JP2005060979A - 地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】 鉄筋の絡み付きを防止しつつ既設の埋設管を効率的に破砕して能率的に取り替え得る地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドを提供する。
【解決手段】 先導体Aで既設の埋設管20を破砕しながら新設の埋設管を埋設して既設の埋設管20を取り替えるときに使用する埋設管取替え用のカッタヘッド100を、回転駆動装置10で回転駆動される筒状部材102とこの中に回動可能に設置された軸状部材104と筒状部材102の回転に伴って公転するように筒状部材102の外周部に自転可能に設置されたローラ114とローラ114の掘進方向前方位置に軸状部材102に取り付けられた切削具105とを設けて構成し、切削具105で既設の埋設管に切り込みを入れるとともに、ローラ114を公転させながら自転させて、切り込みを入れた埋設管20を破砕しながら外側に押し退けることができるように構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】 先導体Aで既設の埋設管20を破砕しながら新設の埋設管を埋設して既設の埋設管20を取り替えるときに使用する埋設管取替え用のカッタヘッド100を、回転駆動装置10で回転駆動される筒状部材102とこの中に回動可能に設置された軸状部材104と筒状部材102の回転に伴って公転するように筒状部材102の外周部に自転可能に設置されたローラ114とローラ114の掘進方向前方位置に軸状部材102に取り付けられた切削具105とを設けて構成し、切削具105で既設の埋設管に切り込みを入れるとともに、ローラ114を公転させながら自転させて、切り込みを入れた埋設管20を破砕しながら外側に押し退けることができるように構成した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、管推進機、シールド掘進機等の地中掘進機で既設の埋設管を破砕しながら地下坑を形成して同地下坑に新設の埋設管を埋設して埋設管を取り替えるときに既設の埋設管を破砕するために使用する地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドに関する。
地下に埋設した下水管等の既設の埋設管が老朽化する等してこれを新しい埋設管に取り替える場合、従来は、既設の埋設管が埋設されている区域を地上から地下に向けて開削した後、既設の埋設管を新しい埋設管に取り替えて埋め戻す開削工法が多用されていた。こうした開削工法による埋設管の取替え方法は、都市部等、交通量の多い地域で交通渋滞をもたらすほか、地盤が緩みやすいという問題があった。また、特に都市部では、種々の埋設管が錯走した状態で埋設されている区域もある。こうした区域で開削工法により埋設管を取り替えると、その周辺の既設の埋設管についても、養生しなければならないことがあり、無駄が多く、工期を長引かせる結果を招いていた。こうしたことから、開削工法による埋設管の取替え方法は、昨今、採用しにくくなっている。
こうした問題を解消するため、管推進機、シールド掘進機等の地中掘進機で既設の埋設管を破砕して排出しながら地下坑を形成し、この地下坑に新しい新設の埋設管を埋設して埋設管を取り替える方法が最近提案されている。また、こうした方法の実施に使用するため、管推進機の先導体やシールド掘進機について、既設の埋設管を破砕するための種々のカッタヘッドが提案されており、その代表的な例として、特許文献1に記載のコンクリート管破砕用カッタヘッドを挙げることができる。
特開平10ー88974号公報(第4−5頁、図1−7)
この特許文献1に記載の従来例の技術は、各種のカッタをカッタヘッドに合理的に配置することにより、既設の鉄筋コンクリート製埋設管を破砕する過程でその縦筋及び横筋をカッタヘッドの面板や排土装置に絡みつかないようにチップ状の小片に切断して、トンネル掘進機から地上に容易に排出することができるようにしたものである。しかしながら、この従来例の技術では、既設の埋設管を破砕する際に地中掘進機に取り込んで地上に排出できるようにするため、鉄筋をカッタヘッドでチップ状の小片に細かく切断するようにしていることから、既設の埋設管の破砕作業に多大の時間を要して既設の埋設管の取替え作業を能率的に行うことができない。
本発明は、こうした従来の技術にみられる問題を解消しようとするものであって、その技術課題は、鉄筋の絡み付きを防止しながら既設の埋設管を効率的に破砕して新設の埋設管に能率的に取り替え得るようにする地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドを提供することにある。
本発明は、こうした技術課題を達成するため、
地中掘進機で既設の埋設管を破砕しながら地下坑を形成して同地下坑に新設の埋設管を埋設して埋設管を取り替えるときに既設の埋設管を破砕するために使用する地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドを構成する場合、
軸状部材と、この軸状部材の外周に回転駆動可能に設けた筒状部材と、この筒状部材の外周に前部が内方を向くように設けた自転可能な複数のローラと、このローラの掘進方向前方に位置するように軸状部材に取り付けられた切削具とを設けて構成し、この切削具により既設の埋設管に切り込みを入れるとともに、ローラを既設の埋設管の内周部に押し付けて筒状部材を回転駆動することにより、ローラを公転させながら自転させて、切り込みを入れた前記既設の埋設管を破砕しながら同埋設管の外側に押し退けることができるように構成した。
地中掘進機で既設の埋設管を破砕しながら地下坑を形成して同地下坑に新設の埋設管を埋設して埋設管を取り替えるときに既設の埋設管を破砕するために使用する地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドを構成する場合、
軸状部材と、この軸状部材の外周に回転駆動可能に設けた筒状部材と、この筒状部材の外周に前部が内方を向くように設けた自転可能な複数のローラと、このローラの掘進方向前方に位置するように軸状部材に取り付けられた切削具とを設けて構成し、この切削具により既設の埋設管に切り込みを入れるとともに、ローラを既設の埋設管の内周部に押し付けて筒状部材を回転駆動することにより、ローラを公転させながら自転させて、切り込みを入れた前記既設の埋設管を破砕しながら同埋設管の外側に押し退けることができるように構成した。
このように構成した本発明の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドでは、既設の埋設管を取り替えるため、この埋設管を破砕しながら地下坑を形成するときに、筒状部材を回転駆動しながら地中掘進機を推進してカッタヘッドを前進させる。そうすると、まず、軸状部材に取り付けられた切削具は、地中掘進機の推進に伴って前進して、既設の埋設管の横筋を切断しながら同埋設管に切り込みを入れる。こうして、破砕しにくい既設の埋設管を、破砕しやすいように前処理することができる。
次いで、筒状部材の外周に前部が内方を向くように設けられたローラは、筒状部材の回転に伴って公転しながら自転して、こうして切り込みを入れた既設の埋設管を、カッタヘッドの前進に伴って徐々に押し広げて破砕しつつ、同埋設管の縦筋を実質上破砕することなく同埋設管の外側すなわち地下坑の周辺に押し退ける。その際、この縦筋と共に横筋の切断片や大きなコンクリートの破砕片等の障害物も、地下坑の周辺に押し退けられ、粒度の小さい一部の破砕物だけが地中掘進機を通じて地上に排出される。このように、本発明の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドでは、従来例の技術のように既設の埋設管の鉄筋をチップ状の小片に細かく破砕するようなことはしないで、鉄筋等の障害物を埋設管の外側に押し退けるようにしているので、鉄筋の絡み付きを防止しながら既設の埋設管を効率的に破砕して新設の埋設管に能率的に取り替えることができる。
以下の説明から明らかなように、本発明の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドは、「課題を解決するための手段」の項に示したように構成しているので、鉄筋の絡み付きを防止しながら既設の埋設管を効率的に破砕して新設の埋設管に能率的に取り替えることができる。また、既設の埋設管の鉄筋や大きなコンクリートの破砕片等の障害物は埋設管の外側に押し退けて、粒度の小さい一部の破砕物だけを地中掘進機を経て地上に排出することとなるので、地中掘進機の排土のための負荷を軽減することができる。
本発明の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドを具体化する場合に、特に、特許請求の範囲の請求項2に記載のように具体化すれば、既設の埋設管の埋設区域が地山の崩落や地下水の浸入の恐れのある軟弱な地盤である場合にも、流体通路から土圧を立てるための流体をシール部材の後方のチャンバに供給して土圧を立てることにより、地山を支持して既設の埋設管の取替え作業を安全に行うことができる。本発明の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドを具体化する場合に、特に、特許請求の範囲の請求項3に記載のように具体化すれば、押し刃による切削具を掘進方向後方に向けて切削外径を拡大させるようにしているので、既設の埋設管に切り込みを入れるときに、漸次切り込みを深くするよう切り込みを入れて、埋設管に無理なく切り込みを入れることができる。また、その押し刃による切削具は、切削具を駆動するための駆動装置を要しないので、構造が簡素で安価に製作することができる。
本発明の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドを具体化する場合に、特に、特許請求の範囲の請求項4に記載のように具体化すれば、元押し装置の推力を大幅に軽減することができる。本発明の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドを具体化する場合に、特に、特許請求の範囲の請求項5に記載のように具体化すれば、切削具を、筒状部材に対してその軸線を中心に自由に回動させ得るように構成しているので、既設の埋設管の交換過程で、切削具の何れかが埋設管の縦筋と重なった位置に切り込みを入れようとしたときに切削具を回動させて、切削具の何れかが縦筋と重なる位置に切り込みを入れのを防ぐことができ、ひいては、切削具等の損傷を防止することができる。本発明の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドを具体化する場合に、特に、特許請求の範囲の請求項6に記載のように具体化すれば、筒状部材の後端部に別の筒状部材を連結して、この別の筒状部材の外周部に、前方の筒状部材に設置されたローラよりも大径の円軌跡を描いて公転する別のローラを自転可能に設置するようにしているので、大径の既設の埋設管でも無理なく破砕して取り替えることができる。
以下、本発明が実際上どのように具体化されるのかを図1乃至図15に基づいて説明することにより、本発明の実施の形態を明らかにする。
まず、図1乃至図7及び図13乃至図15を用いて、本発明を具体化した第1の例の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドについて説明する。
図1は、本発明を具体化した第1の例に係る地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドの側面図、図2は、図1のW−W線断面図、図3は、図2のV−V線断面図、図4は、図3におけるア部の詳細図、図5は、図1のX−X線断面図、図6は、図1のY−Y線断面図、図7は、図1のZ−Z線断面図、図13は、図1の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドを使用して既設の埋設管を新設の埋設管に取り替えている状態を示す縦断面図、図14は、既設の埋設管の構造を示す投影図、図15は、図1の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドにより図14の既設の埋設管を破砕している状態を示す正面図である。
この出願の発明は、すでに述べた従来例の技術と同様、地中掘進機で既設の埋設管を破砕しながら地下坑を形成して同地下坑に新設の埋設管を埋設して埋設管を取り替えるときに既設の埋設管を破砕するために使用する地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドに係るものである。そこで、最初に、図1の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドに関連する周辺の技術内容を図13及び図14に基づいて概説する。図13に図示の管推進機は、出願人が開発した管推進機を地中掘進機の一例として図示したものである。
図13に図示の管推進機は、大別すると、カッターヘッド100を前部(この明細書で「前」とは、先導体Aの掘進方向を基準にして前の方をいう。)に有し地中に埋設するための新設の埋設管30が後部(この明細書で「後」とは、先導体Aの掘進方向を基準にして後の方をいう。)に連結される先導体Aと、発進立坑Dに設置され先導体Aや新設の埋設管30を推進する元押し装置Cとで構成されている。そして、先導体Aや埋設管104を元押し装置Cで推進しつつカッターヘッド100で既設の埋設管20や地山を掘削しながら掘削物の一部を先導体Aの土砂取り込み口A1から取り込んだ後、その掘削物を排土管Bを通じて地上に排出することにより、地下坑を形成し、同地下坑に新設の埋設管30を埋設して、既設の埋設管20を新設の埋設管30に取り替える。こうして既設の埋設管20を新設の埋設管30に取り替えるときには、新設の埋設管30や排土管Bが先導体Aの後端に適宜連結されて継ぎ足される。
既設の埋設管20は、すでに地中の埋設されている埋設管を指称し、通常、鉄筋コンクリート製で単位長さに製作されている。この鉄筋コンクリート製の既設の埋設管20は、同埋設管20に軸方向に埋め込まれている鉄筋である縦筋20aと、同埋設管20に周方向に埋め込まれている鉄筋である横筋20bと、本体をなすコンクリート部20cとで形成されている。新設の埋設管30は、新たに地中に埋設される埋設管を指称し、既設の埋設管20と同様、鉄筋コンクリート製で単位長さに製作されている。
次に、図1乃至図7に基づいて、本発明を具体化した第1の例の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドについて説明する。
これらの図において、10はセンタシャフト11を回転駆動するための回転駆動装置、11はこの回転駆動装置10によりもたらされる回転を回転面板101に伝達するための先導体Aのセンタシャフト、12はこのセンタシャフト11にシールケース13を連結してセンタシャフト11の回転をシールケース13に伝達するためのフランジ、13はセンタシャフト11の回転に随伴して回転しながらセンタシャフト11を密封するシールケース、100は管推進機の先導体Aで既設の埋設管20を破砕しながら地下坑を形成して同地下坑に新設の埋設管30を埋設して埋設管を取り替えるときに既設の埋設管20を破砕するために使用する地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッド、101は先導体Aの中心軸線を中心に回転可能に設置された回転面板、102はセンタシャフト11を介して回転駆動装置10で回転駆動される筒状部材、104は回転駆動装置10で回転駆動されないように筒状部材102内に設置された軸状部材である。
回転面板101の後面には、環状のスペーサ115、略円筒状のシールケース13がボルト等で順次連結され、シールケース13は、環状のフランジ12を介して先導体Aのセンタシャフト11に連結されている。このシールケース13の外周部には、前後一対の螺子座130が設けられ、これらの螺子座130には、それぞれ、ホルダ130bを挟み込む形で止め板130aを螺着している。そして、前後一対の止め板130a及びホルダ130bでそれぞれローラ軸131の前後の各端部を支持し、このローラ軸131にローラ132を回転可能に軸着している。こうしたローラ132は、図7に示すようにシールケース13の周方向に略等間隔に複数設ける。
回転面板101の前面には、図4に拡大して示すように、筒状部材102を固着して前方に突設しており、この筒状部材102は、前後一対の軸受103により回転可能に支持されている。この筒状部材102の内部の筒状の空間には、軸状部材104が一対の軸受103を介して挿通されるように設置されている。それゆえ、軸状部材104は、筒状部材102が回転駆動装置10で回転駆動されても、この回転駆動装置10では回転駆動されない。また、この軸状部材104は、このように、筒状部材102の内部空間に軸受103を介して設置されているため、これに取り付けられている切削具105に外力が作用すると、筒状部材102とは無関係に自由に回動する。軸状部材104の後端部には、後方の軸受103に予圧を付与するため、ナット106を螺合している。
105はローラ114の前方に位置するように軸状部材104の前端近くに取り付けられた切削具、107は軸状部材104の内部にその全長にわたって形成された流体通路(図4参照)、109は軸状部材104に前端にOリング108を介してボルト等で固着されたシール取付用のベース、110は既設の埋設管20内を密閉するためのシール部材、111は回転面板101の前面にボルト等により固着された第一ホルダ、112は筒状部材102の外周面に溶接等により固着された第二ホルダ、113はこれら第一ホルダ111及び第二ホルダ112に両端部を支持したローラ軸着用のシャフト、114はこのローラ軸着用のシャフト113に回転可能に軸着されたローラである。
切削具105は、後方に向けて切削外径を拡大させるようにした押し刃により構成されている。こうした切削具105は、図5に示すように、軸状部材104の外周部に周方向に略等間隔に複数設けている。この切削具105は、横筋20bを切断することができれば、スリット状の切り込みすなわち切れ目を付けるものであってもよいし、筋目状の切り込みすなわち切り傷を付けるものであってもよい。シール部材110は、リング状をなし、シール取付用のベース109の外周部に嵌着することにより、切削具105の前方に設置し、既設の埋設管20内に設置したときに同埋設管20の内周面に密着できるように構成されている。シール部材110は、その後方に設置する先導体Aとの間に、先導体Aの掘進時に土圧をたてるためのチャンバを形成する働きをする。流体通路107は、カッタヘッド100による掘削物と混合して土圧を立てるためのベントナイト等の流体をシール部材110の後方のチャンバに供給する働きをする。
第一ホルダ111及び第二ホルダ112には、それぞれ止め板111a及び止め板112aが設けられ、第一ホルダ111及び第二ホルダ112からローラ軸着用のシャフト113の両端部が脱落することを防いでいる。ローラ114は、後部が前部よりも大径の円軌跡を描いて公転するよう前部が内方を向くように傾斜してローラ軸着用のシャフト113に軸着されている。このローラ114は、カッタヘッド100を既設の埋設管20の内周面に押し付けながら回転させることにより、公転しながら自転して既設の埋設管20を圧砕する働きをするが、単なるローラであってカッタビットを有しておらず、埋設管20を切削する機能を実質上備えていない。それゆえ、いわゆるローラビットとは異なり、埋設管20の鉄筋20a,20bを切削して切断することはできない。カッタヘッド100は、図6に示すように、こうしたローラ114を筒状部材102の外周部に周方向に略等間隔に複数設けている。
回転面板101の後面には、Oリング117を介してドーナツ状の第一円板116を、環状のスペーサ115の内部空間に位置するようにボルト等で固着している。軸状部材104の後端面には、Oリング119を介してドーナツ状の第二円板120を、ドーナツ状の第一円板116の内部空間に嵌入するようにしてボルト等で固着している。第一円板116と第二円板120との間は、第一円板116の内周部に嵌着したシール部材118によりシールして、軸受室122と流体室123とを水密に隔離している。また、筒状部材102の前端面と軸状部材104との間は、シール部材121によりシールして、軸受室122と外部雰囲気199とを水密に隔離している。
かくして、軸受室122は、流体室123や外部雰囲気199に対して水密に隔離された状態となり、また、第一円板116、回転面板101及び筒状部材102は、こうした状態の下に、先導体Aの中心軸線の周りに回転運動を行うことが可能となる。なお、軸受室122には、筒状部材102に付設した図示しない油注入口から潤滑油を供給できるようにしている。
以上のような構造を備えた第1の例の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドでは、既設の埋設管20を取り替えるため、この埋設管20を破砕しながら地下坑を形成しようとする場合、回転駆動装置10を回転駆動しながら先導体Aを元押し装置Cで推進してカッタヘッド100を前進させる。そうすると、回転駆動装置10の回転は、センタシャフト11からフランジ12を経てシールケース13へと伝達され、さらに、このシールケース13からスペーサ115を経て筒状部材102へと伝達され、回転駆動装置10は、最終的には筒状部材102を回転駆動することとなる。
先導体Aを推進すると、軸状部材104に取り付けられた切削具105は、この先導体Aの推進に伴って、既設の埋設管20の縦筋20aの間隙を縫うようにしながら前進する。その結果、切削具105は、図15に示すように既設の埋設管20の横筋20bを周方向に複数分割するように切断しながら同埋設管20に切り込みを入れる。その場合、この第1の例の切削具105は、特に、掘進方向後方に向けて切削外径を拡大させるように形成しているので、漸次切り込みを深くするようにして既設の埋設管20に切り込みを入れることとなり、埋設管20に無理なく切り込みを入れることができる。こうして、破砕しにくい既設の埋設管20を破砕しやすいように前処理することができる。
次いで、筒状部材102の外周部に設置されたローラ114は、筒状部材102の回転に伴って、既設の埋設管20の内周面に押し付けることにより公転しながら自転して、こうして切り込みを入れた既設の埋設管20を、図1に図示のように破砕しつつ、同埋設管20の縦筋20aを実質上破砕することなく同埋設管20の外側すなわち地下坑の周辺に押し退ける。その際、この縦筋20aと共に横筋20bの切断片や大きなコンクリートの破砕片等の障害物も、地下坑の周辺に押し退けられ、粒度の小さい一部の破砕物だけが先導体Aの土砂取り込み口A1から取り込まれた後、排土管Bを通じて地上に排出される。
ローラ114は、特に、後部が前部よりも大径の円軌跡を描いて公転するように設けているので、切削具105で切り込みを入れた既設の埋設管20を、その内周面を転動しながらカッタヘッド100の前進に伴って徐々に押し広げて破砕することとなり、既設の埋設管20に無理なく破砕することができる。その間、シールケース13が回転しているので、これに自転可能に軸着したローラ132は、ローラ114で破砕された既設の埋設管20の内周側を転動しながら公転して、埋設管20の破砕片が内側に落下、移動するのを防ぐことができる。そのため、埋設管20の破砕片が先導体Aの前方の前方を遮ってその掘進を妨げるのを防止することができる。
以上ように、この地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッド100では、従来例の技術のように既設の埋設管20の鉄筋20a,20bをチップ状の小片に細かく切断するようなことはしないで、鉄筋20a,20b等の障害物を埋設管20の外側に単に押し退けるようにしているので、鉄筋20a,20bの絡み付きを防止しながら既設の埋設管20を効率的に破砕して新設の埋設管30に能率的に取り替えることができる。この第1の例の埋設管取替え用カッタヘッド100では、次に述べる第2の例のもののように、切削具105を駆動するための駆動装置を要しないので、構造が簡素で安価に製作することができる。
ところで、切削具105により既設の埋設管20に切り込みを入れるときに、切削具105の何れかが埋設管20の縦筋20aの何れかと重なってしまうと、先導体Aを推進するための推力が著しく増加し、ひいては、切削具105等カッタヘッド100が損傷する事態を招く。埋設管20は、単位長さに製作され多数のユニットを接続して埋設されていて、縦筋20aの位置が全長を通じて必ずしも揃ってはいないため、こうした事態は、発進時には回避できるにしても、後続する何れかの管に切り込みを入れるときに生じる可能性がある。
ところが、この第1の例の埋設管取替え用カッタヘッド100では、前述したように、軸状部材104を、特に、筒状部材102とは無関係に自由に回動することができるように構成しているので、既設の埋設管20の交換過程で、切削具105の何れかが埋設管20の縦筋20aと重なった位置に切り込みを入れようとすると、当該切削具105に外力が作用して軸状部材104を回動させる。そのため、この埋設管取替え用カッタヘッド100によれば、切削具105の何れかが縦筋20aと重なる位置に切り込みを入れのを防ぐことができ、ひいては、カッタヘッド100の損傷を防止することができる。
最後に、図8乃至図11に基づいて本発明を具体化した第2の例の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドについて説明し、図12に基づいて本発明を具体化した第3の例の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドについてそれぞれ説明する。
図8は、本発明を具体化した第2の例に係る地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドの側面図、図9は、図8のW−W線断面図、図10は、図9のV−V線断面図、図11は、図8のX−X線断面図、図12は、本発明を具体化した第3の例に係る地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドの側面図である。これらの図において既述の図1乃至図7及び図13乃至図15と同一の符号を付けた部分は、これら既述の図と同等の部分を表すので、詳述しない。
まず、図8乃至図11に基づいて第2の例に係る地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドについて説明する。この第2の例の埋設管取替え用カッタヘッド100’は、既述の第1の埋設管取替え用カッタヘッド100において、切削具105を、自転駆動させるように、図示しない電動機等の駆動装置により回転駆動されるディスクカッタ140により構成するように変更したものである。こうしたディスクカッタ140による切削具を設けることにより、第1の例の切削具105のような押し刃切削による切削形態を維持しつつも、元押し装置Cの推力を大幅に軽減することができる。
次に、図12に基づいて第3の例に係る地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドについて説明する。
この第3の例の埋設管取替え用カッタヘッド200は、第1の例の埋設管取替え用カッタヘッド100において、筒状部材102及び軸状部材104の後端部にそれぞれ別の筒状部材202及び中空軸としての軸状部材220を第二面版204及びOリング119を介して水密に連結して、その別の筒状部材202を筒状部材102と共に回転駆動装置10で回転駆動されるようにするとともに、別の軸状部材104を軸状部材104と共に回転駆動装置10で回転駆動されないように設置して構成している。その場合、その別の軸状部材220は、その外周面と別の筒状部材202との間に環状空間222を設けることにより、軸状部材104と共に筒状部材102,202とは無関係に自由に回動することができるようにしている。
こうした構造に関連して、第1の例の埋設管取替え用カッタヘッド100における第一円板116及びシール118を、後方に新設した回転面板201の側に移設する。また、別の筒状部材202の外周部には、筒状部材102に設置されたローラ114よりも大径の円軌跡を描いて公転する別のローラ114を自転可能に設置している。そのため、回転面板201の前面にボルト等により固着された第一ホルダ111と、筒状部材202の外周面等に溶接等により固着された第二ホルダ112と、これら第一ホルダ111及び第二ホルダ112に両端部を支持したローラ軸着用のシャフト113とを設けている。なお、223は流体室123と同様の流体室である。
この第3の例の埋設管取替え用カッタヘッド200によれば、特に、筒状部材102の後端部に別の筒状部材202を連結して、この別の筒状部材202の外周部に、前方の筒状部材102に設置されたローラ114よりも大径の円軌跡を描いて公転する別のローラ114を自転可能に設置するようにしているので、大径の既設の埋設管20でも無理なく破砕して取り替えることができる。
10 回転駆動装置
11 センターシャフト
20 既設の埋設管
20a 縦筋
20b 横筋
20c コンクリート部
30 新設の埋設管
100,100’,200 地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッド
101,201 回転面板
102,202 筒状部材
103 軸受
104,220 軸状部材
105 切削具
107 流体通路
109 ベース
110 シール部材
111 第1ホルダ
112 第2ホルダ
113 ローラ軸着用のシャフト
114 ローラ
132 ローラ
140 ディスクカッタ
223 流体室
A 先導体
C 元押し装置
11 センターシャフト
20 既設の埋設管
20a 縦筋
20b 横筋
20c コンクリート部
30 新設の埋設管
100,100’,200 地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッド
101,201 回転面板
102,202 筒状部材
103 軸受
104,220 軸状部材
105 切削具
107 流体通路
109 ベース
110 シール部材
111 第1ホルダ
112 第2ホルダ
113 ローラ軸着用のシャフト
114 ローラ
132 ローラ
140 ディスクカッタ
223 流体室
A 先導体
C 元押し装置
Claims (6)
- 地中掘進機で既設の埋設管を破砕しながら地下坑を形成して同地下坑に新設の埋設管を埋設して埋設管を取り替えるときに既設の埋設管を破砕するために使用する地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドであって、軸状部材と、この軸状部材の外周に回転駆動可能に設けた筒状部材と、この筒状部材の外周に前部が内方を向くように設けた自転可能な複数のローラと、このローラの掘進方向前方に位置するように軸状部材に取り付けられた切削具とを設けて構成し、この切削具により既設の埋設管に切り込みを入れるとともに、ローラを既設の埋設管の内周部に押し付けて筒状部材を回転駆動することにより、ローラを公転させながら自転させて、切り込みを入れた前記既設の埋設管を破砕しながら同埋設管の外側に押し退けることができるように構成したことを特徴とする地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッド。
- 請求項1に記載の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドにおいて、既設の埋設管内を密閉するためのシール部材を切削具の掘進方向前方に設置するとともに、軸状部材の内部に流体通路を設け、この流体通路を通じてシール部材の掘進方向後方に流体を供給できるように構成したことを特徴とする地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッド。
- 請求項1又は請求項2に記載の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドにおいて、切削具を、掘進方向後方に向けて切削外径を拡大させるようにした押し刃により構成したことを特徴とする地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッド。
- 請求項1又は請求項2に記載の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドにおいて、切削具を、自転するように回転駆動されるディスクカッタにより構成したことを特徴とする地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッド。
- 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドにおいて、切削具を、軸状部材の周囲に放射状に配置するとともに筒状部材に対してその軸線を中心に自由に回動させ得るように構成したことを特徴とする地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッド。
- 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッドにおいて、筒状部材及び軸状部材の後端部にそれぞれ別の筒状部材及び軸状部材を水密に連結して、別の筒状部材を前者の筒状部材と共に回転駆動装置で回転駆動されるようにするとともに別の軸状部材をこの回転駆動装置で回転駆動されないように設置し、別の筒状部材の外周部に、前者の筒状部材に設置されたローラよりも大径の円軌跡を描いて公転する別のローラを自転可能に設置して構成したことを特徴とする地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003290479A JP2005060979A (ja) | 2003-08-08 | 2003-08-08 | 地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003290479A JP2005060979A (ja) | 2003-08-08 | 2003-08-08 | 地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005060979A true JP2005060979A (ja) | 2005-03-10 |
Family
ID=34368500
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003290479A Pending JP2005060979A (ja) | 2003-08-08 | 2003-08-08 | 地中掘進機の埋設管取替え用カッタヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005060979A (ja) |
-
2003
- 2003-08-08 JP JP2003290479A patent/JP2005060979A/ja active Pending
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