JP2005054840A - 車高調整機能付ショックアブソーバ - Google Patents

車高調整機能付ショックアブソーバ Download PDF

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康彦 三原
Hiroaki Nagaoka
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Abstract

【課題】車高調整のためにポンピングを繰返し行っても高圧ガス室から低圧ガス室へのガスの移動を生じず、従って長期に亘り良好なポンピングによる車高調整機能を維持でき、また乗り心地性能を良好に保持することのできる車高調整機能付ショックアブソーバを提供する。
【解決手段】車高調整機能付きのショックアブソーバ10を、シリンダ12と、ピストン28及びピストンロッド14と、高圧液室18と、低圧のリザーバ室44と、高圧ガス室16と、ダイヤフラム膜20と、低圧ガス室46と、ポンプ機構54とを含んで構成し、ポンプ機構54のポンピング作用により、リザーバ室44内から高圧液室側に作動液を汲み出して車高調整を行わせる。またリザーバ室44と低圧ガス室46とをダイヤフラム膜48で仕切るようにする。
【選択図】 図2

Description

この発明は自動車のサスペンション装置の主要部を成すショックアブソーバに関し、特に車高調整機能付きのショックアブソーバに関する。
従来より、自動車のサスペンション装置の主要素を成すショックアブソーバとして、人員或いは貨物の搭載により沈み込んだ車体を、走行中に漸次押し上げて車高の自動調整を行う車高調整機能付きのショックアブソーバが知られている。
例えば下記特許文献1,特許文献2,特許文献3,特許文献4,特許文献5にこの種車高調整機能付きのショックアブソーバが開示されている。
この種の車高調整機能付きのショックアブソーバは、シリンダ,ピストン及びピストンロッドと、高圧液室と、作動液体を貯溜する低圧のリザーバ室と、高圧液室内の作動液にガス圧を作用させる高圧ガス室と、高圧液室と高圧ガス室とを仕切るダイヤフラム膜と、リザーバ室にガス圧を作用させる低圧ガス室と、リザーバ室内の作動液を高圧液室側に汲み出すポンプ機構とを有し、人員或いは貨物の搭載により沈み込んだ車体を、走行中にシリンダ及びピストンロッドの伸縮によるポンプ機構のポンピング作用により、リザーバ室内の作動液を汲み出して高圧液室側に移動させることによって、またその高圧液室,高圧ガス室の圧力上昇によりシリンダ及びピストンロッドを全体として縮状態から伸状態に変化させ且つこれを維持して、車高調整を自動的に行うものとされている。
この車高調整機能付きのショックアブソーバは、高圧ガス室の高圧ガス(通常は窒素ガス)の圧縮・膨張作用を利用して、積載荷重の如何に拘わらず車高を一定に調整し且つ保持するものであるが、高圧ガス室と高圧液室との仕切りのためにダイヤフラム膜を用いていることから、特にポンピングによってリザーバ室内の作動液が高圧液室側に汲み出されて高圧ガス室が強く圧縮され、ガス室圧力が高くなったときに、その内部のガスがダイヤフラム膜を透過して作動液中に溶け込むといった問題が生じていた。
而して高圧ガス室内のガスがダイヤフラム膜を透過して作動液中に溶け込むと、その後において除貨によりショックアブソーバが伸長し、これに伴って高圧液室中の作動液が再びリザーバ室に戻されて圧力低下したときに、作動液中に溶け込んでいたガスが圧力低下により気化して低圧ガス室のガス中に移行してしまう。
即ちポンピング作用を繰り返すごとに高圧ガス室のガスがリザーバ室にガス圧を作用させる低圧ガス室側に移動してしまい、その結果として高圧ガス室内のガスが減少してポンピング性能が低下し、更にはまた乗り心地が悪化してしまうといった問題を生ずる。
図5及び図6はこれを具体的に表したものである。
これらの図において200はシリンダ、202はピストン、204はピストンロッドである。
また206は高圧液室、208は高圧ガス室、210はそれら高圧液室206と高圧ガス室208とを仕切るゴム製のダイヤフラム膜である。
212は作動液を貯溜するリザーバ室で、214はリザーバ室212にガス圧を作用させる低圧ガス室、216はポンプ室218を有するポンプ機構で、このポンプ機構216は、リザーバ室212内の作動液を連通路220を通じてポンプ室218に汲み上げた上、その吐出圧でピストン下室222,連通孔224を通じて高圧液室206へと送り込む。
図5(イ)は空車時の状態を表しており、このとき高圧室206,低圧側のリザーバ室212ともに同じ圧力であるため、ガスの移動は特に起らない。
図6(ロ)は人員或いは貨物の搭載により積載荷重が増大し、これにより車体が沈み込んだ後、ポンプ機構216のポンピング作用により車高調整を完了した状態を表したもので、このとき高圧液室206及び高圧ガス室208の圧力は高い圧力となっており、高圧ガス室208は強く圧縮された状態にある。
このとき高圧ガス室208内の高圧状態のガスが、ダイヤフラム膜210を透過して、その内周側の作動液中に溶け込む。そしてその溶込み量は高圧ガス室208の圧力と、作動液中に溶け込んでいるガスの分圧との差及び透過時間に比例して増大する。
図6(ハ)は積載荷重を取り除いた除貨の状態を表しており、この除貨によってピストン202及びピストンロッド204が図中上方に移動し、これに伴って高圧液室206の作動液が連通孔224,ピストン下室222,連通路220を通じてリザーバ室212へと戻される。
これに伴って作動液に加わっていた圧力が低下し、そしてその圧力の低下により、作動液中に溶け込んでいたガスが気化して、その作動液の戻り先であるリザーバ室212から低圧ガス室214へと移行する。
即ち高圧ガス室208のガスが、圧力の低下及び作動液の移動に伴って、高圧ガス室208から低圧ガス室214へと移動する。
この現象はポンピングを繰り返すたびに生じ、そのため高圧ガス室208のガスが次第に減少してしまうのである。
そしてこのようにガスの移行が生ずると、ポンピングによる本来の車高調整機能が低下し、また乗り心地性能も悪化してしまう。
特開平11−117977号公報 特開平8−135716号公報 特開平8−303521号公報 特開平10−281205号公報 特開2000−135909号公報
本発明はこのような事情を背景とし、車高調整のためにポンピングを繰返し行っても高圧ガス室から低圧ガス室へのガスの移動を生じず、従って長期に亘り良好なポンピングによる車高調整機能を維持でき、また乗り心地性能を良好に保持することのできる車高調整機能付ショックアブソーバを提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、(イ)シリンダ,ピストン及びピストンロッドと、(ロ)高圧液室と、(ハ)作動液体を貯溜する低圧のリザーバ室と、(ニ)該高圧液室内の作動液にガス圧を作用させる高圧ガス室と、(ホ)該高圧液室と高圧ガス室とを仕切るダイヤフラム膜と、(ヘ)前記リザーバ室にガス圧を作用させる低圧ガス室と、(ト)該リザーバ室内の作動液を前記高圧液室側に汲み出すポンプ機構と、を有し、前記シリンダ及びピストンロッドの伸縮による前記ポンプ機構のポンピング作用により、前記リザーバ室内の作動液を汲み出し前記高圧液室側に移動させることによって、前記シリンダ及びピストンロッドを縮状態から伸状態に変化させ且つこれを維持して車高調整を自動的に行う車高調整機能付ショックアブソーバにおいて、前記リザーバ室と低圧ガス室とを仕切る可動の仕切壁を、前記高圧液室と高圧ガス室とを仕切る前記ダイヤフラム膜とは別体で設けたことを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記仕切壁がダイヤフラム膜であることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項2において、前記ダイヤフラム膜は筒状をなしていて、内周側の前記リザーバ室と外周側の前記低圧ガス室とを仕切るものであることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明は、リザーバ室と低圧ガス室とを仕切る可動の仕切壁を、高圧液室と高圧ガス室とを仕切るダイヤフラム膜とは別体に設けたものである。
例えば図5及び図6に示す従来のショックアブソーバにおいて、ポンピング作用の繰返しにより、高圧ガス室から低圧ガス室へとガスの移動が生じるのは、従来の車高調整機能付きのショックアブソーバにあっては、リザーバ室と低圧ガス室との間に仕切りが設けられておらず、気液が直接接触していることに基づくものである。
即ち高圧状態から低圧状態への圧力の変化によって、作動液中から気化したガスがそのままリザーバ室と直接接する低圧ガス室へと移行してしまうことによる。
しかるに本発明では低圧のリザーバ室と低圧ガス室とが可動の仕切壁にて仕切られているため、気化したガスが低圧ガス室へと移行することはなく、そのまま作動液中に止まった状態となる。
従ってその後ポンピング作用により、リザーバ室から再び高圧液室側への液の移動を伴って作動液が加圧状態となったとき、液中に止まっていたガスが再び作動液中に溶け込むことによって、高圧ガス室から作動液中へのガスの移行が抑制され、その結果としてポンピング作用を繰り返した場合にも、高圧ガス室から低圧ガス室へのガスの移動が抑制され、従って本発明によれば長期に亘り良好なポンピング性能が確保され、また乗り心地性能も良好に維持されるのである。
本発明においては、リザーバ室と低圧ガス室とを仕切る可動壁を、高圧ガス室側のダイヤフラム膜とは別体をなす別のダイヤフラム膜にて構成しておくことができる(請求項2)。
高圧ガス室側のダイヤフラム膜と低圧ガス室側のダイヤフラム膜とは求められる機能が異なっており、従ってこのようにそれぞれのダイヤフラム膜を別々に構成することによって、それぞれに必要且つ適正な特性を持たせることが可能となる。
尚、高圧ガス室と高圧液室との間を仕切るダイヤフラム膜の耐ガス透過性を高めることによって(ダイヤフラム膜の材質の選択や充填材の選択等によって)、ガスの移動をある程度抑制することも可能であるが、それには自ずと限界があり、またこれに伴ってダイヤフラム膜の低温耐久性が低下してしまう。
しかるに本発明では低圧ガス室とリザーバ室との間に可動の仕切壁を設けることによってガス移動を抑制しているため、高圧ガス室と高圧液室とを仕切るダイヤフラム膜の耐ガス透過性を限界まで高める必要も特になく、これに伴って高圧ガス室と高圧液室とを仕切るダイヤフラム膜の低温耐久性を従来に増して高めることが可能となる(ダイヤフラム膜の材料の選択の自由度が広がることによって)。
ここで上記可動の仕切壁としてのダイヤフラム膜は、これを筒状となして内周側にリザーバ室を、外周側に低圧ガス室を形成するようなしておくことができる(請求項3)。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて以下に詳しく説明する。
図1〜図4において、10は車高調整機能を備えたショックアブソーバで、12はシリンダ、14はそのシリンダ12から上向きに突き出したピストンロッドである。
このショックアブソーバ10は、シリンダ12の下端部が車輪側に、またピストンロッド14が車体側に固定されて、車輪からの入力振動をダンパ作用で吸収し、車体側に振動が伝達されるのを防止ないし抑制する。
シリンダ12の下部には、外周側に高圧ガス室16が、内周側に高圧液室(オイル室)18が形成されており、それらが筒状をなす、厳密には略鼓形状をなすゴム製の可撓性のダイヤフラム膜20にて内外方向に仕切られている。
ここで高圧液室18は、その上部と下部とが壁22及び24にて仕切られている。
高圧ガス室16には、高圧ガス(ここでは窒素ガス)が封入されており、その圧力をダイヤフラム膜20に対し縮径側に及ぼしている。
26は内シリンダで、内部にピストン28が摺動可能に嵌合され、そのピストン28によってピストン下室30とピストン上室32とが区画形成されている。
ピストン28には、ピストン下室30とピストン上室32とを連通させる流路面積の小さな連通路34が形成されており、その連通路34上に絞り36が設けられている。
このショックアブソーバ10は、ピストン28の上下方向の移動に伴って、ピストン下室30からピストン上室32へ或いはその逆に作動液(ここではオイル)が連通路34及び絞り36を経て流通し、その際の流動抵抗に基づいて振動減衰作用をなす。
ピストン下室30はまた、連通孔38を通じて上記の高圧液室18と連通しており、更に連通孔40を通じて後述の連通路42と連通可能とされている。
内シリンダ26の外周側には、それぞれ環状をなすリザーバ室44と低圧ガス室46とが形成されている。
ここでリザーバ室44は内周側に、低圧ガス室46は外周側に形成されており、そしてそれらが可動の仕切壁としてのゴム製且つ筒状をなすダイヤフラム膜48にて内外方向に仕切られている。
リザーバ室44には作動液が貯えられており、また低圧ガス室46には低圧ガス(ここでは窒素ガス)が封入されていて、その圧力をダイヤフラム膜48を介してリザーバ室44の作動液に対し及ぼしている。
このリザーバ室44は、連通路42を通じてピストンロッド14内部の隔壁50内側に形成されたポンプ室52に連通可能とされている。
54はポンプ機構で、このポンプ機構54は上記のポンプ室52を有している。
ポンプ室52は吸入口56を有していて、その吸入口56が逆止弁58にて開閉可能とされている。
ここで逆止弁58は、連通路42からポンプ室52への作動液の流入、即ち吸入を許容する一方、その逆向きの流れを阻止する。
ポンプ室52の上部には、吐出口60が形成されていて、その吐出口60が逆止弁62にて開閉可能とされている。
この逆止弁62は、ポンプ室52からの作動液の吐出のみを許容し、逆方向の流れを阻止するように働く。
吐出口60を通じてポンプ室52から流出した作動液は、連通路64を通ってピストン下室30へと流入する。
尚ポンプ室52は、他の連通路66を通じてピストン下室30と連通可能とされている。
次に本実施形態のショックアブソーバの作用を説明する。
図1は、ショックアブソーバを車両に組み付けたときの状態を表しており、このときピストンロッド14は図中上向きに大きく突き出した状態にある。
このとき高圧ガス室16,低圧ガス室46ともに同圧(例えば2.5Mpa)であり、また作動液中のガスも飽和しているため、高圧ガス室16側から低圧ガス室46側へのガス移動は起らない(高圧液室18,リザーバ室44は互いに連通している)。
図2(II)は空車時、即ち空の状態の車重がかかった状態を表している。
このときには車体の重さ分がショックアブソーバ10にかかり、これによりピストンロッド28が図中下向きに押し込まれて、作動液にかかる圧力が若干上昇する。
このときの作動液の圧力は例えば2.8MPa程度である。
この僅かな圧力上昇分だけ、高圧ガス室16からダイヤフラム膜20を通じて作動液へのガス透過が起るが、このときもまた高圧液室18,リザーバ室44はなお連通状態にあって互いに同圧であるため、ガス移動は特に起らない。
図2(III)は積車状態を表しており、このときには車両に人員が乗り込んだり或いは貨物が載せられたりして、車体にその分の荷重が付加する。
そしてその荷重の付加によって、ピストンロッド14が更に図中下向きに押し下げられる。
このときピストン下室30からピストン上室32へと作動液が連通路34及び絞り36を通じて移動し、その作動液の移動に伴ってピストン28が内シリンダ26内部を下向きに移動する。
尚、このとき作動液にかかる圧力は僅かに上昇する程度である。例えばこのときの作動液にかかる圧力は3.0MPa程度である。
図3は車両走行中の状態を、ショックアブソーバ10の伸工程と圧工程(縮工程)とに分けて示している。
先ず図3(IV)の伸工程においては、ピストンロッド14の上向きの移動に伴って、リザーバ室44内の作動液が連通路42を通じ、逆止弁58をスプリングに抗して押し上げながら吸入口56からポンプ室52内部に吸入される。
ポンプ室52内部に吸入された作動液は、この伸工程では吐出口60から吐出することはできず、ポンプ室52内部に閉じ込められる。
即ちこの伸工程において、リザーバ室44に貯えられていた作動液が連通路42を通じてポンプ室52内部に吸い上げられる。
次に走行中においてピストンロッド14に対し、図3(V)に示しているように押下げ力が働くと、ポンプ室52内の作動液が逆止弁62をスプリングの付勢力に抗して押し上げながら吐出口60から吐出され、更に連通路64を通じてピストン下室30及び連通孔38を通じて高圧液室18に流入する。
そしてその高圧液室18への作動液の流入及び加圧に基づいて、ダイヤフラム膜20が高圧ガス室16のガス圧に抗して拡径変形する。
車両走行中においては、走行路面の凹凸の乗越えなどによって以上の動作が繰返し行われ、高圧液室18の圧力が高まり、ピストンロッド14への反力が大きくなって、それによりピストンロッド14の位置が少しずつ上昇して行く。
そして図4(VI)に示しているように、ポンプ室52が連通路66を通じてピストン下室30に連通した状態となったとき、そこにおいてピストンロッド14の位置調整、即ち車高調整が完了する。
即ち図2(II)の空車状態から見ると、リザーバ室44内の作動液がポンプ機構54のポンピング作用により高圧液室18へと吸出し及び押出しされて液移動し、その液移動によって車高が予め定めた高さに自動調整される。
以上の車両走行工程、即ち図3(IV)の伸工程,(V)の圧工程の繰返しによって、即ちポンプ機構54のポンピングの繰返しによって高圧液室18の圧力は漸次上昇し、これに伴って作動液中へのガスの溶込み可能な量(飽和ガス量)が増加する。
そしてこれによりダイヤフラム膜20を通して高圧ガス室16から作動液へのガス透過が、図3(IV)から図4(VI)までの経過時間に比例して増加し、高圧液室18の作動液中へのガスの溶込み量が増加する。
これらの過程を通じて高圧液室18とリザーバ室44とは非連通状態となっているため、これらの工程中において低圧ガス室46への作動液の流動を伴った、低圧ガス室46へのガス移動は特に生じない。
さて以上のようにして車高調整が完了した状態で、車両から人員が降りたり除貨されたりして、車体に加わっていた荷重が取り除かれると、ショックアブソーバ10即ちシリンダ12とピストンロッド14とが全体として伸長し、これに伴って図4(VII)に示しているように高圧ガス室16の高まったガス圧によってダイヤフラム膜20が大きく縮径変形するとともに、高圧液室18内の作動液が連通孔38,ピストン下室30,連通孔40及び連通路42を通じてリザーバ室44へと戻される。
この図4(VII)の除貨の工程で、高圧液室18とリザーバ室44とが連通し、高圧液室18側に移動した作動液がリザーバ室44に戻るとともに、作動液に加わっていた圧力が低下するため、作動液中に溶け込んでいたガスが、その圧力の減少に伴って低下した飽和ガス量を上回ることとなって作動液中で気化し、リザーバ室44への作動液の移動に伴って、気化したガスもリザーバ室44へと移動する。
従来の車高調整機能付きのショックアブソーバの場合、このようにして気化したガスがそのまま、気液界面で接触している低圧ガス室へと移動してそこに吸収され、これにより作動液のポンピングの繰返しにより高圧ガス室16から低圧ガス室へのガス移動が生じていたのであるが、この実施形態では、リザーバ室44と低圧ガス室46とがダイヤフラム膜48にて仕切られているため、作動液中で気化したガスは、低圧ガス室46へと移動してそこに吸収されることなく作動液中にそのまま止まった状態となる。
そして再びポンピングによって作動液に加わる圧力が高くなると、作動液中に止まっていたガスが再び飽和ガス量の増加に伴って作動液中に溶け込む。
従って本実施形態のショックアブソーバ10においては、高圧ガス室16から作動液へのガスの透過及び高圧ガス室16から低圧ガス室46へのガス移動が引き続いて起るといったことはなく、それ故本実施形態のショックアブソーバ10においては、その後においても良好なポンピング性能が長期に亘り持続的に保持される。
また高圧ガス室16内部のガスが、ポンピングの繰返しによって漸次減少することがないので、長期に亘り良好な乗り心地性能を確保することができる。
本実施形態では、高圧ガス室16側のダイヤフラム膜20と、低圧ガス室46側のダイヤフラム膜48とが、それぞれ別体に別々に設けられていることから、それぞれ求められる機能の異なる高圧ガス室16側のダイヤフラム膜20と、低圧ガス室46側のダイヤフラム膜48とを、それぞれに必要な特性を付与した形態で適正にそれらを構成することが可能なる。
また本実施形態によれば、高圧ガス室16から低圧ガス室46へのガス移動が抑制されているため、必要以上に高圧ガス室16側のダイヤフラム膜20の耐ガス透過性を、材料選択等によって高める必要は特になく、これによって高圧ガス室16側のダイヤフラム膜20の低温耐久性を従来に増して高めることができる利点が得られる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
本発明の一実施形態の車高調整機能付きのショックアブソーバを車両への組付時の状態で示す図である。 同実施形態のショックアブソーバを空車状態及び積車状態で示す図である。 同実施形態のショックアブソーバを走行中における伸工程及び圧工程に分けて示した図である。 同実施形態のショックアブソーバを車高調整完了状態及び除貨状態で示した図である。 従来のショックアブソーバを空車時の状態で示した図である。 従来のショックアブソーバを車高調整完了状態及び除貨状態で示した図である。
符号の説明
10 ショックアブソーバ
12 シリンダ
14 ピストンロッド
16 高圧ガス室
18 高圧液室
20,48 ダイヤフラム膜
28 ピストン
44 リザーバ室
46 低圧ガス室
54 ポンプ機構

Claims (3)

  1. (イ)シリンダ,ピストン及びピストンロッドと
    (ロ)高圧液室と
    (ハ)作動液体を貯溜する低圧のリザーバ室と
    (ニ)該高圧液室内の作動液にガス圧を作用させる高圧ガス室と
    (ホ)該高圧液室と高圧ガス室とを仕切るダイヤフラム膜と
    (ヘ)前記リザーバ室にガス圧を作用させる低圧ガス室と
    (ト)該リザーバ室内の作動液を前記高圧液室側に汲み出すポンプ機構と
    を有し、前記シリンダ及びピストンロッドの伸縮による前記ポンプ機構のポンピング作用により、前記リザーバ室内の作動液を汲み出し前記高圧液室側に移動させることによって、前記シリンダ及びピストンロッドを縮状態から伸状態に変化させ且つこれを維持して車高調整を自動的に行う車高調整機能付ショックアブソーバにおいて、
    前記リザーバ室と低圧ガス室とを仕切る可動の仕切壁を、前記高圧液室と高圧ガス室とを仕切る前記ダイヤフラム膜とは別体で設けたことを特徴とする車高調整機能付ショックアブソーバ。
  2. 請求項1において、前記仕切壁がダイヤフラム膜であることを特徴とする車高調整機能付ショックアブソーバ。
  3. 請求項2において、前記ダイヤフラム膜は筒状をなしていて、内周側の前記リザーバ室と外周側の前記低圧ガス室とを仕切るものであることを特徴とする車高調整機能付ショックアブソーバ。
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