JP2005064069A - 脱磁器及び脱磁器を具備する搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被搬送物を確実に消磁することができる小型で効率のよい脱磁器とこの脱磁器を具備する搬送装置の提供。
【解決手段】断面略I字状の磁心にコイルが捲着されてなる脱磁器であって、該磁心の上方部又は下方部近傍に於いて、被消磁物を前記磁心の長手方向に対して略直角方向に移動させて脱磁することを特徴とする。
【選択図】 図7
【解決手段】断面略I字状の磁心にコイルが捲着されてなる脱磁器であって、該磁心の上方部又は下方部近傍に於いて、被消磁物を前記磁心の長手方向に対して略直角方向に移動させて脱磁することを特徴とする。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱磁器及び脱磁器を具備する搬送装置に関し、より詳しくは、被搬送物を確実に消磁することができる小型で効率のよい脱磁器とこの脱磁器を具備する搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、強磁性体である鉄鋼材料は、生産工程に於いて渦流探傷検査や磁粉探傷検査を行う為に強制的に励磁されたり、マグネットリフトやマグネットチャックで磁力により吸着されたりする場合や矯正機や高速研磨機等で加工されたりした場合に帯磁される。この鉄鋼材料を次の工程に搬送して処理を行うためには、消磁を行う必要があった。この磁気を帯びた鉄鋼材料を消磁するために、被消磁物を強力な消磁磁界中に配置し、この消磁磁界を徐々に減少させる被消磁物静止型の消磁装置と、強力な消磁磁界中を被消磁物を移動させて消磁磁界の減衰効果を得る被消磁物走行型の消磁装置が提案されている。
上記した被消磁物静止型の消磁装置は、消磁効果が高いが被消磁物を消磁磁界中に静止させるため手間と労力が必要であり生産性の効率が悪かった。又、被消磁物走行型の消磁装置は、コンベア等で消磁装置中を搬送させるため、生産性の効率は良いが消磁効果が低かった。
上記した問題点を解決するために、入口部から出口部に従って漸次減少する磁界を発生させることによって消磁を行う消磁装置が創出されている(例えば、特文献1参照)。
しかしながら、従来の消磁装置や特許文献1記載の消磁装置は、鉄鋼材料のような大型の被消磁物の消磁を行うために創出された発明であるので、強力な磁場を発生させる大型の消磁装置であった。そのため、螺子、ピンや釘等の小型の被消磁物を消磁する際には、消磁を行う磁界が強力すぎて非効率的であった。
又、従来、脱磁器が有する磁界は、閉磁界を利用することが当業者に知られている。これは、閉磁界でないと均一磁界を発生することができず、開放磁界を利用して被消磁物を脱磁することは脱磁効率が悪いと認識されてきたからである。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−94609号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、従来脱磁器には使用されない開放磁界を効果的に利用することで、螺子、ピンや釘等の小型の被消磁物である被搬送物を大量に且つ確実に脱磁することができる小型で、消磁効率がよい脱磁器とこの脱磁器を具備する搬送装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、断面略I字状の磁心にコイルが捲着されてなる脱磁器であって、該磁心の上方部又は下方部近傍に於いて、被消磁物を前記磁心の長手方向に対して略直角方向に移動させて脱磁することを特徴とする脱磁器を提供する。
請求項2記載の発明は、断面略U字状の磁心が上方に開口部を有して配置されると共に、該磁心の両端にコイルが捲着されている脱磁器であって、被消磁物を該磁心の両端を結ぶ直線の上方部近傍を移動させて脱磁することを特徴とする脱磁器を提供する。
請求項3記載の発明は、前記磁心の断面略U字状の中央近傍にコイルが捲着されていることを特徴とする請求項2記載の脱磁器を提供する。
請求項4記載の発明は、断面略E字状の磁心が上方に開口部を有して配置されると共に、該磁心の中央に設けられる突出部にコイルが捲着されている脱磁器であって、該磁心の上方部近傍に於いて、被消磁物を前記磁心の長手方向に対して直角方向に移動させて脱磁することを特徴とする脱磁器を提供する。
請求項5記載の発明は、前記断面略E字状の磁心の両端に設けられる突出部にコイルが捲着されていることを特徴とする請求項4記載の脱磁器を提供する。
請求項6記載の発明は、前記コイル及び該コイルが捲着される場所の前記磁心が平面視略四角形の形状を有していることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の脱磁器を提供する。
請求項7記載の発明は、無端状に設けられる搬送体を有し、この搬送体に被搬送物を載置し搬送する搬送装置であって、該搬送体の下方に於いて、請求項1乃至6いずれかに記載の脱磁器が配設されていることを特徴とする脱磁器を具備する搬送装置を提供する。
請求項8記載の発明は、前記搬送体の上側表面には、被搬送物を移動方向に案内する案内片が所定間隔毎に設けられていることを特徴とする請求項7記載の脱磁器を具備する搬送装置を提供する。
請求項9記載の発明は、前記上側表面には、搬送装置の搬送方向に沿って平行な一対の案内板が設けられていることを特徴とする請求項8記載の脱磁器を具備する搬送装置を提供する。
請求項10記載の発明は、前記搬送体と前記脱磁器の間に、該搬送体に沿って非磁性体素材からなる保持板が設けられていることを特徴とする請求項7乃至9いずれかに記載の脱磁器を具備する搬送装置お提供する。
これらの発明を提供することで上記課題を悉く解決する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明の脱磁器について説明する。図1は、本発明の脱磁器の図であり、(a)は平面図であり、(b)はA−A線断面図であり、(c)は脱磁器の作用状態を示す断面図である。
この脱磁器(1)は、断面略I字状の磁心(12)にコイル(11)が捲着されて構成されている。この脱磁器(1)を利用する際には、図1(c)で示す如く、磁心(12)の上方部(又は下方部)近傍に於いて、被消磁物を磁心(12)の長手方向に対して直角方向に移動させて(図1(c)中の白矢印に沿って)脱磁を行う。
【0007】
コイル(11)は、導線(11a)が筒状又は螺旋状に設けられている。コイル(11)の有する断面形状は、略四角形の形状を有している。コイル(11)が略四角形の断面形状を有することによって、被消磁物である被搬送物がコイル(11)の上方を搬送される際に、図2(a)で示す如く、搬送方向に対して直角方向の搬送位置(A,B,C)の差によって、搬送方向に対して平行方向に発生する磁界の影響を略同等に被ることになるからである。尚、図2(b)で示す如く、コイルが断面円形の形状を有している場合、搬送方向に対して直角方向の搬送位置(A,B,C)の差によって、コイルからの磁界の影響が異なる。
尚、本発明中で示されるコイル(11)は、図2(a)で示される如く、断面略正方形の形状を有しているが、略四角形状を有していれば構わない。このコイル(11)の一辺の長さLは、特に限定されるものではないが、5〜10cmであり、好ましくは、6〜7cmである。
このコイル(11)に設けられる導線(11a)の素材は、電流を通すものであれば特に限定されないが、エナメル被覆銅線が好ましい。
導線(11a)がコイル(11)に設けられる際の巻数やコイル(11)に流れる電流の大きさは、特に限定されるものではないが、後述する条件を満たす磁界を発生させれば構わない。
コイル(11)が発生させる磁界の大きさは、被消磁物が移動する磁心(12)の上方部に於いて、350ガウス以上が好ましい。尚、上記する大きさの磁界を発生させる際に、導線(11a)中を流れる電流の大きさは、特に限定されないが、本発明の脱磁器(1)を長時間使用した場合に於いても、コイル(11)から発生する発熱量が極力小さいことが好ましい。
【0008】
コイル(11)の中心軸に設けられる断面略I字状の磁心(12)は、コイル(11)が捲着される場所の磁心(12)の平面視の形状は、図1(a)で示される如く略四角形の形状を有していることが好ましい。コイル(11)が捲着される場所の磁心(12)が略四角形の平面視の形状を有することによって、上記したコイル(11)が有する平面視略四角形の形状に最も効果的に励磁を促すからである。
この磁心(12)の素材は、磁性体であれば特に限定されないが、効率よく励磁させるために、珪素鋼板を利用することが好ましい。
コイル(11)が捲着される場所の磁心(12)の平面視の形状と大きさは、コイル(11)の平面視の形状が略正方形を有している場合には、略正方形に形成され、一辺の長さが、コイル(11)の一辺の長さの1/3〜1/5の長さで設けられている。
上記する条件下でのコイル(11)、電流及び磁心(12)を利用することによって、コイル(11)から350ガウス以上の磁界が発生することになる。この発生した磁界は、螺子等の小型の被消磁物を確実に消磁させることができる。
【0009】
本発明に係る他の脱磁器(1)を説明する。図3は、本発明に係る脱磁器の図であり、(a)は平面図であり、(b)は図3(a)のA−A線断面図である。本発明の脱磁器(1)は、複数のコイル(11)と、このコイル(11)が捲着される磁心(12)から構成されている。尚、コイルや磁心の基本的な構成は上述したコイルや磁心と同じである。
コイル(11)は、上述した如く、導線(11a)が筒状又は螺旋状に設けられ、コイル(11)の有する断面形状は、被消磁物の脱磁効率が等しくなるように略四角形の形状を有している。
このコイル(11)の一辺の長さLは、特に限定されるものではないが、5〜10cmであり、好ましくは、6〜7cmである。
【0010】
コイル(11)の中心軸に設けられる磁心(12)は、図3(b)で示す如く、断面略U字状の形状を有し、このU字状に設けられた開口部が上方に向けて配置されている。
コイル(11)が捲着される場所の磁心(12)の平面視の形状は、図3(a)で示される如く略四角形の形状を有していることが好ましい。コイル(11)が捲着される場所の磁心(12)が略四角形の平面視の形状を有することによって、上記したコイル(11)が有する平面視略四角形の形状に最も効果的に励磁を促すからである。
このU字状の磁心(12)の両端に設けられる突出部(12a)同士の幅W1は、特に限定されないが、7〜13cmであり、9〜11cmが好ましい。
コイル(11)が捲着される場所の磁心(12)の平面視の形状と大きさは、コイル(11)の平面視の形状が略正方形を有している場合には、略正方形に形成され、一辺の長さが、コイル(11)の一辺の長さの1/3〜1/5の長さで設けられている。
上記する条件下でのコイル(11)、電流及び磁心(12)を利用することによって、上記したような、コイル(11)から350ガウス以上の磁界が発生することになる。この発生した磁界は、螺子等の小型の被消磁物を確実に消磁させることができる。
【0011】
本発明に使用される磁心(12)の他の実施例は、図4で示す如く、断面略E字状を有し、この断面略E字状に形成された開口部を上方にし、3つの突出部(12a)が上方向を向くように配置される。コイル(11)が捲着される場所の磁心(12)の平面視の形状は、上記した断面略U字状の磁心(12)と同じように、平面視略四角形の形状を有し、コイル(11)の平面視の形状に沿って形成されている(図4(b)参照)。
図4ではコイル(11)の平面視略正方形の形状に従って、磁心(12)の平面視の形状は略正方形に形成され、一辺の長さが、コイル(11)の一辺の長さの1/3〜1/5の長さで設けられている。
この略E字状の磁心(12)に設けられる両端の突出部(12a)同士の長さW2は、40〜90mmに設けられ、好ましくは50〜80mmに設けられる。
【0012】
本発明の他の脱磁器(1)の構成を説明する。
本脱磁器(1)は、上記したコイル(11)と断面略U字状の形状を有する磁心(12)から構成されている。
この脱磁器(1)は、断面略U字状の磁心が上方に開口部を有して配設され、断面略U字状の形状の両端にある突出部(12a)にコイル(11)がそれぞれ捲着されている(図5参照)。
磁心(12)が断面略U字状に形成されることによって、後述する搬送体(3)に生じる消磁磁界を2箇所に発生させることができ、更に、この2箇所のコイル(11)の中心軸に配置される磁心が共通した磁心となり、2箇所で発生する消磁磁界が略同じ強度を有することができるからである。
この断面略U字状の磁心(12)の中央近傍には、図5で示す如く、コイル(13)が捲着されている。このコイル(13)の形状や大きさは、特に限定されないが、突出部(12a)に捲着されるコイル(11)と同様の構成を有していても構わない。
このコイル(13)を捲着することによって、両端に捲着されるコイル(11)から発生する磁界(図5参照)を増強させて、効率良く消磁磁界を発生させることができる。
【0013】
本発明の更に他の脱磁器(1)の構成を説明する。
更に他の脱磁器(1)は、断面略E字状の磁心(12)の中央の突出部(12a)にコイル(11)が設けられている(図4参照)。尚、図4では、略E字状の磁心(12a)の両端の突出部(12a)にもコイル(11)が捲着されている。
この中央の突出部(12a)に捲着されるコイル(11)にのみ電流を流すことによって、中央の突出部(12a)から生じる磁界が、両端に設けられた突出部(12a)を利用して閉磁界とすることができる(図6参照)。また、図6で示す如く、両端に設けられる突出部(12a)にもコイル(11)が捲着されることによって、中央の突出部(12a)から発生する磁界を確実に収集することができる。
以上が本発明に係る脱磁器、本発明に係る他の脱磁器及び本発明に係る更に他の脱磁器の構成の説明である。
【0014】
脱磁器を具備する搬送装置(2)の構成を図面を参照しつつ説明する。図7は、本発明に係る脱磁器を具備する搬送装置の斜視図であり、図8は図7のB−B線断面図であり、脱磁器を具備する状態を示し、図9は図7のB−B線断面図であり、他の脱磁器を具備する状態を示し、図10は図7のB−B線断面図であり、更に他の脱磁器を具備する状態を示す。
この搬送装置(2)は、上記した脱磁器(1)と、無端状に設けられる搬送体(3)と、左右一対の回転軸(41)(42)から構成されている。
【0015】
搬送体(3)は、消磁される被搬送物を載置して搬送する。この搬送体(3)の素材は、特に限定されないが、無端状に設けられるとともに後述する回転軸(41)(42)に設けられ、ウレタン等の可撓性の素材から構成される。
搬送体(3)の幅は、特に限定されず利用者が適宜設定すれば構わないが、この搬送装置(2)は被搬送物である螺子、ピンや釘等の被消磁物を搬送するので、5〜20cmに設けられ、好ましくは、7〜10cmに設けられれば構わない。
尚、この搬送体(3)の幅(被搬送物が搬送される搬送面の幅)は、上述した脱磁器(1)の平面視略正方形状のコイル(11)の一辺の長さと略同じ長さであることが好ましい。搬送体(3)の幅とこのコイル(11)の一辺の長さが略同じ長さであることによって、搬送体(3)が有する搬送面に対して、均一な消磁磁界を発生させることができるからである。
【0016】
この搬送体(3)の上側表面(31)には、被搬送物を移動方向に案内する案内片(32)が所定間隔毎に設けられている。この案内片(32)を設けることによって、消磁磁界が搬送方向と逆方向の磁力を被搬送物へ与えても、この磁力の影響を受けることなく確実に搬送することができる。
この案内片(32)が設けられる所定間隔は、特に限定されるものではなく、利用者が適宜設定すれば構わない。この案内片(32)は、搬送体(3)の幅に亘って、この幅に対して平行に設けられている。
【0017】
この搬送体(3)の上側表面には、この搬送装置(2)の搬送方向に沿って平行な一対の案内板(33)が設けられている(図7参照)。
この案内板(33)は、被搬送物(被消磁物)が搬送体(3)上を搬送される際に、搬送体(3)から被搬送物が転落することを防止するために設けられている。
【0018】
無端状に設けられた搬送体(3)は、左右一対の回転軸(41)(42)が設けられ、搬送体(3)が垂直面内にて回転する無端状のコンベアを形成している。
この回転軸(41)(42)は、プーリ等で構成され、回動できるようにモーターのような駆動装置が取り付けられている。
搬送体(3)が垂直面内にて回転するので、図8,9及び10で示す如く、上部(3a)と下部(3b)が設けられることになる。
【0019】
脱磁器(1)は、上記した搬送体(3)の上部(3a)と下部(3b)の間に配置され、上部の下側近傍に、搬送体(3)に沿って設けられている(図8,9及び10参照)。
図8で示される搬送装置(2)に設けられる脱磁器(1)は、上述した如く、断面略I字状の磁心(12)にコイル(11)が捲着されて設けられており、被消磁物を磁心(12)の長手方向に対して略直角方向に移動させることができるように、搬送体(3)が磁心(12)の上方部近傍に配置されている。
図9で示される搬送装置(2)に設けられる他の脱磁器(1)は、上述した如く、断面略U字状の磁心(12)を上方に開口部を有して配設され、この磁心(12)の両端にある突出部(12a)にコイル(11)が捲着されている。
図10で示される搬送装置(2)に設けられる更に他の脱磁器(1)は、上述した如く、断面略E字状の磁心(12)を有し、この磁心(12)の開口部を上方に向けて、中央の突出部(12a)にコイル(11)が捲着されている。尚、後述する図10、12及び14で示される搬送装置(2)に配置される更に他の脱磁器(1)は、磁心(12)の両端にある突出部(12a)にもコイル(11)が捲着されている。
【0020】
上記する脱磁器(1)と上部(3a)の搬送体(3)との間には、保持板(5)が設けられている(図8,9及び10参照)。この保持体(5)は、搬送体(3)の上部(3a)の裏側表面に配置され、下部(3b)から上部(3a)へ移行する始端から上部(3a)から下部(3b)へ移行する終端に亘って設けられ、この保持体(5)の幅は、被搬送物(被消磁物)が搬送される搬送体(3)の幅と同じ程度の幅を有している。
この保持板(5)を設けることによって、被搬送物(被消磁物)が搬送体(3)上を搬送される際に、搬送体(3)が撓むことを防止することができるからである。
この保持体(5)は、ステンレス鉄鋼(SUS−304)等の非磁性体素材で作成されることが好ましい。保持体(5)が非磁性体素材からなることによって、脱磁器(1)から生じる磁界の影響を受けることがないからである。
以上が本発明に係る脱磁器を具備する搬送装置の構成である。
【0021】
本発明に係る脱磁器(1)を具備する搬送装置(2)の作用を説明する。図11は、被搬送物が搬送される様子を示す概略断面図であり、図12は被搬送物が搬送される様子を示す平面図である。
図1で示す脱磁器(1)を具備する搬送装置(2)の作用を説明する。図11で示す如く、搬送体(3)の上部に被搬送物である被消磁物(M)を載置する。上流部(A)に於いて搬送体(3)の上部(3a)に載置された被消磁物(M)は、搬送装置(2)の下流部(B)方向へと搬送される。この時、搬送される被消磁物(M)が脱磁器(1)の上方(特に、脱磁器(1)が有するコイル(11)の上方)に搬送された際に、脱磁器(1)(のコイル(11))から発生する消磁磁界に曝されることになる。
この時、被消磁物(M)は搬送方向と逆向きの力(白矢印)を受けるが、搬送装置(2)の搬送体(3)の案内片(32)によって、確実に搬送方向へ(下流部(B)へ)と搬送されることになる。
【0022】
図3で示す断面略U字状の磁心からなる脱磁器(1)を有する搬送装置(2)の作用を説明する。図13は、被搬送物が搬送される様子を示す概略断面図であり、図14は被搬送物が搬送される様子を示す平面図である。
図13で示す如く、搬送体(3)の上部に被搬送物である被消磁物(M)を載置する。上流部(A)に於いて搬送体(3)の上部(3a)に載置された被消磁物(M)は、搬送装置(2)の下流部(B)方向へと搬送される。この時、搬送される被消磁物(M)が脱磁器(1)の上方(特に、脱磁器(1)が有するコイル(11)の上方)に搬送された際に、脱磁器(1)(のコイル(11))から発生する消磁磁界に曝されることになる。
この時、被消磁物(M)は搬送方向と逆向きの力(白矢印)を受けるが、搬送装置(2)の搬送体(3)の案内片(32)によって、確実に搬送方向へ(下流部(B)へ)と搬送されることになる(図12参照)。
また、本搬送装置(2)で消磁する際には、上流側に配設されるコイル(11)(図13で示されるC部分に配設されるコイル)によって消磁が行われる際に、C部分で消磁される被消磁物(M)が十分に消磁されない場合においても、下流側に配設されるコイル(11)(図13で示されるD部分に配設されるコイル)によって、再度消磁が行われ、確実に消磁を行うことができる。このD部分の消磁磁界によって、消磁される際にも、被搬送物(M)には搬送方向を逆方向(白矢印方向)の磁力が働くが、上記したように、案内片(32)によって確実に下流部(B)である搬送方向へ搬送されることになる。
【0023】
次に、図4で示す断面略E字状の磁心からなる脱磁器(1)を有する搬送装置(2)の作用を説明する。図15は、被搬送物が搬送される様子を示す概略断面図であり、図16は、被搬送物が搬送される様子を示す平面図である。
図15で示す如く、搬送装置(2)の上流の搬送体(3)の上部(3a)の上流部(A)に被消磁物(M)を載置する。
上流部(A)に於ける搬送体(3)の上部(3a)に載置された被消磁物(M)は搬送装置(2)の下流部(B)方向へと搬送される。この時、搬送される被消磁物(M)が脱磁器(1)の上方を通過した際に脱磁器(1)が生じる消磁磁界に曝されることになる。
脱磁器(1)の磁界に曝された被消磁物(M)はこの磁界からの磁力により搬送方向と逆方向の力(白矢印)を受けるが、搬送装置(2)の搬送体(3)の案内片(32)によって、確実に搬送方向へ(下流部(B)へ)と搬送されることになる(図15参照)。
【0024】
また、本発明に係る搬送装置(2)を使用する際には、案内板(33)によって、被消磁物(M)が磁界の磁力によって搬送体(3)から転落することを防止することができる(図15参照)。
本搬送装置(2)に具備される脱磁器のコイル(11)の一辺が搬送体(3)の幅と略同じ長さの略四角形状を有しているので、複数の被消磁物(M)が、搬送体(3)の搬送方向に対して直角方向に於ける位置の差異を有していても、同程度の強さを有する磁界の影響を被消磁物(M)に与えることができる。被消磁物(M)が搬送体(3)の何処に配置されても、同じ磁界の強さに曝されるので、消磁効果に斑が生じることなく、搬送される全ての被搬送体を確実に消磁することができる。
【0025】
断面略U字状の磁心(12)及び断面略E字状を有する磁心(12)の脱磁器(1)は、コイル(11)の巻数やこのコイル(11)に流れる電流が上記した条件の基で使用されるので、コイル(11)から生じる発熱量が多大にならず、長時間使用することができる。
【0026】
(実施例)
以下に実施例を示す。実施例では、平面視の形状が略正方形であり、正方形の一辺が65mmであり、高さが40mmのコイルを作成した。又、磁心は、コイルに合わせて断面略正方形であり、正方形の一辺が15mmで形成されている。又、上記の如く形成されたコイルは、巻数を850〜1100にして、被消磁物が搬送される位置に於いて、400〜500ガウスの磁界を生じさせるように作成した。この時、60Hzの交流を約1A流がした。
上記した断面略I字状の磁心を有する脱磁器を試験器1、断面略U字状の磁心を有する他の脱磁器を試験器2、断面略E字状の磁心を有する更に他の脱磁器を試験器3とする。尚、被脱磁物は、磁力の大きさが20〜50ガウスに着磁されている。対象物AはネジM5×30mmであり、対象物Bは、ネジM8×50mmであり、対象物Cは、バネΦ20×35mmであり、対象物Dは、バネΦ30×40mmであり、対象物Eは、ナットM10×8mmである。
【表1】
(表1)は、各脱磁器を搬送されて後の対象物が有する磁力を示している。
この結果より、本発明に係る脱磁器を具備する搬送装置で搬送された対象物は、確実に消磁されていることが解る。
【0027】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によって、従来脱磁器には使用されない開放磁界を効果的に利用するとともに、螺子、ピンや釘等の小型の被消磁物である被搬送物を確実に脱磁することができる小型で、消磁効率がよい脱磁器を提供することができる。
【0028】
請求項2記載の発明によって、従来脱磁器には使用されない開放磁界を効果的に利用するとともに、螺子、ピンや釘等の小型の被消磁物である被搬送物を大量に且つ確実に脱磁することができる小型で、消磁効率がよい脱磁器を提供することができる。更に、搬送される被消磁物が、消磁磁界に2回曝されるので、確実に消磁することができる脱磁器を提供することができる。
【0029】
請求項3記載の発明によって、断面略U字状の磁心の中央近傍にコイルを捲着することによって、消磁磁界を効率良く発生させることができる脱磁器を提供することができる。
【0030】
請求項4及び5に記載の発明によって、従来脱磁器には使用されない開放磁界を効果的に利用するとともに、螺子、ピンや釘等の小型の被消磁物である被搬送物を確実に脱磁することができる小型で、消磁効率がよい脱磁器を提供することができる。
更に、消磁のための消磁磁界を閉磁界とすることができ、周囲に磁界の影響を与えることがない。
【0031】
請求項6記載の発明によって、搬送体に載置される被搬送物に対して均一な磁界を供給することができるとともにこの消磁磁界を効率良く発生することができる磁心を有する脱磁器を提供することができる。
【0032】
請求項7記載の発明によって、従来脱磁器には使用されない開放磁界を効果的に利用するとともに、螺子、ピンや釘等の小型の被消磁物である被搬送物を大量に且つ確実に脱磁することができる小型で、消磁効率がよい脱磁器を具備する搬送装置を提供することができる。
【0033】
請求項8記載の発明によって、被消磁物である被搬送物を磁力の影響を受けても、確実に所定搬送量を搬送することができる脱磁器を具備する搬送装置を提供することができる。
【0034】
請求項9記載の発明によって、被搬送物が搬送体から転落することを防止し、確実に搬送することができる脱磁器を具備する搬送装置を提供することができる。
【0035】
請求項10記載の発明によって、搬送体に被搬送物を載置した際に、搬送体が撓むことを防止することができる脱磁器を具備する搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱磁器の図であり、(a)は平面図であり、(b)はA−A線断面図であり、(c)は脱磁器の作用状態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る被消磁物の配置位置を示す図であり、(a)は略四角形状のコイルの場合を示し、(b)は略円形状のコイルの場合を示す。
【図3】本発明に係る他の脱磁器の図であり、(a)は平面図であり、(b)は図3(a)のA−A線断面図である。
【図4】本発明に係る更に他の脱磁器の平面図であり、(a)は平面図であり、(b)は図4(a)のA−A線断面図である。
【図5】本発明に係る他の脱磁器から発生する磁界を模式的に示す側面図である。
【図6】本発明に係る更に他の脱磁器から発生する磁界を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明に係る脱磁器を具備する搬送装置の斜視図である。
【図8】図7のB−B線断面図であり、脱磁器を具備する状態を示す。
【図9】図7のB−B線断面図であり、他の脱磁器を具備する状態を示す。
【図10】図7のB−B線断面図であり、更に他の脱磁器を具備する状態を示す。
【図11】被搬送物が搬送される様子を示す概略断面図である。
【図12】被搬送物が搬送される様子を示す平面図である。
【図13】被搬送物が搬送される様子を示す概略断面図である。
【図14】被搬送物が搬送される様子を示す平面図である。
【図15】被搬送物が搬送される様子を示す概略断面図である。
【図16】被搬送物が搬送される様子を示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・・・脱磁器
11・・・・コイル
12・・・・磁心
12a・・・突出部
13・・・・コイル
2・・・・・搬送装置
3・・・・・搬送体
3a・・・・搬送面上部
3b・・・・搬送面下部
32・・・・案内片
33・・・・案内板
41・・・・回転軸
42・・・・回転軸
5・・・・・保持板
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱磁器及び脱磁器を具備する搬送装置に関し、より詳しくは、被搬送物を確実に消磁することができる小型で効率のよい脱磁器とこの脱磁器を具備する搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、強磁性体である鉄鋼材料は、生産工程に於いて渦流探傷検査や磁粉探傷検査を行う為に強制的に励磁されたり、マグネットリフトやマグネットチャックで磁力により吸着されたりする場合や矯正機や高速研磨機等で加工されたりした場合に帯磁される。この鉄鋼材料を次の工程に搬送して処理を行うためには、消磁を行う必要があった。この磁気を帯びた鉄鋼材料を消磁するために、被消磁物を強力な消磁磁界中に配置し、この消磁磁界を徐々に減少させる被消磁物静止型の消磁装置と、強力な消磁磁界中を被消磁物を移動させて消磁磁界の減衰効果を得る被消磁物走行型の消磁装置が提案されている。
上記した被消磁物静止型の消磁装置は、消磁効果が高いが被消磁物を消磁磁界中に静止させるため手間と労力が必要であり生産性の効率が悪かった。又、被消磁物走行型の消磁装置は、コンベア等で消磁装置中を搬送させるため、生産性の効率は良いが消磁効果が低かった。
上記した問題点を解決するために、入口部から出口部に従って漸次減少する磁界を発生させることによって消磁を行う消磁装置が創出されている(例えば、特文献1参照)。
しかしながら、従来の消磁装置や特許文献1記載の消磁装置は、鉄鋼材料のような大型の被消磁物の消磁を行うために創出された発明であるので、強力な磁場を発生させる大型の消磁装置であった。そのため、螺子、ピンや釘等の小型の被消磁物を消磁する際には、消磁を行う磁界が強力すぎて非効率的であった。
又、従来、脱磁器が有する磁界は、閉磁界を利用することが当業者に知られている。これは、閉磁界でないと均一磁界を発生することができず、開放磁界を利用して被消磁物を脱磁することは脱磁効率が悪いと認識されてきたからである。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−94609号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、従来脱磁器には使用されない開放磁界を効果的に利用することで、螺子、ピンや釘等の小型の被消磁物である被搬送物を大量に且つ確実に脱磁することができる小型で、消磁効率がよい脱磁器とこの脱磁器を具備する搬送装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、断面略I字状の磁心にコイルが捲着されてなる脱磁器であって、該磁心の上方部又は下方部近傍に於いて、被消磁物を前記磁心の長手方向に対して略直角方向に移動させて脱磁することを特徴とする脱磁器を提供する。
請求項2記載の発明は、断面略U字状の磁心が上方に開口部を有して配置されると共に、該磁心の両端にコイルが捲着されている脱磁器であって、被消磁物を該磁心の両端を結ぶ直線の上方部近傍を移動させて脱磁することを特徴とする脱磁器を提供する。
請求項3記載の発明は、前記磁心の断面略U字状の中央近傍にコイルが捲着されていることを特徴とする請求項2記載の脱磁器を提供する。
請求項4記載の発明は、断面略E字状の磁心が上方に開口部を有して配置されると共に、該磁心の中央に設けられる突出部にコイルが捲着されている脱磁器であって、該磁心の上方部近傍に於いて、被消磁物を前記磁心の長手方向に対して直角方向に移動させて脱磁することを特徴とする脱磁器を提供する。
請求項5記載の発明は、前記断面略E字状の磁心の両端に設けられる突出部にコイルが捲着されていることを特徴とする請求項4記載の脱磁器を提供する。
請求項6記載の発明は、前記コイル及び該コイルが捲着される場所の前記磁心が平面視略四角形の形状を有していることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の脱磁器を提供する。
請求項7記載の発明は、無端状に設けられる搬送体を有し、この搬送体に被搬送物を載置し搬送する搬送装置であって、該搬送体の下方に於いて、請求項1乃至6いずれかに記載の脱磁器が配設されていることを特徴とする脱磁器を具備する搬送装置を提供する。
請求項8記載の発明は、前記搬送体の上側表面には、被搬送物を移動方向に案内する案内片が所定間隔毎に設けられていることを特徴とする請求項7記載の脱磁器を具備する搬送装置を提供する。
請求項9記載の発明は、前記上側表面には、搬送装置の搬送方向に沿って平行な一対の案内板が設けられていることを特徴とする請求項8記載の脱磁器を具備する搬送装置を提供する。
請求項10記載の発明は、前記搬送体と前記脱磁器の間に、該搬送体に沿って非磁性体素材からなる保持板が設けられていることを特徴とする請求項7乃至9いずれかに記載の脱磁器を具備する搬送装置お提供する。
これらの発明を提供することで上記課題を悉く解決する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明の脱磁器について説明する。図1は、本発明の脱磁器の図であり、(a)は平面図であり、(b)はA−A線断面図であり、(c)は脱磁器の作用状態を示す断面図である。
この脱磁器(1)は、断面略I字状の磁心(12)にコイル(11)が捲着されて構成されている。この脱磁器(1)を利用する際には、図1(c)で示す如く、磁心(12)の上方部(又は下方部)近傍に於いて、被消磁物を磁心(12)の長手方向に対して直角方向に移動させて(図1(c)中の白矢印に沿って)脱磁を行う。
【0007】
コイル(11)は、導線(11a)が筒状又は螺旋状に設けられている。コイル(11)の有する断面形状は、略四角形の形状を有している。コイル(11)が略四角形の断面形状を有することによって、被消磁物である被搬送物がコイル(11)の上方を搬送される際に、図2(a)で示す如く、搬送方向に対して直角方向の搬送位置(A,B,C)の差によって、搬送方向に対して平行方向に発生する磁界の影響を略同等に被ることになるからである。尚、図2(b)で示す如く、コイルが断面円形の形状を有している場合、搬送方向に対して直角方向の搬送位置(A,B,C)の差によって、コイルからの磁界の影響が異なる。
尚、本発明中で示されるコイル(11)は、図2(a)で示される如く、断面略正方形の形状を有しているが、略四角形状を有していれば構わない。このコイル(11)の一辺の長さLは、特に限定されるものではないが、5〜10cmであり、好ましくは、6〜7cmである。
このコイル(11)に設けられる導線(11a)の素材は、電流を通すものであれば特に限定されないが、エナメル被覆銅線が好ましい。
導線(11a)がコイル(11)に設けられる際の巻数やコイル(11)に流れる電流の大きさは、特に限定されるものではないが、後述する条件を満たす磁界を発生させれば構わない。
コイル(11)が発生させる磁界の大きさは、被消磁物が移動する磁心(12)の上方部に於いて、350ガウス以上が好ましい。尚、上記する大きさの磁界を発生させる際に、導線(11a)中を流れる電流の大きさは、特に限定されないが、本発明の脱磁器(1)を長時間使用した場合に於いても、コイル(11)から発生する発熱量が極力小さいことが好ましい。
【0008】
コイル(11)の中心軸に設けられる断面略I字状の磁心(12)は、コイル(11)が捲着される場所の磁心(12)の平面視の形状は、図1(a)で示される如く略四角形の形状を有していることが好ましい。コイル(11)が捲着される場所の磁心(12)が略四角形の平面視の形状を有することによって、上記したコイル(11)が有する平面視略四角形の形状に最も効果的に励磁を促すからである。
この磁心(12)の素材は、磁性体であれば特に限定されないが、効率よく励磁させるために、珪素鋼板を利用することが好ましい。
コイル(11)が捲着される場所の磁心(12)の平面視の形状と大きさは、コイル(11)の平面視の形状が略正方形を有している場合には、略正方形に形成され、一辺の長さが、コイル(11)の一辺の長さの1/3〜1/5の長さで設けられている。
上記する条件下でのコイル(11)、電流及び磁心(12)を利用することによって、コイル(11)から350ガウス以上の磁界が発生することになる。この発生した磁界は、螺子等の小型の被消磁物を確実に消磁させることができる。
【0009】
本発明に係る他の脱磁器(1)を説明する。図3は、本発明に係る脱磁器の図であり、(a)は平面図であり、(b)は図3(a)のA−A線断面図である。本発明の脱磁器(1)は、複数のコイル(11)と、このコイル(11)が捲着される磁心(12)から構成されている。尚、コイルや磁心の基本的な構成は上述したコイルや磁心と同じである。
コイル(11)は、上述した如く、導線(11a)が筒状又は螺旋状に設けられ、コイル(11)の有する断面形状は、被消磁物の脱磁効率が等しくなるように略四角形の形状を有している。
このコイル(11)の一辺の長さLは、特に限定されるものではないが、5〜10cmであり、好ましくは、6〜7cmである。
【0010】
コイル(11)の中心軸に設けられる磁心(12)は、図3(b)で示す如く、断面略U字状の形状を有し、このU字状に設けられた開口部が上方に向けて配置されている。
コイル(11)が捲着される場所の磁心(12)の平面視の形状は、図3(a)で示される如く略四角形の形状を有していることが好ましい。コイル(11)が捲着される場所の磁心(12)が略四角形の平面視の形状を有することによって、上記したコイル(11)が有する平面視略四角形の形状に最も効果的に励磁を促すからである。
このU字状の磁心(12)の両端に設けられる突出部(12a)同士の幅W1は、特に限定されないが、7〜13cmであり、9〜11cmが好ましい。
コイル(11)が捲着される場所の磁心(12)の平面視の形状と大きさは、コイル(11)の平面視の形状が略正方形を有している場合には、略正方形に形成され、一辺の長さが、コイル(11)の一辺の長さの1/3〜1/5の長さで設けられている。
上記する条件下でのコイル(11)、電流及び磁心(12)を利用することによって、上記したような、コイル(11)から350ガウス以上の磁界が発生することになる。この発生した磁界は、螺子等の小型の被消磁物を確実に消磁させることができる。
【0011】
本発明に使用される磁心(12)の他の実施例は、図4で示す如く、断面略E字状を有し、この断面略E字状に形成された開口部を上方にし、3つの突出部(12a)が上方向を向くように配置される。コイル(11)が捲着される場所の磁心(12)の平面視の形状は、上記した断面略U字状の磁心(12)と同じように、平面視略四角形の形状を有し、コイル(11)の平面視の形状に沿って形成されている(図4(b)参照)。
図4ではコイル(11)の平面視略正方形の形状に従って、磁心(12)の平面視の形状は略正方形に形成され、一辺の長さが、コイル(11)の一辺の長さの1/3〜1/5の長さで設けられている。
この略E字状の磁心(12)に設けられる両端の突出部(12a)同士の長さW2は、40〜90mmに設けられ、好ましくは50〜80mmに設けられる。
【0012】
本発明の他の脱磁器(1)の構成を説明する。
本脱磁器(1)は、上記したコイル(11)と断面略U字状の形状を有する磁心(12)から構成されている。
この脱磁器(1)は、断面略U字状の磁心が上方に開口部を有して配設され、断面略U字状の形状の両端にある突出部(12a)にコイル(11)がそれぞれ捲着されている(図5参照)。
磁心(12)が断面略U字状に形成されることによって、後述する搬送体(3)に生じる消磁磁界を2箇所に発生させることができ、更に、この2箇所のコイル(11)の中心軸に配置される磁心が共通した磁心となり、2箇所で発生する消磁磁界が略同じ強度を有することができるからである。
この断面略U字状の磁心(12)の中央近傍には、図5で示す如く、コイル(13)が捲着されている。このコイル(13)の形状や大きさは、特に限定されないが、突出部(12a)に捲着されるコイル(11)と同様の構成を有していても構わない。
このコイル(13)を捲着することによって、両端に捲着されるコイル(11)から発生する磁界(図5参照)を増強させて、効率良く消磁磁界を発生させることができる。
【0013】
本発明の更に他の脱磁器(1)の構成を説明する。
更に他の脱磁器(1)は、断面略E字状の磁心(12)の中央の突出部(12a)にコイル(11)が設けられている(図4参照)。尚、図4では、略E字状の磁心(12a)の両端の突出部(12a)にもコイル(11)が捲着されている。
この中央の突出部(12a)に捲着されるコイル(11)にのみ電流を流すことによって、中央の突出部(12a)から生じる磁界が、両端に設けられた突出部(12a)を利用して閉磁界とすることができる(図6参照)。また、図6で示す如く、両端に設けられる突出部(12a)にもコイル(11)が捲着されることによって、中央の突出部(12a)から発生する磁界を確実に収集することができる。
以上が本発明に係る脱磁器、本発明に係る他の脱磁器及び本発明に係る更に他の脱磁器の構成の説明である。
【0014】
脱磁器を具備する搬送装置(2)の構成を図面を参照しつつ説明する。図7は、本発明に係る脱磁器を具備する搬送装置の斜視図であり、図8は図7のB−B線断面図であり、脱磁器を具備する状態を示し、図9は図7のB−B線断面図であり、他の脱磁器を具備する状態を示し、図10は図7のB−B線断面図であり、更に他の脱磁器を具備する状態を示す。
この搬送装置(2)は、上記した脱磁器(1)と、無端状に設けられる搬送体(3)と、左右一対の回転軸(41)(42)から構成されている。
【0015】
搬送体(3)は、消磁される被搬送物を載置して搬送する。この搬送体(3)の素材は、特に限定されないが、無端状に設けられるとともに後述する回転軸(41)(42)に設けられ、ウレタン等の可撓性の素材から構成される。
搬送体(3)の幅は、特に限定されず利用者が適宜設定すれば構わないが、この搬送装置(2)は被搬送物である螺子、ピンや釘等の被消磁物を搬送するので、5〜20cmに設けられ、好ましくは、7〜10cmに設けられれば構わない。
尚、この搬送体(3)の幅(被搬送物が搬送される搬送面の幅)は、上述した脱磁器(1)の平面視略正方形状のコイル(11)の一辺の長さと略同じ長さであることが好ましい。搬送体(3)の幅とこのコイル(11)の一辺の長さが略同じ長さであることによって、搬送体(3)が有する搬送面に対して、均一な消磁磁界を発生させることができるからである。
【0016】
この搬送体(3)の上側表面(31)には、被搬送物を移動方向に案内する案内片(32)が所定間隔毎に設けられている。この案内片(32)を設けることによって、消磁磁界が搬送方向と逆方向の磁力を被搬送物へ与えても、この磁力の影響を受けることなく確実に搬送することができる。
この案内片(32)が設けられる所定間隔は、特に限定されるものではなく、利用者が適宜設定すれば構わない。この案内片(32)は、搬送体(3)の幅に亘って、この幅に対して平行に設けられている。
【0017】
この搬送体(3)の上側表面には、この搬送装置(2)の搬送方向に沿って平行な一対の案内板(33)が設けられている(図7参照)。
この案内板(33)は、被搬送物(被消磁物)が搬送体(3)上を搬送される際に、搬送体(3)から被搬送物が転落することを防止するために設けられている。
【0018】
無端状に設けられた搬送体(3)は、左右一対の回転軸(41)(42)が設けられ、搬送体(3)が垂直面内にて回転する無端状のコンベアを形成している。
この回転軸(41)(42)は、プーリ等で構成され、回動できるようにモーターのような駆動装置が取り付けられている。
搬送体(3)が垂直面内にて回転するので、図8,9及び10で示す如く、上部(3a)と下部(3b)が設けられることになる。
【0019】
脱磁器(1)は、上記した搬送体(3)の上部(3a)と下部(3b)の間に配置され、上部の下側近傍に、搬送体(3)に沿って設けられている(図8,9及び10参照)。
図8で示される搬送装置(2)に設けられる脱磁器(1)は、上述した如く、断面略I字状の磁心(12)にコイル(11)が捲着されて設けられており、被消磁物を磁心(12)の長手方向に対して略直角方向に移動させることができるように、搬送体(3)が磁心(12)の上方部近傍に配置されている。
図9で示される搬送装置(2)に設けられる他の脱磁器(1)は、上述した如く、断面略U字状の磁心(12)を上方に開口部を有して配設され、この磁心(12)の両端にある突出部(12a)にコイル(11)が捲着されている。
図10で示される搬送装置(2)に設けられる更に他の脱磁器(1)は、上述した如く、断面略E字状の磁心(12)を有し、この磁心(12)の開口部を上方に向けて、中央の突出部(12a)にコイル(11)が捲着されている。尚、後述する図10、12及び14で示される搬送装置(2)に配置される更に他の脱磁器(1)は、磁心(12)の両端にある突出部(12a)にもコイル(11)が捲着されている。
【0020】
上記する脱磁器(1)と上部(3a)の搬送体(3)との間には、保持板(5)が設けられている(図8,9及び10参照)。この保持体(5)は、搬送体(3)の上部(3a)の裏側表面に配置され、下部(3b)から上部(3a)へ移行する始端から上部(3a)から下部(3b)へ移行する終端に亘って設けられ、この保持体(5)の幅は、被搬送物(被消磁物)が搬送される搬送体(3)の幅と同じ程度の幅を有している。
この保持板(5)を設けることによって、被搬送物(被消磁物)が搬送体(3)上を搬送される際に、搬送体(3)が撓むことを防止することができるからである。
この保持体(5)は、ステンレス鉄鋼(SUS−304)等の非磁性体素材で作成されることが好ましい。保持体(5)が非磁性体素材からなることによって、脱磁器(1)から生じる磁界の影響を受けることがないからである。
以上が本発明に係る脱磁器を具備する搬送装置の構成である。
【0021】
本発明に係る脱磁器(1)を具備する搬送装置(2)の作用を説明する。図11は、被搬送物が搬送される様子を示す概略断面図であり、図12は被搬送物が搬送される様子を示す平面図である。
図1で示す脱磁器(1)を具備する搬送装置(2)の作用を説明する。図11で示す如く、搬送体(3)の上部に被搬送物である被消磁物(M)を載置する。上流部(A)に於いて搬送体(3)の上部(3a)に載置された被消磁物(M)は、搬送装置(2)の下流部(B)方向へと搬送される。この時、搬送される被消磁物(M)が脱磁器(1)の上方(特に、脱磁器(1)が有するコイル(11)の上方)に搬送された際に、脱磁器(1)(のコイル(11))から発生する消磁磁界に曝されることになる。
この時、被消磁物(M)は搬送方向と逆向きの力(白矢印)を受けるが、搬送装置(2)の搬送体(3)の案内片(32)によって、確実に搬送方向へ(下流部(B)へ)と搬送されることになる。
【0022】
図3で示す断面略U字状の磁心からなる脱磁器(1)を有する搬送装置(2)の作用を説明する。図13は、被搬送物が搬送される様子を示す概略断面図であり、図14は被搬送物が搬送される様子を示す平面図である。
図13で示す如く、搬送体(3)の上部に被搬送物である被消磁物(M)を載置する。上流部(A)に於いて搬送体(3)の上部(3a)に載置された被消磁物(M)は、搬送装置(2)の下流部(B)方向へと搬送される。この時、搬送される被消磁物(M)が脱磁器(1)の上方(特に、脱磁器(1)が有するコイル(11)の上方)に搬送された際に、脱磁器(1)(のコイル(11))から発生する消磁磁界に曝されることになる。
この時、被消磁物(M)は搬送方向と逆向きの力(白矢印)を受けるが、搬送装置(2)の搬送体(3)の案内片(32)によって、確実に搬送方向へ(下流部(B)へ)と搬送されることになる(図12参照)。
また、本搬送装置(2)で消磁する際には、上流側に配設されるコイル(11)(図13で示されるC部分に配設されるコイル)によって消磁が行われる際に、C部分で消磁される被消磁物(M)が十分に消磁されない場合においても、下流側に配設されるコイル(11)(図13で示されるD部分に配設されるコイル)によって、再度消磁が行われ、確実に消磁を行うことができる。このD部分の消磁磁界によって、消磁される際にも、被搬送物(M)には搬送方向を逆方向(白矢印方向)の磁力が働くが、上記したように、案内片(32)によって確実に下流部(B)である搬送方向へ搬送されることになる。
【0023】
次に、図4で示す断面略E字状の磁心からなる脱磁器(1)を有する搬送装置(2)の作用を説明する。図15は、被搬送物が搬送される様子を示す概略断面図であり、図16は、被搬送物が搬送される様子を示す平面図である。
図15で示す如く、搬送装置(2)の上流の搬送体(3)の上部(3a)の上流部(A)に被消磁物(M)を載置する。
上流部(A)に於ける搬送体(3)の上部(3a)に載置された被消磁物(M)は搬送装置(2)の下流部(B)方向へと搬送される。この時、搬送される被消磁物(M)が脱磁器(1)の上方を通過した際に脱磁器(1)が生じる消磁磁界に曝されることになる。
脱磁器(1)の磁界に曝された被消磁物(M)はこの磁界からの磁力により搬送方向と逆方向の力(白矢印)を受けるが、搬送装置(2)の搬送体(3)の案内片(32)によって、確実に搬送方向へ(下流部(B)へ)と搬送されることになる(図15参照)。
【0024】
また、本発明に係る搬送装置(2)を使用する際には、案内板(33)によって、被消磁物(M)が磁界の磁力によって搬送体(3)から転落することを防止することができる(図15参照)。
本搬送装置(2)に具備される脱磁器のコイル(11)の一辺が搬送体(3)の幅と略同じ長さの略四角形状を有しているので、複数の被消磁物(M)が、搬送体(3)の搬送方向に対して直角方向に於ける位置の差異を有していても、同程度の強さを有する磁界の影響を被消磁物(M)に与えることができる。被消磁物(M)が搬送体(3)の何処に配置されても、同じ磁界の強さに曝されるので、消磁効果に斑が生じることなく、搬送される全ての被搬送体を確実に消磁することができる。
【0025】
断面略U字状の磁心(12)及び断面略E字状を有する磁心(12)の脱磁器(1)は、コイル(11)の巻数やこのコイル(11)に流れる電流が上記した条件の基で使用されるので、コイル(11)から生じる発熱量が多大にならず、長時間使用することができる。
【0026】
(実施例)
以下に実施例を示す。実施例では、平面視の形状が略正方形であり、正方形の一辺が65mmであり、高さが40mmのコイルを作成した。又、磁心は、コイルに合わせて断面略正方形であり、正方形の一辺が15mmで形成されている。又、上記の如く形成されたコイルは、巻数を850〜1100にして、被消磁物が搬送される位置に於いて、400〜500ガウスの磁界を生じさせるように作成した。この時、60Hzの交流を約1A流がした。
上記した断面略I字状の磁心を有する脱磁器を試験器1、断面略U字状の磁心を有する他の脱磁器を試験器2、断面略E字状の磁心を有する更に他の脱磁器を試験器3とする。尚、被脱磁物は、磁力の大きさが20〜50ガウスに着磁されている。対象物AはネジM5×30mmであり、対象物Bは、ネジM8×50mmであり、対象物Cは、バネΦ20×35mmであり、対象物Dは、バネΦ30×40mmであり、対象物Eは、ナットM10×8mmである。
【表1】
(表1)は、各脱磁器を搬送されて後の対象物が有する磁力を示している。
この結果より、本発明に係る脱磁器を具備する搬送装置で搬送された対象物は、確実に消磁されていることが解る。
【0027】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によって、従来脱磁器には使用されない開放磁界を効果的に利用するとともに、螺子、ピンや釘等の小型の被消磁物である被搬送物を確実に脱磁することができる小型で、消磁効率がよい脱磁器を提供することができる。
【0028】
請求項2記載の発明によって、従来脱磁器には使用されない開放磁界を効果的に利用するとともに、螺子、ピンや釘等の小型の被消磁物である被搬送物を大量に且つ確実に脱磁することができる小型で、消磁効率がよい脱磁器を提供することができる。更に、搬送される被消磁物が、消磁磁界に2回曝されるので、確実に消磁することができる脱磁器を提供することができる。
【0029】
請求項3記載の発明によって、断面略U字状の磁心の中央近傍にコイルを捲着することによって、消磁磁界を効率良く発生させることができる脱磁器を提供することができる。
【0030】
請求項4及び5に記載の発明によって、従来脱磁器には使用されない開放磁界を効果的に利用するとともに、螺子、ピンや釘等の小型の被消磁物である被搬送物を確実に脱磁することができる小型で、消磁効率がよい脱磁器を提供することができる。
更に、消磁のための消磁磁界を閉磁界とすることができ、周囲に磁界の影響を与えることがない。
【0031】
請求項6記載の発明によって、搬送体に載置される被搬送物に対して均一な磁界を供給することができるとともにこの消磁磁界を効率良く発生することができる磁心を有する脱磁器を提供することができる。
【0032】
請求項7記載の発明によって、従来脱磁器には使用されない開放磁界を効果的に利用するとともに、螺子、ピンや釘等の小型の被消磁物である被搬送物を大量に且つ確実に脱磁することができる小型で、消磁効率がよい脱磁器を具備する搬送装置を提供することができる。
【0033】
請求項8記載の発明によって、被消磁物である被搬送物を磁力の影響を受けても、確実に所定搬送量を搬送することができる脱磁器を具備する搬送装置を提供することができる。
【0034】
請求項9記載の発明によって、被搬送物が搬送体から転落することを防止し、確実に搬送することができる脱磁器を具備する搬送装置を提供することができる。
【0035】
請求項10記載の発明によって、搬送体に被搬送物を載置した際に、搬送体が撓むことを防止することができる脱磁器を具備する搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱磁器の図であり、(a)は平面図であり、(b)はA−A線断面図であり、(c)は脱磁器の作用状態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る被消磁物の配置位置を示す図であり、(a)は略四角形状のコイルの場合を示し、(b)は略円形状のコイルの場合を示す。
【図3】本発明に係る他の脱磁器の図であり、(a)は平面図であり、(b)は図3(a)のA−A線断面図である。
【図4】本発明に係る更に他の脱磁器の平面図であり、(a)は平面図であり、(b)は図4(a)のA−A線断面図である。
【図5】本発明に係る他の脱磁器から発生する磁界を模式的に示す側面図である。
【図6】本発明に係る更に他の脱磁器から発生する磁界を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明に係る脱磁器を具備する搬送装置の斜視図である。
【図8】図7のB−B線断面図であり、脱磁器を具備する状態を示す。
【図9】図7のB−B線断面図であり、他の脱磁器を具備する状態を示す。
【図10】図7のB−B線断面図であり、更に他の脱磁器を具備する状態を示す。
【図11】被搬送物が搬送される様子を示す概略断面図である。
【図12】被搬送物が搬送される様子を示す平面図である。
【図13】被搬送物が搬送される様子を示す概略断面図である。
【図14】被搬送物が搬送される様子を示す平面図である。
【図15】被搬送物が搬送される様子を示す概略断面図である。
【図16】被搬送物が搬送される様子を示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・・・脱磁器
11・・・・コイル
12・・・・磁心
12a・・・突出部
13・・・・コイル
2・・・・・搬送装置
3・・・・・搬送体
3a・・・・搬送面上部
3b・・・・搬送面下部
32・・・・案内片
33・・・・案内板
41・・・・回転軸
42・・・・回転軸
5・・・・・保持板
Claims (10)
- 断面略I字状の磁心にコイルが捲着されてなる脱磁器であって、
該磁心の上方部又は下方部近傍に於いて、被消磁物を前記磁心の長手方向に対して略直角方向に移動させて脱磁することを特徴とする脱磁器。 - 断面略U字状の磁心が上方に開口部を有して配置されると共に、該磁心の両端にコイルが捲着されている脱磁器であって、
被消磁物を該磁心の両端を結ぶ直線の上方部近傍を移動させて脱磁することを特徴とする脱磁器。 - 前記磁心の断面略U字状の中央近傍にコイルが捲着されていることを特徴とする請求項2記載の脱磁器。
- 断面略E字状の磁心が上方に開口部を有して配置されると共に、該磁心の中央に設けられる突出部にコイルが捲着されている脱磁器であって、該磁心の上方部近傍に於いて、被消磁物を前記磁心の長手方向に対して直角方向に移動させて脱磁することを特徴とする脱磁器。
- 前記断面略E字状の磁心の両端に設けられる突出部にコイルが捲着されていることを特徴とする請求項4記載の脱磁器。
- 前記コイル及び該コイルが捲着される場所の前記磁心が平面視略四角形の形状を有していることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の脱磁器。
- 無端状に設けられる搬送体を有し、この搬送体に被搬送物を載置し搬送する搬送装置であって、
該搬送体の下方に於いて、請求項1乃至6いずれかに記載の脱磁器が配設されていることを特徴とする脱磁器を具備する搬送装置。 - 前記搬送体の上側表面には、被搬送物を移動方向に案内する案内片が所定間隔毎に設けられていることを特徴とする請求項7記載の脱磁器を具備する搬送装置。
- 前記上側表面には、搬送装置の搬送方向に沿って平行な一対の案内板が設けられていることを特徴とする請求項8記載の脱磁器を具備する搬送装置。
- 前記搬送体と前記脱磁器の間に、該搬送体に沿って非磁性体素材からなる保持板が設けられていることを特徴とする請求項7乃至9いずれかに記載の脱磁器を具備する搬送装置。
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- 2003-08-19 JP JP2003207839A patent/JP2005064069A/ja active Pending
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