静電吸引型液体吐出装置の動作)
静電吸引型液体吐出装置101の電源をオン状態にすると、光源114が点灯するとともに、撮影装置115及び表示装置116も起動する。光源114によってノズル110の先端部周辺が投光されて、その先端部周辺が撮影装置115によって撮影され、表示装置116に表示される。
そして、基材移動機構によって基材102を移動させつつ、ヘッド移動機構によって液体吐出ヘッド103を移動させる。なお、基材102と液体吐出ヘッド103の両方を移動させても良いし、どちらか一方を移動させるだけでも良い。
また、金属微粒子を含有したコロイド溶液が供給路109を通じて液室111及びノズル内流路113に供給された状態にあり、このような状態でバイアス電圧印加部104aによって定常的にバイアス電圧が吐出電極107に印加されている。このような状態で、コロイド溶液は帯電すると共に、ノズル110先端の吐出口112において凹状に凹んだコロイド溶液のメニスカスが形成される。
そして、基材102と液体吐出ヘッド103のうちの少なくとも一方を移動させている時に、所定のタイミングでパルス電圧印加部104bによってパルス電圧がバイアス電圧に重畳して吐出電極107に印加される。吐出電極107にバイアス電圧とパルス電圧が重畳されて印加されると、ノズル110の先端部では集中された電界の電界強度による静電力によりコロイド溶液がノズル110の先端側に誘導され、吐出口112から外部に突出したコロイド溶液の凸状メニスカスが形成されると共に、かかる凸状メニスカスの頂点により電界が集中し、ついにはコロイド溶液の表面張力に抗して微小液滴が基材102に向けて吐出され、基材102に着弾した液滴がドットとして形成される。このようにパルス電圧を印加することを繰り返しつつ基材102及び液体吐出ヘッド103のうちの少なくとも一方を移動させているので、基材102にはドットからなるパターンが形成される。
(効果)
以上の実施形態では、ノズル110先端周辺を光源114で照らしているため、その周囲が明るくなる。そのため、撮影装置115でコントラストのある像を撮像することができ、ノズル110先端周辺を観察することができる。つまり、ノズル110から吐出される液滴の状態、ノズル110先端のコロイド溶液の状態、基材102に着弾した液滴の状態、ノズル110の状態、基材102の状態等を静電吸引型液体吐出装置101の動作中でも観察により把握することができる。なお、撮影装置115で撮影して表示装置116で表示することによってノズル110先端周辺の観察を行っても良いし、目視によってノズル110先端周辺の観察を行っても良い。勿論、光源114で照らされているので、目
視による観察・把握を行うことができる。
また、光源114の最大強度スペクトル波長λaが金属微粒子コロイド溶液の半値帯域から外れているので、ノズル110先端に存する金属微粒子コロイド溶液に光が入射しても、ノズル110の先端でコロイド溶液のプラズモン吸収を抑えることができる。
これは次のように考察する。即ち、金属微粒子にプラズモン吸収が起こると、金属微粒子は、電子のプラズマ振動により、金属中の自由電子が光電場により揺さぶられて金属微粒子の表面に電荷が現れる。従って、プラズモン吸収をしている金属微粒子は、表面に電荷が現れることによって、プラズモン吸収していない金属微粒子と比較して、表面の状態が異なっている。一方、吐出口112が小さくなると、特に直径8μm以下、更に4μmでは、吐出口112の開口面積に対する開口周長の比が大きくなる(図15参照。)。従って、ノズル110を通過する液体に対して、吐出口112の開口壁面の固気液界面の影響が強くなり、ノズル110を通過する液体にとって、吐出中は吐出口112の開口壁面において流速ゼロとなる。また、吐出していない時も流速はゼロである。このために、吐出口112の直径が小さくなるほど、流路である吐出口112の開口面積に対する開口周長の比が大きくなり、吐出口112の壁面に対する金属微粒子表面状態の影響が強くなる。そのため、光源114の最大強度スペクトル波長λaが金属微粒子コロイド溶液の半値帯域から外れているので、ノズル110先端に存する金属微粒子コロイド溶液に光が入射しても、ノズル110の先端でコロイド溶液のプラズモン吸収を抑えられる。
そのため、吐出口112が詰まることを防止することができ、コロイド溶液の吐出不良及び不吐出の発生を抑えることができる。特に、光源114の最大強度スペクトル波長λaが金属微粒子コロイド溶液の最大吸光スペクトル波長λpよりも100nmを越えてずれているので、吐出口112の目詰まりをより良く抑えることができる。更には、光源114の半値帯域内における最大分光強度が最大分光強度Emaxの40%以下さらに好ましくは10%以下とすることによって、吐出口112の目詰まりを更に良く抑えることができる。
以上のように、上記静電吸引型液体吐出装置101は、従来にない微小径のノズル110により液滴の吐出を行うので、ノズル内流路113内で帯電した状態のコロイド溶液により電界が集中され、電界強度が高められる。このため、従来のように電界の集中化が行われない構造のノズル(例えば内径100[μm])では吐出に要する電圧が高くなり過ぎて事実上吐出不可能とされていた微小径でのノズルによるコロイド溶液の吐出を従来よりも低電圧で行うことを可能としている。
そして、微小径であるがために、ノズルコンダクタンスの低さによりその単位時間あたりの吐出流量を低減する制御を容易に行うことができると共に、パルス幅を狭めることなく十分に小さな液滴径(上記各条件によれば0.8[μm])によるコロイド溶液の吐出を実現している。
さらに、吐出される液滴は帯電されているので、微小の液滴であっても蒸気圧が低減され、蒸発を抑制することから液滴の質量の損失を低減し、飛翔の安定化を図り、液滴の着弾精度の低下を防止する。
さらに、ノズル110の表層が撥水性を有しているため、ノズル110からコロイド溶液を吐出すべきでない時にはノズル110内のコロイド溶液が垂れて流れたりしない。また、ノズル110の表層が撥水性を有しているため、吐出口112周辺にコロイド溶液が付着することで液滴の吐出に悪影響を及ぼすこともない。また、ノズル110の表層が撥水性を有することで、吐出の際に形成されるメニスカスが綺麗な凸状で形成され、液滴が安定して吐出される。
なお、ノズル110にエレクトロウェッティング効果を得るために、ノズル110の外
周に電極(例えば上述した撥水膜下に形成された金属膜である。)を設けるか、又は、ノズル内流路113の内面に電極を設け、その上から絶縁膜で被覆しても良い。そして、この電極に電圧を印加することで、吐出電極107により電圧が印加されているコロイド溶液に対して、エレクトロウェッティング効果によりノズル内流路113の内面のぬれ性を高めることができ、ノズル内流路113へのコロイド溶液の供給を円滑に行うことができ、良好に吐出を行うと共に、吐出の応答性の向上を図ることが可能となる。
また、吐出電圧印加手段104ではそれぞれの吐出電極107にバイアス電圧を常時印加すると共にパルス電圧をトリガーとして液滴の吐出を行っているが、それぞれの吐出電極107につき吐出に要する振幅で常時交流又は連続する矩形波を印加すると共にその周波数の高低を切り替えることで吐出を行う構成としても良い。液滴の吐出を行うためにはコロイド溶液の帯電が必須であり、コロイド溶液の帯電する速度を上回る周波数で吐出電圧を印加していても吐出が行われず、コロイド溶液の帯電が十分に図れる周波数に替えると吐出が行われる。従って、吐出を行わないときには吐出可能な周波数より大きな周波数で吐出電圧を印加し、吐出を行う場合にのみ吐出可能な周波数帯域まで周波数を低減させる制御を行うことで、コロイド溶液の吐出を制御することが可能となる。かかる場合、コロイド溶液に印加される電位自体に変化はないので、より時間応答性を向上させると共に、これにより液滴の着弾精度を向上させることが可能となる。
(変形例)
なお、以上のような静電吸引型液体吐出装置101とは別の方式で吐出を行う液体吐出装置にも本発明を適用することができる。別の方式の液体吐出装置としては、ピエゾ式の液体吐出装置、サーマル式の液体吐出装置、超音波振動式の液体吐出装置を挙げることができる。
ピエゾ式の液体吐出装置では、吐出口を有するヘッドの内部にピエゾ素子(圧電素子)が設けられており、そのピエゾ素子の変形によってヘッド内部の液室の容積が収縮すると、コロイド溶液の液滴が吐出口から吐出するようになっている。
サーマル式の液体吐出装置では、吐出口を有するヘッドの内部に電熱材等のヒータが設けられており、そのヒータによる加熱によってヘッド内部にあるコロイド溶液が膜沸騰して気泡が発生すると、コロイド溶液の液滴が吐出口から吐出するようになっている。
超音波振動式の液体吐出装置では、吐出口を有するヘッドの内部に超音波振動子が設けられており、その超音波振動子によってヘッド内部にあるコロイド溶液に超音波振動を付与すると、コロイド溶液の液滴が吐出口から吐出するようになっている。
何れの方式の液体吐出装置であっても、上記静電吸引型液体吐出装置101と同様に、光源114と、撮影装置115と、表示装置116と、を具備する。そして、何れの方式の液体吐出装置であっても、光源114が発する光は上述した分光強度を持った光である。つまり、光源114から発する光の最大強度スペクトル波長λaがヘッドから吐出されるコロイド溶液の半値帯域から外れており、さらに好ましくは、光源114から発する光の最大強度スペクトル波長λaが、ヘッドから吐出されるコロイド溶液の最大吸光スペクトル波長λpよりも100nmを越えて大きいか又は100nmを越えて小さい。さらに好ましくは、光源114の光強度のスペクトル分布を表した場合、半値帯域内における最大分光強度が、最大分光強度Emaxの40%以下さらに好ましくは10%以下となっている。これにより何れの液体吐出装置であっても、コロイド溶液のプラズモン吸収を抑えることができ、ヘッドの吐出口の直径が25μm以下、特に20μm未満、8μm以下、4μmであっても、吐出口の目詰まりを抑えることができる。
(静電吸引型液体吐出装置の理論説明)
従前は以下の条件式により定まる範囲を超えて液滴の吐出は不可能と考えられていた。
Figure 2005066487
ここで、λCは静電吸引力によりノズル先端部からの液滴の吐出を可能とするための液体液面における成長波長[m]であり、λC=2πγh20V2で求められる。
Figure 2005066487
Figure 2005066487
本発明では、静電吸引型インクジェット方式において果たすノズルの役割を再考察し、従来吐出不可能として試みられていなかった領域において、マクスウェル力などを利用することで、微小液滴を形成することができる。
このような駆動電圧低下および微少量吐出実現の方策のための吐出条件等を近似的に表す式を導出したので以下に述べる。
以下の説明は、上記各本発明の実施形態で説明した静電吸引型液体吐出装置に適用可能である。
いま、内部dのノズルに導電性液体を注入し、基材としての無限平板導体からhの高さに垂直に位置させたと仮定する。この様子を図16に示す。このとき、ノズル先端部に誘起される電荷は、ノズル先端の半球部に集中すると仮定し、以下の式で近似的に表される。
Figure 2005066487
ここで、Q:ノズル先端部に誘起される電荷[C]、ε0:真空の誘電率[F/m]、ε:基材の誘電率[F/m]、h:ノズル−基材間距離[m]、r:ノズル内部の半径(吐出口の半径)[m]、V:ノズルに印加する総電圧[V]である。α:ノズル形状などに依存する比例定数で、1〜1.5程度の値を取り、特にd≪hのときほぼ1程度となる。
また、基材としての基板が導体基板の場合、基板内の対称位置に反対の符号を持つ鏡像電荷Q'が誘導されると考えられる。基板が絶縁体の場合は、誘電率によって定まる対称位置に同様に反対符号の映像電荷Q'が誘導される。
ところで、ノズル先端部に於ける凸状メニスカスの先端部の電界強度Eloc.[V/m]は、凸状メニスカス先端部の曲率半径をR[m]と仮定すると、
Figure 2005066487
で与えられる。ここでk:ノズル形状に依存する比例定数であり、ノズル形状などにより
異なるが、1.5〜8.5程度の値をとり、多くの場合5程度と考えられる。(P. J. Birdseye and D.A.Smith, Surface Science, 23 (1970) 198-210)。
今簡単のため、d/2=Rとする。これは、ノズル先端部に表面張力で導電性液体がノズルの半径と同じ半径を持つ半球形状に盛り上がっている状態に相当する。
ノズル先端の液体に働く圧力のバランスを考える。まず、静電的な圧力は、ノズル先端部の液面積をS[m2]とすると、
Figure 2005066487
(7)、(8)、(9)式よりα=1とおいて、
Figure 2005066487
と表される。
一方、ノズル先端部に於ける液体の表面張力をPSとすると、
Figure 2005066487
ここで、γ:液体の表面張力[N/m]、である。
静電的な力により流体の吐出が起こる条件は、静電的な力が表面張力を上回る条件なので、
Figure 2005066487
となる。十分に小さいノズル径をもちいることで、静電的な圧力が、表面張力を上回らせる事が可能である。
この関係式より、Vとdの関係を求めると、
Figure 2005066487
が吐出の最低電圧を与える。すなわち、式(6)および式(13)より、
Figure 2005066487
が、本発明の実施形態における動作電圧となる。
ある直径dのノズルに対し、吐出限界電圧Vcの依存性を前述した図9に示す。この図より、微細ノズルによる電界の集中効果を考慮すると、吐出開始電圧は、ノズル径の減少に伴い低下する事が明らかになった。
従来の電界に対する考え方、すなわちノズルに印加する電圧と対向電極間の距離によって定義される電界のみを考慮した場合では、微小ノズルになるに従い、吐出に必要な電圧は増加する。一方、局所電界強度に注目すれば、微細ノズル化により吐出電圧の低下が可能となる。
静電吸引による吐出は、ノズル端部における液体の帯電が基本である。帯電の速度は誘電緩和によって決まる時定数程度と考えられる。
Figure 2005066487
液体の誘電率εを10F/m、液体導電率σを10-6S/mを仮定すると、τ=1.854×10-6secとなる。あるいは、臨界周波数をfc[Hz]とすると、
Figure 2005066487
となる。このfcよりも早い周波数の電界の変化に対しては、応答できず吐出は不可能になると考えられる。上記の例について見積もると、周波数としては10kHz程度となる。このとき、ノズル半径2μm、電圧500V弱の場合、ノズル内流量Gは10-133/sと見積もることができるが、上記の例の液体の場合、10kHzでの吐出が可能なので、1周期での最小吐出量は10fl(フェムトリットル、1fl=10-16l)程度を達成できる。
なお、各上記本実施の形態においては、図16に示したようにノズル先端部に於ける電界の集中効果と、対向基板に誘起される鏡像力の作用を特徴とする。このため、先行技術のように基板または基板支持体を導電性にすることや、これら基板または基板支持体への電圧の印加は必ずしも必要はない。すなわち、基板として絶縁性のガラス基板、ポリイミドなどのプラスチック基板、セラミックス基板、半導体基板などを用いることが可能である。
また、上記各実施形態において電極への印加電圧はプラス、マイナスのどちらでも良い。
さらに、ノズルと基材との距離は、500[μm]以下に保つことにより、液体の吐出を容易にすることができる。また、図示しないが、ノズル位置検出によるフィードバック制御を行い、ノズルを基材に対し一定に保つようにすることが望ましい。
また、基材を、導電性または絶縁性の基材ホルダーに裁置して保持するようにしても良い。
図17は、本発明を適用した他の基本例の一例としての静電吸引型液体吐出装置のノズル部分の側面断面図を示したものである。ノズル1の側面部には電極15が設けられており、ノズル内液体3との間に制御された電圧が印加される。この電極15の目的は、Electrowetting 効果を制御するための電極である。十分な電場がノズルを構成する絶縁体にかかる場合この電極がなくともElectrowetting効果は起こると期待される。しかし、本基本例では、より積極的にこの電極を用いて制御することで、吐出制御の役割も果たすよう
にしたものである。ノズル1を絶縁体で構成し、先端部におけるノズル管が1μm、ノズル内径が2μm、印加電圧が300Vの場合、約30気圧のElectrowetting効果になる。この圧力は、吐出のためには、不十分であるが液体のノズル先端部への供給の点からは意味があり、この制御電極により吐出の制御が可能と考えられる。
前述した図9は、本発明を適用した実施形態における吐出開始電圧のノズル径依存性を示したものである。静電吸引型液体吐出装置のノズルとして、図11に示した液体吐出ヘッド103のノズル110を用いた。微細ノズルになるに従い吐出開始電圧が低下し、従来より低電圧で吐出可能なことが明らかになった。
上記各実施形態において、液体吐出の条件は、ノズル基板間距離(h)、吐出電圧の振幅(V)、印加電圧振動数(f)のそれぞれの関数になり、それぞれにある一定の条件を満たすことが吐出条件として必要になる。逆にどれか一つの条件を満たさない場合他のパラメーターを変更する必要がある。
この様子を図18を用いて説明する。
まず吐出のためには、それ以上の電界でないと吐出しないというある一定の臨界電界Ecが存在する。この臨界電界は、ノズル径、液体の表面張力、粘性などによって変わってくる値で、Ec以下での吐出は困難である。臨界電界Ec以上すなわち吐出可能電界強度において、ノズル基板間距離(h)と印加電圧の振幅(V)の間には、おおむね比例の関係が生じ、ノズル−基材間距離を縮めた場合、臨界印加電圧Vを小さくする事が出来る。
逆に、ノズル−基材間距離hを極端に離し、印加電圧Vを大きくした場合、仮に同じ電界強度を保ったとしても、コロナ放電による作用などによって、流体液滴の破裂すなわちバーストが生じてしまう。
以下に、実施例を挙げることにより、本発明についてさらに具体的に説明する。
実施例1〜8、比較例では共通して、静電吸引型液体吐出装置101を用いた。実施例1〜8及び比較例の共通事項としては、ノズル110をガラス製とし、ノズル110の内部直径(吐出口112の直径)を1μmとし、基材102としてガラス基板を用い、ノズル110の先端から基材102の表面までの距離を100μmとし、パルス電圧印加部104bによって矩形波のパルス電圧を印加し、そのパルス電圧のレベルは400Vとし、バイアス電圧印加部104aによって印加するバイアス電圧のレベルを0Vとした。
更に、実施例1〜6の共通事項として、次のように銀粒子コロイド溶液を調製し、銀粒子コロイド溶液をノズル110内に供給した。
「銀微粒子コロイド溶液の調製方法」
40℃に保った攪拌機付き反応容器にテキストリン溶液(テキストリン10.0gを純水258ccに溶解)を注入し、その溶液に水酸化カリウム1.72gを添加して溶液Aを作成した。次に、攪拌機の攪拌回転数を1500rpm以上に上げ、硝酸銀溶液(硝酸銀5.0gを純水50.0ccに溶解)を溶液Aに10分間掛けて添加した。添加終了後、得られた分散液を10℃まで降温させた。そして、旭化成工業(株)製の電気透析装置(マイクロアシライザーS3)を用いて、その分散液中のイオン成分を除去し、実施例1〜6に用いる銀微粒子コロイド溶液を得た。
調製した銀微粒子コロイド溶液の吸光度のスペクトル分布は図13のグラフのようになり、プラズモン吸収に起因した最大吸光スペクトル波長λpは420nmであった。また、銀微粒子コロイド溶液の半値帯域は380〜450nmであった。なお、スペクトル分布は、(株)日立ハイテクノロジーズ製の分光光度計(U−3310)を用いて計測することにより求めた。
一方、実施例7〜8及び比較例の共通事項として、次のように金粒子コロイド溶液を調製し、金粒子コロイド溶液をノズル110内に供給した。
「金微粒子コロイド溶液の調製方法」
攪拌機及び恒温装置を有する混合器に、テキストリン10.0g、塩化金(III)酸5.0g及び水酸化ナトリウム1.5gを入れ、更にそれらを純水240ccに溶解させて溶液Bを作成した。更に、ジメチルアミン5.4ccを純水30ccに溶解させて溶液Cを作成した。溶液Bを50℃に恒温し、1500rpmの速度で攪拌した。攪拌状態の溶液Bに溶液Cを三分間掛けて滴下した。滴下終了後、得られた分散液を10℃に降温させた。そして、旭化成工業(株)製の電気透析装置(製品名:マイクロアシライザーS3)を用いて、その分散液中のイオンを除去し、実施例7〜8及び比較例に用いる金微粒子コロイド溶液を得た。
調製した金微粒子コロイド溶液の吸光度のスペクトル分布を(株)日立ハイテクノロジーズ製の分光光度計(U−3310)を用いて計測することにより求めると、図14のグラフのようになり、プラズモン吸収に起因した最大吸光スペクトル波長λpは530nmであった。また、金微粒子コロイド溶液の半値帯域は470〜570nmであった。
実施例1〜8、比較例の光源114の条件は表1に示すようにした。
Figure 2005066487
実施例2、実施例7で用いる光源114の分光強度のスペクトル分布を図19に示し、実施例3で用いる光源114の分光強度のスペクトル分布を図20に示す。何れの図でも、最大分光強度Emaxを100%として分光強度を表している。
そして、実施例1〜8及び比較例のそれぞれについて、バイアス電圧印加部104aでパルス電圧を印加することによってノズル110から銀微粒子コロイド溶液を液滴として吐出することを繰り返した。ノズル110から銀微粒子コロイド溶液を吐出している時に、光源114でノズル110の先端周辺を照らしながら撮影装置115でノズル110の先端を観察し、吐出口112に目詰まりが発生したか否かを調べた。その結果も表1に示す。表1において『吐出評価』の項目が吐出口112の目詰まりの発生状態を表す。『吐出状評価』の項目において、「1」は、吐出口112からコロイド溶液が全く吐出しなかったことを表し、「2」は、吐出口112からコロイド溶液が吐出したが光の照射後3分以内にコロイド溶液の吐出が停止したことを表し、「3」は、光の照射後3分を超え10分以内までコロイド溶液の吐出を行えたことを表し、「4」は、光の照射後10分を超え1時間未満までコロイド溶液の吐出を行えたことを表し、「5」は、光の照射後1時間以上連続してコロイド溶液の吐出を行えたことを表す。
表1からわかるように、実施例1〜8では、光源114の最大強度スペクトル波長λaが、コロイド溶液の吸光度の波長帯域から外れているので、吐出口112からコロイド溶液が吐出した。それに対して、比較例では、光源114の最大強度スペクトル波長λaがコロイド溶液の吸光度の半値帯域内に含まれているので、吐出口112からコロイド溶液が全く吐出しなかった。
光源114の最大強度スペクトル波長λaとコロイド溶液の最大吸光スペクトル波長λpとの差の絶対値(|λa−λp|)が大きくなるにつれて、吐出口112に目詰まりが発生しにくくなる傾向にあり、特に実施例3〜実施例6、実施例8のように、光源114の最大強度スペクトル波長λaとコロイド溶液の最大吸光スペクトル波長λpとの差の絶対値が100nmを越えると、吐出口112の目詰まりをより良く抑えることができる。
また、光源114の半値帯域内における最大分光強度が最大分光強度Emaxとの比率が小さくなるにつれて、吐出口112に目詰まりが発生しにくくなる傾向にある。特に、実施例2、実施例3のように比率が40%以下であると、照射後3分を超えても目詰まりが発生せず、実施例4、実施例5、実施例6、実施例8のように比率が10以下であると、照射後10分を超え、更には1時間以上も吐出口112に目詰まりが発生しなかった。
ノズル径をφ0.2[μm]とした場合の電界強度分布を示し、図1(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図1(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ0.4[μm]とした場合の電界強度分布を示し、図2(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図2(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ1[μm]とした場合の電界強度分布を示し、図3(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図3(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ8[μm]とした場合の電界強度分布を示し、図4(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図4(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ20[μm]とした場合の電界強度分布を示し、図5(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図5(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ50[μm]とした場合の電界強度分布を示し、図6(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図6(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 図1〜図6の各条件下での最大電界強度を示す図表を示す。 ノズルのノズル径とノズルの先端位置に液面があるとした時の最大電界強度との関係を示す線図である。 ノズルのノズル径とノズル先端部で吐出する液滴が飛翔を開始する吐出開始電圧、該初期吐出液滴のレイリー限界での電圧値及び吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比との関係を示す線図である。 ノズル径とノズル先端部の強電界の領域の関係で表されるグラフである。 本発明を適用した第一実施形態としての静電吸引型液体吐出装置を一部破断して示した斜視図である。 ノズル内流路の他の形状の例を示す一部切り欠いた斜視図であり、図12(A)は液室側に丸みを設けた例であり、図12(B)は流路内壁面をテーパ周面とした例であり、図12(C)はテーパ周面と直線状の流路とを組み合わせた例を示す。 銀微粒子コロイド溶液のプラズモン吸収に起因した分光吸光度を示したグラフである。 金微粒子コロイド溶液のプラズモン吸収に起因した分光吸光度を示したグラフである。 吐出口の直径と、(吐出口の周長)/(吐出口の面積)との関係を示したグラフである。 本発明の実施の形態として、ノズルの電界強度の計算を説明するために示した図面である。 本発明の一例としての液体吐出機構の側面断面図を示したものである。 本発明の実施の形態の液体吐出装置における距離−電圧の関係による吐出条件を説明した図である。 実施例2、実施例7で用いる光源の分光強度を示したグラフである。 実施例3で用いる光源の分光強度を示したグラフである。
符号の説明
101 … 静電吸引型液体吐出装置
102 … 基材
103 … 液体吐出ヘッド
104 … 吐出電圧印加手段
107 … 吐出電極
110 … ノズル
112 … 吐出口
114 … 光源
115 … 撮影装置

Claims (18)

  1. 吐出口を有するヘッドに対向した基材に向けて、金属微粒子を含有したコロイド溶液を前記ヘッドにより前記吐出口から吐出する液体吐出方法であって、
    前記ヘッド周辺に投光するとともに、
    その光の最大分光強度(以下、最大分光強度Emaxという。)における波長(以下、最大強度スペクトル波長という。)が、前記コロイド溶液のプラズモン吸収に起因した最大分光吸収度における波長(以下、最大吸光スペクトル波長という。)を含む波長帯域であって前記コロイド溶液の分光吸収度が最大分光吸収度の1/2以上最大分光吸収度以下となる波長帯域(以下、半値帯域という。)から外れていることを特徴とする液体吐出方法。
  2. 前記光の最大強度スペクトル波長と前記コロイド溶液の最大吸光スペクトル波長との差の絶対値が100nmを越えることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出方法。
  3. 半値帯域内での前記光の最大分光強度が前記光の最大分光強度Emaxの40%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出方法。
  4. 半値帯域内での前記光の最大分光強度が前記光の最大分光強度Emaxの10%以下であることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出方法。
  5. 前記ヘッドに吐出電極を設け、前記吐出電極に電圧を印加することで発生した電界によって前記コロイド溶液を前記吐出口から前記基材に向けて吐出することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の液体吐出方法。
  6. 前記吐出口の直径が25μm以下であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の液体吐出方法。
  7. 前記吐出口の直径が20μm未満であることを特徴とする請求項6に記載の液体吐出方法。
  8. 前記吐出口の直径が8μm以下であることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出方法。
  9. 前記吐出口の直径が4μm以下であることを特徴とする請求項8に記載の液体吐出方法。
  10. 吐出口を有するヘッドに対向した基材に向けて、金属微粒子を含有したコロイド溶液を前記ヘッドにより前記吐出口から吐出する液体吐出装置であって、
    前記ヘッド周辺に向けて光を発する光源を備え、
    前記光源から発する光の最大分光強度(以下、最大分光強度Emaxという。)における波長(以下、最大強度スペクトル波長という。)が、前記コロイド溶液のプラズモン吸収に起因した最大分光吸収度における波長(以下、最大吸光スペクトル波長という。)を含む波長帯域であって前記コロイド溶液の分光吸収度が最大分光吸収度の1/2以上最大分光吸収度以下となる波長帯域(以下、半値帯域という。)から外れていることを特徴とする液体吐出装置。
  11. 前記光源から発する光の最大強度スペクトル波長と前記コロイド溶液の最大吸光スペクトル波長との差の絶対値が100nmを越えることを特徴とする請求項10に記載の液体吐出装置。
  12. 半値帯域内での前記光源から発する光の最大分光強度が前記光源から発する光の最大分光強度Emaxの40%以下であることを特徴とする請求項10又は11に記載の液体吐出装置。
  13. 半値帯域内での前記光源から発する光の最大分光強度が前記光源から発する光の最大分光強度Emaxの10%以下であることを特徴とする請求項12に記載の液体吐出装置。
  14. 前記ヘッドに設けられた吐出電極と、
    前記吐出電極に電圧を印加する電圧印加手段と、を更に具備し、
    前記電圧印加手段が前記吐出電極に電圧を印加することで発生した電界によって前記コロイド溶液を前記吐出口から前記基材に向けて吐出することを特徴とする請求項10から13の何れか一項に記載の液体吐出装置。
  15. 前記吐出口の直径が25μm以下であることを特徴とする請求項10から14の何れか一項に記載の液体吐出装置。
  16. 前記吐出口の直径が20μm未満であることを特徴とする請求項15に記載の液体吐出装置。
  17. 前記吐出口の直径が8μm以下であることを特徴とする請求項16に記載の液体吐出装置。
  18. 前記吐出口の直径が4μm以下であることを特徴とする請求項17に記載の液体吐出装置。
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