以下、図を参照して本発明を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る構成の説明図である。(A)は、露光ヘッドの配列、(B)は像担持体に形成される画像を示している。図1(A)において、露光ヘッドには各ラインに複数の発光素子を有する発光素子ライン6a〜6cが設けられている。白丸は発光しない発行素子、黒丸は発光する発光素子を示している。像担持体は、矢視X方向(副走査方向)に移動する。また、(a)は通常露光の状態、(b)は露光中止の状態、(c)は複数列露光の状態、(d)は通常露光の状態を示している。(a)〜(d)の順序で時間が経過するものとする。
像担持体が回転している際に、前記のように現像器の動作信号がオン、オフとなるタイミング、および転写動作信号がオン、オフとなるタイミングで、シーケンスに同期した振動が発生する。本発明の実施形態においては、このような装置の振動が発生するタイミングでは露光動作を中止する。そして、像担持体が副走査方向に移動してから露光されなかった走査線については、通常露光を行うタイミングと同時に走査して露光を行うものである。
以下、具体的に説明する。(a)の通常露光の場合には、露光ヘッドに配列された発光素子ライン6aのすべての発光素子を動作させて、画素ライン2aを露光する。(b)は前記シーケンスに同期した装置の振動が発生するタイミングであり、露光ヘッドに配列されたすべての発光素子ラインの露光動作を中止する。したがって、像担持体が副走査方向に移動した後も画素ラインは2aのみが露光された状態を維持している。
(c)のタイミングでは、発光素子ライン6a、6bの複数列の発光素子ラインで像担持体を露光する。このため、像担持体上では、発光素子ライン6a、6bにより画素ライン2b、2cが露光され、先に露光された画素ライン2aと合わせて3ラインの画素ラインが露光された状態となる。(d)の通常の露光により、発光素子ライン6aが動作して画素ライン2dを露光する。
このように、本発明の実施形態においては、シーケンスに同期して発生する装置の振動のタイミングでは露光動作を中止している。このため、濃度むらや色ずれなどの印字品質の劣化を抑制することができる。この場合に、前記振動が発生するタイミングを予め記憶手段に記憶させておく。そして、制御部は記憶手段から前記振動が発生するタイミングの情報を読み出して、このタイミングではすべての発光素子ラインの露光動作を中止するような制御を行う。このように、シーケンスに同期する振動は予め発生する位置が特定できるので、このタイミングでは露光を行わない制御を簡単な構成で実施できる。そして、振動の発生しない位置で露光動作を行うので、振動の影響により濃度むらや色ずれなどの発生する事が抑えられる。
図1は、モノクロプリンタを対象としている。本発明においては、現像器の動作信号がオン、オフとなるタイミング、および転写動作信号がオン、オフとなるタイミンでは露光動作をオフにしている。このような露光制御は、図11で説明した4サイクルカラープリンタや、図12で説明したタンデム方式のカラープリンタにも当然適用されるものである。これらのカラープリンタにおいては、本発明の露光タイミングの制御により色ずれの発生を抑制することができる。
図2、図3は、像書き込み手段としてマルチビームスキャン方式の走査光学系を用いた場合を示す説明図である。図2は基本構成の説明図、図3は実施形態における走査光学系の配置例を示説明図である。図2において、露光ユニット6は、発光部6a’、コリメータレンズ6b’、偏向部6c’、結像レンズ6d’を有している。このような走査光学系により、像担持体2上に露光面を形成する。発光部6a’は、例えば二次元状の半導体レーザアレイなどに発光素子を配列する。
図3の具体的配置例においては、偏向部6c’として回転多面鏡を用いている。この際に、二次元状に配列された発光素子からの出射光により像担持体には2a、2bのような複数の走査線が同時に書き込まれる。図3に示したような、マルチビームスキャン方式の走査光学系を用いた場合には、露光装置を複数の独立して変調可能な光束で走査させることができる。
このため、装置の振動発生位置で像担持体上の走査線の書き込みを中止させること、すなわち露光動作を中止させることができるので、簡単な制御で精度良く振動の影響による濃度むらや色ずれのような印字品質劣化を抑制することが可能となる。この場合にも、記憶手段には予めシーケンスに同期する装置の振動発生タイミングの情報を記憶させておくものである。
図1〜図3で説明したように、本発明においては像書き込み手段は、いずれの例も複数の走査線を同時に走査して書込みを行う書き込み手段で構成している。このため、像担持体の画素ライン単位で露光量の制御ができるので、制御部の構成が簡単になる。
図4は本発明の実施形態を示すブロック図である。図4において、85は画像形成装置の本体コントローラ、80はラインヘッド(像書き込み手段)の制御部である。制御部80には、制御回路81、駆動回路82、例えば有機EL素子を用いた発光素子83、メモリ(記憶手段)84が設けられている。発光素子として有機EL素子を使用した場合には、静的な制御となるので制御系が簡略化できるという利点がある。
本体コントローラ85は画像データを形成し、当該画像データを制御回路81に送信する。制御回路81は、発光素子83の発光量に応じた制御信号を形成し、TFT(Thin Film Transistor)などで構成される駆動回路82を付勢する。このように、発光素子83と駆動回路82を同じ基板上に形成しているので信号線の長さを短縮することができる。
メモリ84には、現像器の動作信号がオン、オフとなるタイミング、および転写動作信号がオン、オフとなるタイミングを記憶する。すなわち、画像形成装置を構成する複数の画像形成用ユニットの動作シーケンスに同期して発生する振動情報(印字品質劣化要因)をメモリ84に記憶させる。
また、メモリ84には像担持体の周速度が変動するタイミングの情報が記憶される。このように、メモリ84は、前記装置の動作シーケンスに同期して発生する振動や周速度の変動による濃度むらや色ずれのような、画像形成時の印字品質劣化要因の情報を予め記憶する記憶手段として機能している。
駆動回路82は、メモリ84に記憶されている画像形成時の印字品質劣化要因の情報に基づいて、各有機EL素子にシーケンスに同期した振動の発生中は、露光動作を停止する信号を出力する。また、周速変動の特性に対応した像担持体の露光量となるように発光素子の発光量(光強度)を制御する。
図4の例では、露光ヘッド上に発光素子83と共にメモリ84を設けている。このため、画像形成装置から露光ヘッドに送るデータ量を削減することができ、画像形成装置と露光ヘッド間の配線数を減少させることができる。また、図4の例では、メモリ84は、発光素子83と同一基板上に形成している。このため、発光素子83とメモリ84とを一体的に製造することが可能となる。また、発光素子83とメモリ84とを別チップで製作する必要がないので、製造コストを低減することができる。
図5は、本発明の他の実施形態に係るブロック図である。図5において、86はエンジンコントローラの制御部である。メモリ90は露光ヘッドの外に設けられており、現像器の動作信号がオン、オフとなるタイミング、および転写動作信号がオン、オフとなるタイミングを記憶する。また、像担持体の周速度が変動する特性を記憶する。このように、メモリ90も画像形成時の印字品質劣化要因の情報を予め記憶する記憶手段として機能している。
本体コントローラ85は、画像データを制御部86に設けている第1のシフトレジスタ87aに入力する。第1のシフトレジスタ87aは、発光素子ラインヘッド89の各発光素子ラインに画像データを出力するものである。すなわち、第1のシフトレジスタ87aは、各発光素子へ画像データを供給する画像データ供給手段として機能している。
図5の例においては、第1のシフトレジスタ87aの出力信号は、遅延回路88を介して所定時間遅延させている。各発光素子列に対する遅延時間の大きさは適宜設定される。遅延回路88からの出力信号は、第2のシフトレジスタ87bを介して発光素子ラインヘッド89に与えられる。第2のシフトレジスタ87bは、信号線により信号を出力して、発光素子ライン89の各発光素子を順次動作させる。
図5の例においても、制御部86は、有機EL素子のような各発光素子に対して、シーケンスに同期した振動の発生中は、露光動作を停止する信号を出力する。また、像担持体の周速変動の特性に合わせた露光量となるように発光素子の発光量を制御する。このような制御は、例えば遅延回路に図示を省略しているCPUを設けることにより実施できる。
図5の例では、メモリ90は、露光ヘッドとは切り離してエンジンコントローラに設けている。このため、露光ヘッドが何らかの原因で動作不良となった場合でも、情報を確実に保持することができる。また、露光ユニットを含むカートリッジにメモリを設けても良い。図5の例では、第1、第2のシフトレジスタ87a、87bは、発光素子と同一の基板上に形成されている。このため、発光素子とシフトレジスタとを一体的に製造することが可能となり、発光素子とシフトレジスタとを別チップで製作する必要がないので、製造コストを低減することができる。
図5の例においては、本体コントローラ85は、先頭の1ライン分のデータを形成すれば、その後は先頭の1ラインの画像データをシフトレジスタに保持し、シフトレジスタの中で画像データを転送するだけでラインヘッドすべての発光素子の動作を制御することができる。このため、本体コントローラ85は、ラインヘッドすべての発光素子のデータを生成する必要がなく、回路構成を簡略にすることができる。また、高速でデータ処理を行うことができる。図5の制御部の構成は、例えば多重露光を行う露光ヘッドに適用される。
図6は、図4、図5で説明した発光素子として有機ELを用いた画像形成装置の一例を示す縦断側面図である。この画像形成装置は、同様な構成の4個の有機ELアレイ露光ヘッド101K、101C、101M、101Yを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)41K、41C、41M、41Yの露光位置にそれぞれ配置したものであり、タンデム方式の画像形成装置として構成されている。
図6に示すように、この画像形成装置は、駆動ローラ51と従動ローラ52とテンションローラ53が設けられており、テンションローラ53によりテンションを加えて張架されて、図示矢印方向(反時計方向)へ循環駆動される中間転写ベルト50を備えている。この中間転写ベルト50に対して所定間隔で配置された4個の像担持体としての外周面に感光層を有する感光体41K、41C、41M、41Yが配置される。
前記符号の後に付加されたK、C、M、Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示す。他の部材についても同様である。感光体41K、41C、41M、41Yは、中間転写ベルト50の駆動と同期して図示矢印方向(時計方向)へ回転駆動される。
各感光体41(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体41(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)42(K、C、M、Y)と、この帯電手段42(K、C、M、Y)により一様に帯電させられた外周面を感光体41(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する本発明の上記のような有機ELアレイ露光ヘッド101(K、C、M、Y)が設けられている。
また、この有機ELアレイ露光ヘッド101(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置44(K、C、M、Y)と、この現像装置44(K、C、M、Y)で現像されたトナー像を一次転写対象である中間転写ベルト50に順次転写する転写手段としての一次転写ローラ45(K、C、M、Y)と、転写された後に感光体41(K、C、M、Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置46(K、C、M、Y)とを有している。
ここで、各有機ELアレイ露光ヘッド101(K、C、M、Y)は、有機ELアレイ露光ヘッド101(K、C、M、Y)のアレイ方向が感光体ドラム41(K、C、M、Y)の母線に沿うように設置される。そして、各有機ELアレイ露光ヘッド101(K、C、M、Y)の発光エナルギーピーク波長と、感光体41(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とは略一致するように設定されている。
現像装置44(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラへ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを感光体41(K、C、M、Y)に接触あるいは押厚させることにより、感光体41(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させることによりトナー像として現像するものである。
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、一次転写ローラ45(K、C、M、Y)に印加される一次転写バイアスにより中間転写ベルト50上に順次一次転写され、中間転写ベルト50上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラ66において用紙等の記録媒体Pに二次転写され、定着部である定着ローラ対61を通ることで記録媒体P上に定着され、排紙ローラ対62によって、装置上部に形成された排紙トレイ68上へ排出される。
なお、図6中、63は多数枚の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、64は給紙カセット63から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、65は二次転写ローラ66の二次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラ対、66は中間転写ベルト50との間で二次転写部を形成する二次転写手段としての二次転写ローラ、67は二次転写後に中間転写ベルト50の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。
このように、図6の画像形成装置は、書き込み手段として有機ELアレイを用いているので、レーザ走査光学系を用いた場合よりも、装置の小型化を図ることができる。有機ELアレイは、1ラインに複数の発光素子を備えた発光素子ラインを副走査方向に複数列配列して、多重露光を行う構成とすることができる。
次に、本発明に係る画像形成装置に係る他の実施の形態について説明する。図7は、画像形成装置の縦断側面図である。図7において、画像形成装置160には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、有機ELアレイが設けられている像書込手段(露光ヘッド)167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。
現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として矢視A方向に回転する。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。162a〜162dは、前記4色の各像形成ユニットに配置されており、矢視B方向に回転する現像ローラ、163a〜163dは、矢視C方向に回転するトナ−供給ローラである。また、164a〜164dはトナーを所定の厚さに規制する規制ブレードである。
165は、前記のように像担持体として機能する感光体ドラム、166は一次転写部材、168は帯電器、167は像書込手段で有機ELアレイが設けられている。感光体ドラム165は、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより現像ローラ162aとは逆方向の矢視D方向に駆動される。
中間転写ベルト169は、従動ローラ170bと駆動ローラ170a間に張架されており、駆動ローラ170aが前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されて、中間転写ベルトに動力を伝達している。当該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆方向の矢視E方向に回動される。
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙を搬送する。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写される。二次転写ローラ171は、クラッチにより中間転写ベルト169に離当接され、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接されて用紙に画像が転写される。
上記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着ヒータHを有する定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢視F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢視G方向に進行する。177は電装品ボックス、178は用紙を収納する給紙トレイ、179は給紙トレイ178の出口に設けられているピックアップローラである。
用紙搬送路において、搬送ローラを駆動する駆動モータは、例えば低速のブラシレスモータが用いられる。また、中間転写ベルト169は色ずれ補正などが必要となるのでステップモータが用いられている。これらの各モータは、図示を省略している制御手段からの信号により制御される。
図の状態で、イエロー(Y)の静電潜像が感光体ドラム165に形成され、現像ローラ62aに高電圧が印加されることにより、感光体ドラム165にはイエローの画像が形成される。イエローの裏側および表側の画像がすべて中間転写ベルト169に担持されると、現像ロータリ161aが矢視A方向に90度回転する。
中間転写ベルト169は1回転して感光体ドラム165の位置に戻る。次にシアン(C)の2面の画像が感光体ドラム165に形成され、この画像が中間転写ベルト169に担持されているイエローの画像に重ねて担持される。以下、同様にして現像ロータリ161の90度回転、中間転写ベルト169への画像担持後の1回転処理が繰り返される。
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後に更に回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレー178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。
図8は、本発明に適用される他の画像形成装置を示す縦断側面図である。この画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像の形成や、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像の形成を行う。
この実施形態の画像形成装置においては、ユーザからの画像形成要求に応じて、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号がメインコントローラに与えられる。この際に、メインコントローラからエンジンコントローラに指令信号が送信される。この指令信号に応じてエンジンコントローラがエンジン部EGの各部を制御して、シートS(記録媒体)に画像信号に対応する画像を形成するものである。
このエンジン部EGでは、「像担持体」として機能する感光体2が図7の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体2の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット3、ロータリ現像ユニット4およびクリーニング部5がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3は帯電制御部から帯電バイアスが印加されており、感光体2の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。
そして、この帯電ユニット3によって帯電された感光体2の外周面に向けて露光ユニット6、すなわち、光学装置から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、露光制御部から与えられる制御指令に応じて光ビームLを感光体2上に露光して、画像信号に対応する静電潜像を形成する。露光ユニット6には、レンズ、ミラーなどの適宜の光学素子が設けられている。なお、露光ユニット6は、前記のようにマルチビームスキャン方式で像担持体を走査する構成とすることができる。
また、露光ユニット6は、直流モータを用いたスキャナモータを備えており、回転多面鏡のような光学素子を駆動する。これらの画像形成に用いる帯電ユニット3、ロータリ現像ユニット4、露光ユニット6などの各ユニットは交換可能に構成されている。このように、図8に示した露光ユニット6は、像書き込み手段を光走査系で構成している。
ホストコンピュータなどの外部装置より、インターフェースを介してメインコントローラの制御部に画像信号が与えられると、エンジンコントローラのCPUが露光制御部(図9の102)に対し所定のタイミングで画像信号に対応した制御信号を出力する。この制御信号に応じて露光ユニット6から光ビームLが感光体2上に照射されて、画像信号に対応する静電潜像が感光体2上に形成される。
こうして形成された静電潜像はロータリ現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、ロータリ現像ユニット4には、軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、図示を省略する回転駆動部などの部材が設けられている。また、支持フレーム40に対して着脱自在に構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵する、イエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。これらの各現像器4Y、4C、4M、4Kは、トナーカートリッジとして交換可能に装着されている。
このロータリ現像ユニット4は、現像器制御部からの制御指令に基づいて、ロータリ現像ユニット4が回転駆動される。また、これらの現像器4Y、4C、4M、4Kが選択的に感光体2と対向する所定の現像位置に位置決めされて、選択された色のトナーを感光体2の表面に付与する。これによって、感光体2上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
また、ロータリ現像ユニット4は、画像形成領域への画像形成に先立って、エンジンコントローラ10により各色のパッチ画像を形成する。パッチ画像には、べた画像のパッチ(Vdcパッチ)単独で、またはべた画像のパッチと細線パッチ(Eパッチ)が作成される。細線パッチは、例えば1ラインのパッチ画像を形成し、副走査方向に10ライン分画像を形成しないいわゆる「1オン10オフ」形式で作成される。また、メインコントローラ11は、濃度調整パターンを決定するために階調パッチの画像を形成する。階調パッチは、像担持体上に単色、または複数色の重ね合わせにより形成される。
このようにして形成されたパッチ画像の濃度を検出する濃度センサ60(パッチセンサ)が設けられ、当該センサの信号に基づきパッチ画像の濃度情報を記憶手段に記憶させておく。このように、予めパッチ画像の濃度むらを検出することにより、濃度むらの発生タイミングや発生時間を記憶手段に記憶させておくことができる。
このようなパッチ画像の濃度情報に基づいて露光量の制御を行うことにより、濃度むらのない画像形成を行うことができる。なお、説明を省略したが、パッチ画像の形成、およびその濃度の検出と記憶手段への記憶処理、パッチ画像の濃度情報に基づく露光量制御は、図6、図7で説明した画像形成装置においてもなされている。
この画像形成装置においては、現像位置で当該位置に位置決めされた現像器(図8の例ではイエロー用現像器4Y)に設けられた現像ローラ44が感光体2と当接して、または所定のギャップを隔てて対向配置されている。この現像ローラ44は、その表面に摩擦帯電されたトナーを担持するトナー担持体として機能している。そして、現像ローラ44が回転することによって順次、その表面に静電潜像が形成されている感光体2との対向位置に、トナーが搬送される。
ここで、現像器制御部から直流電圧と交流電圧とが重畳された現像バイアスが現像ローラ44に印加される。このような現像バイアスによって、現像ローラ44上に担持されたトナーは、感光体2の表面各部にその表面電位に応じて部分的に付着し、こうして感光体2上の静電潜像が当該トナー色のトナー像として顕像化される。
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1において転写ユニット7の中間転写ベルト(中間転写部材)71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72〜75に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。さらに、中間転写ベルト71を挟んでローラ73と対向する位置には、該ベルト71表面に対して図示を省略した電磁クラッチにより、当接・離間移動可能に構成された二次転写ローラ78が設けられている。
カラー画像をシートS(記録媒体)に転写する場合には、感光体2上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成する。そして、カセット8から取り出されて中間転写ベルト71と二次転写ローラ78との間の二次転写領域TR2に搬送されてくるシートS上に、カラー画像を二次転写する。また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部に搬送される。ロータリー現像ユニット4は、同量の記録媒体に対して各色の画像形成を行う手段として用いられている。
なお、中間転写ベルト71へトナー像を一次転写した後の感光体2は、図示を省略した除電手段によりその表面電位がリセットされる。さらに、感光体2の表面に残留したトナーがクリーニング部5により除去された後、帯電ユニット3により次の帯電を受ける。クリーニング部5により除去されたトナーは、図示を省略したトナータンクに回収される。
また、ローラ75の近傍には、クリーナ76、濃度センサ60および垂直同期センサ77が配置されている。これらのうち、クリーナ76は図示を省略する電磁クラッチによってローラ75に対して近接・離間移動可能となっている。そして、ローラ75側に移動した状態でクリーナ76のブレードがローラ75に掛け渡された中間転写ベルト71の表面に当接し、二次転写後に中間転写ベルト71の外周面に残留付着しているトナーを除去する。クリーナ76のブレードで除去されたトナーは、転写廃トナータンクに回収される。
垂直同期センサ77は、中間転写ベルト(中間転写部材)71の基準位置を検出するためのセンサであり、中間転写ベルト71の回転駆動に関連して出力される同期信号、つまり垂直同期信号Vsyncを得るための垂直同期センサとして機能する。そして、この装置では、各部の動作タイミングを揃えるとともに各色で形成されるトナー像を正確に重ね合わせるために、装置各部の動作はこの垂直同期信号Vsyncに基づいて制御される。さらに、濃度センサ60は、中間転写ベルト71の表面に対向して設けられており、濃度制御処理において、中間転写ベルト71の外周面に形成されるパッチ画像の光学濃度を測定する。
図9は、図8の画像形成装置の制御部を示すブロック図である。図9に示すように、各現像器(トナーカートリッジ)4Y、4C、4M、4Kには、該現像器の製造ロットや使用履歴、内蔵トナーの残量などに関するデータを記憶する「記憶素子」であるメモリ91〜94がそれぞれ設けられている。さらに、各現像器4Y、4C、4M、4Kには、コネクタ49Y、49C、49M、49Kがそれぞれ設けられている。
そして、必要に応じて、これらのコネクタ49Y、49C、49M、49Kが選択的に本体側に設けられたコネクタ108と接続される。このため、インターフェース105を介して、エンジンコントローラ10のCPU101と各メモリ91〜94との間でデータの送受を行って、該現像器(トナーカートリッジ)に関する消耗品管理等の各種情報の管理を行っている。
なお、この実施形態では本体側コネクタ108と各現像器側のコネクタ49K等とが機械的に嵌合することで相互にデータ送受を行っているが、例えば無線通信等の電磁的手段を用いて非接触にてデータ送受を行うようにしてもよい。また、各現像器4Y、4C、4M、4Kに固有のデータを記憶するメモリ91〜94は、電源オフ状態や該現像器が本体から取り外された状態でもそのデータを保存できる不揮発性メモリであることが望ましい。
また、この画像形成装置では表示部12が設けられている。そして、必要に応じCPU111から与えられる制御指令に応じて所定のメッセージを表示することで、必要な情報をユーザに対し報知する。例えば、装置の故障や紙詰まり等の異常が発生したときにはその旨をユーザに知らせるメッセージを表示する。また、前記スキャナモータなどが異常な状態の際には、サービスマンコールを表示する。
この表示部12としては、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置を用いることができるが、これ以外に、必要に応じて点灯あるいは点滅する警告ランプを用いてもよい。さらに、メッセージを表示することで視覚によりユーザに報知する以外に、予め録音された音声メッセージやブザー等の音声による警報装置を用いたり、これらを適宜組み合わせて使用してもよい。
コントローラ11には、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するために、画像メモリ113が設けられている。符号106は、CPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROMである。また符号107は、CPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶する不揮発性のRAMで、FRAM(Ferroelectric Random Access Memory:強誘電体メモリ)を用いることができる。
RAM107には、トナーカートリッジ、その他の各交換可能なユニットの寿命管理情報や濃度調整などの各種調整情報が記憶される。また、現像器の動作信号がオン、オフとなるタイミング、および転写動作信号がオン、オフとなるタイミングを記憶する。これらの情報は、シーケンスに同期して発生する装置の振動タイミングの情報となるものである。また、像担持体の周速度が変動する特性を記憶する。すなわち、RAM107は画像形成時の品質劣化要因の発生情報を予め記憶する記憶手段として機能する。
露光制御部102は、走査光学系の露光ユニット6に対して、シーケンスに同期した振動の発生タイミングでは、露光動作を停止する信号を出力する。また、図1で説明したように、露光されなかった走査線については通常露光を行うタイミングと同時に走査して露光動作を行う。さらに、周速変動の特性に合わせた露光量となるように露光ユニット6の発光量を制御する。すなわち露光制御部102は、印字品質劣化要因を抑制するように像書き込み手段の露光量の制御を行う。また、印字品質劣化要因を抑制するように前記像書き込み手段の発光タイミングを設定する。
帯電制御部103は、帯電ユニット3を制御する。CPU101には、濃度センサ60、垂直同期センサ77の信号が入力される。また、クリーニングブレードなどのその他のユニット78への駆動信号が出力される。
以上、本発明の有機ELアレイ露光ヘッド及び走査光学系の露光ユニットを用いた画像形成装置を実施例に基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
2・・・感光体、3・・・帯電ユニット、4・・・ロータリ現像ユニット、6・・・露光ユニット、41(K、C、M、Y)・・・感光体ドラム(像担持体)、42(K、C、M、Y)・・・帯電手段(コロナ帯電器)、44(K、C、M、Y)・・・現像装置、45(K、C、M、Y)・・・一次転写ローラ、46(K、C、M、Y)・・・クリーニング装置、50・・・中間転写ベルト、66・・・二次転写ローラ、85・・・本体コントローラ、80、86・・・制御部、81・・・制御回路、82・・・駆動回路、83・・・発光素子、84、90・・・メモリ、87a・・・第1のシフトレジスタ、87b・・・第2のシフトレジスタ、89・・・発光素子ラインヘッド、101K、101C、101M、101Y・・・有機ELアレイ露光ヘッド、161・・・現像装置、165・・・感光体ドラム、167・・・露光ヘッド、169・・・中間転写ベルト、171・・・二次転写ローラ、P…記録媒体