JP2005063228A - 入力装置 - Google Patents

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Yukio Kanzaki
幸雄 神崎
Kaoru Soeda
薫 添田
Hironori Oba
広紀 大場
Kunihito Sawai
邦仁 沢井
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Abstract

【課題】 ケーシングの窓孔から露出する操作部材を操作者の意図する方向へ確実にスライド操作することができる入力装置を提供すること。
【解決手段】 ケーシング2上面の窓孔2aから露出する操作部材12の操作釦3を平面内でスライド操作することにより、カーソル37を項目選択画面内で所望の方向へ移動するリモコン式入力装置1において、ケーシング2を長手方向の中心軸Pに関してほぼ対称な細長形状となし、該ケーシング2の窓孔2aよりも後方部位を後端面に向かって順次幅狭となるテーパ形状にすると共に、該ケーシング2の裏面に窓孔2aのほぼ真下から後端面に向かって直線的に延びる指掛け突部2cを形成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、操作者が片手で把持して使用する入力装置に係り、特に、家庭用テレビジョン(TV)やパーソナルコンピュータ等の機器本体の表示画面に表示される項目選択画面(選択の対象となる処理または処理対象を項目として表示させる画面)の中から所望の選択項目(例えば、選択の対象として提示される保存や再生等の処理や、再生させたい画像や音楽のデータのファイル名等の処理対象の項目)を選択するのに用いて好適なリモコン式入力装置に関するものである。
従来より、上面に窓孔を有するケーシングと、この窓孔から露出して平面内をスライド移動可能な操作部材と、窓孔内における操作部材の絶対位置を検出する位置検出手段とを備え、操作者がケーシングを片手で把持した状態で操作部材をスライド操作することにより、機器本体の表示画面内でカーソルを移動するようにしたリモコン式入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図15に示すように、かかる従来のリモコン式入力装置において、ケーシング100は平面視長方形状に形成されており、その上面の中心よりも若干前方位置に開設された矩形状の窓孔101から操作部材102が露出している。そして、このリモコン式入力装置を用いてメニュー選択等を行う場合、操作者は親指とそれ以外の4本の指とでケーシング100を上下両面から挟むように把持し、この状態で親指を操作部材102の上端に載せて所望の方向へスライド操作することにより、メニュー画面内でカーソルを操作者の意図する方向へ移動するようにしている。
特許第3194492号公報(第3−5頁、図7)
ところで前述した従来のリモコン式入力装置にあっては、図15に示すように、操作者がケーシング100を片手で把持した時に、親指の軸線P1がケーシング100の長軸Pに対して傾いてしまい、特に、ケーシング100の幅寸法Wがある程度以上の大きさになると、親指の軸線P1がケーシング100の長軸Pに対して大きく傾いてしまう。その結果、操作者が親指で操作部材102を窓孔101内の前後方向へスライド操作しようとしているのにも拘わらず、親指が軸線P1の影響を受けて斜め方向へ移動しやすくなり、操作者の意図する方向へ操作部材102をブラインドタッチで正確にスライド操作しにくくなるという問題があった。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、ケーシングの窓孔から露出する操作部材を操作者の意図する方向へ確実にスライド操作することができる入力装置を提供することにある。
上述した目的を達成するために、本発明は、上面に窓孔を有する細長形状のケーシングと、前記窓孔から露出して平面内をスライド移動可能な操作部材と、前記窓孔内における前記操作部材の絶対位置を検出する位置検出手段とを備え、操作者が前記ケーシングを片手で把持した状態で前記操作部材をスライド操作することにより、前記位置検出手段の検出信号に基づく情報を機器本体に送信する入力装置において、前記ケーシングの前記窓孔よりも後方部位を後端面に向かって順次幅狭となるテーパ形状にすると共に、該ケーシングの裏面に前記窓孔のほぼ真下から後端面に向かって直線的に延びる指掛け突部を形成した。
このように構成された入力装置では、操作者が細長形状のケーシングを片手で把持した時に、掌がケーシングの後端面に向かって順次幅狭となるテーパ部分に当接することにより、ケーシングの長軸方向に対して親指の軸線を自然に揃えることができると共に、ケーシングの裏面に突出する指掛け突部に親指を除く4本の指を添えることにより、操作者はケーシングの長軸方向を感覚的に把握することができる。したがって、操作者はケーシングの窓孔から露出する操作部材を意図する方向へブラインドタッチで確実にスライド操作することができ、操作性に優れたリモコン式入力装置を実現できる。
上記の構成において、指掛け突部の前端面は人差し指が掛けられる部分であるため、その前端面を曲面形状にすることが好ましい。また、指掛け突部の前端面に押圧操作可能なファンクションキーを配設すると、ケーシングを片手で把持したまま人差し指によってファンクションキーを確実に押圧操作することができる。
また、上記の構成において、操作部材が窓孔から突出する操作釦を有すると共に、この操作釦が押圧操作されたことを検出する押圧検出手段を設け、この押圧検出手段の検出信号を選択項目の確定指令信号として機器本体に送信するようにすると、カーソル位置を所望の選択項目位置へ移動して確定するという一連の操作が、操作部材の位置をわざわざ確認することなくブラインドタッチで行うことができ、操作性をより一層高めることができる。その際、操作釦を中心部から外側に向かって順次薄肉となる階段状に形成すると、操作部材のスライド方向に拘わらず親指を操作釦に確実に押し当てることができる。
本発明の入力装置は、操作者が細長形状のケーシングを片手で把持した時に、掌がケーシングの後端面に向かって順次幅狭となるテーパ部分に当接することにより、ケーシングの長軸方向に対して親指の軸線を自然に揃えることができ、しかも、ケーシングの裏面に突出する指掛け突部に親指を除く4本の指を添えることにより、ケーシングの長軸方向を感覚的に把握することができるため、操作者はケーシングの窓孔から露出する操作部材を意図する方向へブラインドタッチで確実にスライド操作することができる。
図1は本発明の実施形態例に係るリモコン式入力装置の斜視図、図2は該入力装置の側面図、図3は該入力装置の平面図、図4は該入力装置の裏面図、図5は該入力装置の分解斜視図、図6は該入力装置に備えられる位置検出機構の分解斜視図、図7は該位置検出機構の内部機構を示す平面図、図8は該位置検出機構の断面図、図9は該位置検出機構に備えられる第1および第2の移動体の斜視図、図10は該第1および第2の移動体の裏面図、図11は該入力装置を含むメニュー選択装置の外観図、図12は該入力装置の使用状態を示す説明図、図13は該メニュー選択装置のブロック図、図14は項目選択画面の表示例を示す説明図である。
図1〜図4に示すように、本実施形態例に係るリモコン式入力装置1は、上面に矩形状の窓孔2aを有する合成樹脂製のケーシング2と、このケーシング2内に収納された後述する位置検出機構等を備えており、この位置検出機構の構成要素である操作部材の操作釦3が窓孔2aから露出している。
ケーシング2は操作者の掌で把持できる程度の大きさに設定されており、全体的に平面視細長形状に形成されている。ただし、ケーシング2の前端面(図3の右端)の幅寸法に比べて後端面(図3の左端)の幅寸法は短めに設定されており、ケーシング2は中央部から後端側に向かってその幅寸法が順次小さくなるテーパ形状となっている。ケーシング2の上面ほぼ中央部には窪み2bが形成されており、この窪み2bの内底部に上記窓孔2aが形成されている。また、ケーシング2の裏面に段付き形状の指掛け突部2cが形成されており、この指掛け突部2cはケーシング2の後端面から窓孔2aのほぼ真下位置にかけて直線状に延びている。指掛け突部2cの前端面は曲面形状に形成されており、この曲面部分に図示せぬプッシュスイッチを押圧操作する操作ノブ4が配設されている。図3と図4に示すように、ケーシング2の長手方向の中心軸をPとすると、中心軸Pは窓孔2aと指掛け突部2cの中心を通っており、ケーシング2は中心軸Pに関してほぼ左右対称形状となっている。
図5に示すように、ケーシング2は上部ケース2Aと下部ケース2Bとで構成されており、これら両ケース2A,2Bはスナップ結合やネジ止め等の手段を用いて互いに接合・一体化されるようになっている。上記窓孔2aと窪み2bは上部ケース2Aに形成され、指掛け突部2cは下部ケース2Bに一体形成されている。また、ケーシング2の内部には上記操作釦3を含む位置検出機構5が収納されており、この位置検出機構5はリモコン発光部6や図示せぬ回路部と共にプリント基板7に実装されている。
図6〜図10に示すように、上記位置検出機構5は、上面を開放した底有形状の支持体8と、この支持体8の上面開放端を覆うカバー9と、これら支持体8とカバー9間に配設された第1および第2の移動体10,11と、第1および第2の移動体10,11を駆動する操作部材12等により構成されている。
支持体8は平面視正方形状に形成されており、その内底面に対をなす長方形状の第1および第2の固定接点板13,14が配設されると共に、各辺の内側に独立した複数の摺動子を一組とした4つの固定接点15が配設されている。支持体8の内底面中心を原点とするX−Y直交座標を想定すると、第1および第2の固定接点板13,14はX軸方向へ延びる絶縁ギャップを介して対向しており、2つの固定接点15はX軸上で対向し、残り2つの固定接点15はY軸上で対向している。第1および第2の固定接点板13,14と各固定接点15は支持体8の外部に端子16として導出しており、これら端子16群はプリント基板7の図示せぬランドに半田付けされている。
第1および第2の移動体10,11は互いに直交するように重ねられており、第1の移動体10にはY方向へ延びる長孔10aが形成され、第2の移動体11にはX方向へ延びる長孔11aが形成されている。また、第1の移動体10の両端にはスライダ10bが一体化されており、第1の移動体10は両スライダ10bをガイド部として支持体8の内底面上をX方向へ移動可能である。同様に、第2の移動体11の両端にはスライダ11bが一体化されており、第2の移動体11は両スライダ11bをガイド部として支持体8の内底面上をY方向へ移動可能である。
図10に示すように、第1の移動体10の一方のスライダ10bに抵抗基板17が取り付けられ、他方のスライダ10bにスイッチ基板18が取り付けられている。抵抗基板17には抵抗パターン17aを介して一対の集電パターン17bが並設されており、この抵抗基板17とそれに対応する固定接点15の摺動子との摺接位置に応じた抵抗値変化に基づくアナログ信号が端子16から出力される。また、スイッチ基板18には両端にコ字状の導通部18cが設けられており、このスイッチ基板18に対応する固定接点15の各摺動子間が導通部18cに接触することでスイッチング信号が端子16から出力される。第2の移動体11の両スライダ11bにも同様の抵抗基板17とスイッチ基板18が取り付けられており、これら抵抗基板17とスイッチ基板18は支持体8に設けられた各固定接点15とそれぞれ接触している。
操作部材12は第1および第2の移動体10,11の長孔10a,11aの交差部分に配設されており、図9に示すように、この操作部材12は軸部12aと十字脚部12bを有している。軸部12aは十字脚部12bの中心から上方へ突出しており、この軸部12aの上端に前述した操作釦3が圧入・固定されている(図8参照)。なお、操作釦3は最も突出する中心部から外側に向かって順次薄肉となる階段状に形成されており、操作者の親指のひらが滑りにくくなるように工夫されている。十字脚部12bは平面視十字形状に形成されており、そのX方向の両端部は第1の移動体10を幅方向に挟んで第2の移動体11の長孔11aに挿入され、Y方向の両端部は第2の移動体11を幅方向に挟んで第1の移動体10の長孔10aに挿入されている。したがって、例えば操作部材12の軸部12aをX方向へ操作した場合、十字脚部12bは第2の移動体11の長孔11aに沿ってX方向へ移動し、それに伴って第1の移動体10がX方向へ移動する。また、操作部材12の軸部12aをY方向へ操作した場合、十字脚部12bは第1の移動体10の長孔10aに沿ってY方向へ移動し、それに伴って第2の移動体11がY方向へ移動する。さらに、操作部材12の軸部12aをX方向とY方向の両方を含む斜め方向へ操作した場合、十字脚部12bは第1および第2の移動体10,11の両長孔10a,11aに沿って移動し、それに伴って第1および第2の移動体10,11がX−Y平面内を斜め方向へ移動する。
操作部材12の十字脚部12b上に四角形状の上部保持板19が配設されており、操作部材12の軸部12aは上部保持板19を昇降可能に貫通して上方へ延びている。また、第1および第2の移動体10,11の交差部分の下側に四角形状の下部保持板20が配設されており、これら上部保持板19と下部保持板20の四隅は第1および第2の移動体10,11の幅方向を挟んで対向する4つのガイド柱を介して連結されている。これにより、操作部材12と上部保持板19および下部保持板20の三者は、X−Y平面上で回転や傾きを生じることなく第1および第2の移動体10,11に対して一体的に移動する。
図7に示すように、下部保持板20の各辺にそれぞれ弾性舌片20aが一体形成されており、各弾性舌片20aは第1および第2の移動体10,11のスライダ10b,11bに対向している。これにより、操作部材12の移動に伴って弾性舌片20aがスライダ10b,11bに当接した際の衝撃力が緩和されるようになっている。また、下部保持板20の下面四隅に第1および第2の摺動接点21,22が取り付けられており、支持体8の内底面に対する下部保持板20の位置に拘わらず、一対の第1の摺動接点21は第1の固定接点板19に常時接触し、一対の第2の摺動接点22は第2の固定接点板20に常時接触している。さらに、下部保持板20の上面中央部にドーム状の可動接点23が載置されており、可動接点23の頂部は十字脚部12bの下面に形成された突起12cに弾接している。この可動接点23は両第2の摺動接点22に導通するパターンと常時接触しているが、両第1の摺動接点21に導通するパターンとは接離可能となっており、操作部材12は可動接点23の弾性によって上方へ付勢されている。したがって、支持体8の内底面に対する操作部材12の位置に拘わらず軸部12aが下方へ押圧されると、その押圧力によって可動接点23が座屈反転し、第1および第2の摺動接点21,22間が可動接点23を介して導通状態となる。
カバー9は支持体8にスナップ結合等によって一体化されており、その上面に前述したケーシング2の窓孔2aと一致する矩形状の開口9aが形成されている。操作部材12の軸部12aは開口9aと窓孔2aを通ってカバー9の上方へ突出しており、軸部12aは開口9aによって規定される矩形状エリア内をX−Y方向へ自由に移動することができる。このカバー9の内部には第1ないし第3の目隠し板24,25,26と支持板27が重ねて配置されている。支持板27は中央に四角孔27aを有する枠状に形成されており、この支持板27を第1および第2の移動体10,11の上から支持体8の四隅に固定することにより、各スライダ10b,11bが支持板27の内底面から浮き上がらないようになっている。
第1ないし第3の目隠し板24,25,26はカバー9と支持板27との間に配置されており、最上段の第1の目隠し板24はY方向にのみ移動可能で、その中央部にはX方向に沿って細長い横長孔24aが形成されている。中間の第2の目隠し板25は開口9aより大きめな四角形状に形成されており、その中央部には操作部材12の軸部12aが嵌挿される貫通孔25aが形成されている。最下段の第3の目隠し板26はX方向にのみ移動可能であり、その中央部にはY方向に延びる縦長孔26aが形成されている。操作部材12の軸部12aは縦長孔26aと貫通孔25aおよび横長孔24aを挿通しており、第2の目隠し板25は操作部材12の軸部12aと一体的にX−Y方向へ移動するが、第1の目隠し板24は軸部12aが横長孔24aの長辺に当接した時だけY方向へ移動し、第3の目隠し板26は軸部12aが縦長孔26aの長辺に当接した時だけX方向へ移動する。このように第1ないし第3の目隠し板24,25,26が操作部材12の平面移動に伴って互いに独立して移動することにより、操作部材12の軸部12aが開口9a内のいかなる位置にあったとしても、常に開口9aは第1ないし第3の目隠し板24,25,26によって塞がれた状態となる。
このように構成されたリモコン式入力装置1を用いて項目選択動作を実行する場合、図11に示すように、操作者はケーシング2を片手(例えば右手)の掌で把持して機器本体28に向け、この状態でケーシング2の窓孔2aから露出する操作釦3を親指でスライド操作することにより、機器本体28の表示画面29上でカーソル位置を所望の選択項目位置へ移動することができる。
その際、図12(a)に示すように、操作者の掌がケーシング2の中央部から後端側に向かって順次幅狭となるテーパ部分に当接するため、ケーシング2の長軸方向(中心軸P)に対して親指の軸線を自然に揃えることができ、操作者の意図する方向へ親指を無理なく移動することができる。また、図12(b)に示すように、ケーシング2の裏面に突出する指掛け突部2cに中指と薬指および小指をあてがい、指掛け突部2cの前端部の曲面形状に人差し指を掛けた状態でケーシング2を把持するため、親指を無理なく自由に移動することができると共に、指掛け突部2cの延出方向によってケーシング2の長軸方向を感覚的に把握することができる。したがって、操作者は親指によって操作釦3をブラインドタッチで確実にスライド操作およびプッシュ操作することができると共に、ケーシング2の姿勢を安定的に保ったまま人差し指で操作ノブ4を押圧操作することもできる。なお、ケーシング2は中心軸Pに関してほぼ左右対称形状となっているため、操作者がケーシング2を左手で把持して使用する場合においても同様のことがいえる。
図13に示すように、上記機器本体28はマイクロコンピュータからなるコントローラ30を備えており、このコントローラ30はCRTやLCD等からなる表示画面29に表示される項目選択画面等を制御する。また、機器本体28の前面にはリモコン受光部31が設けられており、このリモコン受光部31はリモコン式入力装置1のリモコン発光部6から送信される光指令信号を受信してコントローラ30に出力し、コントローラ30はこの光指令信号に基づいてカーソル位置の移動等の処理を実行する。一方、リモコン式入力装置1は位置検出手段32と押圧検出手段33およびファンクション信号発生部34等を備えており、これらは光指令信号としてリモコン発光部6から送信されて機器本体28のリモコン受光部31で受信される。
ここで、位置検出手段32は開口9a(または窓孔2a)内における操作部材12の絶対位置を検出するもので、その検出信号はカーソルの表示位置情報としてリモコン発光部6から送信される。すなわち、前述したように、操作部材12の軸部12aは開口9aによって規定される矩形状エリア内をX−Y方向へ操作可能であるが、操作釦3によって操作部材12をスライド操作して第1の移動体10がX方向へ移動すると、第1の移動体10の両スライダ10bが支持体8の内底面上をX方向へ移動し、この間、一方のスライダ10bに取り付けられた抵抗基板17が1つの固定接点15に対して摺動し、他方のスライダ10bに取り付けられたスイッチ基板18が別の固定接点15に対して摺動する。その結果、抵抗基板17に摺接する固定接点15から操作部材12のX座標位置信号が検出されると共に、スイッチ基板18に摺接する別の固定接点15から操作部材12がX座標の末端位置に達したことを示すX座標末端信号が検出される。
同様に、操作釦3によって操作部材12をスライド操作して第2の移動体11がY方向へ移動すると、第2の移動体11の両スライダ11bが支持体8の内底面上をY方向へ移動し、この間、一方のスライダ11bに取り付けられた抵抗基板17が1つの固定接点15に対して摺動し、他方のスライダ11bに取り付けられたスイッチ基板18が別の固定接点15に対して摺動する。その結果、抵抗基板17に摺接する固定接点15から操作部材12のY座標位置信号が検出されると共に、スイッチ基板18に摺接する別の固定接点15から操作部材12がY座標の末端位置に達したことを示すY座標末端信号が検出される。さらに、操作部材12の軸部12aをスライド操作して第1および第2の移動体10,11がX−Y平面内を斜め方向へ移動すると、操作部材12の操作位置に対応するX座標位置信号、Y座標位置信号、X座標末端信号、およびY座標末端信号が検出される。
また、押圧検出手段33は操作釦3がプッシュ操作されたことを検出するもので、その検出信号は選択項目の確定指令信号としてリモコン発光部6から送信される。すなわち、操作部材12の軸部12aの上端に固定された操作釦3を押し下げると、可動接点23の頂部が突起12cに押圧されて座屈反転するため、第1の摺動接点21と第2の摺動接点22が可動接点23を介して導通状態となる。その際、開口9a内における操作釦3の位置に関係なく、第1の摺動接点21は第1の固定接点板19に常時接触し、第2の摺動接点22は第2の固定接点板20に常時接触している(図7参照)ため、操作釦3がプッシュ操作されたことを示す押圧信号が検出される。なお、操作釦3に対する上記押圧力が除去されると、可動接点23は自身の弾性力によりドーム形状に復帰し、それに伴って操作釦3と操作部材12は元位置に押し戻される。
さらに、ファンクション信号発生部34は操作ノブ4の押圧操作によって動作される上記プッシュスイッチ(図示せず)から検出され、その検出信号はカーソル表示位置に関する種々のファンクション動作を実行させるための信号としてリモコン発光部6から送信される。
したがって、図14に示すように、機器本体28の表示画面29に複数の選択項目(TVやDVD等のアイコン35やツールボックス36)やカーソル37を含む項目選択画面が表示されている状態において、例えばTVという選択項目を選択する場合は、操作者がリモコン式入力装置1のケーシング2を片手で把持して機器本体28に向けた状態で、まず操作部材12の操作釦3を任意方向へスライド操作してカーソル37をTVという選択項目位置まで移動する。すなわち、操作釦3をカバー9の開口9a内で任意方向へスライド操作すると、前述したように、操作部材12のX−Y直交座標における絶対位置(X座標位置信号、Y座標位置信号、X座標末端信号、およびY座標末端信号)が位置検出手段32によって検出され、これらの検出信号がカーソル37の表示位置情報としてリモコン発光部6から機器本体28のリモコン受光部31へ送信されるため、コントローラ30はリモコン式入力装置1から送信されるカーソル37の表示位置情報に基づいて、項目選択画面内でカーソル37をTVという選択項目位置へ移動制御する。
このようにしてカーソル37をTVという選択項目位置へ移動した後、当該位置で操作釦3をプッシュ操作すると、前述したように、可動接点23の座屈反転に伴って第1および第2の摺動接点21,22が導通状態となり、操作釦3がプッシュ操作されたことを示す押圧信号が押圧検出手段33によって検出されるため、この検出信号が選択項目の確定指令信号としてリモコン発光部6から送信される。その結果、コントローラ30は項目選択画面の中からカーソル37の表示位置に対応する選択項目を選択し、上記の例では表示画面29にTVの画面が表示される。この場合、表示画面29にはTVの画面に対応する下位階層の選択項目、例えば音量設定やチャンネル切替え用の選択項目が表示されるため、操作者が操作釦3をスライド操作した後にプッシュ操作すれば、カーソル37をこの項目選択画面内で移動させて希望とする音量設定やチャンネル切替えを行うことができる。
また、上記した項目選択動作中に操作者が人差し指で操作ノブ4を押圧操作すると、コントローラ30はファンクション信号発生部34から検出される信号に基づいてカーソル表示位置に関する種々のファンクション動作を実行する。例えば、このファンクション動作が位置検出手段32によって検出されるX座標位置信号をキャンセルするものであれば、操作ノブ4を押圧操作した時にカーソル37の移動方向のX座標成分がキャンセルされるため、操作者が操作釦3をX方向とY方向の両方を含む斜め方向へスライド移動したとしても、表示画面29上ではカーソル37をY方向へ直線的に移動させることが可能となり、画面スクロール等を簡単に行うことができる。あるいは、上記ファンクション動作が選択項目のズームアップを行うものであれば、操作者が親指で操作釦3をスライド操作してカーソル37を所望の選択項目まで移動した後、人差し指で操作ノブ4を押圧操作することにより、その選択項目を拡大することができる。
このように本実施形態例に係るリモコン式入力装置1では、ケーシング2を長手方向の中心軸Pに関してほぼ対称な細長形状となし、該ケーシング2の窓孔2aよりも後方部位を後端面に向かって順次幅狭となるテーパ形状にすると共に、該ケーシング2の裏面に窓孔2aのほぼ真下から後端面に向かって直線的に延びる指掛け突部2cを形成したので、操作者がケーシング2を片手で把持した時に、その掌がケーシング2の後端面に向かって順次幅狭となるテーパ部分に当接することにより、ケーシング2の中心軸Pに対して親指の軸線を自然に揃えることができると共に、ケーシング2の裏面に突出する指掛け突部2cに親指を除く4本の指を添えることにより、操作者はケーシング2の中心軸P方向を感覚的に把握することができる。したがって、操作者はケーシング2の窓孔2aから露出する操作部材12の操作釦3を意図する方向へブラインドタッチで確実にスライド操作することができ、操作性に優れたリモコン式入力装置1を実現できる。
また、上記指掛け突部2cの前端面を曲面形状にしたので、操作者がケーシング2を片手で把持した時に、人差し指を指掛け突部2cの前端面に自然な形で掛けることができる。そして、この指掛け突部2cの前端面に操作ノブ(ファンクションキー)4を配設したので、操作者はケーシング2を片手で把持したまま人差し指によって操作ノブ4を確実に押圧操作することができる。
さらに、操作部材12の操作釦3がプッシュ操作されたことを検出する押圧検出手段33を備え、この押圧検出手段33の検出信号を選択項目の確定指令信号としてリモコン式入力装置1から送信するようにしたので、カーソル37を所望の選択項目位置へ移動して確定するという一連の操作が、操作釦3の位置をわざわざ確認することなくブラインドタッチで行うことができ、操作性をより一層高めることができる。その際、操作釦3を中心部から外側に向かって順次薄肉となる階段状に形成したので、操作部材12をX−Y平面内のいずれの方向に移動する時も親指を操作釦3に確実に押し当てることができる。
なお、上記実施形態例では、操作部材12の開口9a内での絶対位置を検出する位置検出手段32として、複数の固定接点15とそれらに摺接する抵抗基板17およびスイッチ基板18等で構成される接触式のものについて説明したが、非接触式(光学式または磁気式)の位置検出手段とすることも可能である。
また、上記実施形態例では、一対のスイッチ基板18を用いてX座標末端信号およびY座標末端信号を検出する場合について説明したが、一対の抵抗基板17から得られるX座標位置信号Yと座標位置信号に基づいてX座標末端信号およびY座標末端信号を検出することも可能であり、その場合は両スイッチ基板18を省略することができる。
さらに、上記実施形態例では、機器本体28に表示された項目選択画面の中から所望の選択項目を選択するのに使用されるリモコン式入力装置1に本発明を適用した場合ついて説明したが、本発明は、リモコン式でなく機器本体と一体となっている他の入力装置等の、例えば、表示部と入力装置としての入力部とを備えた携帯データ端末等の入力装置にも適用可能である。
本発明の実施形態例に係るリモコン式入力装置の斜視図である。 該入力装置の側面図である。 該入力装置の平面図である。 該入力装置の裏面図である。 該入力装置の分解斜視図である。 該入力装置に備えられる位置検出機構の分解斜視図である。 該位置検出機構の内部機構を示す平面図である。 該位置検出機構の断面図である。 該位置検出機構に備えられる第1および第2の移動体の斜視図である。 該第1および第2の移動体の裏面図である。 該入力装置を含むメニュー選択装置の外観図である。 該入力装置の使用状態を示す説明図である。 該メニュー選択装置のブロック図である。 項目選択画面の表示例を示す説明図である。 従来例に係るリモコン式入力装置の使用状態を示す説明図である。
符号の説明
1 リモコン式入力装置
2 ケーシング
2a 窓孔
2b 窪み
2c 指掛け突部
3 操作釦
4 操作ノブ
5 位置検出機構
6 リモコン発光部
8 支持体
9 カバー
9a 開口
10 第1の移動体
11 第2の移動体
10a,11a 長孔
12 操作部材
12a 軸部
12b 十字脚部
17 抵抗基板
18 スイッチ基板
23 可動接点
28 機器本体
29 表示画面
30 コントローラ
31 リモコン受光部
32 位置検出手段
33 押圧検出手段
34 ファンクション信号発生部
37 カーソル
P 中心軸

Claims (5)

  1. 上面に窓孔を有する細長形状のケーシングと、前記窓孔から露出して平面内をスライド移動可能な操作部材と、前記窓孔内における前記操作部材の絶対位置を検出する位置検出手段とを備え、操作者が前記ケーシングを片手で把持した状態で前記操作部材をスライド操作することにより、前記位置検出手段の検出信号に基づく情報を機器本体に送信する入力装置において、
    前記ケーシングの前記窓孔よりも後方部位を後端面に向かって順次幅狭となるテーパ形状にすると共に、該ケーシングの裏面に前記窓孔のほぼ真下から後端面に向かって直線的に延びる指掛け突部を形成したことを特徴とする入力装置。
  2. 請求項1の記載において、前記指掛け突部の前端面を曲面形状にしたことを特徴とする入力装置。
  3. 請求項1または2の記載において、前記指掛け突部の前端面に押圧操作可能なファンクションキーを配設したことを特徴とする入力装置。
  4. 請求項1の記載において、前記操作部材が前記窓孔から突出する操作釦を有すると共に、この操作釦が押圧操作されたことを検出する押圧検出手段を設け、この押圧検出手段の検出信号を選択項目の確定指令信号として前記機器本体に送信することを特徴とする入力装置。
  5. 請求項4の記載において、前記操作釦を中心部から外側に向かって順次薄肉となる階段状に形成したことを特徴とする入力装置。
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