JP2005055192A - 走行道路特定装置および走行道路特定方法 - Google Patents
走行道路特定装置および走行道路特定方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】認識走行道路前方の道路状況と自車両の走行状態とを利用して、道路特定の精度を向上すること。
【解決手段】制御部5が、位置情報と記憶部7に記憶された地図データから自車両が走行している道路を特定し、走行道路特定部6aに出力する。走行道路特定部6aは、自車両近傍に高架道路が存在する場合には速度センサ4から入力される自車両の走行速度とVICS受信機3から入力される渋滞の有無および他車両の走行速度とを取得する。走行道路特定部6aは、取得した自車両の走行速度、渋滞の有無および他車両の走行速度から現在特定している道路(認識走行道路)が適切か否かを判断し、適切でない場合には制御部5に修正命令を出力する。制御部5は修正命令が入力されたならば認識走行道路を修正し、自車両の位置、道路交通情報等を表示部8に表示させる。
【選択図】 図1
【解決手段】制御部5が、位置情報と記憶部7に記憶された地図データから自車両が走行している道路を特定し、走行道路特定部6aに出力する。走行道路特定部6aは、自車両近傍に高架道路が存在する場合には速度センサ4から入力される自車両の走行速度とVICS受信機3から入力される渋滞の有無および他車両の走行速度とを取得する。走行道路特定部6aは、取得した自車両の走行速度、渋滞の有無および他車両の走行速度から現在特定している道路(認識走行道路)が適切か否かを判断し、適切でない場合には制御部5に修正命令を出力する。制御部5は修正命令が入力されたならば認識走行道路を修正し、自車両の位置、道路交通情報等を表示部8に表示させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自車両の位置情報を取得し、前記位置情報と地図データとを用いて前記自車両が現に走行している走行道路を特定する走行道路特定装置および走行道路特定方法に関し、特に、高架道路近傍で自車両の走行道路を精度良く特定することができる走行道路特定装置および走行道路特定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、GPS(Grobal Positioing System)等を利用して自車両の位置を特定し、その位置を道路地図と共にディスプレイ上に表示するナビゲーション装置が知られている。
【0003】
ところが、従来のナビゲーション装置で利用するGPSは、自車両の位置する高さを精度良く検出することができない。また、自車両が高架道路近傍で走行する場合には、高架道路と高架道路下の道路とでは高さの差が数メートル程度しかない。従って、自車両が走行している道路を必ずしも正確に特定することができなかった。そのため、自車両が走行していると認識している道路(認識走行道路)と、実際に走行している道路(実走行道路)が一致しない場合が発生していた。
【0004】
この問題を解決するための具体的な手法の一つとして、特許文献1に開示された道路種別判定装置では、自車両が一般道路上と高速道路上とのどちらで走行しているのかを判断する際に、一般道路で走行する自車両の動作の規則性に着目し、自車両が一定速度で移動した後、一定時間以内もしくは一定距離以内に停止するという一般道路上で走行する車両の典型的な動作を連続的に行った場合には、自車両が一般道路を走行していると判断していた。
【0005】
また、特許文献2に開示されたナビゲーション装置では、自車両が一般道路上と高速道路上とのどちらで走行しているのかを判断する際に、自車両周辺にインターチェンジが存在するか否かを地図データから検出し、検出結果と自車両の走行速度とに基づいて自車両が一般道路を走行しているのか高速道路を走行しているのかを判断していた。
【0006】
また、特許文献3に開示された車載ナビゲーション装置では、高速道路などの特定道路網と一般道路地図とを別々に記憶しておき、自車両の近傍に高速道路と一般道路とが存在し、かつ自車両の走行速度が一定速度以上である場合に特定道路網のみを利用して、自車両位置の誤表示対策を行っていた。
【0007】
一方、従来のナビゲーション装置には、特許文献4に開示されているように、VICS(Vehicle Information and Communication System)を搭載したナビゲーション装置もある。VICSを利用した位置精度向上の具体的な手法の一つに、特許文献5に開示されているナビゲーション装置がある。
【0008】
この特許文献5に開示されたナビゲーション装置は、道路に設置されたビーコンを利用して自車両が走行している走行道路を特定していた。具体的には受信したビーコン信号からビーコンの設置された道路を割り出し、その割り出された道路を走行道路としていた。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−349734号公報
【特許文献2】
特開平8−304093号公報
【特許文献3】
特開平7−229749号公報
【特許文献4】
特開平10−82648号公報
【特許文献5】
特開平11−281381号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自車両の走行速度から走行道路を特定するナビゲーション装置では、道路状況によって走行速度が大きく変化するため走行道路を必ずしも正確に特定できなかった。具体的には、走行速度で自車両の位置が高速道路上か一般道路上かを判断する際に、自車両が走行している高速道路上で渋滞が発生し、自車両の速度が著しく低下した場合には、誤って一般道路上に自車両が走行していると判断してしまう。すなわち、実走行道路が高速道路であるにも関わらず、一般道路を認識走行道路としてしまう。
【0011】
また、道路が重複する状況は高速道路と一般道路とに限られるものではなく、例えば、高架道路上の一般道路に高架道路下の一般道路が並行している場合など複数の一般道路が重複する場合があり、この重複した一般道路でも自車両の走行道路を正確に表示する必要がある。
【0012】
しかし、重複した一般道路の上方と下方との道路上では、自車両の走行速度差が高速道路上と一般道路上との走行速度差のように顕著に表れない。そのため、従来のナビゲーション装置は、自車両の走行している道路を正確に特定することができなかった。
【0013】
一方、VICSデータを利用して自車両の走行道路を特定する場合にも、設置条件等により重複した一般道路の各道路すべてにビーコンを設置できない場合があるため正確な走行道路を判断できない。また自車両走行中にビーコン信号が受信できない場合には自車両の走行道路を特定することができなかった。
【0014】
すなわち、従来のナビゲーション装置は、自車両が走行している道路を必ずしも正確に特定できないという問題があった。従って、自車両が走行している道路が高架道路を含む重複した一般道路の場合や、ビーコンが重複した一般道路の各道路すべてに設置されていなくとも現に自車両が走行している道路を正確に判断し、自車両が走行している道路状況にも対応することが非常に重要な課題となっていた。つまり、実走行道路と認識走行道路とを精度良く一致させることが求められていた。
【0015】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消し、課題を解決するためになされたものであり、道路状況に対応し、自車両が走行している道路特定の精度を向上させた走行道路特定装置および走行道路特定方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る走行道路特定装置は、自車両の位置情報を取得し、前記位置情報と地図データとを用いて前記自車両が現に走行している走行道路を特定する走行道路特定装置において、前記自車両近傍の道路の道路状況を取得する道路状況取得手段と、前記自車両の走行速度を測定する走行速度測定手段と、前記道路状況と前記走行速度とをもとに前記走行道路を修正する走行道路修正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
この請求項1の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報と地図データから走行道路を特定し、自車両が走行している道路近傍の道路状況を取得し、自車両の走行速度を測定し、この走行速度と道路状況とをもとに自車両の走行している走行道路を修正する。
【0018】
また、請求項2の発明に係る走行道路特定装置は、請求項1の発明において、前記道路状況取得手段は、前記走行道路における渋滞の有無および前記走行道路における他車両の走行速度を前記道路状況として取得し、前記走行道路修正手段は、前記走行道路に渋滞が発生中で、かつ前記自車両の走行速度が他車両の走行速度より大きい場合に、前記走行道路を修正することを特徴とする。
【0019】
この請求項2の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報と地図データとから走行道路を特定し、この走行道路で渋滞の有無および他車両の走行速度を取得し、走行道路で渋滞が発生中で、かつ自車両の走行速度が他車両の走行速度よりも大きい場合には特定している走行道路を適切でないと判断し、走行道路を修正する。
【0020】
また、請求項3の発明に係る走行道路特定装置は、請求項1または2の発明において、前記道路状況取得手段は、前記走行道路における渋滞の有無および前記走行道路における他車両の走行速度を前記道路状況として取得し、前記走行道路修正手段は、前記走行道路に渋滞が発生しておらず、かつ前記自車両の走行速度が所定速度以下である場合に、前記走行道路を修正することを特徴とする。
【0021】
この請求項3の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報と地図データとから走行道路を特定し、この走行道路で渋滞の有無および他車両の走行速度を取得し、走行道路で渋滞が発生しておらず、かつ自車両の走行速度が所定速度以下である場合には特定している走行道路を適切でないと判断し、走行道路を修正する。
【0022】
また、請求項4の発明に係る走行道路特定装置は、請求項1,2または3の発明において、前記走行道路修正手段は、前記走行道路を修正する場合に、修正前の走行道路の上方もしくは下方に位置する道路を修正後の走行道路とすることを特徴とする。
【0023】
この請求項4の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報と地図データとから走行道路を特定し、道路状況や走行速度等から特定している走行道路が適切か否か判断し、走行道路を修正する場合には、修正前の走行道路の上方もしくは下方に位置する道路を修正後の走行道路とする。
【0024】
また、請求項5の発明に係る走行道路特定装置は、請求項1〜4の発明において、前記自車両の近傍の明るさを照度情報として取得する照度取得手段をさらに備え、前記走行道路修正手段は、前記照度情報をさらに用いて前記走行道路を修正するか否かを判定することを特徴とする。
【0025】
この請求項5の発明によれば、走行道路特定装置は、自車両の近傍の明るさを照度情報として取得し、位置情報と地図データとから走行道路を特定し、道路状況や走行速度等から特定している走行道路が適切か否か峻別できない場合には、取得した照度情報を用いて走行道路を修正するか否かを判断する。
【0026】
また、請求項6の発明に係る走行道路特定装置は、請求項1〜5の発明において、前記道路状況と前記走行速度とをもとに前記走行道路上における自車両の走行位置を推測する走行位置推測手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0027】
この請求項6の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報が取得不能になり、自車両の現在位置が特定できなくなった場合には、自車両が走行している走行道路前方の道路状況と走行速度とをもとにして自車両の走行位置を推測する。
【0028】
また、請求項7の発明に係る走行道路特定装置は、請求項6の発明において、前記走行位置推測手段は、前記道路状況として前記走行道路における渋滞の発生が示された場合に、該渋滞の範囲および渋滞中の車両の速度から前記自車両の走行位置を推測することを特徴とする。
【0029】
この請求項7の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報が取得不能になり、自車両の現在位置が特定できなくなった際に、走行道路前方での渋滞の有無を取得し、渋滞が発生している場合には、渋滞が発生している範囲と渋滞中の車両の速度とをもとにして自車両の走行位置を推測する。
【0030】
また、請求項8の発明に係る走行道路特定装置は、請求項6または7の発明において、前記走行位置推測手段は、前記道路状況として前記走行道路に渋滞が発生していないことが示された場合に、前記地図データおよび前記走行速度から前記自車両の走行位置を推測することを特徴とする。
【0031】
この請求項8の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報が取得不能になり、自車両の現在位置が特定できなくなった際に、走行道路前方での渋滞の有無を取得し、渋滞が発生していない場合には、地図データ、自車両の走行速度および走行時間をもとにして自車両の走行位置を推測する。
【0032】
また、請求項9の発明に係る走行道路特定装置は、請求項6,7または8の発明において、前記走行位置推測手段は、前記位置情報の取得が中断した場合に、取得された最新の位置情報を起点として前記走行位置を推測することを特徴とする。
【0033】
この請求項9の発明によれば、走行道路特定装置は、自車両の位置情報の取得が中断した場合に、取得された最新の位置情報を起点として走行道路前方の道路状況、走行速度および走行時間から走行位置を推測する。
【0034】
また、請求項10の発明に係る走行道路特定方法は、自車両の位置情報を取得し、前記位置情報と地図データとを用いて前記自車両が現に走行している走行道路を特定する走行道路特定方法において、前記自車両近傍の道路の道路状況を取得する道路状況取得工程と、前記自車両の走行速度を測定する走行速度測定工程と、前記道路状況と前記走行速度とをもとに前記走行道路を修正する走行道路修正工程と、を含んだことを特徴とする。
【0035】
この請求項10の発明によれば、走行道路特定方法は、位置情報と地図データから走行道路を特定し、自車両が走行している道路近傍の道路状況を取得し、自車両の走行速度を測定し、この走行速度と道路状況とをもとに自車両の走行している走行道路を修正する。
【0036】
また、請求項11の発明に係る走行道路特定方法は、請求項10の発明において、前記道路状況取得工程は、前記走行道路における渋滞の有無および前記走行道路における他車両の走行速度を前記道路状況として取得し、前記走行道路修正工程は、前記走行道路に渋滞が発生中で、かつ前記自車両の走行速度が他車両の走行速度より大きい場合に、前記走行道路を修正することを特徴とする。
【0037】
この請求項11の発明によれば、走行道路特定方法は、位置情報と地図データとから走行道路を特定し、この走行道路で渋滞の有無および他車両の走行速度を取得し、走行道路で渋滞が発生中で、かつ自車両の走行速度が他車両の走行速度よりも大きい場合には特定している走行道路を適切でないと判断し、走行道路を修正する。
【0038】
また、請求項12の発明に係る走行道路特定方法は、請求項10または11の発明において、前記道路状況取得工程は、前記走行道路における渋滞の有無および前記走行道路における他車両の走行速度を前記道路状況として取得し、前記走行道路修正工程は、前記走行道路に渋滞が発生しておらず、かつ前記自車両の走行速度が所定速度以下である場合に、前記走行道路を修正することを特徴とする。
【0039】
この請求項12の発明によれば、走行道路特定方法は、位置情報と地図データとから走行道路を特定し、この走行道路で渋滞の有無および他車両の走行速度を取得し、走行道路で渋滞が発生しておらず、かつ自車両の走行速度が所定速度以下である場合には特定している走行道路を適切でないと判断し、走行道路を修正する。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る走行道路特定装置および走行道路特定方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、走行道路は自車両が走行している道路であるが、車両側が自車両が走行していると認識している道路と、実際に車両が走行している道路は異なる場合がある。以下、「車両側が自車両が走行していると認識している道路」を「認識走行道路」と表記し、「実際に車両が走行している道路」を「実走行道路」と表記する。
【0041】
(実施の形態1)
まず、本実施の形態1にかかる走行道路特定の概念について説明する。実施の形態1に示すナビゲーション装置は、認識走行道路前方の道路状況を取得するとともに自車両の走行速度を測定する。そして、道路状況と走行速度とをもとに認識走行道路が適切か否かを判断し、適切でない場合には認識走行道路を近傍の道路に修正する。
【0042】
図1は、本実施の形態1に係るナビゲーション装置の概要構成を示す概要構成図である。同図に示すように、ナビゲーション装置1は、GPS受信機2、VICS受信機3、車速センサ4、表示部8および入力部9に接続される。
【0043】
GPS受信機2は、人工衛星から発信される位置情報を取得し、ナビゲーション装置1に出力する。VICS受信機2は、電波ビーコン、光ビーコンおよびFM放送局から送信される道路交通情報を受信し、ナビゲーション装置1に出力する。車速センサ4は、自車両の走行速度を測定し、ナビゲーション装置1に出力する。入力部9は、ユーザーからの入力操作を受け付けるインターフェースであり、例えば目的地等が入力されたならばナビゲーション装置1に出力する。
【0044】
ナビゲーション装置1は、入力された位置情報、道路交通情報および走行速度を利用して、自車両の位置を特定し、表示部8に自車両の位置、道路交通情報および目的地までの経路等を表示させる。
【0045】
ナビゲーション装置1は、その内部に制御部5、道路補正部6および記憶部7を有する。制御部5は、自車両の現在位置、道路交通情報および目的地までの経路情報等を表示部8に出力する。制御部5は、その内部に自車位置特定部5a、VICS処理部5bおよびナビゲーション処理部5cを有する。
【0046】
自車位置特定部5aは、GPS受信機2から入力された位置情報と記憶部7内の地図データ記憶部7aに記憶された地図データとをもとにして自車両の位置を特定する。また、自車位置特定部5aは、道路補正部6から認識走行道路の修正命令が入力された場合に現在特定している認識走行道路を修正する。
【0047】
ここで、修正前の認識走行道路と修正後の認識走行道路について説明する。自車両近傍で高架道路と高架道路下の道路とが平行している場所で、修正前の認識走行道路が高架道路ならば、修正後の認識走行道路は高架道路下の道路となる。また、修正前の認識走行道路が高架道路下の道路ならば、修正後の認識走行道路は高架道路となる。
【0048】
VICS処理部5bは、VICS受信機3から入力される道路交通情報をもとに自車両近傍の交通情報を検出する。ナビゲーション処理部5cは、入力部9から目的地等が入力された場合に、記憶部7に記憶されている地図データから目的地までの経路を検出する。
【0049】
道路補正部6は、その内部に走行道路特定部6aを有する。走行道路特定部6aは、制御部5から自車両の周辺情報を常に取得する。この周辺情報から走行道路特定部6aは、自車両近傍に高架道路やインターチェンジ等が含まれているか否かを判定する。
【0050】
そして、自車両が高架道路近傍で走行する場合には、車速センサ4から入力される走行速度とVICS受信機3とから入力される道路交通情報を取得する。ここで、走行道路特定部6aが取得する道路交通情報は、認識走行道路前方での渋滞の有無と、認識走行道路前方で走行している他車両の走行速度を示す交通速度である。以下、認識走行道路前方で走行している他車両の走行速度を交通速度という。
【0051】
そして、走行道路特定部6aは、自車両の走行速度、渋滞の有無および交通速度をもとにして現在の認識走行道路が適切か否か判断し、適切でない場合には認識走行道路を修正する。具体的には、認識走行道路前方で渋滞が発生しているにも関わらず、交通速度よりも自車両の走行速度が大きい場合には、現在特定している認識走行道路は適切でない(認識走行道路と実走行道路とが異なる)と判断し、修正命令を制御部5に出力する。
【0052】
また、走行道路特定部6aは、高架道路近傍の認識走行道路前方で渋滞が発生していないにも関わらず、自車両の走行速度が交通速度以下で、かつ走行速度と交通速度との差が一定以上の場合にも現在特定している認識走行道路は適切でない(認識走行道路と実走行道路とが異なる)と判断し、修正命令を制御部5に出力する。
【0053】
つぎに、ナビゲーション装置1の処理動作について説明する。図2は、ナビゲーション装置1の処理動作を説明するフローチャートである。この処理は、ナビゲーション装置動作中に繰り返し実行される。同図に示すように自車位置特定部5aは、GPS受信機2から位置情報を取得し、地図データ記憶部7aから地図データを取得する。そして位置情報と地図データとをもとに自車位置を特定する(ステップS101)。
【0054】
その後、走行道路特定部6aは、VICS受信機3から入力される道路交通情報から交通速度を取得する(ステップS102)。また、走行道路特定部6aは、道路交通情報から認識走行道路前方で渋滞が発生しているか否かを判定する(ステップS103)。認識走行道路前方で渋滞が発生していない場合には(ステップS103,No)、自車両の走行速度が交通速度以下でかつ走行速度と交通速度との差が一定以上かを判定する(ステップS104)。
【0055】
自車両の走行速度が交通速度より大きいまたは走行速度と交通速度との差が一定値よりも小さい場合には(ステップS104,No)、走行道路特定部6aは、現在の認識走行道路を適切である(認識走行道路と実走行道路とが一致する)と判断する。そして、制御部5は、認識走行道路の修正を行わずに自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させ処理を終了する(ステップS107)。
【0056】
一方、自車両の走行速度が交通速度以下でかつ走行速度と交通速度との差が一定値以上の場合には(ステップS104,Yes)、走行道路特定部6aは、現在の認識走行道路を適切でない(認識走行道路と実走行道路とが異なる)と判断し、修正命令を制御部5に出力する。そして、修正命令が入力されたならば自車位置特定部5aは、認識走行道路を修正し(ステップS106)、制御部5は、自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させて処理を終了する(ステップS107)。
【0057】
また、認識走行道路前方で渋滞が発生している場合には(ステップS103,Yes)、走行道路特定部6aは、自車両の走行速度が交通速度以上か否か判定する(ステップS105)。走行速度が交通速度より小さい場合は(ステップS105,No)、走行道路特定部6aは、現在の認識走行道路を適切である(認識走行道路と実走行道路とが一致する)と判断する。そして、制御部5は、認識走行道路の修正を行わず自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させ処理を終了する(ステップS107)。
【0058】
一方、走行速度が交通速度以上の場合は(ステップS105,Yes)、走行道路特定部6aは、現在の認識走行道路を適切でない(認識走行道路と実走行道路とが異なる)と判断し、修正命令を制御部5に出力する。そして、修正命令が入力されたならば自車位置特定部5aは、認識走行道路を修正する(ステップS106)。制御部5は、自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させて処理を終了する(ステップS107)。
【0059】
上述してきたように、本実施の形態1にかかるナビゲーション装置1では、認識走行道路前方の渋滞情報、交通速度および自車両の走行速度を取得する。そして、走行道路特定部6aは、取得した渋滞情報、交通速度および走行速度から現在の認識走行道路が適切か否か(認識走行道路と実走行道路とが一致するか否か)を判断し、適切でないと判断した場合に自車位置特定部5aは認識走行道路の修正を行う。そのため、高架道路と高架道路下の道路とが平行している場所等であっても、自車両が現在走行している道路を精度良く特定することができる。すなわち、認識走行道路と実走行道路とを精度良く一致させることができる。
【0060】
なお、実施の形態1で示したフローチャートでは、自車両が高架道路等の近傍に位置していることを前提にして認識走行道路が適切か否か判断した。しかし、自車両が高架道路等の近傍に位置していない場合には、走行道路特定部6aは認識走行道路が適切か否かの判断を行わない構成としてもよい。このように、高架道路近傍のみで認識走行道路が適切か否かの判断を行うことで、ナビゲーション装置1は、必要なときにだけ認識走行道路を修正することになり、装置にかかる負荷を軽減することができる。
【0061】
また、実施の形態1では、上下に重複した道路について認識走行道路が適切か否かを判断し、認識走行道路を必要に応じて修正したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば平行に並んだ複数の道路についても現在の認識走行道路が適切か否か判断し修正することができる。
【0062】
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。この実施の形態2では、認識走行道路前方の渋滞の有無、交通速度および走行速度だけでなく自車両近傍の明るさをさらに利用して現在の認識走行道路が適切か否か(認識走行道路と実走行道路とが一致するか否か)を判断し、認識走行道路を修正するように構成している。
【0063】
また、実施の形態2では速度テーブルを利用する。この速度テーブルは、特定している認識走行道路が適切か否かを判定する際の指標となる指標値を記録している。認識走行道路前方の交通状況および認識走行道路の制限速度をもとに速度テーブルから指標値を検出し、この指標値と自車両の走行速度とを比較することによって認識走行道路が適切か否かを判断する。
【0064】
また、速度テーブルを用いて指標値と走行速度とを比較する際に、走行速度が所定範囲内に含まれる場合には自車両近傍の明るさを利用して認識走行道路が適切か否かを判断する。
【0065】
図3は、本発明の実施の形態2にかかるナビゲーション装置20の概要構成を説明する説明図である。同図に示すように、ナビゲーション装置20は、照度センサ22に接続され、記憶部21は、地図データ記憶部21a、速度記憶部21bおよび照度記憶部21cを有し、道路補正部23は、走行道路特定部23aを有する。その他の構成および動作は、実施の形態1に示したナビゲーション装置1と同様であるので同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
照度センサ22は、自車両近傍の明るさの度合いを示す照度を取得し、ナビゲーション装置1に出力する。
【0067】
地図データ記憶部21aは、実施の形態1で示した地図データ記憶部7aと同様に地図データを記憶している。速度記憶部21bは、速度テーブルを記憶している。具体的には図4に示すように、認識走行道路における制限速度と渋滞発生時の車両の交通速度を示す渋滞速度とから、認識走行道路が適切か否か(認識走行道路と実走行道路と一致するか否か)の指標となるV1およびV2を記憶している。
【0068】
より詳細には、渋滞速度が「10km/h未満」である場合、認識走行道路の制限速度が「100km/h」ならば、V1は「90km/h」でV2は「20km/h」となり、制限速度が「80km/h」ならば、V1は「70km/h」でV2は「20km/h」となり、制限速度が「60km/h」ならば、V1は「50km/h」でV2は「20km/h」となる。
【0069】
また、渋滞速度が「10km/h以上」かつ「20km/h未満」である場合、認識走行道路の制限速度が「100km/h」ならば、V1は「90km/h」でV2は「30km/h」となり、制限速度が「80km/h」ならば、V1は「70km/h」でV2は「30km/h」となり、制限速度が「60km/h」のならば、V1は「50km/h」でV2は「30km/h」となる。
【0070】
また、渋滞速度が「20km/h以上」かつ「30km/h以下」である場合、認識走行道路の制限速度が「100km/h」ならば、V1は「90km/h」でV2は「40km/h」となり、制限速度が「80km/h」ならば、V1は「70km/h」でV2は「40km/h」となり、制限速度が「60km/h」ならば、V1は「50km/h」でV2は「40km/h」となる。
【0071】
また、認識走行道路で渋滞が発生していない場合は、図4の「渋滞なし」の行とその行に対応する制限速度からV1およびV2を検出する。具体的には、認識走行道路で渋滞が発生しておらず認識走行道路の制限速度が「100km/h」の場合には、V1は「90km/h」でV2は「40km/h」となり、制限速度が「80km/h」の場合には、V1は「70km/h」でV2は「40km/h」となり、制限速度が「60km/h」の場合には、V1は「50km/h」でV2は「40km/h」となる。
【0072】
照度記憶部21cは、所定時間ごとに平均された照度を示す基準照度値を記憶する。また、照度記憶部21cは、新たに基準照度値を記憶するたびに、現在記憶している基準照度値を更新し、常に最新の基準照度値を記憶する。
【0073】
走行道路特定部23aは、制御部5から自車両の周辺情報を常に取得する。この周辺情報から走行道路特定部23aは、自車両近傍に高架道路やインターチェンジ等が含まれているか否かを判定する。そして、自車両が高架道路近傍で走行する場合には、車速センサ4から入力される走行速度とVICS受信機3とから入力される道路交通情報を取得する。
【0074】
つぎに、走行道路特定部23aは取得した道路交通情報に含まれる認識走行道路の制限速度と渋滞速度とをもとに、速度記憶部21bに記憶された速度テーブルから指標値を検出する。走行道路特定部23aは、指標値と走行速度とを利用して認識走行道路が適切か否か(認識走行道路と実走行道路と一致するか否か)判断し、適切でない場合には制御部5に修正命令を出力する。
【0075】
一方、走行速度が所定範囲に含まれる場合には、自車両近傍の照度と基準照度値とに基づいて現在の認識走行道路が適切か否か(認識走行道路と実走行道路と一致するか否か)判断し、適切でない場合には制御部5に修正命令を出力する。
【0076】
つぎに、ナビゲーション装置20の処理動作を説明する。図5は、ナビゲーション装置20の処理動作を説明するフローチャートである。この処理は、ナビゲーション装置動作中に繰り返し実行される。同図に示すように自車位置特定部5aは、GPS受信機2から位置情報を取得し、地図データ記憶部21aから地図データを取得する。そして位置情報と地図データをもとに自車位置を特定する(ステップS201)。
【0077】
その後、走行道路特定部23aは、VICS受信機3から入力される道路交通情報をもとに認識走行道路前方で渋滞が発生しているか否かを判定する(ステップS202)。認識走行道路前方で渋滞が発生していない場合には(ステップS202,No)、認識走行道路の制限速度をもとにして走行道路特定部23aが速度記憶部21bからV1およびV2を検出する(ステップS203)。
【0078】
そして、走行道路特定部23aは、走行速度がV1以上か否か判定し(ステップS204)、走行速度がV1以上の場合には認識走行道路を適切である(認識走行道路と実走行道路と一致する)と判断する(ステップS204,Yes)。そして、制御部5は認識走行道路の修正を行わず自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させ処理を終了する(ステップS211)。
【0079】
一方、走行速度がV1より小さい場合には(ステップS204,No)、走行速度がV2以下か否か判定する(ステップS205)。走行速度がV2以下の場合は(ステップS205,Yes)、走行道路特定部23aは、認識走行道路を適切でない(認識走行道路と実走行道路と一致しない)と判断し、制御部5に認識走行道路の修正命令を出力する。そして、修正命令が入力されたならば自車位置特定部5aは、認識走行道路を修正する(ステップS210)。その後、制御部5は、自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させて処理を終了する(ステップS211)。
【0080】
ところで、走行速度がV2より大きい場合は(ステップS205,No)、走行道路特定部23aは、基準照度値をもとにして認識走行道路を判断し、必要に応じて制御部5に修正命令を出力する。修正命令が入力された場合には制御部5は認識走行道路を修正する(ステップS209)。そして、制御部5は、自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させて処理を終了する(ステップS211)。
【0081】
一方、認識走行道路前方で渋滞が発生している場合には(ステップS202,Yes)、認識走行道路の制限速度と渋滞速度とをもとにして走行道路特定部23aが速度記憶部21bからV1およびV2を検出し(ステップS206)、走行速度がV2以下か否かを判定する(ステップS207)。
【0082】
走行速度がV2以下の場合には(ステップS207,Yes)、走行道路特定部23aは、認識走行道路を適切であると判断する。そして、制御部5は、認識走行道路の修正を行わず自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させ処理を終了する(ステップS211)。
【0083】
一方、走行速度がV2より大きい場合には(ステップS207,No)、走行速度がV1以上か否か判断する(ステップS208)。そして走行速度がV1以上の場合には(ステップS208,Yes)、走行道路特定部23aは、認識走行道路を適切でない(認識走行道路と実走行道路と一致しない)と判断し、制御部5に認識走行道路の修正命令を出力する。
【0084】
そして、修正命令が入力されたならば自車位置特定部5aは、認識走行道路を修正する(ステップS210)。その後、制御部5は、自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させて処理を終了する(ステップS211)。
【0085】
一方、走行速度がV1より小さい場合には(ステップS208,No)、走行道路特定部23aは、基準照度値をもとにして認識走行道路を判断し、必要に応じて制御部5に修正命令を出力する。修正命令が入力された場合には制御部5は、認識走行道路を修正する(ステップS209)。そして、制御部5は、自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させて処理を終了する(ステップS211)。
【0086】
つぎに、図5で示した照度をもとに認識走行道路を判定する動作について詳しく説明する。図6は、ナビゲーション装置が照度をもとに認識走行道路を判定する処理動作を説明するフローチャートである。同図に示すように走行道路特定部23aは、制御部5から入力される自車両の周辺情報から自車両がインターチェンジ入口近傍に位置しているか否か判定する(ステップS301)。
【0087】
自車両が、インターチェンジ近傍に位置していない場合には(ステップS301,No)、照度記憶部21cから基準照度値を取得する(ステップS302)。その後、走行道路特定部23aは、照度センサからの照度が基準照度値以上か否か判定する(ステップS303)。
【0088】
照度が基準照度値より小さい場合には(ステップS303,No)、実走行道路は照度の値が高架道路より小さい高架道路下の一般道路であると判断する(ステップS309)。そして、走行道路特定部23aは、現在の認識走行道路が高架道路下の一般道路か否か判定する(ステップS310)。現在の認識走行道路が高架道路下の一般道路である(認識走行道路と実走行道路と一致する)場合には(ステップS310,Yes)、走行道路特定部23aは制御部5に修正命令を出力しない。そして、制御部5は、認識走行道路の修正を行わず(ステップS308)、処理を終了する。
【0089】
一方、現在の認識走行道路が高架道路下の一般道路でない(認識走行道路と実走行道路と一致しない)場合には(ステップS310,No)、走行道路特定部23aは制御部5に修正命令を出力する。そして、制御部5は、認識走行道路を高架道路下の一般道路に修正し(認識走行道路と実走行道路と一致させ)(ステップS311)、処理を終了する。
【0090】
一方、照度が基準照度値以上の場合には(ステップS303,Yes)、実走行道路は照度の値が高架道路下の一般道路よりも大きい高架道路であると判断する(ステップS306)。そして、走行道路特定部23aは、現在の認識走行道路が高架道路か否か判定する(ステップS307)。現在の認識走行道路が高架道路である(認識走行道路と実走行道路と一致する)場合には(ステップS307,Yes)、走行道路特定部23aは制御部5に修正命令を出力しない。そして、制御部5は、認識走行道路の修正を行わず(ステップS308)、処理を終了する。
【0091】
一方、現在の認識走行道路が高架道路でない(認識走行道路と実走行道路と一致しない)場合には(ステップS307,No)、走行道路特定部23aは制御部5に修正命令を出力する。そして、制御部5は、認識走行道路を高架道路に修正し(認識走行道路と実走行道路と一致させ)(ステップS311)、処理を終了する。
【0092】
一方、自車両が、インターチェンジ近傍に位置している場合には(ステップS301,Yes)、インターチェンジ近傍の照度を取得し、基準照度値とする(ステップS304)。
【0093】
従って、インターチェンジ入口近傍に自車両が位置する場合には、照度記憶部21cに記憶された基準照度値を使用しない。すなわち、インターチェンジ入口近傍で取得した照度とインターチェンジ入口通過後の照度との変化をもとにして実走行道路を判断する。
【0094】
インターチェンジ入口近傍を自車両が通過後、走行道路特定部23aは、照度センサからの照度が基準照度値以下か否か判定する(ステップS305)。照度が基準照度値より大きい場合には(ステップS305,No)、実走行道路は照度の値が高架道路下の一般道路よりも大きい高架道路であると判断する(ステップS306)。そして、走行道路特定部23aは、現在の認識走行道路が高架道路か否か判断する(ステップS307)。認識走行道路が高架道路の場合(認識走行道路と実走行道路と一致する場合)は(ステップS307,Yes)、走行道路特定部23aは制御部5に修正命令を出力しない。そして、制御部5は、認識走行道路の修正を行わず(ステップS308)、処理を終了する。
【0095】
一方、現在の認識走行道路が高架道路でない(認識走行道路と実走行道路と一致する)場合は(ステップS307,No)、走行道路特定部23aは、制御部5に修正命令を出力する。そして、制御部5は、認識走行道路を高架道路に修正し(認識走行道路と実走行道路と一致させ)(ステップS311)、処理を終了する。
【0096】
一方、照度が基準照度値以下の場合には(ステップS305,Yes)、照度の値が高架道路よりも小さい高架道路下の一般道路であると判断する(ステップS309)。そして、走行道路特定部23aは、現在の認識走行道路が高架道路下の一般道路か否か判定する(ステップS310)。現在の認識走行道路が高架道路下の一般道路である(認識走行道路と実走行道路と一致する)場合には(ステップS310,Yes)、走行道路特定部23aは制御部5に修正命令を出力しない。そして、制御部5は、認識走行道路の修正を行わず(ステップS308)、処理を終了する。
【0097】
一方、現在の認識走行道路が高架道路下の一般道路でない(認識走行道路と実走行道路と一致しない)場合には(ステップS310,No)、走行道路特定部23aは制御部5に修正命令を出力する。そして、制御部5は、認識走行道路を高架道路下の一般道路に修正し(ステップS311)、処理を終了する。
【0098】
上述してきたように、本実施の形態2にかかるナビゲーション装置20では、道路の渋滞の有無、交通速度および走行速度だけでなく自車両近傍の照度をさらに利用して認識走行道路を修正している。そのため、道路状況と走行速度とから実走行道路が峻別できない場合であっても、照度を利用することにより現在の実走行道路が高架道路と高架道路下の一般道路とのどちらの道路か判断可能であり、実走行道路特定の精度を向上することができる。
【0099】
なお、実施の形態1および実施の形態2では、走行道路特定を行う際に、高架道路と高架道路下の一般道路とのどちらの道路が実走行道路なのかを判断したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば高速道路と一般道路とを判定する場合でも利用できることは言うまでもない。
【0100】
また、実施の形態2のフローチャートは、実施の形態1で示したフローチャートと同様に自車両が高架道路等の近傍に位置していることを前提に認識走行道路を修正するか否か判断した。しかし、自車両が高架道路等の近傍に位置していない場合には、走行道路特定部23aは認識走行道路が適切か否かの判断を行わない構成としてもよい。このように、高架道路近傍のみで認識走行道路が適切か否かの判断を行うことで、ナビゲーション装置20は、必要なときにだけ認識走行道路を修正することになり、装置にかかる負荷を軽減することができる。
【0101】
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3に示すナビゲーション装置は、人工衛星との通信によって位置情報を取得できなくなった場合に、認識走行道路の渋滞の発生場所、交通速度、自車両の走行速度および走行時間を利用して自車両の現在位置を推測する。
【0102】
図7は、本実施の形態3にかかるナビゲーション装置の概要構成を説明する説明図である。同図に示すように、ナビゲーション装置30は、道路補正部31の内部に走行道路特定部31aに加えて現在位置算出部31bを有する。その他の構成および動作は、実施の形態1に示したナビゲーション装置1と同様であるので同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0103】
走行道路特定部31aは実施の形態1で示した走行道路特定部6aと同様の処理を行う。現在位置算出部31bは、VICS受信機3から入力される認識走行道路前方の渋滞場所、交通速度および自車両の走行速度に基づいて現在の自車両位置を算出し、制御部5に出力する。
【0104】
つぎに、ナビゲーション装置30による自車両の位置推測の概念について図8および図9を用いて説明する。図8は、自車両42がトンネル40に進入し、ナビゲーション装置30が位置情報を受信できない状況を示している。認識走行道路前方に渋滞が発生している場合には、VICS受信機3から入力される道路交通情報をもとに渋滞発生場所41と、渋滞発生場所41における交通速度とを取得する。そして、取得した渋滞発生場所41と交通速度とから自車両の現在位置43を推測する。
【0105】
一方、図9に示すように自車両が位置情報を取得できないトンネル40に進入し、認識走行道路前方で渋滞が発生していない場合には、自車両51の走行速度と走行時間とから自車両の現在位置52を推測する。
【0106】
つぎに、ナビゲーション装置30の処理動作を説明する。図10は、ナビゲーション装置30の処理動作を説明するフローチャートである。同図に示すように制御部5は、人工衛星との通信によって位置情報を受信可能か否か判定する(ステップS401)。
【0107】
位置情報が受信可能ならば(ステップS401,Yes)、自車位置特定部5aは、位置情報と地図データとから地図上の自車位置を特定し(ステップS402)、自車位置を表示して処理を終了する(ステップS407)。
【0108】
一方、位置情報が受信不可能ならば(ステップS401,No)、現在位置算出部31bは、位置情報が受信できなくなる直前の最新の自車位置を自車位置特定部5aから取得する(ステップS403)。
【0109】
その後、現在位置算出部31bは、VICS受信機3から入力される道路交通情報から認識走行道路前方で渋滞が発生しているか否か判定する(ステップS404)。渋滞が発生していなければ(ステップS404,No)、現在位置算出部31bは、取得した最新の自車位置51を起点として走行速度と走行時間とから自車両の現在位置52を推測する(ステップS405)。そして、現在位置算出部31bは、推測した自車位置52を制御部5に出力し、表示部8に自車位置を表示させ処理を終了する(ステップS407)。
【0110】
ところで、渋滞が発生していれば(ステップS404,Yes)、現在位置算出部31bは、取得した最新の自車位置42を起点として渋滞場所41、渋滞場所における他車両の交通速度に応じて自車両の現在位置43を推測する(ステップS406)。そして、現在位置算出部31bは、推測した自車位置42を制御部5に出力し、表示部8に自車位置を表示させ処理を終了する(ステップS407)。なお、図10のフローチャートに示した処理は、ナビゲーション装置の動作中、常に繰り返し実行される。
【0111】
上述してきたように、本実施の形態3にかかるナビゲーション装置30は、位置情報が取得できず認識走行道路前方で渋滞が発生している場合には、VICS受信機3から入力される認識走行道路前方の渋滞場所41、交通速度および自車両の走行速度に基づいて現在の自車両位置43を推測している。
【0112】
また、位置情報が取得できず認識走行道路前方で渋滞が発生していない場合には、自車両の走行速度と走行時間とに基づいて現在の自車両位置52を推測する。そのため、ナビゲーション装置30は、トンネルのような位置情報が受信できない場所でも自車両の位置を精度良く推測することができる。
【0113】
また、現在位置算出部31bは、現在の自車位置を推測する際に、位置情報が取得できなくなった時点での自車両位置を起点として現在の自車両位置を推測したが、これに限定されるものではない。例えば現在位置算出部31bが算出した自車両位置を起点として新たに自車両位置を推測する構成にしても良い。なお、トンネル内等で曲がり角が多く存在する場合には、現在位置算出部31bは、ハンドルの舵角を利用して道路の位置を補正するように構成してもよい。
【0114】
また、実施の形態1、2および3では、GPSから自車両の位置情報を取得するように構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなくGPS以外の手段から位置情報を取得するように構成しても良い。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、走行道路特定装置は、自車両の位置情報と地図データとから自車両の走行道路を特定し、自車両近傍の道路の道路状況を取得し、自車両の走行速度を測定し、取得した近傍の道路状況と走行速度とをもとに認識走行道路を修正するので、現在自車両が走行している道路を精度良く特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0116】
また、請求項2の発明によれば、走行道路特定装置は、認識走行道路前方の渋滞の有無および前方の他車両の走行速度を取得し、認識走行道路前方で渋滞が発生中でかつ自車両の走行速度が他車両の走行速度よりも大きい場合に、認識走行道路を修正するので、現在自車両が走行している道路を精度良く特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0117】
また、請求項3の発明によれば、走行道路特定装置は、認識走行道路前方の渋滞の有無および前方の他車両の走行速度を取得し、認識走行道路前方で渋滞が発生しておらず、かつ自車両の走行速度が所定速度以下である場合に、認識走行道路を修正するので、現在自車両が走行している道路を精度良く特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0118】
また、請求項4の発明によれば、走行道路特定装置は、認識走行道路を修正する場合に修正前の認識走行道路の上方もしくは下方に位置する道路を修正後の認識走行道路とするので、高架道路下に一般道路が並行するような複数の一般道路が重複する場所等でも現在自車両が走行している道路を精度良く特定可能な走行道路特定装置が得られるとういう効果を奏する。
【0119】
また、請求項5の発明によれば、走行道路特定装置は、自車両近傍の明るさを照度情報としてさらに取得し、認識走行道路前方の道路状況、自車両の走行速度および照度情報をもとにして認識走行道路を修正するので、道路状況と自車両の走行速度とから実走行道路を峻別できない場合でも照度を利用して道路を特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0120】
また、請求項6の発明によれば、走行道路特定装置は、認識走行道路前方の道路状況と自車両の走行速度とをもとに自車両の走行位置を推測するので、GPS等から位置情報が取得できなくとも自車位置を特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0121】
また、請求項7の発明によれば、走行道路特定装置は、認識走行道路前方で渋滞の発生が示された場合に、渋滞の範囲および渋滞中の車両の速度から自車両の走行位置を推測するので、渋滞中の道路を走行中の自車位置を特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0122】
また、請求項8の発明によれば、走行道路特定装置は、認識走行道路前方で渋滞が発生していないことが示された場合に、地図データおよび走行速度から自車両の走行位置を推測するので、GPS等から位置情報が取得できなくとも精度良く自車位置を特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0123】
また、請求項9の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報が取得できなくなった場合に、取得された最新の位置情報を起点として自車両の走行位置を推測するので、過去にGPS等から取得した位置情報を最大限に利用して自車位置を特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0124】
また、請求項10の発明によれば、走行道路特定方法は、自車両の位置情報と地図データとから自車両の走行道路を特定し、自車両近傍の道路の道路状況を取得し、自車両の走行速度を測定し、取得した近傍の道路状況と走行速度とをもとに認識走行道路を修正するので、現在自車両が走行している道路を精度良く特定可能な走行道路特定方法が得られるという効果を奏する。
【0125】
また、請求項11の発明によれば、走行道路特定方法は、認識走行道路前方の渋滞の有無および前方の他車両の走行速度を取得し、認識走行道路前方で渋滞が発生中でかつ自車両の走行速度が他車両の走行速度よりも大きい場合に、認識走行道路を修正するので、現在自車両が走行している道路を精度良く特定可能な走行道路特定方法が得られるという効果を奏する。
【0126】
また、請求項12の発明によれば、走行道路特定方法は、認識走行道路前方の渋滞の有無および前方の他車両の走行速度を取得し、認識走行道路前方で渋滞が発生しておらず、かつ自車両の走行速度が所定速度以下である場合に、認識走行道路を修正するので、現在自車両が走行している道路を精度良く特定可能な走行道路特定方法が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態1にかかるナビゲーション装置の概要構成を示す概要構成図である。
【図2】本実施の形態1にかかるナビゲーション装置の処理動作を説明するフローチャートである。
【図3】本実施の形態2にかかるナビゲーション装置の概要構成を示す概要構成図である。
【図4】速度テーブルを説明する説明図である。
【図5】本実施の形態2にかかるナビゲーション装置の処理動作を説明するフローチャートである。
【図6】ナビゲーション装置が照度をもとに実走行道路を判定する処理動作を説明するフローチャートである。
【図7】本実施の形態3にかかるナビゲーション装置の概要構成を示す概要構成図である。
【図8】認識走行道路前方で渋滞が発生している場合のナビゲーション装置による自車両の位置推測の概念を説明する説明図である。
【図9】認識走行道路前方で渋滞が発生していない場合のナビゲーション装置による自車両の位置推測の概念を説明する説明図である。
【図10】本実施の形態3にかかるナビゲーション装置の処理動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1,20,30 ナビゲーション装置
2 GPS受信機
3 VICS受信機
4 速度センサ
5 制御部
5a 自車位置特定部
5b VICS処理部
5c ナビゲーション処理部
6,23,31 道路補正部
6a,23a,31a 走行道路特定部
31b 現在位置算出部
7、21 記憶部
7a、21a 地図データ記憶部
21b 速度記憶部
21c 照度記憶部
22 照度センサ
8 表示部
9 入力部
40 トンネル
41 渋滞場所
42,43,51,52 自車両
【発明の属する技術分野】
この発明は、自車両の位置情報を取得し、前記位置情報と地図データとを用いて前記自車両が現に走行している走行道路を特定する走行道路特定装置および走行道路特定方法に関し、特に、高架道路近傍で自車両の走行道路を精度良く特定することができる走行道路特定装置および走行道路特定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、GPS(Grobal Positioing System)等を利用して自車両の位置を特定し、その位置を道路地図と共にディスプレイ上に表示するナビゲーション装置が知られている。
【0003】
ところが、従来のナビゲーション装置で利用するGPSは、自車両の位置する高さを精度良く検出することができない。また、自車両が高架道路近傍で走行する場合には、高架道路と高架道路下の道路とでは高さの差が数メートル程度しかない。従って、自車両が走行している道路を必ずしも正確に特定することができなかった。そのため、自車両が走行していると認識している道路(認識走行道路)と、実際に走行している道路(実走行道路)が一致しない場合が発生していた。
【0004】
この問題を解決するための具体的な手法の一つとして、特許文献1に開示された道路種別判定装置では、自車両が一般道路上と高速道路上とのどちらで走行しているのかを判断する際に、一般道路で走行する自車両の動作の規則性に着目し、自車両が一定速度で移動した後、一定時間以内もしくは一定距離以内に停止するという一般道路上で走行する車両の典型的な動作を連続的に行った場合には、自車両が一般道路を走行していると判断していた。
【0005】
また、特許文献2に開示されたナビゲーション装置では、自車両が一般道路上と高速道路上とのどちらで走行しているのかを判断する際に、自車両周辺にインターチェンジが存在するか否かを地図データから検出し、検出結果と自車両の走行速度とに基づいて自車両が一般道路を走行しているのか高速道路を走行しているのかを判断していた。
【0006】
また、特許文献3に開示された車載ナビゲーション装置では、高速道路などの特定道路網と一般道路地図とを別々に記憶しておき、自車両の近傍に高速道路と一般道路とが存在し、かつ自車両の走行速度が一定速度以上である場合に特定道路網のみを利用して、自車両位置の誤表示対策を行っていた。
【0007】
一方、従来のナビゲーション装置には、特許文献4に開示されているように、VICS(Vehicle Information and Communication System)を搭載したナビゲーション装置もある。VICSを利用した位置精度向上の具体的な手法の一つに、特許文献5に開示されているナビゲーション装置がある。
【0008】
この特許文献5に開示されたナビゲーション装置は、道路に設置されたビーコンを利用して自車両が走行している走行道路を特定していた。具体的には受信したビーコン信号からビーコンの設置された道路を割り出し、その割り出された道路を走行道路としていた。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−349734号公報
【特許文献2】
特開平8−304093号公報
【特許文献3】
特開平7−229749号公報
【特許文献4】
特開平10−82648号公報
【特許文献5】
特開平11−281381号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自車両の走行速度から走行道路を特定するナビゲーション装置では、道路状況によって走行速度が大きく変化するため走行道路を必ずしも正確に特定できなかった。具体的には、走行速度で自車両の位置が高速道路上か一般道路上かを判断する際に、自車両が走行している高速道路上で渋滞が発生し、自車両の速度が著しく低下した場合には、誤って一般道路上に自車両が走行していると判断してしまう。すなわち、実走行道路が高速道路であるにも関わらず、一般道路を認識走行道路としてしまう。
【0011】
また、道路が重複する状況は高速道路と一般道路とに限られるものではなく、例えば、高架道路上の一般道路に高架道路下の一般道路が並行している場合など複数の一般道路が重複する場合があり、この重複した一般道路でも自車両の走行道路を正確に表示する必要がある。
【0012】
しかし、重複した一般道路の上方と下方との道路上では、自車両の走行速度差が高速道路上と一般道路上との走行速度差のように顕著に表れない。そのため、従来のナビゲーション装置は、自車両の走行している道路を正確に特定することができなかった。
【0013】
一方、VICSデータを利用して自車両の走行道路を特定する場合にも、設置条件等により重複した一般道路の各道路すべてにビーコンを設置できない場合があるため正確な走行道路を判断できない。また自車両走行中にビーコン信号が受信できない場合には自車両の走行道路を特定することができなかった。
【0014】
すなわち、従来のナビゲーション装置は、自車両が走行している道路を必ずしも正確に特定できないという問題があった。従って、自車両が走行している道路が高架道路を含む重複した一般道路の場合や、ビーコンが重複した一般道路の各道路すべてに設置されていなくとも現に自車両が走行している道路を正確に判断し、自車両が走行している道路状況にも対応することが非常に重要な課題となっていた。つまり、実走行道路と認識走行道路とを精度良く一致させることが求められていた。
【0015】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消し、課題を解決するためになされたものであり、道路状況に対応し、自車両が走行している道路特定の精度を向上させた走行道路特定装置および走行道路特定方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る走行道路特定装置は、自車両の位置情報を取得し、前記位置情報と地図データとを用いて前記自車両が現に走行している走行道路を特定する走行道路特定装置において、前記自車両近傍の道路の道路状況を取得する道路状況取得手段と、前記自車両の走行速度を測定する走行速度測定手段と、前記道路状況と前記走行速度とをもとに前記走行道路を修正する走行道路修正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
この請求項1の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報と地図データから走行道路を特定し、自車両が走行している道路近傍の道路状況を取得し、自車両の走行速度を測定し、この走行速度と道路状況とをもとに自車両の走行している走行道路を修正する。
【0018】
また、請求項2の発明に係る走行道路特定装置は、請求項1の発明において、前記道路状況取得手段は、前記走行道路における渋滞の有無および前記走行道路における他車両の走行速度を前記道路状況として取得し、前記走行道路修正手段は、前記走行道路に渋滞が発生中で、かつ前記自車両の走行速度が他車両の走行速度より大きい場合に、前記走行道路を修正することを特徴とする。
【0019】
この請求項2の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報と地図データとから走行道路を特定し、この走行道路で渋滞の有無および他車両の走行速度を取得し、走行道路で渋滞が発生中で、かつ自車両の走行速度が他車両の走行速度よりも大きい場合には特定している走行道路を適切でないと判断し、走行道路を修正する。
【0020】
また、請求項3の発明に係る走行道路特定装置は、請求項1または2の発明において、前記道路状況取得手段は、前記走行道路における渋滞の有無および前記走行道路における他車両の走行速度を前記道路状況として取得し、前記走行道路修正手段は、前記走行道路に渋滞が発生しておらず、かつ前記自車両の走行速度が所定速度以下である場合に、前記走行道路を修正することを特徴とする。
【0021】
この請求項3の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報と地図データとから走行道路を特定し、この走行道路で渋滞の有無および他車両の走行速度を取得し、走行道路で渋滞が発生しておらず、かつ自車両の走行速度が所定速度以下である場合には特定している走行道路を適切でないと判断し、走行道路を修正する。
【0022】
また、請求項4の発明に係る走行道路特定装置は、請求項1,2または3の発明において、前記走行道路修正手段は、前記走行道路を修正する場合に、修正前の走行道路の上方もしくは下方に位置する道路を修正後の走行道路とすることを特徴とする。
【0023】
この請求項4の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報と地図データとから走行道路を特定し、道路状況や走行速度等から特定している走行道路が適切か否か判断し、走行道路を修正する場合には、修正前の走行道路の上方もしくは下方に位置する道路を修正後の走行道路とする。
【0024】
また、請求項5の発明に係る走行道路特定装置は、請求項1〜4の発明において、前記自車両の近傍の明るさを照度情報として取得する照度取得手段をさらに備え、前記走行道路修正手段は、前記照度情報をさらに用いて前記走行道路を修正するか否かを判定することを特徴とする。
【0025】
この請求項5の発明によれば、走行道路特定装置は、自車両の近傍の明るさを照度情報として取得し、位置情報と地図データとから走行道路を特定し、道路状況や走行速度等から特定している走行道路が適切か否か峻別できない場合には、取得した照度情報を用いて走行道路を修正するか否かを判断する。
【0026】
また、請求項6の発明に係る走行道路特定装置は、請求項1〜5の発明において、前記道路状況と前記走行速度とをもとに前記走行道路上における自車両の走行位置を推測する走行位置推測手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0027】
この請求項6の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報が取得不能になり、自車両の現在位置が特定できなくなった場合には、自車両が走行している走行道路前方の道路状況と走行速度とをもとにして自車両の走行位置を推測する。
【0028】
また、請求項7の発明に係る走行道路特定装置は、請求項6の発明において、前記走行位置推測手段は、前記道路状況として前記走行道路における渋滞の発生が示された場合に、該渋滞の範囲および渋滞中の車両の速度から前記自車両の走行位置を推測することを特徴とする。
【0029】
この請求項7の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報が取得不能になり、自車両の現在位置が特定できなくなった際に、走行道路前方での渋滞の有無を取得し、渋滞が発生している場合には、渋滞が発生している範囲と渋滞中の車両の速度とをもとにして自車両の走行位置を推測する。
【0030】
また、請求項8の発明に係る走行道路特定装置は、請求項6または7の発明において、前記走行位置推測手段は、前記道路状況として前記走行道路に渋滞が発生していないことが示された場合に、前記地図データおよび前記走行速度から前記自車両の走行位置を推測することを特徴とする。
【0031】
この請求項8の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報が取得不能になり、自車両の現在位置が特定できなくなった際に、走行道路前方での渋滞の有無を取得し、渋滞が発生していない場合には、地図データ、自車両の走行速度および走行時間をもとにして自車両の走行位置を推測する。
【0032】
また、請求項9の発明に係る走行道路特定装置は、請求項6,7または8の発明において、前記走行位置推測手段は、前記位置情報の取得が中断した場合に、取得された最新の位置情報を起点として前記走行位置を推測することを特徴とする。
【0033】
この請求項9の発明によれば、走行道路特定装置は、自車両の位置情報の取得が中断した場合に、取得された最新の位置情報を起点として走行道路前方の道路状況、走行速度および走行時間から走行位置を推測する。
【0034】
また、請求項10の発明に係る走行道路特定方法は、自車両の位置情報を取得し、前記位置情報と地図データとを用いて前記自車両が現に走行している走行道路を特定する走行道路特定方法において、前記自車両近傍の道路の道路状況を取得する道路状況取得工程と、前記自車両の走行速度を測定する走行速度測定工程と、前記道路状況と前記走行速度とをもとに前記走行道路を修正する走行道路修正工程と、を含んだことを特徴とする。
【0035】
この請求項10の発明によれば、走行道路特定方法は、位置情報と地図データから走行道路を特定し、自車両が走行している道路近傍の道路状況を取得し、自車両の走行速度を測定し、この走行速度と道路状況とをもとに自車両の走行している走行道路を修正する。
【0036】
また、請求項11の発明に係る走行道路特定方法は、請求項10の発明において、前記道路状況取得工程は、前記走行道路における渋滞の有無および前記走行道路における他車両の走行速度を前記道路状況として取得し、前記走行道路修正工程は、前記走行道路に渋滞が発生中で、かつ前記自車両の走行速度が他車両の走行速度より大きい場合に、前記走行道路を修正することを特徴とする。
【0037】
この請求項11の発明によれば、走行道路特定方法は、位置情報と地図データとから走行道路を特定し、この走行道路で渋滞の有無および他車両の走行速度を取得し、走行道路で渋滞が発生中で、かつ自車両の走行速度が他車両の走行速度よりも大きい場合には特定している走行道路を適切でないと判断し、走行道路を修正する。
【0038】
また、請求項12の発明に係る走行道路特定方法は、請求項10または11の発明において、前記道路状況取得工程は、前記走行道路における渋滞の有無および前記走行道路における他車両の走行速度を前記道路状況として取得し、前記走行道路修正工程は、前記走行道路に渋滞が発生しておらず、かつ前記自車両の走行速度が所定速度以下である場合に、前記走行道路を修正することを特徴とする。
【0039】
この請求項12の発明によれば、走行道路特定方法は、位置情報と地図データとから走行道路を特定し、この走行道路で渋滞の有無および他車両の走行速度を取得し、走行道路で渋滞が発生しておらず、かつ自車両の走行速度が所定速度以下である場合には特定している走行道路を適切でないと判断し、走行道路を修正する。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る走行道路特定装置および走行道路特定方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、走行道路は自車両が走行している道路であるが、車両側が自車両が走行していると認識している道路と、実際に車両が走行している道路は異なる場合がある。以下、「車両側が自車両が走行していると認識している道路」を「認識走行道路」と表記し、「実際に車両が走行している道路」を「実走行道路」と表記する。
【0041】
(実施の形態1)
まず、本実施の形態1にかかる走行道路特定の概念について説明する。実施の形態1に示すナビゲーション装置は、認識走行道路前方の道路状況を取得するとともに自車両の走行速度を測定する。そして、道路状況と走行速度とをもとに認識走行道路が適切か否かを判断し、適切でない場合には認識走行道路を近傍の道路に修正する。
【0042】
図1は、本実施の形態1に係るナビゲーション装置の概要構成を示す概要構成図である。同図に示すように、ナビゲーション装置1は、GPS受信機2、VICS受信機3、車速センサ4、表示部8および入力部9に接続される。
【0043】
GPS受信機2は、人工衛星から発信される位置情報を取得し、ナビゲーション装置1に出力する。VICS受信機2は、電波ビーコン、光ビーコンおよびFM放送局から送信される道路交通情報を受信し、ナビゲーション装置1に出力する。車速センサ4は、自車両の走行速度を測定し、ナビゲーション装置1に出力する。入力部9は、ユーザーからの入力操作を受け付けるインターフェースであり、例えば目的地等が入力されたならばナビゲーション装置1に出力する。
【0044】
ナビゲーション装置1は、入力された位置情報、道路交通情報および走行速度を利用して、自車両の位置を特定し、表示部8に自車両の位置、道路交通情報および目的地までの経路等を表示させる。
【0045】
ナビゲーション装置1は、その内部に制御部5、道路補正部6および記憶部7を有する。制御部5は、自車両の現在位置、道路交通情報および目的地までの経路情報等を表示部8に出力する。制御部5は、その内部に自車位置特定部5a、VICS処理部5bおよびナビゲーション処理部5cを有する。
【0046】
自車位置特定部5aは、GPS受信機2から入力された位置情報と記憶部7内の地図データ記憶部7aに記憶された地図データとをもとにして自車両の位置を特定する。また、自車位置特定部5aは、道路補正部6から認識走行道路の修正命令が入力された場合に現在特定している認識走行道路を修正する。
【0047】
ここで、修正前の認識走行道路と修正後の認識走行道路について説明する。自車両近傍で高架道路と高架道路下の道路とが平行している場所で、修正前の認識走行道路が高架道路ならば、修正後の認識走行道路は高架道路下の道路となる。また、修正前の認識走行道路が高架道路下の道路ならば、修正後の認識走行道路は高架道路となる。
【0048】
VICS処理部5bは、VICS受信機3から入力される道路交通情報をもとに自車両近傍の交通情報を検出する。ナビゲーション処理部5cは、入力部9から目的地等が入力された場合に、記憶部7に記憶されている地図データから目的地までの経路を検出する。
【0049】
道路補正部6は、その内部に走行道路特定部6aを有する。走行道路特定部6aは、制御部5から自車両の周辺情報を常に取得する。この周辺情報から走行道路特定部6aは、自車両近傍に高架道路やインターチェンジ等が含まれているか否かを判定する。
【0050】
そして、自車両が高架道路近傍で走行する場合には、車速センサ4から入力される走行速度とVICS受信機3とから入力される道路交通情報を取得する。ここで、走行道路特定部6aが取得する道路交通情報は、認識走行道路前方での渋滞の有無と、認識走行道路前方で走行している他車両の走行速度を示す交通速度である。以下、認識走行道路前方で走行している他車両の走行速度を交通速度という。
【0051】
そして、走行道路特定部6aは、自車両の走行速度、渋滞の有無および交通速度をもとにして現在の認識走行道路が適切か否か判断し、適切でない場合には認識走行道路を修正する。具体的には、認識走行道路前方で渋滞が発生しているにも関わらず、交通速度よりも自車両の走行速度が大きい場合には、現在特定している認識走行道路は適切でない(認識走行道路と実走行道路とが異なる)と判断し、修正命令を制御部5に出力する。
【0052】
また、走行道路特定部6aは、高架道路近傍の認識走行道路前方で渋滞が発生していないにも関わらず、自車両の走行速度が交通速度以下で、かつ走行速度と交通速度との差が一定以上の場合にも現在特定している認識走行道路は適切でない(認識走行道路と実走行道路とが異なる)と判断し、修正命令を制御部5に出力する。
【0053】
つぎに、ナビゲーション装置1の処理動作について説明する。図2は、ナビゲーション装置1の処理動作を説明するフローチャートである。この処理は、ナビゲーション装置動作中に繰り返し実行される。同図に示すように自車位置特定部5aは、GPS受信機2から位置情報を取得し、地図データ記憶部7aから地図データを取得する。そして位置情報と地図データとをもとに自車位置を特定する(ステップS101)。
【0054】
その後、走行道路特定部6aは、VICS受信機3から入力される道路交通情報から交通速度を取得する(ステップS102)。また、走行道路特定部6aは、道路交通情報から認識走行道路前方で渋滞が発生しているか否かを判定する(ステップS103)。認識走行道路前方で渋滞が発生していない場合には(ステップS103,No)、自車両の走行速度が交通速度以下でかつ走行速度と交通速度との差が一定以上かを判定する(ステップS104)。
【0055】
自車両の走行速度が交通速度より大きいまたは走行速度と交通速度との差が一定値よりも小さい場合には(ステップS104,No)、走行道路特定部6aは、現在の認識走行道路を適切である(認識走行道路と実走行道路とが一致する)と判断する。そして、制御部5は、認識走行道路の修正を行わずに自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させ処理を終了する(ステップS107)。
【0056】
一方、自車両の走行速度が交通速度以下でかつ走行速度と交通速度との差が一定値以上の場合には(ステップS104,Yes)、走行道路特定部6aは、現在の認識走行道路を適切でない(認識走行道路と実走行道路とが異なる)と判断し、修正命令を制御部5に出力する。そして、修正命令が入力されたならば自車位置特定部5aは、認識走行道路を修正し(ステップS106)、制御部5は、自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させて処理を終了する(ステップS107)。
【0057】
また、認識走行道路前方で渋滞が発生している場合には(ステップS103,Yes)、走行道路特定部6aは、自車両の走行速度が交通速度以上か否か判定する(ステップS105)。走行速度が交通速度より小さい場合は(ステップS105,No)、走行道路特定部6aは、現在の認識走行道路を適切である(認識走行道路と実走行道路とが一致する)と判断する。そして、制御部5は、認識走行道路の修正を行わず自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させ処理を終了する(ステップS107)。
【0058】
一方、走行速度が交通速度以上の場合は(ステップS105,Yes)、走行道路特定部6aは、現在の認識走行道路を適切でない(認識走行道路と実走行道路とが異なる)と判断し、修正命令を制御部5に出力する。そして、修正命令が入力されたならば自車位置特定部5aは、認識走行道路を修正する(ステップS106)。制御部5は、自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させて処理を終了する(ステップS107)。
【0059】
上述してきたように、本実施の形態1にかかるナビゲーション装置1では、認識走行道路前方の渋滞情報、交通速度および自車両の走行速度を取得する。そして、走行道路特定部6aは、取得した渋滞情報、交通速度および走行速度から現在の認識走行道路が適切か否か(認識走行道路と実走行道路とが一致するか否か)を判断し、適切でないと判断した場合に自車位置特定部5aは認識走行道路の修正を行う。そのため、高架道路と高架道路下の道路とが平行している場所等であっても、自車両が現在走行している道路を精度良く特定することができる。すなわち、認識走行道路と実走行道路とを精度良く一致させることができる。
【0060】
なお、実施の形態1で示したフローチャートでは、自車両が高架道路等の近傍に位置していることを前提にして認識走行道路が適切か否か判断した。しかし、自車両が高架道路等の近傍に位置していない場合には、走行道路特定部6aは認識走行道路が適切か否かの判断を行わない構成としてもよい。このように、高架道路近傍のみで認識走行道路が適切か否かの判断を行うことで、ナビゲーション装置1は、必要なときにだけ認識走行道路を修正することになり、装置にかかる負荷を軽減することができる。
【0061】
また、実施の形態1では、上下に重複した道路について認識走行道路が適切か否かを判断し、認識走行道路を必要に応じて修正したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば平行に並んだ複数の道路についても現在の認識走行道路が適切か否か判断し修正することができる。
【0062】
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。この実施の形態2では、認識走行道路前方の渋滞の有無、交通速度および走行速度だけでなく自車両近傍の明るさをさらに利用して現在の認識走行道路が適切か否か(認識走行道路と実走行道路とが一致するか否か)を判断し、認識走行道路を修正するように構成している。
【0063】
また、実施の形態2では速度テーブルを利用する。この速度テーブルは、特定している認識走行道路が適切か否かを判定する際の指標となる指標値を記録している。認識走行道路前方の交通状況および認識走行道路の制限速度をもとに速度テーブルから指標値を検出し、この指標値と自車両の走行速度とを比較することによって認識走行道路が適切か否かを判断する。
【0064】
また、速度テーブルを用いて指標値と走行速度とを比較する際に、走行速度が所定範囲内に含まれる場合には自車両近傍の明るさを利用して認識走行道路が適切か否かを判断する。
【0065】
図3は、本発明の実施の形態2にかかるナビゲーション装置20の概要構成を説明する説明図である。同図に示すように、ナビゲーション装置20は、照度センサ22に接続され、記憶部21は、地図データ記憶部21a、速度記憶部21bおよび照度記憶部21cを有し、道路補正部23は、走行道路特定部23aを有する。その他の構成および動作は、実施の形態1に示したナビゲーション装置1と同様であるので同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
照度センサ22は、自車両近傍の明るさの度合いを示す照度を取得し、ナビゲーション装置1に出力する。
【0067】
地図データ記憶部21aは、実施の形態1で示した地図データ記憶部7aと同様に地図データを記憶している。速度記憶部21bは、速度テーブルを記憶している。具体的には図4に示すように、認識走行道路における制限速度と渋滞発生時の車両の交通速度を示す渋滞速度とから、認識走行道路が適切か否か(認識走行道路と実走行道路と一致するか否か)の指標となるV1およびV2を記憶している。
【0068】
より詳細には、渋滞速度が「10km/h未満」である場合、認識走行道路の制限速度が「100km/h」ならば、V1は「90km/h」でV2は「20km/h」となり、制限速度が「80km/h」ならば、V1は「70km/h」でV2は「20km/h」となり、制限速度が「60km/h」ならば、V1は「50km/h」でV2は「20km/h」となる。
【0069】
また、渋滞速度が「10km/h以上」かつ「20km/h未満」である場合、認識走行道路の制限速度が「100km/h」ならば、V1は「90km/h」でV2は「30km/h」となり、制限速度が「80km/h」ならば、V1は「70km/h」でV2は「30km/h」となり、制限速度が「60km/h」のならば、V1は「50km/h」でV2は「30km/h」となる。
【0070】
また、渋滞速度が「20km/h以上」かつ「30km/h以下」である場合、認識走行道路の制限速度が「100km/h」ならば、V1は「90km/h」でV2は「40km/h」となり、制限速度が「80km/h」ならば、V1は「70km/h」でV2は「40km/h」となり、制限速度が「60km/h」ならば、V1は「50km/h」でV2は「40km/h」となる。
【0071】
また、認識走行道路で渋滞が発生していない場合は、図4の「渋滞なし」の行とその行に対応する制限速度からV1およびV2を検出する。具体的には、認識走行道路で渋滞が発生しておらず認識走行道路の制限速度が「100km/h」の場合には、V1は「90km/h」でV2は「40km/h」となり、制限速度が「80km/h」の場合には、V1は「70km/h」でV2は「40km/h」となり、制限速度が「60km/h」の場合には、V1は「50km/h」でV2は「40km/h」となる。
【0072】
照度記憶部21cは、所定時間ごとに平均された照度を示す基準照度値を記憶する。また、照度記憶部21cは、新たに基準照度値を記憶するたびに、現在記憶している基準照度値を更新し、常に最新の基準照度値を記憶する。
【0073】
走行道路特定部23aは、制御部5から自車両の周辺情報を常に取得する。この周辺情報から走行道路特定部23aは、自車両近傍に高架道路やインターチェンジ等が含まれているか否かを判定する。そして、自車両が高架道路近傍で走行する場合には、車速センサ4から入力される走行速度とVICS受信機3とから入力される道路交通情報を取得する。
【0074】
つぎに、走行道路特定部23aは取得した道路交通情報に含まれる認識走行道路の制限速度と渋滞速度とをもとに、速度記憶部21bに記憶された速度テーブルから指標値を検出する。走行道路特定部23aは、指標値と走行速度とを利用して認識走行道路が適切か否か(認識走行道路と実走行道路と一致するか否か)判断し、適切でない場合には制御部5に修正命令を出力する。
【0075】
一方、走行速度が所定範囲に含まれる場合には、自車両近傍の照度と基準照度値とに基づいて現在の認識走行道路が適切か否か(認識走行道路と実走行道路と一致するか否か)判断し、適切でない場合には制御部5に修正命令を出力する。
【0076】
つぎに、ナビゲーション装置20の処理動作を説明する。図5は、ナビゲーション装置20の処理動作を説明するフローチャートである。この処理は、ナビゲーション装置動作中に繰り返し実行される。同図に示すように自車位置特定部5aは、GPS受信機2から位置情報を取得し、地図データ記憶部21aから地図データを取得する。そして位置情報と地図データをもとに自車位置を特定する(ステップS201)。
【0077】
その後、走行道路特定部23aは、VICS受信機3から入力される道路交通情報をもとに認識走行道路前方で渋滞が発生しているか否かを判定する(ステップS202)。認識走行道路前方で渋滞が発生していない場合には(ステップS202,No)、認識走行道路の制限速度をもとにして走行道路特定部23aが速度記憶部21bからV1およびV2を検出する(ステップS203)。
【0078】
そして、走行道路特定部23aは、走行速度がV1以上か否か判定し(ステップS204)、走行速度がV1以上の場合には認識走行道路を適切である(認識走行道路と実走行道路と一致する)と判断する(ステップS204,Yes)。そして、制御部5は認識走行道路の修正を行わず自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させ処理を終了する(ステップS211)。
【0079】
一方、走行速度がV1より小さい場合には(ステップS204,No)、走行速度がV2以下か否か判定する(ステップS205)。走行速度がV2以下の場合は(ステップS205,Yes)、走行道路特定部23aは、認識走行道路を適切でない(認識走行道路と実走行道路と一致しない)と判断し、制御部5に認識走行道路の修正命令を出力する。そして、修正命令が入力されたならば自車位置特定部5aは、認識走行道路を修正する(ステップS210)。その後、制御部5は、自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させて処理を終了する(ステップS211)。
【0080】
ところで、走行速度がV2より大きい場合は(ステップS205,No)、走行道路特定部23aは、基準照度値をもとにして認識走行道路を判断し、必要に応じて制御部5に修正命令を出力する。修正命令が入力された場合には制御部5は認識走行道路を修正する(ステップS209)。そして、制御部5は、自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させて処理を終了する(ステップS211)。
【0081】
一方、認識走行道路前方で渋滞が発生している場合には(ステップS202,Yes)、認識走行道路の制限速度と渋滞速度とをもとにして走行道路特定部23aが速度記憶部21bからV1およびV2を検出し(ステップS206)、走行速度がV2以下か否かを判定する(ステップS207)。
【0082】
走行速度がV2以下の場合には(ステップS207,Yes)、走行道路特定部23aは、認識走行道路を適切であると判断する。そして、制御部5は、認識走行道路の修正を行わず自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させ処理を終了する(ステップS211)。
【0083】
一方、走行速度がV2より大きい場合には(ステップS207,No)、走行速度がV1以上か否か判断する(ステップS208)。そして走行速度がV1以上の場合には(ステップS208,Yes)、走行道路特定部23aは、認識走行道路を適切でない(認識走行道路と実走行道路と一致しない)と判断し、制御部5に認識走行道路の修正命令を出力する。
【0084】
そして、修正命令が入力されたならば自車位置特定部5aは、認識走行道路を修正する(ステップS210)。その後、制御部5は、自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させて処理を終了する(ステップS211)。
【0085】
一方、走行速度がV1より小さい場合には(ステップS208,No)、走行道路特定部23aは、基準照度値をもとにして認識走行道路を判断し、必要に応じて制御部5に修正命令を出力する。修正命令が入力された場合には制御部5は、認識走行道路を修正する(ステップS209)。そして、制御部5は、自車両の位置および道路交通情報等を表示部8に表示させて処理を終了する(ステップS211)。
【0086】
つぎに、図5で示した照度をもとに認識走行道路を判定する動作について詳しく説明する。図6は、ナビゲーション装置が照度をもとに認識走行道路を判定する処理動作を説明するフローチャートである。同図に示すように走行道路特定部23aは、制御部5から入力される自車両の周辺情報から自車両がインターチェンジ入口近傍に位置しているか否か判定する(ステップS301)。
【0087】
自車両が、インターチェンジ近傍に位置していない場合には(ステップS301,No)、照度記憶部21cから基準照度値を取得する(ステップS302)。その後、走行道路特定部23aは、照度センサからの照度が基準照度値以上か否か判定する(ステップS303)。
【0088】
照度が基準照度値より小さい場合には(ステップS303,No)、実走行道路は照度の値が高架道路より小さい高架道路下の一般道路であると判断する(ステップS309)。そして、走行道路特定部23aは、現在の認識走行道路が高架道路下の一般道路か否か判定する(ステップS310)。現在の認識走行道路が高架道路下の一般道路である(認識走行道路と実走行道路と一致する)場合には(ステップS310,Yes)、走行道路特定部23aは制御部5に修正命令を出力しない。そして、制御部5は、認識走行道路の修正を行わず(ステップS308)、処理を終了する。
【0089】
一方、現在の認識走行道路が高架道路下の一般道路でない(認識走行道路と実走行道路と一致しない)場合には(ステップS310,No)、走行道路特定部23aは制御部5に修正命令を出力する。そして、制御部5は、認識走行道路を高架道路下の一般道路に修正し(認識走行道路と実走行道路と一致させ)(ステップS311)、処理を終了する。
【0090】
一方、照度が基準照度値以上の場合には(ステップS303,Yes)、実走行道路は照度の値が高架道路下の一般道路よりも大きい高架道路であると判断する(ステップS306)。そして、走行道路特定部23aは、現在の認識走行道路が高架道路か否か判定する(ステップS307)。現在の認識走行道路が高架道路である(認識走行道路と実走行道路と一致する)場合には(ステップS307,Yes)、走行道路特定部23aは制御部5に修正命令を出力しない。そして、制御部5は、認識走行道路の修正を行わず(ステップS308)、処理を終了する。
【0091】
一方、現在の認識走行道路が高架道路でない(認識走行道路と実走行道路と一致しない)場合には(ステップS307,No)、走行道路特定部23aは制御部5に修正命令を出力する。そして、制御部5は、認識走行道路を高架道路に修正し(認識走行道路と実走行道路と一致させ)(ステップS311)、処理を終了する。
【0092】
一方、自車両が、インターチェンジ近傍に位置している場合には(ステップS301,Yes)、インターチェンジ近傍の照度を取得し、基準照度値とする(ステップS304)。
【0093】
従って、インターチェンジ入口近傍に自車両が位置する場合には、照度記憶部21cに記憶された基準照度値を使用しない。すなわち、インターチェンジ入口近傍で取得した照度とインターチェンジ入口通過後の照度との変化をもとにして実走行道路を判断する。
【0094】
インターチェンジ入口近傍を自車両が通過後、走行道路特定部23aは、照度センサからの照度が基準照度値以下か否か判定する(ステップS305)。照度が基準照度値より大きい場合には(ステップS305,No)、実走行道路は照度の値が高架道路下の一般道路よりも大きい高架道路であると判断する(ステップS306)。そして、走行道路特定部23aは、現在の認識走行道路が高架道路か否か判断する(ステップS307)。認識走行道路が高架道路の場合(認識走行道路と実走行道路と一致する場合)は(ステップS307,Yes)、走行道路特定部23aは制御部5に修正命令を出力しない。そして、制御部5は、認識走行道路の修正を行わず(ステップS308)、処理を終了する。
【0095】
一方、現在の認識走行道路が高架道路でない(認識走行道路と実走行道路と一致する)場合は(ステップS307,No)、走行道路特定部23aは、制御部5に修正命令を出力する。そして、制御部5は、認識走行道路を高架道路に修正し(認識走行道路と実走行道路と一致させ)(ステップS311)、処理を終了する。
【0096】
一方、照度が基準照度値以下の場合には(ステップS305,Yes)、照度の値が高架道路よりも小さい高架道路下の一般道路であると判断する(ステップS309)。そして、走行道路特定部23aは、現在の認識走行道路が高架道路下の一般道路か否か判定する(ステップS310)。現在の認識走行道路が高架道路下の一般道路である(認識走行道路と実走行道路と一致する)場合には(ステップS310,Yes)、走行道路特定部23aは制御部5に修正命令を出力しない。そして、制御部5は、認識走行道路の修正を行わず(ステップS308)、処理を終了する。
【0097】
一方、現在の認識走行道路が高架道路下の一般道路でない(認識走行道路と実走行道路と一致しない)場合には(ステップS310,No)、走行道路特定部23aは制御部5に修正命令を出力する。そして、制御部5は、認識走行道路を高架道路下の一般道路に修正し(ステップS311)、処理を終了する。
【0098】
上述してきたように、本実施の形態2にかかるナビゲーション装置20では、道路の渋滞の有無、交通速度および走行速度だけでなく自車両近傍の照度をさらに利用して認識走行道路を修正している。そのため、道路状況と走行速度とから実走行道路が峻別できない場合であっても、照度を利用することにより現在の実走行道路が高架道路と高架道路下の一般道路とのどちらの道路か判断可能であり、実走行道路特定の精度を向上することができる。
【0099】
なお、実施の形態1および実施の形態2では、走行道路特定を行う際に、高架道路と高架道路下の一般道路とのどちらの道路が実走行道路なのかを判断したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば高速道路と一般道路とを判定する場合でも利用できることは言うまでもない。
【0100】
また、実施の形態2のフローチャートは、実施の形態1で示したフローチャートと同様に自車両が高架道路等の近傍に位置していることを前提に認識走行道路を修正するか否か判断した。しかし、自車両が高架道路等の近傍に位置していない場合には、走行道路特定部23aは認識走行道路が適切か否かの判断を行わない構成としてもよい。このように、高架道路近傍のみで認識走行道路が適切か否かの判断を行うことで、ナビゲーション装置20は、必要なときにだけ認識走行道路を修正することになり、装置にかかる負荷を軽減することができる。
【0101】
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3に示すナビゲーション装置は、人工衛星との通信によって位置情報を取得できなくなった場合に、認識走行道路の渋滞の発生場所、交通速度、自車両の走行速度および走行時間を利用して自車両の現在位置を推測する。
【0102】
図7は、本実施の形態3にかかるナビゲーション装置の概要構成を説明する説明図である。同図に示すように、ナビゲーション装置30は、道路補正部31の内部に走行道路特定部31aに加えて現在位置算出部31bを有する。その他の構成および動作は、実施の形態1に示したナビゲーション装置1と同様であるので同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0103】
走行道路特定部31aは実施の形態1で示した走行道路特定部6aと同様の処理を行う。現在位置算出部31bは、VICS受信機3から入力される認識走行道路前方の渋滞場所、交通速度および自車両の走行速度に基づいて現在の自車両位置を算出し、制御部5に出力する。
【0104】
つぎに、ナビゲーション装置30による自車両の位置推測の概念について図8および図9を用いて説明する。図8は、自車両42がトンネル40に進入し、ナビゲーション装置30が位置情報を受信できない状況を示している。認識走行道路前方に渋滞が発生している場合には、VICS受信機3から入力される道路交通情報をもとに渋滞発生場所41と、渋滞発生場所41における交通速度とを取得する。そして、取得した渋滞発生場所41と交通速度とから自車両の現在位置43を推測する。
【0105】
一方、図9に示すように自車両が位置情報を取得できないトンネル40に進入し、認識走行道路前方で渋滞が発生していない場合には、自車両51の走行速度と走行時間とから自車両の現在位置52を推測する。
【0106】
つぎに、ナビゲーション装置30の処理動作を説明する。図10は、ナビゲーション装置30の処理動作を説明するフローチャートである。同図に示すように制御部5は、人工衛星との通信によって位置情報を受信可能か否か判定する(ステップS401)。
【0107】
位置情報が受信可能ならば(ステップS401,Yes)、自車位置特定部5aは、位置情報と地図データとから地図上の自車位置を特定し(ステップS402)、自車位置を表示して処理を終了する(ステップS407)。
【0108】
一方、位置情報が受信不可能ならば(ステップS401,No)、現在位置算出部31bは、位置情報が受信できなくなる直前の最新の自車位置を自車位置特定部5aから取得する(ステップS403)。
【0109】
その後、現在位置算出部31bは、VICS受信機3から入力される道路交通情報から認識走行道路前方で渋滞が発生しているか否か判定する(ステップS404)。渋滞が発生していなければ(ステップS404,No)、現在位置算出部31bは、取得した最新の自車位置51を起点として走行速度と走行時間とから自車両の現在位置52を推測する(ステップS405)。そして、現在位置算出部31bは、推測した自車位置52を制御部5に出力し、表示部8に自車位置を表示させ処理を終了する(ステップS407)。
【0110】
ところで、渋滞が発生していれば(ステップS404,Yes)、現在位置算出部31bは、取得した最新の自車位置42を起点として渋滞場所41、渋滞場所における他車両の交通速度に応じて自車両の現在位置43を推測する(ステップS406)。そして、現在位置算出部31bは、推測した自車位置42を制御部5に出力し、表示部8に自車位置を表示させ処理を終了する(ステップS407)。なお、図10のフローチャートに示した処理は、ナビゲーション装置の動作中、常に繰り返し実行される。
【0111】
上述してきたように、本実施の形態3にかかるナビゲーション装置30は、位置情報が取得できず認識走行道路前方で渋滞が発生している場合には、VICS受信機3から入力される認識走行道路前方の渋滞場所41、交通速度および自車両の走行速度に基づいて現在の自車両位置43を推測している。
【0112】
また、位置情報が取得できず認識走行道路前方で渋滞が発生していない場合には、自車両の走行速度と走行時間とに基づいて現在の自車両位置52を推測する。そのため、ナビゲーション装置30は、トンネルのような位置情報が受信できない場所でも自車両の位置を精度良く推測することができる。
【0113】
また、現在位置算出部31bは、現在の自車位置を推測する際に、位置情報が取得できなくなった時点での自車両位置を起点として現在の自車両位置を推測したが、これに限定されるものではない。例えば現在位置算出部31bが算出した自車両位置を起点として新たに自車両位置を推測する構成にしても良い。なお、トンネル内等で曲がり角が多く存在する場合には、現在位置算出部31bは、ハンドルの舵角を利用して道路の位置を補正するように構成してもよい。
【0114】
また、実施の形態1、2および3では、GPSから自車両の位置情報を取得するように構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなくGPS以外の手段から位置情報を取得するように構成しても良い。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、走行道路特定装置は、自車両の位置情報と地図データとから自車両の走行道路を特定し、自車両近傍の道路の道路状況を取得し、自車両の走行速度を測定し、取得した近傍の道路状況と走行速度とをもとに認識走行道路を修正するので、現在自車両が走行している道路を精度良く特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0116】
また、請求項2の発明によれば、走行道路特定装置は、認識走行道路前方の渋滞の有無および前方の他車両の走行速度を取得し、認識走行道路前方で渋滞が発生中でかつ自車両の走行速度が他車両の走行速度よりも大きい場合に、認識走行道路を修正するので、現在自車両が走行している道路を精度良く特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0117】
また、請求項3の発明によれば、走行道路特定装置は、認識走行道路前方の渋滞の有無および前方の他車両の走行速度を取得し、認識走行道路前方で渋滞が発生しておらず、かつ自車両の走行速度が所定速度以下である場合に、認識走行道路を修正するので、現在自車両が走行している道路を精度良く特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0118】
また、請求項4の発明によれば、走行道路特定装置は、認識走行道路を修正する場合に修正前の認識走行道路の上方もしくは下方に位置する道路を修正後の認識走行道路とするので、高架道路下に一般道路が並行するような複数の一般道路が重複する場所等でも現在自車両が走行している道路を精度良く特定可能な走行道路特定装置が得られるとういう効果を奏する。
【0119】
また、請求項5の発明によれば、走行道路特定装置は、自車両近傍の明るさを照度情報としてさらに取得し、認識走行道路前方の道路状況、自車両の走行速度および照度情報をもとにして認識走行道路を修正するので、道路状況と自車両の走行速度とから実走行道路を峻別できない場合でも照度を利用して道路を特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0120】
また、請求項6の発明によれば、走行道路特定装置は、認識走行道路前方の道路状況と自車両の走行速度とをもとに自車両の走行位置を推測するので、GPS等から位置情報が取得できなくとも自車位置を特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0121】
また、請求項7の発明によれば、走行道路特定装置は、認識走行道路前方で渋滞の発生が示された場合に、渋滞の範囲および渋滞中の車両の速度から自車両の走行位置を推測するので、渋滞中の道路を走行中の自車位置を特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0122】
また、請求項8の発明によれば、走行道路特定装置は、認識走行道路前方で渋滞が発生していないことが示された場合に、地図データおよび走行速度から自車両の走行位置を推測するので、GPS等から位置情報が取得できなくとも精度良く自車位置を特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0123】
また、請求項9の発明によれば、走行道路特定装置は、位置情報が取得できなくなった場合に、取得された最新の位置情報を起点として自車両の走行位置を推測するので、過去にGPS等から取得した位置情報を最大限に利用して自車位置を特定可能な走行道路特定装置が得られるという効果を奏する。
【0124】
また、請求項10の発明によれば、走行道路特定方法は、自車両の位置情報と地図データとから自車両の走行道路を特定し、自車両近傍の道路の道路状況を取得し、自車両の走行速度を測定し、取得した近傍の道路状況と走行速度とをもとに認識走行道路を修正するので、現在自車両が走行している道路を精度良く特定可能な走行道路特定方法が得られるという効果を奏する。
【0125】
また、請求項11の発明によれば、走行道路特定方法は、認識走行道路前方の渋滞の有無および前方の他車両の走行速度を取得し、認識走行道路前方で渋滞が発生中でかつ自車両の走行速度が他車両の走行速度よりも大きい場合に、認識走行道路を修正するので、現在自車両が走行している道路を精度良く特定可能な走行道路特定方法が得られるという効果を奏する。
【0126】
また、請求項12の発明によれば、走行道路特定方法は、認識走行道路前方の渋滞の有無および前方の他車両の走行速度を取得し、認識走行道路前方で渋滞が発生しておらず、かつ自車両の走行速度が所定速度以下である場合に、認識走行道路を修正するので、現在自車両が走行している道路を精度良く特定可能な走行道路特定方法が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態1にかかるナビゲーション装置の概要構成を示す概要構成図である。
【図2】本実施の形態1にかかるナビゲーション装置の処理動作を説明するフローチャートである。
【図3】本実施の形態2にかかるナビゲーション装置の概要構成を示す概要構成図である。
【図4】速度テーブルを説明する説明図である。
【図5】本実施の形態2にかかるナビゲーション装置の処理動作を説明するフローチャートである。
【図6】ナビゲーション装置が照度をもとに実走行道路を判定する処理動作を説明するフローチャートである。
【図7】本実施の形態3にかかるナビゲーション装置の概要構成を示す概要構成図である。
【図8】認識走行道路前方で渋滞が発生している場合のナビゲーション装置による自車両の位置推測の概念を説明する説明図である。
【図9】認識走行道路前方で渋滞が発生していない場合のナビゲーション装置による自車両の位置推測の概念を説明する説明図である。
【図10】本実施の形態3にかかるナビゲーション装置の処理動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1,20,30 ナビゲーション装置
2 GPS受信機
3 VICS受信機
4 速度センサ
5 制御部
5a 自車位置特定部
5b VICS処理部
5c ナビゲーション処理部
6,23,31 道路補正部
6a,23a,31a 走行道路特定部
31b 現在位置算出部
7、21 記憶部
7a、21a 地図データ記憶部
21b 速度記憶部
21c 照度記憶部
22 照度センサ
8 表示部
9 入力部
40 トンネル
41 渋滞場所
42,43,51,52 自車両
Claims (12)
- 自車両の位置情報を取得し、前記位置情報と地図データとを用いて前記自車両が現に走行している走行道路を特定する走行道路特定装置において、
前記自車両近傍の道路の道路状況を取得する道路状況取得手段と、
前記自車両の走行速度を測定する走行速度測定手段と、
前記道路状況と前記走行速度とをもとに前記走行道路を修正する走行道路修正手段と、
を備えたことを特徴とする走行道路特定装置。 - 前記道路状況取得手段は、前記走行道路における渋滞の有無および前記走行道路における他車両の走行速度を前記道路状況として取得し、前記走行道路修正手段は、前記走行道路に渋滞が発生中で、かつ前記自車両の走行速度が他車両の走行速度より大きい場合に、前記走行道路を修正することを特徴とする請求項1に記載の走行道路特定装置。
- 前記道路状況取得手段は、前記走行道路における渋滞の有無および前記走行道路における他車両の走行速度を前記道路状況として取得し、前記走行道路修正手段は、前記走行道路に渋滞が発生しておらず、かつ前記自車両の走行速度が所定速度以下である場合に、前記走行道路を修正することを特徴とする請求項1または2に記載の走行道路特定装置。
- 前記走行道路修正手段は、前記走行道路を修正する場合に、修正前の走行道路の上方もしくは下方に位置する道路を修正後の走行道路とすることを特徴とする請求項1、2または3に記載の走行道路特定装置。
- 前記自車両の近傍の明るさを照度情報として取得する照度取得手段をさらに備え、前記走行道路修正手段は、前記照度情報をさらに用いて前記走行道路を修正するか否かを判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の走行道路特定装置。
- 前記道路状況と前記走行速度とをもとに前記走行道路上における自車両の走行位置を推測する走行位置推測手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の走行道路特定装置。
- 前記走行位置推測手段は、前記道路状況として前記走行道路における渋滞の発生が示された場合に、該渋滞の範囲および渋滞中の車両の速度から前記自車両の走行位置を推測することを特徴とする請求項6に記載の走行道路特定装置。
- 前記走行位置推測手段は、前記道路状況として前記走行道路に渋滞が発生していないことが示された場合に、前記地図データおよび前記走行速度から前記自車両の走行位置を推測することを特徴とする請求項6または7に記載の走行道路特定装置。
- 前記走行位置推測手段は、前記位置情報の取得が中断した場合に、取得された最新の位置情報を起点として前記走行位置を推測することを特徴とする請求項6,7または8に記載の走行道路特定装置。
- 自車両の位置情報を取得し、前記位置情報と地図データとを用いて前記自車両が現に走行している走行道路を特定する走行道路特定方法において、
前記自車両近傍の道路の道路状況を取得する道路状況取得工程と、
前記自車両の走行速度を測定する走行速度測定工程と、
前記道路状況と前記走行速度とをもとに前記走行道路を修正する走行道路修正工程と、
を含んだことを特徴とする走行道路特定方法。 - 前記道路状況取得工程は、前記走行道路における渋滞の有無および前記走行道路における他車両の走行速度を前記道路状況として取得し、前記走行道路修正工程は、前記走行道路に渋滞が発生中で、かつ前記自車両の走行速度が他車両の走行速度より大きい場合に、前記走行道路を修正することを特徴とする請求項10に記載の走行道路特定方法。
- 前記道路状況取得工程は、前記走行道路における渋滞の有無および前記走行道路における他車両の走行速度を前記道路状況として取得し、前記走行道路修正工程は、前記走行道路に渋滞が発生しておらず、かつ前記自車両の走行速度が所定速度以下である場合に、前記走行道路を修正することを特徴とする請求項10または11に記載の走行道路特定方法。
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