JP6528667B2 - セラミックコアのバリ取り方法、バリ取り装置、及びセラミックコアの製造方法 - Google Patents

セラミックコアのバリ取り方法、バリ取り装置、及びセラミックコアの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フェライトコアなどのようなセラミックコアのバリ取り方法、特にセラミックコアの鍔部の隙間に発生するバリを除去する方法に関する。
チップコイルなどに使用されるコアは、特許文献1に記載のように、セラミック粉末をプレス成形することにより巻芯部の両端に鍔部を有する形状に成形され、その後焼成される。しかし、プレス成形時に、金型(ダイスとパンチ)の間にできる隙間に原料が入り込み、それがバリとなって成形体の一部として生成される。成形回数に比例してパンチの先端やダイスが摩耗するため、バリのサイズが大きくなる。
図1は、粉末プレス成形により製造されたコア1の一例を示す。コア1は、巻芯部2の両端に鍔部3、3を有する。バリ4は鍔部3、3の内側、特に巻芯部2のコーナ部付近に発生しやすい。
バリを除去するには、回転ポットの中にコア、水、バリ取り用のメディアなどを投入してバレル研磨を行うのが通例である。メディアとしては、アルミナボールのような高強度の材料が使用される。しかし、バレル研磨は、メディアとの衝突によりコアにダメージを与え、割れ、欠け、ひび割れが発生する懸念がある。特に、成形後(焼成前)のコアは強度が低いので、バレル研磨により損傷を受けやすい。
さらに、バレル研磨は、コアの稜線やコーナ部を丸めたり、表面粗さを均一にしたりするには有効であるが、鍔部の内側に発生したバリを除去するには効果的でない。特許文献1には、メディアとして直径3mm〜5mmのセラミックボールを使用する例が記載されているが、鍔部の隙間がメディアの直径より狭いコアの場合、メディアが鍔部の間に入ることができず、鍔部の内側に発生するバリを除去できない。一方、鍔部の隙間に入るサイズの小さいメディアを使用した場合には、メディア自体が軽くなるため、十分な運動エネルギーを確保できず、バリを除去できない。
特開2004−235372号公報
本発明の目的は、鍔部の内側に発生するバリを効率よく、かつダメージを与えずに取り除くことができる、セラミックコアのバリ取り方法及びバリ取り装置を提供することにある。
本発明に係るセラミックコアのバリ取り方法は、セラミック粉末をプレス成形することにより巻芯部の両端に鍔部を有する形状に成形されたセラミックコアにおける、鍔部の内側に生じるバリを除去する方法である。まず、セラミックコアに対して、巻芯部の軸線方向に対して直交方向でかつバリの伸びる方向と非直交となる向きに着磁する。次に、セラミックコアの鍔部間の隙間より細く、かつ鍔部と平行な方向に延びる切削工具を準備する。次に、切削工具に対して間隔をあけて、切削工具側に一方の磁極が向くように姿勢制御用磁石を配置する。次に、切削工具が鍔部間の隙間に挿入され、かつセラミックコアの一方の磁極が姿勢制御用磁石の一方の磁極と異極で対向するように、セラミックコアを切削工具上に配置する。こうして、姿勢制御用磁石の磁気吸着力により、セラミックコアがバリと切削工具とが接触した姿勢を維持しながら、セラミックコアと切削工具との間に切削工具の長手方向の相対移動を生じさせて、バリを切削工具により除去する。
本発明に係るセラミックコアのバリ取り装置は、セラミック粉末をプレス成形することにより巻芯部の両端に鍔部を有する形状に成形されたセラミックコアにおける、鍔部の内側に生じるバリを除去する装置である。セラミックコアは、巻芯部の軸線方向に対して直交方向でかつバリの伸びる方向と非直交となる向きに着磁されている。この装置は、鍔部の間の隙間より細くかつ直線状に延びる切削工具であって、鍔部の間の隙間に挿入可能な切削工具と、切削工具に対して間隔をあけて、切削工具側に一方の磁極が向くように配置された姿勢制御用磁石であって、その磁気吸着力によってバリと切削工具とが接触する向きにセラミックコアを吸着する姿勢制御用磁石と、バリを切削工具と摺接させるために、セラミックコアと切削工具との間に切削工具の長手方向の相対移動を生じさせる移動手段と、を備える。
セラミック粉末をプレス成形すると、金型の間にできる隙間に原料が入り込み、それがバリとなって成形体(セラミックコア)の一部として生成される。バリのうち、特に鍔部の内側に発生するバリが除去しにくい。そこで、まずセラミックコアに対し、巻芯部の軸線方向に対して直交方向でかつバリの伸びる方向と非直交となる向きに着磁しておく。セラミックコアが例えばフェライトコアのような磁性体で構成されている場合、所望の向きに磁界をかけることで、簡単に磁化(着磁)することができる。具体的には、鍔部を着磁するのが望ましい。次に、この着磁済みのセラミックコアが切削工具を跨ぐように、つまり、切削工具が鍔部間の隙間に挿入されるように、セラミックコアを切削工具上に配置する。このとき、セラミックコアの一方の磁極が姿勢制御用磁石の一方の磁極と異極で対向するように、セラミックコアを切削工具上に配置する。例えば、姿勢制御用磁石の切削工具側の磁極がN極である場合、セラミックコアの切削工具側の端部がS極となる向きにセラミックコアを切削工具上に載置すればよい。但し、切削工具上に供給されたセラミックコアの磁極の向きが姿勢制御用磁石の磁極と異極で対向していなくても、姿勢制御用磁石の磁力によって、自動的に異極で対向するようにセラミックコアの姿勢を変更することも可能である。その結果、セラミックコアはその着磁された磁極と姿勢制御用磁石の磁極との磁気吸着力により、切削工具上で安定して保持される。つまり、磁気吸着力によりセラミックコアのバリと切削工具との接触状態を保つことができる。この状態で、セラミックコアと切削工具との間に切削工具の長手方向の相対移動を生じさせると、バリと切削工具とが摺接し、バリが除去される。切削工具とセラミックコアとを摩擦摺動させるため、強い除去力をバリに作用させることができ、厚みを持ったバリでも除去できる。また、セラミックコアはチャックレス(非拘束)で切削工具と相対移動できるので、セラミックコアに無理な荷重を加えずにバリを効果的に除去できる。本発明において「磁石」とは、永久磁石に限らず、電磁石をも含む。
切削工具上に案内されるセラミックコアの向きは、バリのある隙間が下向きになるように案内してもよいし、上向きになるように案内してもよく、さらに隙間が左右方向に向くように案内してもよい。いずれの場合も、切削工具に対してバリがほぼ直交する向きにセラミックコアを案内するのがよい。バリのある隙間が下向きになるようにセラミックコアを案内した場合、下向きの隙間に切削工具が挿入されるので、セラミックコアの自重と磁気吸着力とにより切削工具とセラミックコアのバリとが接触した状態となり、セラミックコアに無理な荷重がかからない。
本発明でいう「セラミックコア」とは、焼成前のセラミックコアに限らず、焼成後のセラミックコアであってもよい。焼成前のセラミックコアの場合には、焼成後に比べて軟らかいので、バリ取りに要する時間を短縮できると共に、切削工具の寿命が長くなり、生産性が向上する。その反面、焼成前のセラミックコアは軟らかいので、大きな荷重を加えると、バリだけでなく鍔部の内側面や巻芯部が損傷する可能性がある。本発明では、磁力と、切削工具及びセラミックコアの相対移動とを利用しているので、焼成前のコアでも損傷せずにバリを除去できる。焼成前にバリ取りを行い、バリ取り後のセラミックコアを焼成すれば、高品質のコアを製造できる。鍔部の形状は四角形、円形又はそれ以外の形状でもよく、巻芯部の形状も、直方体形状でもよいし、円筒形でもよいし、さらにそれ以外の形状でもよい。セラミックコアの材料は、フェライト以外に、着磁可能な材料であれば使用可能である。
切削工具としては、ワイヤソー、ブレードソー、バンドソーのような長尺な工具を用いることが可能である。その中でも、ワイヤソーが望ましい。ワイヤソーは金属ワイヤに砥粒を固着したものであり、線径が細くても強度を確保できるので、例えば鍔部の隙間が1mm以下の小形のセラミックコアに対しても容易に適用できる。バリ粉がワイヤソーの周面に沿って落下するので、掃除が簡単である。ワイヤソーをテンションを持って張り渡せば、ワイヤソー上に複数のセラミックコアを配置することで、複数のセラミックコアのバリを同時に除去することができる。ワイヤソーと姿勢制御磁石との間に適度な空間をあけることができるので、バリ粉が溜まりにくく、メンテナンスが容易になる。なお、ワイヤソーとしては、金属ワイヤに砥粒が固着されたものに限らず、非金属ワイヤに砥粒を付着させたものや、外周面に切削部を有するワイヤでも使用できる。
切削工具に対して振動を与えるようにしてもよい。振動とは、その振幅がセラミックコアの寸法よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。切削工具に振動を与えた場合には、切削工具とバリとが接触・離間を繰り返すことで、セラミックコアに大きな負荷を与えずにバリを除去できる。振動方向は、上下方向でもよいし、軸線方向でも、斜め方向でもよい。振動の振幅、振動数を最適化することで、バリ取りに最適な振動を与えることができる。例えば、切削工具に対して軸線方向の振動を与えた場合には、バリに対して切削工具が直交方向に振動するので、効果的にバリを除去でき、しかもセラミックコアが跳ねるのを抑制できる。また、切削工具の軸線方向に対して斜め方向の振動を与えた場合には、リニアフィーダと同様の原理で、セラミックコアを切削工具の軸線方向に移動させることが可能になる。
本発明に係るバリ取り装置は、切削工具の長手方向に沿って姿勢制御用磁石よりセラミックコアの移動方向下流側に、追加の姿勢制御用磁石が配置されたものでもよい。この追加の姿勢制御用磁石は、切削工具側に姿勢制御用磁石の磁極とは異なる磁極が向くように配置されている。つまり、前述の姿勢制御用磁石とは磁極の向きが逆向きである。それにより、姿勢制御用磁石と対向する位置にあるセラミックコアが追加の姿勢制御用磁石と対向する位置へ移動する際に、セラミックコアを反転させることができる。つまり、姿勢制御用磁石の磁極と追加の姿勢制御用磁石の磁極との逆転によって、セラミックコアは自動的に反転する。そのため、セラミックコアを反転させる機構を別途設けることなく、切削工具に沿ってセラミックコアを移動させる間にセラミックコアの両側(例えば上下両側)のバリを除去することが可能になる。
切削工具の長手方向に対して平行移動する操作片により、セラミックコアの鍔部の後面を押すことにより、セラミックコアを切削工具の長手方向に移動させるようにしてもよい。例えば、複数の操作片を長さ方向に所定間隔をあけて取り付けた連続搬送体(例えばベルトコンベア)を設け、各操作片でセラミックコアの鍔部を個別に押すことにより、セラミックコアを切削工具に沿って移動させることができる。この場合は、切削工具との摩擦抵抗に抗して、セラミックコアを操作片で押しながら移動させるので、強い除去力をバリに作用させることができ、コアの姿勢を安定に保ちながらバリを除去することが可能となる。操作片によりセラミックコア間の位置を確保できることから、多数のセラミックコアを切削工具上に流した場合でも整然と搬送できる。
セラミックコアの巻芯部の断面はその中央部が厚肉で、両端部が薄肉に形成されており、バリは巻芯部の両端部側面に沿ってかつ中央部と重なるように伸びており、セラミックコアの着磁方向はセラミックコアの対角方向であってもよい。セラミックコアの巻芯部の断面形状が矩形状の場合、一般にバリはその巻芯部の側面にそって上下方向に伸びる。そのため、セラミックコアを上下方向に着磁し、このセラミックコアの巻芯部を水平な切削工具上に配置すれば、切削工具がバリと自動的に接触し、巻芯部との接触を抑制できる。ところが、セラミックコアの巻芯部の断面が非矩形の場合、例えば巻芯部の断面中央部の厚みが大きく、断面両端部の厚みが小さい場合、バリは巻芯部の両端部側面に沿ってかつ中央部(厚肉部)と重なるように伸びている。そのため、このセラミックコアを上下方向に着磁し、このセラミックコアの巻芯部を水平な切削工具上に配置すると、切削工具が巻芯部(厚肉部)と接触する可能性がある。つまり、切削する必要のない巻芯部が削られる可能性がある。このような場合には、セラミックコアの着磁方向をセラミックコアの対角方向とするのがよい。この場合には、姿勢制御用磁石の吸着力により、セラミックコアが切削工具上に斜め方向に保持されるので、巻芯部の薄肉部に形成されたバリだけが切削工具と接触し、バリを効率的に除去できる。
切削工具の長手方向と平行に、セラミックコアの少なくとも一方の鍔部の外側面を摺動自在にガイドするガイド部材を設けてもよい。鍔部の外側面をガイド部材によって摺動自在にガイドすることで、セラミックコアが切削工具の長手方向に対して直交方向に傾くのを防止でき、姿勢が安定する。特に、切削工具がワイヤソーのような線状部材である場合に、ガイド部材を用いるのが有効である。
以上のように、本発明によれば、セラミックコアに対して予め着磁し、セラミックコアを切削工具上に配置し、切削工具を間にしてセラミックコアの対向方向から姿勢制御用磁石でセラミックコアを吸着するようにしたので、セラミックコアを切削工具上で所定の向きに姿勢を安定させることができる。つまり、セラミックコアのバリが切削工具と接触する向きに姿勢を保持できる。この状態で、セラミックコアと切削工具との間に切削工具の長手方向の相対移動を生じさせるので、セラミックコアに無理な荷重を加えずに、セラミックコアの鍔部の狭い隙間に発生するバリを効率よく除去できる。そのため、高品質なセラミックコアを製造できる。
粉末プレス成形により製造されたコアの一例の斜視図である。 セラミックコアに対して上下方向に着磁する方法を示す概略図である。 本発明に係るバリ取り装置の第1実施例の概略図である。 図3のIV−IV線断面図である。 本発明に係るバリ取り装置の第2実施例の概略図である。 セラミックコアの他の例の断面図であり、(a)はバリ取り前、(b)はバリ取り後を示す。 図6に示すセラミックコアを第1実施例と同様の方法でバリ取りする方法を示す図である。 セラミックコアに対して斜め方向に着磁する方法を示す概略図である。 セラミックコアの一方の対角位置にあるバリを除去する、第3実施例に係るバリ取り方法を示す概略図である。 セラミックコアの他方の対角位置にあるバリを除去するバリ取り方法を示す概略図である。 本発明に係るバリ取り装置の第4実施例の概略図である。 本発明に係るバリ取り装置の第5実施例の断面図である。 本発明に係るバリ取り装置の第6実施例の概略図である。 セラミックコアの製造工程の全体図である。
図2は、本発明にかかるバリ取りを実施する前に、図1に示すようなセラミックコア1に対して実施される着磁方法の一例を示している。セラミックコア1としてはフェライトコアなどの磁性体が使用される。図2ではセラミックコア1の断面を示している。
一対の着磁用磁石M1、M2をその異極同士が対向するように間隔をあけて配置し、その間にセラミックコア1を所定の向きで配置する。着磁用磁石M1,M2としては、例えばネオジム磁石のような強い磁場を持つ磁石が望ましい。例えば、セラミックコア1の巻芯部2のコーナ部に長方形の鍔部の対向するいずれかの辺と平行方向(例えば上向きと下向き)のバリ4が形成されている場合、これらバリ4の突出方向が磁石M1、M2と対向する向きとなるようにセラミックコア1を配置する。セラミックコア1は磁性体で形成されているため、短時間で着磁される。例えば、磁石M1のセラミックコア側端部がS極で、磁石M2のセラミックコア側端部がN極である場合、セラミックコア1の鍔部3の磁石M1と対向する側がN極に、磁石M2と対向する側がS極に着磁される。
なお、セラミックコア1の着磁方法としては、永久磁石M1、M2を使用する方法のほかに、例えば着磁コイルや着磁ヨークを使用することもでき、公知の如何なる着磁方法を用いても良い。
−第1実施例−
図3、図4は、本発明にかかるバリ取り装置の第1実施例を示す。この実施例のバリ取り装置10は、図2に示すように、プレス成形されかつ予め着磁されたセラミックコア1における、鍔部3、3の内側に発生したバリ4を除去するために用いられる。
本バリ取り装置10は、切削工具の一例であるワイヤソー20を備えている。 ワイヤソー20とは、例えば金属ワイヤにダイヤモンドなどの砥粒を電着したものであり、その直径はセラミックコア1の鍔部3の隙間の幅より小さく(望ましくは、鍔部の隙間の幅の1/2以下)設定されている。ワイヤソー20の両端は、ワイヤソー20に対して軸線方向の振動を付与する加振装置21に連結されている。ワイヤソー20の中間部は、複数のガイドプーリ22によってセラミックコア1の通過ラインへ導かれている。なお、ワイヤソー20に所定のテンションを付与するテンショナ23を設けてもよい。なお、ワイヤソー20に振動を付与する加振装置21は、ワイヤソー20のバリ取り効果を高めるためであり、任意に設けられる。
セラミックコア1の通過ラインに沿って一対のガイド壁11、12(図4参照)が配置されており、ワイヤソー20はこれらガイド壁11、12の間に挿通されている。ガイド壁11、12は例えば非磁性体で形成されている。ガイド壁11、12の間隔Wは、セラミックコア1の厚みd(鍔部3の外側面の間隔)より僅かに大きく設定されている。そのため、セラミックコア1はガイド壁11、12によって左右の傾きが抑制され、図4の紙面と垂直な方向にスライド自在である。
ワイヤソー20の下方には、所定空間Hをあけて姿勢制御用磁石15がワイヤソー20と平行に配置されている。この空間Hの高さは、例えばセラミックコア1の鍔部3の下縁から巻芯部2の下面までの高さより大きく設定されている。つまり、空間Hは、セラミックコア1の鍔部3が姿勢制御用磁石15と接触しないように設定されている。この実施例の姿勢制御用磁石15は、例えば上面と下面とに異極を有し、ワイヤソー20と平行に延びる長尺な板状の永久磁石である。姿勢制御用磁石15の磁力は、セラミックコア1の着磁時に使用される磁石M1、M2に比べて小さい磁力でよい。ワイヤソー20にセラミックコア1の巻芯部2を載置すると、セラミックコア1の鍔部3の磁極と姿勢制御用磁石15の磁極とが吸着しあう向きに、セラミックコア1は自動的に姿勢制御される。図3は、姿勢制御用磁石15の上面がS極の場合であり、ワイヤソー20上に載置されたセラミックコア1は、そのN極が下向きとなるように姿勢制御されている。つまり、N極側に突出したバリ4がワイヤソー20に接触するように、セラミックコア1は姿勢制御される。
なお、図3では、原理を説明するためワイヤソー20及び姿勢制御用磁石15の長さを短く記載しているが、実際には左右方向に延びる長尺な部材で構成されている。
ワイヤソー20の上方には、ベルトコンベア30が空間をあけて配置されている。すなわち、ベルトコンベア30は、無端状ベルト(連続搬送体の一例)31と、ベルト31を周回駆動するプ―リ32と、ベルト31の外周面に長さ方向に所定間隔をあけて取り付けられた複数の操作片33とを備えている。プーリ32は図示しないモータによって矢印方向に連続駆動される。ベルト31の下面部はワイヤソー20と平行に配置されているため、操作片33はワイヤソー20に対して平行移動することができる。なお、操作片33はワイヤソー20と接触しないように、その下端がワイヤソー20より高い位置に設定されている。操作片33は、ワイヤソー20上に載置されたセラミックコア1の後面、つまり鍔部3の後面を押すことにより、セラミックコア1をワイヤソー20に沿って移動させることができる。なお、隣り合う操作片33同士の間隔を適切に設定することにより、操作片33をセラミックコア1を1個ずつ又は複数個ずつ送る仕切りとして用いることができる。
上記構成からなるバリ取り装置1の作動を説明する。まずプレス成形されかつ着磁されたセラミックコア1がワイヤソー20の左端部に供給される。このとき、セラミックコア1は必ずしもバリ4が下方を向くように供給される必要はない(横向きでもよい)。セラミックコア1の巻芯部2をワイヤソー20に載置すると、その下方に配置された姿勢制御用磁石15の吸着力によって、セラミックコア1のN極が下方を向くように姿勢制御される。つまり、バリ4がワイヤソー20と接触する向きに自動調整される(図3参照)。この状態で、ベルトコンベア30を矢印方向に駆動すると、セラミックコア1はベルトコンベア30の操作片33による押力によって図3の右方向に搬送される。セラミックコア1は、ワイヤソー20との摩擦力(バリ取りで発生する抗力)のため円滑に移動できないが、ベルトコンベア30の操作片33により押されるので、ワイヤソー20と摩擦摺接し、厚みを持ったバリ4でも除去可能になる。姿勢制御用磁石15の磁極とセラミックコア1の磁極との相互作用により、セラミックコア1はワイヤソー20とバリ4とが接触した姿勢で搬送される。セラミックコア1はチャックレス(非拘束)で搬送されるので、セラミックコア1に無理な荷重を加えずにバリ4を除去できる。加振装置21によりワイヤソー20に軸線方向の振動が加えた場合には、バリ4に対してワイヤソー20が直交方向に往復振動し、バリ取り効果を高めることができると共に、セラミックコア1に無理な荷重を加えずにすむ。
ワイヤソー20に付着したバリ粉は、ワイヤソー20の振動につれて簡単に落下する。また、セラミックコア1から除去されたバリ粉は姿勢制御用磁石15の上に一時的に溜まるが、そのバリ粉は簡単に取り除くことができる。
図3に示すバリ取り装置10では、セラミックコア1の下側のバリ4、つまりN極側のバリ4だけが除去される。セラミックコア1の上側のバリ4、つまりS極側のバリ4を除去するには、磁極の向きを上下反転させた姿勢制御用磁石を使用すればよい。その場合には、姿勢制御用磁石の上面がN極になるので、ワイヤソー20上にセラミックコア1を供給すると、セラミックコア1は自動的にS極側のバリ4が下方を向くように姿勢制御される。このようにして、上述と同様にバリ4が除去され、バリのないセラミックコア1を得ることができる。最後に、バリ取りが終了したセラミックコア1に対して消磁を行う。なお、後述するように、バリ取りの後に実施される焼成工程により消磁することも可能である。
−第2実施例−
図5は、本発明の第2実施例を示す。この実施例は、セラミックコア1の4箇所のバリ4を連続的に除去できる装置10Aを示している。すなわち、ワイヤソー20の下方に、上面がS極の第1の姿勢制御用磁石15と、上面がN極の第2の姿勢制御用磁石16とが、ワイヤソー20の長手方向に隣接して配置されている。プレス成形後のセラミックコア1(4箇所にバリ4を有し、予め着磁されている)をワイヤソー20の始端部に供給すると、第1の姿勢制御用磁石15の吸着力によってセラミックコア1はそのN極が下向きになるように姿勢制御され、N極側のバリ4がワイヤソー20に接触する。この状態で、ベルトコンベア30の操作片33によってセラミックコア1を右方向に搬送すると、N極側のバリ4が除去される。
第1の姿勢制御用磁石15の終端部上まで搬送されたセラミックコア1は、第2の姿勢制御用磁石16の上方へと移動する際に、磁極の反転により180度姿勢が反転する。つまり、セラミックコア1は第2の姿勢制御用磁石16の吸着力により、そのS極側が下向きとなるように反転する。そのため、セラミックコア1のS極側のバリ4がワイヤソー20と接触し、ベルトコンベア30の操作片33によって搬送される間、S極のバリ4が除去される。
このように、ワイヤソー20に沿ってセラミックコア1を連続移動させることにより、巻芯部2の周囲4箇所に発生するバリ4を全て除去することができる。セラミックコア1を反転させるための機構を格別に準備する必要がないので、装置を簡素化できる。
−第3実施例−
図6は、本発明に関連するセラミックコアの別の例を示す。このセラミックコア5も、図1と同様にフェライトコアであり、プレス成形により製造される。成形後のセラミックコア5は、図6の(a)のように、巻芯部6の両端に矩形状の鍔部7、7を有するが、巻芯部6の断面は非矩形である。具体的には、巻芯部6の断面は中央部が厚肉6aで、両端部が薄肉6bである。バリ8a〜8dは巻芯部6の薄肉部6bの側面に沿って上下方向に伸びている。つまり、側方から見たとき、バリ8a〜8dの一部が厚肉部6aと重なっている。このようなセラミックコア5のバリ8a〜8dを除去して、図6の(b)に示すようなバリのないセラミックコア5'を得ることが目的である。
上述のセラミックコア5に対して、図2と同様に紙面の上下方向に着磁すると、図7のように、例えば上側がN極、下側がS極となる。この着磁されたセラミックコア5を図3と同様なバリ取り装置に供給すると、ワイヤソー20がバリ8a,8dだけでなく、巻芯部6(厚肉部6a)にも接触する可能性がある。その結果、巻芯部6自体が切削される恐れがあり、しかもバリ8a〜8dを完全に除去することが難しい。
そこで、以下のようなバリ取り方法を用いるのがよい。まず、第1段階として、図8に示すように、着磁用磁石M1、M2の間にセラミックコア5を斜め方向(鍔部7の対角方向)に配置し、セラミックコア8を対角方向に着磁する。これにより、磁石M1と対向するセラミックコア5の鍔部7のコーナ部がS極に、磁石M2と対向するコーナ部がN極に着磁される。換言すると、バリ8aに最も近い鍔部7のコーナ部がN極に、バリ8bに最も近い鍔部7のコーナ部がS極に着磁される。
このように着磁したセラミックコア5を、図9に示すようなバリ取り装置10Bに供給する。バリ取り装置自体は、図5に示す装置10Aと同様である。すなわち、ワイヤソー20の下方に上面がS極の第1の姿勢制御用磁石15を配置しておき、そのワイヤソー20上にセラミックコア5を供給する。セラミックコア5は、第1の姿勢制御用磁石15の吸着力により、そのN極が下方を向くように姿勢制御される。つまり、1個のバリ8aがワイヤソー20に接触し、巻芯部6はワイヤソー20に接触しない姿勢に保持される。この状態で、図示しない移動手段によってセラミックコア5を矢印方向に搬送することによって、バリ8aとワイヤソー20とが摩擦接触し、バリ8aが除去される。
第1の姿勢制御用磁石15の後方には、磁極の向きが反対の第2の姿勢制御用磁石16が配置されている。セラミックコア5が第1の姿勢制御用磁石15の上方から第2の姿勢制御用磁石16の上方へ移るとき、磁界の反転によってセラミックコア5も180度反転し、そのS極が下方を向くように姿勢制御される。つまり、最初に除去されたバリ8aとは180度位相の異なるバリ8bがワイヤソー20に接触する。この状態で、矢印方向にセラミックコア5を搬送することによって、バリ8bとワイヤソー20とが摩擦接触し、バリ8bが除去される。
図9に示すバリ取り装置10Bから排出されたセラミックコア5は、一方の対角位置にある2個のバリ8a、8bだけが除去され、それ以外の2個のバリ8c、8dは残存している。つまり、N極とS極とに着磁されたコーナ部に近いバリ8a、8bだけが除去される。
次に、上述のような着磁されたセラミックコア5を一旦消磁した後、このセラミックコア5の異なる対角方向に再度着磁する。つまり、残存している2個のバリ8c,8dに近いセラミックコア5の鍔部7の対角位置のコーナ部がそれぞれS極、N極となるように着磁する。着磁方法は、図8と同様である。
このように着磁したセラミックコア5を、図10に示すようなバリ取り装置10Cに供給する。バリ取り装置自体は、図5に示す装置10Aと同様である。すなわち、ワイヤソー20の下方に、上面がS極の第1の姿勢制御用磁石15を配設しておき、そのワイヤソー20上にセラミックコア5を供給すると、セラミックコア5は、第1の姿勢制御用磁石15の吸着力により、そのN極が下方を向くように姿勢制御される。つまり、残りの2個のバリの内の1個のバリ8cがワイヤソー20に接触し、巻芯部6はワイヤソー20に接触しない姿勢に保持される。この状態で、セラミックコア5を矢印方向に搬送することによって、バリ8cがワイヤソー20との摩擦により除去される。
さらに、第1の姿勢制御用磁石15の上方から第2の姿勢制御用磁石16の上方へとセラミックコア5が移動する際、磁界の反転によってセラミックコア5も180度反転し、そのS極が下方を向くように姿勢制御される。つまり、最後の1個のバリ8dがワイヤソー20に接触し、巻芯部6はワイヤソー20に接触しない。この状態で、セラミックコア5を矢印方向に搬送することによって、このバリ8dがワイヤソー20によって除去される。このようにして、バリ取り装置から排出されたセラミックコア5‘には、すべてのバリが除去されている。
前記説明では、鍔部7が矩形で、巻芯部6の断面の中央部6aが厚肉で、両端部6bが薄肉である形状のセラミックコア5について説明したが、このような形状に限るものではない。例えば鍔部7は矩形に限らず、任意の形状をとり得る。また、巻芯部6の断面形状も図6のような形状に限らない。巻芯部6の断面の両端部に形成されたバリ8が、側方から見たとき巻芯部6の厚肉部6aと重なるように突出している場合に適用するのが望ましい。ただし、図1に示すように、巻芯部の断面が矩形のセラミックコアのバリ取りにも、図8〜図10のような斜め方向の着磁方法を用いることも可能である。
−第4実施例−
図11は、本発明の第4実施例を示す。第4実施例のバリ取り装置10Dでは、ワイヤソー20の両端を供給リール24及び回収リール25に連結し、これらリール24、25をそれぞれモータ26、27によって連続駆動するように構成してある。ワイヤ駆動機構は、供給リール24と回収リール25とのほか、ワイヤソー20をセラミックコア1の通過ラインへ導くガイドプ―リ28、29を備えている。また、ワイヤソー20に所定のテンションを付与するテンショナ23を備えていてもよい。この場合には、ワイヤ駆動機構が独立して駆動される。その他の点については第1実施例(図2)と同様であるため、同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施例では、ワイヤソー20はモータ26、27によってセラミックコア1の搬送方向と逆方向に連続駆動される。そのため、セラミックコア1とワイヤソー20との相対速度が大きくなり、バリ4をさらに短時間で除去することが可能になる。
−第5実施例−
図12は第5実施例のバリ取り装置10Eを示す。第1実施例では、ワイヤソー20上にセラミックコア1をその鍔部3の隙間が下方を向くように載置した例(図3参照)を示したが、この実施例ではガイドテーブル13上にセラミックコア1を横向きで載置している。つまり、鍔部3の隙間が横方向を向くように載置している。ガイドテーブル13は非磁性体で形成されている。ガイドテーブル13上には、一定間隔をあけてワイヤソー20が配設されている。ガイドテーブル13上には、ワイヤソー20と平行に延びる姿勢制御用磁石15が、例えばそのS極がワイヤソー側を向くように固定されている。セラミックコア1は図12の左右方向に着磁されており、ワイヤソー20がセラミックコア1の鍔部3の右側の隙間に挿入されている。姿勢制御用磁石15のS極がワイヤソー側を向いているため、セラミックコア1の鍔部3のN極が右側(姿勢制御用磁石15側)を向くように姿勢制御されている。つまり、セラミックコア1のバリ4がワイヤソー20と接触した姿勢を保っている。セラミックコア1を図示しない移動機構(例えば図3に示すベルトコンベア30など)によって紙面と垂直方向に搬送することで、ワイヤソー20との摩擦によりセラミックコア1のバリ4を除去することができる。
−第6実施例−
図13は第6実施例のバリ取り装置10Fを示す。第1実施例では、ベルトコンベア30の操作片33でセラミックコア1を押しながら搬送する例を示したが、この実施例ではワイヤソー20上に複数のセラミックコア1を並べて載置し、ワイヤソー20を矢印方向に連続駆動しながら、先頭のセラミックコア1を一定位置に設けられたストッパ35により衝止したものである。ワイヤソー20は、複数のガイドプ―リ28、29によって姿勢制御用磁石15上に一定空間をあけて平行にかつテンションをもって配設され、モータ26により駆動される駆動プーリ24により矢印方向に連続駆動される。ワイヤソー20とセラミックコア1との摩擦によりセラミックコア1はワイヤソー20に連れて左方向に移動しようとするが、セラミックコア1の端部がストッパ35により衝止されているので、セラミックコア1の移動は阻止される。そのため、セラミックコア1とワイヤソー20との相対移動によりバリ4が除去される。
この場合には、ワイヤソー20上に多数個のセラミックコア1を並べて配置することにより、一度に多数個のバリ取りを実施できる。なお、図13の実施例において、バリ取りが終了した後、ストッパ35を解除することにより、ワイヤソー20の移動に連れてセラミックコア1をワイヤソー20から排出することができる。当然ながら別の手段を用いてセラミックコア1をワイヤソー20から取り出すこともできる。
上記幾つかの実施例は、本発明のほんの数例を示すに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。上記実施例では、ベルトコンベア30の操作片33をワイヤソー20に接触しない位置に設定したが、セラミックコア1の品種によっては、操作片33をワイヤソー20に接触する位置に設定することもできる。また、ベルトコンベア30に代えて、チェーン等の連続体を使用してもよいし、シリンダやボールネジ機構のような直動機構を用いてセラミックコア1を押すようにしてもよい。さらに、ベルトコンベアや直動機構を省略して、ワイヤソー20を斜めに配置することで、セラミックコア1を移動させることも可能である。
さらに、ワイヤソーに代えてバンドソーを用いることもできる。バンドソーとは長尺な金属バンドに砥粒を固着したものであり、その厚みがセラミックコアの鍔部の隙間より小さいものであればよい。なお、バンドソーに所定のテンションを付与し、かつバンドソーをセラミックコアの通過ラインへと導くために、バンドソーをガイドプーリに巻き掛けてもよい。バンドソーの一側縁をセラミックコアの鍔部の隙間に挿入し、バンドソーに沿ってセラミックコアを移動させることにより、バリを除去することが可能である。ワイヤソー、バンドソー以外にブレードソーを用いることもできる。
図14は、セラミックコア1の製造工程の一例の全体図を示す。まず、第1ステップとして、原料となるセラミック粉末(例えばフェライト粉末)を準備し(S1)、セラミック粉末をプレス成形する(S2)。つまり、巻芯部の両端に鍔部を有する形状にセラミックコアを成形する。この段階で、巻芯部の周囲にバリが発生する。次に、成形されたセラミックコアに対し本発明にかかるバリ取り方法を実施し、バリを除去する(S3)。次に、バリ取り方法を実施したセラミックコアを焼成する(S4)ことで、最終的にバリのない高品質のセラミックコアを得ることができる(S5)。この方法であれば、成形段階でバリ取りを行うので、焼成後にバリ取りを行う場合に比べて短時間でバリを除去でき、かつワイヤソーなどの工具の摩耗を少なくできる。また、焼成によりコアの消磁を兼ねることができるので、消磁する工程を別途設ける必要がない。
1、5 セラミックコア
2、6 巻芯部
3、7 鍔部
4、8a〜8d バリ
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F バリ取り装置
11、12 ガイド壁
13 ガイドテーブル
15、16 姿勢制御用磁石
20 ワイヤソー(切削工具)
21 加振装置
22 ガイドプ―リ
23 テンショナ
30 ベルトコンベア(移動手段)
31 ベルト
32 プーリ
33 操作片

Claims (13)

  1. セラミック粉末をプレス成形することにより巻芯部の両端に鍔部を有する形状に成形されたセラミックコアにおける、前記鍔部の内側に生じるバリを除去する方法であって、
    前記セラミックコアに対して、前記巻芯部の軸線方向に対して直交方向でかつ前記バリの伸びる方向と非直交となる向きに着磁するステップと、
    前記セラミックコアの鍔部間の隙間より細く、かつ前記鍔部と平行な方向に延びる切削工具を準備するステップと、
    前記切削工具に対して間隔をあけて、切削工具側に一方の磁極が向くように姿勢制御用磁石を配置するステップと、
    前記切削工具が前記鍔部間の隙間に挿入され、かつ前記セラミックコアの一方の磁極が前記姿勢制御用磁石の一方の磁極と異極で対向するように、前記セラミックコアを前記切削工具上に配置するステップと、
    前記姿勢制御用磁石の磁気吸着力により、前記セラミックコアが前記バリと前記切削工具とが接触した姿勢を維持しながら、前記セラミックコアと切削工具との間に前記切削工具の長手方向の相対移動を生じさせて、前記バリを前記切削工具により除去するステップと、
    を備えるバリ取り方法。
  2. 前記切削工具はワイヤソーである、請求項1に記載のバリ取り方法。
  3. 前記切削工具に対して振動を与えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のバリ取り方法。
  4. 前記切削工具の長手方向に沿って前記姿勢制御用磁石より前記セラミックコアの移動方向下流側に、追加の姿勢制御用磁石を配置するステップであって、前記追加の姿勢制御用磁石は前記切削工具側に前記姿勢制御用磁石の磁極とは異なる磁極が向くように配置されている、ステップと、
    前記姿勢制御用磁石と対向する位置にある前記セラミックコアが前記追加の姿勢制御用磁石と対向する位置へ移動する際に、前記セラミックコアを反転させるステップと、
    前記追加の姿勢制御用磁石の磁気吸着力により、前記セラミックコアが前記バリと前記切削工具とが接触した姿勢を維持しながら、前記セラミックコアと切削工具との間に前記切削工具の長手方向の相対移動を生じさせて、前記バリを前記切削工具により除去するステップと、
    をさらに備える請求項1〜3のいずれか1項に記載のバリ取り方法。
  5. 前記切削工具の長手方向に対して平行移動する操作片により、前記セラミックコアの鍔部の後面を押すことにより、前記セラミックコアを切削工具の長手方向に移動させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバリ取り方法。
  6. 前記セラミックコアの巻芯部の断面はその中央部が厚肉で、両端部が薄肉に形成されており、
    前記バリは前記巻芯部の両端部側面に沿ってかつ前記中央部と重なるように伸びており、
    前記セラミックコアの着磁方向は前記セラミックコアの対角方向である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のバリ取り方法。
  7. セラミック粉末をプレス成形することにより巻芯部の両端に鍔部を有する形状にセラミックコアを成形するステップと、
    成形されたセラミックコアに対し請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリ取り方法を実施するステップと、
    前記バリ取り方法を実施したセラミックコアを焼成するステップと、を含むセラミックコアの製造方法。
  8. セラミック粉末をプレス成形することにより巻芯部の両端に鍔部を有する形状に成形されたセラミックコアにおける、前記鍔部の内側に生じるバリを除去する装置であって、前記セラミックコアは前記巻芯部の軸線方向に対して直交方向でかつ前記バリの伸びる方向と非直交となる向きに着磁されている、装置であり、
    前記鍔部の間の隙間より細くかつ直線状に延びる切削工具であって、前記鍔部の間の隙間に挿入可能な切削工具と、
    前記切削工具に対して間隔をあけて、切削工具側に一方の磁極が向くように配置された姿勢制御用磁石であって、その磁気吸着力によって前記バリと前記切削工具とが接触する向きに前記セラミックコアを吸着する姿勢制御用磁石と、
    前記バリを前記切削工具と摺接させるために、前記セラミックコアと切削工具との間に前記切削工具の長手方向の相対移動を生じさせる移動手段と、
    を備えるバリ取り装置。
  9. 前記切削工具は、金属ワイヤに砥粒が固着されたワイヤソーである、請求項8に記載のバリ取り装置。
  10. 前記切削工具に対して振動を与える加振装置を有することを特徴とする、請求項8又は9に記載のバリ取り装置。
  11. 前記切削工具の長手方向に沿って前記姿勢制御用磁石より前記セラミックコアの移動方向下流側に配置された、追加の姿勢制御用磁石であって、前記切削工具側に前記姿勢制御用磁石の磁極とは異なる磁極が向くように配置されており、前記姿勢制御用磁石と対向する位置にある前記セラミックコアが前記追加の姿勢制御用磁石と対向する位置へ移動する間に前記セラミックコアを反転させる、追加の姿勢制御用磁石をさらに備えている、請求項8〜10のいずれか1項に記載のバリ取り装置。
  12. 前記移動手段は、
    前記切削工具の長手方向に対して平行移動する操作片を所定間隔で取り付けた連続搬送体と、
    前記連続搬送体を一方向に連続駆動する駆動装置と、を備え、
    前記操作片により前記セラミックコアの鍔部の後面を押すことにより、前記セラミックコアを切削工具の長手方向に移動させる、請求項8〜11のいずれか1項に記載のバリ取り装置。
  13. 前記切削工具の長手方向と平行に、前記セラミックコアの少なくとも一方の鍔部の外側面を摺動自在にガイドするガイド部材が設けられていることを特徴とする、請求項8〜12のいずれか1項に記載のバリ取り装置。
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