JP2005057133A - 半導体デバイスの製造方法及び基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 HClを発生させることなく、均質かつコンフォーマルなシリコン酸化膜を形成することを可能にする。
【解決手段】 搬送手段65を用いてウェハ(基板)1を処理室52内に搬入する。搬入後、第1供給系61を用いて処理室52内にSi2Cl6(HCD)を含む第1反応物質を供給しつつ排気系64から排気する。第3供給系63を用いて処理室52内に不活性ガスを供給して残留した第1反応物質を排気系64から排除する。その後、第2供給系62を用いて処理室52内に水素原子を含まず酸素原子を含む第2反応物質を供給しつつ排気系64から排気する。第3供給系63を用いて処理室52内に不活性ガスを供給して残留した第2反応物質を排気系64から排除する。これらの一連のプロセスを制御装置9を用いて複数回繰り返すことにより、ウェハ(基板)1上にSiO2膜を所定厚さ堆積させる。堆積後、搬送手段65を用いてウェハ1を処理室52内から搬出する。
【選択図】 図1
【解決手段】 搬送手段65を用いてウェハ(基板)1を処理室52内に搬入する。搬入後、第1供給系61を用いて処理室52内にSi2Cl6(HCD)を含む第1反応物質を供給しつつ排気系64から排気する。第3供給系63を用いて処理室52内に不活性ガスを供給して残留した第1反応物質を排気系64から排除する。その後、第2供給系62を用いて処理室52内に水素原子を含まず酸素原子を含む第2反応物質を供給しつつ排気系64から排気する。第3供給系63を用いて処理室52内に不活性ガスを供給して残留した第2反応物質を排気系64から排除する。これらの一連のプロセスを制御装置9を用いて複数回繰り返すことにより、ウェハ(基板)1上にSiO2膜を所定厚さ堆積させる。堆積後、搬送手段65を用いてウェハ1を処理室52内から搬出する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体デバイスの製造方法及び基板処理装置に係り、特に、半導体集積回路装置(以下、ICという。)の製造方法において、ICが作り込まれる基板にALD法(Atomic Layer Deposition)やCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いてシリコン酸化膜(SiO2膜)を形成する成膜プロセスに好適なものに関する。
ICを構成する絶縁膜の中でSiO2膜は重要である。近年、ICの最小加工寸法の縮小化に伴い、SiO2膜を500℃以下の低温で成膜することが要請されている。この要請に応えるために、種々の成膜原料を用いた方法が検討されている。特にSiO2膜に複雑な形状を要求されるデバイスでは、ステップカバレッジを良好にするために、SiO2膜をALD法によって成膜することが検討されている。また、TCSに代えてHCD(Si2Cl6)を用いることも検討されている。これまで、塩化物原料であるTCS(SiCl4)と、水素原子(H)を含む水(H2O)とを用いて、300℃以下で、ALD法によってSiO2膜を成膜することが、報告されている。
しかし、上述した従来の技術では、塩素原子(Cl)を含むTCSに、水素原子を含むH2Oを用いているために、TCSのCl原子とH2OのH原子が反応してHClが形成される。このHClによって基板処理装置の配管などが腐食するという問題があった。また、TCSやHCDなどの塩化物原料を用いてALD法によって成膜した膜には、Clが多量に含まれる。このため、均質かつコンフォーマル(均一)なSiO2膜を形成することが困難であった。
そこで、塩素を含まない、Si系の有機金属(MO)原料とH2O、あるいはO2(酸素)やO3(オゾン)などの酸化剤を用いたALD法によって、300℃以下で、SiO2膜を成膜することも検討されている。しかし、炭素(C)やHを含むMO原料を用いて300℃以下の低温でALD法によって成膜した膜には、CやHなどが多量に含まれる。このため、均質かつコンフォーマル(均一)なSiO2膜を形成することが困難であった。
本発明の課題は、上述した問題点を解消して、HClを発生させることなく、均質かつコンフォーマル(均一)なSiO2膜を形成することが可能な半導体デバイスの製造方法及び基板処理装置を提供することにある。
そこで、塩素を含まない、Si系の有機金属(MO)原料とH2O、あるいはO2(酸素)やO3(オゾン)などの酸化剤を用いたALD法によって、300℃以下で、SiO2膜を成膜することも検討されている。しかし、炭素(C)やHを含むMO原料を用いて300℃以下の低温でALD法によって成膜した膜には、CやHなどが多量に含まれる。このため、均質かつコンフォーマル(均一)なSiO2膜を形成することが困難であった。
本発明の課題は、上述した問題点を解消して、HClを発生させることなく、均質かつコンフォーマル(均一)なSiO2膜を形成することが可能な半導体デバイスの製造方法及び基板処理装置を提供することにある。
第1の発明は、排気系を備えて内部が排気可能に構成された処理室内に少なくとも1枚の基板を搬送手段を用いて搬入する工程と、供給系を用いて処理室内にHCDを含む物質と、水素原子を含まず酸素原子を含む物質を供給して基板上にSiO2膜を堆積させる工程と、前記搬送手段を用いて基板を処理室内から搬出する工程と、を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。
HCDと酸素原子を含む物質とを供給すると、HCDを含む物質と酸素原子を含む物質とが反応して、基板上にSiO2膜が堆積される。この酸素原子を含む物質が、水素原子を含まない物質であると、HCDを含む物質と反応してもHClは発生しない。したがって、HClに起因して排気系の配管などが腐食することがなくなる。
HCDと水素原子を含まず酸素原子を含む物質との供給は同時であっても交互であってもよい。さらに交互の場合は1回でも複数回でもよい。また処理室内での基板の処理は、1〜数枚の枚葉処理であっても、枚葉処理以上の枚数を取り扱うバッチ処理であってもよい。基板としては、半導体Siウェハやガラス基板が含まれる。処理室は真空容器内に形成される。水素原子を含まず酸素原子を含む物質としては、酸化剤としてのO3、O2、N2Oなどがある。SiO2膜を堆積させるには、ALD、CVDなどの成膜方法を用いることができる。半導体デバイスの製造方法は、ICやLCD(Liquid Cristal Display)を製造する方法を含む。
HCDと酸素原子を含む物質とを供給すると、HCDを含む物質と酸素原子を含む物質とが反応して、基板上にSiO2膜が堆積される。この酸素原子を含む物質が、水素原子を含まない物質であると、HCDを含む物質と反応してもHClは発生しない。したがって、HClに起因して排気系の配管などが腐食することがなくなる。
HCDと水素原子を含まず酸素原子を含む物質との供給は同時であっても交互であってもよい。さらに交互の場合は1回でも複数回でもよい。また処理室内での基板の処理は、1〜数枚の枚葉処理であっても、枚葉処理以上の枚数を取り扱うバッチ処理であってもよい。基板としては、半導体Siウェハやガラス基板が含まれる。処理室は真空容器内に形成される。水素原子を含まず酸素原子を含む物質としては、酸化剤としてのO3、O2、N2Oなどがある。SiO2膜を堆積させるには、ALD、CVDなどの成膜方法を用いることができる。半導体デバイスの製造方法は、ICやLCD(Liquid Cristal Display)を製造する方法を含む。
第2の発明は、排気系を備えて内部が排気可能に構成された処理室内に少なくとも1枚の基板を搬送手段を用いて搬入する工程と、第1供給系により処理室内にHCDを含む第1反応物質を供給する工程と、第2供給系により処理室内に水素原子を含まず酸素原子を含む第2反応物質を供給する工程と、制御手段を用いて第1反応物質供給工程と第2反応物質供給工程とを交互に複数回繰り返すことにより、基板上に所定厚さのSiO2膜を堆積させる工程と、前記搬送手段を用いて基板を処理室内から搬出する工程と、を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。
第1反応物質供給工程と第2反応物質供給工程とを交互に複数回繰り返すことにより基板上にSiO2膜を堆積させると、複雑な形状のSiO2膜を成膜する場合であっても、良好なステップカバレッジが得られる。
第1反応物質供給工程と第2反応物質供給工程とを交互に複数回繰り返す際に、第1反応物質供給工程と第2反応物質供給工程との間、又は第2反応物質供給工程と第1反応物質供給工程との間で、処理室内を真空排気したり、処理室内に不活性ガスを供給したりして、処理室内に残留している第1反応物質又は第2反応物質を排除することが好ましい。
第1反応物質供給工程と第2反応物質供給工程とを交互に複数回繰り返すことにより基板上にSiO2膜を堆積させると、複雑な形状のSiO2膜を成膜する場合であっても、良好なステップカバレッジが得られる。
第1反応物質供給工程と第2反応物質供給工程とを交互に複数回繰り返す際に、第1反応物質供給工程と第2反応物質供給工程との間、又は第2反応物質供給工程と第1反応物質供給工程との間で、処理室内を真空排気したり、処理室内に不活性ガスを供給したりして、処理室内に残留している第1反応物質又は第2反応物質を排除することが好ましい。
第3の発明は、排気系を備えて内部が排気可能に構成された処理室内に少なくとも1枚の基板を搬送手段を用いて搬入する工程と、第1供給系を用いて処理室内にHCDを含む第1反応物質を供給する工程と、第2供給系を用いて処理室内に水素原子を含まず酸素原子を含む第2反応物質を供給する工程と、不活性ガス供給系を用いて処理室内に不活性ガスを供給する工程と、制御手段を用いて第1反応物質供給工程と、不活性ガス供給工程と、第2反応物質供給工程と、不活性ガス供給工程と、をこの順で複数回繰り返すことにより基板上に所定厚さのSiO2膜を堆積させる工程と、前記搬送手段を用いて基板を処理室内から搬出する工程と、を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。
第1反応物質供給工程と第2反応物質供給工程とを交互に複数回繰り返すことにより基板上にSiO2膜を堆積させると、複雑な形状のSiO2膜を成膜する場合であっても、良好なステップカバレッジが得られる。
第1反応物質供給工程と第2反応物質供給工程との間に、及び第2反応物質供給工程と第1反応物質供給工程との間に、不活性ガス供給工程を入れているので、処理室内に残留した第1反応物質及び第2反応物質を有効に取り除くことができ、基板上に高品質のSiO2膜を堆積させることができる。
第1反応物質供給工程と第2反応物質供給工程とを交互に複数回繰り返すことにより基板上にSiO2膜を堆積させると、複雑な形状のSiO2膜を成膜する場合であっても、良好なステップカバレッジが得られる。
第1反応物質供給工程と第2反応物質供給工程との間に、及び第2反応物質供給工程と第1反応物質供給工程との間に、不活性ガス供給工程を入れているので、処理室内に残留した第1反応物質及び第2反応物質を有効に取り除くことができ、基板上に高品質のSiO2膜を堆積させることができる。
第4の発明は、第2の発明において、制御手段を用いて堆積工程での堆積温度を400℃以上、500℃以下とすることを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。
堆積工程での堆積温度がこのような範囲に調節されると、十分な成膜速度が得られ、しかも、膜厚の均一性及び再現性に優れたSiO2膜を形成できる。
堆積工程での堆積温度がこのような範囲に調節されると、十分な成膜速度が得られ、しかも、膜厚の均一性及び再現性に優れたSiO2膜を形成できる。
第5の発明は、第2の発明において、制御手段を用いて堆積工程での処理室内圧力を1Pa以上、10,000Pa以下とすることを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。
堆積工程での処理室内の圧力がこのような範囲に調節されると、十分な成膜速度が得られ、しかも、膜厚の均一性及び再現性に優れたSiO2膜を形成できる。
堆積工程での処理室内の圧力がこのような範囲に調節されると、十分な成膜速度が得られ、しかも、膜厚の均一性及び再現性に優れたSiO2膜を形成できる。
第6の発明は、第2の発明において、制御手段を用いてHCDを処理室内に供給する供給系を構成する供給配管、又は/及び処理室内を排気する排気系を構成する排気配管の温度を80℃以上、180℃以下とすることを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。
供給配管又は/及び排気配管の温度がこのような範囲に調節されると、常温常圧で液体であるHCDを、供給配管又は/及び排気配管において気化状態のまま保持できるとともに、前記配管をシールしているシール材の劣化も防止できる。
供給配管又は/及び排気配管の温度がこのような範囲に調節されると、常温常圧で液体であるHCDを、供給配管又は/及び排気配管において気化状態のまま保持できるとともに、前記配管をシールしているシール材の劣化も防止できる。
第7の発明は、第2の発明において、制御手段を用いて、処理室内壁温度を、80℃以上、180℃以下とすることを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。
処理室内壁温度がこのような範囲に調節されると、常温常圧で液体であるHCDを、処理室内において気化状態のまま保持できるとともに、供給系又は/及び排気系を構成する配管をシールしているシール材の劣化も防止できる。
処理室内壁温度がこのような範囲に調節されると、常温常圧で液体であるHCDを、処理室内において気化状態のまま保持できるとともに、供給系又は/及び排気系を構成する配管をシールしているシール材の劣化も防止できる。
第8の発明は、第2の発明において、制御手段を用いて、処理室内壁温度を、HCDを処理室内に供給する供給系を構成する供給配管の温度よりも高くすることを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。
処理室内壁温度を、HCDを処理室内に供給する供給配管の温度よりも高くすると、処理室内壁付近におけるHCD蒸気圧を供給配管内のHCD蒸気圧より低くすることができ、これによりHCDが液化しにくくなり、HCDの再液化を十分に防止することができる。
処理室内壁温度を、HCDを処理室内に供給する供給配管の温度よりも高くすると、処理室内壁付近におけるHCD蒸気圧を供給配管内のHCD蒸気圧より低くすることができ、これによりHCDが液化しにくくなり、HCDの再液化を十分に防止することができる。
第9の発明は、第2の発明において、第2反応物質は、O3(オゾン),O2(酸素),N2O(二酸化窒素)から選択される1種または2種以上の物質であることを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。O3,O2,N2Oは、酸化剤として好適に使用される。
第10の発明は、第3の発明において、不活性ガスは、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、窒素(N2)から選択される1種または2種以上のガスであることを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。He、Ne、Ar、Kr、Xe、N2は、不活性ガスとして好適に使用される。
第11の発明は、第2の発明において、処理室内に搬入される基板が複数枚の基板であり、堆積工程は、基板保持具を用いて処理室内で複数枚の基板が隙間をもって多段に支持された状態で行われることを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。
処理室内に搬入される基板が複数枚であると、複数枚の基板にSiO2膜を同時に堆積させることができる。また、処理室内で複数枚の基板が隙間をもって多段に支持された状態で堆積工程が行われると、基板間で膜厚の均一性及び再現性に優れた膜を形成できる。
処理室内に搬入される基板が複数枚であると、複数枚の基板にSiO2膜を同時に堆積させることができる。また、処理室内で複数枚の基板が隙間をもって多段に支持された状態で堆積工程が行われると、基板間で膜厚の均一性及び再現性に優れた膜を形成できる。
第12の発明は、第9の発明において、第2反応物質としてO2(酸素)を選択したとき、励起手段を用いてO2をプラズマ励起することにより活性種として処理室に供給することを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。
励起手段を用いてO2をプラズマ励起して処理室に供給すると、O2をプラズマ励起しないで供給する場合に比して、低い温度でO2を第1反応物質と反応させることができる。
励起手段を用いてO2をプラズマ励起して処理室に供給すると、O2をプラズマ励起しないで供給する場合に比して、低い温度でO2を第1反応物質と反応させることができる。
第13の発明は、少なくとも1枚の基板を処理する処理室と、処理室内の基板を加熱するヒータと、処理室内にHCDを含む第1反応物質を供給する第1供給系と、処理室内に水素原子を含まず酸素原子を含む第2反応物質を供給する第2供給系と、処理室内に不活性ガスを供給する第3供給系と、処理室内を排気する排気系と、処理室内に、第1反応物質、不活性ガス、第2反応物質、不活性ガス、をこの順で複数回繰り返し供給するよう制御する制御手段と、を有することを特徴とする基板処理装置である。
制御手段を用いて、処理室内に、第1反応物質、不活性ガス、第2反応物質、不活性ガス、をこの順で複数回繰り返し供給するように制御すれば、第2〜第12の発明の半導体デバイスの製造方法を好適に実施することができる。なお、基板を加熱するヒータは処理室内に設けられていても、処理室外に設けられていてもよい。
制御手段を用いて、処理室内に、第1反応物質、不活性ガス、第2反応物質、不活性ガス、をこの順で複数回繰り返し供給するように制御すれば、第2〜第12の発明の半導体デバイスの製造方法を好適に実施することができる。なお、基板を加熱するヒータは処理室内に設けられていても、処理室外に設けられていてもよい。
本発明によれば、HClを発生することなく、均質かつコンフォーマル(均一)なSiO2膜を形成することができる。その結果、基板処理装置の配管などの腐食を防止することができる。また、不純物の混入が少なく、特性が良好な半導体デバイスを製造することができる。
第1反応物質としてのSi2Cl6(ヘキサクロロジシラン、以下HCDと称す)と第2反応物質とを交互に供給するALD法によって、ウェハ上にSiO2膜を成膜する。この際、第2反応物質としてH原子を含まないオゾン(O3)又は活性な酸素(O2)を用いることにより、500℃以下の低温で、HClを発生させることなく、SiO2膜の成膜を実現した。また、第1反応物質としてClを含むHCDを用いながら、第2反応物質として酸化力の強いO3又は活性なO2を用いているので、Cl含有量の少ないSiO2膜の成膜を実現した。
以下に3つの実施例1〜3を具体的に説明する。
以下に3つの実施例1〜3を具体的に説明する。
ここでは、枚葉式の処理炉を備えた基板処理装置を用いて、SiO2膜を形成する実施例を説明する。第1反応物質としてHCDを用いる。第2反応物質として、水素原子を含まず酸素原子を含む酸化剤であるO3を用いる。
図1は、実施例1の基板処理装置を示す。基板処理装置は、温度制御機能の付いた枚葉式の処理炉50と、HCDを供給する第1供給系61と、O3を供給する第2供給系62と、不活性ガスを供給する第3供給系63と、排気系64と、搬送手段65と、制御手段としての制御装置9と、を備えて構成される。
図1は、実施例1の基板処理装置を示す。基板処理装置は、温度制御機能の付いた枚葉式の処理炉50と、HCDを供給する第1供給系61と、O3を供給する第2供給系62と、不活性ガスを供給する第3供給系63と、排気系64と、搬送手段65と、制御手段としての制御装置9と、を備えて構成される。
処理炉50は、排気による減圧の可能な処理室52と、処理室52内でウェハ1を支持する基板支持台12と、処理室52の外側に設けられ処理室52内のウェハ1を処理温度へ加熱するための昇温用ヒータ3と、処理室52の壁面を加熱するための処理室壁加熱ヒータ21とからなる。
昇温用ヒータ3は、ウェハ1の温度が適当な温度、例えば400℃〜500℃、となるように制御される。処理室壁加熱ヒータ21は、HCDが再液化せず、また、処理室52に用いられるOリング等のシール材が劣化しない温度、例えば80℃〜180℃、となるように制御される。
昇温用ヒータ3は、ウェハ1の温度が適当な温度、例えば400℃〜500℃、となるように制御される。処理室壁加熱ヒータ21は、HCDが再液化せず、また、処理室52に用いられるOリング等のシール材が劣化しない温度、例えば80℃〜180℃、となるように制御される。
HCDを供給する第1供給系61は、HCD供給器4と、HCD供給器4から処理室52へHCDを導入するためのHCD供給配管10と、開閉弁であるバルブ34と、HCD供給配管10を加熱するためのHCD供給配管加熱ヒータ22、からなる。
HCDは常温常圧で液体であるため、HCD供給器4によって温度T、例えば70〜100℃、に加熱して気化される。HCD供給器4には流量制御機能が内蔵されており、それによってHCDの流量が制御されているが、HCD供給配管10の途中に別途流量制御器を設けて、HCD供給器4から流量制御機能を外しても構わない。
HCD供給器4は、具体的には、本体53と、HCDを気化する気化器54と、気化されたHCDの供給量を制御する流量制御手段である流量制御器55とから構成される。気化器54により気化されたHCDは、流量制御器55で流量制御され、HCD供給配管10を通りバルブ34を介して処理室52内のウェハ1に供給される。HCD供給配管加熱ヒータ22は、HCDが再液化しない温度で、かつHCD供給配管10に用いられているOリングなどのシール材が劣化しない温度となるように、HCD供給配管10を加熱する。その加熱温度は、前述した温度T(例えば70〜100℃)よりも高い温度、例えば80℃〜180℃、となるように制御される。
HCDは常温常圧で液体であるため、HCD供給器4によって温度T、例えば70〜100℃、に加熱して気化される。HCD供給器4には流量制御機能が内蔵されており、それによってHCDの流量が制御されているが、HCD供給配管10の途中に別途流量制御器を設けて、HCD供給器4から流量制御機能を外しても構わない。
HCD供給器4は、具体的には、本体53と、HCDを気化する気化器54と、気化されたHCDの供給量を制御する流量制御手段である流量制御器55とから構成される。気化器54により気化されたHCDは、流量制御器55で流量制御され、HCD供給配管10を通りバルブ34を介して処理室52内のウェハ1に供給される。HCD供給配管加熱ヒータ22は、HCDが再液化しない温度で、かつHCD供給配管10に用いられているOリングなどのシール材が劣化しない温度となるように、HCD供給配管10を加熱する。その加熱温度は、前述した温度T(例えば70〜100℃)よりも高い温度、例えば80℃〜180℃、となるように制御される。
O3を供給する第2供給系62は、オゾン発生器5と、オゾン発生器5から処理室52へO3を導入するためのオゾン供給配管11と、O3の流量を制御するための流量制御手段である流量制御器32と、開閉弁であるバルブ35と、O3の原料となる酸素(O2)をオゾン発生器5に供給するための酸素配管30と、O3を発生させる時に使用する窒素(N2)をオゾン発生器5に供給するための窒素配管31と、から構成される。
O3は、酸素配管30と窒素配管31とから供給されたO2、N2を用いて、オゾン発生器5によって作製される。実施例では、オゾン発生器5へのO2とN2との供給比を100:1の割合、例えば酸素6slm、窒素60ccmとしている。これにより実施例では濃度170g/m3のO3を発生させている。オゾン発生器5により作製されたO3は、流量制御器32で流量制御され、オゾン供給配管11を通りバルブ35を介して処理室52内のウェハ1に供給される。
O3は、酸素配管30と窒素配管31とから供給されたO2、N2を用いて、オゾン発生器5によって作製される。実施例では、オゾン発生器5へのO2とN2との供給比を100:1の割合、例えば酸素6slm、窒素60ccmとしている。これにより実施例では濃度170g/m3のO3を発生させている。オゾン発生器5により作製されたO3は、流量制御器32で流量制御され、オゾン供給配管11を通りバルブ35を介して処理室52内のウェハ1に供給される。
不活性ガスを供給する第3供給系63は、不活性ガスを処理室52へ導入するための不活性ガス供給配管6と、不活性ガスの流量を制御するための流量制御手段である流量制御器33と、開閉弁であるバルブ36と、から構成される。不活性ガスは、実施例ではアルゴン(Ar)を用いている。不活性ガスとしてのArは、流量制御器33で流量制御され、不活性ガス供給配管6を通りバルブ36を介して処理室52内のウェハ1に供給される。
処理室52を排気する排気系64は、処理室52を排気するためのポンプ8と、処理室52とポンプ8とを繋ぐ排気管である排気配管7と、開閉弁であるバルブ37と、処理室の圧力を制御するための圧力制御部38と、排気配管7を加熱するための排気配管加熱ヒータ20と、から構成される。処理室52内は、ポンプ8によって、バルブ37、圧力制御部38を介して排気配管7から排気される。
排気配管加熱ヒータ20は、HCDが再液化しない温度で、かつ排気配管7に用いられているOリングなどのシール材が劣化しない温度となるように、排気配管7を加熱する。その加熱温度は、前述した温度T(例えば70〜100℃)よりも高い温度、例えば80℃〜180℃、となるように制御される。
排気配管加熱ヒータ20は、HCDが再液化しない温度で、かつ排気配管7に用いられているOリングなどのシール材が劣化しない温度となるように、排気配管7を加熱する。その加熱温度は、前述した温度T(例えば70〜100℃)よりも高い温度、例えば80℃〜180℃、となるように制御される。
ここで、HCDを処理室52内に供給するHCD供給配管10の温度よりも、処理室52の内壁温度を高くすることが好ましい。HCD供給配管10の温度よりも、処理室内壁温度が高いと、処理室52内にHCDが供給されるとき、処理室52内の処理室内壁付近における蒸気圧をHCD供給配管10内における蒸気圧より低くすることができるため、HCDが液化しにくくなりHCDの再液化を十分に防止することができるからである。
また、圧力制御部38で制御する処理室52内の成膜圧力は、1〜10,000Paが好ましい。現状のポンプでは、1Pa未満を達成することは不可能であり、一方、10,000Paを超えると、成膜速度(反応効率)の低下が顕著になるからである。
また、圧力制御部38で制御する処理室52内の成膜圧力は、1〜10,000Paが好ましい。現状のポンプでは、1Pa未満を達成することは不可能であり、一方、10,000Paを超えると、成膜速度(反応効率)の低下が顕著になるからである。
搬送手段65は、処理室52内に1枚のウェハ1を搬入して基板支持台12に支持させ、処理後のウェハ1を処理室52内から搬出する。
制御装置9は、基板処理装置を統括制御するための制御手段である。制御装置9は、流量制御器32、33、55、気化器4、圧力制御部38、バルブ34、35、36、37、ヒータ3、20、21、22、真空ポンプ8に接続されており、流量制御器32、33、55の流量調節、バルブ34、35、36、37の開閉動作、圧力制御部38の開閉及び圧力調節動作、ヒータ3、20、21、22の温度調節、真空ポンプ8の起動・停止などを制御する。
次に上述した実施例1の基板処理装置を用いて行った、ウェハ1への成膜プロセス例について説明する。
成膜プロセスはALD法を用いて行った。ALD法は、ある成膜条件(温度、時間等)の下で、成膜に用いる2種類(またはそれ以上)の原料となる反応ガスを1種類ずつ交互にウェハ上に供給し、1原子層単位でウェハ上に吸着させ、表面反応を利用して成膜を行う手法である。そして、成膜の膜厚は、反応性ガス供給のサイクル数で制御する。例えば、成膜速度が1Å/サイクルとすると、20Åの膜を形成する場合、20サイクル行う。
成膜プロセスはALD法を用いて行った。ALD法は、ある成膜条件(温度、時間等)の下で、成膜に用いる2種類(またはそれ以上)の原料となる反応ガスを1種類ずつ交互にウェハ上に供給し、1原子層単位でウェハ上に吸着させ、表面反応を利用して成膜を行う手法である。そして、成膜の膜厚は、反応性ガス供給のサイクル数で制御する。例えば、成膜速度が1Å/サイクルとすると、20Åの膜を形成する場合、20サイクル行う。
図2は、実施例1でのSiO2膜の作成時に使用した成膜プロセスの一例を示し、図3は、成膜プロセス中の各ステップで起こる反応を示した説明図である。成膜プロセスは、(1)HCD供給ステップ、(2)第1パージステップ、(3)O3供給ステップ、(4)第2パージステップの4ステップにて1サイクルとなる。
まず制御装置9により搬送手段65を制御して、成膜しようとする1枚のウェハ1を処理炉50の処理室52内に搬入して、基板支持台12上に支持させる。また、排気配管7のバルブ37を開き、ポンプ8によって処理室52内を真空引きする。また、昇温用ヒータ3によってウェハ1を所定温度に加熱する。排気配管加熱ヒータ20、処理室壁加熱ヒータ21、HCD供給配管加熱ヒータ22によって配管及び処理室内壁を所定温度に加熱する。温度が安定したら、次の4つのステップを順次実行する。
まず制御装置9により搬送手段65を制御して、成膜しようとする1枚のウェハ1を処理炉50の処理室52内に搬入して、基板支持台12上に支持させる。また、排気配管7のバルブ37を開き、ポンプ8によって処理室52内を真空引きする。また、昇温用ヒータ3によってウェハ1を所定温度に加熱する。排気配管加熱ヒータ20、処理室壁加熱ヒータ21、HCD供給配管加熱ヒータ22によって配管及び処理室内壁を所定温度に加熱する。温度が安定したら、次の4つのステップを順次実行する。
(1)HCD供給ステップ
制御装置9によってHCD供給配管10のバルブ34を開く。HCD供給器4から気化したHCDを処理室52に供給しつつ排気配管7から排気して、ウェハ表面の下地膜60の表面にHCDを構成する三塩化シリコン(SiCl3)を吸着させる(図3(a))。
HCDガスを処理室52に供給しつつ排気するときは、排気配管7に設けた圧力制御部38を適正に調節して処理室52内圧力を10〜1000Paとする。流量制御器55で制御するHCDの供給流量は10〜10000ccmである。HCDにウェハ1を晒す時間は2〜120秒間である。このときの昇温ヒータ3により加熱されるウェハの温度を、300〜600℃、好ましくは400〜500℃となるように制御装置9により設定する。
また、HCDガスを処理室52に供給しつつ排気するときは、HCDガスが配管内壁や処理室内壁に触れてHCDが再液化しないように、HCD供給配管加熱ヒータ10、処理室壁加熱ヒータ21、排気配管加熱ヒータ20によって、HCD供給配管10、処理室内壁、排気配管7を80〜180℃に加熱する。
(2)第1パージステップ
HCD供給配管10のバルブ34を閉じてHCDの供給を止める。そして、排気配管7を通して処理室52を真空排気し、下地膜60との吸着反応に寄与した後の残留HCDガスを排除する(図3(b))。この時、不活性ガス供給配管6のバルブ36を開けて、不活性ガス供給配管6から不活性ガスとしてArを処理室52に供給して残留ガスをパージすると、更に下地膜60との吸着反応に寄与した後の残留ガスを処理室52から排除する効果が高まる。なお、ここでは不活性ガスとしてArを用いたが、窒素(N2)でもよい。また、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)などの希ガスを用いてもよい。
制御装置9によってHCD供給配管10のバルブ34を開く。HCD供給器4から気化したHCDを処理室52に供給しつつ排気配管7から排気して、ウェハ表面の下地膜60の表面にHCDを構成する三塩化シリコン(SiCl3)を吸着させる(図3(a))。
HCDガスを処理室52に供給しつつ排気するときは、排気配管7に設けた圧力制御部38を適正に調節して処理室52内圧力を10〜1000Paとする。流量制御器55で制御するHCDの供給流量は10〜10000ccmである。HCDにウェハ1を晒す時間は2〜120秒間である。このときの昇温ヒータ3により加熱されるウェハの温度を、300〜600℃、好ましくは400〜500℃となるように制御装置9により設定する。
また、HCDガスを処理室52に供給しつつ排気するときは、HCDガスが配管内壁や処理室内壁に触れてHCDが再液化しないように、HCD供給配管加熱ヒータ10、処理室壁加熱ヒータ21、排気配管加熱ヒータ20によって、HCD供給配管10、処理室内壁、排気配管7を80〜180℃に加熱する。
(2)第1パージステップ
HCD供給配管10のバルブ34を閉じてHCDの供給を止める。そして、排気配管7を通して処理室52を真空排気し、下地膜60との吸着反応に寄与した後の残留HCDガスを排除する(図3(b))。この時、不活性ガス供給配管6のバルブ36を開けて、不活性ガス供給配管6から不活性ガスとしてArを処理室52に供給して残留ガスをパージすると、更に下地膜60との吸着反応に寄与した後の残留ガスを処理室52から排除する効果が高まる。なお、ここでは不活性ガスとしてArを用いたが、窒素(N2)でもよい。また、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)などの希ガスを用いてもよい。
(3)O3供給ステップ
制御装置9により不活性ガス供給配管6のバルブ36を閉じ、オゾン供給配管11のバルブ35を開いて処理室にO3を供給しつつ排気配管7から排気する。これによりO3が、ウェハ表面に吸着しているSiCl3と表面反応して、Clが脱離するとともに、ウェハ1上にSiO2膜が形成される(図3(c))。
O3ガスを処理室52に供給しつつ排気するときは、排気配管7に設けた圧力制御部38を適正に調節して処理室52内圧力を10〜100Paとする。流量制御器32で制御するO3の供給流量は1000〜10000sccmである。O3にウェハ1を晒す時間は2〜120秒間である。このときのヒータ3により加熱されるウェハの温度を、ウェハ表面に吸着したHCDを構成するSiCl3とO3とが反応して、SiO2膜を堆積させる程度の温度である300〜600℃、好ましくは400〜500℃となるように制御装置9により設定する。
本実施例では、酸化剤としてO2ではなく、O3を処理室に供給している。O2は反応温度が高いため、上述した500℃以下の低温ではSiCl3と反応しない。そこで、500℃以下の低温でも反応するO3を処理室に流すようにしている。
制御装置9により不活性ガス供給配管6のバルブ36を閉じ、オゾン供給配管11のバルブ35を開いて処理室にO3を供給しつつ排気配管7から排気する。これによりO3が、ウェハ表面に吸着しているSiCl3と表面反応して、Clが脱離するとともに、ウェハ1上にSiO2膜が形成される(図3(c))。
O3ガスを処理室52に供給しつつ排気するときは、排気配管7に設けた圧力制御部38を適正に調節して処理室52内圧力を10〜100Paとする。流量制御器32で制御するO3の供給流量は1000〜10000sccmである。O3にウェハ1を晒す時間は2〜120秒間である。このときのヒータ3により加熱されるウェハの温度を、ウェハ表面に吸着したHCDを構成するSiCl3とO3とが反応して、SiO2膜を堆積させる程度の温度である300〜600℃、好ましくは400〜500℃となるように制御装置9により設定する。
本実施例では、酸化剤としてO2ではなく、O3を処理室に供給している。O2は反応温度が高いため、上述した500℃以下の低温ではSiCl3と反応しない。そこで、500℃以下の低温でも反応するO3を処理室に流すようにしている。
(4)第2パージステップ
オゾン供給配管11のバルブ35を閉じてO3の供給を止める。そして、排気配管7を通して処理室52を真空排気し、SiCl3と表面反応に寄与した後の残留O3ガスを排除する(図3(d))。この時、不活性ガス供給配管6のバルブ39を開けて不活性ガス供給配管40から不活性ガスとしてArを処理室52に供給して残留ガスをパージすると、更に表面反応に寄与した後の残留ガスを処理室52から排除する効果が高まる。なお、ここでは不活性ガスとしてArを用いたが、上述した窒素(N2)や他の希ガスを用いてもよい。
オゾン供給配管11のバルブ35を閉じてO3の供給を止める。そして、排気配管7を通して処理室52を真空排気し、SiCl3と表面反応に寄与した後の残留O3ガスを排除する(図3(d))。この時、不活性ガス供給配管6のバルブ39を開けて不活性ガス供給配管40から不活性ガスとしてArを処理室52に供給して残留ガスをパージすると、更に表面反応に寄与した後の残留ガスを処理室52から排除する効果が高まる。なお、ここでは不活性ガスとしてArを用いたが、上述した窒素(N2)や他の希ガスを用いてもよい。
上述した(1)〜(4)のステップを繰り返して成膜を行う。繰り返し回数は、成膜温度、及び必要とする膜厚に応じて変更する。また不活性ガスArによる第1パージステップ、第2パージステップでは、残留ガスが無くなるのに十分な時間でパージする。十分な時間で処理室内をパージすると、HCDとO3とが気相中で直接反応することを回避でき、成膜パーティクル等が発生することを防止できる。
最後に、制御装置9によって昇温用ヒータ3によるウェハ1の加熱を停止する。ウェハ1が所定温度に降温したら、搬送手段65を制御して、成膜後の1枚のウェハ1を処理炉50の処理室52内から搬出する。
上述した基板処理装置、及び成膜プロセスを用いて、SiO2膜の堆積温度である成膜温度を300℃、400℃、450℃、500℃と変えて、SiO2膜の成膜速度に対する成膜温度の依存性を調べた。図4は、1サイクル当たりの成膜速度の温度依存性を示す結果ある。このとき(1)のHCD供給ステップは240秒、(2)の第1パージステップは25秒、(3)のO3供給ステップは60秒、(4)の第2パージステップは30秒で、総時間355秒/サイクルで処理している。
図4から、成膜温度が300℃では0.1Å/サイクル程度の成膜速度となり、10nm成膜するためには98時間かかる換算となり、生産効率が悪いことがわかる。実際の使用を考えると、成膜温度は、0.46Å/サイクル以上の成膜速度が得られる400℃以上であることが好ましい。成膜温度が高くなるほど成膜速度は上がるが、成膜温度が500℃を超えると、ICの最小加工寸法の縮小化に伴い要求される低温化を満たすことが困難になるとともに、O3供給ステップで用いるO3の寿命が短くなるため好ましくない。したがって、成膜温度は400〜500℃が好ましい。
ところで、SiO2膜中にCl元素が含まれていると、成膜後に行われるアニール工程などにより膜中のClが脱離した部位(Clが存在していた部位)の膜が縮むため、膜中のCl含有量が多いと、SiO2膜がコンフォーマルにならないという現象が生じる。また、Clを膜中に閉じ込めておかないと、ClがSiO2膜から出てH2Oなどと反応して、HClを発生するおそれがある。このため、SiO2膜中のCl含有量が多くなることは好ましくない。
そこで、成膜温度450℃と500℃とでSiO2成膜を成膜したときの、ウェハ表面の各元素O、C、Cl、Siの定量値を調べた。図5は、ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)によって求めた、ウェハ表面の各元素の定量結果である。この結果をみると、懸念されたClの含有量は1%以下となっていることがわかる。したがって、本実施例は、HCDのような塩素系原料を使用しているにもかかわらず、Cl含有量の少ないSiO2膜の形成に有効であることが分かる。第1反応物質中にClが含まれているにもかかわらず、膜中のCl濃度が低い理由は、酸化剤として用いたO3の酸化力が強く、Clを膜中から十分に脱離させることができているからであると考えられる。
そこで、成膜温度450℃と500℃とでSiO2成膜を成膜したときの、ウェハ表面の各元素O、C、Cl、Siの定量値を調べた。図5は、ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)によって求めた、ウェハ表面の各元素の定量結果である。この結果をみると、懸念されたClの含有量は1%以下となっていることがわかる。したがって、本実施例は、HCDのような塩素系原料を使用しているにもかかわらず、Cl含有量の少ないSiO2膜の形成に有効であることが分かる。第1反応物質中にClが含まれているにもかかわらず、膜中のCl濃度が低い理由は、酸化剤として用いたO3の酸化力が強く、Clを膜中から十分に脱離させることができているからであると考えられる。
また、SiO2膜の成膜速度は半導体デバイスの生産効率に直接影響するので、重要である。そこで、第2の反応物質である酸化剤としてO3とO2とを用いたときの成膜速度を比較した。成膜温度は500℃とした。HCD供給ステップはHCD流量50ccm、30秒/サイクルとし、O3供給ステップはO3又はO2流量1500sccm、60秒/サイクルとした。O3を用いた場合、成膜速度は、1.54Å/cycleとなり、O2を用いた場合は、0.26Å/cycleとなった。O3を用いた方が、O2を用いたよりも成膜速度が6倍速くなることが分かる。これは、O3はO2よりも酸化力があるためと考えられる。このようにO2では酸化力が弱いため、第2の反応物質としてO2を使用する場合は、O2をプラズマ励起することにより活性種として処理室に供給することが好ましい。
実施例1では基板処理装置の処理炉に、枚葉式処理炉を用いた場合について説明した。実施例2では、縦型処理炉を用いた場合を説明する。なお、酸化剤は実施例1と同じくO3を用いている。
図6は、実施例2にかかる縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面で示す。加熱手段であるヒータ3の内側に、基板であるウェハ1を処理する処理容器としての反応管2が設けられる。この反応管2の下端開口は、蓋体であるシールキャップ111により気密部材であるOリング110を介して気密に閉塞される。反応管2の内部に処理室100が形成される。少なくとも、上記ヒータ3、反応管2、及びシールキャップ111により処理炉101を形成している。シールキャップ111には石英キャップ116を介して基板保持手段であるボート115が立設される。前記石英キャップ116はボート115を保持する保持体となっている。そして、ボート115は処理室100に挿入される。ボート115にはバッチ処理される複数のウェハ1が水平姿勢で管軸方向に隙間をもって多段に積載される。前記ヒータ3は処理室100に挿入されたウェハ1を所定の温度に加熱する。
図6は、実施例2にかかる縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面で示す。加熱手段であるヒータ3の内側に、基板であるウェハ1を処理する処理容器としての反応管2が設けられる。この反応管2の下端開口は、蓋体であるシールキャップ111により気密部材であるOリング110を介して気密に閉塞される。反応管2の内部に処理室100が形成される。少なくとも、上記ヒータ3、反応管2、及びシールキャップ111により処理炉101を形成している。シールキャップ111には石英キャップ116を介して基板保持手段であるボート115が立設される。前記石英キャップ116はボート115を保持する保持体となっている。そして、ボート115は処理室100に挿入される。ボート115にはバッチ処理される複数のウェハ1が水平姿勢で管軸方向に隙間をもって多段に積載される。前記ヒータ3は処理室100に挿入されたウェハ1を所定の温度に加熱する。
そして、処理室100へは複数種類、ここでは2種類の反応ガスと1種類の不活性ガスとを供給する供給管としてHCD供給配管10、オゾン供給配管11、不活性ガス供給配管6及び40がそれぞれ設けられている。HCD供給配管10には、HCDを気化する気化器54を有するHCD供給器4が接続される。オゾン供給配管11には、オゾンを発生するオゾン発生器5が接続される。このオゾン発生器5には、O3の原料となる酸素(O2)をオゾン発生器5に供給するための酸素配管30と、O3を発生させる時に使用する窒素(N2)をオゾン発生器5に供給するための窒素配管31とが接続される。
HCD供給配管10からは、流量制御手段である流量制御器41及び開閉弁であるバルブ34を介し、更に処理室100内に設置されたノズル113を介して処理室100にHCDガスが供給される。HCD供給配管加熱ヒータ22は、HCDが再液化しない温度で、かつHCD供給配管10に用いられているOリングなどのシール材が劣化しない温度となるように、HCD供給配管10を加熱する。
オゾン供給配管11からは、流量制御手段である流量制御器32、開閉弁であるバルブ35を介し、更に処理室100内に設置されたノズル114を介して、処理室100にO3ガスが供給される。バルブ35より下流側のオゾン供給配管11に設けたオゾン供給配管加熱ヒータ24は、O3の寿命が短くならないようにオゾン供給配管11を加熱する。
また、不活性ガス供給配管6からは、不活性ガスが、流量制御手段である流量制御器33及び開閉弁であるバルブ36を通り、オゾン供給配管11のバルブ35の下流側でオゾン供給配管11に入り、それ以降O3と共通の経路を通り、処理室100内に設置されたノズル114を介して処理室100に供給される。また、不活性ガス供給配管40からは、不活性ガスが、開閉弁であるバルブ39を通り、HCD供給配管10のバルブ34の下流側でHCD供給配管10に入り、それ以降HCDと共通の経路を通り、処理室100内に設置されたノズル113を介して処理室100に供給される。不活性ガス供給配管6及び40を流れる不活性ガスには、本実施例では共にArを用いている。
HCD供給配管10からは、流量制御手段である流量制御器41及び開閉弁であるバルブ34を介し、更に処理室100内に設置されたノズル113を介して処理室100にHCDガスが供給される。HCD供給配管加熱ヒータ22は、HCDが再液化しない温度で、かつHCD供給配管10に用いられているOリングなどのシール材が劣化しない温度となるように、HCD供給配管10を加熱する。
オゾン供給配管11からは、流量制御手段である流量制御器32、開閉弁であるバルブ35を介し、更に処理室100内に設置されたノズル114を介して、処理室100にO3ガスが供給される。バルブ35より下流側のオゾン供給配管11に設けたオゾン供給配管加熱ヒータ24は、O3の寿命が短くならないようにオゾン供給配管11を加熱する。
また、不活性ガス供給配管6からは、不活性ガスが、流量制御手段である流量制御器33及び開閉弁であるバルブ36を通り、オゾン供給配管11のバルブ35の下流側でオゾン供給配管11に入り、それ以降O3と共通の経路を通り、処理室100内に設置されたノズル114を介して処理室100に供給される。また、不活性ガス供給配管40からは、不活性ガスが、開閉弁であるバルブ39を通り、HCD供給配管10のバルブ34の下流側でHCD供給配管10に入り、それ以降HCDと共通の経路を通り、処理室100内に設置されたノズル113を介して処理室100に供給される。不活性ガス供給配管6及び40を流れる不活性ガスには、本実施例では共にArを用いている。
処理室100はガスを排気する排気管である排気配管7によりバルブ42を介して排気手段であるポンプ8に接続され、真空排気されるようになっている。なお、このバルブ42は、弁を開閉して処理室100の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調節して圧力調節可能になっている開閉弁である。本実施例ではバルブ42は圧力調節が可能な開閉弁であるが、実施例1の図1のように、バルブ42を、処理室100の真空排気・真空排気の停止のための開閉弁であるバルブ37と、圧力制御手段である圧力制御部38とに分けて設置してもよい。
排気配管加熱ヒータ20は、HCDが再液化しない温度で、かつ排気配管7に用いられているOリングなどのシール材が劣化しない温度となるように、排気配管7を加熱する。
排気配管加熱ヒータ20は、HCDが再液化しない温度で、かつ排気配管7に用いられているOリングなどのシール材が劣化しない温度となるように、排気配管7を加熱する。
上述したHCD供給器4、HCD供給配管10、流量制御器41、HCD供給配管加熱ヒータ22、バルブ34、ノズル113から本発明の第1供給系が構成される。また、上述したオゾン発生器5、オゾン供給配管11、流量制御器32、バルブ35、ノズル114から第2供給系が構成される。また、不活性ガス供給配管6、流量制御器33及びバルブ36と、不活性ガス供給配管40及びバルブ39等から第3供給系が構成される。また、排気配管7、バルブ42、排気配管加熱ヒータ20、ポンプ8から排気系が構成される。
反応管2内の中央部には複数枚のウェハ1を多段に同一間隔で載置するボート115が設けられている。このボート115は、図中省略のボートエレベータ機構により反応管2に出入りできるようになっている。またウェハ処理の均一性を向上するためにボート115を回転するための回転手段であるボート回転機構112が設けてある。ボート回転機構112を駆動することにより、石英キャップ116に保持されたボート115を回転するようになっている。
制御手段である制御装置9は、流量制御器32、33、41、気化器54、バルブ34、35、36、39、42、ヒータ3、真空ポンプ8、ボート回転機構112、図中省略のボート昇降機構に接続されている。制御装置9によって、流量制御器32、33、41の流量調節、バルブ34、35、36、39の開閉動作、バルブ42の開閉及び圧力調節動作、ヒータ3の温度調節、真空ポンプ8の起動・停止、ボート回転機構112の回転速度調節、ボート昇降機構の昇降動作の制御が行われる。
次に上述した実施例2の基板処理装置を用いて行った、ウェハ1への成膜プロセス例について説明する。第1及び第2反応物質としてHCD及びO3ガスを用い、ALD法によってSiO2膜を成膜した。
まず、図中省略のボート昇降機構により、シールキャップ111を介してボート115を下降して反応管2から取り出す。搬送手段65を用いて成膜しようとする複数枚のウェハ1をボート115に装填する。ボート昇降機構により、複数枚のウェハ1を装填したボート115を反応管2内に搬入する。シールキャップ111が反応管2の下端開口を完全に密封した後、排気配管7のバルブ42を開き、ポンプ8によって反応管2内を真空引きする。また、ヒータ3によってウェハ1を所定温度に加熱する。排気配管加熱ヒータ20、HCD供給配管加熱ヒータ22、オゾン供給配管加熱ヒータ24によって配管を所定温度に加熱する。温度が安定したら、次の4つのステップを順次実行する。
まず、図中省略のボート昇降機構により、シールキャップ111を介してボート115を下降して反応管2から取り出す。搬送手段65を用いて成膜しようとする複数枚のウェハ1をボート115に装填する。ボート昇降機構により、複数枚のウェハ1を装填したボート115を反応管2内に搬入する。シールキャップ111が反応管2の下端開口を完全に密封した後、排気配管7のバルブ42を開き、ポンプ8によって反応管2内を真空引きする。また、ヒータ3によってウェハ1を所定温度に加熱する。排気配管加熱ヒータ20、HCD供給配管加熱ヒータ22、オゾン供給配管加熱ヒータ24によって配管を所定温度に加熱する。温度が安定したら、次の4つのステップを順次実行する。
(1)HCD供給ステップ
このステップでは、制御装置9を用いてHCD供給配管10のバルブ34を開く。HCD供給器4の気化器54でHCDを気化させる。気化したHCDをHCD供給配管10の途中に設けた流量制御器41で流量制御して、HCD供給配管10及びノズル113を介して処理室100に供給しつつ排気する。HCDはウェハ1上の下地膜表面に吸着する。
HCDガスを流すときは、排気配管7に設けたバルブ42を適正に調節して処理室100内圧力を10〜1000Paとする。流量制御器41で制御するHCDの供給流量は10〜10000ccmである。HCDの供給時間、すなわちHCDにウェハ1を晒す時間は2〜120秒間に設定した。このときのヒータ3の温度はウェハの温度がHCDがウェハ上の下地膜表面に吸着する程度の温度である300〜600℃、好ましくは400〜500℃となるように制御装置9により設定してある。
このステップでは、制御装置9を用いてHCD供給配管10のバルブ34を開く。HCD供給器4の気化器54でHCDを気化させる。気化したHCDをHCD供給配管10の途中に設けた流量制御器41で流量制御して、HCD供給配管10及びノズル113を介して処理室100に供給しつつ排気する。HCDはウェハ1上の下地膜表面に吸着する。
HCDガスを流すときは、排気配管7に設けたバルブ42を適正に調節して処理室100内圧力を10〜1000Paとする。流量制御器41で制御するHCDの供給流量は10〜10000ccmである。HCDの供給時間、すなわちHCDにウェハ1を晒す時間は2〜120秒間に設定した。このときのヒータ3の温度はウェハの温度がHCDがウェハ上の下地膜表面に吸着する程度の温度である300〜600℃、好ましくは400〜500℃となるように制御装置9により設定してある。
(2)第1パージステップ
このステップでは、HCD供給配管10のバルブ34を閉じて、処理室100を真空排気し、吸着反応に寄与した後の残留ガスを排除する。この時、不活性ガス供給配管40のバルブ39を開けて不活性ガス供給配管40から不活性ガスとしてArを処理室100内に供給して残留ガスをパージすると、更に吸着反応に寄与した後の残留ガスを処理室100から排除する効果が高まる。なお、本実施例では、不活性ガスとしてArを用いたが、上述したようにN2や他の希ガスでも構わない。
このステップでは、HCD供給配管10のバルブ34を閉じて、処理室100を真空排気し、吸着反応に寄与した後の残留ガスを排除する。この時、不活性ガス供給配管40のバルブ39を開けて不活性ガス供給配管40から不活性ガスとしてArを処理室100内に供給して残留ガスをパージすると、更に吸着反応に寄与した後の残留ガスを処理室100から排除する効果が高まる。なお、本実施例では、不活性ガスとしてArを用いたが、上述したようにN2や他の希ガスでも構わない。
(3)O3供給ステップ
このステップでは、オゾン発生器5からO3ガスを流す。制御装置9によりオゾン供給配管11に設けたバルブ35を開けて、オゾン供給配管11から流量制御器32により流量調節されたO3ガスをノズル114から処理室100に供給しつつ排気配管7から排気する。O3を供給することにより、下地膜上に吸着したHCDとO3とが表面反応して、ウェハ1上にSiO2膜が成膜される。
このステップでは、オゾン発生器5からO3ガスを流す。制御装置9によりオゾン供給配管11に設けたバルブ35を開けて、オゾン供給配管11から流量制御器32により流量調節されたO3ガスをノズル114から処理室100に供給しつつ排気配管7から排気する。O3を供給することにより、下地膜上に吸着したHCDとO3とが表面反応して、ウェハ1上にSiO2膜が成膜される。
O3ガスを流すときは、排気配管7に設けたバルブ42を適正に調節して処理室100内圧力を10〜100Paとする。流量制御器32で制御するO3の供給流量は1000〜10000sccmである。O3にウェハ1を晒す時間は2〜120秒間である。このときのヒータ3の温度はウェハの温度が下地膜上に吸着したHCDとO3とが反応して、SiO2膜を堆積させる程度の温度である300〜600℃、好ましくは400〜500℃となるように制御装置9により設定してある。
(4)第2パージステップ
成膜後のこのステップ4は、オゾン供給配管11のバルブ35を閉じて処理室100を排気配管7を介して真空排気し、成膜に寄与した後の残留ガスを排除する。この時、不活性ガス供給配管6のバルブ36を開けて不活性ガス供給配管6から不活性ガスとしてArを流量制御器33で流量制御して処理室100内に供給することにより、残留ガスをパージすると、更に成膜に寄与した後の残留ガスを処理室100から排除する効果が高まる。なお、本実施例では、不活性ガスとしてArを用いたが、上述したN2や他の希ガスでも構わない。
成膜後のこのステップ4は、オゾン供給配管11のバルブ35を閉じて処理室100を排気配管7を介して真空排気し、成膜に寄与した後の残留ガスを排除する。この時、不活性ガス供給配管6のバルブ36を開けて不活性ガス供給配管6から不活性ガスとしてArを流量制御器33で流量制御して処理室100内に供給することにより、残留ガスをパージすると、更に成膜に寄与した後の残留ガスを処理室100から排除する効果が高まる。なお、本実施例では、不活性ガスとしてArを用いたが、上述したN2や他の希ガスでも構わない。
実施例2では、2本の不活性ガス供給配管6、40を設けて、それらをHCD供給配管10とオゾン供給配管11の途中、バルブ34、11の下流側に合流接続している。これにより、バルブ34、11の下流側からHCD供給配管10とオゾン供給配管11とに不活性ガスをそれぞれ流せるようにしている。したがって、実施例1のように1本の不活性ガス供給配管6をHCD供給配管10やオゾン供給配管11とは独立に設けたものと異なり、バルブ34、35の下流側のHCD供給配管10及びノズル113、又はオゾン供給配管11及びノズル114内に残留しているHCD又はO3をもパージすることができる。
上記ステップ1〜4を1サイクルとし、このサイクルを複数回繰り返すことによりウェハ1上に所定膜厚のSiO2膜を成膜する。
最後に、図中省略のボート昇降機構によりシールキャップ111を介してボート115を下降し、反応管2から取り出す。そして、搬送手段65を用いて成膜後のウェハ1をボート115から搬出する。
最後に、図中省略のボート昇降機構によりシールキャップ111を介してボート115を下降し、反応管2から取り出す。そして、搬送手段65を用いて成膜後のウェハ1をボート115から搬出する。
ここでは、縦型の処理炉を使用し、オゾン(O3)の代りに、酸素(O2)を用いて、これをプラズマ励起することにより活性種として処理室に供給するようにした実施例を図7を用いて説明する。なお、基本的な構成は図6と同じであるので、図6を用いて説明した部分と同じ部分には同符号を付して説明を省略する。
図7は、本実施例3にかかる縦型の基板処理装置の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面で示し、図8は同じく処理炉部分を横断面で示している。
図7は、本実施例3にかかる縦型の基板処理装置の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面で示し、図8は同じく処理炉部分を横断面で示している。
処理室100へは複数種類、ここでは2種類の反応ガスを供給する供給管としてHCD供給配管10、酸素供給配管213が設けられている。
ここではHCD供給配管10からは、流量制御手段である流量制御器41及び開閉弁であるバルブ34を介し、更に後述する処理室100内に設置されたガス供給部216を介して処理室100にHCDガスが供給される。
酸素供給配管213からは、流量制御手段である流量制御器32、開閉弁であるバルブ35を介し、更に後述するバッファ室212を介して、処理室100にO2ガスが供給される。
ここではHCD供給配管10からは、流量制御手段である流量制御器41及び開閉弁であるバルブ34を介し、更に後述する処理室100内に設置されたガス供給部216を介して処理室100にHCDガスが供給される。
酸素供給配管213からは、流量制御手段である流量制御器32、開閉弁であるバルブ35を介し、更に後述するバッファ室212を介して、処理室100にO2ガスが供給される。
処理室100を構成している反応管2の内壁の一部とウェハ1との間における円弧状の空間には、反応管2の下部より上部の内壁にウェハ1の積載方向に沿って、ガス分散空間であるバッファ室212が設けられている。そのバッファ室212のウェハ1と隣接する室壁の端部には処理室100内にガスを供給する供給孔であるガス供給孔211が設けられている。このガス供給孔211は反応管2の中心へ向けて開口している。このガス供給孔211は、下部から上部にわたってそれぞれ同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。
そしてバッファ室212のガス供給孔211が設けられた端部と反対側の端部には、ノズル114が、やはり反応管2の下部より上部にわたりウェハ1の積載方向に沿って配設されている。そしてノズル114には複数のガスを供給する供給孔であるガス供給孔217が設けられている。このガス供給孔217の開口面積は、バッファ室212と処理室100の差圧が小さい場合には、上流側から下流側まで同一の開口面積で同一の開口ピッチとすると良い。上記差圧が大きい場合には上流側から下流側に向かって開口面積を大きくするか、開口ピッチを小さくすると良い。
実施例3において、ノズル114に設けたガス供給孔217の開口面積や開口ピッチを上流側から下流側にかけて適正に調節している。これにより、まず、ガス供給孔217の各供給口よりガスの流速の差はあるが、流量はほぼ同量であるガスを噴出させるようにしている。つぎに、このガス供給孔217の各ガス供給口から噴出するガスを、バッファ室212に一旦導入して、前記ガスの流速差の均一化を行ってから、処理室100に供給するようにしている。
すなわち、バッファ室212において、ガス供給孔217より噴出したガスはバッファ室212で各ガスの粒子速度が緩和された後、ガス供給孔211より処理室100に噴出する。この間に、ガス供給孔217より噴出したガスは、ガス供給孔211の各ガス供給口より噴出する際には、均一な流量と流速とを有するガスとすることができる。
すなわち、バッファ室212において、ガス供給孔217より噴出したガスはバッファ室212で各ガスの粒子速度が緩和された後、ガス供給孔211より処理室100に噴出する。この間に、ガス供給孔217より噴出したガスは、ガス供給孔211の各ガス供給口より噴出する際には、均一な流量と流速とを有するガスとすることができる。
さらに、バッファ室212に、細長い構造を有する第1の電極である第1の棒状電極230及び第2の電極である第2の棒状電極231が、反応管2の上部より下部にわたって電極を保護する保護管である電極保護管218、220に保護されて配設される。この第1の棒状電極230又は第2の棒状電極231のいずれか一方は整合器232を介して高周波電源233に接続され、他方は基準電位であるアースに接続されている。この結果、第1の棒状電極230及び第2の棒状電極231間のプラズマ生成領域219にプラズマが生成される。
少なくとも上述した第1の棒状電極230と第2の棒状電極231とから励起手段66が構成される。
この電極保護管218、220は、第1の棒状電極230及び第2の棒状電極231のそれぞれをバッファ室212の雰囲気と隔離した状態でバッファ室212に挿入できる構造となっている。ここで、電極保護管218、220の内部は外気(大気)と同一雰囲気であると、電極保護管218、220にそれぞれ挿入された第1の棒状電極230及び第2の棒状電極231はヒータ3の加熱で酸化されてしまう。そこで、不活性ガスパージ機構を設けて、電極保護管218、220の内部は窒素などの不活性ガスを充填、あるいはパージして、酸素濃度を充分低く抑えて第1の棒状電極230、又は第2の棒状電極231の酸化を防止するようにしている。
少なくとも上述した第1の棒状電極230と第2の棒状電極231とから励起手段66が構成される。
この電極保護管218、220は、第1の棒状電極230及び第2の棒状電極231のそれぞれをバッファ室212の雰囲気と隔離した状態でバッファ室212に挿入できる構造となっている。ここで、電極保護管218、220の内部は外気(大気)と同一雰囲気であると、電極保護管218、220にそれぞれ挿入された第1の棒状電極230及び第2の棒状電極231はヒータ3の加熱で酸化されてしまう。そこで、不活性ガスパージ機構を設けて、電極保護管218、220の内部は窒素などの不活性ガスを充填、あるいはパージして、酸素濃度を充分低く抑えて第1の棒状電極230、又は第2の棒状電極231の酸化を防止するようにしている。
さらに、ガス供給孔211の位置より、反応管2の内周を120°程度回った内壁に、ガス供給部216が設けられている。このガス供給部216は、ALD法による成膜においてウェハ1へ、複数種類のガスを1種類ずつ交互に供給する際に、バッファ室212とガス供給種を分担する供給部である。このガス供給部216もバッファ室212と同様にウェハと隣接する位置に同一ピッチでガスを供給する供給孔であるガス供給孔215を有する。ガス供給部216の下部にはHCD供給配管10が接続されている。ガス供給孔215の開口面積はバッファ室212と処理室100の差圧が小さい場合には、上流側から下流側まで同一の開口面積で同一の開口ピッチとすると良いが、差圧が大きい場合には上流側から下流側に向かって開口面積を大きくするか開口ピッチを小さくすると良い。
制御手段である制御装置9は、流量制御器32、33、41、バルブ34、35、36、39、42、ヒータ3、真空ポンプ8、ボート回転機構112、図中省略のボート昇降機構、高周波電源233、整合器232、配管加熱ヒータ20、22、43、に接続されており、流量制御器32、33、41の流量調節、バルブ34、35、36、39、の開閉動作、バルブ42の開閉及び圧力調節動作、ヒータ3温度調節、真空ポンプ8の起動・停止、ボート回転機構112の回転速度調節、ボート昇降機構の昇降動作制御、高周波電源233の電力供給制御、整合器232によるインピーダンス制御、配管加熱ヒータ20、22、43の温度調節を行う。
次に図7及び図8の基板処理装置により、HCD及びO2ガスを用いて、ALD法によってSiO2膜を成膜するプロセス例を説明する。反応管2内にウェハを搬入後、次の4つのステップを順次実行する。
(1)HCD供給ステップ
このステップでは、制御装置9によりHCD供給配管10のバルブ34を開くと共に、排気配管7のバルブ42を開いて、HCDを気化器54で気化して、気化したHCDを流量制御器41で流量制御して処理室100に供給しつつ排気する。HCDはウェハ1上の下地膜表面に吸着する。
HCDガスを流すときは、排気配管7に設けたバルブ42を適正に調節して処理室100内圧力を10〜1000Paとする。流量制御器41で制御するHCDの供給流量は10〜10000ccmである。HCDの供給時間、すなわちにウェハ1を晒す時間は2〜120秒間に設定した。このときのヒータ3の温度はウェハの温度がHCDがウェハ上の下地膜表面に吸着する程度の温度である300〜600℃、好ましくは400〜500℃となるように制御装置9により設定してある。
このステップでは、制御装置9によりHCD供給配管10のバルブ34を開くと共に、排気配管7のバルブ42を開いて、HCDを気化器54で気化して、気化したHCDを流量制御器41で流量制御して処理室100に供給しつつ排気する。HCDはウェハ1上の下地膜表面に吸着する。
HCDガスを流すときは、排気配管7に設けたバルブ42を適正に調節して処理室100内圧力を10〜1000Paとする。流量制御器41で制御するHCDの供給流量は10〜10000ccmである。HCDの供給時間、すなわちにウェハ1を晒す時間は2〜120秒間に設定した。このときのヒータ3の温度はウェハの温度がHCDがウェハ上の下地膜表面に吸着する程度の温度である300〜600℃、好ましくは400〜500℃となるように制御装置9により設定してある。
(2)第1パージステップ
このステップでは、HCD供給配管のバルブ34を閉じて処理室100を真空排気し、吸着に寄与した後の残留ガスを排除する。またこの時、不活性ガス供給配管40のバルブ39を開けて不活性ガス供給配管40から不活性ガスとしてArを処理室100に供給して残留ガスをパージすると、更に吸着に寄与した後の残留ガス等を処理室100から排除する効果が高まる。
このステップでは、HCD供給配管のバルブ34を閉じて処理室100を真空排気し、吸着に寄与した後の残留ガスを排除する。またこの時、不活性ガス供給配管40のバルブ39を開けて不活性ガス供給配管40から不活性ガスとしてArを処理室100に供給して残留ガスをパージすると、更に吸着に寄与した後の残留ガス等を処理室100から排除する効果が高まる。
(3)O2活性種供給ステップ
このステップでは、プラズマ励起の必要なO2ガスを流す。酸素供給配管213に設けたバルブ35を開けて、酸素供給配管213から流量制御器32により流量調節されたO2ガスをノズル114のガス供給孔217からバッファ室212へ噴出する。第1の棒状電極230及び第2の棒状電極231間に高周波電源233から整合器232を介して高周波電力を印加する。2本の電極230、231間で放電させてO2をプラズマ励起し、活性種として処理室100に供給しつつ排気配管7から排気する。O2をプラズマ励起して活性種として供給することにより、下地膜上に吸着したHCDと活性なO2とが表面反応して、ウェハ1上にSiO2膜が成膜される。
このステップでは、プラズマ励起の必要なO2ガスを流す。酸素供給配管213に設けたバルブ35を開けて、酸素供給配管213から流量制御器32により流量調節されたO2ガスをノズル114のガス供給孔217からバッファ室212へ噴出する。第1の棒状電極230及び第2の棒状電極231間に高周波電源233から整合器232を介して高周波電力を印加する。2本の電極230、231間で放電させてO2をプラズマ励起し、活性種として処理室100に供給しつつ排気配管7から排気する。O2をプラズマ励起して活性種として供給することにより、下地膜上に吸着したHCDと活性なO2とが表面反応して、ウェハ1上にSiO2膜が成膜される。
O2ガスをプラズマ励起することにより活性種として流すときは、バルブ42を適正に調節して処理室100内圧力を10〜100Paとする。流量制御器32で制御するO2の供給流量は1000〜10000sccmである。O2をプラズマ励起することにより得られた活性種にウェハ1を晒す時間は2〜120秒間である。このときのヒータ3の温度はウェハが300〜600℃、好ましくは400〜500℃になるよう設定してある。O2は反応温度が高いため、上記ウェハ温度では反応しないので、プラズマ励起することにより活性種としてから流すようにしており、このためウェハ温度は設定した低い温度範囲のままで行える。
(4)第2パージステップ
成膜後のこのステップでは、酸素供給配管213のバルブ35を閉じ、処理室100を真空排気し、成膜に寄与した後の残留O2ガスを排除する。また、この時、不活性ガス供給配管6のバルブ36を開けて、不活性ガス供給配管6からArを処理室100に供給して、残留ガスをパージすると、更に成膜に寄与した後の残留ガス等を処理室100から排除する効果が高まる。
成膜後のこのステップでは、酸素供給配管213のバルブ35を閉じ、処理室100を真空排気し、成膜に寄与した後の残留O2ガスを排除する。また、この時、不活性ガス供給配管6のバルブ36を開けて、不活性ガス供給配管6からArを処理室100に供給して、残留ガスをパージすると、更に成膜に寄与した後の残留ガス等を処理室100から排除する効果が高まる。
上記ステップ1〜4を1サイクルとし、このサイクルを複数回繰り返すことによりウェハ1上に所定膜厚のSiO2膜を成膜する。成膜後、ウェハ1を反応管2から搬出する。
以上、実施例1〜実施例3で述べたように、第1反応物質としてHCDを、第2反応物質としてO3又はO2をそれぞれ用いており、Cl原子を含む反応ガスは使用しているものの、H原子を含むガスは用いていないので、HClが発生せず、配管等が腐食する等の問題が生じない。
また、実施の形態により成膜されるSiO2膜にはCl含有量が少ないので、均質かつコンフォーマル(均一)なSiO2膜が得ることができる。
また、成膜法にはALD法を用いているので、500℃以下の低温でSiO2膜を堆積することができる。したがって、ICの最小加工寸法の縮小化に伴う低温化の要請に応えることができる。
また、気化したHCDが流れるHCD供給配管又は/及び排気配管の温度を、適正な温度に加熱調節しているので、常温常圧で液体であるHCDが再液化することがなく、HCDを気化状態のまま流すことができるとともに、配管をシールしているシール材の劣化も有効に防止できる。
また、反応ガスにTEOSとO2などを使用してCVD法で成膜すると、排気配管の内壁面に真っ白なゴミが付着することが多く、メンテナンスサイクルが短くなる。この真っ白なゴミは、TEOSとO2が気相中で反応することによって生じたSiO2と考えられる。しかし、実施例のようにHCDとO3を用い、それらを交互供給してALD法により成膜するようにすると、そのようなことがないのでメンテナンスサイクルを長くすることができる。排気配管の内壁面に白いゴミが付着しないのは、HCDとO3を交互供給することにより、HCDとO3が気相中で反応するのを抑えることができるからと考えられる。
なお、実施例では、ステップカバレッジの良好なALD法を用いた実施例を説明したが、本発明はこれに限定されず、CVD法(MOCVD法も含む)を用いた場合にも適用できる。
また、実施の形態により成膜されるSiO2膜にはCl含有量が少ないので、均質かつコンフォーマル(均一)なSiO2膜が得ることができる。
また、成膜法にはALD法を用いているので、500℃以下の低温でSiO2膜を堆積することができる。したがって、ICの最小加工寸法の縮小化に伴う低温化の要請に応えることができる。
また、気化したHCDが流れるHCD供給配管又は/及び排気配管の温度を、適正な温度に加熱調節しているので、常温常圧で液体であるHCDが再液化することがなく、HCDを気化状態のまま流すことができるとともに、配管をシールしているシール材の劣化も有効に防止できる。
また、反応ガスにTEOSとO2などを使用してCVD法で成膜すると、排気配管の内壁面に真っ白なゴミが付着することが多く、メンテナンスサイクルが短くなる。この真っ白なゴミは、TEOSとO2が気相中で反応することによって生じたSiO2と考えられる。しかし、実施例のようにHCDとO3を用い、それらを交互供給してALD法により成膜するようにすると、そのようなことがないのでメンテナンスサイクルを長くすることができる。排気配管の内壁面に白いゴミが付着しないのは、HCDとO3を交互供給することにより、HCDとO3が気相中で反応するのを抑えることができるからと考えられる。
なお、実施例では、ステップカバレッジの良好なALD法を用いた実施例を説明したが、本発明はこれに限定されず、CVD法(MOCVD法も含む)を用いた場合にも適用できる。
1 ウェハ(基板)
3 ヒータ
9 制御装置(制御手段)
52 処理室
61 第1供給系
62 第2供給系
63 不活性ガス供給系
64 排気系
3 ヒータ
9 制御装置(制御手段)
52 処理室
61 第1供給系
62 第2供給系
63 不活性ガス供給系
64 排気系
Claims (4)
- 排気可能に構成された処理室内に少なくとも1枚の基板を搬入する工程と、
前記処理室内にSi2Cl6を含む物質と、水素原子を含まず酸素原子を含む物質とを供給して前記基板の上にSiO2膜を堆積させる工程と、
前記基板を前記処理室内から搬出する工程と、
を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。 - 排気可能に構成された処理室内に少なくとも1枚の基板を搬入する工程と、
前記処理室内にSi2Cl6を含む第1反応物質を供給する工程と、
前記処理室内に水素原子を含まず酸素原子を含む第2反応物質を供給する工程と、
前記第1反応物質供給工程と前記第2反応物質供給工程とを交互に複数回繰り返すことにより前記基板の上にSiO2膜を堆積させる工程と、
前記基板を前記処理室内から搬出する工程と、
を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。 - 排気可能に構成された処理室内に少なくとも1枚の基板を搬入する工程と、
前記処理室内にSi2Cl6を含む第1反応物質を供給する工程と、
前記処理室内に水素原子を含まず酸素原子を含む第2反応物質を供給する工程と、
前記処理室内に不活性ガスを供給する工程と、
前記第1反応物質供給工程と、前記不活性ガス供給工程と、前記第2反応物質供給工程と、前記不活性ガス供給工程と、をこの順で複数回繰り返すことにより前記基板の上にSiO2膜を堆積させる工程と、
前記基板を前記処理室内から搬出する工程と、
を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。 - 少なくとも1枚の基板を処理する処理室と、
前記処理室内の前記基板を加熱するヒータと、
前記処理室内にSi2Cl6を含む第1反応物質を供給する第1供給系と、
前記処理室内に水素原子を含まず酸素原子を含む第2反応物質を供給する第2供給系と、
前記処理室内に不活性ガスを供給する第3供給系と、
前記処理室内を排気する排気系と、
前記処理室内に、前記第1反応物質、前記不活性ガス、前記第2反応物質、前記不活性ガス、をこの順で複数回繰り返し供給するよう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする基板処理装置。
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