JP2005057165A - 極限紫外線露光用マスク及びブランク並びにパターン転写方法 - Google Patents

極限紫外線露光用マスク及びブランク並びにパターン転写方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板1上に、露光光の高反射領域となる多層膜2が形成され、前記多層膜上に低反射領域となる薄膜のパターン3が形成された極限紫外線露光用(EUV)マスクにおいて、EUV露光による転写解像性を向上するために、EUVマスクの反射領域に用いる多層膜が、パーティクルなどの膜欠陥の発生しにくいEUV露光用マスク、およびそれを作製するためのEUV露光用マスクブランク、並びにそのマスクを用いたパターン形成方法を提供する。
【解決手段】前記高反射部となる多層膜2は、2種類の膜が交互に積層され、一方が金属を主成分とする膜であり、他方が金属とSiを主成分とする膜であることを特徴とする極限紫外線露光用マスク。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製造プロセス中の、極限紫外線露光を用いたフォトリソグラフィ工程で使用される、極限紫外線露光用マスク、及びそのマスクを作製するためのブランク、並びにそのマスクを用いたパターン転写方法に関するものである。
半導体集積回路の微細化技術は常に進歩しており、微細化のためのフォトリソグラフィ技術に使用される光の波長は次第に短くなってきている。光源としては、現状、これまで使用されて来たKrFエキシマレーザ(波長248nm)からArFエキシマレーザ(波長193nm)に切り替わりつつあり、さらにその次にはF2エキシマレーザ(波長157nm)の使用が提案され、開発が行われている。
しかしながら、F2エキシマレーザをもってしても、将来的な50nm以下の線幅を有するデバイスを作製するためのリソグラフィ技術として適用するには、露光機やレジストの課題もあり、容易ではない。このため、エキシマレーザ光より波長が一桁以上短い(10〜15nm)極限紫外線(Extreme UV、以下EUVと略記)を用いた、EUVリソグラフィの研究開発が進められている。
EUV露光では、上述のように波長が短いため、物質の屈折率がほとんど真空の値に近く、材料間の光吸収の差も小さい。このため、EUV領域では従来の透過型の屈折光学系が組めず、反射光学系となり、従ってマスクも反射型マスクとなる。これまで開発されてきた一般的なEUVマスクは、図3に示すように、Siウェハーやガラス基板1上に、例えばMoとSiからなる2層膜を40層ほど積層した多層膜2部分を高反射領域とし、その上に低反射領域(吸収領域)として金属性膜のパターン3を形成した構造であった。高反射領域は、界面が急峻で、屈折率差が大きく、吸収がなるべく小さな2種類の膜を交互に積層し、隣接する2層から成る層対の厚さを露光波長の略2分の1として、2層膜を40対程度成膜したものである。この結果、各層対からの僅かな反射成分が干渉して強め合い、直入射に近いEUV光に対して比較的高い反射率を得ることが可能となる。
以下に文献公知発明について記載する。
小川「EUVリソグラフィの反射型マスク用多層膜」(光技術コンタクト、 Vol.39,No.5、2001、日本オプトメカトロニクス協会)p.292 特願2002−376713号公報
EUV露光は波長が短いうえに、目標とする線幅が小さいので、問題となる欠陥サイズも小さくなり、マスク上の大きさで、65nmノードデバイスで50nm、45nmノードでは35nm以上のサイズの欠陥が問題になると言われている。
ここで、上記のようなEUVマスクのMoとSiからなる2層膜の成膜は通常スパッタリング法が用いられるが、特にSiのスパッタリングにおいては、Siの導電性が低いために、パーティクルなどの膜欠陥が発生しやすいという問題点が知られている。
本発明では、EUV露光による転写解像性を向上するために、EUVマスクの反射領域に用いる多層膜において、パーティクルなどの膜欠陥の発生しにくいEUV露光用マスク、およびそれを作製するためのEUV露光用マスクブランク、並びにそのマスクを用いたパ
ターン形成方法を提供する。
本発明の請求項1の発明は、基板上に、露光光の高反射領域となる多層膜が形成され、前記多層膜上に低反射領域となる薄膜のパターンが形成された極限紫外線露光用マスクにおいて、前記高反射部となる多層膜は、2種類の膜が交互に積層され、一方が金属を主成分とする膜であり、他方が金属とSiを主成分とする膜であることを特徴とする極限紫外線露光用マスクとしたものである。
本発明の請求項2の発明は、前記多層膜を形成する2種類の膜のうち金属とSiを主成分とする膜は、Siの原子数に対する金属の原子数が1.3%以下であることを特徴とする、請求項1記載の極限紫外線露光用マスクとしたものである。
本発明の請求項3の発明は、前記多層膜を形成する2種類の膜のうち金属とSiを主成分とする膜の露光波長に対する消衰係数が2.0×10-3より小さいことを特徴とする、請求項1または2記載の極限紫外線露光用マスクとしたものである。
本発明の請求項4の発明は、前記Siの原子数に対する原子数が1.3%以下である金属は、Mo、Zr、Ti、Nbらかなる群から選ばれた1種以上の金属であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項記載の極限紫外線露光用マスクとしたものである。
本発明の請求項5の発明は、請求項1〜4いずれか1項に記載の極限紫外線露光用マスクを、前記低反射領域となる吸収性薄膜のパターニングにより作製するための、基板上に、露光光の高反射領域となる前記多層膜が形成され、前記多層膜上の全面に低反射領域となる前記吸収性薄膜が形成された極限紫外線露光用マスクブランクとしたものである。
本発明の請求項6の発明は、請求項1〜4いずれか1項に記載の極限紫外線露光用マスクを露光装置に設置し、前記マスクを用いたリソグラフィ法による露光転写を行ない、パターン形成を行なうことを特徴とするパターン転写方法としたものである。
本発明では、以上のような構成から、EUVマスクの反射領域に用いる多層膜において、EUV露光による反射率が高く、転写解像性を向上でき、パーティクルなどの膜欠陥の発生しにくいEUV露光用マスク、およびそれを作製するためのEUV露光用マスクブランク、並びにそのマスクを用いたパターン形成方法とすることができる。
本発明の実施の形態を図を用いて説明する。図1は本発明のEUV露光用マスクの実施形態の例を断面で示した説明図である。本発明のEUV露光用マスクは、基板1上に、露光光の高反射領域となる多層膜2が形成され、前記多層膜2上に低反射領域となる薄膜のパターン3が形成された極限紫外線露光用マスクを前提とする。このマスクにおいて、前記高反射部となる多層膜2は、2種類の膜が交互に積層され、一方が金属を主成分とする膜であり、他方が金属とSiを主成分とする膜であることを特徴とする極限紫外線露光用マスクである。図2は本発明のEUV露光用マスクブランクの実施形態の例を断面で示した説明図である。図のブランクの吸収性薄膜3’をパターニングすることにより図1のマスクが得られる。
このような構成にすることによって、多層膜では露光光を高反射し、また電気的抵抗値が小さいため、成膜時にパーティクルなどの膜欠陥の発生を押さえることが出来る。すなわち、抵抗値が小さく出来るので、DCスパッタリング、あるいはRF−DC重畳スパッ
タリング等により欠陥発生を押さえ、成膜できる。
なお、ここで低反射領域となる吸収性薄膜のパターン3は2層以上の多層膜からなるパターンである場合もある。また、吸収性薄膜のパターン3の下には、パターニングや欠陥修正の際に、高反射部となる多層膜2を保護する緩衝膜が存在することもある。さらに高反射領域となる多層膜2は、その最上層のみが「Capping Layer」と呼ばれる厚めの膜である場合もあるが、いずれも本発明の主旨からは外れるので図1では省略する。
さらに本発明のEUV露光用マスクは、前記多層膜を形成する2種類の膜のうち金属とSiを主成分とする膜は、Siの原子数に対する金属の原子数が1.3%以下であることを特徴とする。
また本発明のEUV露光用マスクは、前記多層膜を形成する2種類の膜のうち金属とSiを主成分とする膜の露光波長に対する消衰係数が2.0×10-3より小さいことを特徴とする。
また本発明のEUV露光用マスクは、前記Siの原子数に対する原子数が1.3%以下である金属は、Mo、Zr、Ti、Nbらかなる群から選ばれた1種以上の金属であることを特徴とする。
以上のような構成とすることで、さらに欠陥発生を押さえられる。
このようにして、本願発明のEUV露光用マスク、およびそのマスクブランクは、多層膜では露光光を高反射し、また電気的抵抗値が小さいため、成膜時にパーティクルなどの膜欠陥の発生を押さえることが出来ることを、以下詳細に説明する。
はじめに、従来のMoとSiを交互に積層した多層膜の反射率をSiの膜厚に対して計算すると、図4のようにSi厚約48.0Åで最大反射率56.2%が得られる。尚、露光波長λ=13.1(nm)、積層数40(20対)、2層膜の1層あたりの合計膜厚=λ/2=65.5(Å)とし、波長13.1nmにおける屈折率(n),消衰係数(k)は表1の通りとする。
Figure 2005057165
同様に、Siの代わりに金属とSiを主成分とする膜(MeSix、xはSi/Meの原子数比)を用いた場合の反射率を計算する。反射率を高くするためにはMeはkの小さい材料が望ましいので、ここではMo(モリブデン)を例にとる。また反射率を高めるためにはSiに近づける必要があるので、x≫2であるが、MoSixの結晶形はxが最も大きい場合でx=2、すなわちMoSi2であることが知られている。従って、MoSix(x≫2)の構造はMeSi2とSiの混晶で近似することができる。
反射率を計算するにはMoSix膜のn,kを知る必要があるが、混晶の場合、xを決めると、MoSi2分子量と密度、Siの原子量と密度の値からMoSixの理論密度が分るので、MoSixのn,kを近似的に求めることができる。
実際に計算を行うと、MoSixの密度とn,k値、およびMo/MoSix多層膜(40層)の最大反射率は表2のようになった。なお、EUV波長域ではnは1に極めて近いので1−nで表す。また反射率の計算は図4と同様に行った。
Figure 2005057165
このようにして得られた最大反射率を従来のMo/Si多層膜の最大反射率56.2%と比較すると、MoSi99膜、すなわちMoの1%添加膜では54.1%であるので、2.1%の反射率低下となることがわかる。同じくMoSi79膜(Mo1.25%添加)では2.7%低下、MoSi59膜(Mo1.67%添加)では3.6%低下となる。許容で
きる反射率低下は3%程度と考えられるので、Mo/MoSix多層膜の場合、Mo添加の許容範囲はおよそ1.3%程度と見積られる。
Siに対する金属の添加量は大きいほどMeSixターゲットの抵抗値は下がり、スパッタ成膜時の欠陥は少なくなる。すなわち反射率低下を3%以内に抑えつつ、金属の添加量は大きい方が望ましい。そこで種々の金属についてMeSi99の密度とn,k値、およびMo/MeSi99多層膜(40層)の最大反射率を計算したところ表3のようになった。
Figure 2005057165
表3より、消衰係数kが2.0×10-3より小さいものは反射率低下3%以内を満たすことが分かる。また、表3より、Zr、Ti、Nbは反射率低下3%以内を満たし、Ta、W、Hfなどは満たさないことが分かる。
本発明のEUVマスクは、従来どおりのマスク作製プロセスに準拠して作製できる。すなわち、Siウェハーやガラス基板上に、本願に係る材料と組成比の多層膜、例えばMoとSiからなる多層膜を、通常のDCスパッタリング、あるいはRF−DC重畳スパッタリングなどにより、所望の層数の膜を積層して高反射領域とする。その上に低反射(吸収)領域として、通常のマグネトロンスパッタリング法などにより薄膜を作製し、本発明のEUVマスク用ブランクが完成する。以下、通常のマスク作製プロセスに従って、薄膜のパターニングを行い、本発明のEUVマスクを作製する。すなわち、前記ブランク上に電子線レジストを塗布し、ベーキングを行った後、通常の電子線描画を行い、現像してレジストパターンを形成する。その後、このレジストパターンをマスクにして、低反射用2層膜のドライエッチングを行った後、レジストを剥離して、本発明のマスクが完成する。
このように作製したEUV露光用マスクは、反射率が従来のマスクとほぼ同程度で、パーティクルなどの膜欠陥の発生を押さえられたものである。
本発明によるフォトマスクを用いたパターン転写方法は、例えば、先ず被加工層を表面に形成した基板上にフォトレジスト層を設けたのち、本発明によるフォトマスクを介して反射した極限紫外線を選択的に照射する。
次いで、現像工程において不必要な部分のフォトレジスト層を除去し、基板上にエッチングレジスト層のパターンを形成させたのち、このエッチングレジスト層のパターンをマスクとして被加工層をエッチング処理し、次いで、エッチングレジスト層のパターンを除去することにより、パーティクルなどの膜欠陥に起因する欠陥の発生を押さえられた、フォトマスクパターンに忠実なパターンを基板上に転写する方法である。
本発明のEUV露光用マスクの実施形態の例を断面で示した説明図である。 本発明のEUV露光用マスクブランクの実施形態の例を断面で示した説明図である。 従来のEUV露光用マスクの例を断面で示した説明図である。 Mo/Si多層膜の反射率を示したグラフである。
符号の説明
1…基板
2…高反射多層膜
3…低反射薄膜パターン
3’…低反射薄膜(吸収性薄膜)

Claims (6)

  1. 基板上に、露光光の高反射領域となる多層膜が形成され、前記多層膜上に低反射領域となる薄膜のパターンが形成された極限紫外線露光用マスクにおいて、前記高反射部となる多層膜は、2種類の膜が交互に積層され、一方が金属を主成分とする膜であり、他方が金属とSiを主成分とする膜であることを特徴とする極限紫外線露光用マスク。
  2. 前記多層膜を形成する2種類の膜のうち金属とSiを主成分とする膜は、Siの原子数に対する金属の原子数が1.3%以下であることを特徴とする、請求項1記載の極限紫外線露光用マスク。
  3. 前記多層膜を形成する2種類の膜のうち金属とSiを主成分とする膜の露光波長に対する消衰係数が2.0×10-3より小さいことを特徴とする、請求項1または2記載の極限紫外線露光用マスク。
  4. 前記Siの原子数に対する原子数が1.3%以下である金属は、Mo、Zr、Ti、Nbらかなる群から選ばれた1種以上の金属であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項記載の極限紫外線露光用マスク。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の極限紫外線露光用マスクを、前記低反射領域となる吸収性薄膜のパターニングにより作製するための、基板上に、露光光の高反射領域となる前記多層膜が形成され、前記多層膜上の全面に低反射領域となる前記吸収性薄膜が形成された極限紫外線露光用マスクブランク。
  6. 請求項1〜4いずれか1項に記載の極限紫外線露光用マスクを露光装置に設置し、前記マスクを用いたリソグラフィ法による露光転写を行ない、パターン形成を行なうことを特徴とするパターン転写方法。
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