JP2005062428A - 位相差板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 位相差フィルムと基材とを貼り合わす接着剤の厚さを薄くした場合でも、環境温度が変化したときのリターデーション値の乱れや光軸角度の乱れをより確実に抑えることのできる位相差板を提供すること。
【解決手段】 位相差板1Aを構成するにあたって、接着剤31、32を介して、環状ポリオレフィン系フィルムからなる位相差フィルム10と、基材21、22とを接着固定する。接着剤31、32、および位相差フィルム10としては、接着剤31、32の線膨張係数(E1)、および位相差フィルム10の線膨張係数(E2)が、下式
E1≦E2
を満たすものを用いる。
【選択図】 図2
【解決手段】 位相差板1Aを構成するにあたって、接着剤31、32を介して、環状ポリオレフィン系フィルムからなる位相差フィルム10と、基材21、22とを接着固定する。接着剤31、32、および位相差フィルム10としては、接着剤31、32の線膨張係数(E1)、および位相差フィルム10の線膨張係数(E2)が、下式
E1≦E2
を満たすものを用いる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、光ヘッド装置などに用いられる位相差板に関するものである。
CDやDVDなどの光記録媒体の記録、再生を行う光ヘッド装置には、各種の光学素子が搭載されている。これらの光学素子については、光学特性や信頼性の向上に加えて、コストダウンに対する要求も強い。このため、光学素子のうち、位相差板においては、有機高分子フィルムを延伸した位相差フィルムの使用が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献に開示の位相差板は、位相差フィルムと基板とを接着剤により貼り合わされた構成を有しており、位相差フィルム、接着剤、基板として、各線膨張係数が以下の条件
位相差フィルムの線膨張係数<接着剤の線膨張係数
かつ、
基板の線膨張係数<接着剤の線膨張係数
を満たすものを用いることにより、温度変化に伴う位相差フィルムの変形を防止し、リターデーション値の乱れや光軸角度の乱れを防止する。すなわち、前記条件を満たすような接着剤を用いることにより、温度上昇に伴う位相差フィルムと基板の熱膨張の差を接着剤により吸収し、位相差素子の変形を防止するというものである。
特開2000−310718
位相差フィルムの線膨張係数<接着剤の線膨張係数
かつ、
基板の線膨張係数<接着剤の線膨張係数
を満たすものを用いることにより、温度変化に伴う位相差フィルムの変形を防止し、リターデーション値の乱れや光軸角度の乱れを防止する。すなわち、前記条件を満たすような接着剤を用いることにより、温度上昇に伴う位相差フィルムと基板の熱膨張の差を接着剤により吸収し、位相差素子の変形を防止するというものである。
しかしながら、前記先行技術に係る位相差板では、未だ、環境温度が変化したときのリターデーション値の乱れや光軸角度の乱れが大きいため、それを用いた光ヘッド装置では、環境温度に対する特性の安定性が低いという問題点がある。
この点に関して、本願出願人が行った種々の検討結果から以下のように考えている。温度上昇に伴う位相差フィルムと基板の膨張の差を接着剤により吸収するには、接着剤層を厚くせざるを得ないが、接着強度や接着状態の安定性などを確保するには、接着剤層を薄くする必要がある。そのため、接着強度や接着状態の安定性などを優先して接着剤層をある程度、薄くした場合には、環境温度の上昇に伴う位相差フィルムと基板の膨張の差を接着剤が吸収しきれなくなると考えている。
特にこの種の位相差板は、それを多数取りできる大型基材に大判のフィルムを接着剤で貼り合せた後、ダイシング工程で、位相差板単品のサイズに切り出す。このため、ダイシング時に接着剤層内での剥離などが発生することを防止するには、接着剤層を薄くする必要がある。しかしながら、前記先行技術に係る位相差板では、上記のように、接着剤層を薄くすると環境温度が変化したときのリターデーション値の乱れや光軸角度の乱れが大きくなるおそれがある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、位相差フィルムと基材とを貼り合わす接着剤の厚さを薄くした場合でも、環境温度が変化したときのリターデーション値の乱れや光軸角度の乱れをより確実に抑えることのできる位相差板を提供することにある。
上記課題を解決するために、本出願人は、各種検討を行い、それにより得られた新たな知見に基づいて、本発明では、位相差板を以下のように構成することにより、温度変化に伴う位相差フィルムの変形を確実に防止し、リターデーション値の乱れや、光軸角度の乱れを防止する。すなわち、本発明では、位相差フィルムと基材とが接着剤により貼り合わされた位相差板において、前記接着剤の線膨張係数(E1)、および前記位相差フィルムの線膨張係数(E2)は、下式
E1≦E2
を満たすことを特徴とする。
E1≦E2
を満たすことを特徴とする。
本発明において、前記接着剤の線膨張係数(E1)、および前記位相差フィルムの線膨張係数(E2)が下式
E1≒E2
を満たす場合には、前記位相差フィルムの線膨張係数(E2)および前記基材の線膨張係数(E3)は、下式
E2>E3
を満たしていることが好ましい。このように構成すると、位相差フィルムと接着剤を同一層とみなすことができ、かつ、この層が、最も熱変形しない基材にならう。従って、環境温度が変化しても、位相差フィルムに延び・縮み・応力などが作用しない。これにより、接着剤の厚さを薄くすることにより接着強度や接着状態の安定性などを確保した場合でも、温度変化に伴う位相差フィルムの変形を確実に防止することができる。よって、環境温度の変化に起因するリターデーション値の乱れや、光軸角度の乱れを確実に防止することができる。また、剥離界面を考えると、アクリル系、エポキシ系などの接着剤は、位相差フィルムとの接着力よりもガラス基板などの基材との接着力の方が強い。しかるに接着剤の線膨張係数(E1)と、位相差フィルムの線膨張係数(E2)とが略等しければ、位相差フィルムと接着剤の界面では応力が掛からないため、このことからも接着強度を確保できる。
E1≒E2
を満たす場合には、前記位相差フィルムの線膨張係数(E2)および前記基材の線膨張係数(E3)は、下式
E2>E3
を満たしていることが好ましい。このように構成すると、位相差フィルムと接着剤を同一層とみなすことができ、かつ、この層が、最も熱変形しない基材にならう。従って、環境温度が変化しても、位相差フィルムに延び・縮み・応力などが作用しない。これにより、接着剤の厚さを薄くすることにより接着強度や接着状態の安定性などを確保した場合でも、温度変化に伴う位相差フィルムの変形を確実に防止することができる。よって、環境温度の変化に起因するリターデーション値の乱れや、光軸角度の乱れを確実に防止することができる。また、剥離界面を考えると、アクリル系、エポキシ系などの接着剤は、位相差フィルムとの接着力よりもガラス基板などの基材との接着力の方が強い。しかるに接着剤の線膨張係数(E1)と、位相差フィルムの線膨張係数(E2)とが略等しければ、位相差フィルムと接着剤の界面では応力が掛からないため、このことからも接着強度を確保できる。
本発明において、前記位相差フィルムとしては、各種材質のものを用いることができるが、前記位相差フィルムが環状ポリオレフィン系樹脂、例えば、主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂からなることが好ましい。このような材質の位相差フィルムは、それ自身、環境温度が変化しても、あるいは応力が加わっても、その影響が光学特性に現れにくいという利点がある。
本発明において、前記接着剤の厚さは、10μm以下であることが好ましい。すなわち、接着強度や接着状態の安定性などを確保するには、前記接着剤の厚さは薄い方が好ましい。
本発明において、前記位相差フィルムの接着面は、プラズマ処理されていることが好ましい。このように構成すると、位相差フィルムの接着面が活性化するため、接着剤との密着性が向上する。それ故、位相差フィルムと基板との接着強度が向上する。とりわけ、フィルムが主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂などといった環状ポリオレフィン系樹脂の場合、接着剤との接着性が低いが、プラズマ処理を行えば、このような接着性の問題を解消することができる。
本発明では、位相差フィルムと基材とを接着剤により貼り合わせて位相差板を構成する際、接着剤として線膨張係数が小さなものを用いたので、接着強度や接着状態の安定性などを優先して接着剤層をある程度、薄くした場合でも、温度変化に伴う位相差フィルムの変形を確実に防止することができる。それ故、環境温度の変化に起因するリターデーション値の乱れや、光軸角度の乱れを確実に防止することができる。
図面を参照して、本発明を適用した位相差板を説明する。なお、位相差板の説明に先立って、位相差板が使用される光ヘッド装置について説明しておく。
(光ヘッド装置の構成例)
図1は、本発明を適用した位相差板が用いられる光ヘッド装置の一例を示す説明図である。
図1は、本発明を適用した位相差板が用いられる光ヘッド装置の一例を示す説明図である。
図1に示す光ヘッド装置100は、DVD、CD、CD−Rなどの記録、再生用であり、波長が650nmあるいは635nmのDVD用の第1のレーザ光L1を出射する第1のレーザ光源2と、波長が780〜650nmのCDおよびCD−R用の第2のレーザ光L2を出射する第2のレーザ光源3とを有している。
第2のレーザ光源3は、第2のレーザ光L2を複合プリズム15の部分反射面16に向けて出射し、第1のレーザ光源2は、第1のレーザ光L1を複合プリズム15の部分反射面17に向けて出射するように配置されている。複合プリズム15において、部分反射面16、17はいずれも、S偏光光に対する反射率がP偏光光に対する反射率よりも高く、P偏光光に対する透過率はS偏光光に対する透過率よりも高い。例えば、部分反射面16、17はいずれも、P偏光光を30%反射する一方、70%透過し、S偏光光を70%反射する一方、30%透過する誘電体膜などによって構成されている。
第2のレーザ光源3と複合プリズム15との間には、回折素子8、および1/2波長板9が配置され、第1のレーザ光源2と複合プリズム15との間には、回折素子12が配置されている。
複合プリズム15から光記録媒体6に向かう共通光路上には、1/4波長板4、および対物レンズ5が配置されている。また、光記録媒体6で反射したレーザ光は、戻り光として再び、対物レンズ5、1/4波長板4、および複合プリズム15を通り、受光素子7に到るように構成されている。また、第1のレーザ光源2から出射された第1のレーザ光L1は、複合プリズム15の部分反射面16で部分反射してモニター用受光素子11で検出され、第2のレーザ光源3から出射された第2のレーザ光L2は、複合プリズム15の部分反射面16を部分透過してモニター用受光素子11で検出されるように構成されている。なお、光ヘッド装置100では、上記の光学素子の他にも、回折格子、コリメートレンズ、センサーレンズなどが配置されるが、これらの光学素子などについての説明を省略する。
このように構成した光ヘッド装置100においては、第1のレーザ光源2から出射された第1のレーザ光L1は、P偏光光として複合プリズム15に入射した後、部分反射面17、16を部分透過し、1/4波長板4によって円偏光に変換された後、対物レンズ5を介して光記録媒体6上に収束し、情報の再生、記録を行う。
これに対して、第2のレーザ光源3から出射された第2のレーザ光L2は、P偏光光として出射された後、1/2波長板9によってS偏光光に変換され、複合プリズム15の部分反射面16に到達する。そして、部分反射面16に到達した第2のレーザ光L2は、部分反射面16で光軸が90°折り曲げられ、1/4波長板4によって円偏光に変換された後、対物レンズ5を介して光記録媒体6上に収束し、情報の再生、記録を行う。
光記録媒体6で反射した光は、戻り光として、対物レンズ5、1/4波長板4、および複合プリズム15を辿って、受光素子7に向かう。
すなわち、第1のレーザ光L1の戻り光は、1/4波長板4によってS偏光光に変換された後、複合プリズム15において、部分反射面16を部分透過した後、部分反射面17で部分反射し、受光素子7に到る。これに対して、光記録媒体6で反射した第2のレーザ光L2の戻り光は、1/4波長板4によってP偏光光に変換された後、複合プリズム15において、部分反射面16を部分透過した後、部分反射面17で部分反射し、受光素子7に到る。
このように、本形態の光ヘッド装置100では、第1のレーザ光源2から出射された第1のレーザ光L1は、光記録媒体6に向かう途中で部分反射面16、17を透過するときには、透過効率の高いP偏光光になっている。また、第2のレーザ光源3から出射された第2のレーザ光L2は、光記録媒体6に向かう途中で部分反射面16で反射するときには、反射効率の高いS偏光光になっている。それ故、本形態の光ヘッド装置100において、第1のレーザ光L1、および第2のレーザ光L2は、光記録媒体6に向かう際、大きなパワーで光記録媒体6に記録を行うことができる。
また、大きなパワーで記録を行う際、レーザ光が光記録媒体6で反射して大きなパワーのままで受光素子7に届くと、誤動作や受光素子7の劣化を招く。しかるに本形態の光ヘッド装置100では、第1のレーザ光L1が光記録媒体6で反射して受光素子7に向かう際、部分反射面16を透過するときは透過効率の低いS偏光光になっている。また、第2のレーザ光L2が光記録媒体6で反射して受光素子7に向かう際、部分反射面17で反射するときは反射効率の低いP偏光光になっている。それ故、記録を行う際、光記録媒体6で反射したレーザ光が大きなパワーで受光素子7に届くということがないので、受光素子7の誤動作や受光素子7の劣化を防止することができる。
しかも、第1のレーザ光L1、および第2のレーザ光L2はいずれも、1/4波長板4によって円偏光に変換された状態で光記録媒体6に向かうため、光記録媒体6の表面保護膜が複屈折性を有している場合でも、情報の再生を確実に行うことができる。
[実施の形態1]
図1を参照して説明した光ヘッド装置100において、1/2波長板9、あるいは1/4波長板4などの位相差板は、以下に説明する構成を有している。
図1を参照して説明した光ヘッド装置100において、1/2波長板9、あるいは1/4波長板4などの位相差板は、以下に説明する構成を有している。
(構成および製造方法)
図2は、本発明の実施の形態1に係る位相差板の構成を模式的に示す断面図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る位相差板の構成を模式的に示す断面図である。
図2において、本形態の位相差板1Aは、図1を参照して説明した光ヘッド装置100において、1/2波長板9、あるいは1/4波長板4などとして使用可能な位相差板であり、一枚の位相差フィルム10の表面および裏面に対して、基材21、22が各々接着剤31、32により貼り合わされている。
このような位相差板1Aを製造するにあたっては、透明なガラス基板などからなる基材21、22に接着剤31、32を塗布した後、位相差フィルム10の表面側および裏面側の双方に基材21、22を接着剤31、32を介して貼り合せ、しかる後に、接着剤31、32を硬化させる。
また、位相差板1Aを製造する際、位相差フィルム10の接着面に対しては、プラズマ処理を行っておくことが好ましい。すなわち、位相差フィルム10としては各種材質のものを用いることができるが、位相差フィルム10が主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂などといった環状ポリオレフィン系樹脂の場合、接着剤31、32との接着性が低い。しかるに、接着面をプラズマ処理して活性化しておけば、位相差フィルム10と接着剤31、32との密着性が向上する結果、位相差フィルムと基板との接着強度が向上する。このようなプラズマ処理としては大気圧プラズマを利用することができる。なお、プラズマ処理については、基材21、22の方にも施すことが好ましい。
(接着剤の厚さ)
また、位相差板1Aを効率よく製造するには、それを多数取りできる大型基材に大判の位相差フィルムを接着剤で貼り合せた後、ダイシング工程で、位相差板1Aの単品サイズに切断していく。このため、ダイシング時に接着剤31、32の層内で剥離などが発生することを防止するという観点から、接着剤31、32については薄いこと、例えば、10μm以下であることが好ましい。
また、位相差板1Aを効率よく製造するには、それを多数取りできる大型基材に大判の位相差フィルムを接着剤で貼り合せた後、ダイシング工程で、位相差板1Aの単品サイズに切断していく。このため、ダイシング時に接着剤31、32の層内で剥離などが発生することを防止するという観点から、接着剤31、32については薄いこと、例えば、10μm以下であることが好ましい。
例えば、大型基材に大判の位相差フィルムを接着剤で貼り合せたものを粘着材でダイシングソーのステージに取り付けた後、板厚0.15〜0.20mmの樹脂製あるいは金属製のブレードで位相差板単品のサイズに切断した際(カット速度:約10mm/s、ブレート回転数:30000rpm)、接着剤層31、32の厚さと、剥離の有無との関係を調査したところ、以下に示す結果
接着剤:5μm 接着剤:10μm 接着剤:20μm
ダイシング時 剥離無し 剥離無し 剥離有り
ダイシング後に応力印加 剥離無し 剥離無し 剥離有り
が得られた。すなわち、接着剤31、32が20μmと厚い場合には、ダイシング時の切削水の圧力、およびカット応力により、基材21、22と位相差フィルム10との間で剥離が発生した。これに対して、接着剤31、32が5μmあるいは10μmと薄い場合には、ダイシング時の切削水の圧力、およびカット応力では剥離が発生しなかった。また、接着剤31、32が5μmあるいは10μmと薄い場合には、ダイシング後、応力を印加しても剥離が発生しなかった。それ故、接着剤31、32については10μm以下であることが好ましいのである。
接着剤:5μm 接着剤:10μm 接着剤:20μm
ダイシング時 剥離無し 剥離無し 剥離有り
ダイシング後に応力印加 剥離無し 剥離無し 剥離有り
が得られた。すなわち、接着剤31、32が20μmと厚い場合には、ダイシング時の切削水の圧力、およびカット応力により、基材21、22と位相差フィルム10との間で剥離が発生した。これに対して、接着剤31、32が5μmあるいは10μmと薄い場合には、ダイシング時の切削水の圧力、およびカット応力では剥離が発生しなかった。また、接着剤31、32が5μmあるいは10μmと薄い場合には、ダイシング後、応力を印加しても剥離が発生しなかった。それ故、接着剤31、32については10μm以下であることが好ましいのである。
(各部材の線膨張係数)
本形態では、位相差板1Aを構成するにあたって、接着剤31、32、および位相差フィルム10としては、接着剤31、32の線膨張係数(E1)、および位相差フィルム10の線膨張係数(E2)が、下式
E1≦E2
を満たすものを用いる。
本形態では、位相差板1Aを構成するにあたって、接着剤31、32、および位相差フィルム10としては、接着剤31、32の線膨張係数(E1)、および位相差フィルム10の線膨張係数(E2)が、下式
E1≦E2
を満たすものを用いる。
また、接着剤31、32、位相差フィルム10、および基材21、22としては、接着剤31、32の線膨張係数(E1)、および位相差フィルム10の線膨張係数(E2)が下式
E1≒E2
を満たし、かつ、位相差フィルム10の線膨張係数(E2)、および基材21、22の線膨張係数(E3)が下式
E2>E3
を満たすものを用いる。
E1≒E2
を満たし、かつ、位相差フィルム10の線膨張係数(E2)、および基材21、22の線膨張係数(E3)が下式
E2>E3
を満たすものを用いる。
(材質)
図3(A)、(B)はそれぞれ、主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂(環状ポリオレフィン系樹脂)からなる位相差フィルムの透過率−波長特性を示すグラフ、およびポリカーボネートからなる位相差フィルムの透過率−波長特性を示すグラフである。
図3(A)、(B)はそれぞれ、主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂(環状ポリオレフィン系樹脂)からなる位相差フィルムの透過率−波長特性を示すグラフ、およびポリカーボネートからなる位相差フィルムの透過率−波長特性を示すグラフである。
本形態において、接着剤31、32としては、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、ポリイミド系接着剤、イソシアネート系接着剤、塩化ビニル系接着剤、シリコーン系接着剤など種々のものを使用できる。ここで、接着剤31、32は、光硬化型あるいは熱硬化型のいずれであってもよいが、作業性を考慮した場合、光硬化型であることが好ましい。
位相差フィルム10としては、ポリカーボネートフィルム、脂環族ポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリアリレートフィルムなど、さらには、主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂などの環状ポリオレフィン系樹脂からなるものを用いることができる。また、位相差フィルム10は、このような有機高分子フィルムを1軸延伸することにより製造できる。
ここで、低波長領域の光に対する透過率を考慮した場合、位相差フィルム10としては、主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂(環状ポリオレフィン系樹脂)から構成されたものが好ましい。例えば、図3(A)に主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂(環状ポリオレフィン系樹脂)からなる位相差フィルム10の常光および異常光の各々についての透過率−波長特性を実線L31、32で示し、図3(B)に、ポリカーボネートからなる位相差フィルム10の常光および異常光の各々についての透過率−波長特性を実線L41、42で示すように、いずれの位相差フィルム10も広い領域にわたって比較的高い透過率を示す。それでも、主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂からなる位相差フィルム10の方が優れた透過率−波長特性を有している。
また、主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂(環状ポリオレフィン系樹脂)により位相差フィルム10を製作した場合は、それ自身、環境温度が変化しても、あるいは応力が加わっても、その影響が光学特性に現れにくいという利点がある。
基材21、22としては、所望の光学特性を備えたガラス基板などを用いることができるが、その形態については、板状に限らず、プリズム機能などを備えたブロック状のものであってもよい。また、基材21、22としては、ガラス製に限らず、樹脂製であってもよい。また、基材21、22としては、透明なものが多用されるが、一方の基材については光反射性を有するものであってもよい。
[実施例]
本発明を適用した位相差板1Aとして、以下の構成のものを製作し、それらのリターデーションの温度特性(温度とリターデーション変化量との関係)、および光軸角度の温度特性(温度と光軸角度変化量との関係)を計測した。
本発明を適用した位相差板1Aとして、以下の構成のものを製作し、それらのリターデーションの温度特性(温度とリターデーション変化量との関係)、および光軸角度の温度特性(温度と光軸角度変化量との関係)を計測した。
図4は、本発明を適用した位相差板、および位相差フィルム単体のリターデーションの温度特性を示すグラフである。図5は、本発明を適用した位相差板、および位相差フィルム単体の光軸角度の温度特性を示すグラフである。図6は、本発明を適用した位相差板の波長分散を示すグラフである。
(実施例1)
接着剤31、32
アクリル系紫外線硬化樹脂
厚さ:10μm
ヤング率:2400MPa
線膨張係数(E1):5.5×10-5/℃
位相差フィルム10
主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂(環状ポリオレフィン系 樹脂)
厚さ:0.1mm
ヤング率:1500MPa
線膨張係数(E2):6.8×10-5/℃
基材21、22
ガラス基板
板厚:1mm
ヤング率:70000MPa
線膨張係数(E3):5.1×10-6/℃
従って、実施例1に係る位相差板1Aにおいて、接着剤31、32、および位相差フィルム10は、接着剤31、32の線膨張係数(E1)、および位相差フィルム10の線膨張係数(E2)が、下式
E1≦E2
を満たしている。
接着剤31、32
アクリル系紫外線硬化樹脂
厚さ:10μm
ヤング率:2400MPa
線膨張係数(E1):5.5×10-5/℃
位相差フィルム10
主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂(環状ポリオレフィン系 樹脂)
厚さ:0.1mm
ヤング率:1500MPa
線膨張係数(E2):6.8×10-5/℃
基材21、22
ガラス基板
板厚:1mm
ヤング率:70000MPa
線膨張係数(E3):5.1×10-6/℃
従って、実施例1に係る位相差板1Aにおいて、接着剤31、32、および位相差フィルム10は、接着剤31、32の線膨張係数(E1)、および位相差フィルム10の線膨張係数(E2)が、下式
E1≦E2
を満たしている。
(実施例2)
接着剤31、32
アクリル系紫外線硬化樹脂
厚さ:10μm
ヤング率:2400MPa
線膨張係数(E1):6.4×10-5/℃
位相差フィルム10
主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂(環状ポリオレフィン系樹脂)
厚さ:0.1mm
ヤング率:1500MPa
線膨張係数(E2):6.8×10-5/℃
基材21、22
ガラス基板
板厚:1mm
ヤング率:70000MPa
線膨張係数(E3):5.1×10-6/℃
従って、実施例2に係る位相差板1Aにおいて、接着剤31、32、位相差フィルム10、および基材21、22は、接着剤31、32の線膨張係数(E1)、および位相差フィルム10の線膨張係数(E2)が下式
E1≒E2
を満たし、かつ、位相差フィルム10の線膨張係数(E2)、および基材21、22の線膨張係数(E3)が下式
E2>E3
を満たしている。
接着剤31、32
アクリル系紫外線硬化樹脂
厚さ:10μm
ヤング率:2400MPa
線膨張係数(E1):6.4×10-5/℃
位相差フィルム10
主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂(環状ポリオレフィン系樹脂)
厚さ:0.1mm
ヤング率:1500MPa
線膨張係数(E2):6.8×10-5/℃
基材21、22
ガラス基板
板厚:1mm
ヤング率:70000MPa
線膨張係数(E3):5.1×10-6/℃
従って、実施例2に係る位相差板1Aにおいて、接着剤31、32、位相差フィルム10、および基材21、22は、接着剤31、32の線膨張係数(E1)、および位相差フィルム10の線膨張係数(E2)が下式
E1≒E2
を満たし、かつ、位相差フィルム10の線膨張係数(E2)、および基材21、22の線膨張係数(E3)が下式
E2>E3
を満たしている。
(実施例1、2の評価結果)
実施例1に係る位相差板1A、実施例2に係る位相差板1A、および位相差フィルム10単体とについて、リターデーションの温度特性、および光軸角度の温度特性を計測した結果をそれぞれ、図4に実線L11、点線L12、および一点鎖線L13で示し、図5に実線L21、点線L22、および一点鎖線L23で示す。
実施例1に係る位相差板1A、実施例2に係る位相差板1A、および位相差フィルム10単体とについて、リターデーションの温度特性、および光軸角度の温度特性を計測した結果をそれぞれ、図4に実線L11、点線L12、および一点鎖線L13で示し、図5に実線L21、点線L22、および一点鎖線L23で示す。
図4に示すリターデーションの温度特性において、実線L11で示す実施例1に係る位相差板1Aは、一点鎖線L13で示す位相差フィルム10単体と比較して、環境温度が変化した場合のリターデーション変化が著しく小さいことが分かる。また、図5に示す光軸角度の温度特性において、実線L21で示す実施例1に係る位相差板1Aは、環境温度が変化した場合の光軸角度の変化量が、一点鎖線L23で示す位相差フィルム10単体と比較してわずかに大きいだけであり、略同等といえる。
このように実施例1の位相差板1Aでは、接着剤31、32、および位相差フィルム10として、接着剤31、32の線膨張係数(E1)、および位相差フィルム10の線膨張係数(E2)が、下式
E1≦E2
を満たすものを用い、かつ、位相差フィルム10として、主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂(環状ポリオレフィン系樹脂)製のものを用いたので、接着剤31、32の厚さを10μm以下まで薄くすることにより接着強度や接着状態の安定性などを確保した場合でも、温度変化に伴う位相差フィルム10の変形を確実に防止することができる。それ故、本形態に係る位相差板1Aでは、環境温度の変化に起因するリターデーション値の乱れや、光軸角度の乱れを確実に防止することができる。
E1≦E2
を満たすものを用い、かつ、位相差フィルム10として、主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂(環状ポリオレフィン系樹脂)製のものを用いたので、接着剤31、32の厚さを10μm以下まで薄くすることにより接着強度や接着状態の安定性などを確保した場合でも、温度変化に伴う位相差フィルム10の変形を確実に防止することができる。それ故、本形態に係る位相差板1Aでは、環境温度の変化に起因するリターデーション値の乱れや、光軸角度の乱れを確実に防止することができる。
また、光ヘッド装置では、レーザ光源が温度上昇することで発振波長が長波長側へシフトする。ここで、位相差フィルムのリタデーションは、ポリカーボネートフィルムなどでは長波長側へシフトする程低下する波長依存性を有するが、本形態では、環状ポリオレフィン系フィルムを位相差フィルムとして用いたため、図6にその波長分散を示すように、波長依存性が非常に小さい。しかも、位相差板1Aが温度上昇してもリタデーションが殆ど変化しないことから、レーザ光源の発振波長がシフトしても所望のリタデーションが得られる光ヘッド装置を提供することができる。
一方、実施例2に係る位相差板1Aは、図4に点線L12で示すように、一点鎖線L13で示す位相差フィルム10単体と比較して、環境温度が変化した場合のリターデーション変化は略同等であることが分かる。また、実施例2に係る位相差板1Aは、図5に点線L22で示すように、環境温度が変化した場合の光軸角度の変化量が、一点鎖線L23で示す位相差フィルム10単体と比較してわずかに大きいだけであり、略同等といえる。
このように実施例2の位相差板1Aでは、接着剤31、32、位相差フィルム10、および基材21、22として、接着剤31、32の線膨張係数(E1)、および位相差フィルム10の線膨張係数(E2)が下式
E1≒E2
を満たし、かつ、位相差フィルム10の線膨張係数(E2)、および基材21、22の線膨張係数(E3)が下式
E2>E3
を満たしたものを用いたため、位相差フィルム10と接着剤31、32を同一層とみなすことができ、かつ、この層が、最も熱 変形しない基材21、22にならう。従って、環境温度が変化しても、位相差フィルム10に延び・縮み・応力などが作用しない。これにより、温度変化によるリタデーション・光軸角度の変化量を位相差フィルム10単体での変化量とほぼ同等まで抑えることが可能となる。それ故、接着剤31、32の厚さを10μm以下まで薄くすることにより接着強度や接着状態の安定性などを確保した場合でも、温度変化に伴う位相差フィルム10の変形を確実に防止することができる。よって、本形態に係る位相差板1Aでは、環境温度の変化に起因するリターデーション値の乱れや、光軸角度の乱れを確実に防止することができる。
E1≒E2
を満たし、かつ、位相差フィルム10の線膨張係数(E2)、および基材21、22の線膨張係数(E3)が下式
E2>E3
を満たしたものを用いたため、位相差フィルム10と接着剤31、32を同一層とみなすことができ、かつ、この層が、最も熱 変形しない基材21、22にならう。従って、環境温度が変化しても、位相差フィルム10に延び・縮み・応力などが作用しない。これにより、温度変化によるリタデーション・光軸角度の変化量を位相差フィルム10単体での変化量とほぼ同等まで抑えることが可能となる。それ故、接着剤31、32の厚さを10μm以下まで薄くすることにより接着強度や接着状態の安定性などを確保した場合でも、温度変化に伴う位相差フィルム10の変形を確実に防止することができる。よって、本形態に係る位相差板1Aでは、環境温度の変化に起因するリターデーション値の乱れや、光軸角度の乱れを確実に防止することができる。
また、剥離界面を考えると、アクリル系、エポキシ系接着剤は、位相差フィルム10との接着力よりもガラス基板などの基材21、22との接着力の方が強い。しかるに接着剤31、32の線膨張係数(E1)と、位相差フィルム10の線膨張係数(E2)とが略等しければ、位相差フィルム10と接着剤31、32の界面では応力が掛からないため、このことからも接着強度を確保できることが説明できる。
[実施の形態2]
図7は、本発明の実施の形態2に係る位相差板の構成を模式的に示す断面図である。
図7は、本発明の実施の形態2に係る位相差板の構成を模式的に示す断面図である。
実施の形態1の位相差板1Aでは、一枚の位相差フィルム10の表面および裏面に対して、基材21、22が各々接着剤31、32により貼り合わされていたが、図7に示す位相差板1Bのように、位相差フィルム10の裏面側に対してのみ、基材21が接着剤31により貼り合わされている構成であってもよい。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
[実施の形態3]
図8は、本発明の実施の形態3に係る位相差板の構成を模式的に示す断面図である。
図8は、本発明の実施の形態3に係る位相差板の構成を模式的に示す断面図である。
図8に示すように、本形態の位相差板1Cは、実施の形態1と同様、一枚の位相差フィルム10の表面および裏面に対して、基材21、22が各々接着剤31、32により貼り合わされている。
また、本形態の位相差板1Cでは、基材21の裏面側に回折格子膜41が形成されている。このため、本形態の位相差板1Cは、回折格子機能を備えた複合光学素子である。従って、例えば、図1を参照して説明した光ヘッド装置100において、1/2波長板9と回折素子8とを1つの位相差板1Cで置き換えることができる。
なお、位相差板1Cを構成する各層の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
[実施の形態4]
図9は、本発明の実施の形態4に係る位相差板の構成を模式的に示す断面図である。
図9は、本発明の実施の形態4に係る位相差板の構成を模式的に示す断面図である。
図9に示すように、本形態の位相差板1Dは、実施の形態2と同様、位相差フィルム10の裏面側に対してのみ、基材21が接着剤31により貼り合わされている。また、基材21の裏面側には、回折格子膜41が形成されている。このため、本形態の位相差板1Dは、回折格子機能を備えた複合光学素子である。従って、例えば、図1を参照して説明した光ヘッド装置100において、1/2波長板9と回折素子8とを1つの位相差板1Dで置き換えることができる。
なお、位相差板1Dを構成する各層の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
[実施の形態5]
図10は、本発明の実施の形態5に係る位相差板の構成を模式的に示す断面図である。
図10は、本発明の実施の形態5に係る位相差板の構成を模式的に示す断面図である。
図10に示すように、本形態の位相差板1Eでは、一枚の位相差フィルム10の表面には、板状の基材22が接着剤32により貼り合わされている。これに対して、位相差フィルム10の裏面には、プリズムを構成する基材21Aが接着剤31により貼り合わされている。このため、本形態の位相差板1Eは、プリズム機能を備えた複合光学素子である。従って、例えば、図1を参照して説明した光ヘッド装置100において、1/4波長板4と複合プリズム15とを1つの位相差板1Eで置き換えることができる。あるいは、図1を参照して説明した光ヘッド装置100において、1/2波長板9と複合プリズム15とを1つの位相差板1Eで置き換えることができる。
さらには、図示を省略するが、プリズムを構成する基材21Aの他の面にも接着剤を介して位相差フィルム10を貼ることにより、図1を参照して説明した光ヘッド装置100において、1/4波長板4、1/2波長板9、および複合プリズム15を1つの位相差板1Eで置き換えることができる。
なお、位相差板1Eを構成する各層の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、本発明では、位相差フィルムと基材とが接着剤により貼り合わされた位相差板において、接着剤として線膨張係数が小さなものを用いたので、接着強度や接着状態の安定性などを優先して接着剤層をある程度、薄くした場合でも、温度変化に伴う位相差フィルムの変形を確実に防止することができる。それ故、環境温度の変化に起因するリターデーション値の乱れや、光軸角度の乱れを確実に防止することができる。
1A〜1E 位相差板
2 第1のレーザ光源
3 第2のレーザ光源
4 1/4波長板(位相差板)
5 対物レンズ
6 光記録媒体
8 回折素子
9 1/2波長板(位相差板)
10 位相差フィルム
15 複合プリズム
21、22 基材
31、32 接着剤
100 光ヘッド装置
L1 第1のレーザ光
L2 第2のレーザ光
2 第1のレーザ光源
3 第2のレーザ光源
4 1/4波長板(位相差板)
5 対物レンズ
6 光記録媒体
8 回折素子
9 1/2波長板(位相差板)
10 位相差フィルム
15 複合プリズム
21、22 基材
31、32 接着剤
100 光ヘッド装置
L1 第1のレーザ光
L2 第2のレーザ光
Claims (6)
- 位相差フィルムと基材とが接着剤により貼り合わされた位相差板において、
前記接着剤の線膨張係数(E1)、および前記位相差フィルムの線膨張係数(E2)は、下式
E1≦E2
を満たすことを特徴とする位相差板。 - 請求項1において、前記接着剤の線膨張係数(E1)、および前記位相差フィルムの線膨張係数(E2)は、下式
E1≒E2
を満たし、かつ、
前記位相差フィルムの線膨張係数(E2)、および前記基材の線膨張係数(E3)は、下式
E2>E3
を満たしていることを特徴とする位相差板。 - 請求項1または2において、前記位相差フィルムは、環状ポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする位相差板。
- 請求項3において、前記位相差フィルムは、主鎖がノルボルネン構造で、側鎖に極性基を有する樹脂からなることを特徴とする位相差板。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記接着剤の厚さは、10μm以下であることを特徴とする位相差板。
- 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記位相差フィルムの接着面は、プラズマ処理されていることを特徴とする位相差板。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003291767A JP2005062428A (ja) | 2003-08-11 | 2003-08-11 | 位相差板 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003291767A JP2005062428A (ja) | 2003-08-11 | 2003-08-11 | 位相差板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005062428A true JP2005062428A (ja) | 2005-03-10 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007109326A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Sanyo Electric Co Ltd | 光ピックアップ装置 |
JP2008506214A (ja) * | 2004-07-08 | 2008-02-28 | エルジーエス コーポレーション リミテッド | 位相遅延板及びこれを用いた光ピックアップ装置 |
JP2008065160A (ja) * | 2006-09-08 | 2008-03-21 | Okura Ind Co Ltd | 偏光板の製造方法 |
-
2003
- 2003-08-11 JP JP2003291767A patent/JP2005062428A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008506214A (ja) * | 2004-07-08 | 2008-02-28 | エルジーエス コーポレーション リミテッド | 位相遅延板及びこれを用いた光ピックアップ装置 |
JP2007109326A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Sanyo Electric Co Ltd | 光ピックアップ装置 |
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