JP2005059477A - 立体構造物製作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 歯科材料のような立体構造物を精度良く製作する。
【解決手段】 回転しながら所定ピッチで降下する円形の造形ステージ16の上方に、粉状体をノズル22から散布するホッパー20と、散布された粉状体を一定の厚さに規制する掻取板21と、堆積された粉状体層上に液状体を吐出する機構26と、堆積粉状体層に含受されている液状体を固化させる光源28とを順に配置し、所望の立体構造物に対応してコンピュータで得た制御信号により、上記吐出機構26における液状体の吐出位置及び吐出量を制御する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、固体粉末層を接着物質によって順次層状に固化させてこれを積層しながら所望の立体形状の構造物を製作する装置にかゝり、特に歯科用の諸構造物を製作するのに適した装置に関するものである。
歯科臨床および歯科研究においては、矯正用ブラケット・矯正力発現部材、インレイ、オンレイ、ブリッジ、コア材、インプラント上部構造、局部床義歯、全部床義歯、各種模型、実験用治具、実験用構造材などの歯科用構造材の製造には主に手作業による型取り、複製模型の作製、ワックスアップ、埋没、脱鑞、鋳型、築盛などを組み合わせた煩雑かつ多段階の工程からなる方法が用いられているのが現状である。これらの方法の実施には多岐に渡る材料、器材の調達と正しい使い分け、適用のための正しい知識が必須であり、更には操作を実施するための十分な習熟と技能が求められる。こうした条件下で歯科用構造材を製造するには多大な労力と時間が必要であり、製造効率、生産性の向上には限界がある。また数度に渡る型取り作業や鋳造作業による誤差の発生が避けられないため、最終製造品の適合性や色調に不満の残る結果になることが多く、この問題の解消のために熟練と手間と時間を要する調整、修正作業を強いられているのが現状である。
そのため、近年著しく発達したコンピュータによる加工技術を元にして、品質改善、製造効率の向上を目的とした多くの方法が開発されてきた。コンピュータを応用したこれらの方法の多くは一般工業界において特に1980年以降に急激に発達し、実用性の高まったコンピュータによる数値制御技術を骨格とした機械による自動加工技術の応用によって実現された。この段階での加工技術としては回転する刃物を動かして被加工物を削って目的の形状に加工する方式が主流であった。刃物を移動させる方向をX軸Y軸Z軸の3軸で制御すると3次元の加工が可能になり、立体形状の製作が可能になる。刃物の移動経路を数値化してプログラムとし、自動的に目的の形状を加工する方法が確立された。
歯科特有の問題として、扱う形状が患者ごとに異なる点、形状が曲面を主体にして構成される点があり、当初の歯科への応用は極めて限定された範囲でしかなかったが、これらの特徴を持つ形状の数学的な定義や演算方法の確立と加工装置の制御技術の発達、およびコンピュータの処理能力の飛躍的な向上により普及度も徐々に向上しつつある。
このような加工装置を用いて目的の形状を作るための型を加工製作する方法が数多く考案されている。
特開平11−128248号公報 特許文献1にはこの種の人口歯製造システムが示されている。この方法によれば、型を用いた成型作業によって同じ形状の歯科用構造物を幾つも作製できるという特徴を有するが、本来、歯科用構造物は患者によって大きさや形態などが異なっているため、複製製作可能という特徴は大きなメリットとはなりえない。あくまで大量の人工歯を生産する工場などでしかその利点を享受できないという問題がある。また、加工装置で加工製作した型を用いて成型するための工程とそれに用いる成型機その他の設備が必要になり、時間と場所と手間がかかるという重大な問題があった。
一方で、型を製作するのではなく、直接目的の形状を加工製作する方式が開発されている。
特開平9−10233号公報 この特許文献2に示されている製作方法によれば、原則として製品を1個だけ製作すればよい場合には、型を製作する方式と比較して時間、場所、手間が低減できるという利点がある。
しかし、目的の歯科用構造物を直接削りだして加工製作する方式では、基本的に被削材が単色であるため、従来方法で作製されたものと比べると、審美性が著しく劣っているという問題がある。近年になって被削材に色調的なグラデーションをつけてこの問題を改善する方法も考案されているが、サイズ、形状、色調が患者個々で異なっているという現状に完全に適合させることは難しく、満足のいく方法ではない。さらにこの方式で用いられる被削材は基本的に単一の材料でできており、部分ごとに異なる物性や特性をもたせる事は不可能である。また、この方式では、ラミネートベニアやシェルのような薄い形状の歯科用構造物を製作する際には欠けたりクラックが入ったりしやすく、形状作製の自由度に大きな制約がある。さらに、この方法では機械による加工が終了するまで被削材を保持するためのスプルーが必要であり、機械による加工が終了した後に手作業でこのスプルーを除去し、その切断面を整形する必要がある。
更には切削加工装置の工具の移動方向が3方向以下であれば、アンダーカット形状で一部加工できないケースが発生する。
特開平9−56731号公報 この問題を解決する方法として、特許文献3に掲載された製造方法がある。この方法では、通常のX軸Y軸Z軸の3軸での工具の制御に加えて、ワーク材の保持部分にも回転軸を持たせた4軸による加工方式とすることによって、3軸加工では製作することが極めて困難であったアンダーカット部分もある程度加工できるように工夫してある。しかしながら、これによってもワークの回転方向によっては一部加工できない部分が生じる場合がある。
その他、削り出しによる方式では一般に削り出しに用いる工具の径が大きいほど一回の切削量が多く、それだけ加工時間が短くなるが、細かな形状の加工はできなくなる。逆に工具径を小さくすると細部の加工は可能になるが、全体の加工に要する時間は多くなる。この問題に対し、異なる径の工具を複数用意して最初の粗加工には大きな工具を使い、細部の加工には小さな径の工具を用いるという方式が考案されている。しかし、この方式では、複数工具の収納や工具の交換機構が必要になる。また、工具を変えながら加工する際に精度的に不十分であれば加工物に段差が生じるなどの問題も発生する。
いずれにしてもボールエンドミルを使う限りにおいて、切削部分は球面の移動した軌跡となり、削り残しが発生するのは避けられない。直角を出したい部分も使用工具径分の丸みが残ってしまうため、手作業を中心とした修正のための後加工が必要になり、自動化率向上に対して大きな妨げとなっている。これらの問題の存在により、この削り出し方式で作製した歯科用構造物は手作業による研磨、調整作業を十分に行わないと患者への十分な適合性が得られなかったり、セメントのスペースが大きすぎたりすることが多いという問題がある。したがって、金属冠など露出する部分への適用には手作業による研磨などの長時間、熟練、多大な手間を要する後加工の実施が前提となる。このように、審美性、用途、生産性、効率、適合精度、付随する作業、設備の設置スペースの面から大きな制約を受けるため、臨床応用への普及には限りがあるのが現状である。
以上述べたように削り出しによる加工製作の欠点を解決するため、削り出しによらない種々の加工方法が考案、開発されている。比較的初期から実用化され、歯科への応用も検討されてきた方法に光造形法がある。この方法では、目的の形状を積層造形する積層槽に、特定の波長を持つ光線を照射することによって重合硬化する樹脂を一定の厚みになるように注入する。この状態で重合硬化させたい部分に光線を当てて重合させる。この操作を繰り返して積層造形して目的の形状を作製する。
この方法によれば前述の削り出し方式に見られたアンダーカット形状の製作において制約がほとんどなくなり、所望の形状を製作することが可能になる。また、薄い形状の加工も削り出し方式よりも容易に製作できる。
しかしながら光造形システムでは基本的に光による重合硬化を用いるため、積層硬化させる樹脂は一回の積層時に光が層の底部まで透過する程度の透明性を有する必要があるので、自由な着色や十分な不透明性を持つことが極めて困難であり、歯科での適用範囲が大変狭いという問題がある。また、液状の樹脂のみから製作するため強度面で限界があり、長期間口腔内で咀嚼力などがかかるという状況下での耐久性の確保が困難であるという問題がある。また積層槽に液状樹脂を注入するという方式のため、多色化、多成分化はできず、色調的な審美性の向上はできない。したがって、不透明性や色調的な審美性を要求される用途での実績はほとんどなく、このような条件がつかない一部の研究用試作などでわずかに使用されているに過ぎない。
シート状の材料をレーザー光線などで切断して必要な部分を残しながら積層して目的形状を製作する薄膜積層法と呼ばれる方法も開発されている。この方法では不透明な目的形状の製作が可能であるが、シート状材料の不要部分の再利用ができないので材料ロスが甚だ多くなる。また多色化、他成分化は一層単位でしか行えないので歯科における用途に要求されるような多色化、多成分化ができないという問題は解決できない。
本発明は前述の歯科用補綴物自動作製装置に見られる自動化率や生産効率の頭打ち、審美性、機能性における限界点の存在、適用範囲の制約、加工形状の制約などの課題を解決するものである。
本発明は構造物を積層造形するための上下方向に移動可能でかつ回転可能な円形またはドーナツ型の造形ステージを有する造形機構と、上記造形ステージ上に粉状体を一定の厚みに堆積する機構と、上記造形ステージ上の所望の位置に液状体を一定量吐出して粉状体に含浸させる機構と、液状体を含浸させた含浸層を固化させる機構と、目的形状データを記憶、編集、保持、保存し、形状データに基づいて上記の各構成要素を制御するためのコンピュータから構成される構造材自動作製装置によって、粉状体を造形ステージ上に一層づつ、または連続的に堆積し、硬化させたい部分にのみ所望する色調や物理的または化学的特性を持った液状体を粉状体層中に微量吐出し、粉状体層中の液状体が含浸した部分のみを硬化機構により硬化させ、これを繰り返して、または連続的に積層することによって目的の構造物を造形することにより上記の課題を解決する。
本発明で使用する粉状体は有機粉体、無機紛体、金属紛体のうちいずれか1種類または2種類以上の混合物であり、構造物内でマトリクスとして機能する。本発明で使用する液状体は、固化することによってマトリクス粒子を互いに結合するバインダーであり、有機高分子化合物のモノマー、オリゴマーまたはその双方の混合物で、必要に応じ水、有機溶媒またはその双方が加えられる。上記液状体は、所望の色相、明度及び彩度に着色したものを選択的に使用したり、硬化時の硬度、靭性、柔軟性が異なるものを選択的に使用することができる。
本発明によれば、アンダーカット形状の制約を受けることがなく加工できるので所望の形状を製作することが可能になった。また、薄い形状の加工も削り出し方式よりも容易に製作できる。また必要な場所に必要な特性をもたせることができるようになった。さらに色調を自由に設定できるため、審美性が格段に向上した。
また、従来の手作業による方法では、既成の人工歯を蝋堤上に排列し、石膏埋没、熱湯中での脱蝋、床用レジン注入、熱湯中での重合、石膏型材からの義歯取り出しという一連の煩雑且つ長時間を要する熟練作業によって初めて製作可能な義歯を自動的に作製することができる。しかも自動的に作製した義歯は従来のCAD/CAM応用技術を用いた方法では決して作製できなかった大きなサイズの補綴物であり、歯牙部分と床部分を一括して自動的に作製できた。しかも歯牙部と床部は色調が異なるだけで材料としては一体構造であり、均一な物理特性を持っており、従来の手作業で作製された義歯に見られるような人工歯の脱落などの恐れがない補綴物とすることができる。
更に本発明によれば、透明で目立ちにくく、従来法ではまっすぐな線材を曲げたり微調整したりしながら作製する矯正用ブラケットにつけるワイヤ部材と同様の働きをする矯正力発現部材を自動的に、しかも最初から正確な矯正力を保持していて使用時の調整作業を大幅に低減できるワイヤ部材が製作できる。本発明は必要な場所に必要な特性を有し、且つ色調的にカラフルで斬新なしかも物理的根拠に基づいた色調を呈した高付加価値のマウスピースを自動的に作製することができる。本発明は従来方法と比較しても物理的特性並びに視覚的デザインを細かくコントロールでき、使用者への適合性、満足度、実用性に優れたマウスピースを製作できる。
(造形機構の構成)
図1は本発明を実施するための造形機構の1例を示す。基板1上には環状の支持座2が設けられ、その上に内筒3がボール4により回転可能に支持されており、内筒3の適所に歯輪5が設けられている。基板1の下面には減速機付モータ6が取付けられ、基板1の小孔7を貫通して基板上方へ伸延する回転軸8に設けた歯車9が歯輪5にかみ合っており、回転軸8の回転により内筒3は徐々に低速で矢印方向に回転する。
内筒3の外方には、これと同軸的に外筒10が基板1に固定され、外筒10の上端には枠11が固定されている。枠11はスポーク上の支持材121〜123によって中心にハブ13を支持している。基盤1の中心部とハブ13との間には、雄螺桿14が回転不能に支持されており、これにナット15が螺合されている。ナット15上に造形ステージ16が固定され、この造形ステージは周面が内筒3の内面に摺動可能に接し、かつその周面の一部は内筒3の内面の一部に上下方向に設けた縦条17に係合して回転を阻止されている。従って、上述のように内筒3が回転するときは、これに伴って造形ステージ16及びナット15が回転し、このナット15の回転により造形ステージ16は内筒3と共に矢印方向に回転しながら、雄螺桿14に沿って徐々に降下する。
上述の枠11には図2に示すように諸機構が取付けられている。スポーク状の作業腕即ち支持材121には、その長さ方向に沿って粉状体の堆積機構を構成するホッパー20と掻取板21とが取付けられている。ホッパー20は図3(a)に示すように内筒3の半径方向のほぼ全域にわたるスリット22と、このスリットを開閉するゲート23とを有し、造形ステージ16上にホッパー20内の粉状体24を供給し、掻取板21は供給された粉状体の表面が一定の高さになるように余分な粉状体を掻取り、内筒3の周縁から落下させる。この落した粉状体は外筒10の内面に設けた支持台18上のトレイ19内に収容される。
スポーク状の支持材122には、レール25がその長さ方向に沿って設けられ、レール25は液状体の吐出機構26を支持している。この吐出機構26は、図3(b)に示すように複数のジェットノズル27を有し、レール25に沿って移動しながら、制御信号によって指定されたノズルから所定の液状体を造形ステージ16上の指定箇所へ吐出する。
スポーク状の支持材123には、図3(c)に示すように液状体の固化機構を構成する複数のハロゲンランプ28が造形ステージ16上の紛状体に対面して配置されており、光線の照射により粉状体層上に吐出された液状体を固化させる。
造形ステージ16は一回転ごとに雄螺桿14の1ピッチに相当する高さだけ降下してゆく。これにより造形ステージ16上には、その一回転ごとに雄螺桿14の1ピッチに相当する厚さの粉状体層が形成されていく。図4(a)において、31はこのようにして造形ステージ16上に堆積された多数の粉状体層の最上層、32はその中に液状体の固化によって形成された固結部、33はその前回に堆積された粉状体層、34はその中に形成された固結部を示す。
図4(a)のように、最上層31の上にホッパー20のスリット22から粉状体24が散布されると、この粉状体24は同図(b)のように掻取板21によって均一な厚さの層35に規制され、その厚さは雄螺桿14の1ピッチになる。次いで、造形ステージ16の回転によって層35は同図(c)のように吐出機構26の位置にさしかゝり、液状体の吐出を受ける。液状体の吐出範囲Lは、制御信号によって規制される。
造形ステージ16が更に回転すると、液状体の吐出を受けた部分36はハロゲンランプ28の光線照射域に移り、図4(d)に示すように光線照射を受け、その液状体吐出部分36は固化して固結部37を生ずる。このようにして、造形ステージ16の回転及び降下につれてその上の粉状体の積層内に固結部が形成されてゆき、最終的には造形ステージ16上から未固結の粉状体を取除くことによって図4(e)に示すように固結部32、34、37等が一体になった固体構造物を得ることができる。
上述の実施形態では、粉状体を散布するホッパー20及び掻取板22、液状体の吐出機構26、液状体固化用光源28を造形ステージ16上に120°の間隔で等間隔に配置したが、図5に示すようにこれらを1箇所にまとめて配置してもよく、或いは不等間隔に配置してもよい。
図6は造形機構の図1とは若干異なる形態を示す。基板1上には図1と同様に内筒3が支持座2及びボール4によって回転可能に支持され、内筒3の外周に設けた歯輪5は基板1の下面に位置する減速機付モータ6の小歯車9によって駆動されて、内筒3は矢印方向に低速で回転する。基板1の中心には昇降機構41が設けられ、これから上方に伸延する昇降機構42の上端にピポット機構43を介して造形ステージ16が載置されている。造形ステージ16は内筒3の内面に昇降可能に接し、かつ内筒3と共に回転する。
図6の造形機構装置においても、図2〜図4に示したような枠11が外筒10上に置かれ、粉状体堆積機構、液状体吐出機構及び硬化機構が同様に動作する。図6における造形ステージ16は、図1に示したドーナツ形のステージ16に較べて中心部まで利用できる長所が存在する。
上記造形機構の寸法例は次の通りである。内筒3は半径が80mm、造形ステージ16の昇降ストロークは200mmで、内筒3と外筒10との間隔は10mmでここに粉状体回収トレイ19を置いた。造形ステージ16の1回転ごとの降下量は0.1mmである。
(粉状態)
本発明に用いる粉状体の組成には有機物、無機物、酸化金属など任意の種類の粒体を一種類、または複数種類を組み合わせて使用することが可能である。その形状には特に制限を加えるものではない。不定形、球形、ドーナツ型、ポーラス状、凝集塊、ウィスカ、棒状、針状などの形状や表面性状など目的に応じて必要な形状を持つ材料を自由に用いることができる。不定形、球形、ドーナツ型、ポーラス状などは造形しやすいという利点を持つ。ウィスカ、棒状、針状のものは、硬化後の強度向上に大変効果がある。凝集塊、多孔質、ディンプル状などは、粉状体と液状体の接着性の向上に効果があり、硬化後は機械的な維持力を発現するという利点を持つ。
粒径についても特に制限を加えるものではないが、一回の粉状体積層厚さより小さい粒径である必要がある。好適には平均粒子径が0.001μm以上、0.5mm以下であることが好ましい。より好ましくは0.1μm以上、0.3mm以下であることが好ましい。
これらの粉状体には必要に応じて各種の表面処理を施すことも可能である。例えばシラン処理や加熱処理が実施できる。使用する粉状体には特に制限を加えるものではないが、安全性や加工性の観点からは特に歯科において広く用いられている実績のある材料を用いることが好ましい。具体的にはガラス系材料、各種の金属酸化物、金、白金、銀、銅、錫、パラジウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、アルミニウム、モリブデン、ベリリウム、マグネシウム、コバルトなどの純金属、またはこれらのうち1種類以上を含む歯科用合金、または他の金属、その他セラミックス材を主成分とする溶融品の粉材材料、およびこれらの粉状体を含有するかまたは含有しないポリマーを単独で用いるか又はこれらを組み合わせた組成物が好ましい。
粉状体は貯留タンク内に準備しておき、チューブを通してスリットに供給する方式や、スリット上部に貯留タンクを配置して重力によってスリットに供給する方法などをとることができる。粉状体の貯留タンクは複数設置することができ、夫々の貯留タンクには異なる組成や色調などを持つ複数種類の粉材を準備しておき、加工時に目的に合わせてこれらを適宜使い分け、組み合わせて使用することもできる。必要な精度と速度で粉状体を一定の厚みに積層するためには、スリットや粉状体フィーダ、粉状体貯留タンクからの粉状体供給もコンピュータによって制御されることが好ましい。スリットの横方向の大きさは使用する粉状体組成中の最大の粒子径の1.01倍以上で造形ステージの作業半径長と等幅以下であることが好ましく、高さ方向の大きさは使用する粉材組成中の最大の粒子径の1.01倍以上、300倍以下であることが好ましい。
(液状体)
本発明に用いる液状体の組成としては重合性単量体を基本として目的に応じて各種の添加剤を配合したものを使用することが可能である。また液状体として本発明の実施上求められる粘度や各種物性を損なわない限りにおいて任意の粒体、繊維状物質などを含むことも可能である。液状体として用いる材料には特に制限を加えるものではないが、安全性や加工性の観点からは特に歯科において広く用いられている実績のある材料を用いることが好ましい。具体的には水、アクリル系、ウレタン系または他の系統を主成分とするモノマー、又はオリゴマーおよび、これらのモノマーやオリゴマーと可塑剤とからなる組成物、有機溶媒のうち少なくとも1種類以上から成る組成物、または混合物である液状体、またはこれらの液状体にフィラーまたは繊維状体が含まれる液状体が好ましい。
また,いくつかの色調を用意しておき、これらの液状体の吐出量をそれぞれ変えて配合量を変化させることにより混色されて任意の色調を得る方法も好適である。基本的に減算混色理論で所望の色調を得る。透明度の制御は透明液状体、および不透明液状体との混合で行う。すなわち、透明液状体の配合量を多くすれば透明性が向上し、不透明液状体を多くすれば透明性が低下する。不透明液状体の不透明材を白色としておけば、同時に明度向上の役割も持たせることができる。明度を低下させるためには黒色液状体を使用するのが望ましい。
この方法で用いられる色調のセットには、歯科用構造材の使用目的に合致する限りにおいて任意の色調を選択でき、その色相、明度、彩度の範囲には一切の制限はない。この方法で用いられる色調セットの色調数は、歯科用構造材の使用目的に応じて単色から多数色セットまで任意の数で構成することができる。多数色の上限は特に設けないが、通常は液状体の保守や設置スペースの確保などの観点から見ると可能な限り少ない色調セットで色調再現範囲を可能な限り広くとれるような色調セット構成とすることが好ましい。そのため、2色から12色のセットとすることが好ましい。実用上は3色から8色のセットとすることが好ましい。
(液状体吐出機構)
造形ステージ上の任意の位置に液状体を一定量吐出させる機構は、一定量の液状体を吐出する吐出ノズルを、このノズルをステージ平面状の任意の場所に移動させるための一個以上のスライド機構で構成される移動機構に固定して構成する。液状体吐出ノズルは液状体貯留タンクと直接、あるいはチューブを介して間接的に接続できる構造になっている。液状体貯留タンクは移動機構とは別に設置することも移動機構上に搭載することも可能である。液状体貯留タンクはカートリッジとすることも勿論好ましい。これにより液状体の種類を変更したり、液状体を補充する際に作業が簡便となる。
液状体吐出ノズルの口径は目的の加工形状に合わせて任意の大きさとすることができるが、1μmから2mmの範囲にあることが好ましい。通常歯科用に製造される構造材の大きさに鑑みるならばより好適には3μmから1mmの範囲にあることが好ましい。液状体吐出ノズルには様々な動作原理のものを用いることができる。一定量の液状体を吐出する機構は空気や窒素ガスなどの気体を用いてその圧力によって吐出する方式や、ピエゾ素子を用いて微小量の液状体を飛ばす方法、バブルジェット(登録商標)方式、液状体を帯電させて電気的な引力を利用して吐出する方法、超音波などのエネルギーを利用して液状体を飛ばす方法などを使用材料や使用目的に応じて自由に選択して用いることができる。空気などの圧力によって液状体を吐出させるタイプやピエゾ素子を用いたタイプ、バブルジェット(登録商標)タイプなどが好ましい。
一個の液状体吐出ノズルに1個または2個以上の液状体供給を行うことも可能である。この場合、各々の液状体供給パイプをノズルに直結してもよいし、また各液状体供給パイプを一本にまとめてから液状体吐出ノズルに接続してもよい。また、液状体吐出ノズルは複数設置することが可能であり、各々のノズルごとに異なる液状体を供給して使用できる。
ノズルは吐出量と造形時の分解能に基づいてその吐出量にあった口径を持つ。その個数は用いる液状体の種類数と同数を基本単位とし、一層あたりの吐出処理速度を向上させるためには基本単位の倍数単位で増加させることができる。その配置には特に制約を設けないが、直線状や行列状に配置するのが好ましい。直線状の配置においては必ずしもノズルが一直線状に配される必要はなく、途中で曲がっていても、全体的にあるいは部分的に湾曲した配置になっていても良い。造形ステージの回転時に外周部と内周部で移動速度が異なる本装置において、ノズルを湾曲的に配置すればノズルの配列密度を必要に応じて変えることができて好ましい。行列状の配置においてはノズルを正方形、長方形、または平行四辺形状に配列することができる。ノズルを支持する作業腕の方向が造形ステージの半径方向を向いていない場合にはノズルを平行四辺形状に配置することにより、造形ステージの回転方向に対応した液状体の吐出が可能になる。
異なる色調を有する液状体を組み合わせて使用すれば各液状体の吐出量を変化させることで幅広い色調の再現が可能になる。また、硬化後の物性が異なるように調整した液状体を組み合わせて使用すれば必要な部分だけに必要な物性を持たせた歯科用構造材を製造することが可能になる。
液状体吐出ノズルは造形ステージ中心点上方と造形ステージ円周上の一点を結ぶ線上に基台と平行にかつ造形ステージよりも高い位置に設置された作業腕上にスライド機構を設けて、それを介して液剤吐出機構を取り付ける。作業腕上にスライド機構を介さずに直線状に単列あるいは複数列に設置することもできる。この場合、積層ステージの有効半径長と同幅全体に渡って多数の液状体吐出ノズルを並べて設置することが好ましい。
液状体の吐出工程を造形ステージの一回転ごとに行う場合も、連続的に行う場合にも液状体吐出ノズルは造形ステージ半径線上(これを「作業半径長」ということにする。)にあれば必要な部分に液状体を吐出できる。液状体吐出ノズルが作業半径長に満たない幅で設置されている場合にのみ液状体吐出ノズルを作業腕に沿って移動させるためのスライド機構を作業腕に設ける必要がある。
(液状体固化機構)
粉状体に液状体を含浸させた含浸層を重合する手段としては、光重合、化学重合、熱重合、近赤外線重合、遠赤外線重合、超音波重合など歯科または工業界において広く普及している任意の方法をひとつ、あるいは複数用いることができる。粉状体を予め加熱しておき、吐出され、粉状体に含浸した段階で粉状体から熱を供給して液状体を熱重合させる方法も有効である。
光重合を用いる場合には光照射器を、造形ステージの当該箇所に光を照射できるように位置と向きを調整して設置する。必要があればコンピュータによる光照射方向制御装置を設けることも可能である。一層分を積層して必要な箇所に液状体を吐出して粉状体に液状体を含浸させた後、光を照射して重合、硬化させる。この場合には液状体にのみ光重合触媒を配合しておけば、液状体の含浸した部分だけが重合硬化し、液状体を含浸させなかった部分は重合硬化しない。したがって不要な部分の粉状体は次の加工時に再び使用できる。
粉状体に過酸化ベンゾイル、液状体に3級アミンを配合しておけば、液状体を吐出した部分だけが液状体と粉状体に夫々配合した化学重合触媒が接触することで化学重合が起こって硬化する。この場合も液状体の含浸した部分だけが重合硬化し、液状体を含浸させなかった部分は重合硬化しない。したがって不要な部分の粉状体は次の加工時に再び使用できる。このような化学重合のみを用いる場合、特に重合機構を設ける必要はない。
熱重合を用いる場合、いくつかの実施方法があり、目的に応じて自由に選択することが可能である。例えば過酸化ベンゾイルなど熱を加えることでラジカルを発生する重合開始材を粉材のみに配合した系、および液状体にのみ重合開始材を配合した系のどちらも使用可能である。この方法では必ずしも一層積層ごとに重合操作を行う必要がなく形状が完成後に一度に熱を加え硬化させることができる。形状作製中には重合工程が無いため、一層積層ごとの重合操作とそれに必要な時間を無くすことができ、省力化と加工時間の短縮を図ることができる。
近赤外線を用いた重合方法では、近赤外線照射装置は造形ステージ上の任意の場所に近赤外線ビームを照射できるように位置と向きを調整して設置する。必要があればコンピュータによる光照射方向制御装置を設けることも可能である。この場合、重合エネルギーを近赤外線の細いビームの形で目的の形状に与えることができるため、一層積層するごとに必要部分だけに熱エネルギーを加えて重合させることが可能になる。したがって前述の加熱による重合方法と同様の材料系を用いることができる。
また、近赤外線は必ずしもビームにして照射する必要は無く、通常のヒーターのようにして加工品全体を同時に加熱することもできる。この場合も粉材のみに重合開始材を配合した系と液状体にのみ重合開始材を配合した系のどちらも使用可能である。いずれの場合にも一層積層するごとに重合操作を加えても、形状の積層加工が終了した後に一度に重合硬化させることも可能である。この点において近赤外線による重合硬化という方法は従来の光重合法と加熱重合法の特徴を併せ持ち、なおかつこれらの方法のもつ欠点を解消もしくは軽減したような形態で重合操作を行うことを可能にする。
従来から樹脂材料の重合硬化に用いられているような複数の重合方式の併用による重合硬化方法を用いることももちろん可能である。この場合、例えば光重合と化学重合を組み合わせれば、光の到達しない部分は化学重合にて硬化させ、一般的に化学重合では重合性の悪い表面を光重合で十分に硬化させるというように夫々の欠点を夫々の利点で補うような重合方法を用いることができる。
(コンピュータ)
目的形状データを記憶、編集、保持、保存し、形状データに基づいて上記の各構成要素を制御するためのコンピュータは、ハードウェアに関しては広く普及している一般的なパーソナルコンピュータが使用できる。ソフトウェアは目的の形状を記憶、編集、保持、保存する機能と、異なる材料を使い分けるための演算機能と、目的形状のデータに基づいて前述の各構成要素の制御データを生成する機能、生成した制御データにしたがって前述の各構成要素を制御して自動的に目的の形状を加工するための機能を持つ必要がある。
まず造形の準備として造形データを用意する。目的の形状データを得るには、形状計測を行うか、コンピュータ内で形状データを作成するシステムやCADによる形状データの作成を行う。また、形状計測データをCADや他のソフトを用いて編集して用いることも勿論可能である。
このようにして得られた3次元データに対して必要ならば内部構造を与える。更に必要な場合には各構造部に異なる色調や異なる物性を設定することができる。さらに必要な場合にはグラデーション様の色調、あるいは物性の順次変化をつけることも勿論可能である。
この作業の際に色調を決定するために機械測色装置のデータを用いることもできる。本装置の制御ソフトによって、これらの装置によって指示されるシェードと呼ばれる色調指定記号を入力するとそれに対応した色調を再現するために必要な液材の色調と各色調の液材の吐出量を算出して液材吐出制御データに付加される。
このようにして作成した3次元データを水平線方向に切断して、液状体吐出制御データを作成する。このとき、隣接する切断面間の距離は一回の積層高さと同じになる。積層工程を造形ステージの一回転ごとに止めずに連続的に行う場合には3次元データを水平線方向に切断するのではなく、螺旋状に切断する。このときの螺旋の角度は造形ステージ1回転あたりの造形ステージの下降距離で定まる角度と同じにする。
更にはネットワークを介して必要なデータのやり取りをする機能や形状計測装置の制御機能、形状計測データから目的形状のデータを生成する機能、機器の状態をモニタする機能、必要に応じて警告を発したり、各構成要素の動作を緊急停止する安全機能などを持たせることができる。
(後処理)
必要な高さになるまで積層造形を連続的に行って目的の形状を造形した後、粉状体の散布、液状体の吐出、硬化、造形ステージの回転と下降を停止し、硬化させなかった余剰の粉状体を除去する。空気圧によって吹き飛ばす、または造形ステージを上下反転させて余剰粉状体を落下させる、吸引させるなどの手段が好適である。取り出した造形物は必要がある場合には表面滑沢材への浸漬処理や研磨を行い、段差の解消と表面滑沢性を付与して完成する。
(クラウン、ブリッジの作成)
本発明の装置を用いてメタルレスのクラウンおよびブリッジを作製した。この実施例では一層毎に光を照射して硬化させる方法を用いた。粉状体にはポリメチルメタアクリレートの球状粒子体(平均粒子径10μm)95重量部、酸化チタン5重量部の混合物を用いた。液状体には、食用インクにて着色したメチルメタアクリレートモノマー液100重量部にカンファーキノンを1重量部とジメチルアミノパラトルイジンを1.75重量部配合して光重合可能とした組成物の色調を異にする4種類を用いた。すなわち、液状体1は透明に、液状体2は乳白色、液状体3は茶褐色、液状体4は黒色に調色した。
これらの液状体を吐出時に目的の色調の液状体となるようにコンピュータによって配合量を自動的に算出して用いた。目的形状データを編集して実際の歯の構造を模して内部に複数の層からなる構造を持たせ、これに基づいてCADによって造試作した装置を用いた。
この造形用データを用いて装置の各構成要素を制御して目的のクラウンとブリッジを作製した。造形後の補綴物は造形ステージより取り外して最終研磨を施した。
なお、この実施例では造形ステージ上に一度にクラウン2個、ブリッジ2個を配置し、さらにこの配置状態を高さ方向に3段分設定し、12個の補綴部材を一度に作製した。液状体の含浸しない粉状体がそのままサポート材として機能するのでこのような作製方法が実施できた。作製したクラウンおよびブリッジは内部、外部ともに3色の色調を使い分けて作製されたため、概観は複数の異なる色調の重ね合わせによって、従来のCAD/CAM応用技術を用いた方法では加工できないような極めて高い審美性を有していた。また従来に見られるような平行にスキャンして積層していくタイプの装置と比較して、目的形状の造形に要する時間は約2分の1程度に短縮された。また装置を構成するのに必要なスライド機構の数やこれらを固定するステー類なども削減でき、省スペースと軽量化につながった。このことはスペースの限られた歯科技工所においても大きな利点となる。
(デンチャーの作製)
粉状体及び液状体は実施例1と同一のものを用いた。但し、実施例1で、液状体4は黒色に調色したが、ここでは歯肉色に調色した。コンピュータソフトは実施例1と同様なデンチャーの作製に設定し、この造形用データを用いて装置の各構成要素を制御して目的のデンチャーを作製した。造形した義歯は造形ステージから取り外し最終研磨を施した。作製したデンチャーは歯肉色、デンチン色、エナメル色の色調を使い分けて作製されたため、非常に美しいデンチャーに仕上がった。そして従来のCAD/CAM応用技術を用いた方法では加工できないような極めて高い審美性を有していた。
(矯正用ブラケットにつけて使用するワイヤ部材の作製)
粉状体及び液状体は実施例1と同一のものを用いその形状及びプログラムは実施例1と同様に設定した。造形機構には実施例1と同一の器械を用いたがハロゲンランプの代わりに、近赤外線ビームを設けた。本実施例では矯正用ブラケットにつけて使用するワイヤ部材を本発明の装置によって樹脂線材として製作した。この実施例では一層毎に近赤外線のビームを造形ステージ平面上で掃引し、液状体の含浸した部分のみを加熱重合させた。造形したワイヤ部材は造形ステージから取り外して最終研磨を施した。
(マウスガードの作製)
液状体はA、.Bの2種類を用い、A液としてメチルメタアクリレート92重量部、両末端アクリル変性ポリブタジエン樹脂5重量部、硼酸アルミニウムウィスカ3重量部、カンファーキノン1.7重量部、ジエタノールパラトルイジン2.2重量部で構成される液と、B液としてメチルメタアクリレート80重量部、トリエチレングリコールジメタアクリレート15重量部、カンファーキノン1.2重量部、ジエタノールパラトルイジン1.8重量部とした液とを用い、A液、B液それぞれについて3原色、黒色、白色、透明の6色を調合して合計12種類をセットとして使用した。A液を粉状体に吐出して重合すると適度な弾力性を持った樹脂組成物となり、B液を粉状体に吐出して重合すると変形しにくく十分な強度と耐衝撃性を持つ樹脂組成物となる。
使用者の口腔内を象って得られた模型を計測して数値化し、マウスピース形状データを作成した。このデータを編集して、歯牙、歯肉を一定の厚みで取り巻くようにオフセット形状データを作成して弾力材料使用部とし、その外側を強度保持部として製作に供した。実施例1と同一の器械を用いたが、液状体吐出機構は液状体貯留タンクを12個とし、液状体吐出ノズルは12列12段の合計144個とした。
オフセットデータによって確保した歯牙、歯肉周りの一層はA液を使用した。その他の部分はB液を用いた。また色調は、A液、B液の使用区分に関わらずマーブル状に複雑に変化する色調とした。このマーブル状の色調は応力解析結果を色階調で表示したデータをそのまま用いた。
以上のように、本発明によるときは、歯科臨床における矯正ブラケット、矯正力発現部材、インレイ、オンレイ、ブリッジ、コア材、インプラント上部構造、局部床義歯、全部床義歯などの諸構造物や歯科研究における各種模型、実験用治具、実験用構造材などの諸構造物の製作を簡易に行うことができるるばかりでなく、歯科用に限らず各種の高精度の諸構造物の小量生産にも実施することができる。
本発明において使用する造形ステージ及びその駆動部の一例を示す断面図である。 図1に示した装置に組合せられる各処理機構の配置の一例を示す平面図である。 図2に示した各処理機構の縦断面図である。 図1に示した装置によって遂行される各工程の説明図である。 図1に示した装置における各処理機構の図2とは異なる配置を示す平面図である。 本発明において使用する造形ステージ及びその駆動部の図1とは異なる例の縦断面図である。
符号の説明
1 基板
2 内筒
5 歯輪
6 減速機付電動機
9 小歯車
10 外筒
11 枠
121〜123 支持材(作業腕)
14 雄螺桿
15 ナット
16 造形ステージ
17 回り止め突条
19 トレイ
20 ホッパ
21 掻取板
22 スリット
24 粉状体
25 レール
26 液状体吐出機構
28 ハロゲンランプ
31 粉状体最上層
32 同上固結部
33 粉状体層
34 同上固結部
37 粉状体固結部

Claims (13)

  1. 回転しながら所定のピッチで下降する円形またはドーナツ形の造形ステージを有する造形機構と、上記造形ステージ上に粉状体を堆積する粉状体堆積機構と、上記粉状体を固結させるための液状体を制御信号に基いて上記粉状体堆積層の指定位置に指定量だけ吐出するよう構成された液状体吐出機構と、上記粉状体堆積層に含浸された上記液状体を固化させる固化機構または固化手段と、製作しょうとする立体構造物の形状を含むデータを記憶、編集、保持しこれに基いて上記制御信号を送出するよう構成されたコンピュータ装置とからなる立体構造物製作装置。
  2. 請求項1において、上記粉状体堆積機構は、上記造形ステージ上に上記粉状体を供給する手段とその供給された粉状体の厚みを均一に規制する手段とを有することを特徴とする立体構造物製作装置。
  3. 請求項1及び2において、上記粉状体堆積機構で堆積される粉状体堆積層の厚みは上記造形ステージの降下するピッチにほぼ等しいことを特徴とする立体構造物製作装置。
  4. 請求項1において、上記粉状体は有機化合物紛体、無機化合物紛体、金属紛体のうち1種類または2種類以上の混合物であることを特徴とする立体構造物製作装置。
  5. 請求項1において、上記液状体は高分子化合物のモノマー、オリゴマーまたはその混合物を含むことを特徴とする立体構造物製作装置。
  6. 請求項5において、上記液状体は水、有機溶媒またはその混合溶媒を含むことを特徴とする立体構造物製作方法。
  7. 請求項5または6において、上記液状体はフィラ−または繊維状体を含むことを特徴とする立体構造物製作方法。
  8. 請求項1において、上記粉状体は上記液状体の硬化用の触媒を含有しており、上記固化手段における上記粉状体堆積層に含浸させた上記液状体の固化は化学重合、光重合、または熱重合によって行われることを特徴とする立体構造物製作装置。
  9. 請求項1において、上記造形ステージ上方にその半径方向にレールが設けられていて、上記液状体吐出機構は上記レールに沿って移動可能に設けられていることを特徴とする立体構造物製作装置。
  10. 請求項9において、上記液状体吐出機構は複数の液状体吐出ノズルを有することを特徴とする立体構造物製作装置。
  11. 請求項10において、上記複数の液状体吐出ノズルには色調その他の性状を異にする液状体が供給されることを特徴とする立体構造物製作装置。
  12. 請求項1において、上記液状体として光線硬化性物質が使用され、上記固化機構として電球を含む光線源が使用されることを特徴とする立体構造物製作装置。
  13. 請求項1において、上記液状体として熱硬化性物質が使用され、上記固化機構として赤外線源が使用されることを特徴とする立体構造物製作装置。
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