JP2005060703A - 電気光学的液晶システム - Google Patents

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Abstract

【課題】システム上の不都合を有しないか、または有していても比較的程度が小さい電気光学的LCシステム及びLC媒体を提供する。
【解決手段】液晶媒体を含有してさらに光学的媒体を含み、前記液晶媒体および光学的等方媒体は、相分離しているかまたはミクロ相分離しており、前記液晶媒体は下記式1で表される化合物を1または2以上を含む液晶媒体。
Figure 2005060703

[式中、Rはアルキル基、アルコキシ基等を表し、環Aはフェニレン基やシクロヘキシレン基等を表す。Z,Zは−CFO−、−OCF−等の連結基を示し、Xはハロゲン、ハロゲン化アルキルあるいはアルケニル基等を表す。Y−Yは、HまたはFを示し、rは0または1である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、正誘電性を有する液晶媒体および相分離しているかまたはミクロ相分離している光学的等方媒体を含む電気光学的液晶(liquid crystal (LC))システムであって、前記LC媒体は好ましくは等方高分子媒体中で液滴の形態で包埋されるかまたは高分子媒体により形成される3次元ネットワークにおいて連続層として存在する前記電気光学的液晶システムに関する。
NCAPおよびPDLCフィルム(NCAP=ネオマチック曲線配向相(nematic curvilinear aligned phases)、PDLC=高分子分散液晶(polymer dispersed liquid crystal) )は、液晶が液滴の形態で高分子マトリックス中に包埋されている電気光学的液晶システムの例である。NCAPフィルムは、通常、例えばポリビニルアルコールなどのカプセル化された高分子材料、LC混合物および例えば水などの基材を、コロイドミル中でよく混ぜることにより得られる。その後、基材は例えば乾燥などにより除かれる。適切な方法は、US 4,435,047に記載されている。
対照的に、PDLCフィルムの製造においては、LC混合物は、通常、例えばUS 4,688,900、 WO 89/06264、EP 0 272 585またはMol. Cryst. Liq. Cryst. 157, (1988), 427-441において記載されているように、マトリックス形成材料のモノマーまたはオリゴマーとともに、まず均一に混合される。その後、混合物は重合され、相分離が誘導される(いわゆるPIPS技術;重合誘導性相分離(polymerization-induced phase separation))。さらに、TIPS(温度誘導性相分離(temperature-induced phase separation) )およびSIPS (溶媒誘導性相分離(solvent-induced phase separation)) (Mol. Cryst. Liq. Cryst. 157 (1988), 427参照) との間の区別もなされるべきである。
EP 0 313 053に記載されているPNシステム(PN = 高分子ネットワーク(polymer network) )は、光学的透明媒体のスポンジ様ネットワーク構造を有する。光変調層の材料におけるLC混合物の含有量は、一般に、このタイプのシステムにおいては60%以上であり、特には70〜90%である。PNシステムを製造するためには、LC、3次元ネットワークを形成する材料のモノマーまたはオリゴマー、および重合開始剤、特には光重合開始剤の混合物は、通例、電極による2つの基板プレートの間に入れられ、その後、例えば光照射により重合される。
一般にLC混合物は正誘電異方性を有するが、負誘電性LC混合物(例えばWO 91/01511参照)または駆動電圧25をかける周波数に依存している誘電異方性を有する2周波LC混合物(例えばN.A. Vaz et al., J. Appl. Phys. 15, 1989, 5043参照) にの使用についても論じられている。しかし、本発明は、正誘電性LC混合物の使用に限定されている。
ミクロ液滴マトリックスシステムにおいては、LCの屈折率のうちの1つである常光屈折率noは、習慣的に、高分子マトリックスの屈折率であるnmとだいたい一致するように選択される。ネットワークシステムの場合においては、光変調層におけるLC含有量が慣習的に極めて高いため、屈折率の調整は必ずしも必要ではないが、光透過およびコントラストを増加させるために行われてもよい。電気的に切り替え可能な光散乱効果は、これら電気光学的LCシステムにおいて観察される。
高分子マトリックスまたはネットワークが習慣的にサンドイッチのように配列されている間の電極に電圧を印加しない場合には、統計的に配向されたLC分子への入射光線は強く散乱され、システムは非透過性である。例えば、液滴マトリックスシステムにおいては、液滴中のLC分子は歪んだ配向を示し、入射光線は高分子相およびLC相との間の相境界で散乱される。
電圧をかける場合には、LC分子は場に平行で透過光のEベクターに垂直に配向される。ミクロ液滴マトリックスシステムにおいては、noおよびnmを調整するために電圧がかけられる場合には、垂直な入射光線は光学的等方媒体と交わり、システムは透明に見える。マトリックス/LC液滴の相境界での光散乱を回避するためには、調整が必要である。EP 0 272 585は、液晶が完全な統計的配向性において示す屈折率nxは、マトリックスの屈折率nmに調整されている他の態様を記載している。この場合には、システムは場がない状態において透過性であって、電圧をかけることにより不透明な状態になる。
ネットワークシステムの場合においては、光変調層の材料中での高いLC含有量のために、ネットワーク/LC相境界での光散乱は明らかにより弱いので、屈折率の調整は必ずしも必要でない。スイッチオン状態においては、システムは屈折率の調整がなくても透明に見える。ネットワークシステムの場合においては、高い光学的異方性を有するLCの使用は、結合していない状態において可能な限り低い透過性を達成するために好ましい。
WO 89/09807では、光学的異方性を有する例えば液晶高分子マトリックス材料の利用が、システムの透過状態において 頻繁に観察される曇り(「かすみ(haze)」、とくに「軸外かすみ(off-axis haze)」) を回避するために、提案されてきた。このタイプのシステムでは、液晶および光学的異方性マトリックスの屈折率が互いに適合して、電圧をかけるかまたはスイッチをオフにするかのいずれかにより透過状態が得られるようになる。
上記および下記で述べたような電気光学的LCシステムは、特に、巨大表面積表示システム、建築用途(窓、間仕切り、サンルーフなど)、および自動車(窓、サンルーフなど)に提案され、これらのシステムはまた太陽光照射の遮蔽を制御することによる温度調節に適している。
特に、これらのシステムはまた、「屋外(outdoor)」用途を提供することを意図しているので、LC混合物は高い透明点、高い誘電異方性Δε、広いネマチック範囲、電気光学的パラメーターの好ましい温度依存性、ならびにUVおよび温度への高い安定性により特徴づけられるLC混合物が要求される。
これら用途の例は:
ゲストホスト(guest-host (GH))表示システムであって、そのスペクトルは単一セグメントディスプレイから、従来のプリント技術を用いて望ましい電極パターンに適用することが可能であるディスプレイに広がっている。可能な用途は:自動車、巨大ディスプレイ、広告板、時計であり、
能動的または受動的マトリックスにより制御される高度の情報含有量を有するディスプレイ、
投写システム、
スイッチである。
ここでも、LC混合物は、特に、高いΔε、高い電気抵抗性、電気光学的パラメーターおよび温度依存性の好ましい値、粘性の有利な値、ならびにUVおよび温度への高い安定性が要求される。
ミクロ液滴マトリックスシステムにおいては、現在まで、アルキル−またはアルコキシシアノビフェニルおよび−テルフェニルからなるLC混合物、例えばUS 4,671,618, US 4,688,900およびEP 0 272 585において記載されているE7およびE8(Merck Ltd., Poole, UKから入手できる) が慣習的に用いられていた。E8混合物は光学的異方性の高い値および流動粘度の比較的高い値により特徴づけられるが、同時に比較的低い透明点を有する。E7混合物は、比較的低い流動粘度とE8よりもいくらか小さい光学的異方性Δnを有するが、同時に透明点がかなり低い。
高いΔn値は、不透明状態で強い光散乱を与える一方で、他方また、スイッチオン状態でシステムの曇りを引き起こし(「かすみ(haze)」、とくに「軸外かすみ(off-axis haze)」)、したがって、電気光学的性質が損なわれる。また、高い情報含有量を有するマトリックスディスプレイにおいては、比較的低い粘性を有するLC混合物は急速な切り替え時間の実現に要求される。
EP 0 313 053はネットワークシステムのための2-(4-シアノフェニル)ピリジンに基づくLC混合物を提案している。このタイプのLC混合物は、実に誘電異方性Δε比較的高い値を有することから、比較的小さい閾値電圧および誘電異方性の高いまたは極めて高い値を有する。しかし、同時に、これらLCは比較的高い粘性、比較的低い透明点および多くの用途に十分でない機能温度範囲により特徴づけられる。さらに、シアノフェニルピリジン化合物は、とりわけ、シアノオリゴフェニル化合物よりもUVおよび温度に対する安定性が低い。
US 5,958,290 は、例えば3,4,5-トリフルオロまたは3,5-ジフルオロ-4-トリフルオロメトキシ基などの末端がフッ化されたフェニレン基を有する1または2以上の化合物を含む、PDLCまたはNCAPシステムのためのLC混合物を提案している。その中で開示されている前記混合物は、トランまたはシアノ基を有する化合物をも含んでいる。しかし、かかるPDLC混合物はしばしば、種々の用途に用いるには低すぎる特異的抵抗性と高すぎる閾値電圧を示す。
したがって、これまで用いられてきたLC材料および電気光学的システムは、各用途に最適化しうる広いネマチック範囲、高い透明点、高い温度およびUV安定性、低い温度へのスメクチック相がないこと、光学的異方性Δnおよび粘性、高いSR値、高い電圧保持率(VHR)、信頼性、高いΔε、高いコントラストならびに低い閾値電圧への要求を満たすことがただ不適切に行われてきた。
加えて、先行技術において知られているLC材料は、ネットワークまたはマトリックスの形成に用いられる高分子のモノマーおよび/またはオリゴマーの混和性が低すぎて、PNシステムの製造をかなり損なうものであり、ミクロ液滴マトリックスシステムにおいては特に、PIPS技術の使用をかなり制限している。さらに、先行技術LCは、しばしばマトリックスまたはネットワークを形成する高分子中における高すぎる溶解性により特徴づけられる。公知のLCのさらに不都合な点は、LCが、各用途に、電気光学的パラメーターの好ましくない値、例えば、電気光学曲線の傾き、および/または例えば電圧閾値などの電気光学的パラメーターの温度依存性などを示すことである。
したがって、適切な要求により適合し、記載したような不都合な点を有さないかまたは有しても程度が比較的小さい電気光学的LCシステムへの大きな必要性がまだ存在しているのである。
よって、本発明の目的は、従来のシステムの上述した不都合を有さないかまたは有しても比較的程度が小さい電気光学的LCシステムおよびLC媒体を提供することである。特に、これらは、各用途に最適化しうる広いネマチック範囲、高い透明点、極めて高い温度およびUV安定性、低い温度へのスメクチック相がないこと、光学的異方性Δnおよび粘性、高いSR値、高い電圧保持率(VHR)、信頼性、高いΔε、高いコントラストならびに低い閾値電圧を示さなければならない。
本発明の他の目的は、以下の詳細な説明により当業者に直ちに明らかになる。
これらの目的は、本発明の電気光学的LCシステムを提供することにより実現され、前記電気光学的LCシステムにおいて、LC媒体は請求項1において定義された式Iの化合物を少なくとも1つ含むものである。
発明の要約
本発明は、電気光学的液晶システムにおける使用のための液晶媒体であって、前記電気光学的液晶システムは、前記液晶媒体を含有して光学的等方媒体をさらに含み、前記液晶媒体および光学的等方媒体は、相分離しているかまたはミクロ相分離しており、前記液晶媒体は式I
Figure 2005060703
式中、
Rは、1〜15個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシまたは置換されていないか、CNもしくはCF3 により1置換されているか、あるいはハロゲンにより1置換または多置換されている2〜15個の炭素原子を有するアルキレンであって、ここで、1または2以上のCH2基が任意に、各場合においてそれぞれ互いに独立に、酸素原子が互いに直接結合しないように-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-または-C≡C- により置換されており、
Figure 2005060703
Y1からY9は、互いに独立にHまたはFであり、
Z1は、-CF2O-または-OCF2-であり、
Z2は、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-S-CO-、-CO-S-、-OCH2-、-CH2O-、-SCH2-、-CH2S-、-CF2O-、-OCF2-、-CF2S-、-SCF2-、-CH2CH2-、-CF2CH2-、-CH2CF2-、-CF2CF2-、-CH=CH-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CF=CF-、-C≡C- または単結合であり、
X0は、F、Cl、または1〜6個の炭素原子を有するハロゲン化アルキルもしくはアルコキシあるいは2〜6個の炭素原子を有するアルケニルであり、そして
rは、0または1である、
で表される化合物を1または2以上含むことを特徴とする、前記液晶媒体に関する。
本発明は、さらに、式Iの化合物を1または2以上含むLC媒体の、上記および下記に記載の電気光学的LCシステムにおける使用に関する。
特に好ましくは、電気光学的LCシステムは、PDLC、NCAPまたは高分子ネットワークシステムである。
本発明は、さらに、電気光学的LCシステム、特に、PDLC、NCAPまたは高分子ネットワークシステムに基づくシステムであって、前記システムは相分離またはミクロ相分離しているLC媒体および光学的等方媒体を含み、式Iの化合物を1または2以上含むLC媒体により特徴づけられる、前記システムに関する。
本発明は、さらに、電気光学的LCシステム、特にPDLC、NCAPまたは高分子ネットワークフィルムに基づいたシステムであって、前記電気光学的LCシステムは、
複屈折率Δn=ne-noである正誘電性を有するLC媒体および任意に基板シートに適用される電極間で屈折率がnmである光学的透明媒体を含み、
LC媒体および光学的等方媒体が、相分離しているかまたはミクロ相分離しており、
LC媒体のLC分子が、2つの電極間の電場を印加することにより少なくとも2つの状態の間を切り替えることができ、
前記切り替え状態の1つ、好ましくは電場印加がないスイッチオフ状態(switch-off state)において、LC媒体のLC分子が不規則な方向性を有し、
LC媒体の屈折率のうちの1つが、本質的に光学的等方媒体の屈折率nmと一致し、および/またはLC媒体の質量および光学的透明媒体の質量の比(商)が1.5以上であり、そして、
入射光の偏光とは独立に、前記システムが、他の状態と比較して少なくとも2つの切り替え状態のうちの1つにおいて、好ましくはスイッチオフ状態において、減少した透過性を有する、
前記電気光学的LCシステムに関する。
本発明は、さらに、上記および下記に記載のLC媒体または電気光学的LCシステムの、ディスプレイ装置、巨大表面積表示システム、広告板、時計、投写システム、スイッチ、窓、間仕切りまたはサンルーフなどの建築用途、自動車の窓またはサンルーフ、太陽光照射の遮蔽制御による温度調節装置、およびゲストホスト(guest-host(GH))表示システムのための使用に関する。
本発明は、さらに、上記および下記に記載のLC媒体または電気光学的LCシステムを含む、ディスプレイ装置、巨大表面積表示システム、広告板、時計、投写システム、スイッチ、窓、間仕切りまたはサンルーフなどの建築用途、自動車の窓またはサンルーフ、太陽光照射の遮蔽制御による温度調節装置、およびゲストホスト(guest-host(GH))表示システムに関する。
好ましくは、光学的等方媒体は、高分子媒体であって、LC媒体は、等方高分子媒体中で液滴の形態で包埋されるかまたは高分子媒体により形成される3次元ネットワークにおいて連続層として存在する。
発明の詳細な説明
本発明の電気光学的システムにおけるLC媒体の質量含有量に依存して、LC媒体は、LCミクロ液滴中の、程度が多かれ少なかれ分離しているかまたは多かれ少なかれ密着した例えば粒子の形態で光学的透明媒体が存在する連続層を形成する、光学的透明媒体に包埋されている。また、例えば光学的透明媒体がスポンジ様の3次元ネットワークを形成する場合には、前記光学的透明媒体のLCが位置する孔隙は程度が多かれ少なかれ互いに融合しており、連続層が得られる。
しかし、互いに分離している表示液体部は、全く球形でないが、不規則な形にされおよび/または変形されうる。
光学的透明媒体がLCミクロ液滴を含む場合には、マトリックスとして上記および下記に記載されている:一方、LCの連続相が多かれ少なかれ存在する場合には、媒体は表示ネットワークにより記載されている。
本発明の電気光学的システムの構造は、このタイプのシステムへの構造の慣習的方法に対応するものである。構造の慣習的方法という語は、この場合には広く解釈され、全ての適応および修飾を含む。
したがって、例えば、PDLCおよびNCAPフィルムの場合には、LC混合物がミクロ分散されているかまたはミクロカプセル化されている透明媒体により形成されるマトリックスは、サンドイッチのように導電電極間に配置される。
電極は、とりわけ、例えばガラス、プラスチックなどの基板シートに適用される;しかし望ましくは、マトリックスは直接、電極を提供されることにより基板の使用を回避しうる。電極は、E. Kaneko, Liquid Crystals TV displays, Tokyo, 1987において記載されている多重駆動システム可能にするために、例えばトランジスタスイッチマトリックスなどの、能動的マトリックスまたは受動的マトリックスを形成しうる。
ネットワークシステムの場合においては、LCはスポンジ様3次元ネットワークの孔隙に位置するか、または、光学的透明媒体は、LC中に小さい、例えば球形の、粒子の形態中に位置する。ネットワークは、LCの回避を阻害するために、電極が提供される基板の間に慣習的に配置される。
ネットワークシステムおよびミクロ液滴マトリックスシステムの両方は、反射型または透過型で実施されることにより、少なくとも1つの電極および、存在する場合には関連する基板が透明になる。両システムは、慣習的に偏光板を含まず、その結果として、非常に高い光透過性を得る。さらに、配向層は必要でなく、例えばTNまたはSTNセルなどの従来のLCシステムと比べると、これらシステムの製造においてはかなり技術的に簡素化されている。マトリックスまたは3次元ネットワークは、特に、等方性熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチックおよびエラストマーに基づいている。意図された適用に依存して、得られたシステムは柔軟性であるか、弾性であるかまたは剛性でありうる。
熱可塑性高分子および/またはエラストマーに基づくシステムは、マトリックスのガラス温度よりも高い温度において応力の作用により容易に変形されうる。これは、例えば、ガラス温度よりも低い温度にマトリックスを冷却することにより液滴を特異的に変形した形に凍結するために、ミクロ液滴マトリックスシステムにおいて用いられうる。さらに、例えば、マトリックスは、ガラス温度より高い温度では機械的に伸び、または電場もしくは磁場の作用により機械的に配向され、この配向はガラス温度よりも低い温度で維持され、マトリックスの光学的異方性を引き起こす。
柔軟性および/または弾力性システムは、好ましくは熱可塑性プラスチックおよび/またはエラストマーに基づいているが、熱硬化性高分子は好ましくは剛性システムの製造に用いられる。例えば、ミクロ液滴の形および配置を硬化させる間、硬化したマトリックス中で固めるなど、機械的に変形されうる。
文献においては、マトリックスまたはネットワークの製造に特に適した材料について様々な詳細が記載されている。したがって、例えば、US 4,435,047またはLiquid Crystal, 3, (1988) 1543においては、ポリビニルアルコール(PVA)またはラテックス様エマルジョンなどの水溶性高分子が提案されている。
一方で、US 4,672,618, US 4,673,255, US 4,688,900, WO 85/04262およびMol. Cryst. Liq. Cryst. 157 (1988) 427において、例えば熱硬化型のエポキシ樹脂およびポリウレタンなどの合成樹脂が、適したマトリックス材料として述べられている。
EP 0 272 585は、光硬化ビニル化合物に基づくマトリックスまたはネットワーク材料について述べており、WO 89/06264は多機能メルカプタンを含む多官能アクリレートの共重合体を提案している。特にマトリックスシステムに適したポリマーについての他の詳細は、EP 0 165 063, EP 0 345 029, EP 0 357 234またはEP 0 205 261において見出すことができる。
ネットワークシステムの製造のための、例えばジ-およびトリアクリレートなどの3次元クロスリンクが可能なモノマーは、EP 0 313 053において述べられている。
しかし、さらに、例えば無機ガラスモノリス(US 4,814,211) 、他の無機材料(例えば日本の公開された明細書 303325/1988参照)などの他の透明材料、または代替的な他の材料は、マトリックスおよびネットワークシステムに用いられうる。
述べた材料は、例により本発明を説明するためであって、限定するものではない。基本的に、前述の請求項1に記載されているマトリックスまたはネットワーク構造の製造を許容する全ての透明材料は、用いることができる。
本発明の電気光学的LCシステムの好ましい態様は、修飾された方法により製造されたNCAPフィルム、PDLCフィルムおよびミクロ液滴マトリックスシステムである。これらのフィルムの製造方法は、例えば、US 4,688,900, US 4,673,255, US 4,671,618, WO 85/04262, US 4,435,047, EP 0 272 595, Mol. Cryst. Liq. Cryst. 157 (1988), 427, Liquid Crystals, 3 (1988), 1543, EP 0 165 063, EP 0 345 029, EP 0 357 234およびEP 0 205 261に記載されている。
本発明の電気光学的システムのさらなる好ましい態様は、高分子ネットワークシステムであり、その製造についてはEP 0 313 053に記載されている。透明媒体が、GB 1 442 360などに記載されているLC中の個々の例えば球形の粒子の形態で分散されている配置はまた、ここではネットワークシステムに含まれる。
しかし、さらにまた、本発明の態様は、透明媒体が、片側のネットワーク構造ともう一方側の液滴マトリックス構造との間に存在する構造を有する態様が含まれる。
加えて、ここで明らかには述べていない本発明の他の態様も含まれる。
電気光学的システムの厚さであるdは、習慣的に、可能な限り低い閾値電圧Vth を達成するために、小さくなるように選ばれる。したがって、例えば、0.8および1.6 mm の層の厚さがUS 4,435,047において報告されているが、10〜300μmの層の厚さの値が US 4,688,900において述べられ、5〜30μmの層の厚さの値がEP 0 313 053で述べられている。 本発明の電気光学的システムは、例外的な場合においては、数mmよりも大きい層の厚さdを有する;層の厚さは好ましくは200μm未満、特に好ましくは100μm未満である。
閾値電圧は、また、ミクロ液滴のサイズまたはネットワークの網目幅により影響される。一般的に、比較的小さい液滴が比較的高い閾値電圧を引き起こし、比較的短い切り替え時間であるtonまたはtoff を引き起こす(US 4,673,255)。平均液滴サイズに影響を与えるための実験方法は、例えば、US 4,673,255およびJ.L. West, Mol. Cryst. Liq. Cryst. 157, (1988), 427に記載されている。US 4,673,255においては、平均滴直径が0.1 μm〜8 μmとなっているが、例えばガラスモノリスに基づくマトリックスは、直径15〜2000Åの孔隙を有する。PNシステムのネットワークの網目幅には、好ましい0.5〜2μmの範囲についてEP 0 313 053に記載されている。
しかし、、本発明の電気光学的LCシステムと今までの従来的なシステムとの間には、用いられるLC媒体において本質的な違いがある。
本発明のLC媒体は、好ましくは2またはそれ以上のLC化合物の混合物であり、少なくとも1つの式Iの化合物を含む。
式Iの化合物は好ましくは下記式
Figure 2005060703
式中、X0、Y1、Y2、Y4、Y5、Y7、Y8、Z1、Z2 およびr は式Iの意味を有し、R0は、各々9個までの炭素原子を有するn-アルキル、n-アルコキシ、n-オキサアルキル、n-フルオルアルキル、n-フルオルアルコキシまたはn-アルケニルである、
から選択される。
式I1の化合物が特に好ましい。
式I、I1およびI2の化合物において、式中、さらに好ましくはY1、 Y2、 Y4、 Y5、 Y7 およびY8の基のうちの少なくとも1つが、特に好ましくはY1、 Y2、 Y4 およびY5 の基のうちの少なくとも1つが、Fである。
さらに好ましくは、式I、I1およびI2の化合物において、Z1 が-CF2O-である。
特に好ましいのは下記化合物である。
Figure 2005060703
Figure 2005060703
Figure 2005060703
式中、R0 は式I1において与えられた意味を有する。式I1aの化合物が極めて好ましい。
本発明において特に好ましいのは下記の態様である:
・液晶媒体が、さらに、下記式:
Figure 2005060703
式中、
r、X0、Y1-4およびR0は、式IおよびI1の意味を有し、
Z0は、-CF2O-、-OCF2-、-C2F4-、-CF=CF-、-CH=CF-、-CF=CH-、-C2H4-、-(CH2)4-、-OCH2- または -CH2O-であり、そして
Z3は、-C2F4-、-CF=CF-、-CH=CF-、-CF=CH-、-C2H4-、-(CH2)4-、-OCH2-または-CH2O-
である、
から選択される1または2以上の化合物を含む。
・式IIの化合物は好ましくは下記式
Figure 2005060703
式中、X0およびR0は、式IおよびI1の意味を有し、X0は好ましくはFまたはOCF3である、
から選択される。特に好ましいのは、式IIbの化合物である。
・式IIIの化合物は好ましくは下記式
Figure 2005060703
・式中、X0およびR0は、式IおよびI1において与えられた意味を有し、X0は好ましくはFまたはOCF3である、
から選択される。特に好ましいのは、式IIIbの化合物である。
・式IVの化合物は好ましくは下記式
Figure 2005060703
式中、R0は、式I1において与えられた意味を有し、好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチルまたはn-ペンチルである、
から選択される。特に好ましいのは、式IVaの化合物である。
・液晶媒体が、さらに、下記式:
Figure 2005060703
式中、X0およびR0は、式IおよびI1において与えられた意味を有し、
Lは、H、FまたはClである、
から選択される1または2以上の化合物を含む。X0は、好ましくはFまたはClである。式VIII、IXおよびXの化合物において、好ましくは、X0はClであり、LはHである。
・液晶媒体が、さらに、下記式:
Figure 2005060703
Figure 2005060703
式中、X0、Y1-4およびR0は、式IおよびI1の意味を有し、L1は、H、またはFであり、好ましくはFである、
から選択される1または2以上の化合物を含む。X0は、好ましくはF、Cl、CF3、OCF3またはOCHF2である。R0は、好ましくは各々6個までの炭素原子を有するアルキル、アルコキシ、オキサアルキル、フルオルアルキル、フルオルアルコキシまたはアルケニルである。特に好ましいのは、式XIVおよびXVIIの化合物である。
・式XVIIの化合物は好ましくは下記式
Figure 2005060703
式中、X0およびR0は、式IおよびI1の意味を有し、X0は、好ましくはFである、
から選択される。
上記式中において、R0は、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する直鎖アルキルまたは2〜7個の炭素原子を有する直鎖アルケニルである。
上記式中において、X0は、好ましくは-CF3、-C2F5、-C3F7、-OCF3、-CH=CHF、-(CH2)n-CH=CHF、-CH=CF2、-(CH2)n-CH=CF2、-CF=CF2、-(CH2)n-CF=CF2、-OCH=CHF、-OCH=CF2または-OCF=CF2である。
Figure 2005060703
・LC媒体は、式II、III、IV、V、VIおよび/またはVIIの化合物を1または2以上含む。
・LC媒体は、本質的に、式I、II、III、VIII、IX、XIVおよびXVの化合物からなる。
・全体混合物における式Iの化合物の量は、2〜40%であり、好ましくは5〜30%である。
・全体混合物における式II〜VIIの化合物の量は、10〜60%であり、好ましくは20〜45%である。
・全体混合物における式VIII〜XIIIの化合物の量は、20〜70%であり、好ましくは30〜60%である。
・全体混合物における式XIV〜XXIの化合物の量は、1〜20%であり、好ましくは2〜15%である。
LC媒体は、C≡C三重結合を有する化合物を含まず、特にトラン化合物を含まない。 LC媒体は、シアノ基を有する化合物を含まない。
上記式I〜XXIにおいて、「フッ化されたアルキルまたはアルコキシ」とは、好ましくは、CF3、OCF3、CFH2、OCFH2、CF2H、OCF2H、C2F5、OC2F5、CFHCF3、CFHCF2H、CFHCFH2、CH2CF3、CH2CF2H、CH2CFH2、CF2CF2H、CF2CFH2、OCFHCF3、OCFHCF2H、OCFHCFH2、OCH2CF3、OCH2CF2H、OCH2CFH2、OCF2CF2H、OCF2CFH2、C3F7 またはOC3F7、特に、CF3、OCF3、CF2H、OCF2H、C2F5、OC2F5、CFHCF3、CFHCF2H、CFHCFH2、CF2CF2H、CF2CFH2、OCFHCF3、OCFHCF2H、OCFHCFH2、OCF2CF2H、OCF2CFH2、C3F7またはOC3F7、特に好ましくはOCF3またはOCF2Hである。
「アルキル」という語は、1〜7個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、特に、直鎖基であるメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルを包含する。2〜5個の炭素原子を有する基が一般的には好ましい。
「アルケニル」という語は、2〜7個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルケニル基、特に、直鎖基を包含する。特に好ましいアルケニル基は、C2-C7-1E-アルケニル、C4-C7-3E-アルケニル、C5-C7-4-アルケニル、C6-C7-5-アルケニルおよびC7-6-アルケニル、特にC2-C7-1E-アルケニル、C4-C7-3E-アルケニルおよびC5-C7-4-アルケニルである。好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E-プロペニル、1E-ブテニル、1E-ペンテニル、1E-ヘキセニル、1E-ヘプテニル、3-ブテニル、3E-ペンテニル、3E-ヘキセニル、3E-ヘプテニル、4-ペンテニル、4Z-ヘキセニル、4E-ヘキセニル、4Z-ヘプテニル、5-ヘキセニルおよび6-ヘプテニルである。5個までの炭素原子を有する基が一般的には好ましい。
「フルオロアルキル」という語は、好ましくは末端にフッ素を有する直鎖基、すなわち、フルオロメチル、2-フルオロエチル、3-フルオロプロピル、4-フルオロブチル、5-フルオロペンチル、6-フルオロヘキシルおよび7-フルオロヘプチルを包含する。しかし、フッ素が他の位置にあることも除外されない。
「オキサアルキル」という語は、好ましくは、nおよびmがそれぞれ互いに独立に1〜6である式CnH2n+1-O-(CH2)mの遊離直鎖基を包含する。 好ましくはn = 1であり、mは1〜6である。
ハロゲンは、好ましくはFまたはClであり、特にはFである。
上記遊離基の1つがアルキル遊離基および/またはアルコキシ遊離基である場合には、これは直鎖でも分枝でもよい。好ましくは、直鎖であって、2、3、4、5、6または7個の炭素原子を有し、したがって、好ましくはエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシまたはヘプトキシ、 さらにはメチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシ、オクトキシ、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシである。
オキサアルキルは、好ましくは、直鎖2-オキサプロピル (=メトキシメチル)、 2-(=エトキシメチル) または3-オキサブチル (=2-メトキシエチル)、2-、3-または4-オキサペンチル、2-、3-、4-または5-オキサヘキシル、2-、3-、4-、5-または6-オキサヘプチル、2-、3-、4-、5-、6- または7-オキサオクチル、2-、3-、4-、5-、6-、7-または8-オキサノニル、あるいは2-、3-、4-、5-、6-、7-、8-または9-オキサデシルである。
上記遊離基のうちの1つが、1つのCH2基が-CH=CH-により置換されているアルキル遊離基である場合には、これは直鎖であっても分枝であってもよい。好ましくは、直鎖であって、2〜10個の炭素原子を有する。したがって、特にビニル、プロプ-1-またはプロプ-2-エニル、ブト-1-、 -2-またはブト-3-エニル、ペント-1-、-2-、-3-またはペント-4-エニル、ヘクス-1-、-2-、-3-、-4-またはヘクス-5-エニル、ヘプト-1-、-2-、-3-、-4-、-5-またはヘプト-6-エニル、オクト-1-、-2-、-3-、-4-、-5-、-6- またはオクト-7-エニル、ノン-1-、-2-、-3-、-4-、-5-、-6-、-7-またはノン-8-エニル、デク-1-、-2-、-3-、-4-、-5-、-6-、-7-、-8-またはデク-9-エニルである。
上記遊離基のうちの1つが、1つのCH2基が-O-により置換され、そして1つのCH2基が-CO-により置換されているアルキル遊離基である場合には、これらは隣接していることが好ましい。したがって、これらはアシロキシ基 -CO-O-またはオキシカルボニル基 -O-CO-を含む。これらは、好ましくは直鎖であって、2〜6個の炭素原子を有する。
したがって、それらは特に、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2-アセチルオキシエチル、2-プロピオニルオキシエチル、2-ブチリルオキシエチル、3-アセチルオキシプロピル、3-プロピオニルオキシプロピル、4-アセチルオキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2-(メトキシカルボニル)エチル、2-(エトキシカルボニル)エチル、2-(プロポキシカルボニル)エチル、3-(メトキシカルボニル)プロピル、3-(エトキシカルボニル)プロピルまたは4-(メトキシカルボニル)ブチルである。
上記遊離基のうちの1つが、1つのCH2基が置換されているかもしくは置換されていない-CH=CH-により置換されているアルキル遊離基であって、隣接するCH2基がCO、 CO-OまたはO-COにより置換されている場合には、これは直鎖であっても分枝であってもよい。好ましくは、直鎖であって、4〜13個の炭素原子を有する。 したがって、特には、アクリロイルオキシメチル、2-アクリロイルオキシエチル、3-アクリロイルオキシプロピル、4-アクリロイルオキシブチル、5-アクリロイルオキシペンチル、6-アクリロイルオキシヘキシル、7-アクリロイルオキシヘプチル、8-アクリロイルオキシオクチル、9-アクリロイルオキシノニル、10-アクリロイルオキシデシル、メタクリロイルオキシメチル、2-メタクリロイルオキシエチル、3-メタクリロイルオキシプロピル、4-メタクリロイルオキシブチル、5-メタクリロイルオキシペンチル、6-メタクリロイルオキシヘキシル、7-メタクリロイルオキシヘプチル、8-メタクリロイルオキシオクチルまたは9-メタクリロイルオキシノニルである。
上記遊離基のうちの1つが、CNまたはCF3により一置換されているアルキルまたはアルケニル遊離基である場合には、この遊離基は好ましくは直鎖である。CNまたはCF3 による置換はどの位置でもよい。
上記遊離基のうちの1つが、ハロゲンにより少なくとも一置換されているアルキルまたはアルケニル遊離基である場合には、この遊離基は好ましくは直鎖であって、ハロゲンは好ましくはFまたはClである。多置換の場合には、ハロゲンは好ましくはFである。結果的に遊離基は過フッ化された遊離基をも含む。一置換の場合には、フッ素または塩素置換基は所望のいかなる位置でもよいが、好ましくはω-位置である。
分枝基を含む化合物は、場合によっては、従来の液晶の基礎材料中でのよりよい溶解性のために重要である。しかし、それらが光学的に活性である場合には、キラル成分として特に適している。
このタイプの分枝基は、一般に1鎖の分枝しか含まない。好ましい分枝遊離基は、イソプロピル、2-ブチル(=1-メチルプロピル)、イソブチル(=2-メチルプロピル)、 2-メチルブチル、イソペンチル(=3-メチルブチル)、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、イソプロポキシ、2-メチルプロポキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、2-エチルヘキソキシ、1-メチルヘキソキシまたは1-メチルヘプトキシである。
上記遊離基のうちの1つが、2以上のCH2基が-O-および/または-CO-O-により置換されているアルキル遊離基である場合には、これは直鎖であっても分枝であってもよい。好ましくは、分枝であって、3〜12個の炭素原子を有する。したがって、特には、ビスカルボキシメチル、2,2-ビスカルボキシエチル、3,3-ビスカルボキシプロピル、4,4-ビスカルボキシブチル、5,5-ビスカルボキシペンチル、6,6-ビスカルボキシヘキシル、7,7-ビスカルボキシヘプチル、8,8-ビスカルボキシオクチル、9,9-ビスカルボキシノニル、10,10-ビスカルボキシデシル、ビス(メトキシカルボニル)メチル、2,2-ビス(メトキシカルボニル)エチル、3,3-ビス(メトキシカルボニル)プロピル、4,4-ビス(メトキシカルボニル)ブチル、5,5-ビス(メトキシカルボニル)ペンチル、6,6-ビス(メトキシカルボニル)ヘキシル、7,7-ビス(メトキシカルボニル)ヘプチル、8,8-ビス(メトキシカルボニル)オクチル、ビス(エトキシカルボニル)メチル、2,2-ビス(エトキシカルボニル)エチル、3,3-ビス(エトキシカルボニル)プロピル、4,4-ビス(エトキシカルボニル)ブチルまたは5,5-ビス(エトキシカルボニル)ペンチルである。
式中1または2以上のZ1、Z2、RまたはR0 がC≡C三重結合を含む上記式I〜VIIの化合物は、より好ましくない。好ましくは、LC媒体は、トランまたはアセチレン化合物などのC≡C三重結合を含まない。
さらには、LC媒体は好ましくは、シアノ基を含む化合物を含有しない。
本発明のLC媒体は、好ましくは、ネマチック相範囲が<-10℃および>+70℃の間にあり、極めて好ましくは<-20℃および>+80℃の間にあり、最も好ましくは、<-20℃および>+90℃の間にある。
本発明のLC媒体は、好ましくは、複屈折率Δn≧0.18、極めて好ましくは≧0.2、最も好ましくは≧0.25を有する。
本発明のLC媒体は、好ましくは、誘電異方性Δε≧+12、極めて好ましくは≧+18、最も好ましくは≧+23を有する。
本発明のLC媒体はまた、高い信頼性および、特異的抵抗性(SR)としても知られている高い電気抵抗性により特徴づけられる。本発明のLC媒体のSR値は、好ましくは≧1x1013Ωcm、極めて好ましくは≧1x1014Ωcmである。他に記載がなければ、SRの測定はG. Weber et al., Liquid Crystals 5, 1381 (1989)に記載されている通りに行われる。
本発明のLC媒体は、また、高い電圧保持率(VHR)[S. Matsumoto et al., Liquid Crystals 5, 1320 (1989); K. Niwa et al., Proc. SID Conference, San Francisco, June 1984, p. 304 (1984); T. ’’Merck Liquid Crystals - Physical Properties of Liquid Crystals’’, 1997中のJacob and U. Finkenzeller 参照]により特徴づけられる。本発明のLC媒体のVHRは、好ましくは95%、極めて好ましくは98%である。他に記載がなければ、VHRの測定は ’’Merck Liquid Crystals - Physical Properties of Liquid Crystals’’, 1997中のT. Jacob, U. Finkenzellerに記載されている通りに行われる。
式I〜XXIの化合物は公知であり、文献(例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart, Vol. IX, pp. 867 ffなどの標準的文献)に記載されたそれ自体知られた方法で、公知であり既に述べられた反応に適した反応条件下で正確に製造することができる。
本発明の電気光学的システムにおいて用いられるLC媒体は、好ましくは2〜40、特に3〜30、とりわけ4〜25種の化合物を含む。式I〜XXIの化合物に加えて、LC媒体はさらなる化合物、特に好ましくは上記で挙げたより小さな群から選択された、好ましくは1〜20種の化合物を含んでもよい。
これらのさらなる構成成分は、好ましくは、ネマチックまたはネマトジェニック(nematogenic)(単変性(monotropic)または等方性)物質から選択され、特にはアゾキシベンゼン、ベンジリデンアニリン、ビフェニル、テルフェニル、フェニルまたはシクロヘキシル 安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル、シクロヘキシル安息香酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル、シクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸のフェニル またはシクロヘキシルエステル、安息香酸のシクロヘキシルフェニル、シクロヘキサンカルボン酸およびシクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸のシクロヘキシルフェニルエステル、フェニルシクロヘキサン、シクロヘキシルビフェニル、フェニルシクロヘキシルシクロヘキサン、シクロヘキシルシクロヘキセン、1,4-ビス- シクロヘキシルベンゼン、4,4’-ビス-シクロヘキシルビフェニル、フェニル- または シクロヘキシルピリミジン、フェニル- または シクロヘキシルピリジン、フェニル- または シクロヘキシルジオキサン、フェニル- または シクロヘキシル-1,3-ジチアン、1,2- ジフェニルエタン、1,2-ジ-シクロヘキシルエタン、1-フェニル-2-シクロヘキシルエタン、1-シクロヘキシル-2-(4-フェニルシクロヘキシル)エタン、1-シクロヘキシル-2-ビフェニルイルエタン、1-フェニル-2- シクロヘキシルフェニルエタン、任意にハロゲン化されたスチルベン、ベンジルフェニルエーテル、トランならびに置換桂皮酸の類から選択された物質が好ましい。これら化合物中の1,4-フェニレン基はフッ化されていてもよい。
本発明のシステムにおいて用いられる混合物のさらなる構成成分として適した最も重用な化合物は、式1、2、3、4および5:
R’-L-E-R’’ 1
R’-L-COO-E-R’’ 2
R’-L-OOC-E-R’’ 3
R’-L-CH2CH2-E-R’’ 4
R’-L-C≡C-E-R’’ 5
により特徴づけられる。
式1、2、3、4および5においてL およびEは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれの場合において互いに独立に-Phe-, -Cyc-, -Phe-Phe-、-Phe-Cyc-、-Cyc-Cyc-、-Pyr-、-Dio-、-G-Phe-および-G-Cyc-、ならびにこれらの鏡像体からなる群の中の二価遊離基であり、ここでPheは置換されていないかまたはフッ素置換されている1,4-フェニレンであり、Cycはトランス-1,4-シクロヘキシレンまたは1,4-シクロヘキセニレンであり、Pyrはピリミジン-2,5-ジイルまたはピリジン-2,5-ジイルであり、Dioは1,3-ジオキサン-2,5-ジイルであり、ならびにGは2-(トランス-1,4-シクロヘキシル)エチル、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイルまたは1,3-ジオキサン-2,5-ジイルである。
遊離基LおよびEは好ましくはCyc、PheまたはPyrである。Eは、好ましくはCyc、PheまたはPhe-Cycである。本発明の媒体は、好ましくは、LおよびEはCyc、PheおよびPyrを含む群から選択される式1、2、3、4および5の化合物から選択される1または2以上の構成成分、同時にCyc、PheおよびPyrを含む群から選択される1または2以上の構成成分を含み、他の遊離基は-Phe-Phe-、-Phe-Cyc-、-Cyc-Cyc-、-G-Phe-および-G-Cyc-はを含む群から選択され、遊離基LおよびEが-Phe-Cyc-、-Cyc-Cyc-、-G-Phe-およびG-Cyc-を含む群から選択される式1、2、3、4および5の化合物を任意に含む。
式1a、2a、3a、4aおよび5aの化合物において、R’およびR’’は、それぞれの場合において、それぞれ他とは独立に、8個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシである。これらの化合物において、R’およびR’’は互いに異なっており、これら遊離基のうちの1つは通常アルキルまたはアルケニルである。式1b、2b、3b、4bおよび5bの化合物において、R’’ は-CN、-CF3、-OCF3、-OCHF2、-F、-Clまたは-NCSである;この場合において、R’は式1a〜5aの化合物に与えられた意味を有し、好ましくはアルキルまたはアルケニルである。しかし、式1、2、3、4および5の化合物において提案された置換基の他の種類は、共通である。多くのかかる物質または代わりとなるこれらの混合物は市販されている。これらの物質は全て文献により知られているかまたは同様な方法により得ることができる。
化合物1a、2a、3a、4aおよび5a (群1)を含む群の中の構成成分に加えて、電気光学的システムにおいて用いられる混合物は、本発明によれば、好ましくは化合物1b、2b、3b、4bおよび5b(群2)を含む群の中の構成成分をも含み、その比率は好ましくは下記:
群1:20〜90%、特には30〜90%、
群2:10〜80 %、特には10〜50 %、
であって、本発明の化合物ならびに群1および2の化合物の比率の合計は、100%になる。
LC混合物は、1または2以上の多色性色素、1または2以上のキラル化合物ならびに慣習的添加剤などの付加的化合物を含んでもよい。
高分子媒体の前駆物質、すなわち、硬化させたときに光学的に透明で等方性の高分子媒体を与える低分子質量材料または高分子質量材料は、従来的なものでよく、上記に列挙された材料から選択してもよい;通常、特に好ましいのは、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチル-、エチル-、n- またはtertブチル-、シクロヘキシル-、2-エチルヘキシル-、フェニルオキシエチル-、ヒドロキシエチル-、ヒドロキシプロピル-、2-5 C-アルコキシエチル-、テトラヒドロフルフリルアクリレートまたはメタクリレート、ビニルアセテート、-プロピオネート、-アクリレート、-サクシネート、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカルバゾール、スチレン、ジビニルベンゼン、エチレンジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールアクリレート、ビスフェノール-A-ジアクリレートおよび-ジメタクリレート、トリメチルイルプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチルプロパンテトラアクリレートならびにジペンタエリスリトールペンタ-またはヘキサアクリル酸に基づく光照射硬化前駆物質である。
NCAPフィルムは、好ましくは参考文献としてここで組み込まれているEP 0 409 442、US 4,435,047、US 4,579,423およびUS 4,950,052の実施例において記載されている。
また、チオール−エン(thiol-ene)は、例えば、市販されている製品Norland 65 (Norland Products)などが好ましい。
さらには、例えばEbecryl(登録商標)270、5129または350 (UCB Chemicals, Ltd.より市販)などのEbecryl(登録商標)シリーズといった重合可能な材料または構成を含む前駆物質が好ましい。
この列挙は本発明の範囲を限定することなく説明することを意図している。適した光重合開始剤は例えばDE 41 02 215に記載されている。さらには光陽イオン硬化前駆物質が好ましく、 このタイプの適切な光重合開始剤は例えばJP 90-409225に記載されている。ラジカル重合のための光重合開始剤としては、例えば、市販されている Irgacure(登録商標)またはDarocure(登録商標)シリーズ(Ciba Geigy AG)を用いることができ、 陽イオン重合のためのものとしては、市販されているUVI 6974 (Union Carbide)を用いることができる。
本発明の電気光学的システムの製造は、通常下記のように行われる:LC混合物、等方性透明高分子媒体の前駆物質および任意に界面活性剤などのさらなる成分を徹底的に混合して完全な等方性溶液とし、特にNCAPの場合には、超音波の適用、コロイドミルの使用、または他の方法により分散させる。分散の反応をさせて得られた溶液を、引き続いて通常ガラス物質に付着して硬化している電極層の間に注入する。
本発明の電気光学的LCシステムは有利な性質を示し、特に低い軸外かすみと同時に優れたコントラストを示す。本発明のシステムは、小さいディスプレイ装置に適しているが、広告板などの巨大表面積表示システムや、窓、間仕切り、サンルーフなどの建築用途および自動車(窓、サンルーフなど)にも適している。本発明のシステムは、これまでに公知のシステムの欠点を示さないかまたは少ない程度の欠点しか有さず、したがって、かなり経済的に重要である。
本発明のLC混合物は、特に、上記及び下記に記載されている電気光学的システムにおける使用に適している。したがって、本発明のLCおよび電気光学的システムはかなり商業的に重要性である。
本発明のLC混合物は、本発明の全ての電気光学的システムにおいて用いられうるようにさらなる添加剤により修飾されうる。
このタイプの添加剤は、当業者に知られており、文献に詳細に記載されている。したがって、例えば、多色性色素は、着色した電気光学的システムを製造するために加えられてもよく、LCの誘電異方性、光学的等方性、粘性および/または電気光学的パラメーターの温度依存性を変えるために物質を加えてもよい。このタイプの物質は、例えば、H. Kelker and R. Hatz, Handbook of Liquid Crystals, Verlag Chemie, Weinheim, 1980ならびにDE-OS 22 09 127、DE 22 40 864、DE 23 21 632、DE 23 38 281、DE 24 50 088、DE 26 37 430、DE 28 53 728およびDE 29 02 177に記載されている。
電気光学的システムにおいて、LCに加えられる多色性色素の重量%は、好ましくは0〜25%、特に好ましくは0〜20%、極めて特に好ましくは0〜15%である。
さらに、キラルメソゲニック(mesogenic)または代わりにノンメソゲニック化合物を、例えばDE 40 07 039において記載されているように、不透明状態の散乱を増加させるためおよび/または電気光学的曲線の傾きに影響を与えるために、本発明のLC混合物に加えてもよい。本発明のLCには0〜15%、特に0〜10%のキラル添加剤を含むことが好ましい。
本発明の電気光学的システムは直流電圧または交流電圧を印加することによりスイッチオンにしてもよい。しかし、好ましくは、1〜240ボルトの有効交流電圧振幅ならびに10Hz〜10kHzの交流電圧周波数を有する交流電圧が用いられる。特に好ましくは、振幅は2〜220ボルトであり、周波数は20〜120kHzである。極めて特に好ましくは、交流電圧の振幅は2〜130Vである。
本発明において用いられうるLC媒体は、それ自体従来的方法により製造される。一般には、より少ない量で用いられる構成成分は望ましい量で、便宜上上昇した温度において、主要な構成成分を構成する成分中に溶解される。また、例えばアセトン、クロロホルム、またはメタノールなどの有機溶媒中で構成成分の溶液を混合し、完全な混合の後、例えば蒸留などにより溶媒を除くことができる。
本発明のLC媒体混合物はまた、1または2以上の安定剤または抗酸化剤などのさらなる添加剤を含んでもよい。
本発明の適用および下記実施例において、LC化合物の構造は、下記表AおよびBによる化学式に変換される略語により特定される。全ての遊離基CnH2n+1 およびCmH2m+1 はnまたはm個の炭素原子を有する直鎖アルキル遊離基である。表Aは母体のためだけの略語を特定する。表Bによるコーディングは自明である。各場合において、原語のための略語は下記に、ハイフンにより分離され、置換基R1、R2、L1およびL2 のためのコードが記載されている:
Figure 2005060703
好ましい混合成分は表A、BおよびCに示す。
表A:(L1, L2 = HまたはF)
Figure 2005060703
表B:
Figure 2005060703
下記実施例は本発明を限定することなく説明するものである。
以上および以下で、パーセントは重量パーセントを意味する。全ての温度は摂氏温度で記載される。m.p.は融点を、cl.p.は透明点(clearing point)を表す。さらに、C=結晶状態(crystalline state)、S=スメチック相(smectic phase)、N=ネマチック相(nematic phase)、Ch=コレステリック相(cholesteric phase)およびI=等方性相(isotropic phase)である。これらの記号間のデータは、転移温度を表すものである。さらに、下記略語も用いられる (他の表記がなければ、値は20℃の温度におけるものである)
Δn 589nmにおける光学的異方性(optical anisotropy)
ne 589nmにおける異常光屈折率(extraordinary refractive index)
no 589nmにおける常光屈折率(ordinary refractive index)
Δε 誘電異方性(dielectric anisotropy)
εll 分子の縦軸に平行な誘電定数(dielectric constant)
下記ネマチックLC混合物の構成である。
Figure 2005060703
PDLC装置は上記混合物および下記高分子前駆体から製造した。
エチルヘキシルアクリル酸 87%
Ebecryl(登録商標) 10%
トリメチロールプロパントリアクリレート 2%
Darcour 4265(登録商標) 1%
PDLCフィルムは、上記に記載のPIPS(重合誘導性相分離(polymeraization-induced phase separation)) 技術により、10mW/cm2の強さを有する高圧水銀ランプ(365nm)を用いて、2つの透明電極間で製造される。
20℃におけるPDCI装置のVHRは98.4%である。PDLC装置の電気光学曲線を図1に示す。PDLC装置は低い閾値電圧と高いコントラストを有することがわかる。
PDLC装置の電気光学曲線である。

Claims (19)

  1. 電気光学的液晶システムにおける使用のための液晶媒体であって、前記電気光学的液晶システムは、前記液晶媒体を含有してさらに光学的等方媒体を含み、前記液晶媒体および光学的等方媒体は、相分離しているかまたはミクロ相分離しており、前記液晶媒体は式I
    Figure 2005060703
    式中、
    Rは、1〜15個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシまたは置換されていないか、CNもしくはCF3 により1置換されているか、あるいはハロゲンにより1置換または多置換されている2〜15個の炭素原子を有するアルキレンであって、ここで、1または2以上のCH2基が任意に、各場合においてそれぞれ互いに独立に、酸素原子が互いに直接結合しないように-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-または-C≡C- により置換されており、
    Figure 2005060703
    Y1からY9は、互いに独立にHまたはFであり、
    Z1は、-CF2O-または-OCF2-であり、
    Z2は、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-S-CO-、-CO-S-、-OCH2-、-CH2O-、-SCH2-、-CH2S-、-CF2O-、-OCF2-、-CF2S-、-SCF2-、-CH2CH2-、-CF2CH2-、-CH2CF2-、-CF2CF2-、-CH=CH-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CF=CF-、-C≡C- または単結合であり、
    X0は、F、Cl、または1〜6個の炭素原子を有するハロゲン化アルキルもしくはアルコキシあるいは2〜6個の炭素原子を有するアルケニルであり、そして
    rは、0または1である、
    で表される化合物を1または2以上含むことを特徴とする、前記液晶媒体。
  2. 液晶媒体が、下記式
    Figure 2005060703
    式中、X0、Y1、Y2、Y4、Y5、Y7、Y8、Z1、Z2 およびr は請求項1における式Iの意味を有し、R0は、各々9までの炭素原子を有するn-アルキル、n-アルコキシ、n-オキサアルキル、n-フルオルアルキル、n-フルオルアルコキシまたはn-アルケニルである、
    から選択される化合物を少なくとも1つ含むことを特徴とする、請求項1に記載の液晶媒体。
  3. 下記式
    Figure 2005060703
    Figure 2005060703
    Figure 2005060703
    式中、R0 は請求項2における式I1の意味を有する、
    から選択される化合物を少なくとも1つ含むことを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の液晶媒体。
  4. 液晶媒体が、下記式:
    Figure 2005060703
    Figure 2005060703
    式中、
    r、X0、Y1-4およびR0は請求項1および2における式IおよびI1の意味を有し、
    Z0は、-CF2O-、-OCF2-、-C2F4-、-CF=CF-、-CH=CF-、-CF=CH-、-C2H4-、-(CH2)4-、-OCH2- または -CH2O-であり、そして
    Z3は、-C2F4-、-CF=CF-、-CH=CF-、-CF=CH-、-C2H4-、-(CH2)4-、-OCH2-または-CH2O-
    である、
    から選択される1または2以上の化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶媒体。
  5. 液晶媒体が、下記式
    Figure 2005060703
    式中、X0およびR0は請求項1および2における式IおよびI1の意味を有する、
    から選択される少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶媒体。
  6. 液晶媒体が下記式
    Figure 2005060703
    式中、X0およびR0は請求項1および2における式IおよびI1の意味を有する、
    から選択される少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の液晶媒体。
  7. 液晶媒体が、下記式
    Figure 2005060703
    Figure 2005060703
    式中、X0およびR0は請求項1および2における式IおよびI1の意味を有し、
    Lは、H、FまたはClである、
    から選択される少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の液晶媒体。
  8. 液晶媒体が、下記式
    Figure 2005060703
    Figure 2005060703
    式中、X0、Y1-4およびR0は請求項1および2における式IおよびI1の意味を有し、
    L1は、H、またはFである、
    から選択される少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の液晶媒体。
  9. 液晶媒体が、下記式
    Figure 2005060703
    式中、X0およびR0は請求項1および2における式IおよびI1の意味を有する、
    から選択される少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の液晶媒体。
  10. 式I、II、III、VIII、IX、XIVおよびXVIIの化合物を1または2以上含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の液晶媒体。
  11. 式Iの化合物を2〜40%含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の液晶媒体。
  12. 式Iの化合物を2〜40%、式II〜VIIの化合物を10〜60%、式VIII〜XIIIの化合物を20〜70%、式XIV〜XXIの化合物を1〜20%含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の液晶媒体。
  13. 請求項1〜12に記載の液晶媒体の、電気光学的液晶システムにおける使用であって、前記電気光学的液晶システムは、前記液晶媒体を含有してさらに光学的等方媒体を含み、前記液晶媒体および光学的等方媒体は、相分離しているかまたはミクロ相分離している、前記使用。
  14. 相分離しているかまたはミクロ相分離している液晶媒体および光学的等方媒体を含む電気光学的液晶システムであって、媒体が請求項1〜12のいずれかに記載の媒体であることを特徴とする、前記電気光学的液晶システム。
  15. 光学的等方媒体が高分子媒体であり、液晶媒体が等方高分子媒体中に液滴の形態で包埋されているかまたは等方高分子媒体により形成される3次元ネットワーク中に連続層として存在することを特徴とする、請求項14に記載の電気光学的液晶システム。
  16. 電気光学的液晶システムがPDLC、NCAPまたは高分子ネットワークシステムであることを特徴とする、請求項14または15に記載の電気光学的液晶システム。
  17. システムが、複屈折率Δn=ne-noである正誘電性を有する液晶媒体および任意に基板シートに適用される電極間で屈折率がnmである光学的透明媒体を含み、
    液晶媒体および光学的等方媒体が、相分離しているかまたはミクロ相分離しており、
    液晶媒体の液晶分子が、2つの電極間の電場を印加することにより少なくとも2つの状態の間を切り替えることができ、
    前記切り替え状態の1つ、好ましくは電場印加がないスイッチオフ状態において、液晶媒体の液晶分子が不規則な方向性を有し、
    液晶媒体の屈折率のうちの1つが、本質的に光学的等方媒体の屈折率nmと一致し、および/または液晶媒体の質量指数および光学的透明媒体の質量の比(商)が1.5以上であり、
    入射光の偏光とは独立に、前記システムが、他の状態と比較して2つの切り替え状態のうちの1つにおいて、好ましくはスイッチオフ状態において、減少した透過性を有する、
    ことを特徴とする、請求項14〜16のいずれかに記載の電気光学的液晶システム。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載の液晶媒体または電気光学的システムの、ディスプレイ装置、巨大表面積表示システム、広告板、時計、投写システム、スイッチ、窓、間仕切りまたはサンルーフなどの建築用途、自動車の窓またはサンルーフ、太陽光照射の遮蔽制御による温度調節装置、およびゲストホスト表示システムのための使用。
  19. 請求項1〜17のいずれかに記載の液晶媒体または電気光学的システムを含む、ディスプレイ装置、巨大表面積表示システム、広告板、時計、投写システム、スイッチ、窓、間仕切りまたはサンルーフなどの建築用途、自動車の窓またはサンルーフ、太陽光照射の遮蔽制御による温度調節装置、およびゲストホスト表示システム。
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