JP2005064548A - 誘電体共振アンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】誘電体共振アンテナにおいて、誘電体共振器を簡易に実装基板に位置決め固定する。
【解決手段】表裏面を貫通する第1の固定孔13aが形成された誘電体共振器11と、表裏面を貫通する第2の固定孔13bが形成された実装基板12と、第1の固定孔13aと第2の固定孔13bとを貫通して取り付けられ、誘電体共振器11を実装基板12に固定する固定手段14とを有する。固定手段14は、第1の固定孔13aの周面に当接した頭部14aと、頭部14aから延びて固定孔13a,13bを貫通し、軸方向に分割形成されて径方向内側に弾性変形可能な軸部14bと、軸部14bの先端にそれぞれ形成されて第2の固定孔13bの周面に係止された径方向外側へ広がる係止爪14cとを備え、頭部14aと係止爪14cとで発生する締結力で誘電体共振器11を実装基板に固定する。
【選択図】 図2
【解決手段】表裏面を貫通する第1の固定孔13aが形成された誘電体共振器11と、表裏面を貫通する第2の固定孔13bが形成された実装基板12と、第1の固定孔13aと第2の固定孔13bとを貫通して取り付けられ、誘電体共振器11を実装基板12に固定する固定手段14とを有する。固定手段14は、第1の固定孔13aの周面に当接した頭部14aと、頭部14aから延びて固定孔13a,13bを貫通し、軸方向に分割形成されて径方向内側に弾性変形可能な軸部14bと、軸部14bの先端にそれぞれ形成されて第2の固定孔13bの周面に係止された径方向外側へ広がる係止爪14cとを備え、頭部14aと係止爪14cとで発生する締結力で誘電体共振器11を実装基板に固定する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は誘電体共振アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
誘電体共振アンテナ(DRA−Dielectric Resonator Antenna)は、マイクロストリップアンテナに比べて導体損失が少なく、また広帯域化および小型化が容易であることから、無線LANの基地局アンテナなどに用いられている。
【0003】
このような誘電体共振アンテナについては、たとえば特開2000−209019号公報、特開2000−209020号公報、特開2001−298318号公報などに記載がある。
【0004】
ここで、これらの公報にも記載のように、誘電体共振アンテナは、誘電体共振器(誘電体)とこれが搭載された実装基板とから構成されており、誘電体共振器にはプローブピン、スロット、マイクロストリップ等により給電が行われている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−209019号公報
【特許文献2】
特開2000−209020号公報
【特許文献3】
特開2001−298318号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
誘電体共振アンテナが所期の周波数特性を得るためには、誘電体共振器が実装基板の所定位置に固定されていなければならない。
【0007】
これについて、前述した公報に記載の技術では、誘電体共振器の固定については何ら言及されていない。
【0008】
ここで、両面テープや接着剤などを用いて誘電体共振器を実装基板に固定することが考えられる。しかし、両面テープによる固定ではテープの貼着および誘電体共振器の位置決めが必要になり、接着剤による固定では接着剤の塗布および同じく誘電体共振器の位置決めが必要になり、何れによっても固定のための時間がかかり作業性が悪化する。
【0009】
そこで、本発明は、誘電体共振アンテナにおいて、誘電体を簡易に実装基板に位置決め固定することのできる技術を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る誘電体共振アンテナは、表裏面を貫通する第1の固定孔が形成された所定形状の誘電体と、表裏面を貫通する第2の固定孔が形成された実装基板と、前記第1の固定孔と前記第2の固定孔とを貫通して取り付けられ、前記誘電体を前記実装基板に固定する固定手段とを有することを特徴とする。
【0011】
このような発明によれば、誘電体に形成された第1の固定孔と実装基板に形成された第2の固定孔とを貫通する固定手段で誘電体を実装基板に固定しているので、誘電体を簡易に実装基板に位置決め固定することが可能になる。
【0012】
本発明の好ましい形態において、前記固定手段は、一方の前記固定孔の周面に当接した頭部と、前記頭部から延びて前記第1の固定孔および前記第2の固定孔を貫通し、軸方向に分割形成されて径方向内側に弾性変形可能な軸部と、前記軸部の先端にそれぞれ形成されて他方の固定孔の周面に係止され、径方向外側へ広がる係止爪とを備え、前記頭部と前記係止爪とで発生する締結力で前記誘電体が前記実装基板に固定される。
【0013】
これにより、誘電体を簡易に実装基板に位置決め固定することが可能になる。
【0014】
本発明のさらに好ましい形態において、前記固定手段は金属製の棒状体からなり、前記固定手段の一方端が前記誘電体とはんだ付けされ、他方端が前記実装基板とはんだ付けされて前記誘電体が前記実装基板に固定される。
【0015】
これにより、誘電体を簡易に実装基板に位置決め固定することが可能になる。
【0016】
本発明のさらに好ましい形態において、前記第1の固定孔および前記第2の固定孔はそれぞれ複数形成され、複数の前記固定手段により誘電体共振器が実装基板に固定される。
【0017】
これにより、固定手段の締結力が弱くても誘電体が回転することはないので、誘電体と給電線との位置関係が変わらずに安定した特性を得ることが可能になる。
【0018】
本発明のさらに好ましい形態において、前記誘電体側に位置する前記固定手段の前記頭部の面積、または前記誘電体の表面に前記固定手段により固定された金属板の面積を変化させてアンテナ特性を調整する。
【0019】
これにより、誘電体の大きさや給電線の線幅などを変えることなく、アンテナ特性を所望の特性に容易に調整することが可能になる。
【0020】
本発明のさらに好ましい形態において、前記誘電体は円柱形状を有し、前記第1の固定孔は当該誘電体の中心に形成されている。
【0021】
これにより、誘電体が回転しても誘電体と給電線との位置関係は変化しないので、誘電体の回転を阻止しなくても安定した特性を得ることが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、発明の実施の形態は、本発明が実施される特に有用な形態としてのものであり、本発明がその実施の形態に限定されるものではない。
【0023】
図1は本発明の一実施の形態である誘電体共振アンテナを示す斜視図、図2は図1の誘電体共振アンテナにおけるA−A線に沿った断面図、図3は本発明の他の実施の形態である誘電体共振アンテナを示す平面図、図4は図3の誘電体共振アンテナにおいて所定の面積の金属板を誘電体上に取り付けた場合における反射特性を示すグラフ、図5は図3の誘電体共振アンテナにおいて図4とは異なる面積の金属板を誘電体上に取り付けた場合における反射特性を示すグラフ、図6は図3の誘電体共振アンテナにおいて図4および図5とは異なる面積の金属板を誘電体上に取り付けた場合における反射特性を示すグラフ、図7は本発明のさらに他の実施の形態である誘電体共振アンテナを示す斜視図である。
【0024】
図1に示すように、本実施の形態の誘電体共振アンテナ10は、直方体形状(たとえば、縦10mm×横10mm×高さ4mm)をしたたとえば(Mg・Ca)TiO2やBa2Ti9O20などの誘電性材料からなる誘電体共振器(誘電体)11と、この誘電体共振器11が搭載された実装基板12とを有している。実装基板12の実装面には、誘電体共振器11に給電される信号を伝送してこれを励振する導電性薄膜からなる給電線12aが誘電体共振器11の実装領域まで延びて形成されている。また、実装面と反対側の面には接地電極12bが形成されている。
【0025】
図2に示すように、誘電体共振器11には、その表裏面を貫通する第1の固定孔13aがほぼ中心部に形成され、実装基板12には、同じくその表裏面を貫通する第2の固定孔13bが形成されている。そして、誘電体共振器11は第1の固定孔13aと第2の固定孔13bとが重なり合う位置に配置されており、これらの固定孔13a,13bを貫通して固定手段14が取り付けられて誘電体共振器11を実装基板12に固定している。
【0026】
この固定手段14は、たとえば真鍮などの金属製あるいはたとえばプラスチックなどの樹脂製であり、頭部14a、頭部14aから延びて径方向内側に弾性変形可能なように軸方向に分割形成された軸部14b、および軸部14bの先端に形成されて径方向外側へ広がる係止爪14cからなる。なお、固定手段14は金属製あるいは樹脂製以外であっても、軸部14bが径方向内側に弾性変形が可能であれば、他の材料で構成することもできる。
【0027】
そして、係止爪14cを先端にして第1の固定孔13aおよび第2の固定孔13bの順に差し込むことにより、頭部14aは第1の固定孔13aの周面に当接し、軸部14bは第1の固定孔13aおよび第2の固定孔13bを貫通し、軸部14bが径方向内側に変形することによって固定孔13a,13bを通り抜けた係止爪14cは軸部14bが元の状態に弾性復帰することにより第2の固定孔13bの周面に係止される。これにより、頭部14aと係止爪14cとで発生する締結力で誘電体共振器11が実装基板12に固定される。
【0028】
なお、係止爪14cを第2の固定孔13b側から差し込んで取り付けてもよい。この場合には、頭部14aは第2の固定孔13bの周面に当接し、係止爪14cは第1の固定孔13aの周面に係止される。
【0029】
このように、本実施の形態の誘電体共振アンテナ10によれば、誘電体共振器11に形成された第1の固定孔13aと実装基板12に形成された第2の固定孔13bとを貫通する固定手段14により誘電体共振器11を実装基板12に固定しているので、両面テープや接着剤などを用いる場合に比べて誘電体共振器11を簡易に実装基板12に位置決め固定することが可能になり、誘電体共振アンテナ10の組み立て時における作業効率の向上を図ることができる。
【0030】
なお、固定手段14を金属製の棒状体とし、その一方端を誘電体共振器11とはんだ付けし、他方端を実装基板12とはんだ付けすることにより誘電体共振器11を実装基板12に固定してもよい。
【0031】
また、第1の固定孔13aおよび第2の固定孔13bをそれぞれ複数形成し、複数の固定手段14を用いて誘電体共振器11を実装基板12に固定するようにしてもよい。このようにすれば、固定手段14の締結力が弱くても誘電体共振器11は回転しないので、誘電体共振器11と給電線12aとの位置関係が変わらずに安定した特性を得ることができる。
【0032】
ここで、本発明者らは、図3に示すように、固定手段14を用いて誘電体共振器11の表面に面積の異なる金属板15を固定してみた。金属板15は、図3において、モデル1としてL1×L2=2mm×1mm、モデル2としてL1×L2=3mm×1mm、モデル3としてL1×L2=4mm×1mmの3種類を作成した。
【0033】
モデル1の金属板15を取り付けた場合における誘電体共振アンテナ10の反射特性を図4に、モデル2の金属板15を取り付けた場合における誘電体共振アンテナ10の反射特性を図5に、モデル3の金属板15を取り付けた場合における誘電体共振アンテナ10の反射特性を図6に、それぞれ示す。これらのグラフから明らかなように、金属板15の面積を変えると反射特性が異なっている。したがって、誘電体共振器11の大きさや給電線12aの線幅などを変えるのではなく、金属板15を誘電体共振器11に取り付け、その面積を変化させることでアンテナ特性を所望の特性に容易に調整することが可能になる。
【0034】
なお、金属板15を用いるのではなく、固定手段14を金属製とし、その頭部の面積を変化させても、同様にアンテナ特性を所望の特性に容易に調整することができる。
【0035】
以上の説明において、誘電体共振器11は直方体形状となっているが、他の種々の形状を採ることができる。特に、図7に示すように、円柱形状とし、第1の固定孔13aをその中心に形成するようにすれば、誘電体共振器11が回転しても誘電体共振器11と給電線12aとの位置関係は変化しないので、前述のように誘電体共振器11の回転を阻止するような固定をしなくても安定した特性を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0037】
すなわち、誘電体に形成された第1の固定孔と実装基板に形成された第2の固定孔とを貫通する固定手段で誘電体を実装基板に固定しているので、誘電体を簡易に実装基板に位置決め固定することが可能になる。
【0038】
これにより、誘電体共振アンテナの組み立て時における作業効率の向上を図ることが可能になる。
【0039】
第1の固定孔および第2の固定孔をそれぞれ複数形成し、複数の固定手段により誘電体共振器を実装基板に固定するようにすれば、固定手段の締結力が弱くても誘電体が回転することはないので、誘電体と給電線との位置関係が変わらずに安定した特性を得ることが可能になる。
【0040】
誘電体側に位置する固定手段の頭部の面積、または誘電体の表面に固定手段により固定された金属板の面積を変化させてアンテナ特性を調整するようにすれば、誘電体の大きさや給電線の線幅などを変えることなく、アンテナ特性を所望の特性に容易に調整することが可能になる。
【0041】
誘電体を円柱形状とし、第1の固定孔を当該誘電体の中心に形成すれば、誘電体が回転しても誘電体と給電線との位置関係は変化しないので、誘電体の回転を阻止しなくても安定した特性を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である誘電体共振アンテナを示す斜視図である。
【図2】図1の誘電体共振アンテナにおけるA−A線に沿った断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態である誘電体共振アンテナを示す平面図である。
【図4】図3の誘電体共振アンテナにおいて所定の面積の金属板を誘電体上に取り付けた場合における反射特性を示すグラフである。
【図5】図3の誘電体共振アンテナにおいて図4とは異なる面積の金属板を誘電体上に取り付けた場合における反射特性を示すグラフである。
【図6】図3の誘電体共振アンテナにおいて図4および図5とは異なる面積の金属板を誘電体上に取り付けた場合における反射特性を示すグラフである。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態である誘電体共振アンテナを示す斜視図である。
【符号の説明】
10 誘電体共振アンテナ
11 誘電体共振器(誘電体)
12 実装基板
12a 給電線
12b 接地電極
13a 第1の固定孔
13b 第2の固定孔
14 固定手段
14a 頭部
14b 軸部
14c 係止爪
15 金属板
【発明の属する技術分野】
本発明は誘電体共振アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
誘電体共振アンテナ(DRA−Dielectric Resonator Antenna)は、マイクロストリップアンテナに比べて導体損失が少なく、また広帯域化および小型化が容易であることから、無線LANの基地局アンテナなどに用いられている。
【0003】
このような誘電体共振アンテナについては、たとえば特開2000−209019号公報、特開2000−209020号公報、特開2001−298318号公報などに記載がある。
【0004】
ここで、これらの公報にも記載のように、誘電体共振アンテナは、誘電体共振器(誘電体)とこれが搭載された実装基板とから構成されており、誘電体共振器にはプローブピン、スロット、マイクロストリップ等により給電が行われている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−209019号公報
【特許文献2】
特開2000−209020号公報
【特許文献3】
特開2001−298318号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
誘電体共振アンテナが所期の周波数特性を得るためには、誘電体共振器が実装基板の所定位置に固定されていなければならない。
【0007】
これについて、前述した公報に記載の技術では、誘電体共振器の固定については何ら言及されていない。
【0008】
ここで、両面テープや接着剤などを用いて誘電体共振器を実装基板に固定することが考えられる。しかし、両面テープによる固定ではテープの貼着および誘電体共振器の位置決めが必要になり、接着剤による固定では接着剤の塗布および同じく誘電体共振器の位置決めが必要になり、何れによっても固定のための時間がかかり作業性が悪化する。
【0009】
そこで、本発明は、誘電体共振アンテナにおいて、誘電体を簡易に実装基板に位置決め固定することのできる技術を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る誘電体共振アンテナは、表裏面を貫通する第1の固定孔が形成された所定形状の誘電体と、表裏面を貫通する第2の固定孔が形成された実装基板と、前記第1の固定孔と前記第2の固定孔とを貫通して取り付けられ、前記誘電体を前記実装基板に固定する固定手段とを有することを特徴とする。
【0011】
このような発明によれば、誘電体に形成された第1の固定孔と実装基板に形成された第2の固定孔とを貫通する固定手段で誘電体を実装基板に固定しているので、誘電体を簡易に実装基板に位置決め固定することが可能になる。
【0012】
本発明の好ましい形態において、前記固定手段は、一方の前記固定孔の周面に当接した頭部と、前記頭部から延びて前記第1の固定孔および前記第2の固定孔を貫通し、軸方向に分割形成されて径方向内側に弾性変形可能な軸部と、前記軸部の先端にそれぞれ形成されて他方の固定孔の周面に係止され、径方向外側へ広がる係止爪とを備え、前記頭部と前記係止爪とで発生する締結力で前記誘電体が前記実装基板に固定される。
【0013】
これにより、誘電体を簡易に実装基板に位置決め固定することが可能になる。
【0014】
本発明のさらに好ましい形態において、前記固定手段は金属製の棒状体からなり、前記固定手段の一方端が前記誘電体とはんだ付けされ、他方端が前記実装基板とはんだ付けされて前記誘電体が前記実装基板に固定される。
【0015】
これにより、誘電体を簡易に実装基板に位置決め固定することが可能になる。
【0016】
本発明のさらに好ましい形態において、前記第1の固定孔および前記第2の固定孔はそれぞれ複数形成され、複数の前記固定手段により誘電体共振器が実装基板に固定される。
【0017】
これにより、固定手段の締結力が弱くても誘電体が回転することはないので、誘電体と給電線との位置関係が変わらずに安定した特性を得ることが可能になる。
【0018】
本発明のさらに好ましい形態において、前記誘電体側に位置する前記固定手段の前記頭部の面積、または前記誘電体の表面に前記固定手段により固定された金属板の面積を変化させてアンテナ特性を調整する。
【0019】
これにより、誘電体の大きさや給電線の線幅などを変えることなく、アンテナ特性を所望の特性に容易に調整することが可能になる。
【0020】
本発明のさらに好ましい形態において、前記誘電体は円柱形状を有し、前記第1の固定孔は当該誘電体の中心に形成されている。
【0021】
これにより、誘電体が回転しても誘電体と給電線との位置関係は変化しないので、誘電体の回転を阻止しなくても安定した特性を得ることが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、発明の実施の形態は、本発明が実施される特に有用な形態としてのものであり、本発明がその実施の形態に限定されるものではない。
【0023】
図1は本発明の一実施の形態である誘電体共振アンテナを示す斜視図、図2は図1の誘電体共振アンテナにおけるA−A線に沿った断面図、図3は本発明の他の実施の形態である誘電体共振アンテナを示す平面図、図4は図3の誘電体共振アンテナにおいて所定の面積の金属板を誘電体上に取り付けた場合における反射特性を示すグラフ、図5は図3の誘電体共振アンテナにおいて図4とは異なる面積の金属板を誘電体上に取り付けた場合における反射特性を示すグラフ、図6は図3の誘電体共振アンテナにおいて図4および図5とは異なる面積の金属板を誘電体上に取り付けた場合における反射特性を示すグラフ、図7は本発明のさらに他の実施の形態である誘電体共振アンテナを示す斜視図である。
【0024】
図1に示すように、本実施の形態の誘電体共振アンテナ10は、直方体形状(たとえば、縦10mm×横10mm×高さ4mm)をしたたとえば(Mg・Ca)TiO2やBa2Ti9O20などの誘電性材料からなる誘電体共振器(誘電体)11と、この誘電体共振器11が搭載された実装基板12とを有している。実装基板12の実装面には、誘電体共振器11に給電される信号を伝送してこれを励振する導電性薄膜からなる給電線12aが誘電体共振器11の実装領域まで延びて形成されている。また、実装面と反対側の面には接地電極12bが形成されている。
【0025】
図2に示すように、誘電体共振器11には、その表裏面を貫通する第1の固定孔13aがほぼ中心部に形成され、実装基板12には、同じくその表裏面を貫通する第2の固定孔13bが形成されている。そして、誘電体共振器11は第1の固定孔13aと第2の固定孔13bとが重なり合う位置に配置されており、これらの固定孔13a,13bを貫通して固定手段14が取り付けられて誘電体共振器11を実装基板12に固定している。
【0026】
この固定手段14は、たとえば真鍮などの金属製あるいはたとえばプラスチックなどの樹脂製であり、頭部14a、頭部14aから延びて径方向内側に弾性変形可能なように軸方向に分割形成された軸部14b、および軸部14bの先端に形成されて径方向外側へ広がる係止爪14cからなる。なお、固定手段14は金属製あるいは樹脂製以外であっても、軸部14bが径方向内側に弾性変形が可能であれば、他の材料で構成することもできる。
【0027】
そして、係止爪14cを先端にして第1の固定孔13aおよび第2の固定孔13bの順に差し込むことにより、頭部14aは第1の固定孔13aの周面に当接し、軸部14bは第1の固定孔13aおよび第2の固定孔13bを貫通し、軸部14bが径方向内側に変形することによって固定孔13a,13bを通り抜けた係止爪14cは軸部14bが元の状態に弾性復帰することにより第2の固定孔13bの周面に係止される。これにより、頭部14aと係止爪14cとで発生する締結力で誘電体共振器11が実装基板12に固定される。
【0028】
なお、係止爪14cを第2の固定孔13b側から差し込んで取り付けてもよい。この場合には、頭部14aは第2の固定孔13bの周面に当接し、係止爪14cは第1の固定孔13aの周面に係止される。
【0029】
このように、本実施の形態の誘電体共振アンテナ10によれば、誘電体共振器11に形成された第1の固定孔13aと実装基板12に形成された第2の固定孔13bとを貫通する固定手段14により誘電体共振器11を実装基板12に固定しているので、両面テープや接着剤などを用いる場合に比べて誘電体共振器11を簡易に実装基板12に位置決め固定することが可能になり、誘電体共振アンテナ10の組み立て時における作業効率の向上を図ることができる。
【0030】
なお、固定手段14を金属製の棒状体とし、その一方端を誘電体共振器11とはんだ付けし、他方端を実装基板12とはんだ付けすることにより誘電体共振器11を実装基板12に固定してもよい。
【0031】
また、第1の固定孔13aおよび第2の固定孔13bをそれぞれ複数形成し、複数の固定手段14を用いて誘電体共振器11を実装基板12に固定するようにしてもよい。このようにすれば、固定手段14の締結力が弱くても誘電体共振器11は回転しないので、誘電体共振器11と給電線12aとの位置関係が変わらずに安定した特性を得ることができる。
【0032】
ここで、本発明者らは、図3に示すように、固定手段14を用いて誘電体共振器11の表面に面積の異なる金属板15を固定してみた。金属板15は、図3において、モデル1としてL1×L2=2mm×1mm、モデル2としてL1×L2=3mm×1mm、モデル3としてL1×L2=4mm×1mmの3種類を作成した。
【0033】
モデル1の金属板15を取り付けた場合における誘電体共振アンテナ10の反射特性を図4に、モデル2の金属板15を取り付けた場合における誘電体共振アンテナ10の反射特性を図5に、モデル3の金属板15を取り付けた場合における誘電体共振アンテナ10の反射特性を図6に、それぞれ示す。これらのグラフから明らかなように、金属板15の面積を変えると反射特性が異なっている。したがって、誘電体共振器11の大きさや給電線12aの線幅などを変えるのではなく、金属板15を誘電体共振器11に取り付け、その面積を変化させることでアンテナ特性を所望の特性に容易に調整することが可能になる。
【0034】
なお、金属板15を用いるのではなく、固定手段14を金属製とし、その頭部の面積を変化させても、同様にアンテナ特性を所望の特性に容易に調整することができる。
【0035】
以上の説明において、誘電体共振器11は直方体形状となっているが、他の種々の形状を採ることができる。特に、図7に示すように、円柱形状とし、第1の固定孔13aをその中心に形成するようにすれば、誘電体共振器11が回転しても誘電体共振器11と給電線12aとの位置関係は変化しないので、前述のように誘電体共振器11の回転を阻止するような固定をしなくても安定した特性を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0037】
すなわち、誘電体に形成された第1の固定孔と実装基板に形成された第2の固定孔とを貫通する固定手段で誘電体を実装基板に固定しているので、誘電体を簡易に実装基板に位置決め固定することが可能になる。
【0038】
これにより、誘電体共振アンテナの組み立て時における作業効率の向上を図ることが可能になる。
【0039】
第1の固定孔および第2の固定孔をそれぞれ複数形成し、複数の固定手段により誘電体共振器を実装基板に固定するようにすれば、固定手段の締結力が弱くても誘電体が回転することはないので、誘電体と給電線との位置関係が変わらずに安定した特性を得ることが可能になる。
【0040】
誘電体側に位置する固定手段の頭部の面積、または誘電体の表面に固定手段により固定された金属板の面積を変化させてアンテナ特性を調整するようにすれば、誘電体の大きさや給電線の線幅などを変えることなく、アンテナ特性を所望の特性に容易に調整することが可能になる。
【0041】
誘電体を円柱形状とし、第1の固定孔を当該誘電体の中心に形成すれば、誘電体が回転しても誘電体と給電線との位置関係は変化しないので、誘電体の回転を阻止しなくても安定した特性を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である誘電体共振アンテナを示す斜視図である。
【図2】図1の誘電体共振アンテナにおけるA−A線に沿った断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態である誘電体共振アンテナを示す平面図である。
【図4】図3の誘電体共振アンテナにおいて所定の面積の金属板を誘電体上に取り付けた場合における反射特性を示すグラフである。
【図5】図3の誘電体共振アンテナにおいて図4とは異なる面積の金属板を誘電体上に取り付けた場合における反射特性を示すグラフである。
【図6】図3の誘電体共振アンテナにおいて図4および図5とは異なる面積の金属板を誘電体上に取り付けた場合における反射特性を示すグラフである。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態である誘電体共振アンテナを示す斜視図である。
【符号の説明】
10 誘電体共振アンテナ
11 誘電体共振器(誘電体)
12 実装基板
12a 給電線
12b 接地電極
13a 第1の固定孔
13b 第2の固定孔
14 固定手段
14a 頭部
14b 軸部
14c 係止爪
15 金属板
Claims (6)
- 表裏面を貫通する第1の固定孔が形成された所定形状の誘電体と、
表裏面を貫通する第2の固定孔が形成された実装基板と、
前記第1の固定孔と前記第2の固定孔とを貫通して取り付けられ、前記誘電体を前記実装基板に固定する固定手段と、
を有することを特徴とする誘電体共振アンテナ。 - 前記固定手段は、
一方の前記固定孔の周面に当接した頭部と、
前記頭部から延びて前記第1の固定孔および前記第2の固定孔を貫通し、軸方向に分割形成されて径方向内側に弾性変形可能な軸部と、
前記軸部の先端にそれぞれ形成されて他方の固定孔の周面に係止され、径方向外側へ広がる係止爪とを備え、
前記頭部と前記係止爪とで発生する締結力で前記誘電体が前記実装基板に固定されることを特徴とする請求項1記載の誘電体共振アンテナ。 - 前記固定手段は金属製の棒状体からなり、
前記固定手段の一方端が前記誘電体とはんだ付けされ、他方端が前記実装基板とはんだ付けされて前記誘電体が前記実装基板に固定されることを特徴とする請求項1記載の誘電体共振アンテナ。 - 前記第1の固定孔および前記第2の固定孔はそれぞれ複数形成され、複数の前記固定手段により誘電体共振器が実装基板に固定されることを特徴とする請求項1、2または3記載の誘電体共振アンテナ。
- 前記誘電体側に位置する前記固定手段の前記頭部の面積、または前記誘電体の表面に前記固定手段により固定された金属板の面積を変化させてアンテナ特性を調整することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の誘電体共振アンテナ。
- 前記誘電体は円柱形状を有し、
前記第1の固定孔は当該誘電体の中心に形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の誘電体共振アンテナ。
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2003
- 2003-08-08 JP JP2003206831A patent/JP2005064548A/ja active Pending
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