JP2005060480A - 透明樹脂材料 - Google Patents

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JP2005060480A JP2003290627A JP2003290627A JP2005060480A JP 2005060480 A JP2005060480 A JP 2005060480A JP 2003290627 A JP2003290627 A JP 2003290627A JP 2003290627 A JP2003290627 A JP 2003290627A JP 2005060480 A JP2005060480 A JP 2005060480A
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Kenichi Yanagisawa
賢一 柳沢
Toshiaki Yamada
敏明 山田
Hajime Ban
一 伴
Hibiki Ikeda
響 池田
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Abstract

【課題】 耐薬品性、耐熱性、透明性に加え、吸水による寸法変化の少ない表示素子用基板を提供する。
【解決手段】 一般式(1)および/または(2)で表される脂環式炭化水素骨格を持つエピスルフィド化合物を硬化させてなる透明樹脂材料。上記エピスルフィド化合物を硬化触媒の存在下、90℃以上で重合硬化することを特徴とする透明樹脂基板の製造方法。上記透明樹脂基板からなる表示素子用樹脂基板。
Figure 2005060480

Figure 2005060480

(式中、XはSまたはOを表し、このSの個数は三員環を構成するSとOの合計に対して平均で50%以上である。YはSまたはOを表す。R1〜R4は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一の構造をとらなくてもよい。R5〜R24は脂環式骨格内の任意の炭素原子上の置換基を表し、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基又は炭素数1〜18でかつケイ素原子を1〜18個含む有機基を示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明の脂環式エピスルフィド化合物は、液晶表示基板等、高耐熱性および低吸水性が要求される材料の原料として好適に使用される。
液晶等の表示素子用透明基板には耐熱性、耐薬品性、表面硬度、光学的等方性および低吸水性などが要求されるため、従来、ガラス基板が用いられている。しかしながら、ガラスは割れやすく重いという欠点があり、この欠点を改良するため、薄型かつ軽量の透明樹脂基板が提案されている。このような透明樹脂基板の原料として、ジ(メタ)アクリレート化合物が提案されている(特許文献1参照)。
これらを用いて製造した透明樹脂基板は、ガスバリア性が不十分であるため、伸び縮みや曲げによって容積が変化すると液晶中にとけ込んだ気体が泡になって表示機能を阻害するために、液晶に気体を溶け込まさない工夫が種々行われてきた。その一つとして、プラスチック基板に無機膜を積層することにより、ガスバリア性を付与するなどの手段が採用されている。(特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)。
しかし、(メタ)アクリレート化合物を用いた透明樹脂基板を用いた場合、液晶表示素子をプラスチックフィルム上に形成する工程で、加熱・吸水によるプラスチック基板の寸法変化により無機薄膜層に亀裂や欠陥が生じバリア性が大きく低下するおそれがあり、より吸水性の低い透明樹脂基板が求められている。
特開平10−77321号公報 特開平10−309770号公報 特開平11−314313号公報 特開平11−314314号公報
本発明の目的は、上記した欠点に鑑み、耐薬品性、耐熱性、透明性に加え、吸水による寸法変化の少ない表示素子用基板を提供することである。
即ち、本発明の課題は、一般式(1)および/または(2)で表される脂環式エピスルフィド化合物により解決された。
Figure 2005060480
(式中、XはSまたはOを表し、このSの個数は三員環を構成するSとOの合計に対して平均で50%以上である。YはSまたはOを表す。R1〜R4は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一の構造をとらなくてもよい。R5〜R24は脂環式骨格内の任意の炭素原子上の置換基を表しの任意の炭素原子上の置換基を表し、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基又は炭素数1〜18でかつケイ素原子を1〜18個含む有機基を示す。)
Figure 2005060480
(式中、XはSまたはOを表し、このSの個数は三員環を構成するSとOの合計に対して平均で50%以上である。YはSまたはOを表す。R1〜R4は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一の構造をとらなくてもよい。R5〜R24は脂環式骨格内の任意の炭素原子上の置換基を表し、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基又は炭素数1〜18でかつケイ素原子を1〜18個含む有機基を示す。)
本発明によれば、特定の構造を持つジエピスルフィド化合物を重合硬化することにより、従来用いられていた耐熱性透明樹脂基板よりも吸水性が低く、加工の際に体積変化により無機薄膜層に亀裂や欠陥が生じバリア性が大きく低下するおそれがない樹脂基板を提供するものである。
即ち、本発明は、一般式(1)および/または(2)で表される脂環式エピスルフィド化合物を硬化させることによって得られる透明樹脂材料である。
Figure 2005060480
(式中、XはSまたはOを表し、このSの個数は三員環を構成するSとOの合計に対して平均で50%以上である。YはSまたはOを表す。R1〜R4は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一の構造をとらなくてもよい。R5〜R24は脂環式骨格内の任意の炭素原子上の置換基を表し、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基又は炭素数1〜18でかつケイ素原子を1〜18個含む有機基を示す。)
Figure 2005060480
(式中、XはSまたはOを表し、このSの個数は三員環を構成するSとOの合計に対して平均で50%以上である。YはSまたはOを表す。R1〜R4は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一の構造をとらなくてもよい。R5〜R24は脂環式骨格内の任意の炭素原子上の置換基を表し、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基又は炭素数1〜18でかつケイ素原子を1〜18個含む有機基を示す。)
一般式(1)および/または(2)において、XはSまたはOを表すが、このSの個数は三員環を構成するSとOの合計に対して平均でが50%以上であり、好ましくは80%以上である。X中のSの個数は三員環を構成するSとOの合計に対して平均80%以下、特に50%未満の場合、硫黄含有量が低下し、化合物の反応性低下に伴い高温条件下での重合が必要となるため、材料に着色が生じる。
本発明の、脂環式エピスルフィド化合物を得る手法は、一般式(3)および/または(4)で表される脂環式炭化水素骨格を有するジオール類と、エピクロロヒドリンに代表されるエピハロヒドリンをアルカリ存在下で反応させて、一般式(5)および/または(6)で表される脂環式エポキシ化合物得る。
Figure 2005060480
(式中、YはSまたはOを表す。R1〜R4は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一の構造をとらなくてもよい。R5〜R24は脂環式骨格内の任意の炭素原子上の置換基を表し、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基又は炭素数1〜18でかつケイ素原子を1〜18個含む有機基を示す。)
Figure 2005060480
(式中、YはSまたはOを表す。R1〜R4は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一の構造をとらなくてもよい。R5〜R24は脂環式骨格内の任意の炭素原子上の置換基を表し、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基又は炭素数1〜18でかつケイ素原子を1〜18個含む有機基を示す。)
Figure 2005060480
(式中、YはSまたはOを表す。R1〜R4は炭素数1〜4のアルキル基で互いに同一の構造をとらなくてもよい。R5〜R24は脂環式骨格内の任意の炭素原子上の置換基を表し、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基又は炭素数1〜18でかつケイ素原子を1〜18個含む有機基を示す。)
Figure 2005060480
(式中、YはSまたはOを表す。R1〜R4は炭素数1〜4のアルキル基で互いに同一の構造をとらなくてもよい。R5〜R24は脂環式骨格内の任意の炭素原子上の置換基を表し、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基又は炭素数1〜18でかつケイ素原子を1〜18個含む有機基を示す。)
ついで、該エポキシ化合物を、チオシアン酸塩、チオ尿素、トリフェニルホスフィンスルフィド、3−メチルベンゾチアゾール−2−チオン等のチア化剤と、好ましくはチオシアン酸塩、チオ尿素と反応させ製造される。
一般式(5)および/または(6)で表されるエポキシ化合物の製法において、エピハロヒドリン化合物として好ましいものは、エピクロロヒドリンである。また、エピハロヒドリン化合物は量論的には一般式(3)および/または(4)のジオール類の2倍モルを使用するが、生成物の純度、反応速度、経済性等を重視するのであれば、2倍モル以下の量を使用しても、2倍モル以上の量でもかまわない。好ましくは2〜30倍モル使用し反応する。反応は、無溶媒あるいは溶媒中のいずれでもかまわないが、溶媒を使用するときは、エピハロヒドリン、一般式(3)および/または(4)のジオール類、ジオール類の金属塩のいずれかが可溶のものを使用することが望ましい。具体例としては、水、アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類等があげられる。反応は量論以上の塩基の存在下において容易に進行する。塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等の三級アミン、アルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化物等があげられるが、好ましいものは、アルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化物であり、より好ましいものは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等である。反応温度は通常−10〜100℃で実施されるが、好ましくは−10〜60℃である。反応時間は上記の各種条件下で反応が完結する時間であればかまわないが、通常10時間以下が適当である。
一般式(5)および/または(6)で表されるエポキシ化合物より一般式(1)および/または(2)のエピスルフィド化合物を製造する方法において、チア化剤としてチオシアン酸塩を使用する場合、好ましいチオシアン酸塩は、アミン、アルカリまたはアルカリ土類金属の塩であり、より好ましいものは、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウムである。また、チオシアン酸塩は量論的には一般式(5)および/または(6)のエポキシ化合物の2倍モルを使用するが、生成物の純度、反応速度、経済性等を重視するのであれば、2倍モル以下の量を使用しても、2倍モル以上の量でもかまわない。好ましくは、2〜10倍モルの使用であり、より好ましくは2〜5倍モルを使用し反応する。
一般式(5)および/または(6)で表されるエポキシ化合物より、一般式(1)および/または(2)のエピスルフィド化合物を製造する反応は、無溶媒あるいは溶媒中のいずれでもかまわないが、溶媒を使用するときは、チオシアン酸塩あるいはチオ尿素、さらには一般式(5)および/または(6)のエポキシ化合物いずれかが可溶のものを使用することが望ましい。具体例としては、水、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル等のアルコール類;ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ−テル類;メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のヒドロキシエ−テル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類等があげられ、これらの併用使用、例えば、エ−テル類、ヒドロキシエ−テル類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類とアルコ−ル類の組合せ等は効果的である。
また、反応液中に酸および酸無水物等を重合抑制剤として添加することは、反応成績を上げる面から有効な手段である。酸および酸無水物の具体例としては、硝酸、塩酸、硫酸、発煙硫酸、ホウ酸、ヒ酸、燐酸、青酸、酢酸、過酢酸、チオ酢酸、シュウ酸、酒石酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、マレイン酸、安息香酸、無水硝酸、無水硫酸、酸化ホウ素、五酸化ヒ素、五酸化燐、無水クロム酸、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水安息香酸、無水フタル酸、シリカゲル、シリカアルミナ、塩化アルミニウム等があげられ、これらのいくつかを併用することも可能である。添加量は通常反応液総量に対して、0.001〜10wt%である。反応温度は通常0〜100℃で実施されるが、好ましくは10〜30℃である。反応時間は上記の各種条件下で反応が完結する時間であればかまわないが、通常20時間以下が適当である。反応生成物は酸性水溶液を用いた洗浄によって、得られる化合物の安定性を向上せしめることが可能である。酸性水溶液に用いる酸の具体例としては、硝酸、塩酸、硫酸、ホウ酸、ヒ酸、燐酸、青酸、酢酸、過酢酸、チオ酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸等があげられる。また、これらは単独でも2種類以上を混合して用いても良い。これらの酸の水溶液は通常pH6以下で効果を現すが、より効果的にはpH3以下である。
本発明の新規な直鎖アルキルスルフィド型エピスルフィド化合物は、硬化触媒の存在下あるいは不存在下に、加熱重合し樹脂を製造することができる。好ましい方法は硬化触媒を使用する方法であり、硬化触媒はアミン類、ホスフィン類、鉱酸類、ルイス酸類、有機酸類、ケイ酸類、四フッ化ホウ酸等が使用される。
具体例としては、
(1)エチルアミン、n−プロピルアミン、sec−プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、i−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミスチリルアミン、1,2−ジメチルヘキシルアミン、3−ペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アリルアミン、アミノエタノール、1−アミノプロパノール、2−アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、3−(2−エチルヘキシロキシ)プロピルアミン、アミノシクロペンタン、アミノシクロヘキサン、アミノノルボルネン、アミノメチルシクロヘキサン、アミノベンゼン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、α−フェニルエチルアミン、ナフチルアミン、フルフリルアミン等の1級アミン;エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ビス−(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−2,2’−ジメチルプロパン、アミノエチルエタノールアミン、1,2−、1,3−あるいは1,4−ビスアミノシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノエチルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノプロピルシクロヘキサン、水添4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−あるいは4−アミノピペリジン、2−あるいは4−アミノメチルピペリジン、2−あるいは4−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、イソホロンジアミン、メンタンジアミン、1,4−ビスアミノプロピルピペラジン、o−、m−、あるいはp−フェニレンジアミン、2,4−あるいは2,6−トリレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、m−アミノベンジルアミン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、テトラクロロ−p−キシリレンジアミン、4−メトキシ−6−メチル−m−フェニレンジアミン、m−、あるいはp−キシリレンジアミン、1,5−あるいは、2,6−ナフタレンジアミン、ベンジジン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−(4,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−チオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジトリルスルホン、メチレンビス(o−クロロアニリン)、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、1,4−ビス(アミノエチルピペラジン)、1,4−ビス(アミノプロピルピペラジン)、2,6−ジアミノピリジン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン等の1級ポリアミン;ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−3−ペンチルアミン、ジヘキシルアミン、オクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、メチルヘキシルアミン、ジアリルアミン、ピロリジン、ピペリジン、2−、3−、4−ピコリン、2,4−、2,6−、3,5−ルペチジン、ジフェニルアミン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジナフチルアミン、ピロール、インドリン、インドール、モルホリン等の2級アミン;N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−あるいは2,6−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、1,1−ジ−(4−ピペリジル)メタン、1,2−ジ−(4−ピペリジル)エタン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)プロパン、1,4−ジ−(4−ピペリジル)ブタン、テトラメチルグアニジン等の2級ポリアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−iso−プロピルアミン、トリ−1,2−ジメチルプロピルアミン、トリ−3−メトキシプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−iso−ブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−ペンチルアミン、トリ−3−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、トリ−ドデシルアミン、トリ−ラウリルアミン、トリ−シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N−メチルジヘキシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、トリベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアミノ−p−クレゾール、N,N−ジメチルアミノメチルフェノール、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−4−メチル−1,3,2−ジオキサボルナン等の3級アミン;テトラメチルエチレンジアミン、ピラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N’−ビス((2−ヒドロキシ)プロピル)ピペラジン、ヘキサメチレンテトラミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンアミン、2−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロパン、ジエチルアミノエタノール、N,N,N−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、ヘプタメチルイソビグアニド等の3級ポリアミン;イミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、、N−エチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、N−ブチルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、N−ウンデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、N−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−ベンジルイミダゾール、2−ベンジルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−ウンデシルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、3,3−ビス−(2−エチル−4−メチルイミダゾリル)メタン、アルキルイミダゾールとイソシアヌール酸の付加物、アルキルイミダゾールとホルムアルデヒドの縮合物等の各種イミダゾール類;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミジン類;以上に代表されるアミン系化合物。
(2)(1)のアミン類とハロゲン、鉱酸、ルイス酸、有機酸、ケイ酸、四フッ化ホウ酸等との4級アンモニウム塩。
(3)(1)のアミン類とボランおよび三フッ化ホウ素とのコンプレックス。
(4)トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−iso−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−シクロヘキシルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(ジエチルアミノ)ホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、クロロジフェニルホスフィン等のホスフィン類。
(5)塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、炭酸等の鉱酸類およびこれらの半エステル類。
(6)3フッ化ホウ素、3フッ化ホウ素のエ−テラ−ト等に代表されるルイス酸類。
(7)カルボン酸に代表される有機酸類およびこれらの半エステル類。
(8)ケイ酸、四フッ化ホウ酸
等である。
上記の硬化触媒のうち硬化物の着色が少なく好ましいものは、1級モノアミン、2級モノアミン、3級モノアミン、3級ポリアミン、イミダゾ−ル類、アミジン類、4級アンモニウム塩、ホスフィン類である。より好ましいものは、エピスルフィド基と反応し得る基を1個以下有する、2級モノアミン、3級モノアミン、3級ポリアミン、イミダゾ−ル類、アミジン類、4級アンモニウム塩、ホスフィン類である。また、これらは単独でも2種類以上を混合して用いても良い。
上記の硬化触媒は、ジエピスルフィド化合物1モルに対して通常0.0001モルから1.0モル使用するが、好ましくは、0.0001モルから0.5モル、より好ましくは、0.0001モルから0.1モル、最も好ましくは、0.0001モルから0.05モル使用する。硬化触媒の量がこれより多いと硬化物の屈折率、耐熱性が低下し、また着色する。これより少ないと十分に硬化せず耐熱性が不十分となる。
また、本発明の脂環式エピスルフィド化合物は、エピスルフィド基と反応可能な官能基を2個以上有する化合物、あるいはこれらの官能基1個以上と他の単独重合可能な官能基を1個以上有する化合物、さらにはエピスルフィド基と反応可能でかつ単独重合も可能な官能基を1個有する化合物と硬化重合して透明樹脂基板を製造することもできる。これらのエピスルフィド基と反応可能な官能基を2個以上有する化合物としては、エポキシ化合物、公知のエピスルフィド化合物、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、メルカプトカルボン酸、ポリメルカプタン、メルカプトアルコール、メルカプトフェノール、ポリフェノール、アミン類、アミド類等があげられる。一方、エピスルフィド基と反応可能な官能基1個以上と他の単独重合可能な官能基を1個以上有する化合物としては、ビニル、芳香族ビニル、メタクリル、アクリル、アリル等の不飽和基を有するエポキシ化合物、エピスルフィド化合物、カルボン酸、カルボン酸無水物、メルカプトカルボン酸、メルカプタン類、フェノール類、アミン類、アミド類等があげられる。
以下に、エピスルフィド基と反応可能な官能基を2個以上有する化合物の具体例を示す。
エポキシ化合物の具体例としては、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールスルフォン、ビスフェノールエーテル、ビスフェノールスルフィド、ビスフェノールスルフィド、ハロゲン化ビスフェノールA、ノボラック樹脂等の多価フェノール化合物とエピハロヒドリンの縮合により製造されるフェノール系エポキシ化合物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、オペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトール、1、3−および1、4−シクロヘキサンジオール、1、3−および1、4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド付加物等の多価アルコール化合物とエピハロヒドリンの縮合により製造されるアルコール系エポキシ化合物;アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソ、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、ナジック酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、トリメリット酸、ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸等の多価カルボン酸化合物とエピハロヒドリンの縮合により製造されるグリシジルエステル系エポキシ化合物;エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、ビス−(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−2,2'−ジメチルプロパン、1,2−、1,3−あるいは1,4−ビスアミノシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノエチルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノプロピルシクロヘキサン、水添4,4'−ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、1,4−ビスアミノプロピルピペラジン、m−、あるいはp−フェニレンジアミン、2,4−あるいは2,6−トリレンジアミン、m−、あるいはp−キシリレンジアミン、1,5−あるいは、2,6−ナフタレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−(4,4'−ジアミノジフェニル)プロパン等の一級ジアミン、N,N'−ジメチルエチレンジアミン、N,N'−ジメチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N'−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N'−ジメチル−1,2−ジアミノブタン、N,N'−ジメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N'−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N'−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N'−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N'−ジメチル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N'−ジエチルエチレンジアミン、N,N'−ジエチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N'−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N'−ジエチル−1,2−ジアミノブタン、N,N'−ジエチル−1,3−ジアミノブタン、N,N'−ジエチル−1,4−ジアミノブタン、N,N'−ジエチル−1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−あるいは2,6−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、1,1−ジ−(4−ピペリジル)−メタン、1,2−ジ−(4−ピペリジル)−エタン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)−プロパン、1,4−ジ−(4−ピペリジル)−ブタン等の二級ジアミンとエピハロヒドリンの縮合により製造されるアミン系エポキシ化合物;3、4−エポキシシクロヘキシル−3、4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクリヘキサンジオキサイド、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)−5、5−スピロ−3、4−エポキシシクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3、4−エポキシシクロヘキシル)アジペート等の脂環式エポキシ化合物;シクロペンタジエンエポキシド、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン、ビニルシクロヘキセンエポキシド等の不飽和化合物のエポキシ化により製造されるエポキシ化合物;上述の多価アルコール、フェノール化合物とジイソシアネートおよびグリシドール等から製造されるウレタン系エポキシ化合物等を挙げることが出来る。
公知のエピスルフィド化合物の具体例としては、上記のエポキシ化合物のエポキシ基の一部あるいは全てをエピスルフィド化して得られるエピスルフィド化合物を挙げることが出来る。
多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、ポリフェノール、アミン類等の具体例としては上述のエポキシ化合物のところで例示したエピハロヒドリンと反応させる相手の原料として上述したものを挙げることが出来る。
ポリメルカプタンとしては、具体的には1,2−ジメルカプトエタン、1,3−ジメルカプトプロパン、1,4−ジメルカプトブタン、1,6−ジメルカプトヘキサン、ジ(2−メルカプトエチル)スルフィド、1,2−〔ビス(2−メルカプトエチルチオ)〕エタン等の直鎖状ジメルカプタン化合物;2−メルカプトメチル−1,3−ジメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル−1,4−ジメルカプトブタン、2−(2−メルカプトエチルチオ)−1,3−ジメルカプトプロパン、1,2−ビス〔(2−メルカプトエチルチオ)〕−3−メルカプトプロパン、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)プロパン、テトラキスメルカプトメチルメタン等の分岐状脂肪族ポリメルカプタン化合物;エチレングリコールジチオグリコレート、エチレングリコールジチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールジチオグリコレート、1,4−ブタンジオールジチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(β−チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)等の含エステル脂肪族ポリメルカプタン化合物;1,4−ジメルカプトシクロヘキサン、1,3−ジメルカプトシクロヘキサン、1,4−ジメルカプトメチルシクロヘキサン、1,3−ジメルカプトメチルシクロヘキサン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトエチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−1−チアン、2,5−ジメルカプトエチル−1−チアン等脂肪族環状ジメルカプタン化合物等をあげることができる。
また、以下にエピスルフィド基と反応可能な官能基1個以上と他の単独重合可能な官能基を1個以上有する化合物の代表的具体例を示す。不飽和基を有するエポキシ化合物としては、ビニルフェニルグリシジルエーテル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル等をあげることができる。不飽和基を有するエピスルフィド化合物としては上記の不飽和基を有するエポキシ化合物のエポキシ基をエピスルフィド化した化合物、例えば、ビニルフェニルチオグリシジルエーテル、ビニルベンジルチオグリシジルエーテル、チオグリシジルメタクリレート、チオグリシジルアクリレート、アリルチオグリシジルエーテル等をあげることができる。
不飽和基を有するカルボン酸化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等のα、β−不飽和カルボン酸類をあげることができる。また、不飽和基を有するアミド類としては、以上のα、β−不飽和カルボン酸類のアミドをあげることができる。
また、エピスルフィド基と反応可能でかつ単独重合も可能な官能基を1個有する化合物の好ましい具体例としては、エポキシ基あるいはエピスルフィド基を1個有する化合物をあげることができる。より具体的には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のモノエポキシ化合物類;酢酸、プロピオン酸、安息香酸等のモノカルボン酸のグリシジルエステル類;メチルグリシジルエ−テル、エチルグリシジルエ−テル、プロピルグリシジルエ−テル、ブチルグリシジルエ−テル等のグリシジリエ−テル類;あるいはエチレンスルフィド、プロピレンスルフィド等のモノエピスルフィド化合物;上述のモノカルボン酸とチオグリシド−ル(1,2−エピチオ−3−ヒドロキシプロパン)から誘導される構造を有するチオグリシジルエステル類;メチルチオグリシジルエ−テル(1,2−エピチオプロピルオキシメタン)、エチルチオグリシジルエ−テル、プロピルチオグリシジルエ−テル、ブチルチオグリシジルエ−テル等のチオグリシジルエ−テル類をあげることができる。これらの中で、より好ましいものはエピスルフィド基を1個有する化合物である。
本発明のジエピスルフィド化合物のエピスルフィド基と反応可能な官能基を2個以上有する化合物あるいは、これらの官能基1個以上と他の単独重合可能な官能基を1個以上有する化合物およびエピスルフィド基と反応可能かつ単独重合可能な官能基を1個有する化合物とは、硬化重合触媒の存在下、硬化重合し製造することができる。硬化触媒は、前述のアミン類、ホスフィン類、酸類等が使用される。具体例としては、前述のものがここでも使用される。
さらに、不飽和基を有する化合物を使用する際には、重合促進剤として、ラジカル重合開始剤を使用する事は好ましい方法である。ラジカル重合開始剤とは、加熱あるいは紫外線や電子線によってラジカルを生成するものであれば良く、例えば、クミルパーオキシネオデカノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオヘキサノエート、ter−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ter−ブチルパーオキシネオデカノエート、ter−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、ter−ブチルパーオキシネオヘキサノエート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−ter−ブチルパーオキサイド等のパーオキサイド類;クメンヒドロパーオキサイド、ter−ブチルヒドロパーオキサイド等のヒドロパーオキサイド類;2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−〔(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ〕ホルムアミド、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチル−バレロニトリル2、2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、2、2'−アゾビス(2、4、4−トリメチルペンタン)等のアゾ系化合物等の公知の熱重合触媒、ベンゾフェノン、ベンゾインベンゾインメチルエーテル等の公知の光重合触媒が挙げられる。これらのなかで好ましいものは、パーオキサイド類、ヒドロパーオキサイド類、アゾ系化合物であり、より好ましいものは、パーオキサイド類、アゾ系化合物であり、最も好ましいものは、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−〔(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ〕ホルムアミド、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチル−バレロニトリル、2、2'−アゾビス(2−メチルプロパン)2、2'−アゾビス、(2、4、4−トリメチルペンタン)等のアゾ系化合物である。またこれらは、全て混合使用することができる。ラジカル重合開始剤の配合量は、組成物の成分や硬化方法によって変化するので一慨には決められないが、通常は組成物総量に対して0.01wt%〜5.0wt%、好ましくは0.1wt%〜2.0wt%の範囲である。
また、本発明の新規な直鎖アルキルスルフィド型エピスルフィド化合物を重合硬化して透明樹脂基板を得るに際して、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を加えて、得られる材料の実用性をより向上せしめることはもちろん可能である。また公知の外部および/または内部離型剤を使用または添加して、得られる硬化材料の型からの離型性を向上せしめることも可能である。ここに言う内部離型剤とは、フッ素系ノニオン界面活性剤、シリコン系ノニオン界面活性剤、アルキル第4級アンモニウム塩、燐酸エステル、酸性燐酸エステル、酸性燐酸エステルのアルカリ金属塩、高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸エステル、パラフィン、ワックス、高級脂肪族アミド、高級脂肪族アルコール、ポリシロキサン類、脂肪族アミンエチレンオキシド付加物等があげられる。
本発明の新規な直鎖アルキルスルフィド型エピスルフィド化合物を重合硬化して透明樹脂基板を得るに際して、原料となる、エピスルフィド化合物、さらには所望に応じて前述の硬化触媒、不飽和基を有するエピスルフィド基と反応可能な例えばグリシジルメタクリレート、チオグリシジルメタクリレ−ト(グリシジルメタクリレ−トのエポキシ基をエピスルフィド化したもの)等を併用する場合、ラジカル重合開始剤、ラジカル重合可能な単量体、さらには離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤混合後、次の様にして重合硬化して液晶等表示素子の透明樹脂基板とされる。即ち、混合後の原料をガラスや樹脂や金属製の型に注入し、加熱によって重合硬化反応を進めた後、型から外し製造される。硬化時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜48時間であり、硬化温度は90〜160℃、好ましくは100〜140℃である。また、硬化終了後、材料を50から150℃の温度で10分から5時間程度アニール処理を行う事は、本発明の透明樹脂基板の歪を除くために好ましい処理である。さらに必要に応じてハードコート、反射防止、防曇性付与、帯電防止等表面処理を行うことができる。
本発明の硬化透明樹脂基板の製造方法は、さらに詳しく述べるならば以下の通りである。前述の様に、主原料および副原料を混合後、型に注入硬化して製造されるが、主原料であるジエピスルフィド化合物と所望により使用されるエピスルフィド基と反応可能な官能基を2個以上有する化合物あるいは、これらの官能基1個以上と他の単独重合可能な官能基を1個以上有する化合物およびエピスルフィド基と反応可能かつ単独重合可能な官能基を1個有する化合物、さらには所望に応じて使用される、硬化触媒、ラジカル重合開始剤、さらには離型剤、安定剤等は、全て同一容器内で同時に撹拌下に混合しても、各原料を段階的に添加混合しても、数成分を別々に混合後さらに同一容器内で再混合しても良い。
混合にあたり、設定温度、これに要する時間等は基本的には各成分が十分に混合される条件であればよいが、過剰の温度、時間は各原料、添加剤間の好ましくない反応が起こり、さらには粘度の上昇を来たし注型操作を困難にする等適当ではない。混合温度は−10℃から100℃程度の範囲で行われるべきであり、好ましい温度範囲は−10℃から50℃、さらにに好ましいのは、−5℃から30℃である。混合時間は、30秒から5時間、好ましくは1分から2時間、さらに好ましくは1分から30分、最も好ましいのは1分から15分程度である。
各原料、添加剤の混合前、混合時あるいは混合後に、減圧下に脱ガス操作を行う事は、後の注型重合硬化中の気泡発生を防止する点からは好ましい方法である。この時の減圧度は0.1mmHgから700mmHg程度で行うが、好ましいのは10mmHgから300mmHgである。
さらに、型への注入に際して、ミクロフィルター等で不純物等を濾過し除去することは、本発明の透明樹脂基板の品質をさらに高める上からも好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
ペンタシクロペンタデカンジメタノール0.92mol(240g)、エピクロルヒドリン400ml(5.1mol:472g)、水酸化ナトリウム5.0mol(200g)、ブチルトリエチルアンモニウムクロリド12mmol(2.4g)をフラスコに仕込み、窒素気流下、50℃で11時間攪拌した。反応混合物にメチルイソブチルケトン600mlを加え、500mlの水で一度水洗を行った後、30%水酸化ナトリウム水溶液20gを加え、70℃で2h撹拌した。反応混合物を500mlの水で3回洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去し、黄色液体のペンタシクロペンタデカンジメタノールジグリシジルエーテルを254.82g(理論量の73%)得た。ついで、ここで得られた、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジグリシジルエーテル37.5g(0.1mol)と、トルエン70ml、メタノール70ml、チオ尿素30.5g(0.4mol)をフラスコに仕込み、液温30℃で5時間反応させた。反応混合物に水500mlを加え、トルエン500mlで抽出し、トルエン層を水500mlで3回洗浄した。トルエン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去し、黄色液体のペンタシクロペンタデカンジメタノールビス(β−エピチオプロピル)エーテルを35.1g(理論量の86%)得た。得られたエピスルフィド化合物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで、無色透明のペンタシクロペンタデカンジメタノールビス(β−エピチオプロピル)エーテルを25.3g(理論量の62%)得た。生成物の同定は、LC−MS(アプライドバイオシステムズジャパン(株)Mariner)および赤外吸収スペクトル(日本分光工業(株)FT/IR−5300)により行った。
LC−MS:M+・407(理論分子量406)
赤外吸収スペクトル:617cm-1(エピスルフィド環の伸縮振動)
さらに、本化合物1000重量部にトリフェニルホスフィンを5重量部配合し、これを厚さ1mmのシリコンゴムで作成した枠を2枚のガラス板ではさんだ型に注入し、120℃で24時間重合硬化し、硬化樹脂を得た。得られた樹脂の吸水試験および熱分析の結果を表1に示した。得られた硬化樹脂の吸水性を25℃で24時間水に浸漬したときの重量変化により、耐熱性をTG(セイコーインスツルメンツ(株)TG/DTA200、昇温速度10℃/min)による重量減少が5%となる温度Td5、およびDSC(セイコーインスツルメンツ(株)DSC200、昇温速度10℃/min)による分解発熱ピーク温度Tcにより評価した。結果は、表1に示した。
実施例2
ペンタシクロペンタデカンジメタノールに代えて2,6,8−トリメチルペンタシクロペンタデカンジメタノール0.92mol(278.5g)を用いた以外は、実施例1と同様の方法にて硬化樹脂を製造し、評価した。結果は、表1に示した。
実施例3
硬化触媒としてトリフェニルホスフィンに代えてトリフェニルアミンを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて硬化樹脂を製造し、評価した。結果は、表1に示した。
実施例4
硬化温度を120℃から140℃にした以外は、実施例1と同様の方法にて硬化樹脂を製造し、評価した。結果は、表1に示した。
比較例1
エピスルフィド化合物として、トリシクロデカンジメタノールビス(β−エピチオプロピル)エーテルを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて樹脂を製造した。結果は、表1に示した。
比較例2
エピスルフィド化合物として、シクロヘキサンジメタノールビス(β−エピチオプロピル)エーテルを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて樹脂を製造した。結果は、表1に示した。
比較例3
エピスルフィド化合物として、ベンゼンジメタノールビス(β−エピチオプロピル)エーテルを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて樹脂を製造した。得られた樹脂は褐色に着色していた。結果は、表1に示した。。
比較例4
ペンタシクロペンタデカンジメタノールジメタクリレートに、硬化触媒として1,1−ビス(t−ヘキシルペロキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂製、商品名:パーヘキサTMH)を0.1%加え、60℃から200℃まで40時間かけて昇温し熱硬化を行い、硬化樹脂を得た。結果は、表1に示した。
比較例5
硬化温度を80℃とした以外は、実施例1と同様にしてペンタシクロペンタデカンジメタノールビス(β−エピチオプロピル)エーテルの硬化を行った。その結果3日経過しても硬化は進行しなかった。結果は、表1に示した。
Figure 2005060480
〔表の記号の説明〕
Td5:耐熱性を、窒素雰囲気下、TGによる重量減少が5%となる温度
Tc:DSCによる、窒素雰囲気下、分解発熱ピーク温度

Claims (3)

  1. 一般式(1)および/または(2)で表される脂環式炭化水素骨格を持つエピスルフィド化合物を硬化させてなる透明樹脂材料。
    Figure 2005060480
    (式中、XはSまたはOを表し、このSの個数は三員環を構成するSとOの合計に対して平均で50%以上である。YはSまたはOを表す。R1〜R4は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一の構造をとらなくてもよい。R5〜R24は脂環式骨格内の任意の炭素原子上の置換基を表し、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基又は炭素数1〜18でかつケイ素原子を1〜18個含む有機基を示す。)
    Figure 2005060480
    (式中、XはSまたはOを表し、このSの個数は三員環を構成するSとOの合計に対して平均で50%以上である。YはSまたはOを表す。R1〜R4は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一の構造をとらなくてもよい。R5〜R24は脂環式骨格内の任意の炭素原子上の置換基を表し、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基又は炭素数1〜18でかつケイ素原子を1〜18個含む有機基を示す。)
  2. 請求項1記載の脂環式炭化水素骨格を持つエピスルフィド化合物を硬化触媒の存在下、90℃以上で重合硬化することを特徴とする透明樹脂基板の製造方法。
  3. 請求項2記載の方法により得られた透明樹脂基板からなる表示素子用樹脂基板。
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