JP2005056918A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温用バルブの寿命を大幅に延ばすことで、高温用バルブの頻繁な交換を防止して基板処理装置のダウンタイム間隔を延長し、装置の稼働率を向上させて、優れた作業効率、製造効率、低コスト性を達成すると共にパーティクルの発生を防止する。
【解決手段】基板12を処理する処理室3と、処理室3に処理ガスを供給する処理ガスライン4と、処理ガスライン4に直列に複数設けられたバルブV1,V2,V3,V4と、該バルブのうち、処理ガスライン4の最も下流にあるバルブV1を閉じ、その他のバルブを開いた状態で処理ガスライン4に処理ガスを供給し、その後全てのバルブを閉じることにより処理ガスライン4の隣り合うバルブ間にそれぞれ処理ガスを充填し、その後バルブを処理ガスライン4の最も下流にあるバルブから順に開くことにより処理ガスを間欠的に処理室3へ供給するよう制御する制御手段とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】基板12を処理する処理室3と、処理室3に処理ガスを供給する処理ガスライン4と、処理ガスライン4に直列に複数設けられたバルブV1,V2,V3,V4と、該バルブのうち、処理ガスライン4の最も下流にあるバルブV1を閉じ、その他のバルブを開いた状態で処理ガスライン4に処理ガスを供給し、その後全てのバルブを閉じることにより処理ガスライン4の隣り合うバルブ間にそれぞれ処理ガスを充填し、その後バルブを処理ガスライン4の最も下流にあるバルブから順に開くことにより処理ガスを間欠的に処理室3へ供給するよう制御する制御手段とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板処理装置に関するものであり、詳しくは、パーティクルの発生が抑制されるとともに、優れた作業効率、製造効率、低コスト性を達成することのできる基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在LSIの高集積化に伴い、半導体プロセスの薄膜化が進められている。それによりALD(Atomic Layer Deposition)のような膜厚均一性を向上させるのに有効な手法が積極的に研究・開発が行われている。ALD法による薄膜成長は原子層堆積として知られ、レイヤー毎にセルフリミットがかかるように、反応ガスとその余剰反応ガスおよび気体反応物を一掃する保護ガスの交互供給によって行われる。またMOCVD法においても薄膜中の不純物除去や膜の組成を所望の品質に調整するために、反応ガスとプラズマや他の類似した活性物質との交互供給を行うことがある。上記のような成膜を行う場合、1サイクル当たりの成膜は数Åとなり、とくに1枚ずつ成膜する枚葉式の場合、スループットが問題となる。現状の量産現場におけるスループット15〜20枚/時相当を実現するには、各ガスの切替時間が数秒もしくは1秒以下であることが必要となる。
他方、液体原料または固体原料を用いる場合、気化器を使用して原料をガス化するため、気化器から処理室にかけては各原料が再液化しない温度以上に加熱する必要がある。そのためガス種によるが、一般に150〜250℃程度の配管加熱が必要なものが多い。したがって、気化器から処理室間の処理ガスの切替に使用するバルブは高温用のバルブでなければならない。一般に100℃以上に耐えうるような高温用バルブは通常のバルブに比べ寿命が短く、使用条件により異なるが数万回程度と通常耐久能力の1/10以下程度と予想される。加えて、高温用バルブは一般的にオールメタル製のバルブである場合が多く、シール部劣化により金属汚染の問題も生じ、パーティクル問題が懸念される。
【0003】
図2は、従来の基板処理装置の一例を説明するための概略図である。
図2において、従来の基板処理装置20は、液体原料を収容する原料タンク21と、液体原料を気化し処理ガスを調製するための気化器22と、この気化した処理ガスを処理室23に供給するための処理ガスライン24と、処理ガスライン24から分岐するとともに処理ガスを処理室23へ供給することなく排気するベントライン25と、処理室23およびベントライン25に接続するとともに、処理ガスまたはその他のガスを吸引するためのポンプ26とを備えてなる。また、処理室23内には、処理される基板31と、これを支持する支持台33が設置されている。なお、V61およびV62は高温用バルブであり、処理ガスライン24およびベントライン25にそれぞれ設けられている。また、処理ガスライン24およびベントライン25は、処理ガスの再液化を防止するためにヒータ(図示せず)によって加温されている。
【0004】
基板処理時、原料タンク21内の液体原料は、圧送N2またはHeによって、液体マスフローコントローラ(MFC)27を経由して気化器22に導入される。これとは別に、キャリアガスライン28からMFC29、熱交換器30を経由してキャリアガス(例えばN2)が気化器22に導入される。気化した処理ガスおよびキャリアガスは、処理ガスライン24を経て処理室23内に供給され、基板31が処理される。続いて、2次処理ガスの処理室23内への供給が必要な場合、2次処理ガス導入部35から2次原料ライン36を通じて2次原料ガスが処理室23に供給されるが、この場合はバルブV61を閉鎖し、バルブV62を開放することにより、処理ガスの処理室23内への供給を停止し、処理ガスが処理室23を経由することなくベントライン25から排気するようにする(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−7697
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高温用バルブであるV61,62を用いて処理ガスの流れ方向の切替を行うと、前記のように高温用バルブは耐久性に劣るため、特に処理ガスの供給と、2次処理ガスの供給を複数回繰り返す処理を行う場合、バルブの寿命が短くなり、頻繁にバルブを交換する必要があり、基板処理装置のダウンタイム間隔が短くなり、稼働率が低下しトータルでみるとスループットが悪化するという問題点がある。また、高温用バルブがオールメタル製のバルブである場合は、シール部劣化により金属汚染やパーティクル発生の恐れがある。
【0007】
したがって本発明の目的は、パーティクルの発生が抑制されるとともに、優れた作業効率、製造効率、低コスト性を達成することのできる基板処理装置の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、下記の構成によって解決される。
(1)基板を処理する処理室と、
前記処理室に処理ガスを供給する処理ガスラインと、
前記処理ガスラインに直列に複数設けられたバルブと、
前記バルブのうち、前記処理ガスラインの最も下流にあるバルブを閉じ、その他のバルブを開いた状態で前記処理ガスラインに処理ガスを供給し、その後全てのバルブを閉じることにより前記処理ガスラインの隣り合うバルブ間にそれぞれ前記処理ガスを充填し、その後バルブを前記処理ガスラインの最も下流にあるバルブから順に開くことにより前記処理ガスを間欠的に前記処理室へ供給するよう制御する制御手段と、を有することを特徴とする基板処理装置。
この構成によれば、バルブの寿命を延ばすことができ、基板処理装置のダウンタイムの間隔を延長することができ、優れた作業効率、製造効率、低コスト性を達成することができるとともに、パーティクルの発生を抑制することのできる基板処理装置が提供される。
【0009】
また、次に示す態様も本発明に好ましいものである。
(2)前記(1)に記載の基板処理装置において、前記バルブは等間隔に配置される。
(3)前記(1)に記載の基板処理装置において、前記制御手段は、一定量の処理ガスを間欠的に処理室へ供給するよう制御する。
(4)前記(1)に記載の基板処理装置において、前記制御手段は、処理ガスを間欠的に供給する際、一つのバルブを開けてから次のバルブを開けるまでの時間を一定とするよう制御する。
(5)前記(1)に記載の基板処理装置において、前記処理ガスラインの、最も上流にある(最も処理室から遠い側にある)バルブの上流側に、他の部分より内径が小さい配管もしくはポーラス状の配管(コンダクタンスを小さくした部分)を設ける。
(6)前記(1)に記載の基板処理装置において、前記処理ガスラインの、最も上流にある(最も処理室から遠い側にある)バルブの上流側に、処理室をバイパスするよう処理ガスを排気するベントラインを設ける。
(7)前記(1)に記載の基板処理装置において、さらに前記処理室内に2次原料を供給する2次原料ラインを有し、前記制御手段は処理室内に処理ガスと2次原料とを交互に供給するよう制御する。
(8) 基板を処理室内に搬入する工程と、
複数のバルブが直列に設けられた処理ガスラインより、前記処理室内に処理ガスを供給して基板を処理する工程と、
処理後の基板を前記処理室から搬出する工程とを有する半導体装置の製造方法であって、
前記基板処理工程では、前記処理ガスラインの最も下流にあるバルブを閉じ、その他のバルブを開いた状態で前記処理ガスラインに処理ガスを供給し、その後全てのバルブを閉じることにより前記処理ガスラインの隣り合うバルブ間にそれぞれ前記処理ガスを充填し、その後バルブを前記処理ガスラインの最も下流にあるバルブから順に開くことにより前記処理ガスを間欠的に前記処理室へ供給することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
図1は、本発明の基板処理装置の一例を説明するための概略図である。
図1において、本発明の基板処理装置10は、液体原料を収容する原料タンク1と、原料タンク1内に収容された液体原料を気化器2に供給する供給ライン18と、供給ライン18に設けられ液体原料の供給流量を制御する液体マスフローコントローラ(MFC)7と、液体原料を気化し処理ガスを調製するための気化器2と、この気化した処理ガスを処理室3に供給するための処理ガスライン4と、ポーラス状の配管14と、処理ガスライン4に直列に複数設けられた高温用バルブV1,V2,V3,V4と、この処理ガスライン4の最も上流にある(最も処理室から遠い側にある)バルブV4のさらに上流側に、処理室3をバイパスするよう処理ガスを排気するベントライン5と、ベントライン5に設けられた高温用バルブV5と、処理室3内を排気する排気管17と、排気管17およびベントライン5に接続するとともに、処理ガスまたはその他のガスを吸引するためのポンプ6とを備えてなる。また、キャリアガスライン8と、液体マスフローコントローラ(MFC)9と、熱交換器11とを備えている。また、2次原料を収容する2次原料タンク15と、2次原料を2次原料タンク15から処理室3へ供給する2次原料ライン16とを備えている。なお、処理ガスライン4およびベントライン5は、処理ガスの再液化を防止するためにヒータ(図示せず)によって例えば150〜250℃に加温されている。また、処理室3内には、処理される基板12と、これを支持する支持台13が設置されている。
【0011】
次に、半導体装置の製造工程の一工程として本発明の基板処理装置を用いて基本を処理する方法について説明する。
まず、基板2を処理室3内に搬入し、支持台13の上に載置する。高温用バルブV1,V2,V3,V4,V5はすべて全開状態としておく。(V5は、処理中は、常に開いた状態としておく。)原料タンク1内の液体原料を、圧送N2またはHeによって供給ライン18に押し出し、液体マスフローコントローラ(MFC)7を経由して気化器2に導入する。これとは別に、キャリアガスライン8からMFC9、熱交換器11を経由してキャリアガス(例えばN2)を気化器2に導入する。続いて、気化器2によって気化した処理ガスおよびキャリアガスを、処理ガスライン4を経て処理室3内に供給するのであるが、ここで本発明によれば、気化器2によって気化した処理ガスをキャリアガスとともに処理室3内に供給するときに、処理ガスライン4に直列に複数設けられたバルブを用いて処理ガスを間欠的に処理室3へ供給することを特徴としている。具体的に説明すると、まず、気化器2によって気化した処理ガスを処理室3内に供給するときに、処理ガスライン4の処理ガス流の最も下流にあるバルブV1を閉じ、その他のバルブV2,V3,V4,V5を開いた状態で処理ガスライン4に処理ガスを供給する。処理ガスの供給完了後、バルブV5以外の全てのバルブを閉じることにより処理ガスライン4の隣り合うバルブ間にそれぞれ処理ガスを充填する。その後バルブを処理ガスライン4の最も下流にある(最も処理室に近い側にある)バルブから順に開くことにより処理ガスを間欠的に処理室3へ供給し、支持台13上に載置された基板12を間欠的に処理する。ここでは、CVDによる表面反応を利用して基板上に薄膜を間欠的に成長させる処理を行う。この場合、処理ガスの1回の供給における供給流量を一定とするため(1回の供給により形成される膜の膜厚を一定とするため)、前記バルブを等間隔に配置し、一定量の処理ガスが間欠的に処理室3へ供給できるようにしておくのが好ましい。また、一つのバルブを開けてから次のバルブを開けるまでの時間を一定とするよう制御するのがさらに好ましい。また、前記処理ガスの処理室3への間欠的供給を、複数回繰り返すようにするのが好ましい。また、処理ガス供給後、次の処理ガスを供給するまでの間に形成した薄膜に対する改質処理(薄膜中に取り込まれた不純物を除去する等の処理)を行うために2次原料タンク15より2次原料ライン16を介して、処理室3内へ2次原料を供給するようにし、処理ガスの供給と、2次原料の供給を複数回繰り返すようにするのが好ましい。これにより薄膜の形成と、薄膜の改質処理を複数回繰り返すサイクル処理を行うとができ、効率的に薄膜の改質を行うことができる。また、処理ガスの供給と2次原料の供給の間に、ガス置換(真空引き、または/および不活性ガスパージ)を行うようにするのが好ましい。これにより、処理ガスと2次原料とが処理室3内で同時に存在することがなくなるためパーティクルの発生を防止できる。
処理後は、基板12を処理室3から搬出する。
【0012】
高温用バルブV1,V2,V3,V4の開閉は、具体的には例えば下記表1に示されるシーケンスによって動作することができる。
【0013】
【表1】
【0014】
表1において、「開始1」とあるのは、気化器2によって気化した処理ガスをキャリアガスとともに処理室3に供給する前の、処理ガスの排気状態を意味している(スタンバイ状態)。すなわち、バルブV4を閉じ、バルブV1,V2,V3を開き、さらにバルブV5を開いた状態とすることにより、処理ガスをベントライン5を介して処理室3をバイパスするよう排気している状態を示している。
なお、バルブV5は、スタンバイ状態以降、常に開いた状態とする。これにより、バルブV5の寿命を延ばすことができる。次に、表1の「処理ガスライン4への処理ガス供給(充填)」の欄に示したように、バルブV1を閉じ、その他のバルブV2,V3,V4を開いた状態で処理ガスライン4に処理ガスを供給して、処理ガスライン4に処理ガスを充填する。その後、バルブ区間に処理ガスを充填するためにバルブV2,V3,V4を閉鎖するがバルブを閉鎖する時期(タイミング)は、表1の「バルブ区間への処理ガス充填」の欄に示したように、バルブV2,V3,V4の順番で段階的に閉鎖していく。すなわち、まず、バルブV2を閉じることにより、バルブV1〜V2間に処理ガスを充填し、その後、バルブV1,V2を閉じたままバルブV3を閉じることにより、バルブV2〜V3間に処理ガスを充填し、更にその後、バルブV1,V2,V3を閉じたままバルブV4を閉じることにより、バルブV3〜V4間に処理ガスを充填する。バルブ閉鎖時期は、バルブ間に充填された処理ガス量および圧力を考慮して判断すればよい。すなわち、処理ガスライン4内の圧力と基板処理時の処理室3内の圧力(例えば10−3Pa〜103Pa)との圧力差によって、バルブ間に充填された処理ガスが十分に処理室3内に供給されると判断したときにバルブを閉鎖すればよい。
なお、前記表1ではバルブV2,V3,V4の順番で段階的に閉鎖していく場合について説明したが、処理ガスライン4内に処理ガスを供給(充填)した後、一斉にバルブV2,V3,V4を閉鎖してもよい。
続いて、バルブ間に充填された処理ガスを処理室3内に供給する。この場合は、表1の「処理室3への処理ガス供給」の欄に示したように、バルブV1,V2,V3の順番で段階的にバルブを開放する。このことにより、処理ガスを間欠的に処理室3へ供給することができ間欠的に成膜を行うことができる。すなわち、まず、バルブV1を開けることにより、バルブV1〜V2間に充填された処理ガスを処理室3へ供給する。これにより、最終的に形成したい膜厚よりも薄い膜(第1薄膜層)を形成できる。その後にバルブV1を開いたまま、バルブV2を開けることにより、バルブV2〜V3間に充填された処理ガスを処理室3へ供給する。これにより第1薄膜層上に、最終的に形成したい膜厚よりも薄い第2薄膜層を形成できる。その後バルブV1,V2を開いたままバルブV3を開けることにより、バルブV3〜V4間に充填された処理ガスを処理室3に供給する。これにより第2薄膜層上に、最終的に形成したい膜厚よりも薄い第3薄膜層を形成できる。バルブV3を開放し、処理ガスライン4内のバルブV3〜V4間に充填された処理ガスを処理室3に供給した後は、表1の「開始2」の欄で示したように、バルブV1,V2,V3を開とし、バルブV4を閉とした状態を維持し、基板処理装置を前記「開始1」と同様な排気状態とする。これらの工程を繰り返すことにより、基板上に最終的に得たい膜厚よりも薄い膜を複数層形成することにより所望の膜厚を得る処理を行うことができる。なお、前述のように、あるバルブ区間の処理ガスを処理室3へ供給後、次のバルブ区間の処理ガスを処理室3へ供給するまでの間に、形成したばかりの薄膜に対する改質処理(膜中の不純物除去処理等)を行うために2次原料タンク15より2次原料ライン16を介して処理室3内へ2次原料を供給するのが好ましい。これにより最終的に形成したい膜の膜厚よりも薄い膜に対して、成膜の度に改質処理を行うことができるので、効率よく改質処理を行うことができる。また、処理ガスの処理室3への供給と、2次原料の処理室3への供給との間にガス置換(真空引きまたは/および不活性ガスによるパージ)を行い、処理室3内で処理ガスと2次原料が同時に存在することがないようにするのが好ましい。これにより処理室3内で処理ガスと2次原料とが反応することによりパーティクルが発生するのを防止できる。すなわち、本実施形態では、処理ガス供給(成膜)→ガス置換→2次原料供給(形成した膜の改質)→ガス置換というサイクルを複数回繰り返すサイクル処理を行うのが好ましい。本実施形態の場合、1回の処理ガス充填・供給動作あたり3サイクルの処理を行うことができる。よって、3サイクル以上の処理を行う場合は、処理ガス充填・供給動作を複数回繰り返すようにするとよい。例えば、30サイクルの処理を行う場合は、処理ガス充填・供給動作を10回行えばよいこととなる。
【0015】
前記実施形態によれば、処理ガスライン4に高温用バルブを直列に4箇所設け前述のような開閉動作を行うため、高温用バルブを頻繁に開閉動作する必要がなくなる。すなわち、前記実施形態では、バルブV1からV2、V2からV3、V3からV4の間にそれぞれ充填された処理ガスでもって3サイクル分の処理(処理ガス供給→ガス置換→2次原料供給→ガス置換)×3サイクル)が可能となり、その場合、前記表1にも示したように、3サイクル分の処理を行う場合における各バルブの開閉動作は2回となる。従来の技術の欄で示した図2の基板処理装置では、同様に3サイクル分の処理を行うにはバルブV61の開閉動作は3回となる。すなわち、本発明によれば、1つのバルブあたりの開閉動作回数を従来の2/3とすることができ高温用バルブの寿命を大幅に改善することができる。なお、本実施形態では処理ガスラインに4つのバルブを設けた場合について説明したが、バルブの数を5つとすると、1回の処理ガス充填・供給動作あたり4サイクルの処理を行うことができる。この場合も4サイクル分の処理を行う場合における各バブルの開閉動作回数は2回となる。すなわち、1つのバルブあたりの開閉動作回数を従来技術の2/4倍とすることができる。このようにバルブの数をn個とすることにより、1回の処理ガス充填・供給動作あたり(n−1)サイクルの処理を行うことができることとなり、1つのバルブあたりの開閉動作回数を従来技術の2/(n−1)倍とすることができることとなる。このようにバルブの数を増やすことで、バルブ一つあたりの使用頻度をより一層減らすことができる。したがって、高温用バルブの頻繁な交換が防止され、基板処理装置のダウンタイム間隔を延長することができ、装置の稼働率が向上し、トータルでみるとスループットが向上する。なお、気化器2を一度停止させると再び処理ガスを安定に気化・供給するのに時間がかかることから、前述のように基板処理工程時は、バルブV5を常に全開状態として、処理ガスを処理室3に供給することなく排気している。これにより、基板成膜時に気化器2を停止させる必要がなくなり、気化器2の停止による処理ガスの不安定な供給を避けることができる。また、バルブV5の寿命も延ばすことができる。
【0016】
なお、本実施形態では、「処理ガス供給によるCVD薄膜の形成」と、「2次原料供給による形成した薄膜の改質」とを複数回繰り返す方法について説明したが、ALD法により薄膜を形成する場合に適用してもよい。すなわち「原料ガス供給による基板上への原料吸着」と、「2次原料供給による吸着した原料との反応による薄膜の形成」を繰り返す場合に適用してもよい。この場合、処理温度は本実施形態よりも低くすることとなるが、処理ガス供給、改質ガス供給、ガス置換のタイミングは本実施形態と同じである。なお、本発明における処理ガスとしては、Hf(MMP)4、TDEAH、TDMAH、TMA、Si(MMP)4等が挙げられる。なお、バブリング等によって処理室3に処理ガスを供給可能な原料、例えばトリメチルアルミニウム、ジメチルアミノハフニウム等蒸気圧の高い原料を用いる場合は、気化器2を用いなくてもよい。
【0017】
また、2次原料としては、例えばMOCVDの場合は、プラズマ等で活性化されたO、N、H、Arなどであり、ALDの場合は、O3、H2O、O2などが挙げられる。
【0018】
また、処理ガスライン4におけるバルブV1〜V4までの区間の容積が、気化器2〜バルブV1〜V4までの区間の容積に比べて顕著に小さい場合、バルブV1〜V4までの各バルブ区間の圧力が過加圧状態となり、処理ガスが再液化するのを避けるために、処理ガスライン4の最も上流にある(最も処理室から遠い側にある)バルブV4の上流側に、コンダクタンスを十分小さくできるような処理ガスライン4の他の部分より内径が小さい配管もしくはポーラス状の配管14(コンダクタンスを小さくした部分)を設けるのが好ましい。ここでポーラス状の配管は、例えば配管内にフィルターを設けたもの等が例示される。
【0019】
本発明の基板処理装置は、とくに半導体デバイスの製造に好適に用いられ、またディスプレイユニットなどの薄膜形成が必要な装置にも用いられ得る。
【0020】
【発明の効果】
本発明の基板処理装置によれば、高温用バルブの寿命が大幅に延びるため、高温用バルブの頻繁な交換が防止され基板処理装置のダウンタイム間隔を延長することができ、装置の稼働率を向上させることができて、優れた作業効率、製造効率、低コスト性が達成される。また、シール部劣化による金属汚染に基づくパーティクルの発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板処理装置の一例を説明するための概略図である。
【図2】従来の基板処理装置の一例を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1 原料タンク、2 気化器、3 処理室、4 処理ガスライン、5 ベントライン、6 ポンプ、7,9 マスフローコントローラ、8 キャリアガスライン、10 基板処理装置、11 熱交換器、12 基板、15 2次原料タンク、16 2次原料ライン、V1,V2,V3,V4,V5 高温用バルブ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板処理装置に関するものであり、詳しくは、パーティクルの発生が抑制されるとともに、優れた作業効率、製造効率、低コスト性を達成することのできる基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在LSIの高集積化に伴い、半導体プロセスの薄膜化が進められている。それによりALD(Atomic Layer Deposition)のような膜厚均一性を向上させるのに有効な手法が積極的に研究・開発が行われている。ALD法による薄膜成長は原子層堆積として知られ、レイヤー毎にセルフリミットがかかるように、反応ガスとその余剰反応ガスおよび気体反応物を一掃する保護ガスの交互供給によって行われる。またMOCVD法においても薄膜中の不純物除去や膜の組成を所望の品質に調整するために、反応ガスとプラズマや他の類似した活性物質との交互供給を行うことがある。上記のような成膜を行う場合、1サイクル当たりの成膜は数Åとなり、とくに1枚ずつ成膜する枚葉式の場合、スループットが問題となる。現状の量産現場におけるスループット15〜20枚/時相当を実現するには、各ガスの切替時間が数秒もしくは1秒以下であることが必要となる。
他方、液体原料または固体原料を用いる場合、気化器を使用して原料をガス化するため、気化器から処理室にかけては各原料が再液化しない温度以上に加熱する必要がある。そのためガス種によるが、一般に150〜250℃程度の配管加熱が必要なものが多い。したがって、気化器から処理室間の処理ガスの切替に使用するバルブは高温用のバルブでなければならない。一般に100℃以上に耐えうるような高温用バルブは通常のバルブに比べ寿命が短く、使用条件により異なるが数万回程度と通常耐久能力の1/10以下程度と予想される。加えて、高温用バルブは一般的にオールメタル製のバルブである場合が多く、シール部劣化により金属汚染の問題も生じ、パーティクル問題が懸念される。
【0003】
図2は、従来の基板処理装置の一例を説明するための概略図である。
図2において、従来の基板処理装置20は、液体原料を収容する原料タンク21と、液体原料を気化し処理ガスを調製するための気化器22と、この気化した処理ガスを処理室23に供給するための処理ガスライン24と、処理ガスライン24から分岐するとともに処理ガスを処理室23へ供給することなく排気するベントライン25と、処理室23およびベントライン25に接続するとともに、処理ガスまたはその他のガスを吸引するためのポンプ26とを備えてなる。また、処理室23内には、処理される基板31と、これを支持する支持台33が設置されている。なお、V61およびV62は高温用バルブであり、処理ガスライン24およびベントライン25にそれぞれ設けられている。また、処理ガスライン24およびベントライン25は、処理ガスの再液化を防止するためにヒータ(図示せず)によって加温されている。
【0004】
基板処理時、原料タンク21内の液体原料は、圧送N2またはHeによって、液体マスフローコントローラ(MFC)27を経由して気化器22に導入される。これとは別に、キャリアガスライン28からMFC29、熱交換器30を経由してキャリアガス(例えばN2)が気化器22に導入される。気化した処理ガスおよびキャリアガスは、処理ガスライン24を経て処理室23内に供給され、基板31が処理される。続いて、2次処理ガスの処理室23内への供給が必要な場合、2次処理ガス導入部35から2次原料ライン36を通じて2次原料ガスが処理室23に供給されるが、この場合はバルブV61を閉鎖し、バルブV62を開放することにより、処理ガスの処理室23内への供給を停止し、処理ガスが処理室23を経由することなくベントライン25から排気するようにする(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−7697
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高温用バルブであるV61,62を用いて処理ガスの流れ方向の切替を行うと、前記のように高温用バルブは耐久性に劣るため、特に処理ガスの供給と、2次処理ガスの供給を複数回繰り返す処理を行う場合、バルブの寿命が短くなり、頻繁にバルブを交換する必要があり、基板処理装置のダウンタイム間隔が短くなり、稼働率が低下しトータルでみるとスループットが悪化するという問題点がある。また、高温用バルブがオールメタル製のバルブである場合は、シール部劣化により金属汚染やパーティクル発生の恐れがある。
【0007】
したがって本発明の目的は、パーティクルの発生が抑制されるとともに、優れた作業効率、製造効率、低コスト性を達成することのできる基板処理装置の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、下記の構成によって解決される。
(1)基板を処理する処理室と、
前記処理室に処理ガスを供給する処理ガスラインと、
前記処理ガスラインに直列に複数設けられたバルブと、
前記バルブのうち、前記処理ガスラインの最も下流にあるバルブを閉じ、その他のバルブを開いた状態で前記処理ガスラインに処理ガスを供給し、その後全てのバルブを閉じることにより前記処理ガスラインの隣り合うバルブ間にそれぞれ前記処理ガスを充填し、その後バルブを前記処理ガスラインの最も下流にあるバルブから順に開くことにより前記処理ガスを間欠的に前記処理室へ供給するよう制御する制御手段と、を有することを特徴とする基板処理装置。
この構成によれば、バルブの寿命を延ばすことができ、基板処理装置のダウンタイムの間隔を延長することができ、優れた作業効率、製造効率、低コスト性を達成することができるとともに、パーティクルの発生を抑制することのできる基板処理装置が提供される。
【0009】
また、次に示す態様も本発明に好ましいものである。
(2)前記(1)に記載の基板処理装置において、前記バルブは等間隔に配置される。
(3)前記(1)に記載の基板処理装置において、前記制御手段は、一定量の処理ガスを間欠的に処理室へ供給するよう制御する。
(4)前記(1)に記載の基板処理装置において、前記制御手段は、処理ガスを間欠的に供給する際、一つのバルブを開けてから次のバルブを開けるまでの時間を一定とするよう制御する。
(5)前記(1)に記載の基板処理装置において、前記処理ガスラインの、最も上流にある(最も処理室から遠い側にある)バルブの上流側に、他の部分より内径が小さい配管もしくはポーラス状の配管(コンダクタンスを小さくした部分)を設ける。
(6)前記(1)に記載の基板処理装置において、前記処理ガスラインの、最も上流にある(最も処理室から遠い側にある)バルブの上流側に、処理室をバイパスするよう処理ガスを排気するベントラインを設ける。
(7)前記(1)に記載の基板処理装置において、さらに前記処理室内に2次原料を供給する2次原料ラインを有し、前記制御手段は処理室内に処理ガスと2次原料とを交互に供給するよう制御する。
(8) 基板を処理室内に搬入する工程と、
複数のバルブが直列に設けられた処理ガスラインより、前記処理室内に処理ガスを供給して基板を処理する工程と、
処理後の基板を前記処理室から搬出する工程とを有する半導体装置の製造方法であって、
前記基板処理工程では、前記処理ガスラインの最も下流にあるバルブを閉じ、その他のバルブを開いた状態で前記処理ガスラインに処理ガスを供給し、その後全てのバルブを閉じることにより前記処理ガスラインの隣り合うバルブ間にそれぞれ前記処理ガスを充填し、その後バルブを前記処理ガスラインの最も下流にあるバルブから順に開くことにより前記処理ガスを間欠的に前記処理室へ供給することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
図1は、本発明の基板処理装置の一例を説明するための概略図である。
図1において、本発明の基板処理装置10は、液体原料を収容する原料タンク1と、原料タンク1内に収容された液体原料を気化器2に供給する供給ライン18と、供給ライン18に設けられ液体原料の供給流量を制御する液体マスフローコントローラ(MFC)7と、液体原料を気化し処理ガスを調製するための気化器2と、この気化した処理ガスを処理室3に供給するための処理ガスライン4と、ポーラス状の配管14と、処理ガスライン4に直列に複数設けられた高温用バルブV1,V2,V3,V4と、この処理ガスライン4の最も上流にある(最も処理室から遠い側にある)バルブV4のさらに上流側に、処理室3をバイパスするよう処理ガスを排気するベントライン5と、ベントライン5に設けられた高温用バルブV5と、処理室3内を排気する排気管17と、排気管17およびベントライン5に接続するとともに、処理ガスまたはその他のガスを吸引するためのポンプ6とを備えてなる。また、キャリアガスライン8と、液体マスフローコントローラ(MFC)9と、熱交換器11とを備えている。また、2次原料を収容する2次原料タンク15と、2次原料を2次原料タンク15から処理室3へ供給する2次原料ライン16とを備えている。なお、処理ガスライン4およびベントライン5は、処理ガスの再液化を防止するためにヒータ(図示せず)によって例えば150〜250℃に加温されている。また、処理室3内には、処理される基板12と、これを支持する支持台13が設置されている。
【0011】
次に、半導体装置の製造工程の一工程として本発明の基板処理装置を用いて基本を処理する方法について説明する。
まず、基板2を処理室3内に搬入し、支持台13の上に載置する。高温用バルブV1,V2,V3,V4,V5はすべて全開状態としておく。(V5は、処理中は、常に開いた状態としておく。)原料タンク1内の液体原料を、圧送N2またはHeによって供給ライン18に押し出し、液体マスフローコントローラ(MFC)7を経由して気化器2に導入する。これとは別に、キャリアガスライン8からMFC9、熱交換器11を経由してキャリアガス(例えばN2)を気化器2に導入する。続いて、気化器2によって気化した処理ガスおよびキャリアガスを、処理ガスライン4を経て処理室3内に供給するのであるが、ここで本発明によれば、気化器2によって気化した処理ガスをキャリアガスとともに処理室3内に供給するときに、処理ガスライン4に直列に複数設けられたバルブを用いて処理ガスを間欠的に処理室3へ供給することを特徴としている。具体的に説明すると、まず、気化器2によって気化した処理ガスを処理室3内に供給するときに、処理ガスライン4の処理ガス流の最も下流にあるバルブV1を閉じ、その他のバルブV2,V3,V4,V5を開いた状態で処理ガスライン4に処理ガスを供給する。処理ガスの供給完了後、バルブV5以外の全てのバルブを閉じることにより処理ガスライン4の隣り合うバルブ間にそれぞれ処理ガスを充填する。その後バルブを処理ガスライン4の最も下流にある(最も処理室に近い側にある)バルブから順に開くことにより処理ガスを間欠的に処理室3へ供給し、支持台13上に載置された基板12を間欠的に処理する。ここでは、CVDによる表面反応を利用して基板上に薄膜を間欠的に成長させる処理を行う。この場合、処理ガスの1回の供給における供給流量を一定とするため(1回の供給により形成される膜の膜厚を一定とするため)、前記バルブを等間隔に配置し、一定量の処理ガスが間欠的に処理室3へ供給できるようにしておくのが好ましい。また、一つのバルブを開けてから次のバルブを開けるまでの時間を一定とするよう制御するのがさらに好ましい。また、前記処理ガスの処理室3への間欠的供給を、複数回繰り返すようにするのが好ましい。また、処理ガス供給後、次の処理ガスを供給するまでの間に形成した薄膜に対する改質処理(薄膜中に取り込まれた不純物を除去する等の処理)を行うために2次原料タンク15より2次原料ライン16を介して、処理室3内へ2次原料を供給するようにし、処理ガスの供給と、2次原料の供給を複数回繰り返すようにするのが好ましい。これにより薄膜の形成と、薄膜の改質処理を複数回繰り返すサイクル処理を行うとができ、効率的に薄膜の改質を行うことができる。また、処理ガスの供給と2次原料の供給の間に、ガス置換(真空引き、または/および不活性ガスパージ)を行うようにするのが好ましい。これにより、処理ガスと2次原料とが処理室3内で同時に存在することがなくなるためパーティクルの発生を防止できる。
処理後は、基板12を処理室3から搬出する。
【0012】
高温用バルブV1,V2,V3,V4の開閉は、具体的には例えば下記表1に示されるシーケンスによって動作することができる。
【0013】
【表1】
【0014】
表1において、「開始1」とあるのは、気化器2によって気化した処理ガスをキャリアガスとともに処理室3に供給する前の、処理ガスの排気状態を意味している(スタンバイ状態)。すなわち、バルブV4を閉じ、バルブV1,V2,V3を開き、さらにバルブV5を開いた状態とすることにより、処理ガスをベントライン5を介して処理室3をバイパスするよう排気している状態を示している。
なお、バルブV5は、スタンバイ状態以降、常に開いた状態とする。これにより、バルブV5の寿命を延ばすことができる。次に、表1の「処理ガスライン4への処理ガス供給(充填)」の欄に示したように、バルブV1を閉じ、その他のバルブV2,V3,V4を開いた状態で処理ガスライン4に処理ガスを供給して、処理ガスライン4に処理ガスを充填する。その後、バルブ区間に処理ガスを充填するためにバルブV2,V3,V4を閉鎖するがバルブを閉鎖する時期(タイミング)は、表1の「バルブ区間への処理ガス充填」の欄に示したように、バルブV2,V3,V4の順番で段階的に閉鎖していく。すなわち、まず、バルブV2を閉じることにより、バルブV1〜V2間に処理ガスを充填し、その後、バルブV1,V2を閉じたままバルブV3を閉じることにより、バルブV2〜V3間に処理ガスを充填し、更にその後、バルブV1,V2,V3を閉じたままバルブV4を閉じることにより、バルブV3〜V4間に処理ガスを充填する。バルブ閉鎖時期は、バルブ間に充填された処理ガス量および圧力を考慮して判断すればよい。すなわち、処理ガスライン4内の圧力と基板処理時の処理室3内の圧力(例えば10−3Pa〜103Pa)との圧力差によって、バルブ間に充填された処理ガスが十分に処理室3内に供給されると判断したときにバルブを閉鎖すればよい。
なお、前記表1ではバルブV2,V3,V4の順番で段階的に閉鎖していく場合について説明したが、処理ガスライン4内に処理ガスを供給(充填)した後、一斉にバルブV2,V3,V4を閉鎖してもよい。
続いて、バルブ間に充填された処理ガスを処理室3内に供給する。この場合は、表1の「処理室3への処理ガス供給」の欄に示したように、バルブV1,V2,V3の順番で段階的にバルブを開放する。このことにより、処理ガスを間欠的に処理室3へ供給することができ間欠的に成膜を行うことができる。すなわち、まず、バルブV1を開けることにより、バルブV1〜V2間に充填された処理ガスを処理室3へ供給する。これにより、最終的に形成したい膜厚よりも薄い膜(第1薄膜層)を形成できる。その後にバルブV1を開いたまま、バルブV2を開けることにより、バルブV2〜V3間に充填された処理ガスを処理室3へ供給する。これにより第1薄膜層上に、最終的に形成したい膜厚よりも薄い第2薄膜層を形成できる。その後バルブV1,V2を開いたままバルブV3を開けることにより、バルブV3〜V4間に充填された処理ガスを処理室3に供給する。これにより第2薄膜層上に、最終的に形成したい膜厚よりも薄い第3薄膜層を形成できる。バルブV3を開放し、処理ガスライン4内のバルブV3〜V4間に充填された処理ガスを処理室3に供給した後は、表1の「開始2」の欄で示したように、バルブV1,V2,V3を開とし、バルブV4を閉とした状態を維持し、基板処理装置を前記「開始1」と同様な排気状態とする。これらの工程を繰り返すことにより、基板上に最終的に得たい膜厚よりも薄い膜を複数層形成することにより所望の膜厚を得る処理を行うことができる。なお、前述のように、あるバルブ区間の処理ガスを処理室3へ供給後、次のバルブ区間の処理ガスを処理室3へ供給するまでの間に、形成したばかりの薄膜に対する改質処理(膜中の不純物除去処理等)を行うために2次原料タンク15より2次原料ライン16を介して処理室3内へ2次原料を供給するのが好ましい。これにより最終的に形成したい膜の膜厚よりも薄い膜に対して、成膜の度に改質処理を行うことができるので、効率よく改質処理を行うことができる。また、処理ガスの処理室3への供給と、2次原料の処理室3への供給との間にガス置換(真空引きまたは/および不活性ガスによるパージ)を行い、処理室3内で処理ガスと2次原料が同時に存在することがないようにするのが好ましい。これにより処理室3内で処理ガスと2次原料とが反応することによりパーティクルが発生するのを防止できる。すなわち、本実施形態では、処理ガス供給(成膜)→ガス置換→2次原料供給(形成した膜の改質)→ガス置換というサイクルを複数回繰り返すサイクル処理を行うのが好ましい。本実施形態の場合、1回の処理ガス充填・供給動作あたり3サイクルの処理を行うことができる。よって、3サイクル以上の処理を行う場合は、処理ガス充填・供給動作を複数回繰り返すようにするとよい。例えば、30サイクルの処理を行う場合は、処理ガス充填・供給動作を10回行えばよいこととなる。
【0015】
前記実施形態によれば、処理ガスライン4に高温用バルブを直列に4箇所設け前述のような開閉動作を行うため、高温用バルブを頻繁に開閉動作する必要がなくなる。すなわち、前記実施形態では、バルブV1からV2、V2からV3、V3からV4の間にそれぞれ充填された処理ガスでもって3サイクル分の処理(処理ガス供給→ガス置換→2次原料供給→ガス置換)×3サイクル)が可能となり、その場合、前記表1にも示したように、3サイクル分の処理を行う場合における各バルブの開閉動作は2回となる。従来の技術の欄で示した図2の基板処理装置では、同様に3サイクル分の処理を行うにはバルブV61の開閉動作は3回となる。すなわち、本発明によれば、1つのバルブあたりの開閉動作回数を従来の2/3とすることができ高温用バルブの寿命を大幅に改善することができる。なお、本実施形態では処理ガスラインに4つのバルブを設けた場合について説明したが、バルブの数を5つとすると、1回の処理ガス充填・供給動作あたり4サイクルの処理を行うことができる。この場合も4サイクル分の処理を行う場合における各バブルの開閉動作回数は2回となる。すなわち、1つのバルブあたりの開閉動作回数を従来技術の2/4倍とすることができる。このようにバルブの数をn個とすることにより、1回の処理ガス充填・供給動作あたり(n−1)サイクルの処理を行うことができることとなり、1つのバルブあたりの開閉動作回数を従来技術の2/(n−1)倍とすることができることとなる。このようにバルブの数を増やすことで、バルブ一つあたりの使用頻度をより一層減らすことができる。したがって、高温用バルブの頻繁な交換が防止され、基板処理装置のダウンタイム間隔を延長することができ、装置の稼働率が向上し、トータルでみるとスループットが向上する。なお、気化器2を一度停止させると再び処理ガスを安定に気化・供給するのに時間がかかることから、前述のように基板処理工程時は、バルブV5を常に全開状態として、処理ガスを処理室3に供給することなく排気している。これにより、基板成膜時に気化器2を停止させる必要がなくなり、気化器2の停止による処理ガスの不安定な供給を避けることができる。また、バルブV5の寿命も延ばすことができる。
【0016】
なお、本実施形態では、「処理ガス供給によるCVD薄膜の形成」と、「2次原料供給による形成した薄膜の改質」とを複数回繰り返す方法について説明したが、ALD法により薄膜を形成する場合に適用してもよい。すなわち「原料ガス供給による基板上への原料吸着」と、「2次原料供給による吸着した原料との反応による薄膜の形成」を繰り返す場合に適用してもよい。この場合、処理温度は本実施形態よりも低くすることとなるが、処理ガス供給、改質ガス供給、ガス置換のタイミングは本実施形態と同じである。なお、本発明における処理ガスとしては、Hf(MMP)4、TDEAH、TDMAH、TMA、Si(MMP)4等が挙げられる。なお、バブリング等によって処理室3に処理ガスを供給可能な原料、例えばトリメチルアルミニウム、ジメチルアミノハフニウム等蒸気圧の高い原料を用いる場合は、気化器2を用いなくてもよい。
【0017】
また、2次原料としては、例えばMOCVDの場合は、プラズマ等で活性化されたO、N、H、Arなどであり、ALDの場合は、O3、H2O、O2などが挙げられる。
【0018】
また、処理ガスライン4におけるバルブV1〜V4までの区間の容積が、気化器2〜バルブV1〜V4までの区間の容積に比べて顕著に小さい場合、バルブV1〜V4までの各バルブ区間の圧力が過加圧状態となり、処理ガスが再液化するのを避けるために、処理ガスライン4の最も上流にある(最も処理室から遠い側にある)バルブV4の上流側に、コンダクタンスを十分小さくできるような処理ガスライン4の他の部分より内径が小さい配管もしくはポーラス状の配管14(コンダクタンスを小さくした部分)を設けるのが好ましい。ここでポーラス状の配管は、例えば配管内にフィルターを設けたもの等が例示される。
【0019】
本発明の基板処理装置は、とくに半導体デバイスの製造に好適に用いられ、またディスプレイユニットなどの薄膜形成が必要な装置にも用いられ得る。
【0020】
【発明の効果】
本発明の基板処理装置によれば、高温用バルブの寿命が大幅に延びるため、高温用バルブの頻繁な交換が防止され基板処理装置のダウンタイム間隔を延長することができ、装置の稼働率を向上させることができて、優れた作業効率、製造効率、低コスト性が達成される。また、シール部劣化による金属汚染に基づくパーティクルの発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板処理装置の一例を説明するための概略図である。
【図2】従来の基板処理装置の一例を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1 原料タンク、2 気化器、3 処理室、4 処理ガスライン、5 ベントライン、6 ポンプ、7,9 マスフローコントローラ、8 キャリアガスライン、10 基板処理装置、11 熱交換器、12 基板、15 2次原料タンク、16 2次原料ライン、V1,V2,V3,V4,V5 高温用バルブ。
Claims (1)
- 基板を処理する処理室と、
前記処理室に処理ガスを供給する処理ガスラインと、
前記処理ガスラインに直列に複数設けられたバルブと、
前記バルブのうち、前記処理ガスラインの最も下流にあるバルブを閉じ、その他のバルブを開いた状態で前記処理ガスラインに処理ガスを供給し、その後全てのバルブを閉じることにより前記処理ガスラインの隣り合うバルブ間にそれぞれ前記処理ガスを充填し、その後バルブを前記処理ガスラインの最も下流にあるバルブから順に開くことにより前記処理ガスを間欠的に前記処理室へ供給するよう制御する制御手段と、を有することを特徴とする基板処理装置。
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2003
- 2003-08-06 JP JP2003206174A patent/JP2005056918A/ja not_active Withdrawn
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