JP2005054968A - 作業車の走行伝動構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 走行用の静油圧式無段変速装置とは別の伝動系を備えた場合、静油圧式無段変速装置に空気が入り込み作動に支障を来すような状態を避ける。
【解決手段】 動力が静油圧式無段変速装置25の入力軸25aに伝達され、静油圧式無段変速装置25の出力軸25bから出力されて、走行伝動系を介して走行装置に伝達されるように構成する。静油圧式無段変速装置25の入力軸25aに伝達された動力を外側を通して静油圧式無段変速装置25の出力軸25bの下手側に機械的に伝達可能な並列伝動系42,45を備える。並列伝動系42,45の伝動比を静油圧式無段変速装置25の最高速位置での伝動比と同じに設定し、動力を伝動及び遮断自在なクラッチ機構41を並列伝動系42,45に備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、走行用の静油圧式無段変速装置を備えた作業車の走行伝動構造に関する。
走行用の静油圧式無段変速装置を備えた作業車の走行伝動構造の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1の構造によると、動力が伝動軸(特許文献1の図1中の15)及び伝動クラッチ(特許文献1の図1中の11)を介して、静油圧式無段変速装置(特許文献1の図1中のH)の入力軸(特許文献1の図1中の16)に伝達される。静油圧式無段変速装置で変速された動力が、静油圧式無段変速装置の出力軸(特許文献1の図1中の17)から出力され、伝動クラッチ(特許文献1の図1中の13)及び伝動軸(特許文献1の図1中の18,19)を介して走行装置に伝達される。特許文献1の構造では、静油圧式無段変速装置とは別に、伝動軸(特許文献1の図1中の15)に伝動クラッチ(特許文献1の図1中の12)を備え、伝動ギヤ(特許文献1の図1中の40,42)を備えている。
特許文献1の構造によると、静油圧式無段変速装置を最高速位置よりも低速の変速位置に操作した状態では、伝動クラッチ(特許文献1の図1中の12)が遮断状態に操作されて、伝動クラッチ(特許文献1の図1中の11,13)が伝動状態に操作される。これにより、動力が伝動軸(特許文献1の図1中の15)及び伝動クラッチ(特許文献1の図1中の11)を介して、静油圧式無段変速装置の入力軸(特許文献1の図1中の16)に伝達され、静油圧式無段変速装置で変速された動力が、静油圧式無段変速装置の出力軸(特許文献1の図1中の17)から出力され、伝動クラッチ(特許文献1の図1中の13)及び伝動軸(特許文献1の図1中の18,19)を介して走行装置に伝達される。
静油圧式無段変速装置を最高速位置に操作すると、伝動クラッチ(特許文献1の図1中の12)が伝動状態に操作されて、伝動クラッチ(特許文献1の図1中の11,13)が遮断状態に操作される。これにより、動力が伝動軸(特許文献1の図1中の15)、伝動クラッチ(特許文献1の図1中の12)及び伝動ギヤ(特許文献1の図1中の40,42)から、伝動軸(特許文献1の図1中の18,19)を介して走行装置に伝達される。この場合、静油圧式無段変速装置の最高速位置での伝動比(計算によって得られる伝動比)と、伝動クラッチ及び伝動ギヤの伝動比とが同じものに設定されている。
以上のように特許文献1の構造では、静油圧式無段変速装置とは別の伝動系(特許文献1の図1中の12,40,42)を備えることにより、静油圧式無段変速装置を最高速位置よりも低速の変速位置に操作した状態では、静油圧式無段変速装置を介して動力が伝達され、静油圧式無段変速装置を最高速位置に操作した状態では、別の伝動系を介して動力が伝達されるように構成されている。
特許第3375371号(図1)
静油圧式無段変速装置は一般に内部で作動油の漏れがあり、静油圧式無段変速装置の最高速位置で作動油の漏れが大きなものになるので、静油圧式無段変速装置の最高速位置での出力軸の実際の回転数が、静油圧式無段変速装置の最高速位置での伝動比(計算によって得られる伝動比)の回転数よりも少し低下する。
特許文献1の構造のように、静油圧式無段変速装置とは別の伝動系を備えて、静油圧式無段変速装置を最高速位置に操作した状態で、別の伝動系(静油圧式無段変速装置の最高速位置での伝動比(計算によって得られる伝動比)と同じ伝動比を備える)を介して、動力が伝達されるように構成するのは、前述のように静油圧式無段変速装置の最高速位置での出力軸の実際の回転数が、静油圧式無段変速装置の最高速位置での伝動比(計算によって得られる伝動比)の回転数よりも少し低下する状態を補う為である。
しかしながら、特許文献1の構造では、静油圧式無段変速装置を最高速位置に操作した状態で、別の伝動系(静油圧式無段変速装置の最高速位置での伝動比(計算によって得られる伝動比)と同じ伝動比を備える)を介して動力が伝達されると、静油圧式無段変速装置には動力が伝達されなくなる。このように静油圧式無段変速装置に動力が伝達されなくなると、静油圧式無段変速装置が停止することになり、静油圧式無段変速装置に作動油を補給するチャージポンプも停止することになる(チャージポンプは一般に、静油圧式無段変速装置に伝達される動力によって駆動される)。
前述のようにチャージポンプが停止して静油圧式無段変速装置への作動油の補給が停止すると、静油圧式無段変速装置への作動油の補給系に空気が入り込む可能性が生じる。これにより、次にチャージポンプが駆動されて静油圧式無段変速装置への作動油の補給が開始されると、静油圧式無段変速装置に空気が入り込み静油圧式無段変速装置の作動に支障を来すような状態になることが考えられる。
本発明は走行用の静油圧式無段変速装置を備えた作業車の走行伝動構造において、静油圧式無段変速装置とは別の伝動系を備えた場合、静油圧式無段変速装置に空気が入り込み静油圧式無段変速装置の作動に支障を来すような状態になることを避けることを目的としている。
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は作業車の走行伝動構造において次のように構成することにある。
走行用の静油圧式無段変速装置を備え、動力が静油圧式無段変速装置の入力軸に伝達されて、静油圧式無段変速装置で変速された動力が静油圧式無段変速装置の出力軸から出力され、走行伝動系を介して走行装置に伝達されるように構成する。静油圧式無段変速装置の入力軸に伝達された動力を静油圧式無段変速装置の油圧伝動系とは別に並列的に静油圧式無段変速装置の出力軸の下手側に機械的に伝達可能な並列伝動系を備える。並列伝動系の伝動比を静油圧式無段変速装置の最高速位置での伝動比と同じに設定し、動力を伝動及び遮断自在なクラッチ機構を並列伝動系に備える。
(作用)
本発明の第1特徴によると、静油圧式無段変速装置を最高速位置よりも低速の変速位置に操作した状態では、クラッチ機構を遮断状態に操作する。これにより、動力が静油圧式無段変速装置の入力軸に伝達されて、静油圧式無段変速装置で変速された動力が静油圧式無段変速装置の出力軸から出力され、走行伝動系を介して走行装置に伝達される。
本発明の第1特徴によると、前述のように静油圧式無段変速装置を最高速位置よりも低速の変速位置に操作した状態において、動力が静油圧式無段変速装置に伝達されているので、チャージポンプが駆動されており、チャージポンプから静油圧式無段変速装置に作動油が補給されている。
次に静油圧式無段変速装置を最高速位置に操作した状態では、クラッチ機構を伝動状態に操作する。これにより、動力が静油圧式無段変速装置の入力軸に伝達されて、静油圧式無段変速装置の出力軸から走行伝動系に伝達される。これと同時に動力が並列伝動系に伝達されて、並列伝動系から静油圧式無段変速装置の出力軸の下手側(走行伝動系)に伝達される。
この場合、静油圧式無段変速装置及び並列伝動系の両方同時に動力が伝達されて二重伝動状態が生じるが、並列伝動系の伝動比を静油圧式無段変速装置の最高速位置での伝動比と同じに設定しているので、静油圧式無段変速装置からの動力及び並列伝動系からの動力が、支障なく合流して下手側(走行伝動系)に伝達される。
しかし実際には、前述の[発明が解決しようとする課題]に記載のように、静油圧式無段変速装置の最高速位置での出力軸の実際の回転数が、静油圧式無段変速装置の最高速位置での伝動比(計算によって得られる伝動比)の回転数よりも少し低下するので、並列伝動系の動力が静油圧式無段変速装置の出力軸から静油圧式無段変速装置に逆流するような状態となって、静油圧式無段変速装置の最高速位置での出力軸の実際の回転数が、静油圧式無段変速装置の最高速位置での伝動比(計算によって得られる伝動比)の回転数となる(静油圧式無段変速装置の最高速位置での出力軸の実際の回転数が、静油圧式無段変速装置の最高速位置での伝動比(計算によって得られる伝動比)の回転数よりも少し低下する状態が補われる)。
本発明の第1特徴によると、前述のように静油圧式無段変速装置を最高速位置に操作した状態において動力が静油圧式無段変速装置に伝達されているので、チャージポンプが駆動されており、チャージポンプから静油圧式無段変速装置に作動油が補給されている。
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、走行用の静油圧式無段変速装置を備えた作業車の走行伝動構造において、静油圧式無段変速装置とは別の並列伝動系を備えた場合に、動力が静油圧式無段変速装置にのみ伝達される状態、動力が静油圧式無段変速装置及び並列伝動系の両方同時に伝達される状態を設定することにより、常にチャージポンプから静油圧式無段変速装置に作動油が補給されるように構成することができて、静油圧式無段変速装置に空気が入り込み静油圧式無段変速装置の作動に支障を来すような状態になることを避けることができ、静油圧式無段変速装置の作動の信頼性及び耐久性を向上させることができた。
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の作業車の走行伝動構造において次のように構成することにある。
静油圧式無段変速装置の入力軸に伝達された動力により油圧ポンプを駆動するように構成する。
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
作業車では作業装置を備えたものが多くあり、作業装置に作動油を供給する為の油圧ポンプや、作業装置の昇降駆動等を行う為の油圧ポンプを備えたものが多くある。
本発明の第2特徴によると、静油圧式無段変速装置の入力軸に伝達された動力により油圧ポンプを駆動するように構成しているので、前項[I]に記載のように常にチャージポンプが駆動されるのと同様に常に油圧ポンプが駆動されて、油圧ポンプから作業装置に作動油が支障なく供給され、作業装置の昇降駆動等が支障なく行われる。
静油圧式無段変速装置の出力軸から出力された動力は、静油圧式無段変速装置の変速位置により回転数が大きく変化するのに対して、静油圧式無段変速装置の入力軸に伝達された動力は、静油圧式無段変速装置の変速位置に関係なく回転数はあまり変化しない。
これにより、本発明の第3特徴のように、静油圧式無段変速装置の入力軸に伝達された動力により油圧ポンプが駆動されるように構成することによって、静油圧式無段変速装置の変速位置に関係なく安定した動力で油圧ポンプが駆動されて、油圧ポンプから作動油が安定して供給される。
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前述の本発明の第1特徴の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、常にチャージポンプが駆動されるのと同様に常に油圧ポンプが駆動されて、油圧ポンプから作業装置に作動油が支障なく供給され、作業装置の昇降駆動等が支障なく行われる点、及び静油圧式無段変速装置の変速位置に関係なく安定した動力で油圧ポンプが駆動され、油圧ポンプから作動油が安定して供給される点によって、作業車の機能性を高めることができた。
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の作業車の走行伝動構造において次のように構成することにある。
静油圧式無段変速装置をミッションケースに連結して、走行及び並列伝動系をミッションケースの内部に備える。静油圧式無段変速装置から出てきた作動油をミッションケースに戻す作動油戻し部を、ミッションケースの上部に位置させる。
(作用)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第1特徴のような走行及び並列伝動系を備える場合、静油圧式無段変速装置をミッションケースに連結して、走行及び並列伝動系をミッションケースの内部に備えるように構成することが一般的であり、静油圧式無段変速装置から出てきた作動油をミッションケースに戻すように構成することが多い。
この場合に、本発明の第3特徴によると、静油圧式無段変速装置から出てきた作動油をミッションケースに戻す作動油戻し部をミッションケースの上部に位置させているので、静油圧式無段変速装置から出てきた作動油が走行伝動系や並列伝動系に掛けられるようになって、ミッションケースがオイルバス化されていても、走行伝動系や並列伝動系の潤滑が促進される。
(発明の効果)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前述の本発明の第1又は第2特徴の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、走行及び並列伝動系をミッションケースの内部に備えた場合、走行及び並列伝動系の潤滑が促進されるようになって、走行及び並列伝動系の耐久性を向上させることができた。
[1]
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた機体の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられ、リンク機構3の後部に苗植付装置5が支持されて、作業車の一例である乗用型田植機が構成されている。
図1に示すように、苗植付装置5は、伝動ケース6、伝動ケース6の後部に回転駆動自在に支持された植付ケース7、植付ケース7の両端に備えられた一対の植付アーム8、接地フロート9及び苗のせ台10等を備えて構成されている。これにより、苗のせ台10が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、植付ケース7が回転駆動され、苗のせ台10の下部から植付アーム8が交互に苗を取り出して田面に植え付ける。
図1に示すように、運転座席11の後側に、肥料を貯留するホッパー12及び繰り出し部13が備えられて、運転座席11の下側にブロア14が備えられている。接地フロート9に作溝器15が備えられて、繰り出し部13と作溝器15とに亘ってホース16が接続されている。これにより、前述のような苗の植え付けに伴って、ホッパー12から肥料が所定量ずつ繰り出し部13によって繰り出され、ブロア14の送風により肥料がホース16を通って作溝器15に供給されるのであり、作溝器15を介して肥料が田面に供給される。
[2]
次に、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2の支持構造について説明する。
図1及び図2に示すように、機体の前部にミッションケース17が備えられ、ミッションケース17の前部に連結された支持フレーム18に、エンジン19が支持されている。ミッションケース17の後部に平板状の支持フレーム20が連結され、角パイプ状の右及び左の機体フレーム21が支持フレーム20に連結されて後方に延出されており、右及び左の機体フレーム21の後部に平板状の支持部材22が連結されて、支持部材22にリンク機構3、油圧シリンダ4、運転座席11、ホッパー12、繰り出し部13及びブロア14が支持されている。
図1及び図2に示すように、ミッションケース17の右及び左の横側面から右及び左の前車軸ケース23が延出されて、右及び左の前車軸ケース23の端部に円筒状の支持部23aが斜め前方下方に向いて備えられている。右及び左の前輪1を支持する前輪支持部24が、右及び左の前車軸ケース23の支持部23aに縦軸芯P1周りに回転自在及び縦軸芯P1の方向にスライド自在に支持されており、右及び左の前車軸ケース23の支持部23aの内部にサスペンションバネ40が備えられて、サスペンションバネ40により右及び左の前輪支持部24が支持されている。これにより、右及び左の前輪1が、サスペンションバネ40により独立に弾性的に上下動自在に支持されている。
図1及び図2に示すように、ミッションケース17の下部にピットマンアーム(図示せず)が縦軸芯周りに揺動自在に支持され後向きに延出されて、右及び左の前輪支持部24とピットマンアームとに亘ってタイロッド26が接続されている。ピットマンアームを揺動操作する操縦ハンドル27が備えられており、操縦ハンドル27によりピットマンアームを揺動操作することによって、右及び左の前輪1を操向操作する。
図1及び図2に示すように、後車軸ケース28が一体的に形成されて、後車軸ケース28に右及び左の後輪2が支持されている。後車軸ケース28の前部に右及び左の支持アーム29が連結されて前方に延出されており、支持フレーム20に支持された支持軸30の両端に、右及び左の支持アーム29の前端がゴムブッシュ(図示せず)を介して上下に揺動自在に接続されている。後車軸ケース28と支持部材22とに亘って、右及び左のサスペンションバネ32が接続されている。左の機体フレーム21に支持軸33が前後向きに固定されて、ラテラルロッド34がゴムブッシュ(図示せず)を介して上下に揺動自在に支持軸33に接続され、後車軸ケース28に前向きに固定された支持軸28aに、ラテラルロッド34の端部がゴムブッシュ(図示せず)を介して上下に揺動自在に接続されている。
これにより、後車軸ケース28が右及び左のサスペンションバネ32により上下動及びローリング自在に支持されるのであり、右及び左の支持アーム29により後車軸ケース28の前後方向の位置が決められ、ラテラルロッド34により後車軸ケース28の左右方向の位置が決められる。図1及び図2に示すように、硬質ゴム製のストッパー55が右及び左の機体フレーム21に固定されており、後車軸ケース28が上昇してストッパー55に接当することにより、後車軸ケース28の上下方向の位置が決められる。
[3]
次に、ミッションケース17の内部において、静油圧式無段変速装置25の付近の構造及び走行伝動系の構造について説明する。
図2及び図3に示すように、ミッションケース17の右壁面の略全面が一つの右壁部材17aにより形成されており、ミッションケース17の右壁部材17aの前部に静油圧式無段変速装置25が内装されている。静油圧式無段変速装置25は油圧ポンプ25d、油圧モータ25e、入力軸25a、出力軸25b及びトラニオン軸25c等を備えて構成されており、中立停止位置、前進の高速側及び後進の高速側に操作自在に構成されている。ミッションケース17に入力軸58が備えられ、静油圧式無段変速装置25の入力軸25aと入力軸58とが、スリーブ59によりスプライン構造によって連結されている。入力軸58がミッションケース17の左壁面から突出して、入力軸58に入力プーリー58aが固定されており、エンジン19の出力プーリー(図示せず)と入力軸58の入力プーリー58aとに亘って伝動ベルト57が巻回されている。
図2及び図3に示すように、静油圧式無段変速装置25の右側部に油圧プレート60が連結されて、油圧プレート60にチャージポンプ61及び油圧ポンプ39が連結されている。静油圧式無段変速装置25の入力軸25aが油圧プレート60を貫通してチャージポンプ61及び油圧ポンプ39に接続されており、静油圧式無段変速装置25の入力軸25aによりチャージポンプ61及び油圧ポンプ39が駆動される。チャージポンプ61から静油圧式無段変速装置25に作動油が補給されるのであり、油圧ポンプ39から制御弁(図示せず)を介して油圧シリンダ4に作動油が供給される。
図3に示すように、シフト部材41がスプライン構造により一体回転自在及びスライド自在にスリーブ59に外嵌され、伝動ギヤ42がニードルベアリング43により相対回転自在に静油圧式無段変速装置25の入力軸25aに外嵌されており、伝動ギヤ42から離れる側にシフト部材41を付勢するバネ84が備えられている。ミッションケース17に操作軸44が回転自在に支持され、操作軸44の凸部44aにシフト部材41が接当しており、操作軸44を回転操作することにより、シフト部材41をスライド操作して伝動ギヤ42の咬合部42aに咬合させることができる。
図3に示すように、ミッションケース17に支持された伝動ギヤ45が伝動ギヤ42に咬合しており、静油圧式無段変速装置25の出力軸25bに固定された伝動ギヤ46が伝動ギヤ45に咬合している。この場合、伝動ギヤ42及び伝動ギヤ46の有効径及びギヤ歯数が同じものに設定されており、静油圧式無段変速装置25の入力軸25a及び出力軸25bの回転方向が同じ方向になっている。
図4に示すように、ミッションケース17に回転自在に支持された円筒軸47に、円筒軸48が相対回転自在に外嵌され、円筒軸48に低速ギヤ48a及び高速ギヤ48bが一体的に形成されており、円筒軸48に固定された伝動ギヤ49が伝動ギヤ46(図3参照)に咬合している。ミッションケース17に回転自在に支持された伝動軸50に、伝動ギヤ51,52が相対回転自在に外嵌されて、伝動ギヤ51,52が円筒軸48の低速及び高速ギヤ48a,48bに咬合している。伝動軸50における伝動ギヤ51,52の間の部分に、シフト部材53がスプライン構造により一体回転自在且つスライド自在に外嵌されており、シフト部材53をスライド操作して伝動ギヤ51,52に咬合させることにより、円筒軸48の動力が高低2段に変速されて伝動軸50に伝達される。このように伝動ギヤ51,52及びシフト部材53等によって、高低2段に変速自在な副変速装置54が構成されている。
以上の構造により、図2,3,4に示すように、静油圧式無段変速装置25の出力軸25bの動力が伝動ギヤ49、円筒軸48、副変速装置54、伝動軸50に固定された伝動ギヤ56及び前輪デフ機構31を介して、右及び左の前輪1に伝達される。前輪デフ機構31の動力が出力軸35、伝動軸36及び自在継手37を介して後車軸ケース28の入力軸38に伝達され、後車軸ケース28から右及び左の後輪2に伝達される。
[4]
次に、ミッションケース17の内部において、苗植付装置5への作業伝動系の構造について説明する。
図4に示すように、伝動ギヤ51にギヤ部51aが固定され、円筒軸47に固定された伝動ギヤ67が伝動ギヤ51のギヤ部51aに咬合している。円筒軸47にスリット部47aが軸芯方向に沿って開口されており、6個の位置決め孔47bが所定間隔を置いて開口されている。円筒軸47の位置決め孔47bの位置に、外径の異なる6個の伝動ギヤ62が相対回転自在に外嵌されており、伝動ギヤ62の各々において円筒軸47に接する内周部に、溝部62aが軸芯方向に形成されている。
図4に示すように、伝動軸50に円筒軸63が相対回転自在に外嵌されて、外径の異なる6個の伝動ギヤ64が円筒軸63に固定されており、伝動ギヤ62,64が咬合している。変速部材65が円筒軸47の内部で軸芯方向(図4の紙面左右方向)にスライド自在に備えられて、変速部材65にキー部材65a及びデテントボール65bが円筒軸47の径方向(図4の紙面上下方向)にスライド自在に備えられており、キー部材65a及びデテントボール65bを突出側に付勢するバネ65cが備えられている。丸棒状の操作軸66が円筒軸47にスライド自在に挿入されており、変速部材65が操作軸66に係合している。
これによって、図4に示すように、操作軸66をスライド操作することにより変速部材65をスライド操作し、変速部材65のキー部材65aを6個の伝動ギヤ62のうちの一つの伝動ギヤ62の溝部62aに係合させることにより、変速部材65のキー部材65aが係合した伝動ギヤ62が円筒軸47に連結された状態となって、変速部材65のキー部材65aが係合した伝動ギヤ62を介して円筒軸47の動力が円筒軸63に伝達される。従って、変速部材65のキー部材65aを6個の伝動ギヤ62のうちの一つの伝動ギヤ62の溝部62aに係合させることにより、円筒軸47の動力が6段に変速されて円筒軸63に伝達されるのであり、変速部材65のデテントボール65bが円筒軸47の位置決め孔47bに係合することによって、変速部材65の位置が保持される。このように、伝動ギヤ62,64及び変速部材65等によって、株間変速装置68が構成されている。
以上の構造により、図1,3,4に示すように、静油圧式無段変速装置25の出力軸25bの動力が伝動ギヤ49、円筒軸48、伝動ギヤ51のギヤ部51a、伝動ギヤ67、株間変速装置68、円筒軸63のベベルギヤ63a、植付クラッチ(図示せず)、トルクリミッター(図示せず)及びPTO軸69を介して苗植付装置5に伝達される。
[5]
次に、静油圧式無段変速装置25の操作について説明する。
図1及び図6に示すように、変速レバー70が備えられ、変速レバー70と静油圧式無段変速装置25のトラニオン軸25c、操作軸44及び植付クラッチとが機械的に連係されており、変速レバー70のレバーガイドに中立経路71、前進経路72及び後進経路73が備えられている。
これによって、図3及び図6に示すように、変速レバー70を中立経路71に操作すると、静油圧式無段変速装置25(トラニオン軸25c)が中立停止位置に操作されて、シフト部材41が伝動ギヤ42の咬合部42aから離し操作され、植付クラッチが遮断状態に操作される。変速レバー70を後進経路73に操作すると、シフト部材41が伝動ギヤ42の咬合部42aから離し操作され、植付クラッチが遮断状態に操作された状態で、静油圧式無段変速装置25(トラニオン軸25c)が後進の高速側に操作される。変速レバー70を中立経路71及び後進経路73に操作した場合、入力軸58の動力により、静油圧式無段変速装置25の入力軸25aを介して、チャージポンプ61及び油圧ポンプ39が常に駆動されている。
図3及び図6に示すように、変速レバー70を前進経路72に操作すると、シフト部材41が伝動ギヤ42の咬合部42aから離し操作され、植付クラッチが伝動状態に操作可能な状態となって(苗植付装置5を油圧シリンダ4により昇降駆動する昇降レバー(図示せず)により、植付クラッチを伝動及び遮断状態に操作する)、静油圧式無段変速装置25(トラニオン軸25c)が前進の高速側に操作される。変速レバー70を前進経路72に操作した場合、入力軸58の動力により、静油圧式無段変速装置25の入力軸25aを介して、チャージポンプ61及び油圧ポンプ39が常に駆動されている。
図3,4,6に示すように、変速レバー70を前進経路72の最高速位置72aに操作すると、静油圧式無段変速装置25(トラニオン軸25c)が前進の最高速位置に操作されるのに加えて、操作軸44によりシフト部材41がスライド操作されて伝動ギヤ42の咬合部42aに咬合する。これにより、入力軸58の動力が静油圧式無段変速装置25の入力軸25aに伝達されて、静油圧式無段変速装置25の出力軸25b及び伝動ギヤ46から、伝動ギヤ49及び円筒軸48に伝達される。これと同時に入力軸58の動力がシフト部材41及び伝動ギヤ42,45,46から、伝動ギヤ49及び円筒軸48に伝達される。
この場合、入力軸58の動力が静油圧式無段変速装置25及び伝動ギヤ42,45,46の両方同時に伝達されて二重伝動状態が生じるが、伝動ギヤ42及び伝動ギヤ46の有効径及びギヤ歯数が同じものに設定されており(伝動ギヤ42,45,46の伝動比が、静油圧式無段変速装置25の前進の最高速位置での伝動比と同じに設定されており)、静油圧式無段変速装置25の入力軸25a及び出力軸25bの回転方向が同じ方向になっているので、静油圧式無段変速装置25の出力軸25bの動力及び伝動ギヤ42,45,46の動力が、伝動ギヤ46において支障なく合流して、伝動ギヤ49及び円筒軸48に伝達される。
しかし実際には、静油圧式無段変速装置25の内部での作動油の漏れにより、静油圧式無段変速装置25の前進の最高速位置での出力軸25bの実際の回転数が、静油圧式無段変速装置25の前進の最高速位置での伝動比(計算によって得られる伝動比)の回転数よりも少し低下する。これにより、伝動ギヤ42,45,46の動力が静油圧式無段変速装置25の出力軸25bから静油圧式無段変速装置25に逆流するような状態となって、静油圧式無段変速装置25の前進の最高速位置での出力軸25bの実際の回転数が、静油圧式無段変速装置25の前進の最高速位置での伝動比(計算によって得られる伝動比)の回転数となる(静油圧式無段変速装置25の前進の最高速位置での出力軸25bの実際の回転数が、静油圧式無段変速装置25の前進の最高速位置での伝動比(計算によって得られる伝動比)の回転数よりも少し低下する状態が補われる)。
変速レバー70を前進経路72の最高速位置72aに操作した場合、入力軸58の動力により、静油圧式無段変速装置25の入力軸25aを介して、チャージポンプ61及び油圧ポンプ39が常に駆動されている。
[6]
図3に示すように、ミッションケース17の左壁面の前部の下部にフィルタ74が取り付けられ、ミッションケース17の左壁面の前部の下部に吸引口17bが備えられて、ミッションケース17の作動油が吸引口17bからフィルタ74に吸引されるように構成されている。ミッションケース17の左壁面の内部に上下向きの油路17d、ミッションケース17の上壁面の内部に左右向きの油路17e、ミッションケース17の右壁部材17aの内部に左右向きの油路17fが形成されており、油圧プレート60の内部に上下向きの油路60aが形成されている。
これにより、ミッションケース17の作動油が吸引口17bからフィルタ74に吸引され、フィルタ74を通過した作動油が油路17d,17e,17f及び油路60aを通ってチャージポンプ61及び油圧ポンプ39に供給される。
図3及び図5に示すように、ミッションケース17の右壁部材17aにおいて、静油圧式無段変速装置25の油圧ポンプ25cの上部に位置する部分に、作動油戻し部17gが開口されている。これにより、静油圧式無段変速装置25の内部において、油圧ポンプ25cや油圧モータ25eから漏れた作動油が、作動油戻し部17gからミッションケース17の内部に戻される。
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]の図3に示す構造を、図7に示すように構成してもよい。
図7に示すように、ミッションケース17の左壁面に油圧プレート60が連結されて、油圧プレート60に静油圧式無段変速装置25が連結されている。静油圧式無段変速装置25の入力軸25aが静油圧式無段変速装置25から左方に突出して、静油圧式無段変速装置25の入力軸25aに入力プーリー(図示せず)が固定されており、エンジン19の出力プーリー(図示せず)と静油圧式無段変速装置25の入力プーリーとに亘って伝動ベルト(図示せず)が巻回されている。ミッションケース17の右壁部材17aに油圧ポンプ39が連結されており、静油圧式無段変速装置25の入力軸25aが油圧ポンプ39に接続されている。チャージポンプ(図示せず)が油圧プレート60の内部に備えられており、静油圧式無段変速装置25の入力軸25aの動力によりチャージポンプ(図示せず)が駆動されるように構成されている。
図7に示すように、シフト部材75がスプライン構造により一体回転自在及びスライド自在に静油圧式無段変速装置25の入力軸25aに外嵌され、円筒状の伝動部材76が相対回転自在に静油圧式無段変速装置25の入力軸25aに外嵌されて、シフト部材75と伝動部材76との間に摩擦板77が備えられており、シフト部材75を伝動部材76から離れる側に付勢するバネ78が備えられている。ミッションケース17に操作軸81が回転自在に支持され、操作軸81の凸部81aにシフト部材75が接当しており、操作軸81を回転操作することにより、シフト部材75を伝動部材76に向けてスライド操作することができる。このようにして、多板摩擦式の伝動クラッチ82が構成されている。
図7に示すように、ミッションケース17に支持された伝動ギヤ79が伝動部材76の伝動ギヤ76aに咬合して、静油圧式無段変速装置25の出力軸25bに固定された伝動ギヤ46が伝動ギヤ79に咬合しており、伝動部材76の伝動ギヤ76a及び伝動ギヤ46の有効径及びギヤ歯数が同じものに設定されている。静油圧式無段変速装置25の入力軸25a及び出力軸25bの回転方向が同じ方向になっている。
以上の構造により、図1及び図6に示す変速レバー70を中立経路71、前進経路72及び後進経路73に操作している状態では、操作軸81が回転操作され、シフト部材75が伝動部材76に向けてスライド操作されて、伝動クラッチ82が遮断状態に操作されており、変速レバー70の操作位置に応じて、静油圧式無段変速装置25(トラニオン軸25c)が中立停止位置、前進及び後進の高速側に操作される。変速レバー70を中立経路71、前進経路72及び後進経路73に操作した場合、チャージポンプ(図示せず)及び油圧ポンプ39が常に駆動されている。
図1及び図6に示す変速レバー70を前進経路72の最高速位置72aに操作すると、静油圧式無段変速装置25(トラニオン軸25c)が前進の最高速位置に操作されるのに加えて、操作軸81及びバネ78によりシフト部材75が伝動部材76から離れる側に操作され、伝動クラッチ82が伝動状態に操作される。変速レバー70を前進経路72の最高速位置72aに操作した場合、チャージポンプ(図示せず)及び油圧ポンプ39が常に駆動されている。
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]の図3及び図7に示す構造を、図8に示すように構成してもよい。
図8に示すように、ミッションケース17の左壁面に静油圧式無段変速装置25が備えられて、静油圧式無段変速装置25の左壁面に油圧プレート60が連結されている。静油圧式無段変速装置25の入力軸25aが静油圧式無段変速装置25から左方に突出して、静油圧式無段変速装置25の入力軸25aに入力プーリー58aが固定されており、エンジン19の出力プーリー(図示せず)と静油圧式無段変速装置25の入力プーリー58aとに亘って伝動ベルト57が巻回されている。ミッションケース17の右壁部材17aに油圧ポンプ39が連結されており、静油圧式無段変速装置25の入力軸25aが油圧ポンプ39に接続されている。チャージポンプ(図示せず)が油圧プレート60の内部に備えられており静油圧式無段変速装置25の入力軸25aの動力によりチャージポンプ(図示せず)が駆動されるように構成されている。
図8に示すように、前述の[発明の実施の第1別形態](図7参照)と同様なシフト部材75、伝動部材76、摩擦板77及びバネ78が備えられて、多板摩擦式の伝動クラッチ82が構成されており、凸部81aを備えた操作軸81が備えられている。静油圧式無段変速装置25の出力軸25bと同芯状に伝動軸83が支持され、スプライン構造により静油圧式無段変速装置25の出力軸25bと伝動軸83とが連結されており、伝動軸83に伝動ギヤ83a及び伝動ギヤ83bが一体的に形成されている。
図8に示すように、伝動部材76の伝動ギヤ76aが伝動軸83の伝動ギヤ83bに咬合しており、伝動部材76の伝動ギヤ76a及び伝動軸83の伝動ギヤ83bの有効径及びギヤ歯数が同じものに設定されている。静油圧式無段変速装置25の入力軸25a及び出力軸25bの回転方向が逆方向になっている。
以上の構造により、[発明の実施の第1別形態]と同様に、図1及び図6に示す変速レバー70を中立経路71、前進経路72及び後進経路73に操作している状態では、操作軸81が回転操作され、シフト部材75が伝動部材76に向けてスライド操作されて、伝動クラッチ82が遮断状態に操作されており、変速レバー70の操作位置に応じて、静油圧式無段変速装置25(トラニオン軸25c)が中立停止位置、前進及び後進の高速側に操作される。変速レバー70を中立経路71、前進経路72及び後進経路73に操作した場合、チャージポンプ(図示せず)及び油圧ポンプ39が常に駆動されている。
図1及び図6に示す変速レバー70を前進経路72の最高速位置72aに操作すると、静油圧式無段変速装置25(トラニオン軸25c)が前進の最高速位置に操作されるのに加えて、操作軸81及びバネ78によりシフト部材75が伝動部材76から離れる側に操作され、伝動クラッチ82が伝動状態に操作される。変速レバー70を前進経路72の最高速位置72aに操作した場合、チャージポンプ(図示せず)及び油圧ポンプ39が常に駆動されている。
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]の図3及び図4において、伝動ギヤ45の動力が伝動ギヤ46,49を介さずに、伝動軸48に伝達されるように構成してもよい。前述の[発明の実施の第1別形態]の図7において、伝動ギヤ79の動力が伝動ギヤ46を介さずに図4に示す伝動軸48に伝達されるように構成してもよい。前述の[発明の実施の第2別形態]の図8において、伝動部材76の伝動ギヤ76aの動力が伝動軸83の伝動ギヤ83bを介さずに図4に示す伝動軸48に伝達されるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第3別形態]において、図3に示すシフト部材41及び伝動ギヤ42,45、図7に示す伝動クラッチ82及び伝動部材76の伝動ギヤ76aや伝動ギヤ79、図8に示す伝動クラッチ82及び伝動部材76の伝動ギヤ76aや伝動軸83の伝動ギヤ83bを静油圧式無段変速装置25のケースの外部ではなく、静油圧式無段変速装置25のケースの内部に備えるように構成してもよい。
本発明は乗用型田植機ばかりではなく、機体の後部に直播装置を備えた乗用型直播機や機体の後部に薬剤散布装置を備えた乗用型管理機、農用トラクタやクローラ式の走行装置を備えたコンバイン、ホイルローダ等の建設車両にも適用できる。
乗用型田植機の全体側面図 前車軸ケース及び後車軸ケースの付近の平面図 ミッションケースの静油圧式無段変速装置の付近の断面図 ミッションケースの副変速装置及び株間変速装置の付近の断面図 ミッションケースの縦断側面図 変速レバー及びレバーガイドの平面図 発明の実施の第1別形態において、ミッションケースの静油圧式無段変速装置の付近の断面図 発明の実施の第2別形態において、ミッションケースの静油圧式無段変速装置の付近の断面図
符号の説明
1,2 走行装置
17 ミッションケース
17g 作動油戻し部
25 静油圧式無段変速装置
25a 静油圧式無段変速装置の入力軸
25b 静油圧式無段変速装置の出力軸
39 油圧ポンプ
41,82 クラッチ機構
42,45,76a,79,83b 並列伝動系
54 走行伝動系

Claims (3)

  1. 走行用の静油圧式無段変速装置を備え、動力が前記静油圧式無段変速装置の入力軸に伝達されて、静油圧式無段変速装置で変速された動力が静油圧式無段変速装置の出力軸から出力され、走行伝動系を介して走行装置に伝達されるように構成すると共に、
    前記静油圧式無段変速装置の入力軸に伝達された動力を前記静油圧式無段変速装置の油圧伝動系とは別に並列的に前記静油圧式無段変速装置の出力軸の下手側に機械的に伝達可能な並列伝動系を備え、
    前記並列伝動系の伝動比を前記静油圧式無段変速装置の最高速位置での伝動比と同じに設定し、動力を伝動及び遮断自在なクラッチ機構を前記並列伝動系に備えてある作業車の走行伝動構造。
  2. 前記静油圧式無段変速装置の入力軸に伝達された動力により油圧ポンプを駆動するように構成してある請求項1に記載の作業車の走行伝動構造。
  3. 前記静油圧式無段変速装置をミッションケースに連結して、前記走行及び並列伝動系をミッションケースの内部に備えると共に、
    前記静油圧式無段変速装置から出てきた作動油をミッションケースに戻す作動油戻し部を、ミッションケースの上部に位置させてある請求項1又は2に記載の作業車の走行伝動構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010058645A (ja) * 2008-09-03 2010-03-18 Kubota Corp 作業車の走行伝動構造
CN102259589A (zh) * 2010-05-31 2011-11-30 株式会社久保田 作业机的传动结构
JP2019044408A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 日立建機株式会社 建設機械

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