JP2005061645A - 基板加熱乾燥装置に設ける換気構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板を加熱して被膜や積層物を乾燥させる際に、基板上に舞い上がる繊維や気化した溶剤を収納部外へ除去して収納部の内面に付着することを防止できることはもちろん、吹出部から吹き出されるのは基板を加熱する温度に近い熱風であるため、基板の被膜や積層物に乾燥ムラが生じることを防止することができ、しかも、加熱部の熱を利用して得られた熱風であるためにランニングコストがほとんどかからない極めて実用性に秀れた画期的な基板加熱乾燥装置に設ける換気構造を提供することを目的としている。
【解決手段】収納部2内には熱風を吹き出す吹出部4と、前記吹出部4から吹き出された熱風を収納部2外へ排出する排気部5とを設け、前記収納部2内に導入する導入気を収納部2内に設けた加熱部3の熱により加熱して前記吹出部4から吹き出す熱風を生成する熱風生成部7を設けた基板加熱乾燥装置に設ける換気構造。
【選択図】 図3
【解決手段】収納部2内には熱風を吹き出す吹出部4と、前記吹出部4から吹き出された熱風を収納部2外へ排出する排気部5とを設け、前記収納部2内に導入する導入気を収納部2内に設けた加熱部3の熱により加熱して前記吹出部4から吹き出す熱風を生成する熱風生成部7を設けた基板加熱乾燥装置に設ける換気構造。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば基板に形成した被膜若しくは積層物を加熱して乾燥させるための基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
電子機器等に用いられる基板は、通常、ガラス板などの基材の表面に被膜を形成したり積層物を積層し、この被膜や積層物を設けた基板を加熱装置により加熱して前記被膜や積層物を乾燥させ、乾燥後、前記加熱により高温状態となった基板を冷却装置によって冷却した後、基板を露光して表面に回路図を形成し、この回路図を形成した基板をアルカリ溶液に含浸させることで前記積層物等を溶解除去し、基板に回路を形成している。
【0003】
基板を乾燥処理するための加熱装置は、搬出入口を有する収納部内に基板を加熱するためのヒータ部を設け、搬出入口から搬入した基板をヒータ部の熱によって加熱することで前記被膜や積層物を乾燥処理し、乾燥後は搬出入口から基板を搬出し、例えば加熱装置と並設した冷却装置内に搬入して冷却処理を行う。
【0004】
ところで、加熱装置により基板を加熱すると、基板から被膜の溶剤が気化したり、例えば積層物として積層した樹脂の繊維が舞い上がったりし、この気化した溶剤や舞い上がった繊維が加熱装置の収納部の内面に付着してべたべたした状態となる。
【0005】
この状態をそのままにしておくと、加熱装置の内面の付着物が更に徐々に増加し、しまいには、例えば天面部に付着した付着物が基板上に落下して基板を使用不能にしてしまうという問題点がある。
【0006】
そのため、この基板の加熱乾燥処理においては、まめに収納部の内面を洗浄して付着物を除去することが必要であり、これにより、基板に付着物が落下しないようにしている。
【0007】
この洗浄作業は非常に煩わしく、しかも、洗浄作業を行っている間は、当然ながら基板の乾燥処理は行うことができず、これにより、製造ラインはストップしてしまうことから、作業性を向上させる妨げともなっていた。
【0008】
そのため、加熱装置の収納部に換気構造を設け、基板の乾燥処理中、換気を行うことで気化した溶剤や舞い上がった繊維を加熱装置外に排出し、これにより、加熱装置の内面に溶剤や繊維が付着することを防止することが提案されている。
【0009】
しかしながら、ヒータ部の加熱により高温状態となっている収納部内に、例えば外気、即ち、常温の空気を単にそのまま導入するだけでは、収納部内の温度が安定せず、これにより、被膜や積層物に乾燥ムラが生じて基板の品質が低下してしまうという問題点がある。
【0010】
そのため、収納部内に、前記収納部に導入する外気を加熱するための熱風生成用ヒータ装置(以下、単にヒータ装置という。)を設け、このヒータ装置に外気を導入することで熱風を生成し、この熱風をフィルターを介して収納部内に吹き出して前記気化した溶剤や舞い上がった繊維と共に加熱装置外に排気することで、加熱装置の温度変化が起こりにくい状態としつつ収納部内面への付着物の付着を抑制することが提案されている。
【0011】
しかしながら、この場合、ヒータ装置は非常に高温まで加熱されることから、このヒータ装置の加熱温度を制御しなければ、吹き出される熱風は非常に高温な状態になってしまい、これにより、今度は基板に設けた被膜や積層物がこの熱風によって溶解してしまうという問題点がある。
【0012】
また、ヒータ装置により熱せられた熱風は、通常、塵や埃といった固形不純物を除去するためにフィルタを一度通過させてから収納部内に吹き出す場合も多く、この場合にはフィルタを通過することで熱風の温度が変化してしまうことから、熱風の温度の制御が一層行いづらくなるという問題点がある。
【0013】
従って、収納部内に吹き込まれる熱風の温度をうまく制御できない場合には、外気をそのまま加熱装置内に吹き込む場合と同様、被膜や積層物の乾燥ムラが生じて基板の品質を劣化させてしまうこととなる。
【0014】
また、基板を乾燥処理するための加熱装置内に外気を加熱するためのヒータ装置を別途設けることは、それだけでコスト高となり、また、ヒータ装置を設けるためのスペースも考慮しなければならないという問題点もある。
【0015】
また、ヒータ装置を稼働させるためのエネルギーも、基板を加熱するヒータ部の稼働とは別途必要となるため、当然ながら、ランニングコストがかかるという問題点もある。
【0016】
従って、前述の換気構造は、実用的とは言い難い。
【0017】
本発明は、上述の問題点に鑑み、鋭意検討研究を重ね、試作を繰り返した後完成したもので、加熱装置の収納部内面に、加熱により生じた溶剤や繊維といった付着物が付着することを防止できることは勿論、基板に設けた被膜や積層物の乾燥ムラを生じさせずに乾燥処理を行うことができ、その上、熱風を生成するための加熱装置を別途設ける必要がなく、よって、熱風を生成するための加熱装置を設置するスペースを収納部内に確保する必要もなく、外気を熱するためのランニングコストもほとんど不要な極めて実用性に秀れた画期的な換気構造を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0019】
表面に被膜を形成若しくは積層物を積層した基板1を収納部2に収納し、前記基板1を前記収納部2内に設けた加熱部3により加熱することで前記被膜若しくは積層物を乾燥させる基板加熱乾燥装置に設ける換気構造であって、前記収納部2内には熱風を吹き出す吹出部4と、前記吹出部4から吹き出された熱風を収納部2外へ排出する排気部5とを設け、前記収納部2内に導入する導入気を前記加熱部3の熱により加熱して前記吹出部4から吹き出す熱風を生成する熱風生成部7を設けたことを特徴とする基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に係るものである。
【0020】
また、前記収納部2に、この収納部2に収納した基板1を載置すると共に前記載置した基板1に前記加熱部3で発生した熱をむらなく伝える伝熱載置部6を設け、この伝熱載置部6に、前記導入気を導入し前記加熱部3の熱により加熱して前記熱風を生成する通気部8を設けて前記熱風生成部7を設けたことを特徴とする請求項1記載の基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に係るものである。
【0021】
また、前記加熱部3により加熱される伝熱載置部6内に前記導入気が流通する管路8Aを設けて前記熱風生成部7を前記伝熱載置部6内に設けたことを特徴とする請求項2記載の基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に係るものである。
【0022】
また、板状に形成した前記伝熱載置部6内に前記管路8Aをその方向が周回状態,蛇行状態,湾曲状態若しくは折曲状態となるようにして熱を受ける管路長が長くなるように設けたことを特徴とする請求項3記載の基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に係るものである。
【0023】
また、前記管路8Aを前記伝熱載置部6の周辺部内に配設したことを特徴とする請求項3,4のいずれか1項に記載の基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に係るものである。
【0024】
また、前記吹出部4を前記伝熱載置部6の上方に突設し、前記排気部5を前記吹出部4の反対側に配設した構成とし、前記吹出部4から吹き出した熱風は前記収納部2内の天面部に沿って移動して前記排気部5から排出するようにしたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に係るものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0026】
表面に被膜を形成若しくは積層物を積層した基板1を収納部2内に収納し、基板1を収納部2に設けた加熱部3によって加熱することで前記被膜若しくは積層物を乾燥処理する。
【0027】
この乾燥処理の際、加熱部3の加熱によって基板1に設けた被膜や例えば樹脂等の積層物から、例えば溶剤が気化したり樹脂の繊維が基板1上に舞い上がる。
【0028】
基板1上に舞い上がった繊維や気化した溶剤などは、収納部2の内面部(特に天面部)に付着する前に、吹出部4から吹き出される熱風により基板1上から吹き飛ばされて排気部5から収納部2外へ排出されて除去され、これにより、舞い上がった繊維や気化した溶剤が収納部2内面に付着することを防止できることとなる。
【0029】
また、吹出部4から吹き出されるのは、例えば常温の外気ではなく、基板1を加熱乾燥処理するための加熱部3の熱により、収納部2内に導入される導入気を加熱して生成された熱風であるため、本発明の換気を行っても収納部2内の温度は変化しづらく、よって、前記被膜や積層物の乾燥ムラの発生を極めて良好に抑制できることとなる。
【0030】
また、吹出部4から吹き出される熱風は、例えば基板1を乾燥処理するために所定の加熱温度に設定された加熱部3によって加熱された導入気であり、即ち、前記熱風は基板1を加熱する温度に非常に近い温度に設定されることとなるため、例えば吹出部4から吹き出される前記熱風の温度が高すぎて、前記被膜や積層物が溶けてしまったり乾燥ムラが生じてしまったりする事態が生じることを防止できることとなる。
【0031】
また、前述のように、吹出部4から吹き出される熱風は、基板1の被膜や積層物を乾燥処理するために所定の加熱温度に設定された加熱部3によって加熱されて得られるため、従来煩わしいとされていた熱風の温度制御作業を行う必要がほどんどない。
【0032】
また、前述のように、吹出部4から吹き出される熱風は、基板1の被膜や積層物を乾燥処理するための加熱部3を利用して生成されるため、熱風を生成するためだけの加熱装置を別途設ける必要はなく、よって、装置が複雑となることがなくコスト安に実現できることとなる。
【0033】
また、熱風を加熱部3の熱を利用して生成できることから、熱風を生成するためのランニングコストはほとんどかからないこととなる。
【0034】
従って、本発明は、基板1を加熱して被膜や積層物を乾燥させる際に、基板1上に舞い上がる繊維や気化した溶剤を収納部2外へ除去して収納部2の内面に付着することを防止できることは勿論、吹出部4から吹き出されるのは基板1を加熱する温度に近い熱風であるため、基板1の前記被膜や積層物に乾燥ムラが生じることを防止することができ、しかも、加熱部3の熱を利用して得られた熱風であるためにランニングコストがほとんどかからない極めて実用性に秀れた画期的な基板加熱乾燥装置に設ける換気構造となる。
【0035】
また、例えば、前記収納部2に、この収納部2に収納した基板1を載置すると共に前記載置した基板1に前記加熱部3で発生した熱をむらなく伝える伝熱載置部6を設け、この伝熱載置部6に、前記導入気を導入し前記加熱部3の熱により加熱して前記熱風を生成する通気部8を設けて前記熱風生成部7を設ければ、収納部2に収納し得る種々の大きさの基板1に加熱部3で発生した熱をむらなく伝えて前記基板1を略均等に加熱でき、これにより、基板1の被膜や積層物に乾燥ムラが生じないように乾燥処理を施すことができることとなる。
【0036】
また、伝熱載置部6は、加熱部3の熱により基板1を乾燥可能な温度まで加熱されるため、この伝熱載置部6に設けた前記熱風生成部7となる通気部8に導入気を導入するだけで、この導入気は加熱された伝熱載置部6によって加熱され、これにより、熱風を生成できることとなるなど、一層実用的となる。
【0037】
また、例えば、前記加熱部3により加熱される伝熱載置部6内に前記導入気が流通する管路8Aを設けて前記熱風生成部7を前記伝熱載置部6内に設ければ、この管路8A全体が加熱部3の熱により加熱された状態であるため、前記管路8に導入気を単に流通するだけで前記導入気を効率良く加熱することができ、よって、簡易な構成にして容易に熱風を確実に生成できることとなるなど、一層実用的となる。
【0038】
また、例えば、板状に形成した前記伝熱載置部6内に前記管路8Aをその方向が周回状態,蛇行状態,湾曲状態若しくは折曲状態となるようにして熱を受ける管路長が長くなるように設ければ、基板1に効率良く熱を伝えられるように伝熱載置部6を形成でき、また、伝熱載置部6を板状とすることで、加熱装置をコンパクトに形成することも可能となる。
【0039】
また、管路8Aを伝熱載置部6に前記熱風を生成するに必要十分な長さ設けることができ、これにより、流通するだけで熱風を確実に生成することができる管路8Aを設けられることとなるなど、一層実用的となる。
【0040】
また、例えば、前記管路8Aを前記伝熱載置部6の周辺部内に配設すれば、例えば、仮に伝熱載置部6の中央部に前記伝熱載置部6に載置した基板1を移動させるための移動手段を設けたとしても、この移動手段の作動を妨げることなく伝熱載置部6の余分なスペースに前記管路8Aを設けられることとなり、これにより、伝熱載置部6のスペースを有効利用して管路8Aを設けることも可能となるなど、一層実用的となる。
【0041】
また、例えば、前記吹出部4を前記伝熱載置部6の上方に突設し、前記排気部5を前記吹出部4の反対側に配設した構成とし、前記吹出部4から吹き出した熱風は前記収納部2内の天面部に沿って移動して前記排気部5から排出するようにすれば、吹出部4から吹き出した熱風を天面部に沿って移動させてそのまま排気部5から収納部2外へ排出できるため、伝熱載置部6に載置する基板1に熱風が直接当たったり、熱風が内面に当たって跳ね返って基板1に当たったりすることがなく、基板1に影響を与えない状態で吹出部4から収納部2内に熱風を吹き出すことができ、これにより、基板1表面の被膜や積層物を一層良好に乾燥処理できることとなるなど、一層実用的となる。
【0042】
【実施例】
図面は本発明の一実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0043】
本実施例は、表面に被膜を形成若しくは積層物を積層した基板1を収納部2に収納し、前記基板1を前記収納部2内に設けた加熱部3により加熱することで、前記被膜若しくは積層物を乾燥させる基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に関するものである。
【0044】
尚、図1は、基板1を乾燥処理するための加熱装置、及び、乾燥処理により加熱された基板1を冷却するための冷却装置を上下方向に複数段配設したHP−CP装置(ホットプレート・コールドプレート装置)の全体を示したものである。
【0045】
収納部2には、熱風を吹き出す吹出部4と、前記吹出部4から吹き出された熱風を収納部2外へ排出する排気部5とを設け、前記収納部2内に導入する導入気を前記加熱部3の熱により加熱して前記吹出部4から吹き出す熱風を生成する熱風生成部7を設けている。
【0046】
尚、本実施例では、収納部2内に導入する導入気として外気、即ち、空気を採用している。しかしながら、本実施例の作用効果を発揮することができれば空気以外でも良く、例えば窒素などを採用しても良い。
【0047】
具体的には、断熱材により形成される収納部2に基板1を搬出入するための搬出入口9を設け、加熱部3上には、収納部2に収納した基板1を載置すると共に前記載置した基板1に前記加熱部3で発生した熱をむらなく伝える伝熱載置部6を設けた構成としている。
【0048】
搬出入口9には、この搬出入口9を開閉自在とする、断熱材により形成されたシャッタ14を設けた構成としている。
【0049】
加熱部3と伝熱載置部6とは、加熱部3の熱を伝熱載置部6に良好に伝え得る状態に並設した構成としている。
【0050】
具体的には、伝熱載置部6として、板状で方形状の金属製均熱板6(以下、単に均熱板6という。)を採用している。
【0051】
また、この均熱板6の大きさは、収納部2内に収納し得る基板1の大きさよりもやや大きめに設定している。尚、本実施例では、収納部2に収納できる最も大きな基板1よりも、やや大きめに前記均熱板6を形成している。
【0052】
伝熱載置部6として、板状の均熱板6を採用したのは、加熱部3の熱を均熱板6の全体に効率良く伝えて前記均熱板6を効率良く加熱できるようにするためである。
【0053】
また、均熱板6の大きさを収納部2に収納できる基板1の大きさよりもやや大きめに設定したのは、種々の大きさの基板1を効率良く、乾燥ムラを生じさせることなく乾燥処理できるようにするためである。
【0054】
従って、均熱板6に基板1を、熱を伝え易い密着した状態で載置できると共に、この均熱板6を加熱部3の熱で加熱することで、基板1の全体を効率良く加熱し、乾燥ムラを生じさせることなく良好に乾燥処理することができる。
【0055】
均熱板6に、収納部2内に導入する導入気を加熱部3の熱により加熱して吹出部4から吹き出す熱風を生成する通気部8を設けて前記均熱板6に前記熱風生成部7を設けた構成としている。
【0056】
具体的には、加熱部3により加熱される均熱板6内に導入気が流通する管路8Aを設けて前記通気部8とし、これにより、前記熱風生成部7を前記均熱板6内に設けた構成としている。
【0057】
管路8Aを均熱板6内に設けたのは、加熱部3の熱により均熱板6が加熱された際、管路8A全体が加熱されて、この全体が加熱された管路8Aに外気を流通することで、効率良く前記外気を加熱して熱風を容易に生成できるようにするためである。
【0058】
尚、本実施例では、均熱板6内に管路8A(通気部8)を設けて均熱板6に熱風生成部7を設けた構成としたが、熱風を形成することができる構成であれば適宜採用しても良く、例えば、均熱板6の外面に管路8A(通気部8)を付設して均熱板6に熱風生成部7を設けた構成としても良い。
【0059】
管路8Aを、均熱板6内に周回状態,蛇行状態,湾曲状態若しくは折曲状態に設けた構成としている。
【0060】
具体的には、管路8Aを、均熱板6の周辺部内に周回状態に設けた構成としている。
【0061】
即ち、本実施例では、均熱板6の周辺部内を前記均熱板6の外縁に沿って略一周するように管路8Aを設けた構成としている。
【0062】
管路8Aを均熱板6の周辺部内に前記均熱板6の外縁に沿って略一周するように設けたのは、均熱板6の余分なスペースを有効利用するためである。
【0063】
即ち、管路8Aは、乾燥処理時にも基板1が当接しない均熱板6の周辺部内に設けられることから、均熱板6の所謂デッドスペースを管路8Aの配設に有効利用することができる。
【0064】
また、本実施例では図示してしないが、均熱板6の周辺部よりも中央部よりには、均熱板6に対して基板1を移動させるための移動手段を設けている。
【0065】
即ち、加熱部3の下部に、先端が加熱部3を貫通して均熱板6から突没自在に構成したリフトピンを複数、摺動自在に設けている。
【0066】
また、加熱部3及び均熱板6には、リフトピンを通過可能な通過部(通過孔)を設けている。
【0067】
従って、本実施例では、均熱板6に対して基板1を持ち上げ移動するリフトピンの作動を妨げることのない部位に管路8Aを設けることとなり、よって、基板加熱乾燥装置としての機能をなんら妨げることなく、管路8Aを設けることができる。
【0068】
尚、本実施例では、管路8Aを周回状態、即ち均熱板6の周辺部内にして前記均熱板6の外縁に沿って略一周するように設けた構成としたが、基板1の加熱乾燥処理を妨げることなく、外気を熱風にすることができる構成であれば適宜採用しても良く、例えば管路8Aを、均熱板6の周辺部内を半周するように設けても良いし、複数回、周回するように設けても良い。また、必要に応じて均熱板6の周辺部外、即ち均熱板6周辺部よりも中央寄りに管路8Aを周回状態で設けても良い。
【0069】
また、管路8Aを、均熱板6内で平面方向に蛇行するように設けても良い。この際、管路8Aが均熱板6の全面に満遍なく配設されるように蛇行させても良いし、均熱板6内の一部を蛇行するようにしても良い。また、蛇行させながら周回状態に設けても良い。また、前記リフトピンをこの蛇行する管路8A間に挿通するように配設すると良い。
【0070】
また、管路8Aを、均熱板6内で平面方向に湾曲するように設けても良い。即ち、例えば管路8Aを均熱板6内にJ字状に設けても良い。
【0071】
また、管路8Aを、均熱板6内で平面方向に折曲するように設けても良い。即ち、例えば管路8Aを均熱板6内にL字状に設けても良いし、Z字状に設けても良い。
【0072】
管路8Aの一端部に外気を流出するCDA(クリーンドライエア)を連設し、このCDAにより管路8A内に外気を導入して、管路8Aの他端部から熱風となった前記外気を吹き出す構成としている。
【0073】
即ち、管路8Aの他端部に前記吹出部4を、前記均熱板6に対して上方に突出するように設け、この吹出部4の反対側に、収納部2内の空気を収納部2外へ排出する排気部5を配設している。
【0074】
吹出部4と排気部5とを、前述の位置関係に設けたのは、吹出部4から吹き出された熱風を収納部2内の天面部に沿って移動させ、そのまま排気部5からスムーズに排出できるようにするためである。
【0075】
これにより、収納部2内に空気の流れを形成することができ、基板1を加熱することで前記基板1上に舞い上がる繊維や気化した溶剤をこの空気の流れによって移動させて収納部2外へ排出し、よって、天面部に前記繊維や溶剤を付着することを良好に防止することができる。
【0076】
具体的には、吹出部4としては、図2に示すように、T字形配管4Aを採用し、このT字形配管4Aの下端部を管路8Aの他端部に連設し、上端部長さ方向に複数設けた吹き出し孔(図示省略)から熱風を吹き出す構成としている。
【0077】
これは、配管8Aの他端部から吹き出される熱風を、基板1の上方に満遍なく流通させるようにするためである。
【0078】
尚、本実施例では、吹出部4としてT字形配管4Aを設けた構成としたが、収納部2内に前述した空気の流れを形成できるものであれば、どのような形状の配管を吹出部4として採用しても良い。
【0079】
図5,図6は、本実施例の吹出部4の別例を示したもので、前記T字形配管4Aの均熱板6に対する突出度合いを大きく設定したものである。
【0080】
この別例によれば、基板1の上方に位置するT字形配管4Aの吹き出し孔から、水平方向に熱風を吹き出して排気部5から排気することができる。
【0081】
排気部5としては、断熱配管5Aを採用している。
【0082】
具体的には、図2,5に示すように、吹出部4の反対側にあたる収納部2の側部に、前記T字形配管4Aの上端部長さ方向に複数設けた吹き出し孔と略対向する位置に排気孔15を複数設けた第一配管5aと、この第一配管5aの略中央部に付設され前記第一配管5aを介して収納部2内の熱風を収納部2外に排気する第二配管5bとで前記排気部5を構成している。
【0083】
これより、収納部2内に発生した気化した溶剤や舞い上がった繊維等は、高温状態のままで断熱配管5A内を挿通していくこととなり、これにより、舞い上がった繊維や気化した溶剤が排気部5から収納部2外へ排出された際に、温度が急に低下して断熱配管5A内面に付着することを防止することができる。
【0084】
更に本実施例では、断熱配管5Aの端部(即ち第二配管5bの端部)に冷却部10を設けた構成としている。
【0085】
即ち、収納部2内から高温状態で第一配管5a及び第二配管5b内を通過する気化した溶剤や舞い上がった繊維を、この断熱配管5Aの端部に設けた冷却部10により冷却することで採取し得るように構成している。
【0086】
これにより、基板1の被膜や積層物を乾燥処理することで生じる前記繊維や溶剤を一カ所でまとめて採取して廃棄することができ、よって、前記溶剤や繊維の所定部位への付着を防止してメンテナンスの手間を軽減することができる。
【0087】
また、冷却部10によって前記溶剤や繊維を取り除いた空気を、オートダンパー11を介して外部へ排出し得るように構成している。
【0088】
搬出入口9近傍の収納部2壁部に保温機構12を設けた構成としている。
【0089】
具体的には、搬出入口9の近傍の収納部2壁部にヒータ装置を設けた構成としている。
【0090】
これは、基板1の搬出入の際に外気が搬出入口9から流入し、これにより、搬出入口9の近傍の収納部2壁部の温度が低下し、この温度が低下した収納部2の壁部に、前記繊維や溶剤が付着してしまうことを防止するためである。
【0091】
これにより、搬出入口9において基板1の搬出入を繰り返し、その都度、搬出入口9から外気が収納部2内に流入しても、この外気の流入によって最も温度が低下し易いといえる搬出入口9近傍の壁部に、前記繊維や溶剤が付着することを防止することができる。
【0092】
更に具体的には、本実施例では、保温機構12としてラバーヒータ12Aを採用し、このラバーヒータ12Aを搬出入口9の上部壁部に設けた構成としている。
【0093】
このラバーヒータは、少なくとも基板1を加熱することで生じる前記繊維や溶剤が極めて付着しにくい温度に設定可能に構成されている。
【0094】
尚、図中符号13は管路8Aから吹き出される熱風から細かな塵や埃を除去するためのフィルターである。
【0095】
また、本実施例では、加熱部3の熱により加熱された均熱板6(伝熱載置部6)に設けた通気部8に外気を流通することで、この外気を加熱して熱風を生成する構成としたが、加熱部3に通気部8を設けてこの加熱部3に設けた通気部8に外気を流通することで熱風を形成する構成としても良い。この場合には、熱風を吹き出す吹出部4は、加熱部3から基板1上方に向けて突設する構成とすると良い。
【0096】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【0097】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したから、加熱装置の収納部内面に、加熱により生じた溶剤や繊維といった付着物が付着することを防止できることは勿論、基板に設けた被膜や積層物の乾燥ムラを生じさせずに乾燥処理を行うことができ、その上、熱風を生成するための加熱装置を別途設ける必要がなく、よって、熱風を生成するための加熱装置を設置するスペースを収納部内に確保する必要もなく、外気を熱するためのランニングコストもほとんど不要な極めて実用性に秀れた画期的な基板加熱乾燥装置に設ける換気構造となる。
【0098】
また、請求項2記載の発明においては、収納部に収納し得る種々の大きさの基板に加熱部で発生した熱をむらなく伝えて前記基板を略均等に加熱でき、これにより、基板の被膜や積層物に乾燥ムラが生じないように乾燥処理を施すことができる。
【0099】
また、伝熱載置部は、加熱部の熱により基板を乾燥可能な温度まで加熱されるため、この伝熱載置部に設けた前記熱風生成部となる通気部に導入気を導入するだけで、この導入気は加熱された伝熱載置部によって加熱され、これにより、熱風を生成することができる極めて実用性に秀れた画期的な基板加熱乾燥装置に設ける換気構造となる。
【0100】
また、請求項3記載の発明においては、この管路全体が加熱部の熱により加熱された状態であるため、前記管路に導入気を単に流通するだけで前記導入気を効率良く加熱することができ、よって、簡易な構成にして容易に熱風を確実に生成することができる極めて実用性に秀れた画期的な基板加熱乾燥装置に設ける換気構造となる。
【0101】
また、請求項4記載の発明においては、基板に熱を効率良く伝えられるように伝熱載置部を形成でき、また、伝熱載置部を板状とすることで、加熱装置をコンパクトに形成することも可能となる。
【0102】
また、管路を伝熱載置部に前記熱風を生成するに必要十分な長さ配設することができ、これにより、流通するだけで熱風を確実に生成することができる管路を設けることができる極めて実用性に秀れた画期的な基板加熱乾燥装置に設ける換気構造となる。
【0103】
また、請求項5記載の発明においては、例えば、仮に伝熱載置部の中央部に前記伝熱載置部に載置した基板を移動させるための移動手段を設けたとしても、この移動手段の作動を妨げる事なく余分なスペースに前記管路を設けられることとなり、これにより、伝熱載置部のスペースを有効利用して管路を設けることも可能となる極めて実用性に秀れた画期的な基板加熱乾燥装置に設ける換気構造となる。
【0104】
また、請求項6記載の発明においては、吹出部から吹き出した熱風を天面部に沿って移動させてそのまま排気部から収納部外へ排出できるため、伝熱載置部に載置する基板に熱風が直接当たったり、熱風が内面に当たって跳ね返って基板に当たったりすることがなく、基板に影響を与えない状態で吹出部から収納部内に熱風を吹き出すことができ、これにより、基板表面の被膜や積層物を一層良好に乾燥処理することができる極めて実用性に秀れた画期的な基板加熱乾燥装置に設ける換気構造となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の換気構造を設けた基板加熱乾燥装置及び冷却装置を並設したHP−CP装置(ホットプレート・コールドプレート装置)を示す全体説明斜視図である。
【図2】本実施例の使用状態を示す説明斜視図である。
【図3】本実施例の使用状態を示す説明断面図である。
【図4】本実施例の管路を設けた均熱板を要部を切り欠いた状態で示す説明平面図である。
【図5】本実施例の吹出部の別例を示す説明斜視図である。
【図6】本実施例の吹出部の別例を示す説明断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 収納部
3 加熱部
4 吹出部
5 排気部
6 伝熱載置部
7 熱風形成部
8 通気部
8A 管路
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば基板に形成した被膜若しくは積層物を加熱して乾燥させるための基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
電子機器等に用いられる基板は、通常、ガラス板などの基材の表面に被膜を形成したり積層物を積層し、この被膜や積層物を設けた基板を加熱装置により加熱して前記被膜や積層物を乾燥させ、乾燥後、前記加熱により高温状態となった基板を冷却装置によって冷却した後、基板を露光して表面に回路図を形成し、この回路図を形成した基板をアルカリ溶液に含浸させることで前記積層物等を溶解除去し、基板に回路を形成している。
【0003】
基板を乾燥処理するための加熱装置は、搬出入口を有する収納部内に基板を加熱するためのヒータ部を設け、搬出入口から搬入した基板をヒータ部の熱によって加熱することで前記被膜や積層物を乾燥処理し、乾燥後は搬出入口から基板を搬出し、例えば加熱装置と並設した冷却装置内に搬入して冷却処理を行う。
【0004】
ところで、加熱装置により基板を加熱すると、基板から被膜の溶剤が気化したり、例えば積層物として積層した樹脂の繊維が舞い上がったりし、この気化した溶剤や舞い上がった繊維が加熱装置の収納部の内面に付着してべたべたした状態となる。
【0005】
この状態をそのままにしておくと、加熱装置の内面の付着物が更に徐々に増加し、しまいには、例えば天面部に付着した付着物が基板上に落下して基板を使用不能にしてしまうという問題点がある。
【0006】
そのため、この基板の加熱乾燥処理においては、まめに収納部の内面を洗浄して付着物を除去することが必要であり、これにより、基板に付着物が落下しないようにしている。
【0007】
この洗浄作業は非常に煩わしく、しかも、洗浄作業を行っている間は、当然ながら基板の乾燥処理は行うことができず、これにより、製造ラインはストップしてしまうことから、作業性を向上させる妨げともなっていた。
【0008】
そのため、加熱装置の収納部に換気構造を設け、基板の乾燥処理中、換気を行うことで気化した溶剤や舞い上がった繊維を加熱装置外に排出し、これにより、加熱装置の内面に溶剤や繊維が付着することを防止することが提案されている。
【0009】
しかしながら、ヒータ部の加熱により高温状態となっている収納部内に、例えば外気、即ち、常温の空気を単にそのまま導入するだけでは、収納部内の温度が安定せず、これにより、被膜や積層物に乾燥ムラが生じて基板の品質が低下してしまうという問題点がある。
【0010】
そのため、収納部内に、前記収納部に導入する外気を加熱するための熱風生成用ヒータ装置(以下、単にヒータ装置という。)を設け、このヒータ装置に外気を導入することで熱風を生成し、この熱風をフィルターを介して収納部内に吹き出して前記気化した溶剤や舞い上がった繊維と共に加熱装置外に排気することで、加熱装置の温度変化が起こりにくい状態としつつ収納部内面への付着物の付着を抑制することが提案されている。
【0011】
しかしながら、この場合、ヒータ装置は非常に高温まで加熱されることから、このヒータ装置の加熱温度を制御しなければ、吹き出される熱風は非常に高温な状態になってしまい、これにより、今度は基板に設けた被膜や積層物がこの熱風によって溶解してしまうという問題点がある。
【0012】
また、ヒータ装置により熱せられた熱風は、通常、塵や埃といった固形不純物を除去するためにフィルタを一度通過させてから収納部内に吹き出す場合も多く、この場合にはフィルタを通過することで熱風の温度が変化してしまうことから、熱風の温度の制御が一層行いづらくなるという問題点がある。
【0013】
従って、収納部内に吹き込まれる熱風の温度をうまく制御できない場合には、外気をそのまま加熱装置内に吹き込む場合と同様、被膜や積層物の乾燥ムラが生じて基板の品質を劣化させてしまうこととなる。
【0014】
また、基板を乾燥処理するための加熱装置内に外気を加熱するためのヒータ装置を別途設けることは、それだけでコスト高となり、また、ヒータ装置を設けるためのスペースも考慮しなければならないという問題点もある。
【0015】
また、ヒータ装置を稼働させるためのエネルギーも、基板を加熱するヒータ部の稼働とは別途必要となるため、当然ながら、ランニングコストがかかるという問題点もある。
【0016】
従って、前述の換気構造は、実用的とは言い難い。
【0017】
本発明は、上述の問題点に鑑み、鋭意検討研究を重ね、試作を繰り返した後完成したもので、加熱装置の収納部内面に、加熱により生じた溶剤や繊維といった付着物が付着することを防止できることは勿論、基板に設けた被膜や積層物の乾燥ムラを生じさせずに乾燥処理を行うことができ、その上、熱風を生成するための加熱装置を別途設ける必要がなく、よって、熱風を生成するための加熱装置を設置するスペースを収納部内に確保する必要もなく、外気を熱するためのランニングコストもほとんど不要な極めて実用性に秀れた画期的な換気構造を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0019】
表面に被膜を形成若しくは積層物を積層した基板1を収納部2に収納し、前記基板1を前記収納部2内に設けた加熱部3により加熱することで前記被膜若しくは積層物を乾燥させる基板加熱乾燥装置に設ける換気構造であって、前記収納部2内には熱風を吹き出す吹出部4と、前記吹出部4から吹き出された熱風を収納部2外へ排出する排気部5とを設け、前記収納部2内に導入する導入気を前記加熱部3の熱により加熱して前記吹出部4から吹き出す熱風を生成する熱風生成部7を設けたことを特徴とする基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に係るものである。
【0020】
また、前記収納部2に、この収納部2に収納した基板1を載置すると共に前記載置した基板1に前記加熱部3で発生した熱をむらなく伝える伝熱載置部6を設け、この伝熱載置部6に、前記導入気を導入し前記加熱部3の熱により加熱して前記熱風を生成する通気部8を設けて前記熱風生成部7を設けたことを特徴とする請求項1記載の基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に係るものである。
【0021】
また、前記加熱部3により加熱される伝熱載置部6内に前記導入気が流通する管路8Aを設けて前記熱風生成部7を前記伝熱載置部6内に設けたことを特徴とする請求項2記載の基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に係るものである。
【0022】
また、板状に形成した前記伝熱載置部6内に前記管路8Aをその方向が周回状態,蛇行状態,湾曲状態若しくは折曲状態となるようにして熱を受ける管路長が長くなるように設けたことを特徴とする請求項3記載の基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に係るものである。
【0023】
また、前記管路8Aを前記伝熱載置部6の周辺部内に配設したことを特徴とする請求項3,4のいずれか1項に記載の基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に係るものである。
【0024】
また、前記吹出部4を前記伝熱載置部6の上方に突設し、前記排気部5を前記吹出部4の反対側に配設した構成とし、前記吹出部4から吹き出した熱風は前記収納部2内の天面部に沿って移動して前記排気部5から排出するようにしたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に係るものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0026】
表面に被膜を形成若しくは積層物を積層した基板1を収納部2内に収納し、基板1を収納部2に設けた加熱部3によって加熱することで前記被膜若しくは積層物を乾燥処理する。
【0027】
この乾燥処理の際、加熱部3の加熱によって基板1に設けた被膜や例えば樹脂等の積層物から、例えば溶剤が気化したり樹脂の繊維が基板1上に舞い上がる。
【0028】
基板1上に舞い上がった繊維や気化した溶剤などは、収納部2の内面部(特に天面部)に付着する前に、吹出部4から吹き出される熱風により基板1上から吹き飛ばされて排気部5から収納部2外へ排出されて除去され、これにより、舞い上がった繊維や気化した溶剤が収納部2内面に付着することを防止できることとなる。
【0029】
また、吹出部4から吹き出されるのは、例えば常温の外気ではなく、基板1を加熱乾燥処理するための加熱部3の熱により、収納部2内に導入される導入気を加熱して生成された熱風であるため、本発明の換気を行っても収納部2内の温度は変化しづらく、よって、前記被膜や積層物の乾燥ムラの発生を極めて良好に抑制できることとなる。
【0030】
また、吹出部4から吹き出される熱風は、例えば基板1を乾燥処理するために所定の加熱温度に設定された加熱部3によって加熱された導入気であり、即ち、前記熱風は基板1を加熱する温度に非常に近い温度に設定されることとなるため、例えば吹出部4から吹き出される前記熱風の温度が高すぎて、前記被膜や積層物が溶けてしまったり乾燥ムラが生じてしまったりする事態が生じることを防止できることとなる。
【0031】
また、前述のように、吹出部4から吹き出される熱風は、基板1の被膜や積層物を乾燥処理するために所定の加熱温度に設定された加熱部3によって加熱されて得られるため、従来煩わしいとされていた熱風の温度制御作業を行う必要がほどんどない。
【0032】
また、前述のように、吹出部4から吹き出される熱風は、基板1の被膜や積層物を乾燥処理するための加熱部3を利用して生成されるため、熱風を生成するためだけの加熱装置を別途設ける必要はなく、よって、装置が複雑となることがなくコスト安に実現できることとなる。
【0033】
また、熱風を加熱部3の熱を利用して生成できることから、熱風を生成するためのランニングコストはほとんどかからないこととなる。
【0034】
従って、本発明は、基板1を加熱して被膜や積層物を乾燥させる際に、基板1上に舞い上がる繊維や気化した溶剤を収納部2外へ除去して収納部2の内面に付着することを防止できることは勿論、吹出部4から吹き出されるのは基板1を加熱する温度に近い熱風であるため、基板1の前記被膜や積層物に乾燥ムラが生じることを防止することができ、しかも、加熱部3の熱を利用して得られた熱風であるためにランニングコストがほとんどかからない極めて実用性に秀れた画期的な基板加熱乾燥装置に設ける換気構造となる。
【0035】
また、例えば、前記収納部2に、この収納部2に収納した基板1を載置すると共に前記載置した基板1に前記加熱部3で発生した熱をむらなく伝える伝熱載置部6を設け、この伝熱載置部6に、前記導入気を導入し前記加熱部3の熱により加熱して前記熱風を生成する通気部8を設けて前記熱風生成部7を設ければ、収納部2に収納し得る種々の大きさの基板1に加熱部3で発生した熱をむらなく伝えて前記基板1を略均等に加熱でき、これにより、基板1の被膜や積層物に乾燥ムラが生じないように乾燥処理を施すことができることとなる。
【0036】
また、伝熱載置部6は、加熱部3の熱により基板1を乾燥可能な温度まで加熱されるため、この伝熱載置部6に設けた前記熱風生成部7となる通気部8に導入気を導入するだけで、この導入気は加熱された伝熱載置部6によって加熱され、これにより、熱風を生成できることとなるなど、一層実用的となる。
【0037】
また、例えば、前記加熱部3により加熱される伝熱載置部6内に前記導入気が流通する管路8Aを設けて前記熱風生成部7を前記伝熱載置部6内に設ければ、この管路8A全体が加熱部3の熱により加熱された状態であるため、前記管路8に導入気を単に流通するだけで前記導入気を効率良く加熱することができ、よって、簡易な構成にして容易に熱風を確実に生成できることとなるなど、一層実用的となる。
【0038】
また、例えば、板状に形成した前記伝熱載置部6内に前記管路8Aをその方向が周回状態,蛇行状態,湾曲状態若しくは折曲状態となるようにして熱を受ける管路長が長くなるように設ければ、基板1に効率良く熱を伝えられるように伝熱載置部6を形成でき、また、伝熱載置部6を板状とすることで、加熱装置をコンパクトに形成することも可能となる。
【0039】
また、管路8Aを伝熱載置部6に前記熱風を生成するに必要十分な長さ設けることができ、これにより、流通するだけで熱風を確実に生成することができる管路8Aを設けられることとなるなど、一層実用的となる。
【0040】
また、例えば、前記管路8Aを前記伝熱載置部6の周辺部内に配設すれば、例えば、仮に伝熱載置部6の中央部に前記伝熱載置部6に載置した基板1を移動させるための移動手段を設けたとしても、この移動手段の作動を妨げることなく伝熱載置部6の余分なスペースに前記管路8Aを設けられることとなり、これにより、伝熱載置部6のスペースを有効利用して管路8Aを設けることも可能となるなど、一層実用的となる。
【0041】
また、例えば、前記吹出部4を前記伝熱載置部6の上方に突設し、前記排気部5を前記吹出部4の反対側に配設した構成とし、前記吹出部4から吹き出した熱風は前記収納部2内の天面部に沿って移動して前記排気部5から排出するようにすれば、吹出部4から吹き出した熱風を天面部に沿って移動させてそのまま排気部5から収納部2外へ排出できるため、伝熱載置部6に載置する基板1に熱風が直接当たったり、熱風が内面に当たって跳ね返って基板1に当たったりすることがなく、基板1に影響を与えない状態で吹出部4から収納部2内に熱風を吹き出すことができ、これにより、基板1表面の被膜や積層物を一層良好に乾燥処理できることとなるなど、一層実用的となる。
【0042】
【実施例】
図面は本発明の一実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0043】
本実施例は、表面に被膜を形成若しくは積層物を積層した基板1を収納部2に収納し、前記基板1を前記収納部2内に設けた加熱部3により加熱することで、前記被膜若しくは積層物を乾燥させる基板加熱乾燥装置に設ける換気構造に関するものである。
【0044】
尚、図1は、基板1を乾燥処理するための加熱装置、及び、乾燥処理により加熱された基板1を冷却するための冷却装置を上下方向に複数段配設したHP−CP装置(ホットプレート・コールドプレート装置)の全体を示したものである。
【0045】
収納部2には、熱風を吹き出す吹出部4と、前記吹出部4から吹き出された熱風を収納部2外へ排出する排気部5とを設け、前記収納部2内に導入する導入気を前記加熱部3の熱により加熱して前記吹出部4から吹き出す熱風を生成する熱風生成部7を設けている。
【0046】
尚、本実施例では、収納部2内に導入する導入気として外気、即ち、空気を採用している。しかしながら、本実施例の作用効果を発揮することができれば空気以外でも良く、例えば窒素などを採用しても良い。
【0047】
具体的には、断熱材により形成される収納部2に基板1を搬出入するための搬出入口9を設け、加熱部3上には、収納部2に収納した基板1を載置すると共に前記載置した基板1に前記加熱部3で発生した熱をむらなく伝える伝熱載置部6を設けた構成としている。
【0048】
搬出入口9には、この搬出入口9を開閉自在とする、断熱材により形成されたシャッタ14を設けた構成としている。
【0049】
加熱部3と伝熱載置部6とは、加熱部3の熱を伝熱載置部6に良好に伝え得る状態に並設した構成としている。
【0050】
具体的には、伝熱載置部6として、板状で方形状の金属製均熱板6(以下、単に均熱板6という。)を採用している。
【0051】
また、この均熱板6の大きさは、収納部2内に収納し得る基板1の大きさよりもやや大きめに設定している。尚、本実施例では、収納部2に収納できる最も大きな基板1よりも、やや大きめに前記均熱板6を形成している。
【0052】
伝熱載置部6として、板状の均熱板6を採用したのは、加熱部3の熱を均熱板6の全体に効率良く伝えて前記均熱板6を効率良く加熱できるようにするためである。
【0053】
また、均熱板6の大きさを収納部2に収納できる基板1の大きさよりもやや大きめに設定したのは、種々の大きさの基板1を効率良く、乾燥ムラを生じさせることなく乾燥処理できるようにするためである。
【0054】
従って、均熱板6に基板1を、熱を伝え易い密着した状態で載置できると共に、この均熱板6を加熱部3の熱で加熱することで、基板1の全体を効率良く加熱し、乾燥ムラを生じさせることなく良好に乾燥処理することができる。
【0055】
均熱板6に、収納部2内に導入する導入気を加熱部3の熱により加熱して吹出部4から吹き出す熱風を生成する通気部8を設けて前記均熱板6に前記熱風生成部7を設けた構成としている。
【0056】
具体的には、加熱部3により加熱される均熱板6内に導入気が流通する管路8Aを設けて前記通気部8とし、これにより、前記熱風生成部7を前記均熱板6内に設けた構成としている。
【0057】
管路8Aを均熱板6内に設けたのは、加熱部3の熱により均熱板6が加熱された際、管路8A全体が加熱されて、この全体が加熱された管路8Aに外気を流通することで、効率良く前記外気を加熱して熱風を容易に生成できるようにするためである。
【0058】
尚、本実施例では、均熱板6内に管路8A(通気部8)を設けて均熱板6に熱風生成部7を設けた構成としたが、熱風を形成することができる構成であれば適宜採用しても良く、例えば、均熱板6の外面に管路8A(通気部8)を付設して均熱板6に熱風生成部7を設けた構成としても良い。
【0059】
管路8Aを、均熱板6内に周回状態,蛇行状態,湾曲状態若しくは折曲状態に設けた構成としている。
【0060】
具体的には、管路8Aを、均熱板6の周辺部内に周回状態に設けた構成としている。
【0061】
即ち、本実施例では、均熱板6の周辺部内を前記均熱板6の外縁に沿って略一周するように管路8Aを設けた構成としている。
【0062】
管路8Aを均熱板6の周辺部内に前記均熱板6の外縁に沿って略一周するように設けたのは、均熱板6の余分なスペースを有効利用するためである。
【0063】
即ち、管路8Aは、乾燥処理時にも基板1が当接しない均熱板6の周辺部内に設けられることから、均熱板6の所謂デッドスペースを管路8Aの配設に有効利用することができる。
【0064】
また、本実施例では図示してしないが、均熱板6の周辺部よりも中央部よりには、均熱板6に対して基板1を移動させるための移動手段を設けている。
【0065】
即ち、加熱部3の下部に、先端が加熱部3を貫通して均熱板6から突没自在に構成したリフトピンを複数、摺動自在に設けている。
【0066】
また、加熱部3及び均熱板6には、リフトピンを通過可能な通過部(通過孔)を設けている。
【0067】
従って、本実施例では、均熱板6に対して基板1を持ち上げ移動するリフトピンの作動を妨げることのない部位に管路8Aを設けることとなり、よって、基板加熱乾燥装置としての機能をなんら妨げることなく、管路8Aを設けることができる。
【0068】
尚、本実施例では、管路8Aを周回状態、即ち均熱板6の周辺部内にして前記均熱板6の外縁に沿って略一周するように設けた構成としたが、基板1の加熱乾燥処理を妨げることなく、外気を熱風にすることができる構成であれば適宜採用しても良く、例えば管路8Aを、均熱板6の周辺部内を半周するように設けても良いし、複数回、周回するように設けても良い。また、必要に応じて均熱板6の周辺部外、即ち均熱板6周辺部よりも中央寄りに管路8Aを周回状態で設けても良い。
【0069】
また、管路8Aを、均熱板6内で平面方向に蛇行するように設けても良い。この際、管路8Aが均熱板6の全面に満遍なく配設されるように蛇行させても良いし、均熱板6内の一部を蛇行するようにしても良い。また、蛇行させながら周回状態に設けても良い。また、前記リフトピンをこの蛇行する管路8A間に挿通するように配設すると良い。
【0070】
また、管路8Aを、均熱板6内で平面方向に湾曲するように設けても良い。即ち、例えば管路8Aを均熱板6内にJ字状に設けても良い。
【0071】
また、管路8Aを、均熱板6内で平面方向に折曲するように設けても良い。即ち、例えば管路8Aを均熱板6内にL字状に設けても良いし、Z字状に設けても良い。
【0072】
管路8Aの一端部に外気を流出するCDA(クリーンドライエア)を連設し、このCDAにより管路8A内に外気を導入して、管路8Aの他端部から熱風となった前記外気を吹き出す構成としている。
【0073】
即ち、管路8Aの他端部に前記吹出部4を、前記均熱板6に対して上方に突出するように設け、この吹出部4の反対側に、収納部2内の空気を収納部2外へ排出する排気部5を配設している。
【0074】
吹出部4と排気部5とを、前述の位置関係に設けたのは、吹出部4から吹き出された熱風を収納部2内の天面部に沿って移動させ、そのまま排気部5からスムーズに排出できるようにするためである。
【0075】
これにより、収納部2内に空気の流れを形成することができ、基板1を加熱することで前記基板1上に舞い上がる繊維や気化した溶剤をこの空気の流れによって移動させて収納部2外へ排出し、よって、天面部に前記繊維や溶剤を付着することを良好に防止することができる。
【0076】
具体的には、吹出部4としては、図2に示すように、T字形配管4Aを採用し、このT字形配管4Aの下端部を管路8Aの他端部に連設し、上端部長さ方向に複数設けた吹き出し孔(図示省略)から熱風を吹き出す構成としている。
【0077】
これは、配管8Aの他端部から吹き出される熱風を、基板1の上方に満遍なく流通させるようにするためである。
【0078】
尚、本実施例では、吹出部4としてT字形配管4Aを設けた構成としたが、収納部2内に前述した空気の流れを形成できるものであれば、どのような形状の配管を吹出部4として採用しても良い。
【0079】
図5,図6は、本実施例の吹出部4の別例を示したもので、前記T字形配管4Aの均熱板6に対する突出度合いを大きく設定したものである。
【0080】
この別例によれば、基板1の上方に位置するT字形配管4Aの吹き出し孔から、水平方向に熱風を吹き出して排気部5から排気することができる。
【0081】
排気部5としては、断熱配管5Aを採用している。
【0082】
具体的には、図2,5に示すように、吹出部4の反対側にあたる収納部2の側部に、前記T字形配管4Aの上端部長さ方向に複数設けた吹き出し孔と略対向する位置に排気孔15を複数設けた第一配管5aと、この第一配管5aの略中央部に付設され前記第一配管5aを介して収納部2内の熱風を収納部2外に排気する第二配管5bとで前記排気部5を構成している。
【0083】
これより、収納部2内に発生した気化した溶剤や舞い上がった繊維等は、高温状態のままで断熱配管5A内を挿通していくこととなり、これにより、舞い上がった繊維や気化した溶剤が排気部5から収納部2外へ排出された際に、温度が急に低下して断熱配管5A内面に付着することを防止することができる。
【0084】
更に本実施例では、断熱配管5Aの端部(即ち第二配管5bの端部)に冷却部10を設けた構成としている。
【0085】
即ち、収納部2内から高温状態で第一配管5a及び第二配管5b内を通過する気化した溶剤や舞い上がった繊維を、この断熱配管5Aの端部に設けた冷却部10により冷却することで採取し得るように構成している。
【0086】
これにより、基板1の被膜や積層物を乾燥処理することで生じる前記繊維や溶剤を一カ所でまとめて採取して廃棄することができ、よって、前記溶剤や繊維の所定部位への付着を防止してメンテナンスの手間を軽減することができる。
【0087】
また、冷却部10によって前記溶剤や繊維を取り除いた空気を、オートダンパー11を介して外部へ排出し得るように構成している。
【0088】
搬出入口9近傍の収納部2壁部に保温機構12を設けた構成としている。
【0089】
具体的には、搬出入口9の近傍の収納部2壁部にヒータ装置を設けた構成としている。
【0090】
これは、基板1の搬出入の際に外気が搬出入口9から流入し、これにより、搬出入口9の近傍の収納部2壁部の温度が低下し、この温度が低下した収納部2の壁部に、前記繊維や溶剤が付着してしまうことを防止するためである。
【0091】
これにより、搬出入口9において基板1の搬出入を繰り返し、その都度、搬出入口9から外気が収納部2内に流入しても、この外気の流入によって最も温度が低下し易いといえる搬出入口9近傍の壁部に、前記繊維や溶剤が付着することを防止することができる。
【0092】
更に具体的には、本実施例では、保温機構12としてラバーヒータ12Aを採用し、このラバーヒータ12Aを搬出入口9の上部壁部に設けた構成としている。
【0093】
このラバーヒータは、少なくとも基板1を加熱することで生じる前記繊維や溶剤が極めて付着しにくい温度に設定可能に構成されている。
【0094】
尚、図中符号13は管路8Aから吹き出される熱風から細かな塵や埃を除去するためのフィルターである。
【0095】
また、本実施例では、加熱部3の熱により加熱された均熱板6(伝熱載置部6)に設けた通気部8に外気を流通することで、この外気を加熱して熱風を生成する構成としたが、加熱部3に通気部8を設けてこの加熱部3に設けた通気部8に外気を流通することで熱風を形成する構成としても良い。この場合には、熱風を吹き出す吹出部4は、加熱部3から基板1上方に向けて突設する構成とすると良い。
【0096】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【0097】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したから、加熱装置の収納部内面に、加熱により生じた溶剤や繊維といった付着物が付着することを防止できることは勿論、基板に設けた被膜や積層物の乾燥ムラを生じさせずに乾燥処理を行うことができ、その上、熱風を生成するための加熱装置を別途設ける必要がなく、よって、熱風を生成するための加熱装置を設置するスペースを収納部内に確保する必要もなく、外気を熱するためのランニングコストもほとんど不要な極めて実用性に秀れた画期的な基板加熱乾燥装置に設ける換気構造となる。
【0098】
また、請求項2記載の発明においては、収納部に収納し得る種々の大きさの基板に加熱部で発生した熱をむらなく伝えて前記基板を略均等に加熱でき、これにより、基板の被膜や積層物に乾燥ムラが生じないように乾燥処理を施すことができる。
【0099】
また、伝熱載置部は、加熱部の熱により基板を乾燥可能な温度まで加熱されるため、この伝熱載置部に設けた前記熱風生成部となる通気部に導入気を導入するだけで、この導入気は加熱された伝熱載置部によって加熱され、これにより、熱風を生成することができる極めて実用性に秀れた画期的な基板加熱乾燥装置に設ける換気構造となる。
【0100】
また、請求項3記載の発明においては、この管路全体が加熱部の熱により加熱された状態であるため、前記管路に導入気を単に流通するだけで前記導入気を効率良く加熱することができ、よって、簡易な構成にして容易に熱風を確実に生成することができる極めて実用性に秀れた画期的な基板加熱乾燥装置に設ける換気構造となる。
【0101】
また、請求項4記載の発明においては、基板に熱を効率良く伝えられるように伝熱載置部を形成でき、また、伝熱載置部を板状とすることで、加熱装置をコンパクトに形成することも可能となる。
【0102】
また、管路を伝熱載置部に前記熱風を生成するに必要十分な長さ配設することができ、これにより、流通するだけで熱風を確実に生成することができる管路を設けることができる極めて実用性に秀れた画期的な基板加熱乾燥装置に設ける換気構造となる。
【0103】
また、請求項5記載の発明においては、例えば、仮に伝熱載置部の中央部に前記伝熱載置部に載置した基板を移動させるための移動手段を設けたとしても、この移動手段の作動を妨げる事なく余分なスペースに前記管路を設けられることとなり、これにより、伝熱載置部のスペースを有効利用して管路を設けることも可能となる極めて実用性に秀れた画期的な基板加熱乾燥装置に設ける換気構造となる。
【0104】
また、請求項6記載の発明においては、吹出部から吹き出した熱風を天面部に沿って移動させてそのまま排気部から収納部外へ排出できるため、伝熱載置部に載置する基板に熱風が直接当たったり、熱風が内面に当たって跳ね返って基板に当たったりすることがなく、基板に影響を与えない状態で吹出部から収納部内に熱風を吹き出すことができ、これにより、基板表面の被膜や積層物を一層良好に乾燥処理することができる極めて実用性に秀れた画期的な基板加熱乾燥装置に設ける換気構造となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の換気構造を設けた基板加熱乾燥装置及び冷却装置を並設したHP−CP装置(ホットプレート・コールドプレート装置)を示す全体説明斜視図である。
【図2】本実施例の使用状態を示す説明斜視図である。
【図3】本実施例の使用状態を示す説明断面図である。
【図4】本実施例の管路を設けた均熱板を要部を切り欠いた状態で示す説明平面図である。
【図5】本実施例の吹出部の別例を示す説明斜視図である。
【図6】本実施例の吹出部の別例を示す説明断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 収納部
3 加熱部
4 吹出部
5 排気部
6 伝熱載置部
7 熱風形成部
8 通気部
8A 管路
Claims (6)
- 表面に被膜を形成若しくは積層物を積層した基板を収納部に収納し、前記基板を前記収納部内に設けた加熱部により加熱することで前記被膜若しくは積層物を乾燥させる基板加熱乾燥装置に設ける換気構造であって、前記収納部内には熱風を吹き出す吹出部と、前記吹出部から吹き出された熱風を収納部外へ排出する排気部とを設け、前記収納部内に導入する導入気を前記加熱部の熱により加熱して前記吹出部から吹き出す熱風を生成する熱風生成部を設けたことを特徴とする基板加熱乾燥装置に設ける換気構造。
- 前記収納部に、この収納部に収納した基板を載置すると共に前記載置した基板に前記加熱部で発生した熱をむらなく伝える伝熱載置部を設け、この伝熱載置部に、前記導入気を導入し前記加熱部の熱により加熱して前記熱風を生成する通気部を設けて前記熱風生成部を設けたことを特徴とする請求項1記載の基板加熱乾燥装置に設ける換気構造。
- 前記加熱部により加熱される伝熱載置部内に前記導入気が流通する管路を設けて前記熱風生成部を前記伝熱載置部内に設けたことを特徴とする請求項2記載の基板加熱乾燥装置に設ける換気構造。
- 板状に形成した前記伝熱載置部内に前記管路をその方向が周回状態,蛇行状態,湾曲状態若しくは折曲状態となるようにして熱を受ける管路長が長くなるように設けたことを特徴とする請求項3記載の基板加熱乾燥装置に設ける換気構造。
- 前記管路を前記伝熱載置部の周辺部内に配設したことを特徴とする請求項3,4のいずれか1項に記載の基板加熱乾燥装置に設ける換気構造。
- 前記吹出部を前記伝熱載置部の上方に突設し、前記排気部を前記吹出部の反対側に配設した構成とし、前記吹出部から吹き出した熱風は前記収納部内の天面部に沿って移動して前記排気部から排出するようにしたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の基板加熱乾燥装置に設ける換気構造。
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2003
- 2003-08-12 JP JP2003207366A patent/JP2005061645A/ja not_active Ceased
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