JP2005061919A - プラスチックプレート及びプレート - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチックプレートの反りの発生を抑え、狭焦点の光学装置で高精度の測定ができるようにすることを目的とする。
【解決手段】プラスチックプレート1は、表面1a側に形成するウェル4とほぼ同形状の肉盗み部6を裏面1b側に形成し、表面1a側の凹み量と裏面1b側の凹み量とをほぼ同量とすることにより、射出成形後の冷却時における収縮量を板厚方向の中心位置に対して表面1a側と裏面1b側とで均等にすることができ、反りの発生を抑えることができる。その結果、プラスチックプレート1の各ウェル4への照射光が狭焦点のレーザー光であっても、上述のように反りの発生が抑えられて、ウェル4が高精度に配置されることになるため、ウェル4内の分析対象となる試料と照明光の焦点とのズレが生じにくくなり、高精度の分析が可能になる。
【選択図】図3

Description

この発明は、各種の微量試料(例えば、ウイルスや細菌などの微小な生命体、細胞や生体高分子などの生命構成体、生体高分子以外の有機化合物、無機物,無機化合物)の解析に用いられるプレートであって、例えば、多数の遺伝子の働きを同時に調べるために使用されたり、DNAを増幅させるPCR法の反応器としても使用されることがあるプラスチックプレート及びガラス等で形成されたプレートに関するものである。
近年、遺伝子の働きを調べる様々な方法のうちで、数千から数万種類の遺伝子を同時に調べることができるマイクロウェルアレイ技術がゲノム医科学の分野や生化学等の各技術分野で注目されている。
このような技術背景のもとにおいて、図24に示すように、一枚の平板状のプレート100に略四角錐形状の微小なウェル(凹部)101を多数形成し、そのウェル101内に解析対象となる液状試料を注入し、多種類の試料を同時に解析することができるようにしたもの(少量流動体保持装置と略称する)が既に案出されている(例えば、特許文献1参照)。
また、図25に示すように、プレート102の表面に多数の突起103を形成し、その突起103の頂部104に培養組織や解析対象等となる試料を保持するようにした技術が案出されている(特許文献2,3参照)。
また、図26に示すように、帯電性物質を分離抽出するために、試料を電気泳動させる微細溝(凹部)105がプレート106の表面107に形成された電気泳動チップが案出されている(例えば、特許文献4参照)。
また、平板状のプレートの表面に試料を散点状に多数高密度で付着させるようにした技術も案出されている(例えば、特許文献5参照)
また、図27に示すように、組織培養や免疫分析に使用できるプラスチックプレート108であって、形態観察、吸光度測定、蛍光・発酵測定などの多目的に使用できるプラスチックプレート108が案出されている。このプラスチックプレート108は、試料を収容するための多数のウェル110が形成された肉厚0.5mm以下の透明樹脂からなっており、肉厚1.0mm以上のホルダ111で保持されるようになっている(特許文献6参照)。
米国特許第6027695号明細書 特開平7−115958号公報 特開2003−4742号公報 特開2000−310613号公報 特開2003−130879号公 特開2001−17155号公報。
しかしながら、特許文献1乃至3に係るプレート100,102は、ウェル(凹部)101又は突起103が多数形成された表面側と、ウェル101や突起103が形成されない裏面側とで形状が全く異なるため、プレート100,102を射出成形により形成する場合に、射出成形時における収縮率が表面側と裏面側とで異なり、樹脂製のプレート100,102が図28に示すような反りを生じることがある。
また、特許文献4や5に係るプレート106は、ハイブリダイズ等を促進するために加熱されることがあるため、樹脂材料を使用して成形されたものであると、表裏の温度差に起因する反りを生じることがある(図28参照)。
このような反りがプレート100,102,106に生じると、レーザー光等を使用した狭焦点の光学装置で測定を行う場合に、焦点位置にズレを生じるため、測定精度が低下する虞のあることが指摘されていた。尚、特許文献1乃至3に係るプレート100,102の反りを防止する対策としては、特許文献6のプラスチックプレート108のように、全体を同一の肉厚で形成することが有効である。しかし、この特許文献6の技術は、ウェル110の容量が100マイクロリットル程度のプラスチックプレート108に関するものであって、ウェル110のサイズが数十ナノリットル程度の小さなものに対しては成形上の理由から適用ができない。すなわち、ウェル110のサイズが数十ナノリットル程度の極めて小さいものを高密度で形成する場合には、プラスチックプレート108を全て同一厚さで射出成形することが困難である。
尚、ガラス等のプラスチック以外の材料で形成されたプレートにも、プラスチックプレートの反りと同様の反りが生じることがあり、その対策が求められていた。
そこで、本発明は、プラスチックプレートの反りや、ガラス等のプラスチック以外の材料で形成されたプレートの反りの発生を抑え、狭焦点の光学装置で高精度の測定ができるようにすることを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するため、プラスチックプレートの表面側と裏面側との収縮量がほぼ等しくなるように、表面側に凹部が形成された場合には肉盗み部を裏面側に形成し、表面側に突起が形成された場合にはその突起に対応するような突起を裏面側にも形成するようになっている。
また、本発明は、上述の目的を達成するため、プラスチックプレートの反りの発生を、裏面側に形成した補強用リブ、又は裏面側に一体化した金属体等のプラスチックより収縮率の小さい材料からなる部材で抑えるようにした。
また、本発明は、プラスチック以外のガラス等で形成されたプレートにも、プラスチックプレートと同様の対策を施し、反りの発生を抑えるようにした。
本発明によれば、プラスチックプレートの表面側と裏面側の射出成形後の収縮量がほぼ同一になり、反りの発生を抑えることができる。また、本発明は、プラスチックプレートの裏面側に形成した補強用リブ、又は、プラスチックプレートの裏面側に一体化した金属体によって、プラスチックプレートの反りを抑えることができる。その結果、プラスチックプレート上に保持・収容された試料に対して光学装置から照射される測定光の焦点が定まりやすく、高精度の測定が可能になる。
図1乃至図3は、本発明の実施の形態に係るプラスチックプレート1を示すものである。これらの図のうち、図1は、プラスチックプレート1の平面図である。また、図2は、同プラスチックプレート1の側面図であり、射出成形におけるキャビティ2及び射出成形用ゲート3とプラスチックプレート1との関係を示す図である。また、図3は、図1のA−A線に沿って切断して示すプラスチックプレート1の拡大断面図である。
これらの図に示すように、プラスチックプレート1は、平面形状がスライドグラス大の矩形形状であって、板厚が約1.0〜1.5mmの板状部材である。このプラスチックプレート1は、例えば、ポリカーボネイト(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、紫外線硬化樹脂等で形成されており、その表面1aにDNA断片や検体(例えば、蛍光色素で処理されたcDNA)等を含む溶液(試料)を収容するウェル(凹部)4が多数形成されている。このウェル4は、例えば、直径又は一辺が0.2mm〜1.0mm程、好ましくは0.2mm〜0.5mmの○又は□形状の開口を有する凹部が0.3mm〜1.0mm程、好ましくは0.3mm〜0.5mmのピッチでもって形成され、表面1aのウェル形成領域5に数千個形成されており、ウェル4一つ当たり数十ナノリットルの試料を収容できるようになっている。
ウェル4の具体的な形状は、例えば、図4に示すような、四角錐形状(a)、四角錐形状の先端を切り落としたような形状(b)、円錐形状(c)、円錐台形状(d)の穴である。尚、本実施の形態においては、図4(a)に示す四角錐形状のウェル4を例示している。
そして、プラスチックプレート1の裏面1bには、表面1a側のウェル4と同形状で同数の肉盗み部(凹部)6が半ピッチずらして形成されている。その結果、このブラスチックプレート1の裏面1b側の全肉盗み部6の総容積は表面1a側の全ウェル4の総容積と等しくなる。
このような形状のプラスチックプレート1は、図2に示すように、金型のキャビティ2内に射出成形用ゲート3から溶融樹脂を射出して、金型のキャビティ2内の形状を写し取るようになっている。そして、プラスチックプレート1は、冷却後、キャビテイ2内から取り出される。
このようにして形成されたプラスチックプレート1は、表面1a側の形状と裏面1b側の形状がほぼ同様であり、表面1a側の全ウェル4の総容積と裏面1b側の全肉盗み部6の総容積が同一となるように形成されているため、射出形成後の収縮量が表面1a側と裏面1b側とで一致し、反りが生じるのを抑えることができる。
そして、上述のようにして形成された本実施の形態のプラスチックプレート1は、そのウェル4内に微量のDNAが収容され、そのDNAの特定部位がPCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)によって短時間で増幅させられて、十分な量のDNA断片(遺伝子断片)を収容した数千のウェル4が高密度に整列したマイクロアレイ(DNAチップ)となる。その後、このプラスチックプレート1のウェル4内に蛍光色素で処理された検体(cDNA)が注入され、その検体とプラスチックプレート1のウェル4内で増幅されたDNA断片がハイブリダイズさせられる。その後、プラスチックプレート1の各ウェル4内にcDNAに対して蛍光色素を励起する光が照射され、光検出器で蛍光が検出されることにより、どの検体とDNA断片がハイブリダイズされたかが求められ、各遺伝子の働きが明らかにされる。
以上のような本実施の形態に係るプラスチックプレート1は、表面1a側に形成するウェル4とほぼ同形状の肉盗み部6を裏面1b側に形成し、表面1a側の凹み量と裏面1b側の凹み量とをほぼ同量とすることにより、射出成形後の収縮量を板厚方向の中心位置に対して表面1a側と裏面1b側とで均等にすることができるため、反りの発生を抑えることができる。その結果、本実施の形態のプラスチックプレート1によれば、各ウェル4への照射光が狭焦点のレーザー光であっても、上述のように反りの発生が抑えられて、ウェル4が高精度に配置されることになるため、ウェル4内の分析対象となる試料と照明光の焦点とのズレが生じにくくなり、高精度の分析が可能になる。
また、本実施の形態に係るプラスチックプレート1は、裏面1b側に形成した肉盗み部6が表面1a側に形成したウェル4の形状と同様の形状であるため、表裏反転して裏面1b側の肉盗み部6をウェルとして使用すれば、ウェル4を表面1a側にだけ形成する場合に比較し、2倍のウェル数を確保することができる。
また、本実施の形態に係るプラスチックプレート1は、表面1a側のウェル4と裏面1b側の肉盗み部6とが半ピッチずれて形成されているため、隣り合うウェル4,4間に、肉盗み部6の底部側をウェル4の底部とオーバーラップさせるように位置させることができ、表面1a側のウェル4と裏面1b側の肉盗み部6とを表裏対称位置に形成する場合に比較し、板厚寸法を薄くすることができる。
尚、本実施の形態に係るプラスチックプレート1は、裏面1b側に形成する肉盗み部6をウェル4形状とほぼ同様にする構成を例示したが、これに限られず、図5に示すような略半球状の凹部形状の肉盗み部7や、図6に示すような略角柱状の凹部形状の肉盗み部8を形成してもよく、その他の凹部形状の肉盗み部を形成するようにしてもよい。このような図5及び図6に示すような形状の肉盗み部7,8を形成する場合にも、表面1a側の全ウェル4の容積合計と裏面1b側の全肉盗み部7,8の容積合計がほぼ同様になるように形成し、プラスチックプレート1の表裏の射出成形後の収縮量を均等化する。
また、図7や図8に示すように、プラスチックプレート1の裏面1b側に形成する肉盗み部10,11は、プラスチックプレート1の幅方向に延びる溝をプラスチックプレート1の長手方向に沿って平行に多数形成するようにしてもよい。ここで、図7に示す肉盗み部(溝)10は、プラスチックプレート1の幅方向全幅に形成するようになっている。これに対し、図8に示す肉盗み部(溝)11は、プラスチックプレート1の表面1a側のウェル形成領域5にほぼ対応する範囲に形成し(図1参照)、周囲に額縁領域12(肉盗み部11としての溝が形成されない領域)を残すように形成されている。このような態様を採用する場合においても、表面1a側の全ウェル4の容積合計と裏面1b側の全肉盗み部10,11の容積合計がほぼ同様になるように形成し、プラスチックプレート1の表裏の射出成形後の収縮量を均等化する。
また、図9や図10に示すように、プラスチックプレート1の裏面1b側に形成する肉盗み部13,14は、プラスチックプレート1の長手方向に延びる溝をプラスチックプレート1の幅方向に沿って平行に多数形成するようにしてもよい。ここで、図9に示す肉盗み部(溝)13は、プラスチックプレート1の長手方向全幅に形成するようになっている。これに対し、図10に示す肉盗み部(溝)14は、プラスチックプレート1の表面1a側のウェル形成領域5にほぼ対応する範囲に形成し(図1参照)、周囲に額縁領域15(溝が形成されたない領域)を残すように形成されている。このような態様を採用する場合においても、表面1a側の全ウェル4の容積合計と裏面1b側の全肉盗み部13,14の容積合計がほぼ同様になるように形成し、プラスチックプレート1の表裏の射出成形後の収縮量を均等化する。

また、図11に示すように、プラスチックプレート1の裏面1b側に形成する肉盗み部16は、図7乃至図10に示すような直線状の溝に限られずものではなく、例えば、平面形状が逆くの字形状の溝やその他の平面形状の溝であってもよい。また、図11に示す肉盗み部16を、プラスチックプレート1の表面1a側のウェル形成領域5にほぼ対応する範囲に形成し(図1参照)、周囲に額縁領域(溝が形成されたない領域)を残すようにしてもよい。また、図12に示すように、プラスチックプレート1の裏面1b側に形成する肉盗み部17は、プラスチックプレート1の表面1a側のウェル形成領域5にほぼ対応する範囲に(図1参照)、平面形状が略ハの字形状となるように多数形成された溝でもよく、周囲に額縁領域(溝が形成されたない領域)18を残すようにしてもよい。このような態様を採用する場合においても、表面1a側の全ウェル4の容積合計と裏面1b側の全肉盗み部17の容積合計がほぼ同様になるように形成し、プラスチックプレート1の表裏の射出成形後の収縮量を均等化する。
また、プラスチックプレートの裏面側に形成する図7及び図11の肉盗み部10,16は、図13に示すようなほぼ同一の溝深さに形成されているが、これに限られず、図14に示すように、幅方向両端部側において、幅方向端部に向かうに従って溝深さを漸増させる傾斜溝部10a.16aを形成してもよい。このように形成すれば、射出成形用ゲート3から射出された溶融樹脂がキャビティ2内を流動する速度は、ウェル形成領域5とそのウェル形成領域5の幅方向両側の額縁領域20、20とで均等化する。すなわち、プラスチックプレート1は、ウェル4が多数形成されたウェル形成領域5における溶融樹脂の流動抵抗が大きく、ウェル4が形成されないウェル形成領域5の幅方向両側の額縁領域20,20における溶融樹脂の流動抵抗が小さいため(図1参照)、ウェル形成領域5の幅方向両側の額縁領域20,20を流動する溶融樹脂がウェル形成領域5を流動する溶融樹脂よりも先行して流動し、その合流部にウェルドライン(樹脂が合流したときにあらわれるヘアライン状の細い線)を生じることがあるが、ウェル形成領域5の幅方向両側の額縁領域20,20の断面形状を絞って(断面積を小さくして)溶融樹脂が流動しにくくなれば、ウェル形成領域5とウェル形成領域5の幅方向両側の額縁領域20,20とで溶融樹脂の流動速度が均一化する。その結果、本態様のプラスチックプレート1は、射出成形用ゲート3から最も遠く離れた端縁21側において(図1参照)、樹脂の流動速度の不均一から生じるウェルドラインの発生を防止することができ、ウェルドラインの発生に起因する金型形状の転写不良を防止でき、ウェル4形状を含めた外形形状を高精度化することが可能になる。ここで、ウェルドラインの発生及びそれに伴う金型形状の転写不良を防止するため、図15に示すように、ウェル形成領域5の幅方向両側の額縁領域20、20の肉厚をプラスチックプレート1の長手方向に沿って連続的又は断続的に薄くし、溶融樹脂の流れを絞り、ウェル形成領域5とその幅方向両側の額縁領域20,20における溶融樹脂の流動速度の均一化を図るようにしてもよい。なお、図15(a)がプラスチックプレート1の裏面1b側の斜線部22を切り欠いて薄肉部23を形成した状態を示す図であり、図15(b)がプラスチックプレート1の表面1a側の斜線部24を切り欠いて薄肉部25を形成した状態を示す図である。
また、本発明は、プラスチックプレート1を射出成形により高精度に形成する態様を例示した上述の実施態様に限られず、金型内に充填した樹脂粉末を加熱・加圧して金型形状を写し取るコンプレッション成形法や、金型内に塗布した紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して効果させることにより金型形状を写し取る成形法等にも適用することが可能である。
また、本発明において、プラスチックプレート1の反りの発生を抑える構成としては、上述の実施態様に限られず、以下に説明するように、プラスチックプレート1の裏面1b側に補強用リブを形成した構成でもよく、また、プラスチックプレート1の裏面1b側に金属体又はセラミックス等のプラスチックプレート1を構成するプラスチックの収縮率(線膨張率)より小さい収縮率の材料からなる部材を一体化した構成でもよい。
また、上述の実施の形態は、プラスチックプレートについて詳述しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、プラスチック以外のガラス等の材料で形成されたプレートを、上述の実施の形態と同様の構成とすることにより、反りの発生を効果的に防止することができる。
図16乃至図17は、本発明の実施例1に係るプラスチックプレート31を示すものである。これらの図に示すように、本実施例に係るプラスチックプレート31は、薄板状のプレート部32と、このプレート部32の周囲を取り囲む枠状部33とを備えており、プレート部32が枠状部33の板厚方向略中央部に位置するように、プレート部32と枠状部33とが接続されている。プレート部32の表面32a側には、分析対象となる試料(DNA断片等)を付着させるための頂部34を備えた微小な突起35が多数形成されている。そして、このプレート部32の裏面32b側には、表面32a側の突起35と表裏対称となるように突起36が形成されている。これにより、プラスチックプレート31の板厚方向の中央線37に対する表面32a側の形状と裏面32b側の形状が表裏対称となり、射出成形後の冷却時におけるプレート部32の表面32a側と裏面32b側の収縮量が等しくなり、反りの発生が抑制される。尚、本実施例において、プレート部32の板厚寸法を0.8mm程度にし、突起35の突出高さ寸法を100μm〜200μmにしてある。また、突起35の頂部34の直径又は一辺の長さは、上述の実施の形態のウェル4の開口部の直径又は一辺の長さとほぼ同様の寸法になっており、隣接する突起35間のピッチも上述の実施の形態のウェル4間のピッチと同様の寸法になっている。
図18乃至図19は、本発明の実施例2に係るプラスチックプレート41を示すものである。これらの図に示すように、本実施例に係るプラスチックプレート41は、表面41a側の微小なウェル(凹部)42と同一形状の凹部(肉盗み部)43が裏面41b側に表裏対称に形成されている。このように形成すれば、プラスチックプレート41の板厚方向の中央線44に対する表面41a側の形状と裏面41b側の形状が表裏対称となり、射出成形後の冷却時における表面41a側と裏面41b側の収縮量が等しくなり、反りの発生が抑制される。
図20乃至図21は、本発明の実施例3に係るプラスチックプレート51を示すものである。これらの図に示すように、本実施例に係るプラスチックプレート51は、裏面51b側に格子状の補強用リブ52が形成されている。このプラスチックプレート51は、加熱環境下において使用され、表裏の温度に差が生じる場合に、補強用リブ52が表裏の温度差に起因する反りを抑える。その結果、本実施例のプラスチックプレート51は、表裏の温度差が生じる加熱環境化において使用されたとしても、反りの発生が抑えられるため、微小なウェル(凹部)53内の試料に照射光の焦点を正確に合わすことが可能になり、高精度の試料分析が可能になる。
尚、本実施例は、表面51a側にウェル53が多数形成される態様を例示したが、これに限られず、表面51a側に電気泳動、毛細管現象又は差圧等の推進力により流体が移動されるための流路を構成する微細溝(凹部)が形成されるようなプラスチックプレートや、平板状の表面(ウェルや突起を形成しない平滑な面)に試料を多数散点状に付着させるようにしたプラスチックプレートに適用することができる。
また、本実施例において、補強用リブ52は、少なくともウェル53が形成される範囲に対応するように形成されることが好ましいが、プラスチックプレート51の反りを所望の範囲内に抑えることができるかぎり、ウェル53が形成される範囲よりも狭い範囲に形成するようにしてもよい。
また、本実施例において、補強用リブ52を格子状に形成する態様を例示したが、これに限られず、反りの発生状況に応じた形状の補強用リブ52を形成するようにしてもよい。
図22乃至図23は、本発明の実施例4に係るプラスチックプレート61を示すものである。これらの図に示すように、本実施例に係るプラスチックプレート61は、裏面61b側に格子状のリブ62が形成された薄板状の金属体63が埋設されている。この金属体63は、プラスチックプレート61の樹脂材料よりも熱膨張量(線膨張率)が小さく、剛性が大きいため、加熱環境下において使用された場合、プラスチックプレート61の変形を抑えることができ、微小なウェル(凹部)64内の試料に照射光の焦点を正確に合わすことが可能になり、高精度の試料分析が可能になる。
尚、本実施例は、表面61a側に微小なウェル(凹部)64が多数形成される態様を例示したが、これに限られず、表面61a側に電気泳動、毛細管現象又は差圧等の推進力により流体が移動されるための流路を構成する微細溝(凹部)が形成されるようなプラスチックプレートや、平板状の表面(ウェルや突起を形成しない平滑な面)に試料を多数散点状に付着させるようにしたプラスチックプレートに適用することができる。
また、本実施例において、金属体63は、少なくともウェル64が形成される範囲に対応するように配置されることが好ましいが、プラスチックプレート61の反りを所望の範囲内に抑えることができるかぎり、ウェル64が形成される範囲よりも狭い範囲に形成するようにしてもよい。
本発明のプラスチックプレートは、各種の微量試料(例えば、ウイルスや細菌などの微小な生命体、細胞や生体高分子などの生命構成体、生体高分子以外の有機化合物、無機物,無機化合物)の解析に使用することができる。例えば、様々な生物種のゲノム情報を一枚のプラスチックプレートによって同時に解析することにより、ゲノム情報の解析スピードを上げることが可能になる。また、本発明のプラスチックプレートは、平板上にスポッティング装置で微量の試料を付着させる場合に比較し、隣接する試料同士が混ざり合うのを防止できるため、各ウェル内の微量試料を正確に解析することが可能になる。また、本発明に係るプラスチックプレートは、ウェル内に微量試料を注入して保持するようになっているため、DNAを増幅させるPCR法の反応器としても使用することが可能である。また、本発明のプラスチックプレートは、電気泳動、毛細管現象、差圧等を推進力として利用して、流体を微小な流路内を移動させ、合成、分離、分析等を行う微小流体装置用のチップとして利用され、微量な物質を分離解析するために効果的に利用される。
本発明の実施の形態に係るプラスチックプレートの平面図である。 図1のプラスチックプレートの側面図であり、キャビティ及び射出成形用ゲートと製品であるプラスチックプレートとの関係を示す図である。 図1のA−A線に沿って切断して示す拡大断面図である。 ウェル形状を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係るプラスチックプレートの第1変形例を示す一部拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係るプラスチックプレートの第2変形例を示す一部拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係るプラスチックプレートの第3変形例を示す裏面側斜視図である。 本発明の実施の形態に係るプラスチックプレートの第4変形例を示す裏面側斜視図である。 本発明の実施の形態に係るプラスチックプレートの第5変形例を示す裏面側斜視図である。 本発明の実施の形態に係るプラスチックプレートの第6変形例を示す裏面側斜視図である。 本発明の実施の形態に係るプラスチックプレートの第7変形例を示す裏面側斜視図である。 本発明の実施の形態に係るプラスチックプレートの第8変形例を示す裏面側斜視図である。 本発明の実施の形態に係るプラスチックプレートを肉盗み部としての溝に沿って切断して示す断面図である。 本発明の実施の形態に係るプラスチックプレートの第9変形例を示す断面図であり、図13に対応する断面図である。 本発明の実施の形態に係るプラスチックプレートの第10変形例を示す図であり、プラスチックプレートを幅方向に沿って断面して示す一部拡大断面図である。 本発明の実施例1に係るプラスチックプレートの平面図である。 図16のB−B線に沿って切断して示す断面図である。 本発明の実施例2に係るプラスチックプレートの平面図である。 図18のC−C線に沿って切断して示す断面図である。 本発明の実施例3に係るプラスチックプレートの一部拡大断面図である。 図20に示すプラスチックプレートの裏面図である。 本発明の実施例4に係るプラスチックプレートの一部拡大断面図である。 図22に示すプラスチックプレートの裏面図である。 第1従来例に係るプレートの一部拡大断面図である。 第2,第3従来例に係るプレートの一部拡大断面図である。 第4従来例に係るプレートの外観斜視図である。 第6従来例に係るプレートの一部拡大断面図である。 従来のプレートの反り発生状態を示す外観斜視図である。
符号の説明
1,31,41,51,61……プラスチックプレート、1a,32a,41a,51a,61a……表面、1b,32b,41b,51b,61b……裏面、4,42,53,64……ウェル(凹部)、6,7,8,10,11,13,14,16,17,43……肉盗み部、32……プレート部、33……枠状部、35,36……突起、52……補強用リブ、63……金属体

Claims (11)

  1. 表面側に微小な凹部が複数形成され、裏面側に肉盗み部が形成された板状のプラスチックプレートであって、
    前記複数の凹部の合計容積と前記肉盗み部の容積とがほぼ同じ容積になるように、前記肉盗み部が形成されたことを特徴とするプラスチックプレート。
  2. 前記肉盗み部が複数形成されたことを特徴とする請求項1記載のプラスチックプレート。
  3. 前記肉盗み部が前記凹部と同じ形状であることを特徴とする請求項2記載のプラスチックプレート。
  4. 前記肉盗み部が前記凹部に対して半ピッチずらして形成されたことを特徴とする請求項3記載のプラスチックプレート。
  5. 前記肉盗み部が前記凹部と表裏対称の位置に形成されたことを特徴とする請求項3記載のプラスチックプレート。
  6. プレート部と、このプレート部の周囲を取り囲むように該プレート部に接続された枠状部と、を備えたプラスチックプレートであって、
    前記プレート部の表面側に微小な突起が複数形成され、
    前記プレート部の裏面側に前記突起と同様の突起が複数形成され、
    前記プレート部の板厚方向中央部に対して前記表面側と前記裏面側とで表裏対称形状に形成されたことを特徴とするプラスチックプレート。
  7. 表面側に微小な凹部が形成され、裏面側に補強用リブが突出形成されたことを特徴とする板状のプラスチックプレート。
  8. 樹脂材料を加工することにより、表面側に微小な凹部が形成された板状のプラスチックプレートにおいて、
    前記樹脂材料よりも熱膨張率が小さな材料からなる部材が裏面側に一体化されてなることを特徴とするプラスチックプレート。
  9. 表面に微量試料が散点状に多数付着させられる略平板状のプラスチックプレートであって、裏面側に補強用リブが形成されたことを特徴とするプラスチックプレート。
  10. 表面に微量試料が散点状に多数付着させられる略平板状のプラスチックプレートであって、裏面側に母材としての樹脂材料よりも熱膨張率が小さな材料からなる部材が一体化されてなることを特徴とするプラスチックプレート。
  11. 表面側に微小な凹部が複数形成され、裏面側に肉盗み部が形成された薄板状のプレートであって、
    前記複数の凹部の合計容積と前記複数の肉盗み部の容積とがほぼ同じ容積になるように、前記肉盗み部が形成されたことを特徴とするプレート。
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