JP2005059200A - 機械加工装置および機械加工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 工具を駆動するための複雑な機構を多く設けることなく、自由曲面を含む幅広い加工形状に対応し、高精度加工も可能となる機械加工装置および機械加工方法を提供する。
【解決手段】 非回転工具21を用いて3次元自由曲面の各等高線に沿って被削材13に対して工具21に相対的な加工運動を与えると同時に、工具21のすくい角を一定に保つように、工具21の回転位置を制御する。また、少なくとも3つの異なる方向の振動を工具21と被削材13の少なくとも一方に重畳的に与え、各方向の振動の振幅と位相および周波数を変化させることで、被削材13に対して工具21に相対的に与える振動の軌跡および方位を任意に選択して機械加工を行う。機械加工装置は、上記のように工具21の動作制御を行なう制御部を備える。
【選択図】 図7

Description

本発明は、3次元自由曲面を含む広い範囲の加工形状に対して、より単純な加工装置で、より高精度な機械加工を行う機械加工装置および機械加工法に関する。
従来から、高精度な機械加工法として、加工方向(この場合には切削方向または主分力方向)と加工面の法線方向(この場合には背分力方向)を含む面内で工具に楕円振動を与えながら切削を行う振動切削方法は知られている。このような振動切削方法は、例えば特開平7−68401号公報に記載されている。
また、特開2002−126901号公報には、互いに略直交する方向に運動する2つ以上の直動アクチュエータにより、切削工具を被加工物に対して主分力方向と背分力方向に運動させて、切削工具の先端を回転運動させ、かつ切削工具を切削方向に略直交する方向に走査させて切削加工を行う切削加工方法および切削加工装置が記載されている。
特開2002−36001号公報には、切削工具と被加工物を相対的に主分力方向と背分力方向とに振動させながら曲面からなる加工面の切削を行う切削加工方法であって、切削工具を、該切削工具の先端の振動の軌跡である楕円の背分力方向の軸が被加工物の加工面の法線方向を向くように運動させる切削加工方法および切削加工装置が記載されている。
他方、特開平6−254742号公報には、X軸、Y軸、Z軸、A軸、B軸およびC軸の6軸制御可能なNC工作機械を用い、工具まわりを円錐形状に近似した円錐形状干渉モデルデータとワークの形状データとから工具径路における工具とワークとの干渉チェックを行いながらボールエンドミルとワークとの相対姿勢を制御して加工を行う機械加工法および機械加工装置が記載されている。
また、特開平6−254743号公報には、X軸、Y軸、Z軸の互いに直交する3つの直線送り軸と、X軸の回りに回転するA軸、Y軸の回りに回転するB軸、およびZ軸の回りに回転するC軸の3つの回転送り軸とを有する6軸NC工作機械を用い、6軸NC工作機械の工具主軸に装着されるヘール加工工具の形状データを記憶する第1段階と、加工するワークのキャラクタラインを構成する複数面の各面の面形状データを記憶する第2段階と、面形状データからキャラクタラインを表すキャラクタラインデータを求め記憶する第3段階と、キャラクタラインに沿ってヘール加工工具を送る際、ヘール加工工具形状データ、面形状データおよびキャラクタラインデータに基づきヘール加工工具とワークとが干渉するか否かを判別し、その判別の結果、干渉無しと判別されたときは加工を続行し、その判別の結果、干渉有りと判別されたときは、回転送り軸を回転し、ワークとヘール加工工具とのなす相対姿勢を変更し、加工を続行する第4段階とからなるキャラクタラインの加工方法が記載されている。
特開平7−68401号公報 特開2002−126901号公報 特開2002−36001号公報 特開平6−254742号公報 特開平6−254743号公報
ところが、3次元自由曲面を含む広い範囲の加工形状に対して、より単純な加工装置で、より高精度な加工を達成するためには、従来技術ではそれぞれに課題がある。文献1、2では例えば下記の通り加工形状に制約が多く、文献3、4、5では複雑な工具姿勢制御が必要である上に加工形状に制約が多い。具体的には下記の通りである。
上記の特開平7−68401号公報に記載の方法および装置では、3次元自由曲面を加工する手段については記述されていない。
他方、特開2002−126901号公報や特開2002−36001号公報に記載の方法および装置では、被加工物の曲面からなる加工面の法線方向の変化に応じて、切削工具の姿勢を制御するための複雑な機構が別途必要となるという問題があった。
さらに、上記の三つの文献に記載の方法および装置では、固定された平面内で2方向の振動を組み合せて工具先端を楕円振動させて加工を行っている。そのため、被加工物の曲面からなる加工面方位の変化に応じて楕円振動軌跡の方位を変化させるためには、振動装置全体の姿勢を変化する複雑な機構が必要になるだけでなく、その際に工作物との干渉を避けることが困難となって加工形状に制約が多くなるという問題があった。
また、特開平6−254742号公報に記載の方法および装置や、特開平6−254743号公報に記載の方法の場合も、切削工具の姿勢を制御するための複雑な機構およびCAM(Computer Aided Manufacturing)プログラムが別途必要となるだけでなく、その際に工作物との干渉を避けることが困難となって加工形状に制約が多くなるという問題があった。また、振動を与えない切削加工であるため、加工抵抗が大きく、高精度加工が困難になる場合がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、工具の姿勢を制御するための複雑な機構を設けることなく、加工形状に対する制約を低減し、高精度加工も可能となる機械加工装置および機械加工法を提供することを目的とする。
本発明に係る機械加工法は、第一に、被削材に対して相対的に振動する工具やヘール工具などの中心軸回りの回転運動が主たる加工運動とはならない非回転工具を用いて、3次元自由曲面の等高線加工を行う機械加工法であって、各等高線に沿って被削材に対して工具に相対的な加工運動を与えると同時に、工具のすくい角を一定に保つように、工具の回転位置を制御することを特徴とする。例えばZ軸の回りに回転するC軸を用いて工具の回転位置を制御することにより、XY面内の加工運動に伴う加工面の法線方向の変化に対応して、加工面の法線方向と工具のすくい面のなす角を一定に保ちながら切削を行うことができる。さらに、隣接する等高線に移動する送り運動を行って各等高線に沿った加工運動を繰り返すことにより、XYZCの4軸のみの制御によって3次元自由曲面加工を行うことができる。
上記機械加工法において、工具の刃先形状、工具に固定した代表点に対する刃先の位置、および被削材に対する所望の加工形状に基づき、加工点において工具刃先が加工面(仕上げ面)に常に接するように、被削材に対して工具代表点に与える相対的な加工運動の軌跡を補正制御することにより、使用する工具の形状と回転軸への取付け位置に応じて加工運動の軌跡を補正し、高精度な3次元自由曲面加工を行うことができる。
上記機械加工法において、等高線に沿った加工運動から次の隣接する等高線に沿った加工運動に至るまでの間に徐々に高さを変えることにより、各等高線間の移動を間欠的に行うことなく、連続的に加工運動を継続することができる。または、上記機械加工法において、等高線から次の隣接する等高線に移る際に、工具を回転させながら隣接する等高線への移動を行うことにより、工具の逃げ面と被削材との干渉を回避して加工運動を継続することができる。
本発明に係る機械加工法は第二に、被削材に対して工具を相対的に振動させながら機械加工を行う方法であって、少なくとも3つの異なる方向の振動を工具と被削材の少なくとも一方に重畳的に与え、各方向の振動の振幅と位相および周波数を変化することで、被削材に対して工具に相対的に与える振動(楕円、円、直線、放物線を含む)の軌跡、および方位を任意に選択して機械加工を行うことを特徴とする。例えば、3次元空間内において互いに直交する3軸方向の振動と、該3軸回りの3つの回転方向の振動との合計6方向の振動の中の任意の3方向以上の振動を組み合わせることが考えられる。なお、上記工具と被削材の少なくとも一方に共振周波数の振動を与えることが好ましい。
例えば、工具に対し2つの異なる方向の振動を与えることで、所定の平面内で工具を楕円振動させることができる。さらに、上記の2方向とは異なる方向の振動をさらに工具に与えることで、工具の楕円振動軌跡とその方位を3次元空間内で変化させることができる。従って、少なくとも3つの異なる方向の振動を工具と被削材の少なくとも一方に重畳的に与えることにより、任意の平面内で被削材に対して工具を相対的に楕円振動させながら機械加工を行うことができる。
加工方向に工具を移動するに伴って、被削材の加工面方位、加工抵抗の大きさまたは方向、または切りくず流出速度の大きさまたは方向が変化する場合には、加工方向における被削材の加工面方位、加工抵抗の大きさまたは方向、または切りくず流出速度の大きさまたは方向の変化に応じて、工具に与える振動の軌跡(楕円、円、直線、放物線を含む)または方位を変化させながら機械加工を行ってもよく、加工方向において被削材の加工面方位、加工抵抗の大きさまたは方向、または切りくず流出速度の大きさまたは方向が変化する範囲に応じて、工具に与える振動の軌跡(楕円、円、直線、放物線を含む)または方位を予め適切に設定して機械加工を行ってもよく、被削材の加工面の法線方向に対する工具のすくい面の角度を一定に保つように工具姿勢を制御しながら機械加工を行ってもよい。以上により、例えば、工具姿勢を変化することなく振動軌跡の方位を変化し得ることによって、広い加工形状に対応することが可能となる。また、加工面方位や加工抵抗、切りくず流出速度の変化に応じて振動の軌跡または方位を変化させることによって、振動に起因する仕上げ面粗さを一定の小さな値にしたり、加工抵抗の大きさと方向を一定にすることで加工精度を良くしたり、切りくず流出の速度や方向を所望の方向に制御することで切りくずの処理を容易にして絡みつきや噛み込み等の問題を回避することができる。
なお、加工運動とは被削材を除去するために被削材と工具の間に相対的に与えられる運動であり、加工方向とは、この加工運動の方向である。また、送り方向とは、加工方向および加工面の法線方向の両方に垂直な方向であって、加工領域を広げるために被削材と工具の間に相対的に与えられる送り運動の方向である。例えば切削加工の場合には、加工方向が切削方向または主分力方向、加工面の法線方向が背分力方向に対応する。また、加工面方位とは、加工面(所望の仕上げ面)の法線方向によって定められる加工面の向きを表し、振動軌跡の方位とは、直交座標系XYZの原点を中心として生成したある振動軌跡(例えば楕円)に対して、その軌跡をXYZの各軸回りに回転した量によって定められる回転後の軌跡の向きを表す。
本発明に係る第一の機械加工装置は、被削材に対して相対的に振動する工具やヘール工具などの中心軸回りの回転運動が主たる加工運動とはならない非回転工具を用いて、3次元自由曲面の等高線加工を行う機械加工装置であって、工具を被削材に対して相対的に少なくとも一つの方向に振動させるアクチュエータおよびこれを制御する制御部またはヘール工具と、被削材と工具の間に、等高線に沿った加工運動および各等高線間の送り運動を与える駆動装置と、工具を回転させる回転駆動装置と制御部とを備える。3次元自由曲面の各等高線に沿って被削材に対して工具に相対的な加工運動を与えると同時に工具の刃先のすくい角を一定に保つように工具の動作および回転位置を制御する。
上記制御部は、さらに工具の刃先形状、工具に固定した代表点に対する刃先の位置、および被削材に対する所望の加工形状に基づき、加工点において工具刃先が加工面(仕上げ面)に常に接するように、被削材に対して工具代表点に与える相対的な加工運動の軌跡を補正制御する機能、等高線に沿った加工運動から次の隣接する等高線に沿った加工運動に至るまでの間に徐々に高さを変えることによって各等高線間の移動を間欠的に行うことなく連続的に加工運動を継続する機能または等高線から次の隣接する等高線に移る際に工具を回転させながら隣接する等高線への移動を行うことによって工具の逃げ面と被削材との干渉を回避する機能を備えることが好ましい。
本発明に係る第二の機械加工装置は、被削材に対して工具を相対的に振動させながら機械加工を行う装置であって、工具を被削材に対して相対的に第1方向に振動させる第1アクチュエータと、工具を被削材に対して相対的に第2方向に振動させる第2アクチュエータと、工具を被削材に対して相対的に第3方向に振動させる第3アクチュエータと、被削材に対して工具に相対的に与える振動の軌跡(楕円、真円、直線、放物線を含む)および方位を任意に選択し得るように第1、第2および第3アクチュエータの動作を制御する制御部とを備える。
上記の第1から第3アクチュエータにより、3つの異なる方向の振動を、工具と被削材の少なくとも一方に重畳的に与えることができる。それにより、工具に任意の軌跡および方位の振動を与えながら機械加工を行うことができる。
本発明に係る第三の機械加工装置は、被削材に対して相対的に楕円振動する工具を用いて3次元自由曲面の等高線に沿った機械加工を行う装置であって、軸方向における先端部から当該軸方向と垂直な方向までの90度の角度範囲にわたって延びる切刃を有する工具と、工具の刃先を被削材に対して相対的に楕円振動させるアクチュエータと、90度の角度範囲内の所定の方向(たとえば45度(5度〜85度でも可能)の方向)と工具の送り方向とを含む面内で工具の刃先を楕円振動させるようにアクチュエータの動作制御を行う制御部と、被削材に対し相対的に工具を駆動することで3次元自由曲面の等高線に沿った加工運動および送り運動を与える駆動装置と、工具の軸回りに工具を回転駆動する回転駆動装置とを備え、制御部は、3次元自由曲面の等高線に沿って被削材に対して相対的に工具の刃先に楕円振動を与えると同時に工具の刃先のすくい角を一定に保つように、工具の動作および回転位置を制御する。
上記のような工具を備えることで、加工面の法線方向が、工具の軸方向(たとえば回転軸方向)からその軸に対して±90度の範囲またはそれに近い範囲にわたる、3次元自由曲面を含む各種形状を加工することができる。
本発明の機械加工方法および機械加工装置によれば、非回転の振動工具またはヘール工具を用い、4軸制御の機構でも3次元自由曲面の機械加工を行うことができる。この際、等高線加工のために逃げ面と被削材の干渉を避けやすく、工具中心軸回り以外に工具を回転しないために工具と被削材の干渉を避けやすいため、加工形状に対する制約が少ない。また、振動工具を利用することによって高精度加工に対応することができる。
さらに、本発明の3つ以上のアクチュエータを備える振動装置を利用することにより、同じ工具姿勢のままで振動の軌跡やその方位を自由に制御できるので、加工面方位が変化する前述の自由曲面加工に適用した場合、振動の軌跡やその方位を適切に制御しながら機械加工を行うことができる。また、この振動装置を溝加工に適用した場合、工具姿勢を変化することなく、溝加工面の方位によって適切な振動方向を選択することができる。従って、振動を利用した機械加工を行う際に、より適切な振動を発生することが可能となり、あるいは工具姿勢に対する制約が少なくなるため、工具と被削材との干渉をも避けることができ、さらに工具や被削材を駆動したり移動させるための複雑な機構を減らすことができ、加工形状に対する制約を大幅に低減することが可能となる。
以下、図1〜図17を用いて、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態における機械加工法は、非回転(エンドミル工具のように工具がその中心軸回りに回転する運動が主な加工運動となる加工形態でないことを意味する。)であって、被削材に対して相対的に振動(円振動、楕円振動、直線振動を含む)する工具、またはヘール工具を用いて、3次元自由曲面の等高線加工を行う機械加工法である。そして、工具と、該工具が装着される回転位置決めが可能な工具主軸(回転駆動装置)と、被削材に対して工具に相対的な加工運動や送り運動、切込み運動を与える送り機構(駆動装置)とを備える、少なくとも4軸(例えばXYZC軸)の制御が可能な工作機械を用いて等高線加工を行う。
非回転工具を用いて、図7に示すような3次元自由曲面を有する被削材13に対して等高線加工を行うため、例えば図に示す瞬間の工具21は、XY軸方向の送り機構により(矢印22の方向に)相対的な加工運動を行うと同時に、加工面の法線方向と工具のすくい面のなす角を一定に保つようにZ軸の回りに回転するC軸を用いて(回転矢印23の方向に)工具の回転位置を制御しながら加工を行う。それにより、工具21は図中の等高線に沿った軌跡を描きながら加工を行う。
図13および図15は、工具の中心軸であるZ軸方向と加工方向とを含む面内で楕円振動する工具を用いた場合の例で、図13が斜視図、図15はC軸に垂直な断面で見た様子を示している。これらの図に示す例では、被削材13の所定の断面上での工具および切刃5の加工運動において、被削材13の法線方向15に対する工具および切刃5の移動方向である加工方向14の角度φ、もしくは加工点における被削材13の法線方向15に対する工具のすくい面17の角度θを一定に保つように工具の回転軸を制御しながら加工運動を行う。
従来のエンドミル工具を利用した等高線加工と異なり、本実施形態では非回転の工具を使用するため、上述のように工具回転位置を制御しなければ、逃げ面の干渉による加工不能または工具損耗、すくい角の変化による切削性能の劣化、などを引き起こす可能性がある。その代わりに、本実施形態では従来のエンドミル加工では実現し得なかった高精度加工(ダイヤモンド工具による鋼の鏡面加工など)や高能率加工(エンドミル加工のように断続的な加工ではなく、最大負荷で連続加工することによって加工能率が向上する)、さらに加工コストの低下(高価なエンドミル工具でなく、安価な旋削用工具チップの使用が可能)を実現することができる。
上述のように非回転工具によって等高線加工を行う時、通常の工具刃先は一点ではなく円弧などの形状を持つため、工具を所望の加工面形状に沿って動かしても該形状は得られない。そのため、所望の加工面形状が得られるように工具の代表点の(XYZC座標に基づく)位置を決定する方法を、図8を用いて説明する。
工具21の刃先形状(この場合、ノーズ半径rの円弧)と、工具21に固定した代表点D(この場合、刃先中心Eと同じ高さにある工具回転軸24上の点)に対する刃先の位置(半径R)を予め測定しておき、これによる工具形状補正(いわゆる工具径補正を含む)を行う。すなわち、加工面20の上にある加工点Fの位置を起点とし、加工面形状データから求められる加工点Fでの加工面法線方向に、前述のノーズ半径rだけ離れた点として刃先中心Eが求められ、さらにXY面に該法線ベクトルを投影した方向に半径Rだけ離れた点として工具代表点Dの位置(XYZ軸座標値)を算出することができる。また、工具刃先の初期回転位置を予め測定しておくことにより、前述のXY面に投影された加工面法線ベクトルから工具の回転位置(C軸座標値)を算出することができる。以上により、任意の加工点に対応する加工面20の法線方向と工具21のすくい面のなす角を一定に保つように工具回転位置を制御しながら、工具刃先が所望の加工形状の表面(仕上げ面)に接するように工具代表点に与える相対的な加工運動の軌跡を制御することが可能となり、使用する工具の形状と回転軸への取付け位置と角度に応じて加工運動の軌跡を補正し、高精度な3次元自由曲面加工を行うことができる。
なお、ここでは等高線がXY面上にある場合について説明したが、等高線は空間内のどの方向に垂直に設定してもよく、さらに平面上になくても曲面(例えば緩やかな曲面や円筒面)に沿ったものでもよい。また、ここでは工具回転軸(C軸)が等高線に直交する場合について説明したが、直交せずに傾斜していてもよい。工具形状についても、任意の形状でよく、例えば放物線や円弧、直線を組み合わせた形状でもよく、単純な剣先形状でもよく、ねじれ角が付いた3次元形状でもよい。
また、本実施の形態における等高線加工においては、図7に示すように隣接する等高線に移動するときに間欠的な送り運動を行う場合、逃げ面の干渉による工具刃先の損耗(や急激な加減速による加工精度の劣化など)を引き起こすことが考えられる。そこで、この工具の逃げ面と被削材との干渉を回避するため、3つの手法が考えられる。
第一の方法は、図9に示すように、ある等高線に沿った加工運動から次の隣接する等高線に沿った加工運動に至るまでの間に徐々に高さを変える方法である。これにより、各等高線間の移動を間欠的に行うことなく、連続的に加工運動を継続することができる。
第二の方法は、図10に示すようにある等高線から次の隣接する等高線に移る際に、工具21を回転させながら隣接する等高線への移動を行う方法である。この方法では、間欠的な送り運動は必要となるが、工具21の逃げ面と被削材13との干渉を回避して連続的な加工運動を継続することができる。
第三の方法は、それぞれの等高線を切削する際に助走及び後送の動作を与えることにより、工具が被削材に対して連続的に切込みおよび離れる動作を行うことで、工具刃先の損耗と加工精度の劣化を防ぐことができる。
なお、等高線加工では、勾配が緩やかな面において各等高線間の距離(送り量)が大きくなって仕上げ面粗さが粗くなる傾向がある。この問題に対しては、所望の仕上げ面粗さを満たすように各等高線間の高さピッチを可変にする方法や、等高線間の距離(送り量)に許容値を設定し、それを超える領域に対して別途加工運動の軌跡を設定する方法などが考えられる。また、ここでは4軸のみの制御によって等高線加工を行う例を説明したが、工具と被削材が干渉することを避けるために5軸以上の制御機構を用いてもよい。
次に、さらに高精度な加工を実現する実施形態における機械加工装置は、被削材(ワーク)に対して工具を相対的に振動させながら切削、研削、研磨、超音波加工などの機械加工を行う装置であって、工具と、異なる3つ以上の方向に工具を駆動する少なくとも3つのアクチュエータと、制御ユニットとを備える。なお、本実施の形態の機械加工装置は、工具が装着され回転位置決めが可能な工具主軸(回転駆動装置)や、被削材に対して工具に相対的な加工運動を与える送り機構(駆動装置)とを備えるものであってもよい。
工具としては、例えば図1に示す超音波振動工具1を使用可能である。図1に示すように、超音波振動工具1は、工具主軸のホルダー(保持部)2によって保持され、超音波振動子4と、切刃(チップ)5とを有する。
図1に示す超音波振動子4は、共振型振動子であり、長手方向の両端に小径部と、長手方向の中央部に大径部とを有し、大径部を挟持するように配置された1組の環状プレートからなる工具支持具3a,3bによって支持される。切刃5は、ダイヤモンド工具などで構成され、超音波振動子4の小径部の先端に取り付けられる。他に超音波振動子は図14に示すように2段ステップの形状の場合もあり、同様に3段以上の多段形状も可能である。これらのステップ形状の目的は、振動の振幅を拡大すること、および共振周波数と振動の節の位置を所望の値または位置に変化させることである。
超音波振動子4の大径部の外周面上には、所定の角度(例えば90度)を隔てて、複数のセンサ用圧電素子6と、アクチュエータとして機能する複数の板状の駆動用圧電素子7とを取り付ける。図1の例では、3つのセンサ用圧電素子6と、4つの駆動用圧電素子7とを超音波振動子4の大径部に貼り付けている。なお、センサ用およびアクチュエータ用の圧電素子はそれぞれ外周部に貼り付けるのではなく、円環状の板にして金属の振動子の中に挟み込んで、ボルトなどで締め込み、ボルト締めランジュバン型の振動子形態としてもよい。
図1の例では、4つの駆動用圧電素子7にそれぞれ所定の振幅、位相および周波数の正弦波状励起電圧を印加することにより、例えば図1に示す縦方向の振動モードである縦振動と、たわみ方向の振動モードであるたわみ振動、同じたわみ方向の振動モードであるが振動子の軸回りに90度回転した面に発生するたわみ振動とを超音波振動子4に発生させ、これらの振動を重ね合わせて工具刃先を被削材に対して相対的に振動させる。上記の4つの駆動用圧電素子7は、異なる3つの方向の振動を超音波振動子4に与えるアクチュエータとして機能する。
なお、励起する電圧は、正弦波状でなくても任意の交流または交流を含む波形であればよく、例えば方形波状の波形でもよい。また、図14の例では、駆動用圧電素子7として、複数のたて振動駆動用圧電素子7aと、複数のたわみ振動駆動用圧電素子7bとを超音波振動子4に貼付けている。
図3に、超音波振動工具1の駆動制御のための基本構成例を示す。図3に示すように、駆動用信号発信器源から所望の振動モードの振動(図3の例では、1方向の縦振動と2方向のたわみ振動)を発生するための交流励起電圧(例えば正弦波)を出力する。この交流波に対して、駆動用信号処理部9bにて(位相反転や)増幅、加減算など適当な演算処理を加えた上で、それぞれの振動モードに対応する駆動用圧電素子(アクチュエータ)7に高出力アンプ12を介して入力する。
例えば、縦振動を発生させる場合には、4つの駆動用圧電素子(アクチュエータ1〜4)7に同位相の入力を加え、たわみ振動1を発生させる場合には、対向配置された1組の駆動用圧電素子(アクチュエータ1と3)7に互いに位相が180度ずれた波形を入力し、たわみ振動2を発生させる場合、対向配置された他の1組の駆動用圧電素子(アクチュエータ2と4)7に互いに位相が180度ずれた波形を入力する。
これらの電圧波形を重ね合わせて入力することにより、3つの振動モードの振動を重畳的に超音波振動子4に与えることができ、これらの各振動モードの振動を重ね合わせることで、工具刃先に与える振動の軌跡とその方位を自由に変えることができ、例えば任意の面内で工具刃先を楕円振動させることが可能となる。
なお、図1〜3に示す例では、アクチュエータとして圧電素子を用いた例について説明したが、圧電素子以外のアクチュエータを使用することも可能である。例えば、それぞれの振動モードに対応した電界および磁界信号を、対応するそれぞれのアクチュエータに印加し、これにより発生したそれぞれの振動モードの振動を同時に重ね合わせることで、工具刃先に与える振動の軌跡とその方位を変化させ、例えば任意の面内で工具刃先を楕円振動させてもよい。
また、図1〜3に示す例では、1方向の縦振動と2方向のたわみ振動を超音波振動子4に与える場合について説明したが、3次元空間内における3軸(並進3軸)方向と、該3軸回りの3つの回転方向との合計6方向のうち任意の3方向以上の振動を組み合せることによっても、3次元空間内で工具刃先に与える振動の軌跡とその方位を自由に変えることができ、例えば任意の面内で工具刃先を楕円振動させることができるものと考えられる。
センサ用圧電素子6は、超音波振動子4の振動状態を検知する振動状態検知手段として機能する。該センサ用圧電素子(図3においてはセンサ1〜3)6から出力された複数の信号に対し、増幅、反転、加減算などの適当な処理(センシング量から縦振動、たわみ振動1,2を表す信号への変換)を行うことで、振動状態を検知することができる。ここで得られた振動状態を表す信号は、図3に示すように、センサ信号処理部9に入力され、後述する干渉除去や振動波形制御(振幅制御、位相差制御、共振周波数自動追尾)などに利用する。なお、振動の検出用センサは、振動状態を検出できるものであれば何でもよく、例えばひずみゲージや非接触式の各種変位計でもよく、またアクチュエータ用の圧電素子のモーショナル電流から間接的に検出する方法でもよい。
制御ユニットにおける制御部は、被削材に対して相対的に工具刃先に与える振動の軌跡とその方位を変化させ、例えば任意の平面内で楕円振動させるように3つ以上のアクチュエータの動作を制御する。図2に、本実施の形態における機械加工装置の制御ユニット8の構成例を示す。
図2に示すように、制御ユニット8は、センサ信号処理部9aと、制御部10と、干渉除去部11と、駆動信号処理部9bと、高出力アンプ12とを有する。センサ信号処理部9aは、センサ用圧電素子6と電気的に接続され、センサ用圧電素子6からの信号を処理する。制御部10にはセンサ信号処理部9aで処理された信号が入力され、該入力信号に基づいて超音波振動子4に発生させる各振動モードの振幅制御および位相差制御、さらに平均的な共振周波数を自動的に追尾する制御を行う。干渉除去部11は、ある振動モードの振動と他の振動モードの振動との干渉を除去する。駆動信号処理部9bは、干渉除去後の各振動モードの駆動信号を、それぞれのモードに対応したアクチュエータの駆動信号に変換処理する。高出力アンプ12は、その処理後の信号を電力増幅し、各駆動用圧電素子7に出力する。
ここで、干渉除去の一手法について説明する。下記の数式(1)の左辺で示す3自由度系の振動モデルを仮定した場合、各振動モード間の干渉は、ばね−マス−ダンパ要素に発生する非対角成分の影響であると考えることができる。そこで、下記の数式(1)の右辺で示すそれぞれの要素の非対角成分を打ち消す項を意図的に与えるようにする。それにより、各振動モード間の干渉を抑制することができ、各振動モードに基づいて独立して超音波振動子4を駆動することができる。
Figure 2005059200
次に、本実施の形態における機械加工法の他の例について説明する。
工具に対し2つの異なる方向の振動を与えることで、例えば、所定の平面内で工具を楕円振動させることができる。この状態で、上記の2方向とは異なる方向の振動をさらに工具に重畳的に与えることで、工具の楕円振動軌跡の方位を変化させることができる。
そこで、本実施の形態では、少なくとも3つの異なる方向の振動を工具と被削材の少なくとも一方に重畳的に与え、3次元空間内で工具刃先に与える振動の軌跡とその方位を自由に変えながら(例えば任意の平面内で被削材に対して工具を相対的に楕円振動させながら)機械加工を行う。
振動方向としては、前述のように3次元空間内におけるX,Y,Z軸のような3軸(並進3軸)方向の振動と、該3軸回りの回転方向の振動とが考えられるが、この6つの振動方向の中の任意の3つ以上の方向の振動を工具と被削材の少なくとも一方に重畳的に与えるようにする。より詳しくは、例えば、所定の平面内で工具刃先が楕円振動するような2方向の振動を工具と被削材の少なくとも一方に与えながら、これらとは異なる方向の振動であって工具刃先の楕円振動軌跡を変化させることが可能となる振動を工具と被削材の少なくとも一方に与えるようにする。なお、工具と被削材の少なくとも一方に与える振動は、効率良く高い振動速度を得るために該機械系の共振周波数であることが好ましい。
図2に示す機械加工装置を用いる場合には、高出力アンプ12から出力される信号を各駆動用圧電素子7に入力する。具体的には、4つの駆動用圧電素子7に同じ位相の正弦波状励起電圧を印加するとともに、これに重ね合わせて、対向配置された1組の駆動用圧電素子7に互いに位相が180度ずれた正弦波状励起電圧を印加し、さらに対向配置された他の1組の駆動用圧電素子7にも互いに位相が180度ずれた正弦波状励起電圧を印加する。それにより、超音波振動子4に縦振動と2方向のたわみ振動とを重畳的に与えることができる。そして、例えば1つの方向のたわみ振動を発生させるために駆動用圧電素子7に印加する電圧値を制御することにより、超音波振動工具1の刃先5の楕円振動軌跡を変化させることができる。その結果、3次元空間内で被削材に対して相対的に超音波振動工具1に与える振動の軌跡とその方位を変えながら(例えば任意の平面内で楕円振動させながら)機械加工を行うことができる。
次に、図4〜図6、図11、図12を用いて、3次元自由曲面を切削する場合の超音波振動工具1の制御方法例について説明する。
非回転の超音波振動工具1を用いて、図11に示すように楕円振動切削によって3次元自由曲面の等高線加工を行う場合、図4に示す等高線断面で見ると、加工点における被削材13の法線方向15の変化に対応して工具すくい面の回転角度が制御されることによって、楕円振動軌跡の方位と加工面の方位の関係は一定に保たれる。しかし、図5に示すように加工方向に垂直な断面においても、加工に関与する切刃位置の変化に伴って、被削材13の加工面20の法線方向15の、鉛直方向19に対する傾きηが変化する。このような加工において楕円振動切削を効率よく利用するため、この傾きηの変化に対応して楕円振動方向18の鉛直方向19に対する傾きωを制御する。それにより3次元自由曲面の等高線に沿った機械加工の性能を向上することができる。この楕円振動方向18の鉛直方向19に対する傾きωの制御方法として以下の三つ手法が考えられる。
第1の方法は、加工形状や加工面20の方位(法線ベクトルの向き)の変化に応じて常に楕円振動方向18を適切な方向に制御する方法である。つまり、工具の送り方向における被削材13の加工面20の法線方向15の変化量に応じて工具の楕円振動方向18と鉛直方向19とのなす角度を設定しながら機械加工を行う。この際に最適と考えられる楕円振動方向18は加工目的によって異なるが、楕円振動方向18を制御する際にも、超音波振動子4に与える振動を制御すればよい。例えば超音波振動子4に縦振動と2方向のたわみ振動とを重畳的に与えて、加工面20の法線方向15と楕円振動方向18を一致させる場合には、各振動モードの振動を、図面に垂直方向のたわみ振動を一定とし、図面の横方向のたわみ振動と縦方向(鉛直方向19)の縦振動の各振幅を、それらの合成振動が法線方向15を向くように制御することで、図5のように楕円振動方向18を変化させることができる。具体的には、図5の面内(加工方向に垂直な面内)における所望の振幅をaとすれば、横方向のたわみ振動の振幅をa×sinω、縦振動の振幅をa×cosωとし、これらの位相を同じにして、図面と垂直方向のたわみ振動との位相差を所望の値に保つことで楕円軌跡を得る。
図5に示すように加工面20の法線方向15と加工方向を含む平面内で楕円振動しながら切削を行うことで切削力を大幅に低減し工具寿命を向上することができる。また、この楕円振動する平面を被削材13側に意図的に傾け(楕円振動方向18の傾きωを加工面法線方向15の傾きηに比べて小さくする、または大きくする)、傾斜型の楕円振動切削を行うことで、切屑やバリの方向制御や仕上げ面に発生する幾何学的粗さの低減も可能となる。
第2の方法は、加工面20の方位の変化する範囲(例えば加工面法線方向15の傾きηが0〜90度)に合わせて楕円振動方向18を最も適切な方向(例えば図6のように鉛直方向19に対して楕円振動方向18の傾きωを45度)に固定して加工を行う方法である。この場合、複雑な加工プログラミングや同期制御システムを用いることなく本加工を行うことができる。
例えば超音波振動子4に縦振動と2方向のたわみ振動とを重畳的に与える場合には、図面に垂直方向のたわみ振動の振幅を所望の値にし、図面の横方向のたわみ振動と縦方向(鉛直方向19)の縦振動の振幅が同じになるように制御することで、図6のように鉛直方向19に対する楕円振動方向18を45度に固定しながら切削加工を行なうことができる。具体的には、図6の面内(加工面に垂直な面内)における所望の振幅をaとすれば、横方向のたわみ振動の振幅をa×sin45°、縦振動の振幅をa×cos45°とし、これらの位相を同じにして、図面と垂直方向のたわみ振動との位相差を所望の値に保つことで所望の楕円軌跡を得る。
第3の方法は、上記の二つの中間の方法であり、加工面20の方位の変化に応じて振動方向を間欠的に変化させながら機械加工を行う方法である。例えば、第2の手法のように適切な方向に楕円振動方向18を固定してある範囲の加工を行い、その後、異なる範囲の加工面方位に対してその加工面方位に適切な別の方向に楕円振動方向18を固定して加工を行うことが考えられる。
上述の例では、加工方向に工具を移動するに伴って、被削材の加工面方位が変化する場合の制御方法について説明したが、当該制御方法は、加工抵抗の大きさや方向、切りくず流出速度の大きさや方向が加工方向に工具を移動するに伴って変化する場合にも同様に適用することができる。つまり、加工抵抗の大きさや方向、切りくず流出速度の大きさや方向が変化する場合にも、当該変化に応じて、工具に与える振動の軌跡や方位を変化させながら機械加工を行えばよく、また加工抵抗の大きさや方向、切りくず流出速度の大きさや方向が変化する範囲に応じて、工具に与える振動の軌跡や方位を予め適切に設定して機械加工を行えばよい。さらに、被削材の加工面の法線方向が加工方向に変化する場合、被削材の加工面の法線方向に対する工具の刃先のすくい面の角度を一定に保つように工具姿勢を制御しながら機械加工を行ってもよい。
また、上述の例では、楕円振動切削について説明したが、図12に示すように、直線振動を利用した自由曲面加工においても、同様にその振動を適切な方向に制御することができる。
さらに、上述の例では一つの実施の形態である等高線加工の場合の振動制御例について説明したが、上述の思想は、走査線加工や回転工具を利用したエンドミル加工にも適用可能である。また、自由曲面加工のみならず、溝などの形状付加加工を行なう場合にも、上述の思想を適用可能である。さらに、上述の振動子を超音波アクチュエータとして利用し、該超音波アクチュエータを3つ用いて、板状のテーブルを平面内の3軸(X,Y,θ)の任意の方向に駆動することも考えられる。この場合には、単純な構造で自由度の高い送り装置を得ることが可能である。
次に、図16と図17を用いて、上述の機械加工に適した工具刃先の形状例と、該工具を使用可能な機械加工装置の要部構成例について説明する。
図16に示す機械加工装置は、超音波振動工具1と、該超音波振動工具1を駆動する1つ以上のアクチュエータと、超音波振動工具1を保持するホルダー2と、超音波振動工具1を被削材に対し相対的に駆動する駆動装置と、前述の工具主軸などのように超音波振動工具1を回転させる回転駆動装置25と、アクチュエータや回転駆動装置25の動作制御を行う制御部とを備える。
図16の例では、超音波振動工具1は、超音波振動子4と、シャンク部26と、センサ用圧電素子6a,6bと、駆動用圧電素子7a〜7cとを有する。シャンク部26の先端には、図17(a)〜(c)に示すように切刃5を取付ける。切刃5は、超音波振動工具1の軸方向における先端部29から当該軸方向と垂直な垂直方向28までの略90度あるいは90度以上の角度範囲27にわたって延びる。
センサ用圧電素子6a,6bは振動測定用センサであり、超音波振動子4の外周上に2つずつ取付けられる。そして、超音波振動子4の左右に位置する(180度の位置関係)センサ用圧電素子6aのセンサ信号値の差によってy軸方向の振動を測定し、該センサ信号値の和によってz軸方向の振動を測定し、超音波振動子4の表裏に位置する(180度の位置関係)センサ用圧電素子6bのセンサ信号値の差によってx軸方向の振動を測定し、その和によってz軸方向の振動を測定する。
駆動用圧電素子7a〜7cは、超音波振動子4の外周上にそれぞれ複数個ずつ取付けられ、超音波振動子4を駆動する。駆動用圧電素子7aは、x軸方向の屈曲運動を励起するアクチュエータとして機能し、駆動用圧電素子7bは、y軸方向の屈曲運動を励起するアクチュエータとして機能し、駆動用圧電素子7cは、z軸方向の縦振動を励起するアクチュエータとして機能する。図16の例では各圧電素子はぞれぞれ圧電板で構成される。
ホルダー2は、超音波振動工具1の周囲に設置され、工具支持具3a,3bを有する。この工具支持具3a,3bにより、超音波振動工具1の振動を許容しながら該超音波振動工具1を複数箇所で安定して支持することができる。駆動装置は、超音波振動工具1を被削材に対し相対的に駆動して所望の加工運動および送り運動を与える。上記のホルダー2の周囲に回転駆動装置25を設置する。回転駆動装置25は、超音波振動工具1の中心軸である工具回転軸24の回りに超音波振動工具1を回転駆動する。
制御部は、たとえば3次元自由曲面の等高線加工を行う場合、3次元自由曲面の各等高線に沿って被削材に対し超音波振動工具1の刃先に相対的に加工運動を与えるとともに、超音波振動工具1の刃先のすくい角を一定に保つように超音波振動工具1の動作および回転位置を制御する。図17(a)〜(c)に示すように超音波振動工具1の刃先を楕円振動させながら機械加工を行う場合、制御部は、上記の角度範囲27内の任意の方向と超音波振動工具1の工具送り方向14とを含む面内で超音波振動工具1の刃先を楕円振動させるように各アクチュエータの動作制御を行う。
次に、上記の構造を有する超音波振動工具1を備える機械加工装置を用いた機械加工法の一例について説明する。
通常の金型などでは、水平面と、該水平面に対し略垂直に立ち上がる傾斜面とを有するワークを加工する場合が多い。具体的には、たとえば加工面の法線方向が±90度程度の範囲で変化する場合がある(正確には型の抜き勾配を考慮すると、たとえば2度程度の抜き勾配を差し引いた角度である±88度程度の範囲で変化し得る)。
図16には、被削材13の加工面20の法線方向15が±88度程度の範囲で変化する場合の加工面20の形状例を図示している。このような加工面20に沿って加工を行う場合、図17(a)〜(c)に示すような、切刃5を備えた超音波振動工具1を採用することが有効である。つまり、超音波振動工具1の軸方向における先端部29から当該軸方向と垂直な垂直方向28までの略90度あるいは90度以上の角度範囲27にわたって延びる切刃5を備えた超音波振動工具1を採用することが有効である。特に、図17(a)に示すように、90度以上の角度範囲27にわたって円弧状に湾曲する刃先部を有する切刃5を備えた超音波振動工具1を採用することが好ましい。それにより、切刃5におけるいずれかの刃先部を用いて、法線方向15が±88度程度の範囲で変化する加工面20を加工することができる。
上記のような構造の切刃5を備えた超音波振動工具1の場合も、前述の手法でアクチュエータとして機能する駆動用圧電素子7a〜7cの動作制御を行うことで、超音波振動工具1の刃先を楕円振動させることができる。このとき、駆動用圧電素子7a〜7cに印加する電圧を適切に制御することで、切刃5の延在する角度範囲(図17(a)の例では円弧状の刃先部が延在する略90度の角度範囲)内の所定の方向(たとえば45度(5度〜85度でも可能)の方向)と、工具送り方向14とを含む面内で超音波振動工具1の刃先を楕円振動させることができる。具体的には、図17(b),(c)に示す楕円振動方向18に従って超音波振動工具1の刃先を振動させることができる。
上記のように超音波振動工具1の刃先を楕円振動させる一方で、駆動装置の動作制御を行って超音波振動工具1を被削材13に対し相対的に移動させ、さらに回転駆動装置25の動作制御を行って必要に応じて超音波振動工具1の工具回転軸24回りの回転位置をも制御する。つまり、4軸制御(XYZC軸制御)を行うとともに、被削材13に対し相対的に超音波振動工具1を所望の方向に送るようにする。このように4軸制御を行いながら被削材13と超音波振動工具1の少なくとも一方を適切に駆動することにより、超音波振動工具1の刃先を楕円振動させながら被削材13の加工面20に等高線加工を施すことができ、また図16に示すように加工面20の法線方向が±90度程度の範囲で変化する場合であっても、高精度に加工面20の加工を行うことができる。
なお、本手法によれば、図16に示す加工面形状以外の3次元自由曲面の加工をも行うことができる。また、焼入れ鋼の3次元自由曲面を持つ金型などに対して直接ダイヤモンド工具刃先による鏡面加工を施すことも可能となる。
また、上述の例では一つの実施の形態である単一の切れ刃をもつエンドミル状の工具を用いて自由曲面加工を行う場合について説明したが、上述の思想は、複数の同一形状の切れ刃をもつエンドミル状の工具を用いた加工を行なう場合にも、適用可能である。すなわち、工具回転軸24回りに180度ごとに切れ刃を設けて2枚刃としたり、120度ごとに切れ刃を設けて3枚刃としたり、90度ごとに切れ刃を設けて4枚刃とすることが可能である。本手法は、回転軸周りの回転運動が主たる加工運動とならないため、加工中に加工に関与する切れ刃が1つに限定されることから、前記複数の切れ刃を持つ工具を用いることにより目的に応じた工具刃先の使い分けを行うことができる。すなわち、前記複数の切れ刃をもつ工具を用いて加工を行う場合、前記切れ刃のうちの第1の切れ刃が摩耗してその形状が劣化した場合には、C軸制御により工具回転軸24回りに工具を回転させ、使用する工具の切れ刃の位置を第1の切れ刃から別の位置にある切れ刃に変更して加工を行うことにより、シャンク部26の交換を行うことなく工具がもつ切れ刃の個数分だけ切れ刃を変更して加工を行うことができる。また、前記複数の切れ刃は、粗加工用や仕上げ加工用などと目的に応じて使い分けることもできる。
また、上述の複数の切れ刃の形状は同一の形状の切れ刃のみではなく、異なる形状の切れ刃を持つ場合においても、適用可能である。さらに、目的の加工形状に対応したさまざまな形状の切れ刃を1本の工具に持たせることで、シャンク部26の交換を行うことなく、単一の切れ刃だけでは加工が不可能な複合的な形状の加工が可能となる。例えば、第1の切れ刃を図17に示す円弧状の切れ刃とし、第2の切れ刃を溝加工に適した形状とする。前記した2つの異なる切れ刃形状をもつ工具を用いて、当該第1の切れ刃を用いて所望の自由曲面の加工を行い、当該第2の切れ刃を用いて自由曲面上に任意の溝形状を付加することができる。このように、加工目的によって形状の異なる複数の切れ刃を同一の工具に持たせることで、滑らかな自由曲面上に鋭利な角部をもつような、複合的な形状の加工を、シャンク部26の交換を行わずに行うことができる。ここで、前記の溝加工に適した切れ刃の形状とは、付加する溝形状と同一、もしくは当該溝形状を成形可能な工具刃先の形状で、一般的には台形形状や、方形形状、V型形状、円弧形状などが用いられる。
また、上述の例では異なる切れ刃の形状として円弧形状と溝加工用の形状の組み合わせについて説明したが、異なる曲率の円弧状の切れ刃をもつ場合にも、適用可能である。すなわち、異なる曲率半径の円弧状の切れ刃を用いて、加工面20の曲率に対応して使用する切れ刃の曲率を使い分けることで、加工能率を向上することができる。
また、異なる曲率の円弧形状を持つ切れ刃と溝加工用の形状を持つ切れ刃とを、同時に持つ工具を用いることにより、複合的な形状の加工を高能率に行うことができる。さらに、前記複数の切れ刃形状において、同一の形状の切れ刃を複数もつことにより、前記複合的な形状の高能率な加工を高精度に行うことができる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、上述の各実施の形態の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
また、今回開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変形が含まれる。
本発明は、機械加工装置および機械加工法に有効に適用され得る。
本発明の1つの実施の形態における機械加工装置において使用可能な超音波振動工具の側面図である。 本発明の1つの実施の形態における機械加工装置の制御ユニットの概略構成図である。 超音波振動工具の駆動制御のための基本構成例を示すブロック図である。 3次元自由曲面の楕円振動切削加工の際の加工運動の制御方法とそれに伴う工具回転軸の制御方法の一例を等高線加工の面内で示す模式図である。 3次元自由曲面加工の際の振動の制御方法の一例を加工方向に垂直な面内で示す模式図である。 3次元自由曲面加工の際の振動の制御方法の他の例を加工方向に垂直な面内で示す模式図である。 本発明の1つの実施の形態における機械加工法において使用可能な等高線加工の模式図である。 工具の刃先形状、工具に固定した代表点に対する刃先の位置、と被削材の加工面形状との相対的な位置関係を示す模式図である。 本発明の1つの実施の形態における機械加工法において使用可能な等高線加工であって、隣接する等高線に沿った加工運動に至るまでの間に徐々に高さを変えることにより、各等高線間の移動を間欠的に行うことなく、連続的に加工運動を継続する機械加工法の模式図である。 本発明の1つの実施の形態における機械加工法において使用可能な等高線加工であって、隣接する等高線に移る際に、工具を回転させながら隣接する等高線への移動を行うことにより、工具の逃げ面と被削材との干渉を回避する機械加工法を示す模式図である。 3次元自由曲面の楕円振動切削加工の際の加工運動の制御方法とそれに伴う工具回転軸の制御方法の例を示す模式図である。 3次元自由曲面の直線振動切削加工の際の加工運動の制御方法とそれに伴う工具回転軸の制御方法の例を示す模式図である。 2自由度の振動装置による3次元自由曲面の楕円振動切削加工の際の加工運動の制御方法とそれに伴う工具回転軸の制御方法の例を示す模式図である。 本発明の1つの実施の形態における機械加工装置において使用可能な2段ステップ形状の超音波振動工具の側面図である。 2自由度の振動装置による3次元自由曲面の楕円振動切削加工の際の加工運動の制御方法とそれに伴う工具回転軸の制御方法の一例を等高線加工の面内で示す模式図である。 本発明の1つの実施の形態における機械加工装置の部分断面図である。 図16の機械加工装置において使用可能な超音波振動工具の切刃およびその近傍の形状例を示す図である。
符号の説明
1 超音波振動工具、2 ホルダー、3a,3b 工具支持具、4 超音波振動子、5 切刃、6,6a,6b センサ用圧電素子、7,7a〜7c 駆動用圧電素子、8 制御ユニット、9 センサ処理部、10 制御部、11 干渉除去部、12 高出力アンプ、13 被削材、14 工具送り方向、15 法線方向、16 楕円振動軌跡、17 すくい面、18 楕円振動方向、19 鉛直方向、20加工面、21 工具、22,23 矢印、24 工具回転軸、25 回転駆動装置、26 シャンク部、27 角度範囲、28 垂直方向、29 先端部。

Claims (13)

  1. 中心軸回りの回転運動が主たる加工運動とはならない非回転工具を用いて3次元自由曲面の等高線加工を行う機械加工法であって、
    前記3次元自由曲面の各等高線に沿って被削材に対して前記工具に相対的な加工運動を与えると同時に、前記工具の刃先のすくい角を一定に保つように、前記工具の回転位置を制御することを特徴とする、機械加工法。
  2. 前記工具の刃先形状、前記工具の代表点に対する前記刃先の位置、および前記被削材の加工形状に基づき、加工点において前記工具の刃先が加工面に常に接するように、前記被削材に対して前記工具の代表点に与える相対的な加工運動の軌跡を補正制御する、請求項1に記載の機械加工法。
  3. 前記等高線に沿った加工運動から次の隣接する等高線に沿った加工運動に至るまでの間に徐々に高さを変えることにより、各等高線間の移動を間欠的に行うことなく、連続的に加工運動を継続する、請求項1に記載の機械加工法。
  4. 前記等高線から次の隣接する等高線に移る際に、前記工具を回転させながら前記隣接する等高線への移動を行うことにより、前記工具の逃げ面と前記被削材との干渉を回避するとともに、前記工具の回転運動の誤差による仕上げ面粗さの劣化を抑制する、請求項1に記載の機械加工法。
  5. 被削材に対して工具を相対的に振動させながら機械加工を行う機械加工法であって、
    少なくとも3つの異なる方向の振動を前記工具と前記被削材の少なくとも一方に重畳的に与え、各方向の振動の振幅と位相および周波数を変化させることで、前記被削材に対して前記工具に相対的に与える振動の軌跡および方位を任意に選択して機械加工を行うことを特徴とする、機械加工法。
  6. 前記工具と前記被削材の少なくとも一方に共振周波数近傍の振動を与える、請求項5に記載の機械加工法。
  7. 加工方向に前記工具を移動するに伴って、前記被削材の加工面方位、加工抵抗の大きさまたは方向、または切りくず流出速度の大きさまたは方向が変化する場合に、
    前記加工方向における前記被削材の加工面方位、加工抵抗の大きさまたは方向、または切りくず流出速度の大きさまたは方向の変化に応じて、前記工具に与える振動の軌跡または方位を変化させながら機械加工を行う、請求項5または請求項6に記載の機械加工法。
  8. 加工方向に前記工具を移動するに伴って、前記被削材の加工面方位、加工抵抗の大きさまたは方向、または切りくず流出速度の大きさまたは方向が変化する場合に、
    前記加工方向における前記被削材の加工面方位、加工抵抗の大きさまたは方向、または切りくず流出速度の大きさまたは方向が変化する範囲に応じて、前記工具に与える振動の軌跡または方位を予め設定して機械加工を行う、請求項5または請求項6に記載の機械加工法。
  9. 前記被削材の加工面の法線方向が加工方向に前記工具を移動するに伴って変化し、
    前記加工方向および前記被削材の加工面の法線方向に対する前記工具の刃先のすくい面の角度を一定に保ちながら機械加工を行う、請求項5または請求項6に記載の機械加工法。
  10. 中心軸回りの回転運動が主たる加工運動とはならない非回転工具を用いて3次元自由曲面の等高線加工を行う機械加工装置であって、
    前記工具を被削材に対して相対的に少なくとも一つの方向に振動させるアクチュエータおよびこれを制御する制御部と、
    前記被削材と前記工具の間に、前記3次元自由曲面の等高線に沿った加工運動および各等高線間の送り運動を与える駆動装置と、
    前記工具を回転させる回転駆動装置とを備え、
    前記制御部は、前記3次元自由曲面の各等高線に沿って、前記被削材に対して前記工具に相対的な加工運動を与えると同時に、前記工具の刃先のすくい角を一定に保つように、前記工具の動作および回転位置を制御する、機械加工装置。
  11. 3次元自由曲面の等高線加工を行う機械加工装置であって、
    ヘール工具と、
    被削材と前記ヘール工具との間に、前記3次元自由曲面の等高線に沿った加工運動および各等高線間の送り運動を与える駆動装置と、
    前記ヘール工具を回転させる回転駆動装置と、
    前記3次元自由曲面の各等高線に沿って、前記被削材に対して前記ヘール工具に相対的な加工運動を与えると同時に、前記ヘール工具の刃先のすくい角を一定に保つように、前記ヘール工具の動作および回転位置を制御する制御部とを備えた、機械加工装置。
  12. 被削材に対して工具を相対的に振動させながら機械加工を行う機械加工装置であって、
    前記工具を前記被削材に対して相対的に第1方向に振動させる第1アクチュエータと、
    前記工具を前記被削材に対して相対的に第2方向に振動させる第2アクチュエータと、
    前記工具を前記被削材に対して相対的に第3方向に振動させる第3アクチュエータと、
    前記被削材に対して前記工具に相対的に与える振動の軌跡および方位を任意に選択し得るように前記第1、第2および第3アクチュエータの動作を制御する制御部と、
    を備えた機械加工装置。
  13. 被削材に対して相対的に楕円振動する工具を用いて3次元自由曲面の等高線に沿った機械加工を行う機械加工装置であって、
    軸方向における先端部から当該軸方向と垂直な方向までの90度の角度範囲にわたって延びる切刃を有する工具と、
    前記工具の刃先を前記被削材に対して相対的に楕円振動させるアクチュエータと、
    前記90度の角度範囲内の所定の方向と前記工具の送り方向とを含む面内で前記工具の刃先を楕円振動させるように前記アクチュエータの動作制御を行う制御部と、
    前記被削材に対し相対的に前記工具を駆動することで前記3次元自由曲面の等高線に沿った加工運動および送り運動を与える駆動装置と、
    前記工具の軸回りに前記工具を回転駆動する回転駆動装置とを備え、
    前記制御部は、前記3次元自由曲面の等高線に沿って前記被削材に対して相対的に前記工具の刃先に楕円振動を与えると同時に前記工具の刃先のすくい角を一定に保つように、前記工具の動作および回転位置を制御する、機械加工装置。
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