(第1の実施形態)
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した第1の実施形態を図1〜図11に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、各種遊技の状態(図柄変動、大当り遊技状態など)に応じて点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う枠ランプ(発光演出装置)16及び遊技盤ランプ(発光演出装置)17が設けられている。外枠11の下部(パチンコ機10の下部)には、前記遊技の状態に応じて各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ(音声演出装置)18が配置されている。中枠12の下部には、下球皿19及び発射装置20が装着されている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器(可変表示部)Hを備えた表示装置21が配設されている。前記表示装置21では、可変表示器Hの変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、可変表示器Hでは、表示演出に関連して、複数種類の図柄(識別情報)を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出する図柄組み合わせゲーム(図柄の変動演出)が行われるようになっている。本実施形態では、図柄組み合わせゲームで3列の図柄による組み合わせを導出し、該組み合わせを構成する各列の図柄の種類を0,1,2,3,4,5,6,7の8種類の数字としている。
そして、遊技者は、可変表示器Hにおいて、最終的に停止(確定停止表示)した図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器Hに停止した全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([111][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当りの組み合わせとなる。大当りの組み合わせで停止した場合、遊技者には、大当り遊技状態(特別遊技状態)が付与される。また、可変表示器Hにおいて停止した全列の図柄が異なる種類の場合又は1列の図柄がリーチを形成する図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([234][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの組み合わせとなる。また、本実施形態では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄が一旦停止(一旦停止表示)するようになっている。そして、一旦停止された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動表示中を示す)からリーチを認識できる。
表示装置21の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う開閉羽根22を備えた始動入賞口23が配設されている。始動入賞口23の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動入賞口センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口23は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件(図柄変動の始動条件)を付与し得る。また、始動入賞口23の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う大入賞口扉24aを備えた大入賞口24が配設されている。大入賞口24は、図柄組み合わせゲームによって導出され、最終的に停止した図柄組み合わせが大当りの組み合わせになったことに関連して大入賞口扉24aが開閉動作し、開放又は閉鎖されるようになっている。そして、大当り遊技状態が付与されると、大入賞口扉24aの開閉動作によって大入賞口24が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
また、表示装置21には、機内部(RAM26c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)に基づく保留中の図柄組み合わせゲームの回数を報知する保留球数表示器25が配設されている(図2)。保留記憶数は、始動入賞口23へ遊技球が入賞すると1加算(+1)され、図柄組み合わせゲームが開始すると1減算(−1)され、図柄組み合わせゲーム中に始動入賞口23へ遊技球が入賞すると保留記憶数は更に加算されて所定の上限値(本実施形態では4)まで累積される。そして、保留球数表示器25は、保留1ランプ25a、保留2ランプ25b、保留3ランプ25c及び保留4ランプ25dからなる複数(4個)の発光手段で構成されている。例えば、保留1ランプ25aのみが点灯している場合には1回の図柄組み合わせゲームが保留中であることを報知している。
次に、パチンコ機10の制御構成について図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、遊技機全体を制御するメイン制御手段としての主制御基板(主制御部)26が装着されている。主制御基板26は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御コマンドを演算処理する。そして、主制御基板26は、前記制御コマンドを所定の制御信号として出力する。また、機裏側には、可変表示器Hの表示態様(表示する画像など)を制御する表示制御基板(表示制御部)27が装着されている。また、機裏側には、枠ランプ16、遊技盤ランプ17及び保留球数表示器25の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミング、時間など)を制御するランプ制御基板(発光制御部)28が装着されている。また、機裏側には、スピーカ18の音声出力態様(効果音の種類、音声出力時間など)を制御する音声制御基板(音声制御部)29が装着されている。
また、機裏側には、主制御基板26が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示制御基板27、ランプ制御基板28及び音声制御基板29を統括的に制御する統括制御基板(統括制御部)30が装着されている。統括制御基板30は、各制御基板27〜29を統括的に制御するために各種処理を実行し、制御コマンドを所定の制御信号として出力する。前記各制御基板27〜29は、主制御基板26が出力した各種の制御信号(制御コマンド)及び統括制御基板30が出力した各種の制御信号(制御コマンド)を入力し、該制御信号(制御コマンド)に基づき遊技演出を制御する。本実施形態では、表示制御基板27、ランプ制御基板28、音声制御基板29及び統括制御基板30によって、サブ制御手段(図3に破線で囲む)を構成している。
以下、主制御基板26、表示制御基板27、ランプ制御基板28、音声制御基板29及び統括制御基板30の具体的な構成を説明する。
主制御基板26は、メインCPU26aを備えており、該メインCPU26aにはROM26b及びRAM26cが接続されている。メインCPU26aは、大当り判定用乱数(判定用乱数)、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、はずれ左図柄用乱数、はずれ中図柄用乱数、はずれ右図柄用乱数、演出パターン振分乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新し、更新後の値をRAM26cに設定し、更新前の値を書き換えている。以下、大当り判定用乱数を「大当り乱数」と示す。ROM26bには、パチンコ機10を制御するための制御プログラムや複数種類の演出パターンが記憶されている。RAM26cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(保留記憶数、乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。本実施形態では、ROM26bが、演出パターンを記憶する演出パターン記憶手段となる。
前記演出パターンは、図柄変動が開始してから全列の図柄(又は図柄組み合わせ)が停止する迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。演出パターンには、該演出パターン毎に遊技演出の時間が定められており、遊技演出の時間が特定可能とされている。演出パターンは、大当り演出用、リーチありのはずれ演出用、リーチなしのはずれ演出用に分類されてROM26bに記憶されている。具体的に例示すると、ROM26bには、大当り演出用の演出パターンP1,P2、リーチありのはずれ演出用の演出パターンP3,P4、及びリーチなしのはずれ演出用の演出パターンP5が記憶されている。そして、本実施形態において、演出パターンは、大当り演出用、リーチありのはずれ演出用及びリーチなしのはずれ演出用に分類されていることから、遊技演出の時間と共に演出パターンの種類(P1か、P2か、P3か、P4か、P5か)に応じて遊技演出の演出内容が特定可能とされている。
前記大当り演出は、図柄組み合わせゲームが、大当りの組み合わせで停止するように展開される演出である。大当り演出用の演出パターンで図柄組み合わせゲームが行われると、リーチ演出を経て大当りの組み合わせで停止する場合と、リーチ演出を経ることなく大当りの組み合わせで停止する場合がある。前記はずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、はずれの組み合わせで停止するように展開される演出である。はずれ演出用の演出パターンで図柄組み合わせゲームが行われると、リーチ演出を経てはずれの組み合わせで停止する場合(所謂はずれリーチ)とリーチ演出を経ることなくはずれの組み合わせで停止する場合がある。本実施形態では、リーチ演出を経てはずれの組み合わせで停止する場合をリーチありのはずれ演出用の演出パターンとし、リーチ演出を経ることなくはずれの組み合わせで停止する場合をリーチなしのはずれ演出用の演出パターンとしている。
また、リーチ演出は、リーチ状態から、大当りの組み合わせ又ははずれの組み合わせが停止又は一旦停止される迄の間に行われる演出である。そして、本実施形態において、リーチありのはずれ演出用の演出パターンP3に基づく遊技演出(表示演出)では、2段階に発展するリーチ演出(ノーマルリーチ演出→スーパーリーチ演出に発展する)が行われ、当該リーチ演出の結果としてはずれの組み合わせが導出されるようになっている。本実施形態では、前記2段階に発展するリーチ演出が特定のリーチ演出となる。また、リーチありのはずれ演出用の演出パターンP4に基づく遊技演出(表示演出)では、リーチ演出が発展せずに(ノーマルリーチ演出のみ)、当該リーチ演出の結果としてはずれの組み合わせが導出されるようになっている。このようにリーチ演出の演出内容を複数の段階に発展させることにより、遊技者が抱く大当りへの期待感を変化させることができ、発展前の演出(ノーマルリーチ演出)に比して、発展後の演出(スーパーリーチ演出)の方が、大当りへの期待感を高めることができるようになっている。
そして、メインCPU26aは、始動入賞口23及び始動入賞口センサSE1によって構成される入賞検知手段が出力する検知信号を入力し、図柄組み合わせゲームに関連する各種処理(保留記憶数の判定、大当り判定、リーチ判定、停止図柄の決定及び演出パターンの決定など)を実行する。
保留記憶数の判定は、検知信号の入力を契機に、図6に示す保留記憶数処理に基づき行われる。保留記憶数処理においてメインCPU26aは、RAM26cに記憶されている保留記憶数が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS1)。この判定結果が肯定(保留記憶数<4)の場合、メインCPU26aは、RAM26cに記憶されている保留記憶数を1加算し、保留記憶数を書き換える(ステップS2)。一方、ステップS1の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、メインCPU26aは、上限値を超える保留記憶数の書き換えを行わず、保留記憶数処理を終了する。保留記憶数を書き換えたメインCPU26aは、保留記憶数の報知を指示する保留指定コマンドを統括制御基板30(統括CPU30a)に出力するようにRAM26cにセットする(ステップS3)。そして、メインCPU26aは、保留記憶数処理を終了すると共に、RAM26cにセットした保留指定コマンドを出力する。なお、メインCPU26aは、図柄組み合わせゲームの開始によって保留記憶数を1減算した場合も保留指定コマンドを出力する。
本実施形態では、保留記憶数に応じて、該保留記憶数を指定する複数種類の保留指定コマンドが出力されるようになっている。具体的には、保留記憶数の上限値が4であることから、保留0指定コマンド、保留1指定コマンド、保留2指定コマンド、保留3指定コマンド及び保留4指定コマンドの5種類の保留指定コマンドが出力される。保留0指定コマンドは保留記憶数を「1→0」に書き換えた時に出力され、保留1指定コマンドは保留記憶数を「0→1」又は「2→1」に書き換えた時に出力され、保留2指定コマンドは保留記憶数を「1→2」又は「3→2」に書き換えた時に出力される。保留3指定コマンドは保留記憶数を「2→3」又は「4→3」に書き換えた時に出力され、保留4指定コマンドは保留記憶数を「3→4」に書き換えた時に出力される。
また、メインCPU26aは、保留記憶数処理において入賞検知時の保留記憶数を上限値未満と判定している場合、検知信号の入力を契機に大当り乱数の値及び大当り図柄用乱数の値をRAM26cから読み出し、RAM26cの所定の格納領域に順次格納(記憶)する。そして、メインCPU26aは、前記入賞検知に基づく図柄組み合わせゲームの開始直前に、RAM26cに格納されている前記大当り乱数の値とROM26bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当り判定を行う。大当り判定の結果が肯定(大当り乱数の値と大当り判定値が一致)の場合、メインCPU26aは、大当りを決定する。前記大当り判定値は、大当り乱数の取り得る数値の中から定められている。本実施形態では、大当り乱数の取り得る数値を0〜946(全947通りの整数)と定める一方で、大当り判定値を「7,349,919」の3個の値と定めている。従って、3個の大当り判定値を用いる場合、大当り確率は947分の3(=315.7分の1)となる。
大当りの決定がなされると、メインCPU26aは、RAM26cに格納されている大当り図柄用乱数の値から可変表示器Hに最終的に停止させる図柄(停止図柄左、中、右)を決定する。具体的には、前記大当り図柄用乱数の値を停止図柄左、停止図柄中及び停止図柄右(各停止図柄は同一種類)とする。この決定した停止図柄左、停止図柄中、停止図柄右が、可変表示器Hにおいて左図柄、中図柄、右図柄として最終的に導出される。また、メインCPU26aは、RAM26cから演出パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、大当り演出用の演出パターンの中から1つの演出パターンを決定する。本実施形態では、大当り演出用の演出パターンP1,P2の中から1つの演出パターンを決定する。
一方、大当り判定の判定結果が否定(大当り乱数の値と大当り判定値が不一致)の場合、メインCPU26aは、RAM26cから読み出したリーチ判定用乱数の値とROM26bに記憶されているリーチ判定値とを比較してリーチ判定を行う。リーチ判定の結果が肯定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値が一致)の場合、メインCPU26aは、リーチを決定する。リーチの決定がなされると、メインCPU26aは、RAM26cから読み出したはずれ左図柄用乱数の値とはずれ中図柄用乱数の値から停止図柄を決定する。具体的には、前記はずれ左図柄用乱数の値を停止図柄左及び停止図柄右(停止図柄左,右は同一種類)とし、前記はずれ中図柄用乱数の値を停止図柄中とする。このとき、メインCPU26aは、前記はずれ左図柄用乱数の値とはずれ中図柄用乱数の値が一致していた場合、停止図柄左と停止図柄中が一致しないように停止図柄中を決定する。また、メインCPU26aは、RAM26cから演出パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、リーチありのはずれ演出用の演出パターンの中から1つの演出パターンを決定する。本実施形態では、リーチありのはずれ演出用の演出パターンP3,P4の中から1つの演出パターンを決定する。
一方、リーチ判定の判定結果が否定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値が不一致)の場合、メインCPU26aは、はずれを決定する。はずれの決定がなされると、メインCPU26aは、RAM26cから読み出したはずれ左図柄用乱数の値、はずれ中図柄用乱数の値、及びはずれ右図柄用乱数の値から停止図柄を決定する。具体的には、前記はずれ左図柄用乱数の値を停止図柄左とし、前記はずれ中図柄用乱数の値を停止図柄中とし、前記はずれ右図柄用乱数の値を停止図柄右とする。このとき、メインCPU26aは、前記はずれ左図柄用乱数の値とはずれ右図柄用乱数の値が一致していた場合、停止図柄左と停止図柄右が一致しないように停止図柄右を決定する。また、メインCPU26aは、RAM26cから演出パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、リーチなしのはずれ演出用の演出パターンの中から1つの演出パターンを決定する。本実施形態では、リーチなしのはずれ演出用の演出パターンP5を決定する。
前記停止図柄及び演出パターンを決定したメインCPU26aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板30(統括CPU30a)に出力する。メインCPU26aは、最初に、演出パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する演出パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU26aは、停止図柄左を指定する左図柄指定コマンド、停止図柄中を指定する中図柄指定コマンド及び停止図柄右を指定する右図柄指定コマンドを、左図柄指定コマンド→右図柄指定コマンド→中図柄指定コマンドの順に出力する。その後に、メインCPU26aは、指定した演出パターンに定められている遊技演出の時間の経過時に、各列の図柄の停止を指示する全図柄停止コマンドを出力する。本実施形態では、メインCPU26aが、パターン決定手段として機能するように構成されている。また、本実施形態では、RAM26cが、保留球数記憶手段として機能するように構成されている。
次に、統括制御基板30について説明する。統括制御基板30は、統括CPU30aを備えており、統括CPU30aにはROM30b及びRAM30cが接続されている。ROM30bには、各制御基板27〜29を統括的に制御するための制御プログラムが記憶されている。また、ROM30bには、複数種類(本実施形態では8種類)の予告パターン(予告演出パターン)Aa,Ab,Ac,Ad,Ba,Bb,Bc,Bdが記憶されている。前記予告パターンAa〜Ad,Ba〜Bdは、各制御基板27〜29の制御により実行させる大当り予告(予告演出)の具体的な演出内容を特定するためのものである。前記大当り予告は、大当り演出が行われる(又は大当り遊技状態が生起される)可能性があることを予め遊技者に告げるための演出である。本実施形態では、各予告パターンAa〜Ad,Ba〜Bdによって特定される大当り予告の演出内容を異ならせている。RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。本実施形態では、ROM30bが、予告演出パターン記憶手段として機能するように構成されている。
そして、統括CPU30aは、演出パターン指定コマンドを入力すると、該演出パターン指定コマンドを前記各制御基板27〜29(各サブCPU27a〜29a)に出力する。また、統括CPU30aは、大当り予告の実行が決定されている場合に演出パターン指定コマンドを入力すると、複数種類の予告パターンAa〜Ad,Ba〜Bdの中から1つの予告パターンを指定する予告パターン指定コマンドを前記各制御基板27〜29(各サブCPU27a〜29a)に出力する。また、統括CPU30aは、各図柄指定コマンド及び全図柄停止コマンドを入力すると、該各図柄指定コマンド及び全図柄停止コマンドを表示制御基板27(サブCPU27a)に出力する。また、統括CPU30aは、保留指定コマンドを入力すると、該保留指定コマンドをランプ制御基板28(サブCPU28a)に出力する。
次に、表示制御基板27、ランプ制御基板28及び音声制御基板29について説明する。
表示制御基板27は、サブCPU27aを備え、該サブCPU27aにはROM27b及びRAM27cが接続されている。ROM27bには、複数種類の表示演出用の演出実行データが記憶されている。前記演出実行データは、指定された演出パターンに基づく表示演出が行われるように可変表示器Hの表示態様を制御するための情報である。この演出実行データには、図柄変動が開始してから全列の図柄が停止する迄の表示演出の流れが示されている。また、ROM27bには、複数種類の予告実行データが記憶されている。前記予告実行データは、指定された予告パターンに基づく大当り予告の演出が行われるように可変表示器Hの表示態様を制御するための情報である。前記ROM27bには、1つの演出パターンに対して1つの演出実行データが対応付けられていると共に、1つの予告パターンに対して1つの予告実行データが対応付けられて記憶されている。また、ROM27bには、各種の画像情報(図柄、背景、文字、登場キャラクタなどの画像情報)が記憶されている。RAM27cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる情報が記憶(設定)されるようになっている。
従って、サブCPU27aは、演出パターン指定コマンド及び予告パターン指定コマンドを入力すると、前記演出実行データ及び予告実行データに基づき可変表示器Hの表示態様を制御する。この制御により、可変表示器Hでは、図柄組み合わせゲーム及び大当り予告の演出が画像表示による表示演出で行われる。本実施形態では、サブCPU27aが、予告装置(可変表示器H)を制御する予告装置制御手段となる。
ランプ制御基板28は、サブCPU28aを備え、該サブCPU28aにはROM28b及びRAM28cが接続されている。ROM28bには、複数種類の発光演出用の演出実行データや、入賞報知用の報知実行データ(保留球数表示器26の発光態様(点灯又は消灯など)を制御するための情報)が記憶されている。前記演出実行データは、指定された演出パターンに基づく発光演出が行われるように枠ランプ16及び遊技盤ランプ17の発光態様を制御するための情報である。この演出実行データには、遊技演出が開始(図柄変動が開始)してから遊技演出が終了(全列の図柄が停止)する迄の発光演出の流れが示されている。また、ROM28bには、複数種類の予告実行データが記憶されている。前記予告実行データは、指定された予告パターンに基づく大当り予告の演出が行われるように枠ランプ16及び遊技盤ランプ17の発光態様を制御するための情報である。そして、ROM28bには、1つの演出パターンに対して1つの演出実行データが対応付けられていると共に、1つの予告パターンに対して1つの予告実行データが対応付けられて記憶されている。RAM28cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる情報が記憶(設定)されるようになっている。
従って、サブCPU28aは、演出パターン指定コマンド及び予告パターン指定コマンドを入力すると、前記演出実行データ及び予告実行データに基づき枠ランプ16及び遊技盤ランプ17の発光態様を制御する。この制御により、枠ランプ16及び遊技盤ランプ17では、可変表示器Hで行われる表示演出(図柄組み合わせゲーム、大当り予告の演出)に関連付けて発光演出が行われる。本実施形態では、サブCPU28aが、予告装置(枠ランプ16、遊技盤ランプ17)を制御する予告装置制御手段となる。
音声制御基板29は、サブCPU29aを備え、該サブCPU29aにはROM29b及びRAM29cが接続されている。ROM29bには、複数種類の音声演出用の演出実行データが記憶されている。前記演出実行データは、指定された演出パターンに基づく音声演出が行われるようにスピーカ18の音声出力態様を制御するための情報である。この演出実行データには、遊技演出が開始(図柄変動が開始)してから遊技演出が終了(全列の図柄が停止)する迄の音声演出の流れが示されている。また、ROM29bには、複数種類の予告実行データが記憶されている。前記予告実行データは、指定された予告パターンに基づく大当り予告の演出が行われるようにスピーカ18の音声出力態様を制御するための情報である。そして、ROM29bには、指定された演出パターンに対して1つの演出実行データが対応付けられていると共に、1つの予告パターンに対して1つの予告実行データが対応付けられて記憶されている。RAM29cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる情報が記憶(設定)されるようになっている。
従って、サブCPU29aは、演出パターン指定コマンド及び予告パターン指定コマンドを入力すると、前記演出実行データ及び予告実行データに基づきスピーカ18の音声出力態様を制御する。この制御により、スピーカ18では、可変表示器Hで行われる表示演出(図柄組み合わせゲーム、大当り予告の演出)に関連付けて音声演出が行われる。本実施形態では、サブCPU29aが、予告装置(スピーカ18)を制御する予告装置制御手段となる。
ここで、予告パターンAa〜Ad,Ba〜Bdによって特定される大当り予告の演出内容について説明する(図4)。
前記予告パターンAaは、表示演出において予告キャラクタK1(図10(c)に示す)を登場させ、前記表示演出に関連付けて発光演出や音声演出を実行させる演出内容が特定されるようになっている。前記予告パターンAbは、表示演出において予告キャラクタK1,K2(図10(d)に示す)を登場させ、前記表示演出に関連付けて発光演出や音声演出を実行させる演出内容が特定されるようになっている。前記予告パターンAcは、表示演出において予告キャラクタK1,K2,K3を登場させ、前記表示演出に関連付けて発光演出や音声演出を実行させる演出内容が特定されるようになっている。前記予告パターンAdは、表示演出において予告キャラクタK1,K2,K3,K4を登場させ、前記表示演出に関連付けて発光演出や音声演出を実行させる演出内容が特定されるようになっている。
前記予告パターンBaは、表示演出において予告キャラクタKa(図11(c)に示す)を登場させ、前記表示演出に関連付けて発光演出や音声演出を実行させる演出内容が特定されるようになっている。前記予告パターンBbは、表示演出において予告キャラクタKa,Kb(図11(e)に示す)を登場させ、前記表示演出に関連付けて発光演出や音声演出を実行させる演出内容が特定されるようになっている。前記予告パターンBcは、表示演出において予告キャラクタKa,Kb,Kc(図11(g)に示す)を登場させ、前記表示演出に関連付けて発光演出や音声演出を実行させる演出内容が特定されるようになっている。前記予告パターンBdは、表示演出において予告キャラクタKa,Kb,Kc,Kdを登場させ、前記表示演出に関連付けて発光演出や音声演出を実行させる演出内容が特定されるようになっている。
本実施形態において、予告キャラクタK1〜K4は動物(犬や猫など)を模して構成すると共に、予告キャラクタKa〜Kdは人間を模して構成し、そのキャラクタの態様(意匠)を異ならせている。従って、予告パターンAa〜Adに基づく大当り予告は、動物を模した予告キャラクタK1〜K4が登場する予告態様で行われ、予告パターンBa〜Bdに基づく大当り予告は、人間を模した予告キャラクタKa〜Kdが登場する予告態様で行われるようになっている。そして、統括制御基板30のROM30bには、予告パターンAa〜Ad,Ba〜Bdが前記予告態様に応じて2つに分類(A分類とB分類)され、予告パターンAa〜AdがA分類テーブルL1に、予告パターンBa〜BdがB分類テーブルL2に夫々振分けられている(図4(a),(b)参照)。
そして、本実施形態のパチンコ機10は、前記大当り予告を、複数回の図柄組み合わせゲーム間(遊技間)を跨いで連続的に実行することができるように構成されている。以下、大当り予告が連続的に実行される予告を「連続予告(連続演出)」と示す。連続予告では、大当り演出となる可能性がある図柄組み合わせゲームよりも前に行われる数回の図柄組み合わせゲームから、特定の演出による大当り予告が連続的に実行されるようになっている。前記連続予告では、1回の図柄組み合わせゲーム中に1回の大当り予告が実行されるようになっている。そして、本実施形態のパチンコ機10は、連続予告が出現してから数回先の図柄組み合わせゲームにおいて、大当り予告が現実化されて大当りになる場合の連続予告と、大当り予告が現実化されずに大当りにならないまま連続予告が終了してはずれになる場合の連続予告(以下、「ガセ連続予告」とも示す。)を実行可能に構成されている。
以下、主制御基板26(メインCPU26a)が、大当り予告(連続予告)を実行させるために行う処理について説明する。
主制御基板26のROM26bには、大当り判定値「7,349,919」に加えて、予告判定値が記憶されている。予告判定値は、大当り判定値と同様に大当り乱数の取り得る数値の中から定められている。本実施形態では、予告判定値を「7,349,919」の3個の値とし、大当り判定値「7,349,919」と同値となるように定められている。換言すれば、予告判定値は、大当り判定値として設定された値と異なる値が設定されていないことになる。以下、ROM26bに記憶されている前記予告判定値を「メイン判定値」と示す。
そして、メインCPU26aは、図7に示すメイン側予告判定処理において大当り予告の実行可否を判定する(以下、この判定を「メイン側可否判定」と示す)。「大当り予告の実行可否の判定」とは、統括制御基板30(統括CPU30a)と各制御基板27〜29(各サブCPU27a〜29a)によって構成されるサブ制御手段に大当り予告を実行させるか否かを判定するものである。メインCPU26aは、メイン側可否判定を、始動入賞口センサSE1からの検知信号の入力を契機に行う。より詳しくは、メインCPU26aは、大当り乱数の値を読み出した直後(即ち、入賞検知時)に、該読み出した大当り乱数の値とメイン判定値とを比較してメイン側可否判定を行う。即ち、メイン側可否判定は、前記入賞検知に基づく図柄組み合わせゲームの開始直前に行う大当り判定とは異なるタイミング(異なる判定時期)で行われる。
図7のステップS10において、メインCPU26aは、前記入賞検知時に読み出した大当り乱数の値がメイン判定値(予告判定値)と一致するか否かを判定する。例えば、入賞検知を契機に読み出した大当り乱数の値が「7」であればメイン判定値「7」と一致すると判定し、読み出した大当り乱数の値が「100」であればメイン判定値「7,349,919」と一致しないと判定する。なお、入賞検知時に読み出された前記大当り乱数の値は、大当り判定が行われる迄の間、RAM26cの所定の格納領域に格納される。前記ステップS10の判定結果が否定(大当り乱数の値とメイン判定値が不一致)の場合、メインCPU26aは、大当り予告の実行否を決定し、メイン側予告判定処理を終了する。
一方、ステップS10の判定結果が肯定(大当り乱数の値とメイン判定値が一致)の場合、メインCPU26aは、大当り予告の実行可を決定し、その時点(入賞検知時)における保留記憶数をさらに判定する(ステップS11)。このとき、判定の対象となる保留記憶数は、保留記憶数処理(図6)でRAM26cに設定された書き換え後の保留記憶数である。そして、メインCPU26aは、ステップS11で判定した保留記憶数を指示する予告コマンドを統括制御基板30の統括CPU30aに出力するようにRAM26cにセットする(ステップS12)。前記予告コマンドに指示された保留記憶数が大当り予告の実行回数となり、大当り予告の実行が決定された場合には前記実行回数に応じた回数分の各図柄組み合わせゲームで大当り予告が実行されることになる。その後、メインCPU26aは、メイン側予告判定処理を終了すると共に、RAM26cにセットした予告コマンドを統括CPU30aに出力する。前記ステップS11で判定された保留記憶数が、2以上で、かつ、保留記憶数の上限値以下(本実施形態では4以下)である場合には、連続予告となる。例えば、保留記憶数が「3」である場合には、3回の図柄組み合わせゲームにおいて大当り予告が実行可とされ、大当り予告が実行された場合には大当り予告が3回連続することになる。
次に、統括制御基板30(統括CPU30a)が、大当り予告(連続予告)を実行させるために行う処理について説明する。
統括制御基板30の統括CPU30aは、演出判定用乱数(以下、「演出乱数」と示す)の値を所定の周期毎に順次更新し、更新後の値をRAM30cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。本実施形態では、演出乱数の取り得る数値を0〜250(全251通りの整数)と定めている。また、ROM30bには、実行判定値及び予告判定値が記憶されている。前記実行判定値及び予告判定値は、演出乱数の取り得る数値の中から定められている。本実施形態では、実行判定値を「0〜199」の200個の値と定める一方で、予告判定値を「11」の1個の値と定めている。以下、ROM30bに記憶されている予告判定値を「サブ判定値」と示す。そして、統括CPU30aは、図8に示すサブ側予告判定処理、及び図9に示すコマンド設定処理を実行する。
前記サブ側予告判定処理において統括CPU30aは、予告コマンド又は保留指定コマンドを入力すると、大当り予告を実行するか否かを判定(以下、この判定を「実行判定」と示す)する。そして、前記判定の結果が肯定の場合には、予告コマンド又は保留指定コマンドで指示された保留記憶数に応じて大当り予告の予告パターンを決定する。そのため、A分類テーブルL1及びB分類テーブルL2には、保留記憶数毎に予告パターンAa〜Ad,Ba〜Bdが予め対応付けられて振分けられている(図4)。
具体的には、A分類テーブルL1において保留記憶数「1」には、1回目の図柄組み合わせゲームで実行させる大当り予告の予告パターンとして予告パターンAaが対応付けられている。また、A分類テーブルL1において保留記憶数「2」には、1回目及び2回目の図柄組み合わせゲームで実行させる大当り予告の予告パターンとして予告パターンAa及び予告パターンAbが対応付けられている。また、A分類テーブルL1において保留記憶数「3」には、1回目、2回目及び3回目の図柄組み合わせゲームで実行させる大当り予告の予告パターンとして予告パターンAa、予告パターンAb及び予告パターンAcが対応付けられている。また、A分類テーブルL1において保留記憶数「4」には、1回目、2回目、3回目及び4回目の図柄組み合わせゲームで実行させる大当り予告の予告パターンとして予告パターンAa、予告パターンAb、予告パターンAc及び予告パターンAdが対応付けられている。
また、B分類テーブルL2では、A分類テーブルL1と同様に、保留記憶数「1」には予告パターンBaが、保留記憶数「2」には予告パターンBa,Bbが、保留記憶数「3」には予告パターンBa,Bb,Bcが、保留記憶数「4」には予告パターンBa,Bb,Bc,Bdが対応付けられている。この対応付けにより、保留記憶数が2以上の場合に統括CPU30aが予告パターンを決定すると、保留記憶数に応じた回数分の図柄組み合わせゲームが行われ、各ゲームにおいて大当り予告が実行される毎に登場する予告キャラクタK1〜K4又は予告キャラクタKa〜Kdの数が増加し、大当り予告の演出内容が段階的に変化することになる。そして、予告パターンを決定した統括CPU30aは、当該予告パターンを統括制御基板30のRAM30cの記憶領域a(a1,a2,a3,a4:図3参照)又は記憶領域b(b1,b2,b3,b4:図3参照)に設定(記憶)する。
以下、図8に基づきサブ側予告判定処理についてさらに詳しく説明する。
統括CPU30aは、予告コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS20)。この判定結果が肯定(入力した)の場合、統括CPU30aは、RAM30cの記憶領域a(a1〜a4)又は記憶領域b(b1〜b4)に予告パターンが未設定であるか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21の判定結果が肯定(未設定(大当り予告が実行されていない))の場合、統括CPU30aは、演出乱数の値をRAM30cから読み出す(ステップS22)。続いて、統括CPU30aは、読み出した演出乱数の値が実行判定値と一致するか否かを判定する(ステップS23)。例えば、読み出した演出乱数の値が「10」であれば実行判定値「10」と一致すると判定し、読み出した演出乱数の値が「200」であれば実行判定値「0〜199」と一致しないと判定する。この判定結果が否定(演出乱数の値と実行判定値が不一致)の場合、統括CPU30aは、大当り予告を実行しないことを決定し、サブ側予告判定処理を終了する。
一方、ステップS22の判定結果が肯定(演出乱数の値と実行判定値が一致)の場合、統括CPU30aは、大当り予告を実行することを決定し、ステップS24に移行する。即ち、予告コマンドを入力した場合でも、大当り予告を実行する場合と実行しない場合とがある。前記ステップS22,S23の処理が、予告コマンドの入力によって行われる実行判定となる。そして、ステップS24に移行した統括CPU30aは、予告パターンを決定する。具体的に言えば、統括CPU30aは、A分類テーブルL1又はB分類テーブルL2の何れかのテーブルを振分け乱数によって選択し、当該選択したテーブルの中から予告コマンドで指示された保留記憶数に基づき予告パターンを決定する。例えば、A分類テーブルL1を選択し、保留記憶数が「4」の場合、1回目、2回目、3回目及び4回目の各図柄組み合わせゲームで実行する大当り予告の予告パターンを、予告パターンAa、予告パターンAb、予告パターンAc及び予告パターンAdに決定する(図4(a))。続いて、統括CPU30aは、ステップS24で決定した予告パターンを記憶領域a(a1〜a4)に設定する(ステップS25)。前述の例の場合、統括CPU30aは、記憶領域a1に予告パターンAaを、記憶領域a2に予告パターンAbを、記憶領域a3に予告パターンAcを、記憶領域a4に予告パターンAdを順番に設定する。その後、統括CPU30aは、サブ側予告判定処理を終了する。
また、ステップS20の判定結果が否定(入力していない)の場合、統括CPU30aは、保留指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS26)。この判定結果が否定(入力していない)の場合、統括CPU30aは、サブ側予告判定処理を終了する。一方、ステップS26の判定結果が肯定(入力した)の場合、統括CPU30aは、保留記憶数が増加しているか否かを判定する(ステップS26)。ステップS26で統括CPU30aは、RAM30cに設定されている前回の保留指定コマンドと今回の保留指定コマンドを比較し、今回の保留指定コマンドが保留記憶数の加算によって出力されたか又は保留記憶数の減算によって出力されたかを判定する。例えば、保留2指定コマンドを入力した際、RAM30cに保留1指定コマンド(前回)が設定されている場合、入力した保留2指定コマンドは保留記憶数処理(図6)によって保留記憶数が加算されたことに基づき出力され、この場合には保留記憶数が増加したことになる。一方で、保留2指定コマンドを入力した際、RAM30cに保留3指定コマンド(前回)が設定されている場合、入力した保留2指定コマンドは図柄組み合わせゲームの開始によって保留記憶数が減算されたことに基づき出力され、この場合には保留記憶数が減少したことになる。そして、ステップS27の判定結果が否定(保留記憶数が減少)の場合、統括CPU30aは、サブ側予告判定処理を終了する。
前記ステップS27の判定結果が肯定(保留記憶数が増加)の場合、統括CPU30aは、前記ステップS21と同様に、RAM30cの記憶領域a(a1〜a4)又は記憶領域b(b1〜b4)に予告パターンが未設定であるか否かを判定する(ステップS28)。ステップS28の判定結果が肯定(未設定)の場合、統括CPU30aは、演出乱数の値をRAM30cから読み出す(ステップS29)。続いて、統括CPU30aは、読み出した演出乱数の値がサブ判定値(予告判定値)と一致するか否かを判定する(ステップS30)。例えば、読み出した演出乱数の値が「11」であればサブ判定値「11」と一致すると判定し、読み出した演出乱数の値が「100」であればサブ判定値「11」と一致しないと判定する。前記ステップS30の判定結果が否定(演出乱数の値とサブ判定値が不一致)の場合、統括CPU30aは、大当り予告を実行しないことを決定し、サブ側予告判定処理を終了する。前記ステップS29,S30の処理が、保留指定コマンドの入力によって行われる実行判定となる。
前記ステップS30の判定結果が肯定(演出乱数の値とサブ判定値が一致)の場合、統括CPU30aは、大当り予告を実行することを決定し、入力した保留指定コマンドで指定された保留記憶数を判定する(ステップS30)。前記保留指定コマンドで指示された保留記憶数が大当り予告の実行回数となり、大当り予告の実行が決定された場合には前記実行回数に応じた回数分の各図柄組み合わせゲームで大当り予告が実行されることになる。続いて、統括CPU30aは、予告パターンを決定する(ステップS32)。具体的に言えば、統括CPU30aは、A分類テーブルL1又はB分類テーブルL2の何れかのテーブルを振分け乱数によって選択し、当該選択したテーブルの中からステップS31で判定した保留記憶数に基づき予告パターンを決定する。例えば、B分類テーブルL2を選択し、保留記憶数が「3」の場合、1回目、2回目及び3回目の図柄組み合わせゲームで実行する大当り予告の予告パターンを、予告パターンBa、予告パターンBb及び予告パターンBcに決定する(図4(b))。続いて、統括CPU30aは、ステップS32で決定した予告パターンを記憶領域b(b1〜b4)に設定する(ステップS33)。前述の例の場合、統括CPU30aは、記憶領域b1に予告パターンBaを、記憶領域b2に予告パターンBbを、記憶領域b3に予告パターンBcを順番に設定する。その後、統括CPU30aは、サブ側予告判定処理を終了する。
このように統括CPU30aは、予告コマンド又は保留指定コマンドを入力すると、大当り予告を実行するか否かを判定し、大当り予告を実行すると判定した場合、保留記憶数に基づき決定した予告パターンを記憶領域a又は記憶領域bのいずれかに設定する。前記記憶領域aには、大当り判定値と同値に設定されたメイン判定値と入賞検知時に読み出された大当り乱数の値を用いたメイン側可否判定の判定結果に基づき予告パターンが設定されるため、大当りになることを前提に設定されるようになっている。従って、保留記憶数が2以上の場合に記憶領域aに予告パターンが設定されたときには、図柄組み合わせゲームが行われる毎に大当り予告が実行されて連続予告となり、当該連続予告の出現から数回先の図柄組み合わせゲームにおいて大当り予告が現実化されて大当りとなる。
一方で、記憶領域bには、保留指定コマンドを入力する毎に、入賞検知時に読み出された大当り乱数の値とは別の演出乱数の値とサブ判定値を用いた実行判定の判定結果に基づき予告パターンが設定されるため、大当りになるか否かに関係なくランダムに設定されるようになっている。そのため、記憶領域bには、大当りになることを前提に予告パターンが設定されるものではないことから、その大半ははずれの場合に設定されることになる。より詳しく言えば、予告コマンドを入力した統括CPU30aが、サブ側予告判定処理(図8)のステップS23を否定判定し、かつ、予告コマンドの後に入力した保留指定コマンドに基づく実行判定(ステップS29,S30)を肯定判定しない限り、記憶領域bにははずれの場合に予告パターンが設定されることになる。従って、保留記憶数が2以上の場合に記憶領域bに予告パターンが設定されたときには、図柄組み合わせゲームが行われる毎に大当り予告が実行されて連続予告となるが、当該連続予告の大半は大当り予告が現実化されないまま終了するガセ連続予告となり、はずれとなる。
次に、図9に基づき、コマンド設定処理について詳しく説明する。
コマンド設定処理において統括CPU30aは、演出パターン指定コマンドを入力した際、RAM30cの記憶領域a又は記憶領域bに予告パターンが設定されていると、大当り予告を実行させる制御を行う。前記記憶領域a又は記憶領域bに予告パターンが設定されている場合は、予告パターンが決定されていることになる。また、統括CPU30aが行う大当り予告を実行させる制御とは、各サブCPU27a〜29aに大当り予告の実行を指示する(予告パターン指定コマンドを出力する)ことである。
また、本実施形態において統括CPU30aは、演出パターン指定コマンドを入力した際、記憶領域a又は記憶領域bに予告パターンが設定されていない場合でも、所定の条件(図9のステップS46,S47の判定結果が肯定となる)が成立していれば予告パターンを決定し、大当り予告を実行させる制御を行う。前記RAM30cの記憶領域c(図3参照)には、大当り予告の実行を指示する毎に当該大当り予告の演出内容として予告パターン指定コマンドで指定した予告パターンが設定(記憶)されるようになっている。そして、統括CPU30aは、前記所定の条件が成立した場合、RAM30cの記憶領域cに設定された予告パターンに応じて図柄組み合わせゲームで実行させる大当り予告の演出内容(予告パターン)を決定する。
図5には、本実施形態において前記所定の条件が成立した場合に、前記記憶領域cに設定された予告パターン(前回の予告パターン)に応じて決定される予告パターン(今回の予告パターン)が示されている。例えば、統括CPU30aは、前回の予告パターンが予告パターンAaの場合、図5に示すように、今回の予告パターンとして予告パターンAbを決定する。前記記憶領域cに設定された前回の予告パターンに応じて今回の予告パターンを決定することで、前回の予告パターンと今回の予告パターンを同一分類の予告パターンとすることができる。また、連続する複数回の図柄組み合わせゲームにおいて、各ゲームで実行される大当り予告の演出内容を段階的に変化させることができる。
図9に示すコマンド設定処理において統括CPU30aは、まず、演出パターン指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS40)。この判定結果が肯定(入力した)の場合、統括CPU30aは、RAM30cの記憶領域a(a1〜a4)又は記憶領域b(b1〜b4)の何れかに予告パターンが設定されているか否かを判定する(ステップS41)。この判定結果が肯定(設定)の場合、統括CPU30aは、予告パターンが記憶領域bに設定されているか否かを判定する(ステップS42)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU30aは、予告フラグFに「1」を設定し(ステップS43a)、ステップS44に移行する。前記予告フラグFは、RAM30cの所定領域に設定される。一方、ステップS42の判定結果が否定の場合、統括CPU30aは、予告フラグFに「0」を設定し(ステップS43b)、ステップS44に移行する。
そして、ステップS44に移行した統括CPU30aは、記憶領域a1又は記憶領域b1に設定されている予告パターンを指定する予告パターン指定コマンドを各制御基板27〜29の各サブCPU27a〜29aに出力するようにRAM30cにセットする。続いて、統括CPU30aは、ステップS44において設定した予告パターン指定コマンドで指定する予告パターンをRAM30cの記憶領域cに設定する(ステップS45)。また、ステップS45において統括CPU30aは、記憶領域a1又は記憶領域b1に設定されている予告パターンを消去し、記憶領域a2〜a4又は記憶領域b2〜b4に設定されている予告パターンの記憶領域をシフトさせる。例えば、記憶領域a1,a2に予告パターンAa,Abが設定されている場合、予告パターンAaを記憶領域cに設定した後、予告パターンAaを消去し、予告パターンAbを記憶領域a1にシフトする。その後、統括CPU30aは、コマンド設定処理を終了する。
また、ステップS41の判定結果が否定(設定されていない)の場合、統括CPU30aは、予告フラグFに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS46)。この判定結果が肯定(F=1)の場合、統括CPU30aは、保留指定コマンドの入力による実行判定の判定結果に基づく大当り予告が前回の図柄組み合わせゲームで実行されていることから、続いて、演出パターン指定コマンドで指定された演出パターンが大当り演出用の演出パターンであるか否かを判定する(ステップS47)。本実施形態では、演出パターン指定コマンドで指定された演出パターンが、演出パターンP1又は演出パターンP2であるか否かを判定する。前記ステップS47の判定結果が肯定の場合、統括CPU30aは、前記所定の条件が成立したことから、RAM30cの記憶領域cに設定されている予告パターンを確認する(ステップS48)。そして、統括CPU30aは、前記ステップS48で確認した予告パターンに応じて予告パターンを決定する(ステップS49、図5)。予告パターンを決定した統括CPU30aは、予告パターンを指定する予告パターン指定コマンドを各制御基板27〜29の各サブCPU27a〜29aに出力するようにRAM30cにセットした後(ステップS50)、予告フラグFに「0」を設定し(ステップS51)、コマンド設定処理を終了する。
このように統括CPU30aは、RAM30cの記憶領域b(b1〜b4)に予告パターンが設定されていない場合であっても、所定の条件が成立していれば、大当り予告を実行させる制御を行う。即ち、予告パターンが設定されていない状態で、前回の図柄組み合わせゲームで大当り予告が実行され、かつ、今回の図柄組み合わせゲームが大当り演出となる場合(ステップS41→S46→S47→S48→S49→S50)、統括CPU30aは、予告パターンを決定する。そして、統括CPU30aは、予告パターンを指定する予告パターン指定コマンドを各サブCPU27a〜29aに出力する。その結果、前回の図柄組み合わせゲームに続いて(継続させて)今回の図柄組み合わせゲームでも大当り予告が実行される。前記ステップS41→S46→S47→S48→S49→S50の処理の流れは、大当り予告が実行されるが結果的にはずれとなる図柄組み合わせゲームの直後に行われる図柄組み合わせゲームが大当りとなる場合に当該図柄組み合わせゲームでも大当り予告を実行させる処理となる。また、本実施形態では、前記所定の条件の成立要件として、連続する2回の図柄組み合わせゲーム(前回のゲームと今回のゲーム)を対象としているため、前記ステップS46,S47が何れも肯定された場合には、ステップS51において予告フラグFに「0」を設定する。
一方、ステップS46の判定結果が否定(F=0)の場合、又はステップS47の判定結果が否定(P1,P2ではない)の場合、統括CPU30aは、RAMの記憶領域a,b,cをリセットする(ステップS52)。また、統括CPU30aは、予告フラグFに「0」を設定し(ステップS53)、コマンド設定処理を終了する。即ち、この場合には前回の図柄組み合わせゲームに続けて今回の図柄組み合わせゲームで大当り予告を実行させるための前記所定の条件が成立しなかったことから、ステップS52,S53において記憶領域a,b,cをリセットすると共に予告フラグFに「0」を設定する。
本実施形態では、統括CPU30aが、サブ側予告判定処理を行うことにより、予告決定手段として機能するように構成されている。また、本実施形態では、統括CPU30aが、コマンド設定処理を行うことにより、演出判定手段、予告制御手段として機能すると共に、RAM30cが内容記憶手段として機能するように構成されている。
次に、このように構成されたパチンコ機10において、連続予告が実行される態様を図10及び図11に基づき説明する。図10及び図11において、保留球数表示器25の各ランプ25a〜25dに付した数字は、始動入賞口23に入賞した遊技球の順番を示し、1,2,3,4は、夫々、1回目、2回目、3回目,4回目の図柄組み合わせゲームに対応する。また、図10〜図12では、保留球数表示器25の各ランプ25a〜25dの点灯状態を「左下がり斜線」で、消灯状態を「空白」で示すと共に、図柄の変動表示を「下向き矢印」で示す。
最初に図10を用いて連続予告が実行される態様を説明する。
図10(a)において、可変表示器Hでは、図柄組み合わせゲームが行われている。この図柄組み合わせゲームは、保留記憶数が「1」の状態で行われている。また、記憶領域a及び記憶領域bには予告パターンが設定されていない。前記図柄組み合わせゲーム(図10(a))中に遊技球が新たに入賞すると、メインCPU26aは、保留記憶数処理(図6)を行い、保留2ランプ25bを点灯させるために(図10(b))、統括CPU30aに保留2指定コマンドを出力する。また、前記入賞時にメインCPU26aは、メイン側予告判定処理(図7)を行う。前記メイン側予告判定処理で大当り予告の実行否が決定されると、統括CPU30aには、予告コマンドが出力されない。そして、保留2指定コマンドを入力した統括CPU30aがサブ側予告判定処理(図8)で大当り予告の実行を決定すると、統括CPU30aは、保留2指定コマンドで指定された保留記憶数「2」に基づき予告パターンを決定する(図4)。図10には、A分類テーブルL1から予告パターンを決定した場合を示している。従って、統括CPU30aは、保留指定コマンドの入力に基づく実行判定によって大当り予告の実行を決定したことから、記憶領域b1,b2に予告パターンAa,Abを設定する。
そして、1回目、2回目の図柄組み合わせゲーム(図10(c),(d))の開始直前に、各ゲームを開始させるための処理が行われ、統括CPU30aは、演出パターン指定コマンドを入力する。統括CPU30aは、演出パターン指定コマンドを入力する毎に、コマンド設定処理(図9)において記憶領域b1,b2に設定された予告パターンAa,Abを指定する予告パターン指定コマンドを順次RAM30cに設定し、出力する。その結果、1回目の図柄組み合わせゲーム(図10(c))、及び2回目の図柄組み合わせゲーム(図10(d))では、各ゲームの開始後、大当り予告が実行される。前記1回目の図柄組み合わせゲームでは、予告パターンAaに基づく大当り予告(可変表示器Hに予告キャラクタK1が登場)が実行される。また、2回目の図柄組み合わせゲームでは、予告パターンAbに基づく大当り予告(可変表示器Hに予告キャラクタK1,K2が登場)が実行される。その後、可変表示器Hには、2回目の図柄組み合わせゲームにおいてもはずれの組み合わせ(例えば[567])が導出され、全図柄停止コマンドの入力によってはずれが確定する(図10(e))。この状態で、1回目の図柄組み合わせゲームから開始された連続予告(2回の大当り予告)が現実化されなかったことになる。
一方で、図10(b)において、メイン側予告判定処理で大当り予告の実行可が決定されると、統括CPU30aは、予告コマンド(保留記憶数「2」を指示する)を入力し、サブ側予告判定処理を行う。前記サブ側予告判定処理において統括CPU30aが大当り予告の実行を決定すると、統括CPU30aは、予告コマンドで指定された保留記憶数「2」に基づき予告パターンを決定し(図4)、記憶領域a1,a2に予告パターンAa,Abを設定する。そして、統括CPU30aは、演出パターン指定コマンドを入力する毎に、コマンド設定処理(図9)において記憶領域a1,a2に設定された予告パターンAa,Abを指定する予告パターン指定コマンドを順次RAM30cに設定し、出力する。
その結果、1回目の図柄組み合わせゲーム(図10(c))、及び2回目の図柄組み合わせゲーム(図10(d))では、前述同様に大当り予告が実行される。その後、可変表示器Hには、2回目の図柄組み合わせゲームにおいて大当りの組み合わせ(例えば[777])が導出され、全図柄停止コマンドの入力によって大当りが確定する(図10(f))。この状態で、1回目の図柄組み合わせゲームから開始された連続予告(2回の大当り予告)が現実化したことになる。
次に、図11を用いて、予告パターンが決定されていない場合に前回の図柄組み合わせゲームに続いて大当り予告が実行され、連続予告が実行される態様を説明する。なお、以下の説明では、前述した連続予告が実行される態様と同一内容は、その重複する説明を省略又は簡略する。
図11(a),(b)には、図11(a)の図柄組み合わせゲーム中に遊技球が新たに入賞(図11(b)に示す保留2ランプ25bの点灯に対応する入賞)した様子が示されている。前記入賞時において、メイン側予告判定処理では大当り予告の実行否が決定され、サブ側予告判定処理では大当り予告の実行が決定されている。また、RAM30cの記憶領域b1,b2には、予告パターンBa,Bbが設定されている。
そして、1回目の図柄組み合わせゲーム(図11(c))の開始直前に、当該ゲームを開始させるための処理が行われ、統括CPU30aは、演出パターン指定コマンドを入力すると、コマンド設定処理(図9)を実行する。前記コマンド設定処理において統括CPU30aは、記憶領域bに予告パターンが記憶されていることから、予告フラグFに「1」を設定する。そして、統括CPU30aは、予告パターンBaを指定する予告パターン指定コマンドをRAM30cに設定し、出力する。また、統括CPU30aは、RAM30cの記憶領域cに予告パターンBaを設定する。そして、1回目の図柄組み合わせゲーム(図11(c))では、予告パターンBaに基づく大当り予告(可変表示器Hに予告キャラクタKaが登場)が実行される。
また、1回目の図柄組み合わせゲーム中に遊技球が新たに入賞(図11(d)に示す保留2ランプ25bの点灯に対応する入賞)すると、該入賞時にメインCPU26aは、メイン側予告判定処理を行う。前記メイン側予告判定処理で大当り予告の実行可が決定されると、統括CPU30aは、予告コマンド(保留記憶数「2」を指示する)を入力し、サブ側予告判定処理を行う。このとき、サブ側予告判定処理において統括CPU30aは、記憶領域bに既に予告パターンBbが設定されていることから、サブ側予告判定処理を終了する。なお、図11(d)において、メインCPU26aがメイン側予告判定処理で大当り予告の実行可を決定している場合、3回目の図柄組み合わせゲームでは大当りの組み合わせが導出される、即ち、大当り演出が行われることになる。
そして、2回目の図柄組み合わせゲーム(図11(e))の開始直前に、当該ゲームを開始させるための処理が行われ、統括CPU30aは、演出パターン指定コマンドを入力すると、前述同様にコマンド設定処理を実行する。前記コマンド設定処理において統括CPU30aは、記憶領域bに予告パターンが記憶されていることから、予告フラグFに「1」を設定する。そして、統括CPU30aは、予告パターンBbを指定する予告パターン指定コマンドをRAM30cに設定し、出力する。また、統括CPU30aは、RAM30cの記憶領域cに予告パターンBbを設定する。そして、2回目の図柄組み合わせゲーム(図11(c))では、予告パターンBbに基づく大当り予告(可変表示器Hに予告キャラクタKa,Kbが登場)が実行される。その後、可変表示器Hには、2回目の図柄組み合わせゲームにおいてもはずれの組み合わせ(例えば[567])が導出され、全図柄停止コマンドの入力によってはずれが確定する(図11(f))。図11(a)〜(f)までの流れにおいては、1回目の図柄組み合わせゲームから開始された連続予告(2回の大当り予告)が現実化されなかったことになる。
そして、3回目の図柄組み合わせゲーム(図11(g))の開始直前に、当該ゲームを開始させるための処理が行われ、統括CPU30aは、演出パターン指定コマンドを入力する。このとき、統括CPU30aは、メインCPU26aが大当り判定によって大当りの決定をしているため、大当り演出用の演出パターン(本実施形態では演出パターンP1,P2の何れか)を指定する演出パターン指定コマンドを入力する。そのため、統括CPU30aは、予告フラグFに「1」が設定され、かつ、演出パターン指定コマンドによって大当り演出用の演出パターンが指定されていることから、予告パターンを決定する。即ち、統括CPU30aは、RAM30cの記憶領域a又は記憶領域bに予告パターンが設定されていない状態で、前回(2回目)の図柄組み合わせゲームで大当り予告が実行され、かつ、今回(3回目)の図柄組み合わせゲームが大当り演出となる条件が成立していることから、予告パターンを決定する。具体的には、統括CPU30aは、RAM30cの記憶領域cに予告パターンBbが設定されていることから、3回目の図柄組み合わせゲームで実行する予告パターンを前記予告パターンBbと同一の予告態様となる予告パターンBcに決定する(図5)。前記予告パターンBcが決定されると、予告フラグFに「0」が設定される。
そして、3回目の図柄組み合わせゲーム(図11(g))では、2回目の図柄組み合わせゲームに続いて、3回目の図柄組み合わせゲームの開始後、予告パターンBcに基づく大当り予告(可変表示器Hにおいて予告キャラクタKa,Kb,Kcが登場)が実行される。その後、可変表示器Hには、3回目の図柄組み合わせゲームにおいて大当りの組み合わせ(例えば[777])が導出され、全図柄停止コマンドの入力によって大当りが確定する(図11(h))。この状態で、1回目の図柄組み合わせゲームから開始された連続予告(結果的に3回の大当り予告)が現実化されたことになる。
従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)前回の図柄組み合わせゲームで大当り予告が実行され、かつ、今回の図柄組み合わせゲームが大当り演出となる場合には、予告パターンが決定されていない場合であっても大当り予告を前回に続けて今回の図柄組み合わせゲームでも実行させるようにした。そのため、今回の図柄組み合わせゲームが大当り演出となる場合に、予告パターンが決定されていなくても、前回の図柄組み合わせゲームで大当り予告が実行されていれば、続いて大当り予告を実行させることができる。従って、大当り予告が実行されるが結果的にはずれとなる図柄組み合わせゲームの直後に、大当り予告が実行されることなく大当りとなる図柄組み合わせゲームが行われることを抑制し、大当り予告を適切なタイミングで行うことができる。
(2)予告態様が複数分類(本実施形態ではA分類とB分類)存在する場合であっても、RAM30cに前回の図柄組み合わせゲームで実行させた大当り予告の予告パターンを記憶しておくことで、今回の図柄組み合わせゲームで実行させる大当り予告の分類を特定することができる。即ち、今回の図柄組み合わせゲームで実行させる大当り予告の予告態様と前回の図柄組み合わせゲームで実行させた大当り予告の予告態様を同一にすることができ、連続する複数回の図柄組み合わせゲームを違和感無く行うことができる。
(3)また、大当り予告を適切なタイミングで行うことにより、遊技者が、パチンコ機10の遊技演出に違和感を覚えることがなく、興趣の向上を図ることができる。従って、遊技者の大当り予告に対する期待性が薄れることを抑制し、大当り予告の出現によって遊技者が抱く大当りへの期待感を向上させることができる。
(4)大当り予告を継続して実行させるための条件を付与した。そのため、特定の場合(本実施形態では大当り予告が実行された後、次の図柄組み合わせゲームが大当り演出となる場合)に限り、大当り予告を続けて実行させることができる。従って、従来と同様に、大当り予告が現実化される連続予告と現実化されないガセ連続予告を作り出すことが可能であり、興趣の向上を図ることができる。
(5)主制御基板26では大当り乱数の値とメイン判定値を比較してメイン側可否判定を行い、統括制御基板30においても実行判定を行うようにした。そのため、主制御基板26では、大当りとなる場合における大当り予告(又は連続予告)の実行可否を判定する。即ち、主制御基板26では、はずれとなる場合における大当り予告(又は連続予告)の実行可否を判定しないため、処理が簡素化され、主制御基板26に負担を強いることなく大当り予告(又は連続予告)を実行させることができる。
(6)統括制御基板30は、保留指定コマンドの入力を契機に実行判定を行うようにした。前記保留指定コマンドは、主制御基板26が出力する既存の制御コマンドであって、該既存の制御コマンドを利用して、統括制御基板30は実行判定を行っている。そのため、統括制御基板30が実行判定を行うようにした場合であっても、主制御基板26に設計変更が生じることなく、従来と同様の構成の主制御基板26を採用することができる。さらに、主制御基板26は、統括制御基板30が実行判定を行うための専用の制御コマンドを出力する必要がないので、主制御基板26に対して過度の負担を強いることを抑制できる。
(7)統括制御基板30は、予告コマンドを入力した際に、大当り予告を実行するか否かをさらに判定し(実行判定)、この判定結果が肯定の場合のみに大当り予告を実行するようにした。そのため、最終的に大当りの組み合わせが停止する場合であっても、大当り予告(連続予告)を伴う場合と伴わない場合を作り出すことができ、より一層興趣の向上を図ることができる。また、前記実行判定において統括制御基板30は演出乱数を用いている。そのため、大当り予告(連続予告)が伴う場合と伴わない場合をランダムに選択できる。
(8)大当り予告の実行回数に応じた回数分の各図柄組み合わせゲームで実行させる大当り予告の予告パターンを事前に決定し、RAM30cの記憶領域a又は記憶領域bに設定するようにした。そのため、決定された大当り予告の実行回数よりも少ない回数や多い回数の予告演出が実行されることを抑制できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した第2の実施形態を図12に基づき説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した実施形態と同一構成(同一制御内容)については、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
本実施形態では、予告パターンが決定されていない状態で、前回の図柄組み合わせゲームに続いて今回の図柄組み合わせゲームで大当り予告を実行させるための条件を追加している。具体的には、図12において二点鎖線で囲んだステップS60、ステップS61、ステップS62、ステップS63及びステップS64の処理を追加している。
以下、本実施形態におけるコマンド設定処理(図12)において行われるステップS60〜S64の処理について詳しく説明する。
前記統括CPU30aは、ステップS47の判定結果が否定の場合、演出パターン指定コマンドで指定された演出パターンが演出パターンP3であるか否かを判定する(ステップS60)。前記演出パターンP3は、前述のように2段階に発展するリーチ演出(ノーマルリーチ演出→スーパーリーチ演出)が行われる演出パターンである。そして、ステップS60の判定結果が肯定(P3である)の場合、統括CPU30aは、RAM30cの記憶領域cに設定されている予告パターンを確認する(ステップS61)。そして、統括CPU30aは、前記ステップS61で確認した予告パターンに応じて予告パターンを決定する(ステップS62、図5)。予告パターンを決定した統括CPU30aは、予告パターンを指定する予告パターン指定コマンドを各制御基板27〜29の各サブCPU27a〜29aに出力するようにRAM30cにセットした後(ステップS63)、予告フラグFに「1」を設定し(ステップS64)、コマンド設定処理を終了する。
このように統括CPU30aは、予告パターンが決定されていない状態で、前回の図柄組み合わせゲームで大当り予告が実行され、かつ、今回の図柄組み合わせゲームが特定のリーチ演出を含むはずれ演出となる場合(ステップS60→S61→S62→S63)、予告パターンを決定する。そして、統括CPU30aは、予告パターンを指定する予告パターン指定コマンドを各サブCPU27a〜29aに出力する。その結果、前回の図柄組み合わせゲームに続いて(継続させて)今回の図柄組み合わせゲームでも大当り予告が実行される。前記ステップS60→S61→S62→S63の処理の流れは、大当り予告は実行されるが結果的にはずれとなる図柄組み合わせゲームの直後に行われる図柄組み合わせゲームで特定のリーチ演出が行われる場合に当該図柄組み合わせゲームでも大当り予告を実行させる処理となる。なお、本実施形態では、前記ステップS60が肯定された場合に実行される大当り予告は、現実化されずにはずれとなるため、ステップS64において予告フラグFに「1」を設定する。そのため、次回の図柄組み合わせゲームを行うための演出パターン指定コマンドで大当り演出用の演出パターンが指定されている場合には、前記第1の実施形態と同様に、前回の図柄組み合わせゲームに続けて今回の図柄組み合わせゲームでも大当り予告が実行されることになる。
従って、本実施形態によれば、前記第1の実施形態の効果(1)〜(8)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(9)前回の図柄組み合わせゲームで大当り予告が実行され、かつ、今回の図柄組み合わせゲームで特定のリーチ演出を含むはずれ演出が行われる場合には、予告パターンが決定されていない場合であっても前回に続けて今回の図柄組み合わせゲームで大当り予告を実行するように構成した。この場合、実行された大当り予告は現実化されないが、大当りへの期待感が高まるリーチ演出(本実施形態では2段階に発展するリーチ演出)が行われる際に、前回の図柄組み合わせゲームに続けて大当り予告が実行されることで、遊技者が抱く大当りへの期待感をさらに高めさせることができる。
(10)また、特定のリーチ演出を含むはずれ演出が行われる際に前回の図柄組み合わせゲームに続けて大当り予告を実行させた場合には、予告フラグFをリセットせずに、予告フラグFに「1」をセットするようにした。そのため、大当りへの期待感が高まるリーチ演出を含むはずれ演出となる図柄組み合わせゲームの直後に、大当り予告が実行されることなく大当りとなる図柄組み合わせゲームが行われることを抑制できる。従って、大当り予告を適切なタイミングで行うことができる。
なお、前記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記各実施形態において、サブ側予告判定処理(図8)におけるステップS22,S23の処理を省略しても良い。この場合、統括CPU30aは、予告コマンドを入力すると、該予告コマンドに基づき予告パターンを決定し、記憶領域aに設定する。また、第2の実施形態において、コマンド設定処理(図12)におけるステップS47〜S51の処理を省略しても良い。
・前記各実施形態において、予告装置の制御を統括CPU30aで行い、当該統括CPU30aを予告装置制御手段として機能させても良い。また、予告コマンド及び保留指定コマンドを各サブCPU27a〜29aに入力し、各サブCPU27a〜29aを予告決定手段、予告制御手段、演出判定手段として機能させても良い。また、各ROM27b〜29bをパターン記憶手段として機能させると共に、各RAM27c〜29cを内容記憶手段、演出設定手段として機能させても良い。これらの手段の機能は、表示制御基板27、ランプ制御基板28、音声制御基板29及び統括制御基板30から構成されるサブ制御手段が有していれば良い。また、各サブCPU27a〜29a、各ROM27b〜29b及び各RAM27c〜29cを前述の手段として機能させる場合には、統括制御基板30を省略しても良い。この場合、サブ制御手段は、各制御基板27〜29によって構成される。
・前記各実施形態では、可変表示器Hが液晶式で構成されているが、可変表示器Hの種類は任意に変更しても良い。例えば、CRT(ブラウン管)式、プラズマディスプレイ式、7セグメントLED式、ドットマトリクス式、機械式(ドラム式又はベルト式)で構成しても良い。
・前記各実施形態において、大当り予告を実行する装置(予告装置)は任意に変更しても良い。例えば、保留球数表示器25などの入賞報知手段を、大当り予告を実行する装置と兼用構成にしても良い。入賞報知手段で大当り予告を実行する場合、保留記憶数(入賞報知)の報知態様(実施形態では点灯)とは異なる報知態様(例えば、点滅、異色での点灯)とすることにより、大当り予告と入賞報知を差別化できる。また、可変表示器H、遊技盤ランプ17及びスピーカ18が単独で大当り予告を実行するようにしても良い。また、大当り予告専用のランプ、表示器などを設けても良い。
・前記各実施形態において、大当り乱数、演出乱数などの各種乱数が取り得る数値の範囲、各種判定値(大当り判定値、メイン判定値、サブ判定値、実行判定値)は任意に変更しても良い。例えば、メイン判定値を「7」のみ、又は「7,919」としても良い。即ち、メイン判定値は、大当り判定値と同値に設定することを条件に、その設定個数は任意に変更しても良い。また、サブ判定値の設定個数を、例えば、「11,150,200」というように増やしても良い。サブ判定値の設定個数を変更することで、実行判定に基づき実行される連続予告の出現割合を変更できる。また、保留記憶数の上限値は任意に変更しても良いし、上限値が設定されていなくても良い。
・前記各実施形態において、主制御基板26のROM26bに記憶する演出パターンの数は任意に変更しても良い。
・前記各実施形態において、2種類の予告態様となるように予告パターンAa〜Ad,Ba〜Bdが構成されているが、3種類、4種類の予告態様に分類されるように予告パターンを構成しても良い。
・前記各実施形態では、共通の保留指定コマンドが用いられているが、保留記憶数処理(図6)で出力される保留指定コマンドと図柄組み合わせゲームの開始で出力される保留指定コマンドを分けても良い。そして、統括CPU30aは、保留記憶数処理で出力された保留指定コマンドに基づき実行判定を行う。
・前記各実施形態においてメインCPU26aは、大当り乱数を用いて大当り判定とメイン側可否判定を行っているが、大当り乱数とは異なる予告判定用乱数(判定用乱数)を用いてメイン側可否判定を行っても良い。予告判定用乱数は、大当り乱数と同一の数値範囲内で同一の値を取り得るように所定の周期毎に順次更新される(即ち、同期して更新される)乱数とする。メインCPU26aは、入賞検知を契機に、大当り乱数と予告判定用乱数をRAM26cから読み出す。
・前記各実施形態において、大当り予告を実行した回数を計数する計数手段(例えば、統括CPU30a)を設けても良い。そして、前記所定の条件が成立した際、統括CPU30aが、前記回数と記憶領域cに記憶されている予告パターンに応じて予告パターンを決定するようにしても良い。このように構成すれば、大当り予告を実行した回数によって今回の図柄組み合わせゲームで実行する大当り予告が何回目の大当り予告であるのか把握でき、当該回数と前回の図柄組み合わせゲームで実行された大当り予告の予告パターンから、今回の図柄組み合わせゲームで実行する大当り予告の予告パターンを決定することができる。そのため、大当り予告を継続して実行させる場合に、前回の図柄組み合わせゲームで実行させた大当り予告の演出内容と今回の図柄組み合わせゲームで実行させる大当り予告の演出内容を関連付けることができる。従って、複数回の大当り予告が連続する場合であっても、その連続性を遊技者に認識させることができると共に、違和感のない演出を提供することができる。
次に、前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記予告演出の演出内容が異なる複数の予告演出パターンを記憶する予告演出パターン記憶手段を備え、前記予告決定手段は、前記始動保留球の記憶数に応じた回数分の遊技演出で実行する各予告演出の予告演出パターンを事前に決定し、当該決定した各予告演出パターンを遊技演出毎に対応付けて演出設定手段に設定し、前記予告制御手段は、前記遊技演出が行われる毎に、当該遊技演出に対応付けられた予告演出パターンに基づき前記予告演出を実行させる制御を行うように構成された請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ロ)前記予告演出を実行した回数を計数する計数手段をさらに備え、前記予告制御手段は、前記予告演出パターンが決定されていない場合には、前記演出判定手段の判定結果が肯定で、かつ、前記内容記憶手段に前回の遊技演出で実行した予告演出の演出内容が記憶されているとき、前記計数手段が計数した回数及び内容記憶手段の記憶内容に応じて前記予告演出を実行させる制御を行うように構成された請求項1に記載の遊技機。
Aa〜Ad,Ba〜Bd…予告パターン(予告演出パターン)、P1〜P5…演出パターン、SE1…始動入賞口センサ(入賞検知手段)、23…始動入賞口(入賞検知手段)、26a…メインCPU(パターン決定手段)、26c…RAM(保留球数記憶手段)、30a…統括CPU(予告決定手段、演出判定手段、予告制御手段)、30b…ROM(予告演出パターン記憶手段)、30c…RAM(内容記憶手段、演出設定手段)。