JP2005064893A - 色推定方法、色調整方法及びカラー画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 顔料を含むインクの刷り重ねる場合の色を、刷り重ねるときに下側となるインク、上側になるインク及び印刷用紙の各L*a*b*表色系の値及び濃度から、精度良く、且つ、容易に推定すること。
【解決手段】 刷り重ねるとき下側となる顔料を含んでなる第1の色材及び刷り重ねるとき上側となる顔料を含んでなる第2の色材をそれぞれ記録媒体上に印刷したときの色及び記録媒体の所定の分光特性に基づくL*a*b*表色系の値と所定の分光特性とは異なる1つ以上の分光特性による濃度を測定し、記録媒体上に前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色のXYZ表色系の値のうちの少なくとも1つの値については、その測定したL*a*b*表色系の値と濃度を用いて推定することを特徴とする。
【選択図】 図5
【解決手段】 刷り重ねるとき下側となる顔料を含んでなる第1の色材及び刷り重ねるとき上側となる顔料を含んでなる第2の色材をそれぞれ記録媒体上に印刷したときの色及び記録媒体の所定の分光特性に基づくL*a*b*表色系の値と所定の分光特性とは異なる1つ以上の分光特性による濃度を測定し、記録媒体上に前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色のXYZ表色系の値のうちの少なくとも1つの値については、その測定したL*a*b*表色系の値と濃度を用いて推定することを特徴とする。
【選択図】 図5
Description
本発明は、色材を刷り重ねて印刷して得られる色についての色推定方法、色調整方法及びその色調整方法を適用したカラー画像形成装置に関し、特に刷り重ねる色材が顔料を含む場合に関する。
近年、DTP(Desk Top Publishing)等の普及により、スキャナから入力した画像をコンピュータのソフトウエア上で画像編集、ページ面付けする作業が一般化し、フルデジタルでの編集も珍しくなくなってきている。
このような工程では、さらなる効率化を目指して、フィルムにページ編集済みの画像データを直接出力するイメージセッター出力や、印刷版に直接画像記録を行うCTP(Computer to Plate)出力、さらには、印刷機のシリンダー上に巻かれた印刷版に直接画像記録を行うCTC(Computer to Cylinder)が行われる。
この場合、校正確認の為だけに一端フィルム出力や印刷版出力を行い、印刷校正や、その他の校正材料による校正を行うことは、フィルム、印刷版のムダや余計な作業が多くなる問題がある。
その為、特に、このようなコンピュータによるフルデジタルの画像作成、編集を行う工程では、DDCP(Direct Digital Coror Proof)ないしはDCP(Digital Coror Proof)と呼ばれる直接カラー画像出力を行うシステムが求められている。
このようなDDCPは、コンピュータ上で加工されたデジタル画像データからイメージセッターなどで製版用フィルム上に記録したり、CTPで直接印刷版を作成する最終的な印刷作業を行ったり、CTCで印刷機のシリンダー上に巻かれた印刷版に直接画像記録を行ったりなどする前に、コンピュータ上で加工されたデジタル画像が示す出力対象を再現するカラープルーフを作成し、その絵柄、色調、文章文字等の確認を行うものである。
また、このような印刷工程における校正のプロセスでは、(1)作業現場内部ミスの確認、すなわち内校、(2)発注主、デザイナーへの仕上がり確認用の提出される外校、(3)印刷機の機長に対して、最終印刷物の見本として提供される印刷見本、の主として3つの用途にプルーフが作成、使用される。
このように、カラー印刷を作成する際には、原稿フィルムの段階で色校正を行うことにより、Y(イエロー)版、M(マゼンダ)版、C(シアン)版、及びBK(墨色)版に分解された各色分解網原稿フィルムを使って校正物(カラープルーフ)を作成し、本番の印刷版を作成する前に、原稿フィルムのレイアウトに間違いないか、色間違いないか、文字の誤りがないか等を検査し、印刷物の仕上がりを事前に確認するようにしている。
一方、各色分解網原稿の網点画像データに基づいて、銀塩カラー感光材料に、例えば、R、G、B等の波長の異なる複数の光の組み合わせからなる光点を露光して、3つの基本色Y、M、Cの各ドットを発色させることで網点画像を再現してカラープルーフを作成するカラープルーフ作成装置がある。またその中に、印刷機の1次色(インク単色)、インクを刷り重ねて得られる多次色(インクを重ね合わせた色)及び白(印刷用紙の色)を再現するように、1次色、多次色及び白の各々について3つの基本色の出力強度を変化させて調整し重ね合わせて出力するものがある。
この1次色、多次色及び白は、印刷機で出力し測定することでその色の特性値を求めていた。つまり、印刷機で用いるインクが、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(墨色)であれば、1/2/3/4次色と白の16通りについて測定を行っていた。また、さらに特色を用いる場合には、この16通りとさらにそれぞれに特色を重ねた色との合計32通りについて測定を行っていた。
しかしながら、特色というものは同じものが常時使用されるものではなく、殆どの場合印刷量が限られている。さらに、異なる色の特色であったり同じものでもロット違であったり色が変化するので、その都度前述の16通りに対して特色を重ねた色を測定する必要があり、多大な時間と労力をその測定に費やしていた。
また、1/2/3/4次色と白の16通りに特色を刷り重ねた色の推定方法が提案されている。一例として光の各波長に対する分光濃度を単純に足し合わせて重ねた色を推定する方法があるが、インクが染料を含むものである場合には測定値と推定が十分近いものが得られるが、インクが顔料を含む場合に、顔料による光の散乱等のために近いものが得られない。もちろん、分光濃度を足し合わせる際に、下側となるインクの分光濃度を上側となるインクの透明度係数で補正し、上側となるインクの分光濃度を下側となるインクに重ねるときの所謂インクののりの変化を補正するためのトラッピング率係数で補正し足し合わせるが、刷り重ねるインクの比較的高い濃度を示す波長と比較的低い濃度を示す波長とでは、同じ透明度係数及びトラッピング率係数を用いた場合にその結果が大きく異なる、例えば、比較的高い濃度を示す波長において、得られる分光濃度が測定値に比べ大きくなってしまうことがある。
そこで、分光濃度を単純に足し合わせるだけではなく、下側となるインクを紙に印刷し測定して得られる分光濃度から紙の分光濃度を減算した値と、上側となるインク(特色)を紙に印刷し測定して得られる分光濃度から紙の分光濃度を減算した値との積に比例する値を用いて補正することにより精度良く刷り重ねた色を推定する方法が提案されている。
しかしながら、特色毎に分光濃度を測定する必要があるので、分光濃度を測定するための測定器を常に備えておく必要があるが、そのような測定器は高価であり、そのような必要性をみたすことが困難な場合がある。
一方、分光濃度を測定する代わりに、分光濃度を測定するための測定器より安価に導入できるL*a*b*表色系の値を測定するための測定器を用いてL*a*b*表色系の値を測定し、測定したL*a*b*表色系の値をXYZ表色系の値に変換して、さらにXYZ表色系の値から濃度を求め、特願2003−055365号に記載のような補正を行ない刷り重ねた色を推定することは可能である。しかしながら、L*a*b*表色系の値を変換したXYZ表色系の値から求めた濃度はCIE(Commission Internationale de l’Eclairage;国際照明委員会)で定められたx−bar,y−bar、z−barの広い波長幅について光量を積算して求めた値であり、分光濃度を測定するための測定器により得られる分光濃度のように、インクの重ね合わせによる細かな分光吸収特性の凹凸は得られないので、精度良く補正をすることができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、安価に導入可能であるとともに刷り重ねる色の推定を高精度で行うことが可能な色推定方法を提供することにあり、さらに、推定した色を精度良く再現することが可能な色調整方法及びその色調整方法を適用したカラー画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数の色材を記録媒体上に刷り重ねて印刷する場合に、刷り重ねて印刷して得られる色を推定する色推定方法であって、前記刷り重ねるとき下側となる顔料を含んでなる第1の色材を前記記録媒体上に印刷したときの所定の分光特性に基づくL*a*b*表色系の値と前記所定の分光特性とは異なる1つ以上の分光特性による濃度dを測定する第1の測定段階と、前記刷り重ねるとき上側となる顔料を含んでなる第2の色材を前記記録媒体上に印刷したときの前記L*a*b*表色系の値と前記濃度dを測定する第2の測定段階と、前記記録媒体の前記L*a*b*表色系の値と前記濃度dを測定する第3の測定段階と、前記記録媒体上に前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色のXYZ表色系の値のうちの少なくとも1つの値については、前記第1乃至第3の測定段階で測定した前記L*a*b*表色系の値と前記濃度dを用いて推定する推定段階と、を含むことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、前記推定段階は、前記第1の色材、前記第2の色材及び前記記録媒体のそれぞれについて、前記L*a*b*表色系の値を変換してXYZ表色系の前記推定を行う前記1つの値に対応する値を求め、その求めた値に比例する値と前記濃度dを変換して得られる反射率rに比例する値との差分Sを求める段階と、前記反射率r及び前記差分Sのそれぞれについて、前記第1の色材についての透過濃度D1、前記第2の色材についての透過濃度D2、前記記録媒体についての透過濃度DWに変換し、前記透過濃度D1と前記透過濃度DWの差分に比例する値と、前記透過濃度D2と前記透過濃度DWの差分に比例する値と、前記透過濃度DWとを加算し、さらに前記透過濃度D1と前記透過濃度DWとの差分に比例する値と前記透過濃度D2と前記透過濃度DWとの差分に比例する値との積に比例する値を前記加算結果から減算し、その結果を前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色の透過濃度DMとして求め、さらに透過濃度DMを反射率RMに変換する段階と、前記反射率r及び前記差分Sに対応するそれぞれの反射率RMに比例する値を積算し、その積算結果を前記記録媒体上に前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色のXYZ表色系の値のうちの1つの値とする段階と、を含むことを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、前記推定されたXYZ表色系の値をL*a*b*表色系の値に変換する段階を更に含むことを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、前記第1の色材は、顔料を含んでなる色材を複数刷り重ねたものを含むことを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、複数の色材のそれぞれの網点画像を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる目標となる網点画線部の色を複数の基本色を用いて再現するように色調整を行う色調整方法であって、複数のL*a*b*表色系の値に対する前記複数の基本色の出力強度の組み合わせの参照テーブルを予め格納する格納段階と、前記刷り重ねるとき下側となる顔料を含んでなる第1の色材を前記記録媒体上に印刷したときの所定の分光特性に基づくL*a*b*表色系の値と前記所定の分光特性とは異なる1つ以上の分光特性による濃度d及び前記記録媒体の前記L*a*b*表色系の値と前記濃度dとを予め測定し、その測定結果を格納する測定結果格納段階と、前記刷り重ねるとき上側となる顔料を含んでなる第2の色材を前記記録媒体上に印刷したときの前記L*a*b*表色系の値と前記濃度dとを測定し、その測定結果を入力する入力段階と、前記記録媒体上に前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色のXYZ表色系の値のうちの少なくとも1つの値については、前記格納されたL*a*b*表色系の値及び濃度dと前記入力されたL*a*b*表色系の値及び濃度dとを用いて推定する推定段階と、前記推定されたXYZ表色系の値をL*a*b*表色系の値に変換する色変換段階と、前記色変換手段により得られたL*a*b*表色系の値と前記参照テーブルとにより、前記目標となる色を再現するための前記複数の基本色の出力強度の組み合わせを求めカラーチャンネルテーブルを生成する生成段階と、を含み、前記カラーチャンネルテーブルに基づいて、前記複数の基本色の出力強度を変化させて色調整を行うことを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、前記推定段階は、前記第1の色材、前記第2の色材及び前記記録媒体のそれぞれについて、前記L*a*b*表色系の値を変換してXYZ表色系の前記推定を行う前記1つの値に対応する値を求め、その求めた値に比例する値と前記濃度dを変換して得られる反射率rに比例する値との差分Sを求める段階と、前記反射率r及び前記差分Sのそれぞれについて、前記第1の色材についての透過濃度D1、前記第2の色材についての透過濃度D2、前記記録媒体についての透過濃度DWに変換し、前記透過濃度D1と前記透過濃度DWの差分に比例する値と、前記透過濃度D2と前記透過濃度DWの差分に比例する値と、前記透過濃度DWとを加算し、さらに前記透過濃度D1と前記透過濃度DWとの差分に比例する値と前記透過濃度D2と前記透過濃度DWとの差分に比例する値との積に比例する値を前記加算結果から減算し、その結果を前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色の透過濃度DMとして求め、さらに透過濃度DMを反射率RMに変換する段階と、前記反射率r及び前記差分Sに対応するそれぞれの反射率RMに比例する値を積算し、その積算結果を前記記録媒体上に前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色のXYZ表色系の値のうちの1つの値とする段階と、を含むことを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、前記第1の色材は、顔料を含んでなる色材を複数刷り重ねたものを含むことを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、複数の色材のそれぞれの網点画像を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる目標となる網点画線部の色を複数の基本色を用いて再現しカラー画像を形成するカラー画像形成装置であって、複数のL*a*b*表色系の値に対する前記複数の基本色の出力強度の組み合わせの参照テーブルと、前記刷り重ねるとき下側となる顔料を含んでなる第1の色材を前記記録媒体上に印刷したときの所定の分光特性に基づくL*a*b*表色系の値と前記所定の分光特性とは異なる1つ以上の分光特性による濃度d及び前記記録媒体の前記L*a*b*表色系の値と前記濃度dを格納する色特性テーブルと、前記刷り重ねるとき上側となる顔料を含んでなる第2の色材を前記記録媒体上に印刷したときの前記L*a*b*表色系の値と前記濃度dを入力するための入力手段と、前記記録媒体上に前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色のXYZ表色系の値のうちの少なくとも1つの値については、前記色特性テーブルに格納されたL*a*b*表色系の値及び濃度dと前記入力手段から入力されたL*a*b*表色系の値及び濃度dとを用いて推定する色推定手段と、前記推定されたXYZ表色系の値をL*a*b*表色系の値に変換する色変換手段と、前記色変換手段により得られたL*a*b*表色系の値と前記参照テーブルとにより、前記目標となる色を再現するための前記複数の基本色の出力強度の組み合わせを求めカラーチャンネルテーブルを生成する生成手段と、前記カラー画像を形成する際に、前記カラーチャンネルテーブルに基づいて、前記複数の基本色の出力強度を変化させるように制御する制御手段と、を有することを特徴としている。
また、請求項9記載の発明は、前記推定手段は、前記第1の色材、前記第2の色材及び前記記録媒体のそれぞれについて、前記L*a*b*表色系の値を変換してXYZ表色系の前記推定を行う前記1つの値に対応する値を求め、その求めた値に比例する値と少なくとも1つの前記濃度dを変換して得られる反射率rに比例する値との差分Sを求め、前記反射率r及び前記差分S毎に、透過濃度Dに変換し、前記第1の色材についての透過濃度をD1、前記第2の色材についての透過濃度をD2、前記記録媒体についての透過濃度をDWとし、前記透過濃度D1と前記透過濃度DWの差分に比例する値と、前記透過濃度D2と前記透過濃度DWの差分に比例する値と、前記透過濃度DWとを加算し、さらに前記透過濃度D1と前記透過濃度DWとの差分に比例する値と前記透過濃度D2と前記透過濃度DWとの差分に比例する値との積に比例する値を前記加算結果から減算し、その結果を前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色の透過濃度DMとして求め、さらに透過濃度DMを反射率RMに変換し、前記反射率r及び前記差分Sに対応するそれぞれの反射率RMに比例する値を積算し、その積算結果を前記記録媒体上に前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色のXYZ表色系の値のうちの1つの値として推定することを特徴としている。
また、請求項10記載の発明は、前記第1の色材は、顔料を含んでなる色材を複数刷り重ねたものを含むことを特徴としている。
請求項1乃至請求項3記載の色推定方法によれば、インクを刷り重ねたときの色を一般的なL*a*b*表色系の値と一般的なRGB濃度を用いて色の推定できるので実用上便利であるとともに、高い精度で推定を行うことができる。
請求項4記載の色推定方法によれば、例えば、CMYK1/2/3/4次色のようなインクを刷り重ねた色に特色を刷り重ねるときの色が推定できる。
請求項5記載または請求項6の色調整方法によれば、刷り重ねる色について測定を行うだけで、高い精度で色推定を行い、色調整をその推定結果をもとに高い精度で行うことができる。
請求項7記載の色調整方法によれば、例えば、CMYK1/2/3/4次色のようなインクを刷り重ねた色に特色を刷り重ねるときの色を刷り重ねる特色のみを印刷用紙に印刷し測定するだけ推定でき実用上便利である。
以下、本発明の色推定方法、色調整方法を述べるにあたり、一例としてカラープルーフ作成装置(カラー画像形成装置)に適用した実施の形態を示し、図面を参照して具体的に説明する。
(カラープルーフ作成装置の制御構成)
まず、本実施の形態のカラープルーフ作成装置は、印刷機で複数のインク(C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック))のそれぞれの網点画像を刷り重ねして得られる網点画線部の色を目標とし、その目標とする色をカラープルーフ作成装置の複数の基本色(Y、M、C、以下「C、M、Y」、「YMC」、「CMY」と順序などを変えて記す場合もある。)の出力強度を変化させて再現しカラー画像を出力するものであり、本発明の色推定方法を適用して好適なものである。
まず、本実施の形態のカラープルーフ作成装置は、印刷機で複数のインク(C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック))のそれぞれの網点画像を刷り重ねして得られる網点画線部の色を目標とし、その目標とする色をカラープルーフ作成装置の複数の基本色(Y、M、C、以下「C、M、Y」、「YMC」、「CMY」と順序などを変えて記す場合もある。)の出力強度を変化させて再現しカラー画像を出力するものであり、本発明の色推定方法を適用して好適なものである。
図1にカラープルーフ作成装置の機能ブロック図を示す。図1に示すように、本実施の形態のカラープルーフ作成装置は、制御部1、色演算部2、カラーチャンネル作成部3及び画像記録部4で構成される。さらに、各部の詳細を以下に述べる。
色演算部2は、色演算手段21、色特性テーブル22、係数テーブル23、色テーブル24及び入力手段25からなる。
色特性テーブル22は、印刷機で記録媒体としての印刷用紙にC,M,Y,Kの各色のインクを用いて印刷したCMYK1/2/3/4次色と白地(印刷用紙の地色)について予め測定されたL*a*b*表色系の値と濃度dを格納している。
ここでL*a*b*表色系の値とは、色を表す表色系の値の1つであり、L*軸、a*軸、b*軸の3次元空間で色を表すもので、a*b*平面により色あい及び彩度が表され、L*はa*b*平面に直交し明度を表す色特性の値である。
また、濃度dとしては、ISO規格(ISO 5−3 Photography−Density measurements−Part3:Spectral conditions)のStatus−Tの分光フィルタ特性によるRGB濃度値やStatus−Aの分光フィルタ特性によるRGB濃度などが含まれているものとする。図8にStatus−T及びStatus−AのRGB濃度についての分光特性を示すが、Status−TとStatus−Aとは濃度測定に用いるRGBの分光フィルタのピーク波長や波長幅においてそれぞれ異なる分光特性を有している。もちろん、その他の分光特性を有するRGB濃度を測定できるよう構成してもよい。また、複数種類のRGB濃度を選択的に組み合わせて測定できるようにしてもよい。
また、L*a*b*表色系の値は、人間の眼の感度に相当するものとしてCIE(Commission Internationale de l’Eclairage;国際照明委員会)で定められたx−bar,y−bar、z−barの分光特性(所定の分光特性)で光量を積算して求めたXYZ表色系の値に基づくものであり、図8に示すように、この分光特性と、Status−TとStatus−Aの分光特性は、ピーク波長や波長幅においてそれぞれ異なるものである。
また、CMYK1/2/3/4次色について説明する。1次色とはCMYKの内の1つの色、2次色とはCMYKの内の2つを組み合わせた色、3次色とはCMYKの内の3つを組み合わせた色、4次色とはCMYKの内の4つを組み合わせた色で、C、M、Y、K、R(M+Y)、G(C+Y)、B(C+M)、・・・、K+C+M+Yの15色となる。
さらに、図2に色特性テーブル22の構成を示す。図2に示すように、印刷用紙にC,M,Y,Kの各色のインクを用いて印刷したCMYK1/2/3/4次色と白地(印刷用紙)についての16通りの色に対応するL*a*b*表色系の値と濃度dとから構成されている。濃度dとして図2中に示す、Dr、Dg、Db、Dvは、それぞれStatus−TのRGB濃度とV濃度(ビジュアル濃度)を示し、Dar、Dag、DabはそれぞれStatus−AのRGB濃度を示す。ただし、各数値は、省略している。
係数テーブル23は、後述する色の推定に用いる透明度係数a、トラッピング率係数b及び補正係数cを、例えば図7に示すような構成で格納する。透明度係数aとは、特色を刷り重ねた場合に、下側となる色の濃度を補正するための係数で、トラッピング率係数bとは、特色を印刷用紙に印刷したときとインクの上に重ね刷りしたときとの所謂インクののりの違いから発生する濃度の差を補正するための係数である。補正係数cとは、後述する色の推定で用いる式に含まれる補正項に用いる係数である。
また、色特性テーブル22、係数テーブル23は、例えば、カラープルーフ作成装置の内部に備えられたHDD(Hard Disk Drive)に当初から組み込まれているものでも、フロッピー(登録商標)ディスク等で出し入れ可能にされ、色の推定を行うときにのみ装着するようにしても良い。
入力手段25は、印刷用紙に印刷した特色インクのL*a*b*表色系の値と濃度dを入力可能にするためのもので、測定器と接続するためのインターフェイスでもよく、測定結果が入力されたFD(Floppy(登録商標) Disk)等で出し入れ可能にされ、測定結果の入力を行うときにのみ装着するようにしても良い。
色演算手段21は、特色を測定して得られるL*a*b*表色系の値と濃度dと、色特性テーブル22に格納されているCMYK1/2/3/4次色と白地のL*a*b*表色系の値と濃度dと、係数テーブル23に格納されている各係数とから、CMYK1/2/3/4次色の各々の色に特色を刷り重ねて得られる色のXYZ表色系の値を推定する推定手段としての機能と、XYZ表色系の値をL*a*b*表色系の値に変換する色変換手段としての機能と、そのL*a*b*表色系の値を色テーブル24に格納する機能を備える。詳細な演算手順は後述する。
色テーブル24は、上述のCMYK1/2/3/4次色、CMYK1/2/3/4次色の各々に特色を刷り重ねた色及び白地のL*a*b*表色系の値を、図3に示すような構成で格納する。また、図3には上述のCMYK1/2/3/4次色及び白地(図中では、W(白)として表示)のL*a*b*表色系の値の一例を示し、特色に関する値は、特色の種類に応じて異なるため図示は省略した。
カラーチャンネル作成部3は、カラーチャンネル演算手段31と、参照テーブル32及びカラーチャンネルテーブル33からなる。
参照テーブル32は、画像記録部4における出力特性としてL*a*b*表色系の値に対応する各基本色の出力強度の組み合わせとの相関関係を定義したL*a*b→CMY LUTを格納している。このL*a*b→CMY LUTは、後述する画像記録部4のC,M,Yの出力強度を最小値0から最大値までの間で等分割してそれぞれの出力を組み合わせた複数のカラー画像を配置したカラーチャートを出力し、その複数のカラー画像のL*a*b*表色系の値を測色し、そのときのC,M,Yの出力強度の組み合わせとL*a*b*表色系の値とから、本出願人による特願2002−090702号の明細書に記載されているような方法で求めることができる。
カラーチャンネル演算手段31は、本発明の生成手段としての機能を有し、色テーブル24に格納されているCMYK1/2/3/4次色、CMYK1/2/3/4次色の各々に特色を刷り重ねた色及び白地のL*a*b*表色系の値と、参照テーブル32に格納されているL*a*b→CMY LUTとを用い、画像記録部4でそれぞれのL*a*b*表色系の値を出力するためのCMYの出力強度の組み合わせを求め、カラーチャンネルテーブル33に格納する。尚、L*a*b*表色系の値を入力値としてCMYの出力強度の組み合わせを求める方法は、本出願人による特願2002−090702号の明細書に記載されているような方法を用いることができる。
カラーチャンネルテーブル33は、上述のCMYK1/2/3/4次色、CMYK1/2/3/4次色の各々に特色を刷り重ねた色及び白地に対応する画像記録部4でのCMYの出力強度の組み合わせを図4に示すような構成で格納する。また、図4には上述のCMYK1/2/3/4次色及び白地(図中では、W(白)として表示)の出力強度の組み合わせの一例をYの出力強度を最小値0から最大値140、M,Cの出力強度を最小値0から最大値160として示し、特色に関する値は、特色の種類に応じて異なるため図示は省略した。
画像記録部4は、赤色(R)光により感光材料のマゼンタ発色層(M層)を感光させ、緑色(G)光により感光材料のシアン発色層(C層)を感光させ、青色(B)光により感光材料のイエロー発色層(Y層)を感光させ、現像処理を行い、基本色であるY、M、Cを顕在化して出力させ、カラー画像を形成する。この赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光による感光は、点順次に画素毎にこれらの色の光を同時に照射して行う。
制御部1は、各部の制御を行う機能を有すると共に、本発明の制御手段としての機能を有し、画像データからC,M,Y,K,特色の各インク毎に分版された網点画像データに基づいて、画像記憶部4での各画素が出力すべき色が、上述のCMYK1/2/3/4次色、CMYK1/2/3/4次色の各々に特色を刷り重ねた色、または、白地のいずれであるかを求め、カラーチャンネルテーブル33を参照してCMYの出力強度の組み合わせを求め、画像記録部4で基本色であるY、M、Cの出力強度を変化させて出力するように、カラーチャンネルテーブル33から求めたY、M、Cの出力強度データを、B、R、Gの露光出力強度データに変換し、画像記録部4の各色の光の強度を変化させるように制御する。このような機能を実現するために図示しないCPUと、全体の制御を行うためのプログラム、Y、M、Cの出力強度を変化させるプログラム、及び、各プログラムを実行するときに必要な各種データを記憶すると共に、各プログラムを実行するときのワークエリアを構成するシステムメモリ(図示せず)、を含んで構成される。
このようにして、カラープルーフ作成装置は、基本色Y、M、Cの出力強度を変化させることにより、印刷機でC,M,Y,K,特色の各インクの網点画像を刷り重ねて作成される色を再現してカラープルーフを作成する。
(色推定方法)
次に、本発明の色推定方法について述べる。説明をわかりやすくするために、まず、色推定方法の各ステップを説明し、さらに前記色推定方法を含む色調整方法をカラープルーフ作成装置に適用した例を後述する。
次に、本発明の色推定方法について述べる。説明をわかりやすくするために、まず、色推定方法の各ステップを説明し、さらに前記色推定方法を含む色調整方法をカラープルーフ作成装置に適用した例を後述する。
図5は、本発明の色推定方法の手順を示すフローチャートであり、図5を用いて本実施の形態の色推定方法について説明する。以下、各ステップを、例えば図5ステップS11であれば省略してS11と記すことにする。他のステップも同様である。
(S11)
まず、刷り重ねるときに下側となるインク(第1の色材)(以下、インク1と記す)を印刷用紙に印刷し、その印刷されたインクの色(以下、色1と記す)と印刷用紙の色(以下、色Wと記す)のL*a*b*表色系の値、濃度dとしてStatus−TのRGB濃度とV濃度、及び、Status−AのRGB濃度を測定する。この下側となるインクは、上述のC,M,Y,Kの各色のインクを用いて印刷したCMYK1/2/3/4次色のいずれかに相当するものである。また、色1の各濃度dをDr(1)、Dg(1)、Db(1)、Dv(1)、Dar(1)、Dag(1)、Dab(1)とし、色Wの各濃度dをDr(W)、Dg(W)、Db(W)、Dv(W)、Dar(W)、Dag(W)、Dab(W)とする。
まず、刷り重ねるときに下側となるインク(第1の色材)(以下、インク1と記す)を印刷用紙に印刷し、その印刷されたインクの色(以下、色1と記す)と印刷用紙の色(以下、色Wと記す)のL*a*b*表色系の値、濃度dとしてStatus−TのRGB濃度とV濃度、及び、Status−AのRGB濃度を測定する。この下側となるインクは、上述のC,M,Y,Kの各色のインクを用いて印刷したCMYK1/2/3/4次色のいずれかに相当するものである。また、色1の各濃度dをDr(1)、Dg(1)、Db(1)、Dv(1)、Dar(1)、Dag(1)、Dab(1)とし、色Wの各濃度dをDr(W)、Dg(W)、Db(W)、Dv(W)、Dar(W)、Dag(W)、Dab(W)とする。
(S12)
次に、刷り重ねるときに上側となるインク(第2の色材)(以下、インク2と記す)を印刷用紙に印刷し、その印刷されたインクの色(以下、色2と記す)のL*a*b*表色系の値、濃度dとしてStatus−TのRGB濃度とV濃度、及び、Status−AのRGB濃度を測定する。このインク2は、上述の特色のインクを用いて印刷したものに相当する。また、色2の各濃度dをDr(2)、Dg(2)、Db(2)、Dv(2)、Dar(2)、Dag(2)、Dab(2)とする。
次に、刷り重ねるときに上側となるインク(第2の色材)(以下、インク2と記す)を印刷用紙に印刷し、その印刷されたインクの色(以下、色2と記す)のL*a*b*表色系の値、濃度dとしてStatus−TのRGB濃度とV濃度、及び、Status−AのRGB濃度を測定する。このインク2は、上述の特色のインクを用いて印刷したものに相当する。また、色2の各濃度dをDr(2)、Dg(2)、Db(2)、Dv(2)、Dar(2)、Dag(2)、Dab(2)とする。
(S13)
そして、S11及びS12で測定した各L*a*b*表色系の値を変換して、XYZ表色系の値のX/X0、Y/Y0、Z/Z0を求める。一方、Status−TのRGB濃度とV濃度、及び、Status−AのRGB各濃度Dr、Dg、Db、Dv、Dar、Dag、Dabをそれぞれ反射率rとしてのRr、Rg、Rb、Rv、Rar、Rag、Rabに変換する。なお、各変換は、以下に示す関係に基づいて行う。また、x^yと表記したものは、xのy乗を示すこととする。
そして、S11及びS12で測定した各L*a*b*表色系の値を変換して、XYZ表色系の値のX/X0、Y/Y0、Z/Z0を求める。一方、Status−TのRGB濃度とV濃度、及び、Status−AのRGB各濃度Dr、Dg、Db、Dv、Dar、Dag、Dabをそれぞれ反射率rとしてのRr、Rg、Rb、Rv、Rar、Rag、Rabに変換する。なお、各変換は、以下に示す関係に基づいて行う。また、x^yと表記したものは、xのy乗を示すこととする。
L*a*b*表色系の値とX/X0、Y/Y0、Z/Z0については、以下に示す関係にあり、上述したL*a*b*表色系の値からX/X0、Y/Y0、Z/Z0への変換及び後述するX/X0、Y/Y0、Z/Z0からL*a*b*表色系の値への変換は、この関係に基づいて行われる。
Xd=X/X0、Yd=Y/Y0、Zd=Z/Z0とし、
X2=Xd^(1/3) ;Xd>0.008856の場合
=Xd×7.787+16/116;それ以外の場合
Y2=Yd^(1/3) ;Yd>0.008856の場合
=Yd×7.787+16/116;それ以外の場合
Z2=Zd^(1/3) ;Zd>0.008856の場合
=Zd×7.787+16/116;それ以外の場合
L*=Y2×116−16
a*=500×(X2−Y2)
b*=200×(Y2−Z2)
また、各濃度dと反射率rについては、以下に示す関係にあり、上述した濃度dから反射率rへの変換は、この関係に基づいて行われる。
Xd=X/X0、Yd=Y/Y0、Zd=Z/Z0とし、
X2=Xd^(1/3) ;Xd>0.008856の場合
=Xd×7.787+16/116;それ以外の場合
Y2=Yd^(1/3) ;Yd>0.008856の場合
=Yd×7.787+16/116;それ以外の場合
Z2=Zd^(1/3) ;Zd>0.008856の場合
=Zd×7.787+16/116;それ以外の場合
L*=Y2×116−16
a*=500×(X2−Y2)
b*=200×(Y2−Z2)
また、各濃度dと反射率rについては、以下に示す関係にあり、上述した濃度dから反射率rへの変換は、この関係に基づいて行われる。
Rr=10^(−Dr)
Rg=10^(−Dg)
Rb=10^(−Db)
Rv=10^(−Dv)
Rar=10^(−Dar)
Rag=10^(−Dag)
Rab=10^(−Dab)
また、色1についての各反射率rをRr(1)、Rg(1)、Rb(1)、Rv(1)、Rar(1)、Rag(1)、Rab(1)、XYZ表色系の値をX/X0(1)、Y/Y0(1)、Z/Z0(1)、色Wについての各反射率rをRr(W)、Rg(W)、Rb(W)、Rv(W)、Rar(W)、Rag(W)、Rab(W)、XYZ表色系の値をX/X0(W)、Y/Y0(W)、Z/Z0(W)、色2についての各反射率rをRr(2)、Rg(2)、Rb(2)、Rv(2)、Rar(2)、Rag(2)、Rab(2)、XYZ表色系の値をX/X0(2)、Y/Y0(2)、Z/Z0(2)とする。
Rg=10^(−Dg)
Rb=10^(−Db)
Rv=10^(−Dv)
Rar=10^(−Dar)
Rag=10^(−Dag)
Rab=10^(−Dab)
また、色1についての各反射率rをRr(1)、Rg(1)、Rb(1)、Rv(1)、Rar(1)、Rag(1)、Rab(1)、XYZ表色系の値をX/X0(1)、Y/Y0(1)、Z/Z0(1)、色Wについての各反射率rをRr(W)、Rg(W)、Rb(W)、Rv(W)、Rar(W)、Rag(W)、Rab(W)、XYZ表色系の値をX/X0(W)、Y/Y0(W)、Z/Z0(W)、色2についての各反射率rをRr(2)、Rg(2)、Rb(2)、Rv(2)、Rar(2)、Rag(2)、Rab(2)、XYZ表色系の値をX/X0(2)、Y/Y0(2)、Z/Z0(2)とする。
ここで、印刷用紙にインク1にインク2を刷り重ねて得られる色(以下、色Mと記す)について、色1、色2及び色Wの反射率r及びXYZ表色系の値から推定するXYZ表色系の値をX/X0(M)、Y/Y0(M)、Z/Z0(M)とする。
本実施の形態では、XYZ表色系の値X/X0、Y/Y0、Z/Z0だけでは得られないインクの重ね合わせによる細かな分光吸収特性の凹凸を、測定して得られた反射率も用いることによりその細かな分光吸収特性の凹凸を得られるようにし、色MのX/X0(M)、Y/Y0(M)、Z/Z0(M)を精度良く推定するためのものである。以下には、X/X0(M)とY/Y0(M)は測定して得られた反射率rを用いて推定し、Z/Z0(M)は各L*a*b*表色系の値から得たZ/Z0から推定する方法を一例として示す。また、本色推定方法は、インクが顔料を含む場合に好適に作用するもので、顔料による光の散乱等の影響を補正できるようになされている。
X/X0(M)を、反射率rのRr、Rar、Rabを用いて、また、Y/Y0(M)を反射率rのRr、Rg、Rarを用いて推定することにする。これらは、各分光特性から推定に適するものを選択する。ここで、X/X0についてRr、Rar、Rabの分光特性には含まれない波長の反射率RXdとY/Y0についてRr、Rg、Rarの分光特性には含まれない波長の反射率RYdを求める必要がある。RXdをX/X0に比例する値とRr、Rar及びRabに比例する値との差分Sで表し、RYdをY/Y0に比例する値とRr、Rg及びRarに比例する値との差分Sで表すものとし、
RXd=2.841×(X/X0−0.4×Rr−0.13×Rar−0.13×Rab)
RYd=4.177×(Y/Y0−0.24×Rr−0.5×Rg−0.02×Rar)
とする。
RXd=2.841×(X/X0−0.4×Rr−0.13×Rar−0.13×Rab)
RYd=4.177×(Y/Y0−0.24×Rr−0.5×Rg−0.02×Rar)
とする。
ここで、RXdについての0.4,0.13,0.13の係数値とRYdについての0.24,0.5,0.02の係数値は、図9に示すような複数の特色インクについての測定したStatus−T及びStatus−Aに基づく反射率とL*a*b*表色系の値に基づくX/X0、Y/Y0とから、RXdとRYdが負の値にならないようにして求めたもので、RXdについての2.841とRYdについての4.177の係数値は、RXdとRYdの値の最大値が、0.864になるように求めたものである。なお、図9には、20個の特色についてのみ値を示しているが、これらの係数値を求めるに当たり200個以上の特色について測定し、その測定結果を用いている。
そして、上記式を用いて色1、色2及び色WについてRXd及びRYdを、
RXd(1)=2.841×(X/X0(1)−0.4×Rr(1)−0.13×Rar(1)−0.13×Rab(1))、
RYd(1)=4.177×(Y/Y0(1)−0.24×Rr(1)−0.5×Rg(1)−0.02×Rar(1))、
RXd(2)=2.841×(X/X0(2)−0.4×Rr(2)−0.13×Rar(2)−0.13×Rab(2))、
RYd(2)=4.177×(Y/Y0(2)−0.24×Rr(2)−0.5×Rg(2)−0.02×Rar(2))、
RXd(W)=2.841×(X/X0(W)−0.4×Rr(W)−0.13×Rar(W)−0.13×Rab(W))、
RYd(W)=4.177×(Y/Y0(W)−0.24×Rr(W)−0.5×Rg(W)−0.02×Rar(W))、
と求める。
RXd(1)=2.841×(X/X0(1)−0.4×Rr(1)−0.13×Rar(1)−0.13×Rab(1))、
RYd(1)=4.177×(Y/Y0(1)−0.24×Rr(1)−0.5×Rg(1)−0.02×Rar(1))、
RXd(2)=2.841×(X/X0(2)−0.4×Rr(2)−0.13×Rar(2)−0.13×Rab(2))、
RYd(2)=4.177×(Y/Y0(2)−0.24×Rr(2)−0.5×Rg(2)−0.02×Rar(2))、
RXd(W)=2.841×(X/X0(W)−0.4×Rr(W)−0.13×Rar(W)−0.13×Rab(W))、
RYd(W)=4.177×(Y/Y0(W)−0.24×Rr(W)−0.5×Rg(W)−0.02×Rar(W))、
と求める。
(S14)
次に、本実施例で用いるZ/Z0、Rr、Rg、Rar、Rab、RXd、RYdのそれぞれについて、インク1にインク2を刷り重ねて得られる色MでのZ/Z0(M)、Rr(M)、Rg(M)、Rar(M)、Rab(M)、RXd(M)、RYd(M)を推定する。
次に、本実施例で用いるZ/Z0、Rr、Rg、Rar、Rab、RXd、RYdのそれぞれについて、インク1にインク2を刷り重ねて得られる色MでのZ/Z0(M)、Rr(M)、Rg(M)、Rar(M)、Rab(M)、RXd(M)、RYd(M)を推定する。
まず、各反射率rを透過濃度Dに変換し、各透過濃度Dを
色1について、D1(i(1))=−0.5×LOG10(i(1))、
i=1〜7(1:Z/Z0、2:Rr、3:Rg、4:Rar、5:Rab、6:RXd、7:RYd)、
色2について、D2(i(2))=−0.5×LOG10(i(2))、
i=1〜7(1:Z/Z0、2:Rr、3:Rg、4:Rar、5:Rab、6:RXd、7:RYd)、
色Wについて、DW(i(W))=−0.5×LOG10(i(W))、
i=1〜7(1:Z/Z0、2:Rr、3:Rg、4:Rar、5:Rab、6:RXd、7:RYd)、
とし(上記カッコ内の例えばi(1)は、iが5すなわちRabのときに、Rab(1)となり、すなわち色1についての反射率rのRab(1)を示すように表記したものである。)、
色Mについての各透過濃度Dを、
DM(i)=a×(D1(i(1))−DW(i(W)))+b×(D2(i(2))−DW(i(W)))+DW(i(W))−c×a×(D1(i(1))−DW(i(W)))×b×(D2(i(2))−DW(i(W)))、
i=1〜7(1:Z/Z0、2:Rr、3:Rg、4:Rar、5:Rab、6:RXd、7:RYd)、
各係数は、
透明度係数a=0.8、
トラッピング率係数b=0.9、
補正係数cは、i=1のときc=0.25、i=2〜7のときc=0.33、
と求める。
色1について、D1(i(1))=−0.5×LOG10(i(1))、
i=1〜7(1:Z/Z0、2:Rr、3:Rg、4:Rar、5:Rab、6:RXd、7:RYd)、
色2について、D2(i(2))=−0.5×LOG10(i(2))、
i=1〜7(1:Z/Z0、2:Rr、3:Rg、4:Rar、5:Rab、6:RXd、7:RYd)、
色Wについて、DW(i(W))=−0.5×LOG10(i(W))、
i=1〜7(1:Z/Z0、2:Rr、3:Rg、4:Rar、5:Rab、6:RXd、7:RYd)、
とし(上記カッコ内の例えばi(1)は、iが5すなわちRabのときに、Rab(1)となり、すなわち色1についての反射率rのRab(1)を示すように表記したものである。)、
色Mについての各透過濃度Dを、
DM(i)=a×(D1(i(1))−DW(i(W)))+b×(D2(i(2))−DW(i(W)))+DW(i(W))−c×a×(D1(i(1))−DW(i(W)))×b×(D2(i(2))−DW(i(W)))、
i=1〜7(1:Z/Z0、2:Rr、3:Rg、4:Rar、5:Rab、6:RXd、7:RYd)、
各係数は、
透明度係数a=0.8、
トラッピング率係数b=0.9、
補正係数cは、i=1のときc=0.25、i=2〜7のときc=0.33、
と求める。
これらの係数値a、b、cは、予めインクを刷り重ねた複数の色について各透過濃度DT(i)を測定し、複数の色についてのDM(i)とDT(i)の誤差が最も小さくなるようにして求めたものである。
第1項a×(D1(i(1))−DW(i(W)))は、インク2を介して得られるインク1自体の透過濃度Dを示す。まず、D1(i(1))からDW(i(W))を減算することにより、印刷用紙の透過濃度DW(i(W))を排除したインク1自体の透過濃度Dが得られ、さらに、インク2の透明度を透明度係数aとして掛けることにより、インク2を介して得られるインク1自体の透過濃度Dとなっている。また、インク2が完全に透明ならば、透明度係数aは「1」であり、完全に不透明ならば、透明度係数aは「0」であるから、透明度係数aは、0から1の間の定数である。
第2項b×(D2(i(2))−DW(i(W)))は、他のインク上に重ねたときのインク2自体の透過濃度Dを示す。まず、(D2(i(2))からDW(i(W))を減算することにより、印刷用紙の透過濃度DW(i(W))を排除したインク2自体の透過濃度Dが得られ、さらに、印刷用紙上に印刷するときと他のインク上に印刷するときの所謂インクののりの違いをトラッピング率係数bとして掛けることにより、他のインク上に重ねたときのインク2自体の透過濃度Dとなっている。また、このインクののりは、一般的に印刷用紙上に印刷するときに比べ、他のインク上に印刷するときの方が落ちるものであるから、トラッピング率係数bは、0から1の間の定数である。
ここで、上記2項により、印刷用紙の透過濃度DW(i(W))が排除されているので、第3項で透過濃度DW(i(W))を加算している。
第4項c×a×(D1(i(1))−DW(i(W)))×b×(D2(i(2))−DW(i(W)))は、補正値算出のための補正項であり、上述の3項の和により得られる透過濃度Dが波長によって実際の測定値に比べ大きくなるために、インク1自体の透過濃度Dまたはインク2自体の透過濃度Dが比較的高い濃度のときに減じる値を大きくして補正するようにa×(D1(i(1))−DW(i(W)))とb×(D2(i(2))−DW(i(W)))との積に補正係数cとを掛けたものである。言い換えれば、(D1(i(1))−DW(i(W)))と(D2(i(2))−DW(i(W)))との積に比例する値となっている。
次に、上記のようにして求めたインク1にインク2を刷り重ねて得られる色M各透過濃度DMを次式により反射率RMに変換し、
RM(i)=10^(−2DM(i))、
i=1〜7(1:Z/Z0、2:Rr、3:Rg、4:Rar、5:Rab、6:RXd、7:RYd)
それぞれを、Z/Z0(M)、Rr(M)、Rg(M)、Rar(M)、Rab(M)、RXd(M)、RYd(M)と表す。
RM(i)=10^(−2DM(i))、
i=1〜7(1:Z/Z0、2:Rr、3:Rg、4:Rar、5:Rab、6:RXd、7:RYd)
それぞれを、Z/Z0(M)、Rr(M)、Rg(M)、Rar(M)、Rab(M)、RXd(M)、RYd(M)と表す。
(S15)
上述のようにして求めた色Mでの各反射率RMを用いて、色MのX/X0(M)、Y/Y0(M)、Z/Z0(M)を
X/X0(M)=0.4×Rr(M)+0.13×Rar(M)+0.13×Rab(M)+0.3519887×RXd(M)、
Y/Y0(M)=0.24×Rr(M)+0.5×Rg(M)+0.02×Rar(M)+0.2394063×RYd(M)、
Z/Z0(M)は、S14で求めた値
と求める。ここで、各係数、0.4、0.13、0.13、0.3519887、0.24、0.5、0.02、0.2394063は,上述のX/X0、Rr、Rar、RabからRXdを求める計算式とY/Y0、Rr、Rg、RarからRYdを求める計算式から逆に求めたものである。
上述のようにして求めた色Mでの各反射率RMを用いて、色MのX/X0(M)、Y/Y0(M)、Z/Z0(M)を
X/X0(M)=0.4×Rr(M)+0.13×Rar(M)+0.13×Rab(M)+0.3519887×RXd(M)、
Y/Y0(M)=0.24×Rr(M)+0.5×Rg(M)+0.02×Rar(M)+0.2394063×RYd(M)、
Z/Z0(M)は、S14で求めた値
と求める。ここで、各係数、0.4、0.13、0.13、0.3519887、0.24、0.5、0.02、0.2394063は,上述のX/X0、Rr、Rar、RabからRXdを求める計算式とY/Y0、Rr、Rg、RarからRYdを求める計算式から逆に求めたものである。
さらに、L*a*b*表色系の値として求める場合には、上述のX/X0、Y/Y0、Z/Z0からL*a*b*表色系の値への変換の関係に基づいて変換すればよい。
また、上述の色推定方法は一例を示したもので、例えば、X/X0(M)、Y/Y0(M)、Z/Z0(M)のうちいずれか1つについて、または、いずれか2つについて、さらには3つについて行ってもよく、また、推定に用いる反射率rについても上記の組み合わせや数に限らず分光特性から選択し、その組み合わせや数に応じた差分Sを上記のように求めて色を推定してもよい。例えば、1つの濃度dを用いてX/X0(M)を求める場合には、まず、濃度dを反射率rに変換して、差分Sを
S=a11×(X/X0−a12×r)
として、上述したように係数値a11、a12を求め、rとSを透過濃度Dに変換し、それぞれのDMを求めてから反射率RMに変換して、上述したように係数値b11、b12を求めておき、
X/X0(M)=b11×RM(r)+b12×S
として、求めることができる。
S=a11×(X/X0−a12×r)
として、上述したように係数値a11、a12を求め、rとSを透過濃度Dに変換し、それぞれのDMを求めてから反射率RMに変換して、上述したように係数値b11、b12を求めておき、
X/X0(M)=b11×RM(r)+b12×S
として、求めることができる。
また、上述の説明では濃度dとしてStatus−TのRGB濃度とV濃度、及び、Status−AのRGB濃度について測定を行うように記したが、言うまでもなく推定に必要な濃度のみを測定してもよい。
(カラープルーフ作成装置における色調整方法)
さらに、上述の色推定方法を含む色調整方法を適用した本実施の形態のカラープルーフ作成装置における処理の手順について図6に示すフローチャートを用いて説明する。ここで、透明度係数a、トラッピング率係数b及び補正係数cは、係数テーブル23に予め格納されている。また、CMYK1/2/3/4次色(各々が上述の色推定方法における色1に対応)と印刷用紙の地色(上述の色推定方法における色Wに対応)についてのL*a*b*の値と濃度dを予め測定し、色特性テーブル22に格納しておく。
さらに、上述の色推定方法を含む色調整方法を適用した本実施の形態のカラープルーフ作成装置における処理の手順について図6に示すフローチャートを用いて説明する。ここで、透明度係数a、トラッピング率係数b及び補正係数cは、係数テーブル23に予め格納されている。また、CMYK1/2/3/4次色(各々が上述の色推定方法における色1に対応)と印刷用紙の地色(上述の色推定方法における色Wに対応)についてのL*a*b*の値と濃度dを予め測定し、色特性テーブル22に格納しておく。
(S21)
まず、図6に示すように、印刷用紙に印刷した特色(上述の色推定方法における色2に対応)のL*a*b*の値と濃度dの測定結果が入力手段を介して入力される。
まず、図6に示すように、印刷用紙に印刷した特色(上述の色推定方法における色2に対応)のL*a*b*の値と濃度dの測定結果が入力手段を介して入力される。
(S22)
その入力を受けて、色演算手段21は、上述のS13と同様に色特性テーブル22に格納されているCMYK1/2/3/4次色と印刷用紙の地色、及び、特色についてのL*a*b*の値をXYZ表色系の値に、各色の濃度dを反射率に変換し、XYZ表色系の値と濃度dから変換した反射率rとの差分Sを求める。
その入力を受けて、色演算手段21は、上述のS13と同様に色特性テーブル22に格納されているCMYK1/2/3/4次色と印刷用紙の地色、及び、特色についてのL*a*b*の値をXYZ表色系の値に、各色の濃度dを反射率に変換し、XYZ表色系の値と濃度dから変換した反射率rとの差分Sを求める。
(S23)
さらに、色演算手段21は、上述のS14と同様に求めた差分S、反射率r及びXYZ表色系の値を透過濃度Dに変換し、係数テーブル23の透明度係数a、トラッピング率係数b及び補正係数cを用いてそれぞれの透過濃度Dについて刷り重ねたときの透過濃度DMを求め、さらにそれぞれを反射率RMに変換する。
さらに、色演算手段21は、上述のS14と同様に求めた差分S、反射率r及びXYZ表色系の値を透過濃度Dに変換し、係数テーブル23の透明度係数a、トラッピング率係数b及び補正係数cを用いてそれぞれの透過濃度Dについて刷り重ねたときの透過濃度DMを求め、さらにそれぞれを反射率RMに変換する。
(S24)
その反射率RMを用いて上述のS15と同様に刷り重ねたときの色(上述の色推定方法における色Mに対応)のXYZ表色系の値のX/X0、Y/Y0、Z/Z0を求め、さらに、求めたXYZ表色系の値をL*a*b*表色系の値に変換して、刷り重ねたときの色についてのL*a*b*表色系の値を推定し、そのL*a*b*表色系の値を色テーブル24に格納する。L*a*b*表色系の値の推定は、CMYK1/2/3/4次色のそれぞれに特色を刷り重ねた色について行い、色テーブル24に格納されるL*a*b*表色系の値は、S22で入力された色特性テーブル22に格納されているCMYK1/2/3/4次色、印刷用紙の地色についてのL*a*b*表色系の値と、推定したL*a*b*表色系の値となる。
その反射率RMを用いて上述のS15と同様に刷り重ねたときの色(上述の色推定方法における色Mに対応)のXYZ表色系の値のX/X0、Y/Y0、Z/Z0を求め、さらに、求めたXYZ表色系の値をL*a*b*表色系の値に変換して、刷り重ねたときの色についてのL*a*b*表色系の値を推定し、そのL*a*b*表色系の値を色テーブル24に格納する。L*a*b*表色系の値の推定は、CMYK1/2/3/4次色のそれぞれに特色を刷り重ねた色について行い、色テーブル24に格納されるL*a*b*表色系の値は、S22で入力された色特性テーブル22に格納されているCMYK1/2/3/4次色、印刷用紙の地色についてのL*a*b*表色系の値と、推定したL*a*b*表色系の値となる。
(S25)
さらに次に、カラーチャンネル演算手段31は、色テーブル24に格納されたL*a*b*表色系の値と参照テーブル32のL*a*b→CMY LUTとからCMYK1/2/3/4次色に特色を刷り重ねて得られる色の複数の基本色の出力強度の組み合わせを求めカラーチャンネルテーブル33に格納する。
さらに次に、カラーチャンネル演算手段31は、色テーブル24に格納されたL*a*b*表色系の値と参照テーブル32のL*a*b→CMY LUTとからCMYK1/2/3/4次色に特色を刷り重ねて得られる色の複数の基本色の出力強度の組み合わせを求めカラーチャンネルテーブル33に格納する。
(S26)
そして、制御部1は、カラーチャンネルテーブル33を参照し、画像データに基づいて複数の基本色の出力強度の組み合わせを変化させるように画像記録部4を制御し、画像記録部4はその制御に従ってカラー画像形成を行う。
そして、制御部1は、カラーチャンネルテーブル33を参照し、画像データに基づいて複数の基本色の出力強度の組み合わせを変化させるように画像記録部4を制御し、画像記録部4はその制御に従ってカラー画像形成を行う。
このように特色を重ねる際の色推定を行い、カラー画像の色調整を行うことにより、印刷機でC,M,Y,K,特色の各インクの網点画像を刷り重ねて作成される色を目標とし再現してカラープルーフを作成する場合に、刷り重ねる特色のみを印刷用紙に印刷し測定するだけでよく、CMYK1/2/3/4次色の各々に特色を刷り重ねた色についての測定を行う必要がないので、わざわざCMYK1/2/3/4次色の各々に特色を刷り重ねて印刷する必要がない。したがって、作業時間の短縮を図ることができる。また、一般的なL*a*b*表色系の値と一般的なRGB濃度を用いて色の推定及び色調整を行うことができるので、実用上便利である。
また、上述の色推定もしくはカラーチャンネルテーブル生成をPC(Personal Computer)等の情報処理装置を用いて行い、その色推定結果もしくはカラーチャンネルテーブルをフロッピー(登録商標)ディスク等の媒体を介してカラープルーフ作成装置が取得し、カラー画像の形成に用いるようにすることも可能である。
また、PC等の情報処理装置とカラープルーフ作成装置とからなる画像出力システムにおいて、上述の色推定もしくはカラーチャンネルテーブル生成する機能をPC等の情報処理装置に備え、その色推定結果もしくはカラーチャンネルテーブルをインターフェイスを介してカラープルーフ作成装置が取得し、カラー画像の形成に用いるようにすることも可能である。
1 制御部1
2 色演算部
21 色演算手段
22 色特性テーブル
23 係数テーブル
24 色テーブル
25 入力手段
3 カラーチャンネル作成部
31 カラーチャンネル演算手段
32 参照テーブル
33 カラーチャンネルテーブル
4 画像記録部
2 色演算部
21 色演算手段
22 色特性テーブル
23 係数テーブル
24 色テーブル
25 入力手段
3 カラーチャンネル作成部
31 カラーチャンネル演算手段
32 参照テーブル
33 カラーチャンネルテーブル
4 画像記録部
Claims (10)
- 複数の色材を記録媒体上に刷り重ねて印刷する場合に、刷り重ねて印刷して得られる色を推定する色推定方法であって、
前記刷り重ねるとき下側となる顔料を含んでなる第1の色材を前記記録媒体上に印刷したときの所定の分光特性に基づくL*a*b*表色系の値と前記所定の分光特性とは異なる1つ以上の分光特性による濃度dを測定する第1の測定段階と、
前記刷り重ねるとき上側となる顔料を含んでなる第2の色材を前記記録媒体上に印刷したときの前記L*a*b*表色系の値と前記濃度dを測定する第2の測定段階と、
前記記録媒体の前記L*a*b*表色系の値と前記濃度dを測定する第3の測定段階と、
前記記録媒体上に前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色のXYZ表色系の値のうちの少なくとも1つの値については、前記第1乃至第3の測定段階で測定した前記L*a*b*表色系の値と前記濃度dを用いて推定する推定段階と、を含むことを特徴とする色推定方法。 - 前記推定段階は、
前記第1の色材、前記第2の色材及び前記記録媒体のそれぞれについて、前記L*a*b*表色系の値を変換してXYZ表色系の前記推定を行う前記1つの値に対応する値を求め、その求めた値に比例する値と前記濃度dを変換して得られる反射率rに比例する値との差分Sを求める段階と、
前記反射率r及び前記差分Sのそれぞれについて、前記第1の色材についての透過濃度D1、前記第2の色材についての透過濃度D2、前記記録媒体についての透過濃度DWに変換し、前記透過濃度D1と前記透過濃度DWの差分に比例する値と、前記透過濃度D2と前記透過濃度DWの差分に比例する値と、前記透過濃度DWとを加算し、さらに前記透過濃度D1と前記透過濃度DWとの差分に比例する値と前記透過濃度D2と前記透過濃度DWとの差分に比例する値との積に比例する値を前記加算結果から減算し、その結果を前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色の透過濃度DMとして求め、さらに透過濃度DMを反射率RMに変換する段階と、
前記反射率r及び前記差分Sに対応するそれぞれの反射率RMに比例する値を積算し、その積算結果を前記記録媒体上に前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色のXYZ表色系の値のうちの1つの値とする段階と、を含む請求項1に記載の色推定方法。 - 前記推定されたXYZ表色系の値をL*a*b*表色系の値に変換する段階を更に含む請求項1または請求項2に記載の色推定方法。
- 前記第1の色材は、顔料を含んでなる色材を複数刷り重ねたものを含む請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の色推定方法。
- 複数の色材のそれぞれの網点画像を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる目標となる網点画線部の色を複数の基本色を用いて再現するように色調整を行う色調整方法であって、
複数のL*a*b*表色系の値に対する前記複数の基本色の出力強度の組み合わせの参照テーブルを予め格納する格納段階と、
前記刷り重ねるとき下側となる顔料を含んでなる第1の色材を前記記録媒体上に印刷したときの所定の分光特性に基づくL*a*b*表色系の値と前記所定の分光特性とは異なる1つ以上の分光特性による濃度d及び前記記録媒体の前記L*a*b*表色系の値と前記濃度dとを予め測定し、その測定結果を格納する測定結果格納段階と、
前記刷り重ねるとき上側となる顔料を含んでなる第2の色材を前記記録媒体上に印刷したときの前記L*a*b*表色系の値と前記濃度dとを測定し、その測定結果を入力する入力段階と、
前記記録媒体上に前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色のXYZ表色系の値のうちの少なくとも1つの値については、前記格納されたL*a*b*表色系の値及び濃度dと前記入力されたL*a*b*表色系の値及び濃度dとを用いて推定する推定段階と、
前記推定されたXYZ表色系の値をL*a*b*表色系の値に変換する色変換段階と、
前記色変換手段により得られたL*a*b*表色系の値と前記参照テーブルとにより、前記目標となる色を再現するための前記複数の基本色の出力強度の組み合わせを求めカラーチャンネルテーブルを生成する生成段階と、を含み、
前記カラーチャンネルテーブルに基づいて、前記複数の基本色の出力強度を変化させて色調整を行うことを特徴とする色調整方法。 - 前記推定段階は、
前記第1の色材、前記第2の色材及び前記記録媒体のそれぞれについて、前記L*a*b*表色系の値を変換してXYZ表色系の前記推定を行う前記1つの値に対応する値を求め、その求めた値に比例する値と前記濃度dを変換して得られる反射率rに比例する値との差分Sを求める段階と、
前記反射率r及び前記差分Sのそれぞれについて、前記第1の色材についての透過濃度D1、前記第2の色材についての透過濃度D2、前記記録媒体についての透過濃度DWに変換し、前記透過濃度D1と前記透過濃度DWの差分に比例する値と、前記透過濃度D2と前記透過濃度DWの差分に比例する値と、前記透過濃度DWとを加算し、さらに前記透過濃度D1と前記透過濃度DWとの差分に比例する値と前記透過濃度D2と前記透過濃度DWとの差分に比例する値との積に比例する値を前記加算結果から減算し、その結果を前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色の透過濃度DMとして求め、さらに透過濃度DMを反射率RMに変換する段階と、
前記反射率r及び前記差分Sに対応するそれぞれの反射率RMに比例する値を積算し、その積算結果を前記記録媒体上に前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色のXYZ表色系の値のうちの1つの値とする段階と、を含む請求項5に記載の色調整方法。 - 前記第1の色材は、顔料を含んでなる色材を複数刷り重ねたものを含む請求項5または請求項6に記載の色調整方法。
- 複数の色材のそれぞれの網点画像を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる目標となる網点画線部の色を複数の基本色を用いて再現しカラー画像を形成するカラー画像形成装置であって、
複数のL*a*b*表色系の値に対する前記複数の基本色の出力強度の組み合わせの参照テーブルと、
前記刷り重ねるとき下側となる顔料を含んでなる第1の色材を前記記録媒体上に印刷したときの所定の分光特性に基づくL*a*b*表色系の値と前記所定の分光特性とは異なる1つ以上の分光特性による濃度d及び前記記録媒体の前記L*a*b*表色系の値と前記濃度dを格納する色特性テーブルと、
前記刷り重ねるとき上側となる顔料を含んでなる第2の色材を前記記録媒体上に印刷したときの前記L*a*b*表色系の値と前記濃度dを入力するための入力手段と、
前記記録媒体上に前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色のXYZ表色系の値のうちの少なくとも1つの値については、前記色特性テーブルに格納されたL*a*b*表色系の値及び濃度dと前記入力手段から入力されたL*a*b*表色系の値及び濃度dとを用いて推定する色推定手段と、
前記推定されたXYZ表色系の値をL*a*b*表色系の値に変換する色変換手段と、
前記色変換手段により得られたL*a*b*表色系の値と前記参照テーブルとにより、前記目標となる色を再現するための前記複数の基本色の出力強度の組み合わせを求めカラーチャンネルテーブルを生成する生成手段と、
前記カラー画像を形成する際に、前記カラーチャンネルテーブルに基づいて、前記複数の基本色の出力強度を変化させるように制御する制御手段と、を有することを特徴とするカラー画像形成装置。 - 前記推定手段は、前記第1の色材、前記第2の色材及び前記記録媒体のそれぞれについて、前記L*a*b*表色系の値を変換してXYZ表色系の前記推定を行う前記1つの値に対応する値を求め、その求めた値に比例する値と少なくとも1つの前記濃度dを変換して得られる反射率rに比例する値との差分Sを求め、前記反射率r及び前記差分S毎に、透過濃度Dに変換し、前記第1の色材についての透過濃度をD1、前記第2の色材についての透過濃度をD2、前記記録媒体についての透過濃度をDWとし、前記透過濃度D1と前記透過濃度DWの差分に比例する値と、前記透過濃度D2と前記透過濃度DWの差分に比例する値と、前記透過濃度DWとを加算し、さらに前記透過濃度D1と前記透過濃度DWとの差分に比例する値と前記透過濃度D2と前記透過濃度DWとの差分に比例する値との積に比例する値を前記加算結果から減算し、その結果を前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色の透過濃度DMとして求め、さらに透過濃度DMを反射率RMに変換し、前記反射率r及び前記差分Sに対応するそれぞれの反射率RMに比例する値を積算し、その積算結果を前記記録媒体上に前記第1の色材の上に前記第2の色材を刷り重ねて印刷して得られる色のXYZ表色系の値のうちの1つの値として推定する請求項8に記載のカラー画像形成装置。
- 前記第1の色材は、顔料を含んでなる色材を複数刷り重ねたものを含む請求項8または請求項9に記載のカラー画像形成装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003292889A JP2005064893A (ja) | 2003-08-13 | 2003-08-13 | 色推定方法、色調整方法及びカラー画像形成装置 |
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-
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