JP2005054667A - スクロール型電動流体機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スクロールユニット及び電動ユニットの取付け部相互の位置決めが容易且つ正確に行え、固定及び可動スクロール間での回転位相角の微調整をも可能にしたスクロール型電動流体機械を提供する。
【解決手段】 スクロール型電動流体機械は、スクロールユニット及び電動ユニットのケーシング2a,4aの取付け部10,12と、ケーシング2a,4a間にあり、その回転により固定及び可動スクロール14,22間での回転位相角を調整可能な中間ケーシング6と、各ケーシングの外周面に設けられた位置決めフランジ82,84,86と、これら位置決めフランジに形成され、孔径が互いに異なる位置決め孔88,90,92とを備え、位置決め孔88,92が同軸上に位置付けられたときに取付け部10,12の位置決めがなされ、同軸上の位置決め孔88,92に対する位置決め孔90の変位を伴い、中間ケーシング6が回転され、可動スクロール22の回転位相角が調整される。
【選択図】 図1
【解決手段】 スクロール型電動流体機械は、スクロールユニット及び電動ユニットのケーシング2a,4aの取付け部10,12と、ケーシング2a,4a間にあり、その回転により固定及び可動スクロール14,22間での回転位相角を調整可能な中間ケーシング6と、各ケーシングの外周面に設けられた位置決めフランジ82,84,86と、これら位置決めフランジに形成され、孔径が互いに異なる位置決め孔88,90,92とを備え、位置決め孔88,92が同軸上に位置付けられたときに取付け部10,12の位置決めがなされ、同軸上の位置決め孔88,92に対する位置決め孔90の変位を伴い、中間ケーシング6が回転され、可動スクロール22の回転位相角が調整される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、スクロール型流体機械に係わり、特に自動車用空調システムの冷凍回路の圧縮機として好適したスクロール型電動流体機械に関する。
この種のスクロール型流体機械、即ち、圧縮機は自動車のエンジンルーム内の装着位置にその取付け部を介して装着され、自動車のエンジンから動力を受けて駆動される。
より詳しくは、圧縮機は、可動及び固定スクロールを収容したスクロールユニット及びエンジンからの動力を受ける駆動ユニットを含み、この駆動ユニットはエンジンからの駆動力をスクロールユニットの可動スクロールに断続可能に伝達する動力伝達経路を構成する(特許文献1)。
特開2000-87878号公報
より詳しくは、圧縮機は、可動及び固定スクロールを収容したスクロールユニット及びエンジンからの動力を受ける駆動ユニットを含み、この駆動ユニットはエンジンからの駆動力をスクロールユニットの可動スクロールに断続可能に伝達する動力伝達経路を構成する(特許文献1)。
上記の公報の圧縮機はエンジンからの動力を受けて駆動されるため、エンジンの停止時には、冷凍回路を作動させることできない。
このような不具合を解消するには、駆動ユニットに代えて電動モータ等の電動ユニットを使用することが考えられる。しかしながら、電動ユニットは前述した駆動ユニットに比べて圧縮機全体の大形化を招くことから、電動圧縮機は電動ユニット及びスクロールユニットの双方に装着位置に対する取付け部をそれぞれ必要とし、これら取付け部を介して自動車の車体に装着されなければならない。
このような不具合を解消するには、駆動ユニットに代えて電動モータ等の電動ユニットを使用することが考えられる。しかしながら、電動ユニットは前述した駆動ユニットに比べて圧縮機全体の大形化を招くことから、電動圧縮機は電動ユニット及びスクロールユニットの双方に装着位置に対する取付け部をそれぞれ必要とし、これら取付け部を介して自動車の車体に装着されなければならない。
このように電動ユニット及びスクロールユニットの双方に取付け部が設けられていると、両ユニットを結合して圧縮機を組み立てる際、それらの取付け部は互いに正確に位置決めされている必要があり、これら位置決めが不正確であると、エンジンルーム内の装着位置、つまり、車体に圧縮機を適切に装着できなくなる。
また、この種のスクロール型圧縮機にあっては、固定スクロールに対して可動スクロールの回転位相角を微調整する場合が生じるが、この微調整は通常、電動ユニット及びスクロールユニット間の相対的な回転角位置の変更を伴う。しかしながら、このようなユニット間での回転角位置の変更は取付け部間での位置決めを解消してしまうことになり、圧縮機の適切な装着と可動スクロールにおける回転位相角の微調整との両立を容易に図ることができない。
また、この種のスクロール型圧縮機にあっては、固定スクロールに対して可動スクロールの回転位相角を微調整する場合が生じるが、この微調整は通常、電動ユニット及びスクロールユニット間の相対的な回転角位置の変更を伴う。しかしながら、このようなユニット間での回転角位置の変更は取付け部間での位置決めを解消してしまうことになり、圧縮機の適切な装着と可動スクロールにおける回転位相角の微調整との両立を容易に図ることができない。
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、スクロールユニット及び電動ユニットの双方に取付け部がそれぞれ設けられていても、その適切な装着が簡単となり、しかも、可動スクロールの回転位相角の微調整をも容易に行うことができるスクロール型電動流体機械を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のスクロール型電動流体機械(請求項1)は、固定及び可動スクロールを収容し、可動スクロールの旋回運動により作動流体の吸込、圧縮及び吐出動作を行い、その外面に装着位置への第1取付け部を有する第1ケーシングと、出力軸及び電動子を収容し、出力軸の回転力により可動スクロールに旋回運動を行わせ、その外面に装着位置への第2取付け部を有する第2ケーシングと、第1及び第2ケーシング間に挟み付けられて、これら第1及び第2ケーシングとともに機体ハウジングを形成し、第1及び第2ケーシングに対して回転されたとき、固定スクロールに対する可動スクロールの回転位相角を調整可能な第3ケーシングとを備えている。
そして、第1及び第2ケーシングは、機体ハウジングの軸線方向に延びるとともに互いに異なる孔径を有し、互いに同軸上に位置付けられたときに機体ハウジングの周方向に関して第1及び第2取付け部の位置決めをなす第1及び第2位置決め孔をそれぞれ備える一方、第3ケーシングは第1及び第2位置決め孔間に位置付けられる第3位置決め孔を備え、第3位置決め孔は第1位置決め孔の孔径と第2位置決め孔の孔径との間に規定された孔径を有する。
上述したスクロール型電動流体機械によれば、第1〜第3ケーシングは第1〜第3位置決め孔が互いに連通するように組付けられる。この後、第1及び第2ケーシングの一方が機体ハウジングの軸線回りに回転されて、第1及び第2位置決め孔が互いに同軸上に位置付けらたとき、第1及び第2取付け部は機体ハウジングの周方向、つまり、装着位置に関して位置決めされる。
具体的には、ここでの位置決めには位置決めロッドが使用され、この位置決めロッドは第1〜第3位置決め孔を通じて挿通され、第1及び第2位置決め孔のぞれぞれに嵌合する段付きロッドである。
また、この際、位置決めロッドが第1〜第3位置決め孔の全てに嵌合する段付きロッドである場合、第3位置決め孔もまた第1及び第2位置決め孔と同軸に位置付けられる。
また、この際、位置決めロッドが第1〜第3位置決め孔の全てに嵌合する段付きロッドである場合、第3位置決め孔もまた第1及び第2位置決め孔と同軸に位置付けられる。
しかしながら、固定スクロールに対する可動スクロールの回転位相角を微調整する必要がある場合、第1及び第2ケーシング間の位置決めを確保した状態で、第3ケーシングのみが第1ケーシングに対して回転される。
ここでの第3ケーシングの回転、即ち、回転位相角の微調整にも位置決めロッドを使用することができる。具体的には、この場合の位置決めロッドは、第3位置決め孔に対応する部位のみが偏心した偏心部として形成されている。従って、位置決めロッドの偏心部を第3位置決め孔に嵌合させれば、第1及び第2位置決め孔間の同軸位置決めを確保しつつ、第3位置決め孔が機体ハウジングの周方向に変位する。即ち、第1及び第2ケーシングに対して第3ケーシングが回転し、可動スクロールの回転位相角が微調整される。
ここでの第3ケーシングの回転、即ち、回転位相角の微調整にも位置決めロッドを使用することができる。具体的には、この場合の位置決めロッドは、第3位置決め孔に対応する部位のみが偏心した偏心部として形成されている。従って、位置決めロッドの偏心部を第3位置決め孔に嵌合させれば、第1及び第2位置決め孔間の同軸位置決めを確保しつつ、第3位置決め孔が機体ハウジングの周方向に変位する。即ち、第1及び第2ケーシングに対して第3ケーシングが回転し、可動スクロールの回転位相角が微調整される。
好ましくは、第1〜第3ケーシングは、隣接するケーンシグを機体ハウジングの軸線回りに互いに回転自在に嵌合させる円筒状の嵌合面をそれぞれ有する(請求項2)。この場合、第1〜第3ケーシングが互いに組付けられたとき、これらケーシングは嵌合面により互いに回転自在に支持された状態にあるから、第1及び第2位置決め孔の同軸位置合わせや、第1及び第2位置決め孔に対する第3位置決め孔の変位調整の際、対応するケーシングは嵌合面に沿って回転する。
具体的には、第1〜第3ケーシングは、それらの外周面から径方向外側に突出して互いに重ね合わされ、前記第1〜第3位置決め孔をそれぞれ有する第1〜第3位置決めフランジを備え(請求項3)、前述した位置決めロッドは第1〜第3位置決めフランジの第1〜第3位置決め孔に挿通される。
以上説明したように本発明のスクロール型電動流体機械(請求項1)によれば、第1〜第3ケーシングのそれぞれに、孔径が互いに異なる第1〜第3位置決め孔を設けるだけの簡単な構成で、第1及び第2ケーシングにおける第1及び第2取付け部の位置決めを確保しつつ、中間ケーシングの回転を介して固定スクロールに対する可動スクロールの回転位相角を微調整することができる。
また、第1〜第3ケーシングは互いに回転自在に組み合わされていることから(請求項2)、ケーシングの回転を通じて第1及び第2取付け部の位置決めや、可動スクロールの回転位相角の微調整を容易に行うことができる。
更に、第1〜第3位置決め孔は第1〜第3ケーシングの外面からそれぞれ突出する第1〜第3位置決めフランジに形成されているから(請求項3)、第1〜第3位置決め孔への位置決めロッドの挿通、つまり、前記位置決めや微調整が容易となる。
更に、第1〜第3位置決め孔は第1〜第3ケーシングの外面からそれぞれ突出する第1〜第3位置決めフランジに形成されているから(請求項3)、第1〜第3位置決め孔への位置決めロッドの挿通、つまり、前記位置決めや微調整が容易となる。
図1はスクロール型電動流体機械を示し、この電動圧縮機は、自動車用空調システムにおける冷凍回路の圧縮機として使用され、そのエンジンルーム内の所定の装着位置に取付けられる。
電動圧縮機は大きく分けてスクロールユニット2及び電動ユニット4からなり、これらユニット2,4はケーシング2a,4a(第1及び第2ケーシング)をそれぞれ有する。これらケーシング2a,4aは中間ケーシング(第3ケーシング)6を介して相互に連結され、電動圧縮機の機体ハウジング8を形成している。即ち、ケーシング2a,6,4aはこの順序にて互いに同軸にしてタンデムに連なっている。
電動圧縮機は大きく分けてスクロールユニット2及び電動ユニット4からなり、これらユニット2,4はケーシング2a,4a(第1及び第2ケーシング)をそれぞれ有する。これらケーシング2a,4aは中間ケーシング(第3ケーシング)6を介して相互に連結され、電動圧縮機の機体ハウジング8を形成している。即ち、ケーシング2a,6,4aはこの順序にて互いに同軸にしてタンデムに連なっている。
ケーシング2a,4aにはその外周面に取付け部10,12がそれぞれ設けられており、それ故、電動圧縮機は取付け部10,12を介してエンジンルームの装着位置に取付け可能である。
スクロールユニット2のケーシング2aは中空の円筒形状をなし、その一端は閉塞され、そして、他端は中間ケーシング6に向けて開口している。ケーシング2a内には固定スクロール14が複数の固定ボルト16を介して固定されており、この固定スクロール14はケーシング2aの閉塞壁との間に吐出室18を形成している。
スクロールユニット2のケーシング2aは中空の円筒形状をなし、その一端は閉塞され、そして、他端は中間ケーシング6に向けて開口している。ケーシング2a内には固定スクロール14が複数の固定ボルト16を介して固定されており、この固定スクロール14はケーシング2aの閉塞壁との間に吐出室18を形成している。
ケーシング2aの閉塞壁には吐出ポート20が形成され、この吐出ポート20は吐出室18に連通している。
また、ケーシング2a内には可動スクロール22が収容され、この可動スクロール22及び固定スクロール14はそれらの渦巻きラップが互いに噛み合い、これら渦巻きラップ間に圧縮室24を形成している。可動スクロール22は固定スクロール14に対して、その旋回姿勢を一定に維持しつつ旋回運動し、この旋回運動に伴い、圧縮室24はその容積を減少しながら、固定スクロール14の中心に向けて移動する。このような圧縮室24の移動は吸入ポートを通じて作動ガスの吸込み、そして、吸い込んだ作動ガスを圧縮する。
また、ケーシング2a内には可動スクロール22が収容され、この可動スクロール22及び固定スクロール14はそれらの渦巻きラップが互いに噛み合い、これら渦巻きラップ間に圧縮室24を形成している。可動スクロール22は固定スクロール14に対して、その旋回姿勢を一定に維持しつつ旋回運動し、この旋回運動に伴い、圧縮室24はその容積を減少しながら、固定スクロール14の中心に向けて移動する。このような圧縮室24の移動は吸入ポートを通じて作動ガスの吸込み、そして、吸い込んだ作動ガスを圧縮する。
一方、固定スクロール14の中央には圧縮室24に通じる吐出孔26が形成され、この吐出孔26はリード弁からなる吐出弁(図示しない)により開閉可能となっている。従って、圧縮された作動ガスは圧縮室24から吐出孔26及び吐出弁を通じて吐出室18内に吐出され、そして、吐出室18から吐出ポート20を通じて送出される。具体的には、吐出ポート20は冷凍回路の凝縮器(図示しない)に接続され、圧縮作動ガスは凝縮器に供給される。
一方、電動ユニット4のケーシング4aもまた中空の円筒形状をなし、中間ケーシング6側に開口端を有する。ケーシング4a内には電動子28が収容され、この電動子28はその軸線方向両側に突出した出力軸30を有する。出力軸30は可動スクロール22側の一端部に大径端部32を有し、この大径端部32はボール軸受34を介して中間ケーシング6に回転自在に支持されている。また、出力軸30はその他端に小径端36を有し、この小径端36はニードル軸受38を介してケーシング4aに回転自在に支持されている。
より詳しくは、ケーシング4aはその内部に仕切壁40を有し、この仕切壁40はケーシング4a内を電動子28を収容する収容室42と回路室44とに区画している。仕切壁40の中央には出力軸30の小径端36に向けて突出したボス46が一体に形成され、ボス46の突出端と小径端36との間に前述したニードル軸受38が装着されている。
なお、回路室44にはインバータ回路48が収容され、このインバータ回路48は電動子28、即ち、その出力軸30の回転速度を制御することができる。
なお、回路室44にはインバータ回路48が収容され、このインバータ回路48は電動子28、即ち、その出力軸30の回転速度を制御することができる。
一方、出力軸30の大径端部32からは可動スクロール22に向けてクランクピン50が一体に突出し、このクランクピン50に偏心ブッシュ52が取付けられている。この偏心ブッシュ52はニードル軸受54を介して可動スクロール22を支持している。より詳しくは、可動スクロール22はクランクピン50側に向けて一体に突出したボス56を有し、このボス56と偏心ブッシュ52との間にニードル軸受54が配置されている。
更に、可動スクロール22と中間ケーシング6との間には、可動スクロール22の自転を阻止する機構、いわゆるボールカップリング58が挟持されている。具体的には、ボールカップリング58は、可動スクロール22と中間ケーシング6にそれぞれ支持された一対のリングプレート60を備え、これらリングプレート60はその周方向に等間隔を存して環状レースを有する。そして、一対のリングプレート60の環状レース間にはボール62がそれぞれ挟み込まれ、これらボール62及び環状レースは、ニードル軸受54の軸線を中心とした可動スクロール22の自転を阻止する。
従って、電動ユニット4の出力軸30が一方向に回転されると、そのクランクピン50は偏心ブッシュ52及びニードル軸受54を介して可動スクロール22に旋回運動を与え、この際、ボールカップリング58は可動スクロール22の自転を阻止する。このような可動スクロール22の旋回運動は前述した作動ガスの吸込、圧縮及び吐出からなる一連のプロセスを繰り返して実施する。
図1から明らかなように中間ケーシング6はその一端面にケーシング2aの開口端に嵌合する環状の支持部64を一体に有し、この支持部64の外周面及びケーシング2aの開口端内周面は中間ケーシング6及びケーシング2aを互いに回転自在に支持する嵌合面として形成されている。なお、前述したリングプレート60の一方は支持部64に当接して支持されている。
また、中間ケーシング6の他端面にはケーシング4aの開口端に嵌合する環状リブ66が一体に形成され、この環状リブ66の外周面及びケーシング4aの開口端内周面は中間ケーシング6及びケーシング4aを互いに回転自在に支持する嵌合面として形成されている。
ケーシング2a,4aの開口端及び中間ケーシング6にはその外周面に同数の連結フランジ68,70,72がそれぞれ一体に突設されており、これら連結フランジ68,70,72は図2に示されるようにケーシングの周方向に等間隔を存して配置されている。従って、連結フランジ68〜72は機体ハウジング8の軸線方向に互いに重ね合わることができ、そして、連結ボルト74により締結されることで、ケーシング2a,4a、つまり、スクロールユニット2及び電動ユニット4は中間ケーシング6を介して相互に連結されている。
ケーシング2a,4aの開口端及び中間ケーシング6にはその外周面に同数の連結フランジ68,70,72がそれぞれ一体に突設されており、これら連結フランジ68,70,72は図2に示されるようにケーシングの周方向に等間隔を存して配置されている。従って、連結フランジ68〜72は機体ハウジング8の軸線方向に互いに重ね合わることができ、そして、連結ボルト74により締結されることで、ケーシング2a,4a、つまり、スクロールユニット2及び電動ユニット4は中間ケーシング6を介して相互に連結されている。
より詳しくは、連結フランジ72には連結ボルト74のねじ孔76が形成され、一方、連結フランジ68,72には連結ボルト74の挿通孔78,80がそれぞれ形成されている。そして、挿通孔80は真円ではなく中間ケーシング6の軸線を中心とした円弧形状、若しくは、中間ケーシング6の回転を許容し得る程の大きさを有した真円形状をなし、ケーシング2a,4aに対する中間ケーシング6の回転を許容している。
更に、ケーシング2a,4aの開口端及び中間ケーシング6にはその外周面に位置決めフランジ82,84,86が1個ずつ突設され、これら位置決めフランジ82,84,86は図2から明らかなように連結フランジ間に位置付けられている。
位置決めフランジ82,84,86もまた連結フランジと同様に重ね合わされ、そして、これら位置決めフランジ82,84,86には互いに孔径が異なる位置決め孔88,90,92がそれぞれ形成されている。
位置決めフランジ82,84,86もまた連結フランジと同様に重ね合わされ、そして、これら位置決めフランジ82,84,86には互いに孔径が異なる位置決め孔88,90,92がそれぞれ形成されている。
より詳しくは、位置決め孔88,90,92は同一径の円周上に位置付けられ、そして、それらの孔径は位置決め孔88〜92の順序で段階的に縮小されている。従って、位置決め孔88,90,92は互いに同軸上に位置付けることができ、この際、図1に示されるように2つ段付きの連通孔が形成されている。
位置決め孔88〜92が同軸上に位置付けられた状態にあるとき、ケーシング2a,4aの取付け部10,12は機体ハウジング8の周方向に関して互いに位置決めされ、これにより、電動圧縮機は取付け部10,12を介して前述したエンジンルーム内の装着位置に適切且つ正確に取付け可能となる。
位置決め孔88〜92が同軸上に位置付けられた状態にあるとき、ケーシング2a,4aの取付け部10,12は機体ハウジング8の周方向に関して互いに位置決めされ、これにより、電動圧縮機は取付け部10,12を介して前述したエンジンルーム内の装着位置に適切且つ正確に取付け可能となる。
一方、位置決め孔88,92に対して位置決め孔90もまた同軸上に位置付けられた状態にあるとき、スクロールユニット2では、固定スクロール14に対する可動スクロール22の回転位相角が適切に設定される。
ここで、連結フランジ同士及び位置決めフランジ同士を重ね合わせ、そして、ねじ孔76に対する挿通孔78,80の位置合わせや、位置決め孔同士の同軸位置合わせは、ケーシング4aに対して中間ケーシング6及びケーシンク2aをそれぞれ回転させることで行われる。この際、中間ケーシング6はケーシング4aに対して環状リブ66を介して回転自在であり、また、ケーシング2aは中間ケーシング6の支持部64上に回転自在に支持されているから、中間ケーシング6及びケーシング2aの回転が容易となり、上述の挿通孔78,80の位置合わせや位置決め孔同士の同軸位置合わせを速やかに行うことができ、電動圧縮機の組立性が大きく改善される。
ここで、連結フランジ同士及び位置決めフランジ同士を重ね合わせ、そして、ねじ孔76に対する挿通孔78,80の位置合わせや、位置決め孔同士の同軸位置合わせは、ケーシング4aに対して中間ケーシング6及びケーシンク2aをそれぞれ回転させることで行われる。この際、中間ケーシング6はケーシング4aに対して環状リブ66を介して回転自在であり、また、ケーシング2aは中間ケーシング6の支持部64上に回転自在に支持されているから、中間ケーシング6及びケーシング2aの回転が容易となり、上述の挿通孔78,80の位置合わせや位置決め孔同士の同軸位置合わせを速やかに行うことができ、電動圧縮機の組立性が大きく改善される。
組立後、電動圧縮機が所期の出力を発生しないような状況にあるとき、本実施例の電動圧縮機はケーシング2a,4aに対して中間ケーシング6の回転が許容されていることから、中間ケーシング6を回転させ、電動圧縮機に所期の出力を発生させるべく、固定スクロール14に対する可動スクロール22の回転位相角を微調整することができる。即ち、中間ケーシング6が回転されると、この回転はボールカップリング58を介して可動スクロール22を自転させ、この結果、可動スクロール22の回転位相角が微調整される。この際、前述した連結ボルト74の締結が若干弱められた状態で行われることは言うまでもない。
図3(a),(c)は前述した微調整の結果をそれぞれ示し、中間ケーシング6の回転に伴い、位置決め孔90が互いに同軸の位置決め孔88,92に対して機体ハウジング8の周方向にそれぞれ変位している。
なお、図3(b)は位置決め孔88〜92が全て同軸上に位置付けられている状態を示す。
なお、図3(b)は位置決め孔88〜92が全て同軸上に位置付けられている状態を示す。
上述した中間ケーシング6の回転は、位置決め孔88,92間の同軸位置決め、つまり、前述した取付け部10,12の位置決めを解消することなく可能であるが、この説明に先立ち、先ず、位置決め孔88〜92を同軸上に簡単にして位置決め可能な位置決めロッドについて説明する。
図4(a)に示される位置決めロッド94は段付き形状をなし、その基端側から大径部94a、中径部94b及び小径部94cを有し、この小径部94cの先端はテーパ面94dとして形成されている。大径部94a、中径部94b及び小径部94cは同軸にして連なり、位置決め孔88〜92の孔径にそれぞれ対応した外径を有し、中径部94bの軸方向長さは位置決めフランジ84の厚さに一致している。
図4(a)に示される位置決めロッド94は段付き形状をなし、その基端側から大径部94a、中径部94b及び小径部94cを有し、この小径部94cの先端はテーパ面94dとして形成されている。大径部94a、中径部94b及び小径部94cは同軸にして連なり、位置決め孔88〜92の孔径にそれぞれ対応した外径を有し、中径部94bの軸方向長さは位置決めフランジ84の厚さに一致している。
従って、上述の位置決めロッド94が位置決め孔88〜92のそれぞれに挿通されることで、これら位置決め孔88〜92は同軸上に位置決めされる(図2及び図3(a)参照)。なお、この際、連結フランジ68〜72側においても、ねじ孔76に対して挿通孔78,80が合致し、連結ボルト74のねじ込みが可能となる。
この後、中間ケーシング6の回転が要求される場合には、位置決めロッド94に代えて、図4(b)に示される位置決めロッド96が使用される。この位置決めロッド96は、中径部94bが偏心部96eとして形成される点で位置決めロッド94とは異なる。
この後、中間ケーシング6の回転が要求される場合には、位置決めロッド94に代えて、図4(b)に示される位置決めロッド96が使用される。この位置決めロッド96は、中径部94bが偏心部96eとして形成される点で位置決めロッド94とは異なる。
位置決めロッド96が位置決め孔88〜92のそれぞれに挿通されると、位置決め孔88,92は互いに同軸上に位置付けられるものの、位置決め孔90は位置決め孔88,92に対して機体ハウジング8の周方向に変位する(図3(a),(c)参照)。
位置決め孔90の変位量は、偏心部96eの偏心量により決定され、それ故、偏心部96eの偏心量のみが異なる位置決めロッド96を種々用意すれば、位置決め孔90の変位量、つまり、固定スクロール14に対する可動スクロール22の回転位相角をきめ細かく微調整可能となる。
位置決め孔90の変位量は、偏心部96eの偏心量により決定され、それ故、偏心部96eの偏心量のみが異なる位置決めロッド96を種々用意すれば、位置決め孔90の変位量、つまり、固定スクロール14に対する可動スクロール22の回転位相角をきめ細かく微調整可能となる。
なお、位置決め孔88,92の同軸位置決めのみが要求される場合には、図4(c)に示される位置決めロッド98を使用することができる。この位置決めロッド98は大径部94a及び小径部94cのみからなり、この場合の小径部94cは位置決めフランジ70の厚さ以上の軸方向長さを有する。
位置決めロッド98が位置決め孔88〜92のそれぞれに挿通されても、位置決め孔88,92を同軸上に位置決めすることができ、そして、中間ケーシング6は位置決めロッド98の小径部94cにより許容される範囲内で回転することができる。
位置決めロッド98が位置決め孔88〜92のそれぞれに挿通されても、位置決め孔88,92を同軸上に位置決めすることができ、そして、中間ケーシング6は位置決めロッド98の小径部94cにより許容される範囲内で回転することができる。
本発明は上述の一実施例に制約されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、位置決め孔の孔径に関しては、位置決め孔92の孔径が最大であってもよく、この場合、位置決めロッドは位置決め孔92側から挿通される。
例えば、位置決め孔の孔径に関しては、位置決め孔92の孔径が最大であってもよく、この場合、位置決めロッドは位置決め孔92側から挿通される。
2 スクロールユニット
4 電動ユニット
2a ケーシング(第1ケーシング)
4a ケーシング(第2ケーシング)
6 中間ケーシング(第3ケーシング)
14 固定スクロール
22 可動スクロール
58 ボールカップリング
64 支持部(嵌合面)
66 環状リブ(嵌合面)
68,70,72 連結フランジ
82,84,86 位置決めフランジ
88,90,92 位置決め孔
4 電動ユニット
2a ケーシング(第1ケーシング)
4a ケーシング(第2ケーシング)
6 中間ケーシング(第3ケーシング)
14 固定スクロール
22 可動スクロール
58 ボールカップリング
64 支持部(嵌合面)
66 環状リブ(嵌合面)
68,70,72 連結フランジ
82,84,86 位置決めフランジ
88,90,92 位置決め孔
Claims (3)
- 固定及び可動スクロールを収容し、前記可動スクロールの旋回運動により作動流体の吸込、圧縮及び吐出動作を行うとともに、その外面に装着位置への第1取付け部を有した第1ケーシングと、
出力軸及び電動子を収容し、前記出力軸の回転力により前記可動スクロールに前記旋回運動を行わせ、その外面に前記装着位置への第2取付け部を有した第2ケーシングと、
前記第1及び第2ケーシング間に挟み付けられて、これら第1及び第2ケーシングとともに機体ハウジングを形成し、前記第1及び第2ケーシングに対して回転されたとき、前記固定スクロールに対する前記可動スクロールの回転位相角を調整可能な第3ケーシングと
を具備し、
前記第1及び第2ケーシングにそれぞれ設けられ、前記機体ハウジングの軸線方向に延びるとともに互いに異なる孔径を有し、互いに同軸上に位置付けられたときに前記機体ハウジングの周方向に関して前記第1及び第2取付け部の位置決めをなす第1及び第2位置決め孔と、
前記第3ケーシングに前記第1及び第2位置決め孔間に位置して設けられ、前記第1位置決め孔の孔径と第2位置決め孔の孔径との間に規定された孔径を有する第3位置決め孔と
を含むことを特徴とするスクロール型電動流体機械。 - 前記第1〜第3ケーシングは、隣接するケーシングを前記機体ハウジングの軸線回りに互いに回転自在に嵌合させる円筒状の嵌合面をそれぞれ有することを特徴とする請求項1に記載のスクロール型電動流体機械。
- 前記第1〜第3ケーシングはそれらの外周面から径方向外側に突出して互いに重ね合わされ、前記第1〜第3位置決め孔をそれぞれ有する第1〜第3位置決めフランジを備えている
ことを特徴とする請求項2に記載のスクロール型電動流体機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003286276A JP2005054667A (ja) | 2003-08-04 | 2003-08-04 | スクロール型電動流体機械 |
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2003-08-04 JP JP2003286276A patent/JP2005054667A/ja active Pending
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