JP2005060000A - 分離パッド及び媒体搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄紙及び厚紙の両方について、安定して1枚ずつ搬送することができる分離パッドを提供する。
【解決手段】支持体3と、支持体3に配設された摩擦シート4とを備えた分離パッド2であって、摩擦シート4が、弾性体から構成されるとともに、摩擦シート4の表面と支持体3との間に、これらによって画定される空隙部が形成されてなり、媒体搬送ローラ5とともに媒体搬送装置1に使用されたときに、一の媒体26が、媒体搬送ローラ5の回転により、摩擦シート4と媒体搬送ローラ5の側面部との間に挟まれながら搬送されるとともに、摩擦シート4が、一の媒体26の押圧力を受け、空隙部内方向へ弾性変形することにより、一の媒体26の搬送を確保しつつ、媒体と摩擦シート4との間の摩擦力により、複数の媒体のうちの他の媒体の搬送を抑制することが可能な分離パッド2。
【選択図】図1
【解決手段】支持体3と、支持体3に配設された摩擦シート4とを備えた分離パッド2であって、摩擦シート4が、弾性体から構成されるとともに、摩擦シート4の表面と支持体3との間に、これらによって画定される空隙部が形成されてなり、媒体搬送ローラ5とともに媒体搬送装置1に使用されたときに、一の媒体26が、媒体搬送ローラ5の回転により、摩擦シート4と媒体搬送ローラ5の側面部との間に挟まれながら搬送されるとともに、摩擦シート4が、一の媒体26の押圧力を受け、空隙部内方向へ弾性変形することにより、一の媒体26の搬送を確保しつつ、媒体と摩擦シート4との間の摩擦力により、複数の媒体のうちの他の媒体の搬送を抑制することが可能な分離パッド2。
【選択図】図1
Description
本発明は、分離パッド及び媒体搬送装置に関し、さらに詳しくは、薄紙等の剛性の低い媒体を安定して1枚ずつ搬送することができるとともに、厚紙等の剛性の高い媒体をも安定して1枚ずつ搬送することができる分離パッド、及びこのような分離パッドを使用した媒体搬送装置に関する。
従来より、記録紙などの媒体に画像を形成する、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置が知られている。これらの画像形成装置は、媒体に画像を形成する画像形成部と、この画像形成部に媒体を搬送する媒体搬送装置を備えている。媒体搬送装置において媒体を搬送するための搬送機構は通常媒体搬送ローラと分離パッドとで構成されている。媒体搬送装置に積載して搭載された複数枚の媒体が、媒体搬送ローラが回転することにより、その媒体の最上層又は最下層の1枚が、媒体搬送ローラの外表面との摩擦力により媒体搬送が開始され、媒体搬送ローラの外表面と分離パッドの表面との間に挟まれながら媒体搬送される。このとき分離パッドと2枚目以下の層の媒体との間に摩擦力が働き、2枚目以下の層の媒体を媒体搬送しないようにしている。つまり、この例において、分離パッドは、主として複数枚の媒体の最上層の1枚を媒体搬送し、2枚目以下の層の媒体を媒体搬送しないようにして、複数の媒体が画像形成部へ同時に媒体搬送されること(二重送り)を防止するために配設されている。
画像形成部によって画像を形成される媒体としては、用途によって種々の厚紙や薄紙が使用されている(ここで、厚紙、薄紙には、それぞれ、同様の厚さや剛性を有するポリマーフィルムや合成樹脂等の媒体が含まれる)。厚紙は一般に、坪量が75〜200g/m2であり、はがき用、表紙用、写真用などに用いられ、通常、剛性が高い。薄紙は一般に坪量が75g/m2未満であり、普通紙として用いられ、通常、剛性が低い。また、上記ポリマーフィルムや合成樹脂としては、上記厚紙に近いものや薄紙に近いもの等、用途に合わせて種々の形態のものが使用されている。
媒体搬送装置は、上述のような多様な媒体を搬送する必要があるが、一の装置で上記厚紙と薄紙の両方を安定して1枚ずつ搬送することは容易ではなかった。普通紙等の薄紙は軽量で剛性が低いため、分離パッドと媒体搬送ローラとの間に発生する押圧力を弱くすることにより容易に媒体搬送されるが、押圧力を強くすると、二重送りが起きるという問題があった。一方、例えば、電子カメラ等で記憶した画像をプリントアウトするときのような厚紙の場合は、押圧力を強くすることにより媒体搬送されやすくなるが、押圧力を弱くすると厚紙が送られなくなるという問題があった。また、分離パッドの摩擦係数を低くすると薄紙は二重送りされやすくなるが、厚紙は搬送されやすくなる。ここで、弱い押圧力とは1.96N(0.2kgf)程度の押圧力をいい、強い押圧力とは2.94N(0.3kgf)程度の押圧力をいう。但し、これは分離パッドの面積が約0.01m×0.05mの場合である。厚紙の場合、分離パッド表面が、摩擦係数が小さく滑り性のよいフッ素樹脂やシリコーン樹脂である場合、確実に媒体搬送できるが、硬度(一般に、JIS K7215Aの硬度をいう)が低いものになるにつれ(A80やA70のゴム等)搬送できなくなる。また、媒体を搬送するときの温度が低下すると、特に厚紙に対し媒体搬送し難くなる傾向があった。
上述のような、二重送りを防止するために、いくつかの提案がなされているが、いずれも一の装置で薄紙と厚紙の両方を安定して1枚ずつ搬送することは困難であった(例えば、特許文献1〜3参照)。
例えば、特許文献1に記載の分離パッドでは、摩擦シートの摩擦係数を下げているため、はがき等の厚紙を二重送りさせずに搬送することは可能であるが、同じ分離パッドで薄紙を二重送りさせずに搬送することは困難であった。また、特許文献2に記載の分離パッド(重送防止パッド)では、分離パッドの表面に凹部が形成され、当該凹部の開口面積を媒体の進行方向に向かって変化(大きく)するものであるが、上述のような、薄紙から厚紙までを幅広く、安定して1枚ずつ搬送することは困難であった。さらに、特許文献3に記載の分離パッド(分離機構)は、媒体と接触するゴムシートがU字又はV字形状という特殊な形状であるが、薄紙から厚紙までを幅広く、安定して1枚ずつ搬送するための条件は何ら開示されていなかった。
特開2002−68510号公報
特開平7−112837号公報
実開平1−75046号公報
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、薄紙等の剛性の低い媒体を安定して1枚ずつ搬送することができるとともに、厚紙等の剛性の高い媒体をも安定して1枚ずつ搬送することができる分離パッド、及びこのような分離パッドを使用した媒体搬送装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によって以下の分離パッド及び媒体搬送装置が提供される。
[1]柱状の媒体搬送ローラとともに媒体搬送装置として媒体の搬送に使用される、支持体と、前記支持体の前記媒体搬送ローラ側に配設された摩擦シートとを備えた分離パッドであって、前記摩擦シートが、弾性体から構成されるとともに、前記支持体に配設される側の表面(支持体配設側表面)及び前記媒体に接触する側の表面(媒体接触側表面)、並びに前記支持体に保持される二の端部(摩擦シート端部)を有し、前記支持体が、前記媒体搬送ローラの中心軸方向と略同一方向(長手方向)に延設された、二の前記摩擦シート端部をそれぞれ保持する二の摩擦シート端部保持領域を有し、かつ、前記摩擦シートの前記支持体配設側表面と前記支持体との間に、これらによって画定される空隙部が形成されてなり、前記媒体搬送装置に使用されたときに、前記媒体搬送装置に積載され搭載された複数の媒体のうち一の媒体が、前記媒体搬送ローラーの側面部に接する位置に供給されたときに、前記一の媒体が、前記媒体搬送ローラの回転により、前記摩擦シートの前記媒体接触側表面と前記媒体搬送ローラの側面部との間に挟まれながら前記媒体搬送ローラの回転方向に搬送されるとともに、前記摩擦シートが、前記一の媒体の押圧力を受け、前記押圧力によって前記摩擦シートが、前記空隙部内方向へ弾性変形し、弾性変形した前記摩擦シートの前記媒体接触側表面に沿った前記一の媒体の搬送を確保しつつ、前記媒体と前記摩擦シートの前記媒体接触側表面との間の摩擦力により、前記複数の媒体のうちの他の前記媒体の搬送を抑制することが可能な分離パッド。
[2]前記媒体搬送ローラの、前記中心軸方向に垂直な平面で切断した断面形状の外周の少なくとも一部の形状が円弧(媒体搬送ローラの円弧)であり、前記支持体を前記長手方向に垂直な平面で切断したときの、前記支持体の前記空隙部を画定する部分の断面形状が円弧(支持体の円弧)であり、前記支持体の円弧の曲率が、前記媒体搬送ローラの円弧の曲率よりも小さい[1]に記載の分離パッド。
[3]前記支持体が、前記支持体の媒体搬送ローラ側に前記摩擦シートを配設する一の表面を有し、かつ前記一の表面に、前記長手方向に延設された凹部を有し、さらに、前記一の表面上に前記凹部を挟んだ状態で、前記長手方向に延設された2本の帯状の平面部を有し、前記凹部が前記支持体の前記空隙部を画定する部分であり、前記帯状の平面部が前記摩擦シート端部保持領域であり、前記摩擦シートが、2本の前記帯状の平面部上に、前記凹部を跨ぐようにして配設されてなる[1]又は[2]に記載の分離パッド。
[4]請求項1〜3のいずれかに記載の分離パッドと、前記分離パッドとともに使用される柱状の媒体搬送ローラとを備え、積載され搭載された複数の媒体のうち一の媒体が前記媒体搬送ローラの側面部に接する位置に供給され、前記媒体搬送ローラがその中心軸を中心に回転することにより、前記媒体搬送ローラの側面部と、前記一の媒体との間の摩擦力により、前記一の媒体を、前記媒体接触側表面と前記媒体搬送ローラの側面部との間に挟みながら前記媒体搬送ローラの回転方向に搬送するときに、前記分離パッドにより前記複数の媒体のうちの他の前記媒体の搬送を抑制した状態で、前記一の媒体の搬送を確保することが可能な媒体搬送装置。
このように、本発明の分離パッドによれば、支持体がその長手方向に延設された二の摩擦シート端部保持領域を有することにより、摩擦シートの支持体配設側表面と支持体との間に空隙部を有し、媒体が搬送されるときに摩擦シートがその空隙部内方向へ押圧力によって弾性変形することができる。本発明において押圧力とは、媒体搬送ローラ側面部に媒体を介在させながら摩擦シートの媒体接触側表面が押しあてられているときに発生するものであり、媒体接触側表面が媒体から受ける力をいう。押圧力は媒体の剛性によって生じる反発力を含む。したがって、普通紙等の剛性の低い薄紙を搬送するときには、摩擦シートの弾性変形が小さく摩擦シートと媒体(一の媒体)との間の押圧力が小さくなることにより、複数の媒体のうちの媒体搬送ローラの側面部に接する位置に供給された一の媒体(例えば最上層の媒体)の搬送を確保しつつ、複数の媒体のうちの他の媒体(2枚目以下の層の媒体)の搬送を抑止することが可能になる。さらに、厚紙等の剛性の高い媒体を搬送するときには、剛性の高い媒体(一の媒体)により摩擦シートが強く押圧され大きく弾性変形し、摩擦シートと媒体(一の媒体)との間の押圧力が大きくなることにより、複数の媒体のうちの媒体搬送ローラの側面部に接する位置に供給された一の媒体の搬送を確保しつつ、複数の媒体のうちの他の媒体の搬送を抑止することが可能になる。剛性の高い媒体の場合には、摩擦シートと媒体(一の媒体)との間の押圧力が大きくなるとともに、摩擦シートが、剛性が高く曲がり難い媒体(一の媒体)の搬送(特に、媒体の搬送方向先端部の進行)を阻害することなく、媒体(一の媒体)の搬送時の形状に追従して弾性変形するため、媒体(一の媒体)が摩擦シートに引っ掛かることなく搬送される。つまり、本発明の分離パッドによれば、簡単な機構で確実に、薄紙等の剛性の低い媒体及び厚紙等の剛性の高い媒体の両方を安定して1枚ずつ搬送することができる。
また、本発明の媒体搬送装置によれば、本発明の分離パッドを使用しているため、上述のように、簡単な機構で確実に、薄紙等の剛性の低い媒体を安定して1枚ずつ搬送することができるとともに、厚紙等の剛性の高い媒体をも安定して1枚ずつ搬送することができる。
次に本発明の分離パッド及び媒体搬送装置の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
図1は、本発明の分離パッド及びそれを用いた媒体搬送装置の一の実施の形態を使用したプリンタ(図示せず)の媒体搬送部100を示し、分離パッド2の長手方向に垂直な平面で切断した断面図である。
媒体搬送部100は、複数の媒体(印刷用紙)25を積載して搭載することが可能な媒体(印刷用紙)供給台21と、複数の媒体(印刷用紙)25のうちの最上層に位置する一の媒体(印刷用紙)26を媒体供給台21上から搬送し、プリンタ(図示せず)内に搬送するための本実施の形態の媒体搬送装置1と、媒体搬送装置1により搬送された上記一の媒体26をさらに搬送するための媒体ガイド23及び送り出しローラ24とを備えている。本実施の形態の媒体搬送装置1は、板状の本実施の形態の分離パッド2及び柱状の媒体搬送ローラ5を備えてなるものである。尚、媒体供給台21は、プリンタ(図示せず)の外部に備えられている場合もあるが内部に備えられている場合もある。上述のような構成の媒体搬送部100により、一の媒体26が、プリンタ(図示せず)内の画像形成部(図示せず)に搬送され、この画像形成部(図示せず)において一の媒体26に所定の画像が形成され、画像が形成された一の媒体26が、最後にプリンタ(図示せず)の外部に搬送(排出)され、媒体排出台(図示せず)に排出される。
本実施の形態の分離パッド2は、上述のプリンタ(図示せず)の本実施の形態の媒体搬送装置1として柱状の媒体搬送ローラ5とともに使用される、板状の支持体3と支持体3に対して媒体搬送ローラ側にある支持体3の一の表面8(図2参照)に配設された摩擦シート4とを備えたものである。摩擦シート4は弾性体から構成されるとともに、支持体3に配設される側の表面(支持体配設側表面)14及び媒体に接触する側の表面(媒体接触側表面)11、並びに支持体に保持される二の端部(摩擦シート端部)を有している。図2に示すように、分離パッド2の板状の支持体3は、一の表面8に、媒体搬送ローラ5(図1参照)の中心軸方向と略同一方向(長手方向)に延設された凹部9を有する。さらに分離パッド2は、支持体3の摩擦シート端部保持領域10において保持され、摩擦シート4の支持体配設側表面14と支持体3の凹部9とで画定される空隙部12を有する。図1に示すように、分離パッド2は、分離パッド用バネ28により支えられ、摩擦シート4が媒体搬送ローラ5の側面部(媒体搬送ローラの側面部)13の円弧部分に一の媒体26を介在して押し当てられるように配設されている。摩擦シート4と媒体搬送ローラの側面部13との位置関係(距離)は、用途により適宜決定することができるが、搬送時でないときは、媒体搬送ローラの側面部13が摩耗して搬送能力の低下が生じてしまうのを防ぐため、摩擦シートの媒体接触側表面11(図2参照)と媒体搬送ローラの側面部13とが接することはない。分離パッド用バネ28としてはコイル状や板状の、金属やプラスチックのバネ等の弾性体を使用することができる。
図1に示すように、複数の媒体25が媒体供給台21上にセットされ、媒体搬送ローラ5が回転しはじめると、媒体25の最上層に位置する一の媒体26が媒体搬送ローラの側面部13に押し当てられながら接することになる。このように、一の媒体26が媒体搬送ローラ5に接する位置に供給されたときに、複数の媒体25のうちの媒体搬送ローラの側面部13に接する一の媒体26が、媒体搬送ローラ5のさらなる回転により、摩擦シートの媒体接触側表面11と媒体搬送ローラの側面部13との間に挟まれながら、摩擦シート4の媒体接触側表面11上を滑るように媒体搬送ローラ5の回転方向に搬送される。そのときに摩擦シート4は、一の媒体26から押圧力を受け、その押圧力によって空隙部12(図2参照)内方向(支持体3の一の表面8の方向)に弾性変形する。このように摩擦シート4が弾性変形することにより、弾性変形した摩擦シートの媒体接触側表面11に沿った一の媒体26の搬送を確保しつつ、媒体25と摩擦シートの媒体接触側表面11との間の摩擦力により、複数の媒体25のうちの他の媒体27の搬送を抑止することが可能になる。
上述のように、本実施の形態においては、積載され搭載された複数の媒体のうちの一の媒体(図1において最上層にある一の媒体26)を搬送して、その2枚目以降の層の媒体を搬送しないようにすることができることより、以下の条件を満たしていることがわかる。つまり、「媒体搬送ローラ」と「一の媒体」との間の摩擦係数をμ1、「一の媒体」と「その2枚目の媒体」との間の摩擦係数をμ2、「その2枚目の媒体」と「分離パッド」との間の摩擦係数μ3としたときに、μ1>μ3>μ2の関係を満たしている(媒体が2枚の場合)のである。μ2がμ1及びμ3より小さいことより、一の媒体が媒体搬送ローラにより、その2枚目の媒体から分離されて搬送され、そのとき、その2枚目の媒体は摩擦シートとの摩擦により搬送されずに残ることを示し、μ1がμ3より大きいことより、複数の媒体のうち一番最後に搬送される媒体も媒体搬送ローラにより搬送することができることを示している。
このように、本発明の分離パッドの一の実施の形態によれば、媒体25から受ける押圧力によって摩擦シート4がその空隙部12内方向へ弾性変形することができる。普通紙等の剛性の低い薄紙を搬送するときには、摩擦シート4の弾性変形が小さく摩擦シート4の一の媒体26から受ける押圧力が小さくなることにより、複数の媒体25のうちの媒体搬送ローラの側面部13に接する位置に供給された一の媒体26の搬送を確保しつつ、複数の媒体25のうちの他の媒体27の搬送を抑制することが可能になる。さらに、厚紙等の剛性の高い媒体25を搬送するときには、剛性の高い一の媒体26により摩擦シート4が強く押圧され大きく弾性変形し、摩擦シート4の一の媒体26から受ける押圧力が大きくなることにより、複数の媒体25のうちの媒体搬送ローラの側面部13に接する位置に供給された一の媒体26の搬送を確保しつつ、複数の媒体25のうちの他の媒体27の搬送を抑止することが可能になる。剛性の高い媒体25の場合には、摩擦シート4と媒体25(一の媒体26)との間の押圧力が大きくなるとともに、摩擦シート4が、剛性が高く曲がり難い媒体25(一の媒体26)の搬送(特に、搬送方向先端部の進行)を阻害することなく、媒体25(一の媒体26)の搬送時の形状に追従して弾性変形するため、媒体25(一の媒体26)が摩擦シート4に引っ掛かることなく搬送される。
以上述べた媒体搬送時に空隙部内方向への弾性変形によって、摩擦シート4の媒体接触側表面11の曲率が大きくなる結果、二重送りを防止するのと同時に、媒体搬送ローラの側面部13と媒体26と摩擦シートの媒体接触側表面8の間の各接触面が空隙部のない場合の接触面に比べて増加し、媒体がより追従することができる。ここで、曲率とは、曲面上の各点における、その曲面の曲がりの程度を示す値で、曲率半径の逆数で示したものをいう。曲率が大きいほど湾曲の程度が大きくなる。
さらに、媒体搬送ローラは本質的に、一の媒体26をラップ(巻き取り)することで搬送媒体の方向付けする機能を有する(例えば、図1では搬送される一の媒体26は上方へ向かう(媒体ガイド23の方向)ことになる)が、本実施の形態では、摩擦シート4の空隙部内方向への弾性変形によって摩擦シートの媒体接触側表面11の曲率が大きくなる(空隙部内方向への弾性変形がない場合の曲率に比べて)ので、その方向付けをより効果的に改善することができる。また、本実施の形態では、剛性の高い一の媒体26を搬送しても、摩擦シート4が空隙部内方向への弾性変形による、一の媒体26の湾曲(換言すれば、一の媒体26の搬送経路が形成されること)によって、媒体が高い剛性を有するが故に摩擦シートに当たったまま搬送されなくなるということを防止することができる。
つまり、本発明の分離パッドによれば、簡単な機構で確実に、剛性の低い媒体及び剛性の高い媒体の両方を安定して1枚ずつ搬送することができる。さらに具体的には、坪量50〜200g/m2の媒体を安定して1枚ずつ搬送することができる。
ここで、厚紙とは、上記厚紙と同様の厚さ、剛性等を有するプラスチックシートや合成樹脂等を含み、薄紙とは、上記薄紙と同様の厚さ、剛性等を有するプラスチックシートや合成樹脂等を含む。
図2は、本実施の形態の分離パッドをその長手方向に垂直な平面で切断した断面図である。図2に示すように、本実施の形態の分離パッド2を構成する板状の支持体3は、支持体3に対して媒体搬送ローラ側にある一の表面8に、媒体搬送ローラ5(図1参照)の中心軸方向と略同一方向(長手方向)に延設された凹部9を有し、図2に示す断面図において凹部9は円弧(支持体3の円弧)を形成していることが好ましい。一方、図1に示すように、媒体搬送ローラ5は、その中心軸方向に垂直な平面で切断した断面形状の外周の少なくとも一部の形状が円弧(媒体搬送ローラ5の円弧)であることが好ましい。このように、支持体3及び媒体搬送ローラ5が、上記支持体3の円弧及び媒体搬送ローラ5の円弧を形成するときには、支持体3の円弧の曲率が、媒体搬送ローラ5の円弧の曲率よりも小さいことが好ましい。これにより、摩擦シート4の弾性変形を妨げることなく、省スペースな支持体を形成することができる。
支持体3の凹部9の断面形状としては、上述のように円弧状が好ましいが、摩擦シート4が空隙部方向に、図2でいえば空隙部12側に入り込むように弾性変形することができれば、これに限定されるものではなく、窪んだ部分の空間の断面形状が三角形、四角形等の多角形、楕円形、その他不定形等とすることができる。
また、凹部9の大きさは、摩擦シート4が媒体の押圧力により弾性変形するときに、摩擦シート4の変形が凹部9の表面に接触することにより妨げられるということがないことが好ましい。但し、摩擦シート4が凹部9に接触したとしても、摩擦シート4の接触した面が軟質であり、媒体の搬送を妨げないものであれば問題はない。また、支持体3の長手方向における凹部9の長さは、媒体搬送ローラの長さより長いか、又は、凹部9が、支持体3の長手方向両端面において開放されるように、支持体3の長手方向全体に渡って形成されていることが好ましい。
図2に示すように、分離パッド2は、支持体3が、一の表面8上に凹部9を挟んだ状態で、長手方向に延設された2本の帯状の平面部10を有し、摩擦シート4が、2本の帯状の平面部10上に、凹部9を跨ぐようにして配設されてなることが好ましい。このように、摩擦シート4が帯状の平面部(摩擦シート端部保持領域)10上に配設されると、支持体3に凹部9を形成しながら、摩擦シート4を安定して支持体3に固定することができる。
摩擦シート4は、上述のように、支持体3の帯状の平面部10上に配設されることが好ましいが、帯状の平面部10が形成されずに、凹部9の幅方向の両端部分で固定されるようにしてもよい。このとき、幅方向両端部分の固定部が摩擦シート端部保持領域に該当する。摩擦シート4と凹部9との間の空隙部12には、摩擦シート4が弾性変形できる範囲で、スポンジ等の弾性変形可能なものを充填してもよい。
支持体の材質は、ABS、ポリアセタール、ナイロン等の一般的な熱可塑性樹脂や、アルミニウム、鉄、銅、ステンレススチール等の金属を用いることができる。少なくとも摩擦シートの材質よりも剛性の高い材質でなければ、分離パッド用バネの作用を妨げたり、媒体搬送が適切に行われない。
摩擦シートの材質としては、スチレン・ブタジエン系、ノルボルネン系、エチレン・プロピレン・ジエンゴム系、シリコン系、ウレタン系等のゴム、又はその他のゴムを挙げることができ、さらに、これらのゴムに有機フィラーや無機フィラー(シリカ、カーボンブラック等)を添加したゴムも好ましい。また、摩擦シートは、単層のシートであってもよいが、その用途によって、複数の層を積層したシート(積層シート)とすることが好ましい。積層シートとした場合には、媒体に直接接触する表面層に上記ゴムを使用し、表面から2番目以下の下層に軟質材料を使用することが好ましい。媒体により押圧力を受けたときに変形しやすくなるからである。軟質材料としては、熱可塑性エラストマーである軟質スチレン・イソプレン・イソブチレンや軟質スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン等を使用することができる。また、摩擦シートの厚さは、摩擦シートの材質や用途によって適宜決定することができるが、材質がスチレン・ブタジエン系の場合には、通常、0.1〜3mmが好ましい。
図1に示す媒体搬送ローラ5は、筒状のローラ軸7の外周に、ノルボルネン系ゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、シリコンゴム等の弾性体からなる外周部(媒体搬送ローラの外周部)6を配設して形成されている。媒体搬送ローラ5の外周の形状は、図1に示すようにその断面形状において、円形の外周の一部を2本の直線で「く」の字状に切り欠いた形状となっている。このような形状とすることにより、媒体搬送ローラ5により、媒体を効率的に搬送することができる。また、媒体搬送ローラ5の外周の断面形状は、円形、楕円形等であってもよい。媒体搬送ローラ5の外表面は、平坦であってもよいが、シボ模様等の表面加工が施されていると、媒体を搬送するときの摩擦力を向上させることができるため好ましい。また、媒体搬送ローラ5の外表面に溝を形成したり、円錐形(断面形状では三角形)、円錐台、多角形、キノコ状等の突起を複数配設することも、媒体を搬送するときの摩擦力を向上させることができるため好ましい。このように摩擦力を向上させる構造は、媒体を搬送するときの温度が低下し、媒体を搬送し難くなった場合にも、安定的に搬送することができる点からも好ましい。
媒体搬送ローラ5の大きさは、用途によって適宜決定することができる。
ローラー軸7の材質としては、ポリアセタール、ABS、ナイロン等の一般的な熱可塑性樹脂や、アルミニウム、鉄、銅、ステンレススチール等の金属が挙げられる。筒状のローラー軸7の断面における外周形状は、媒体搬送ローラ5の断面における外周形状と相似形であってもよいが、異なる形状であってもよい。
ここで、図1に示す媒体供給台21、供給台用バネ22、媒体ガイド23及び送り出しローラー24は、通常のプリンタで使用されているものであり、その材質、大きさ等は、特に限定されるものではない。筒状のローラ軸7の断面における外周形状は、媒体搬送ローラ5の断面における外周形状と相似形であってもよいが、異なる形状であってもよい。
図3は、本発明の分離パッドの他の実施の形態を示す、その長手方向に垂直な平面で切断した断面図である。図3に示すように、本実施の形態の分離パッド32を構成する支持体33は、一の表面38に、媒体搬送ローラ5(図1参照)の中心軸方向と略同一方向(長手方向)に延設された凹部39を有し、図3に示す断面図において凹部39はその空間部分が四角形を形成している。摩擦シート34は、その長手方向に延設された複数の突条(又は突起)45が裏面(摩擦シートの裏面)46に略平行に配設されている。そして、摩擦シート34は、その摩擦シートの裏面46を支持体33の一の表面38側に向けて支持体33の一の表面38に配設されている。支持体33は、その一の表面38上に凹部39を挟んだ状態で、長手方向に延設された2本の帯状の平面部40を有し、摩擦シート34は、その2本の帯状の平面部40上に、凹部39を跨ぐようにして固定されている。突条45は、凹部39の表面に接触しているが、必ずしも接触する必要はなく、突条45の先端部分と凹部39の表面との間に空間が形成されていてもよい。また、突条(又は突起)45の材質は、上記摩擦シートの下層に使用する弾性変形可能な軟質材料であることが好ましい。媒体により摩擦シート34が押圧力を受けたときに弾性変形しやすくなるからである。図3に示す実施の形態の他、摩擦シートの裏面の突条又は突起がその長手方向に延設されるのではなく不規則に配設されたり、あるいは長手方向に対して略垂直方向に配設されたりする場合もある。裏面に突条が配設された摩擦シートとしては、例えば、PCT国際公開パンフレットWO00/20210号及びPCT国際公開パンフレットWO02/13638号に記載されている摩擦シート(米国3M社製:商品名(商標)「gReptile」)を使用することができる。
(実施例1)
図4に示すような、一の表面上に、長手方向に延設された曲面状の凹部を有する板状の支持体83aを使用し、その凹部上を覆うように摩擦シート84aを配設し、支持体83aと摩擦シート84aとの間に空隙部92aが形成された分離パッド82aを作製した。摩擦シート84aとしては、下記印刷用紙フィード試験に使用するキャノン社製レーザープリンタ(Laser Shot LBP1310)に付属のゴムシートを使用し、支持体83aとしては、上記プリンタに付属の分離パッド支持体を使用した。ゴムシートの材質は、スチレン・ブタジエン系であった。摩擦シートと支持体とは、粘着剤(3M社製300LSE)を使用して接着した。媒体搬送ローラである給紙ローラ85aとしては、上記プリンタ付属のノルボルネン系ローラー(給紙ローラ外周部の材質がノルボルネン系ゴム)を使用した。そして、上記分離パッド82aと上記給紙ローラ85aとを組み合わせて本実施例の媒体搬送装置である給紙装置81aとした。分離パッド82aは、摩擦シート84aによる押圧力により、空隙部内方向V側に弾性変形するように形成されている。尚、図4は実施例1の給紙装置81aを分離パッド82aの長手方向に垂直な平面で切断した断面図である。
図4に示すような、一の表面上に、長手方向に延設された曲面状の凹部を有する板状の支持体83aを使用し、その凹部上を覆うように摩擦シート84aを配設し、支持体83aと摩擦シート84aとの間に空隙部92aが形成された分離パッド82aを作製した。摩擦シート84aとしては、下記印刷用紙フィード試験に使用するキャノン社製レーザープリンタ(Laser Shot LBP1310)に付属のゴムシートを使用し、支持体83aとしては、上記プリンタに付属の分離パッド支持体を使用した。ゴムシートの材質は、スチレン・ブタジエン系であった。摩擦シートと支持体とは、粘着剤(3M社製300LSE)を使用して接着した。媒体搬送ローラである給紙ローラ85aとしては、上記プリンタ付属のノルボルネン系ローラー(給紙ローラ外周部の材質がノルボルネン系ゴム)を使用した。そして、上記分離パッド82aと上記給紙ローラ85aとを組み合わせて本実施例の媒体搬送装置である給紙装置81aとした。分離パッド82aは、摩擦シート84aによる押圧力により、空隙部内方向V側に弾性変形するように形成されている。尚、図4は実施例1の給紙装置81aを分離パッド82aの長手方向に垂直な平面で切断した断面図である。
(比較例1)
図5に示すような、一の表面上に、長手方向に延設された曲面状の凹部を有する板状の支持体83bを使用し、その凹部を構成する曲面に沿って摩擦シート84bを配設し、支持体83bと摩擦シート84bとの間に空隙部が形成されずに、摩擦シート84bの表面が凹部の曲面に沿った曲面形状である分離パッド82bを作製した。摩擦シート84bと支持体83bとは、粘着剤(3M社製300LSE)を使用して接着した。摩擦シート84b、支持体83b及び媒体搬送ローラである給紙ローラ85bとしては実施例1と同様のものを使用した。そして、上記分離パッド82bと上記給紙ローラ85bとを組み合わせて本実施例の媒体搬送装置である給紙装置81bとした。尚、図5は比較例1の給紙装置81bを分離パッド82bの長手方向に垂直な平面で切断した断面図である。
図5に示すような、一の表面上に、長手方向に延設された曲面状の凹部を有する板状の支持体83bを使用し、その凹部を構成する曲面に沿って摩擦シート84bを配設し、支持体83bと摩擦シート84bとの間に空隙部が形成されずに、摩擦シート84bの表面が凹部の曲面に沿った曲面形状である分離パッド82bを作製した。摩擦シート84bと支持体83bとは、粘着剤(3M社製300LSE)を使用して接着した。摩擦シート84b、支持体83b及び媒体搬送ローラである給紙ローラ85bとしては実施例1と同様のものを使用した。そして、上記分離パッド82bと上記給紙ローラ85bとを組み合わせて本実施例の媒体搬送装置である給紙装置81bとした。尚、図5は比較例1の給紙装置81bを分離パッド82bの長手方向に垂直な平面で切断した断面図である。
(比較例2)
図6に示すような、一の表面上に、長手方向に延設された曲面状の凹部を有する板状の支持体の、その凹部を粘着剤(3M社製300LSE)で埋めて平面状に形成したものを支持体83cとして使用し、その支持体83cの上記粘着剤で埋めた面上に摩擦シート84cを平面状に配設した。摩擦シート84cと支持体83cとは、上記粘着剤で接着した。摩擦シート84c、支持体83c及び媒体搬送ローラである給紙ローラ85cとしては実施例1と同様のものを使用した。そして、上記分離パッド82cと上記給紙ローラ85cとを組み合わせて本実施例の媒体搬送装置である給紙装置81cとした。尚、図6は比較例2の給紙装置81cを分離パッド82cの長手方向に垂直な平面で切断した断面図である。
図6に示すような、一の表面上に、長手方向に延設された曲面状の凹部を有する板状の支持体の、その凹部を粘着剤(3M社製300LSE)で埋めて平面状に形成したものを支持体83cとして使用し、その支持体83cの上記粘着剤で埋めた面上に摩擦シート84cを平面状に配設した。摩擦シート84cと支持体83cとは、上記粘着剤で接着した。摩擦シート84c、支持体83c及び媒体搬送ローラである給紙ローラ85cとしては実施例1と同様のものを使用した。そして、上記分離パッド82cと上記給紙ローラ85cとを組み合わせて本実施例の媒体搬送装置である給紙装置81cとした。尚、図6は比較例2の給紙装置81cを分離パッド82cの長手方向に垂直な平面で切断した断面図である。
上述のように形成された給紙装置(実施例1、比較例1,2)を使用して、以下に示す給紙試験1を行った。結果を表1に示す。
(給紙試験1)
試験機としてキャノン社製レーザープリンタ(Laser Shot LBP1310)の本体を使用し、上記給紙装置を組み込んで媒体である印刷用紙を給紙(媒体搬送)した。印刷用紙としては、薄紙として坪量75g/m2のゼロックス社製4024を使用し、厚紙として坪量199g/m2のInternational Paper社製Spring Hillを使用した。そして、薄紙30枚、厚紙10枚を上記試験機を使用して給紙した。試験時の温度は23℃、湿度は34%RHであった。表1において、給紙率(%)とは、印刷用紙が、媒体搬送ローラである給紙ローラにより巻き取られない(給紙されない)場合を0、巻き取られるが途中で搬送されずに止まってしまった場合を0.5、そして完全に給紙された場合を1として、各印刷用紙に点数を付け、全ての印刷用紙(薄紙の場合は30枚、厚紙の場合は10枚)についての点数を合計した数値を「印刷用紙の合計枚数(薄紙の場合は30、厚紙の場合は10)」で除して100倍した値である。給紙率が90%以上の場合を「◎」、給紙率が80%以上90%未満の場合を「○」、給紙率が50%以上80%未満の場合を「△」、給紙率が20%以上50%未満の場合を「×」とした。
試験機としてキャノン社製レーザープリンタ(Laser Shot LBP1310)の本体を使用し、上記給紙装置を組み込んで媒体である印刷用紙を給紙(媒体搬送)した。印刷用紙としては、薄紙として坪量75g/m2のゼロックス社製4024を使用し、厚紙として坪量199g/m2のInternational Paper社製Spring Hillを使用した。そして、薄紙30枚、厚紙10枚を上記試験機を使用して給紙した。試験時の温度は23℃、湿度は34%RHであった。表1において、給紙率(%)とは、印刷用紙が、媒体搬送ローラである給紙ローラにより巻き取られない(給紙されない)場合を0、巻き取られるが途中で搬送されずに止まってしまった場合を0.5、そして完全に給紙された場合を1として、各印刷用紙に点数を付け、全ての印刷用紙(薄紙の場合は30枚、厚紙の場合は10枚)についての点数を合計した数値を「印刷用紙の合計枚数(薄紙の場合は30、厚紙の場合は10)」で除して100倍した値である。給紙率が90%以上の場合を「◎」、給紙率が80%以上90%未満の場合を「○」、給紙率が50%以上80%未満の場合を「△」、給紙率が20%以上50%未満の場合を「×」とした。
(実施例2)
実施例1において、給紙ローラを、複数の四角柱状の突起を給紙ローラの側面部に配設して形成した以外は、実施例1と同様にして媒体搬送装置を作製した。突起は、突起高さが約0.7mm、突起の根本の直径が約0.35mm、突起の頂角が約8度、突起の配置密度が約480本/cm2であった。
実施例1において、給紙ローラを、複数の四角柱状の突起を給紙ローラの側面部に配設して形成した以外は、実施例1と同様にして媒体搬送装置を作製した。突起は、突起高さが約0.7mm、突起の根本の直径が約0.35mm、突起の頂角が約8度、突起の配置密度が約480本/cm2であった。
(比較例3)
比較例2において、給紙ローラを、複数の四角柱状の突起を給紙ローラの側面部に配設して形成した以外は、比較例2と同様にして媒体搬送装置を作製した。
突起は、突起高さが約0.7mm、突起の根本の直径が約0.35mm、突起の頂角が約8度、突起の配置密度が約480本/cm2であった。
比較例2において、給紙ローラを、複数の四角柱状の突起を給紙ローラの側面部に配設して形成した以外は、比較例2と同様にして媒体搬送装置を作製した。
突起は、突起高さが約0.7mm、突起の根本の直径が約0.35mm、突起の頂角が約8度、突起の配置密度が約480本/cm2であった。
実施例1,2及び比較例2,3の媒体搬送装置について、以下に示す給紙試験2を行った。その結果を表2に示す。
(給紙試験2)
上記給紙試験1において、印刷用紙として厚紙10枚だけを給紙した。そして、試験時の温度を20℃として、給紙試験1のときより低温で試験を行った。湿度は35%RHであった。表2において、給紙率(%)の定義及び表示は給紙試験1の場合と同様とした。
上記給紙試験1において、印刷用紙として厚紙10枚だけを給紙した。そして、試験時の温度を20℃として、給紙試験1のときより低温で試験を行った。湿度は35%RHであった。表2において、給紙率(%)の定義及び表示は給紙試験1の場合と同様とした。
表1より、実施例1の給紙装置(媒体搬送装置)は、薄紙、厚紙ともに極めて良好に給紙することができることがわかる。これに対し、比較例1,2の給紙装置(媒体搬送装置)は、厚紙の給紙の給紙率が悪いことがわかる。尚、印刷用紙の2重送りは、いずれの給紙装置の場合も発生しなかった。
表2より、実施例1の給紙装置で給紙試験2を行った場合は、試験温度が20℃と低くなり、給紙し難くなったにもかかわらず、良好な給紙率を維持することができることがわかる。さらに、実施例2の給紙装置は、給紙ローラに突起を配設することにより、極めて良好に給紙することができることがわかる。これに対し、比較例2の給紙装置で給紙試験2を行った場合は、試験温度が低くなったことにより給紙率が非常に悪くなり、比較例3の給紙装置は、給紙ローラに突起を配設しても給紙率が悪いことがわかる。
本発明の媒体搬送装置は、記録紙などの媒体に画像を形成する、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置を構成し、媒体を搬送するための媒体搬送装置として利用でき、本発明の分離パッドは、当該媒体搬送装置において媒体の二重送り等を防止するための分離パッドとして利用することができる。
1…媒体搬送装置、2,32,82a,82b,82c…分離パッド、3,33,83a,83b,83c…支持体、4,34,84a,84b,84c…摩擦シート、5…媒体搬送ローラ、6…媒体搬送ローラ外周部、7…ローラー軸、8,38…一の表面、9,39…凹部、10,40…帯状の平面部(摩擦シート端部保持領域)、11…摩擦シートの媒体媒体接触側表面、12,92a…空隙部、13…媒体搬送ローラの側面部、14…支持体配設側表面、21…媒体供給台、22…供給台用バネ、23…媒体ガイド、24…送り出しローラー、25…媒体、26…一の媒体、27…他の媒体、45…突条、46…摩擦シートの裏面、81a,81b,81c…給紙装置、85a,85b,85c…給紙ローラ、V…空隙部内方向。
Claims (4)
- 柱状の媒体搬送ローラとともに媒体搬送装置として媒体の搬送に使用される、支持体と、前記支持体の前記媒体搬送ローラ側に配設された摩擦シートとを備えた分離パッドであって、
前記摩擦シートが、弾性体から構成されるとともに、前記支持体に配設される側の表面(支持体配設側表面)及び前記媒体に接触する側の表面(媒体接触側表面)、並びに前記支持体に保持される二の端部(摩擦シート端部)を有し、
前記支持体が、前記媒体搬送ローラの中心軸方向と略同一方向(長手方向)に延設された、二の前記摩擦シート端部をそれぞれ保持する二の摩擦シート端部保持領域を有し、かつ、
前記摩擦シートの前記支持体配設側表面と前記支持体との間に、これらによって画定される空隙部が形成されてなり、
前記媒体搬送装置に使用されたときに、前記媒体搬送装置に積載され搭載された複数の媒体のうち一の媒体が、前記媒体搬送ローラーの側面部に接する位置に供給されたときに、前記一の媒体が、前記媒体搬送ローラの回転により、前記摩擦シートの前記媒体接触側表面と前記媒体搬送ローラの側面部との間に挟まれながら前記媒体搬送ローラの回転方向に搬送されるとともに、前記摩擦シートが、前記一の媒体の押圧力を受け、前記押圧力によって前記摩擦シートが、前記空隙部内方向へ弾性変形し、
弾性変形した前記摩擦シートの前記媒体接触側表面に沿った前記一の媒体の搬送を確保しつつ、前記媒体と前記摩擦シートの前記媒体接触側表面との間の摩擦力により、前記複数の媒体のうちの他の前記媒体の搬送を抑制することが可能な分離パッド。 - 前記媒体搬送ローラの、前記中心軸方向に垂直な平面で切断した断面形状の外周の少なくとも一部の形状が円弧(媒体搬送ローラの円弧)であり、
前記支持体を前記長手方向に垂直な平面で切断したときの、前記支持体の前記空隙部を画定する部分の断面形状が円弧(支持体の円弧)であり、
前記支持体の円弧の曲率が、前記媒体搬送ローラの円弧の曲率よりも小さい請求項1に記載の分離パッド。 - 前記支持体が、前記支持体の媒体搬送ローラ側に前記摩擦シートを配設する一の表面を有し、かつ前記一の表面に、前記長手方向に延設された凹部を有し、さらに、前記一の表面上に前記凹部を挟んだ状態で、前記長手方向に延設された2本の帯状の平面部を有し、
前記凹部が前記支持体の前記空隙部を画定する部分であり、前記帯状の平面部が前記摩擦シート端部保持領域であり、
前記摩擦シートが、2本の前記帯状の平面部上に、前記凹部を跨ぐようにして配設されてなる請求項1又は2に記載の分離パッド。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の分離パッドと、前記分離パッドとともに使用される柱状の媒体搬送ローラとを備え、
積載され搭載された複数の媒体のうち一の媒体が前記媒体搬送ローラの側面部に接する位置に供給され、前記媒体搬送ローラがその中心軸を中心に回転することにより、前記媒体搬送ローラの側面部と、前記一の媒体との間の摩擦力により、
前記一の媒体を、前記媒体接触側表面と前記媒体搬送ローラの側面部との間に挟みながら前記媒体搬送ローラの回転方向に搬送するときに、前記分離パッドにより前記複数の媒体のうちの他の前記媒体の搬送を抑制した状態で、前記一の媒体の搬送を確保することが可能な媒体搬送装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003290477A JP2005060000A (ja) | 2003-08-08 | 2003-08-08 | 分離パッド及び媒体搬送装置 |
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JP7241224B1 (ja) | 2022-07-20 | 2023-03-16 | 保 笠松 | ポリ袋連続巻きロールの口開き袋詰め装置 |
-
2003
- 2003-08-08 JP JP2003290477A patent/JP2005060000A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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JP2024014639A (ja) * | 2022-07-20 | 2024-02-01 | 保 笠松 | ポリ袋連続巻きロールの口開き袋詰め装置 |
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