JP2005053896A - ピリミジンヌクレオシド化合物の製造方法および新規ピリミジンヌクレオシド化合物 - Google Patents
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Abstract
【課題】シトシンヌクレオシドホスホリラーゼを用いた糖リン酸と各種ピリミジン塩基誘導体からのピリミジンヌクレオシド化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】リン酸化糖と下記一般式(I)で示されるピリミジン塩基誘導体とを、シトシンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を有する酵素の存在下で反応させるピリミジンヌクレオシド化合物の製造方法。
(式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を有するアシル基又は炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜3のアルキル基、チオール基を示し、R2はアミノ基、チオール基、水酸基又は水素原子を示し、R3は水酸基置換であってもよい炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基又は水素原子を示し、R4は水酸基又は水素原子を示す。但し、R1がアミノ基、R2が水酸基、かつ、R4が水素原子であって、R3が炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子である場合を除く。)
【選択図】なし
【解決手段】リン酸化糖と下記一般式(I)で示されるピリミジン塩基誘導体とを、シトシンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を有する酵素の存在下で反応させるピリミジンヌクレオシド化合物の製造方法。
(式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を有するアシル基又は炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜3のアルキル基、チオール基を示し、R2はアミノ基、チオール基、水酸基又は水素原子を示し、R3は水酸基置換であってもよい炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基又は水素原子を示し、R4は水酸基又は水素原子を示す。但し、R1がアミノ基、R2が水酸基、かつ、R4が水素原子であって、R3が炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子である場合を除く。)
【選択図】なし
Description
本発明は医薬品等の合成原料として有用なピリミジンヌクレオシド化合物の製造方法およびピリミジンヌクレオシド化合物に関する。
ヌクレオシドホスホリラーゼを用いるピリミジン塩基誘導体からのピリミジンヌクレオシド化合物の合成法としては特開昭59−213397号公報(特許文献1)や特開平5−49493号公報(特許文献2)などで報告されているが、何れも核酸塩基はウラシル塩基の誘導体である。上述のウラシル誘導体とはピリミジン塩基の4位がカルボニル基である構造の化合物であり、ウラシル、5−ハロゲン化ウラシル、チミン等から対応するヌクレオシド化合物の製造方法が知られている。
シトシンヌクレオシドホスホリラーゼを用いた糖リン酸とピリミジン塩基誘導体からのピリミジンヌクレオシド化合物の製造法としては、5−フルオロシトシン、アザシトシン、5−メチルシトシンからのシトシンヌクレオシド化合物の製造法がEP1254959A2(特許文献3)で開示されているがそれ以外は知られていない。
特開昭59−213397号公報
特開平5−49493号公報
欧州特許出願公開第1254959号明細書
ピリミジンヌクレオシド化合物を製造する場合、特に医薬品の原料として利用する場合は微量の副生物の混入は大きな問題となる。有機合成法によりピリミジンヌクレオシド化合物を製造した場合、一般的に異性体としてα体が生成する。そのため精製負荷が大きくなるとともに、ピリミジンヌクレオシド化合物の回収率を低下させることとなり工業的に製造する場合は大きな問題となる。
したがって、本発明はシトシンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を有する酵素を用いた糖リン酸と各種ピリミジン塩基誘導体からのピリミジンヌクレオシド化合物の合成方法およびピリミジンヌクレオシド化合物を提供する事を目的とする。
本発明者らは、上述の課題を解決するためにシトシンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を有する酵素の存在下に各種ピリミジン塩基誘導体とリン酸化糖によるヌクレオシド化合物の製造を鋭意検討した結果、後記する一般式(I)に示すピリミジン塩基化合物から対応するヌクレオシド化合物を製造できる事を見出した。
さらに、本発明者等は、シトシンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を有する微生物を用いて4−アセトアミドピリミジンとペントース−1−リン酸からピリミジンヌクレオシド化合物を生成する反応を検討する過程で、アセチル基が加水分解されたピリミジン塩基またはピリミジンヌクレオシド化合物が大量に生成し、反応収率を著しく低下させる事を確認した。
本発明者等は、この脱アセチル化反応が1)反応条件により化学的に起こる反応と、2)宿主の生産する脱アセチル化活性を有する酵素に由来する反応の両方が組み合わさって起こることが原因であることを突き止めるとともに、脱アセチル化反応を抑制する方法について鋭意検討した結果、反応液のpHを6から9好ましくは7から8の範囲に制御し、反応温度を20℃から60℃好ましくは30℃から40℃に制御する方法が化学的な脱アセチル化反応の進行の抑制に有効であること、微生物の菌体、培養液またはそれらの処理物から脱アセチル化活性を有する酵素を低減化または除去する方法が該脱アセチル化活性を有する酵素に由来する脱アセチル化反応の進行の抑制に有効であることを見出した。
本発明者等は、以上の知見に基づき本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]リン酸化糖とピリミジン塩基誘導体とを、シトシンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を有する酵素の存在下で反応させて、ピリミジンヌクレオシド化合物を得る工程を有することを特徴とするピリミジンヌクレオシド化合物の製造方法において、ピリミジン塩基誘導体が下記一般式(I):
[1]リン酸化糖とピリミジン塩基誘導体とを、シトシンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を有する酵素の存在下で反応させて、ピリミジンヌクレオシド化合物を得る工程を有することを特徴とするピリミジンヌクレオシド化合物の製造方法において、ピリミジン塩基誘導体が下記一般式(I):
(式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を有するアシル基又は炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜3のアルキル基又はチオール基を示し、R2はアミノ基、チオール基、水酸基又は水素原子を示し、R3は水酸基置換であってもよい炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基又は水素原子を示し、R4は水酸基又は水素原子を示す。但し、R1がアミノ基、R2が水酸基、かつ、R4が水素原子であって、R3が炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子である場合を除く。)で表される化合物である、ピリミジンヌクレオシド化合物の製造方法、
[2][1]記載の一般式(I)で表されるピリミジン塩基誘導体が、2−ハイドロキシ−4−メチルピリミジン、4−アセトアミドピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ハイドロキシピリミジン、4,5−ジアミノ−6−ハイドロキシピリミジン、2−チオシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシンまたは4−チオウラシルである、[1]記載の製造方法、
[3]リン酸化糖が、リボース−1−リン酸、2−デオキシリボース−1−リン酸、2’,3’−ジデオキシリボース−1−リン酸である[1]または[2]に記載の製造方法、
[4]前記酵素が大腸菌由来である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の製造方法、
[5]前記酵素が、該酵素を有する微生物の菌体、あるいは該菌体もしくはその培養液から得られた酵素調製物として供給される、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の製造方法、
[6]脱アシル化活性が失活または低減化処理されたシトシンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を有する微生物の菌体、または酵素調整物を用いて、一般式(I)中のR1が炭素数1〜3のアルキル基を有するアシル基で置換されたアミノ基である化合物とリン酸化糖を反応させる、ピリミジンヌクレオシド化合物の製造方法、
[7]前記微生物の菌体または前記酵素調製物における脱アシル化活性の失活または低減化処理が、加熱または有機溶媒を含む水に接触させて脱アシル化活性を失活または低減化したものである、[6]に記載の製造方法、
[8]下記一般式(II):
[3]リン酸化糖が、リボース−1−リン酸、2−デオキシリボース−1−リン酸、2’,3’−ジデオキシリボース−1−リン酸である[1]または[2]に記載の製造方法、
[4]前記酵素が大腸菌由来である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の製造方法、
[5]前記酵素が、該酵素を有する微生物の菌体、あるいは該菌体もしくはその培養液から得られた酵素調製物として供給される、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の製造方法、
[6]脱アシル化活性が失活または低減化処理されたシトシンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を有する微生物の菌体、または酵素調整物を用いて、一般式(I)中のR1が炭素数1〜3のアルキル基を有するアシル基で置換されたアミノ基である化合物とリン酸化糖を反応させる、ピリミジンヌクレオシド化合物の製造方法、
[7]前記微生物の菌体または前記酵素調製物における脱アシル化活性の失活または低減化処理が、加熱または有機溶媒を含む水に接触させて脱アシル化活性を失活または低減化したものである、[6]に記載の製造方法、
[8]下記一般式(II):
(式中、R5はアミノ基又は水素原子を示し、R6はアミノ基又は水素原子を示し、R7は水酸基又は水素原子を示す。)
で表されるピリミジンヌクレオシド化合物。
で表されるピリミジンヌクレオシド化合物。
本発明によれば、従来有機合成法による製法しか知られていなかったピリミジンヌクレオシド化合物の酵素による合成方法を提供することができる。
本発明においてシトシンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を有する酵素とは、シトシンまたはシトシン誘導体を基質としてシトシンヌクレオシド化合物を生成する活性を有する酵素を指しており、この要件を満たす限り動物、植物、微生物の何れの起源であっても構わない。シトシンヌクレオシドホスホリラーゼなる酵素は当該分野においては一般的に知られていない。そのため、本発明においてのみかかる用語を上記の通り定義して用いる。
このようなシトシンヌクレオシドホスホリラーゼの具体例としては、エシェリシア・コリ(Escherichia coli)等のエシェリシア(Escherichia)属に含まれる微生物の従来のプリンヌクレオシドホスホリラーゼとして知られている酵素でシトシンヌクレオシドホスホリラーゼ活性も有するものを好適な例として挙げることができる。具体的な例として、エシェリシア・コリ(Escherichia coli)のプリンヌクレオシドホスホリラーゼのDNA塩基配列を配列番号3に、該塩基配列より翻訳されるアミノ酸配列を配列番号:4に例示した。また、近年の遺伝子工学の進歩により塩基配列の一部を失活、挿入、置換によりアミノ酸配列を改変することが容易となった。かかる技術水準に鑑み、該塩基配列の一部を、所望とする酵素活性に影響を及ぼさない範囲内、例えば酵素活性を維持または向上できる範囲内で、改変してアミノ酸配列を改変したものも本発明のシトシンヌクレオシドホスホリラーゼに包含されるものとする。例えば、配列番号:4に示したアミノ酸配列に、目的とする酵素活性に影響を及ぼさない範囲内で2〜3個のアミノ酸の欠失、置換または付加が行われたものや、配列番号:3の塩基配列に目的とする酵素活性に影響を及ぼさず、かつ、その相補配列がストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る範囲内での欠失、置換または付加等の変異を生じさせた塩基配列によってコードされたアミノ酸配列を有するものを用いることができる。
本発明におけるピリミジン塩基誘導体は、一般式(I)で表される。一般式(I)中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を有するアシル基又は炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜3のアルキル基、チオール基を示し、R2はアミノ基、チオール基、水酸基又は水素原子を示し、R3は水酸基置換であってもよい炭素数1〜3のアルキル基、アミノ基又は水素原子を示し、R4は水酸基又は水素原子を示す。但し、一般式(I)中におけるR1がアミノ基、R2が水酸基、かつ、R4が水素原子であって、R3が炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子であることはない。
通常、ピリミジン塩基は、水性媒体中では互変異性体を形成することが知られており、例えば、代表的なピリミジン塩基であるシトシン、2−チオシトシン、6-ヒドロキシ−4−アミノピリミジンは、次に示すような互変異性体を形成し得る(化3)。
通常、ピリミジン塩基は、水性媒体中では互変異性体を形成することが知られており、例えば、代表的なピリミジン塩基であるシトシン、2−チオシトシン、6-ヒドロキシ−4−アミノピリミジンは、次に示すような互変異性体を形成し得る(化3)。
したがって、本発明に用いられる一般式(I)で表されるピリミジン塩基誘導体には、当然、これに対応する互変異性体を包含する。
一般式(I)で表されるピリミジン塩基誘導体として代表例を挙げると、例えば、2−ハイドロキシ−4−メチルピリミジン、4−アセトアミドピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ハイドロキシピリミジン、4,5−ジアミノ−6−ハイドロキシピリミジン、2−チオシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシンまたは4−チオウラシルなどが挙げられる。
一般式(I)で表されるピリミジン塩基誘導体として代表例を挙げると、例えば、2−ハイドロキシ−4−メチルピリミジン、4−アセトアミドピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ハイドロキシピリミジン、4,5−ジアミノ−6−ハイドロキシピリミジン、2−チオシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシンまたは4−チオウラシルなどが挙げられる。
本発明におけるリン酸化糖とは、ポリヒドロキシアルデヒドまたはポリヒドロキシケトンおよびその誘導体の1位にリン酸がエステル結合したもののことである。その好ましい代表例を挙げると、例えばリボース−1−リン酸、2´−デオキシリボース−1−リン酸、2´,3´−ジデオキシリボース−1−リン酸、アラビノース−1−リン酸などが挙げられる。
ここでいうポリヒドロキシアルデヒドまたはポリヒドロキシケトンとは、天然物由来のものとしては、D−アラビノース、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−リボースのようなアルドペントース、D−キシルロース、L−キシルロース、D−リブロースのようなケトペントース、D−2−デオキシリボース、D−2,3−ジデオキシリボースのようなデオキシ糖類を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これらリン酸化糖は、ヌクレオシドホスホリラーゼの作用によりヌクレオシド化合物の加リン酸分解反応を行って製造する方法(J.Biol.Chem.Vol.184、437、1950)や、アノマー選択的な化学合成法等によっても調製することができる。また、WO 01/14566に記載の酵素的なデオキリボースー1−リン酸の合成方法によっても調整することができる。
本発明におけるピリミジンヌクレオシド化合物の合成反応は、シトシン誘導体とリン酸化糖を基質としてシトシンヌクレオシド化合物を合成できるヌクレオシドホスホリラーゼを発現している微生物の菌体、培養液それらの処理物を用い、適切なpHや温度などの反応条件を選べばよいが通常はpH4〜10、温度10〜80℃の範囲で水性媒体中で行うことができる。
水性媒体とは水或いは水を主成分としてpH緩衝能を有するような溶媒である。
水性媒体とは水或いは水を主成分としてpH緩衝能を有するような溶媒である。
反応に使用するリン酸化糖とピリミジン塩基誘導体の濃度は0.1〜1000mM程度が適当であり、両者のモル比は添加するピリミジン塩基誘導体の比率をリン酸化糖またはその塩に対して0.1〜10倍モル量で行える。反応転化率を考えれば0.95倍モル量程度が好ましい。
本発明において生成するピリミジンヌクレオシド化合物としては、例えば、4-メチルピリミジンリボフラノシル、2’―デオキシ−4−チオウリジン、2−チオシチジン、5−ハイドロキシメチルシチジン、N−アセチル−2’−デオキシシチジン、一般式(II)で表されるピリミジンヌクレオシド化合物などが挙げられる。
一般式(II)中のR5はアミノ基又は水素原子を示し、R6はアミノ基又は水素原子を示し、R7は水酸基又は水素原子を示す。
一般式(II)中のR5はアミノ基又は水素原子を示し、R6はアミノ基又は水素原子を示し、R7は水酸基又は水素原子を示す。
尚、本発明において、微生物の菌体、培養液それらの処理物とは、微生物の菌体或いは培養液中の菌体を超音波、浸透圧ショック等で破壊して得られたもの、また、菌体及び該破壊物を固定化担体等で固定化したもの、或いは破壊物等から精製された酵素などが含まれる。
また、反応液中に生成するリン酸をトラップする目的でリン酸と難溶性の金属塩類を存在させたり、イオン交換樹脂等の担体を存在させることで反応収率を高めることも可能である。
炭素数1〜3のアルキル基を有するアシル基で置換されたアミノ基を脱アシル化する活性が失活または低減化された微生物の菌体、培養液またはそれらの処理物を用いて、一般式(I)中のR1が、炭素数1〜3のアルキル基を有するアシル基で置換されたアミノ基である化合物とリン酸化糖とを反応させることにより、対応するピリミジンヌクレオシド化合物を生成させることができる。
炭素数1〜3のアルキル基を有するアシル基で置換されたアミノ基を脱アシル化する活性は、加熱処理または低減化処理により失活または低減化することができる。
本発明でいう加熱処理とはシトシンヌクレオシドホスホリラーゼを失活させず、脱アシル化活性を失活または低減化させることができれば特に限定されないが、例えば、該微生物の菌体、培養液またはそれらの処理物を水性媒体中でpHは通常4.0以上10.0以下であり、好ましくは6.0以上9.0以下で、温度は通常50℃以上、好ましくは60℃以上80℃以下で10分間以上、より好ましくは30分間以上静置または懸濁するような方法を挙げることができる。加熱時間は40時間以下が更に好ましい。
また、処理液中にリン酸化糖を1mM以上、好ましくは10mM以上100mM以下添加することにより、シトシンヌクレオシドホスホリラーゼをより安定化させることができる。
本発明でいう加熱処理とはシトシンヌクレオシドホスホリラーゼを失活させず、脱アシル化活性を失活または低減化させることができれば特に限定されないが、例えば、該微生物の菌体、培養液またはそれらの処理物を水性媒体中でpHは通常4.0以上10.0以下であり、好ましくは6.0以上9.0以下で、温度は通常50℃以上、好ましくは60℃以上80℃以下で10分間以上、より好ましくは30分間以上静置または懸濁するような方法を挙げることができる。加熱時間は40時間以下が更に好ましい。
また、処理液中にリン酸化糖を1mM以上、好ましくは10mM以上100mM以下添加することにより、シトシンヌクレオシドホスホリラーゼをより安定化させることができる。
本発明において、前記脱アシル化活性の低減化処理とは、シトシンヌクレオシドホスホリラーゼを失活させず、炭素数1〜3のアルキル基を有するアシル基の脱アシル化活性を失活または低減化させることができれば特に限定されないが、例えば、該微生物の菌体、培養液またはそれらの処理物を有機溶媒中にさらしたり、加熱処理を施すこと、或いは菌体を破砕した酵素液を有機溶媒や硫酸アンモニウム等でタンパク質を沈殿させて酵素を分画処理して脱アシル化活性を有する酵素のみを除去することを挙げることができる。
本発明において、有機溶媒とは、脱アシル化活性を失活させることが可能な溶媒であれば特に限定されないが、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン及びアセトン等の極性溶媒や1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、1−ノナノール等のアルコール類、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル等のエステル類、ペンタン、ヘキサン、2−メチルヘキサン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、シクロオクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、ドデカン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、工業ガソリン、灯油、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、メシチレン、ナフタレン等の炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、クレゾール、キシレノール等のフェノール類、メチルイソブチルケトン、2−ヘキサノン等のケトン類、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル等のエーテル類が挙げられ、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、トルエン、エチルベンゼン等の炭化水素類が挙げられる。また、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルベンズアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、ホルムアミド、アセチルアミド、安息香酸アミド等のアミド化合物や、ウレア、N,N’−ジメチルウレア、テトラメチルウレア、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等のウレア化合物が挙げられ、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド化合物が挙げられる。
これらの有機溶媒のなかでも、アセトンは好ましい有機溶媒として挙げることができる。本発明でいう脱アシル化活性の失活または低減化のための有機溶媒処理とは、シトシンヌクレオシドホスホリラーゼを失活させず、脱アシル化活性を失活または低減化させることができれば特に限定されないが、例えば該微生物の菌体、培養液またはそれらの処理物をpHは通常4.0以上10.0以下であり、好ましくは6.0以上9.0以下で、有機溶媒を水中濃度として、例えば10容量%以上、好ましくは20容量%以上、より好ましくは30容量%以上の濃度で、通常0℃以上の温度、好ましくは20℃、更には50℃以上で、80℃以下の温度で、通常10分間以上で40時間以下、より好ましくは1時間以上20時間以下の時間で静置または懸濁するような方法を挙げることができる。
また、反応液中にこれらの有機溶媒を添加することによっても同様の効果を得ることが可能である。
また、反応液中にこれらの有機溶媒を添加することによっても同様の効果を得ることが可能である。
前記の脱アシル化活性が低減化処理により失活または低減化された菌体または酵素調整物を用いて、一般式(I)中のR1が炭素数1〜3のアルキル基を有するアシル基で置換されたアミノ基である化合物とリン酸化糖とを反応させることにより得られるピリミジンヌクレオシド化合物としては、例えば、N−アセチル−2’−デオキシシチジンが挙げられる。
反応液よりピリミジンヌクレオシド化合物を採取する方法は、水等の溶媒に対する該誘導体と生成物の溶解度差を利用したり、イオン交換や吸着樹脂を用いる方法で行うことができる。
以下に実施例で本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものではない。
なお、生成したピリミジンヌクレオシド化合物の同定は、反応液を限外ろ過し、シリカゲルカラムで精製後、生成物を抽出、真空乾燥してC13−NMR、及びH1−NMR分析により行なつた。
また、生成したヌクレオシド化合物はすべて高速液体クロマトグラフィーにより定量した。分析条件は以下のとおりである。
カラム;Develosil ODS−MG−5 4.6×250mm(野村化学)
カラム温度;40℃
ポンプ流速;1.0ml/min.
検出;UV254nm、
溶離液;50mMリン酸1カリウム:メタノール=8:1(V/V)
カラム;Develosil ODS−MG−5 4.6×250mm(野村化学)
カラム温度;40℃
ポンプ流速;1.0ml/min.
検出;UV254nm、
溶離液;50mMリン酸1カリウム:メタノール=8:1(V/V)
[参考例1]
(シトシンヌクレオシドホスホリラーゼ生産菌の調製)
大腸菌染色体DNAを次のようにして調製した。
(シトシンヌクレオシドホスホリラーゼ生産菌の調製)
大腸菌染色体DNAを次のようにして調製した。
エシェリヒア・コリK−12/XL−10株(Stratagene社)を50mlの
LB培地に接種し、37℃で一夜培養した後集菌し、リゾチーム1mg/mlを含む溶菌液で溶菌した。溶菌液をフェノール処理した後、通常の方法によりエタノール沈殿によりDNAを沈殿させた。生じたDNAの沈殿は、ガラス棒に巻き付けて回収した後、洗浄し、PCRに用いた。
LB培地に接種し、37℃で一夜培養した後集菌し、リゾチーム1mg/mlを含む溶菌液で溶菌した。溶菌液をフェノール処理した後、通常の方法によりエタノール沈殿によりDNAを沈殿させた。生じたDNAの沈殿は、ガラス棒に巻き付けて回収した後、洗浄し、PCRに用いた。
PCR用のプライマーには、エシェリヒア・コリの既知のプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(以下PNPと表記する)をコードするdeoD遺伝子の塩基配列(GenBank accession No. AE000508(コード領域は塩基番号11531−12250)に基づいて設計した配列番号1及び2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド(北海道システム・サイエンス株式会社に委託して合成した)を用いた。これらのプライマーの5’末端付近及び3’末端付近には、それぞれEcoRI及びHindIIIの制限酵素認識配列を有する。
制限酵素HindIIIで完全に消化した前記大腸菌染色体DNA 6ng/μl及びプライマー各3μMを含む0.1mlのPCR反応液を用いて、変性:96℃、1分間、アニーリング:55℃、1分間、伸長反応:74℃、1分間からなる反応サイクルを、30サイクルの条件でPCRを行った。
上記反応産物及びプラスミドpUC18(宝酒造(株))を、EcoRI及びHindIIIで消化し、ライゲーション・ハイ(東洋紡(株))を用いて連結した後、得られた組換えプラスミドを用いて、エシェリヒア・コリDH5αを形質転換した。形質転換株を、アンピシリン(Am)50μg/ml及びX−Gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシド)を含むLB寒天培地で培養し、Am耐性で且つ白色コロニーとなった形質転換株を得た。
このようにして得られた形質転換株よりプラスミドを抽出し、目的のDNA断片が挿入されたプラスミドを、pUC−PNP73と命名した。pUC−PNP73に導入されたDNA断片の塩基配列を通常の塩基配列の決定法に従い塩基配列を確認した。得られた塩基配列を配列番号3に、塩基配列より翻訳されたアミノ酸配列を配列番号4に示した。本酵素のサブユニットの分子量は約26000であり、6量体として活性発現していることが知られている。本酵素の至適温度は約70℃であり、至適pHは約7.0から7.5である。こうして得られた形質転換体を、エシェリヒア・コリ MT−10905と名づけた。
エシェリヒア・コリ MT−10905株をAm50μg/mlを含むLB培地100mLで37℃・1晩振とう培養した。培養液を13000rpmで10min遠心分離し、得られた菌体を20mLの100mMリン酸緩衝液(pH7.5)に懸濁した。懸濁液を再度13000rpmで10min遠心分離し、得られた菌体を10mLの50mMの2´−デオキシリボース1−リン酸ジ(モノシクロヘキシルアンモニウム)塩(SIGMA製)に懸濁した。
[参考例2]
(精製シトシンヌクレオシドホスホリラーゼの調製)
参考例1で調製した菌体懸濁液を超音波破砕機で菌体を破砕した。70℃、10分間の加熱処理を行ない、次いで遠心分離により粗酵素液を調整し、50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化したDEAE−トヨパール(トーソー)3cm×10cmのカラムに加え、50mMNaClから500mMNaClのリニアグラジエントで溶出し、活性画分を回収した。溶離液を70%硫安飽和で沈殿として回収し、10mMリン酸緩衝液(pH7.5)に対して透析した。10mMリン酸緩衝液(pH7.5)で平衡化したハイドロキシアパタイトカラム(3cm×15cm)に透析液を加え、10mMリン酸緩衝
液(pH7.5)から50mMリン酸緩衝液(pH7.5)で溶出し、活性画分を回収した。酵素液を70%硫安飽和で沈殿として回収し、1mLの10mMリン酸緩衝液(pH7.5)に溶解し、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)に対して透析し精製酵素2mLを得た。こうして得た精製酵素はSDS−ポリアクリルアミド電気泳動により単一のバンドであることを確認した。
(精製シトシンヌクレオシドホスホリラーゼの調製)
参考例1で調製した菌体懸濁液を超音波破砕機で菌体を破砕した。70℃、10分間の加熱処理を行ない、次いで遠心分離により粗酵素液を調整し、50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化したDEAE−トヨパール(トーソー)3cm×10cmのカラムに加え、50mMNaClから500mMNaClのリニアグラジエントで溶出し、活性画分を回収した。溶離液を70%硫安飽和で沈殿として回収し、10mMリン酸緩衝液(pH7.5)に対して透析した。10mMリン酸緩衝液(pH7.5)で平衡化したハイドロキシアパタイトカラム(3cm×15cm)に透析液を加え、10mMリン酸緩衝
液(pH7.5)から50mMリン酸緩衝液(pH7.5)で溶出し、活性画分を回収した。酵素液を70%硫安飽和で沈殿として回収し、1mLの10mMリン酸緩衝液(pH7.5)に溶解し、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)に対して透析し精製酵素2mLを得た。こうして得た精製酵素はSDS−ポリアクリルアミド電気泳動により単一のバンドであることを確認した。
[実施例1]
50mMのリボース1−リン酸ジ(モノシクロヘキシルアンモニウム)塩(SIGMA製)、10mMの2−ハイドロキシ−4−メチルピリミジン(東京化成製)、100mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)、参考例1で得られた菌体懸濁液0.1mlからなる反応液1.0mlを50℃で1時間反応させた。反応液を希釈した後分析したところ、6.9mMの対応するピリミジンヌクレオシド化合物が生成していた。
50mMのリボース1−リン酸ジ(モノシクロヘキシルアンモニウム)塩(SIGMA製)、10mMの2−ハイドロキシ−4−メチルピリミジン(東京化成製)、100mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)、参考例1で得られた菌体懸濁液0.1mlからなる反応液1.0mlを50℃で1時間反応させた。反応液を希釈した後分析したところ、6.9mMの対応するピリミジンヌクレオシド化合物が生成していた。
[実施例2]
50mMの2´−デオキシリボース1−リン酸ジ(モノシクロヘキシルアンモニウム)塩(SIGMA製)、10mMの4−アセトアミドピリミジン(ALDRICH製)、100mMの酢酸カリウム緩衝液(pH8.0)、参考例2で得られた酵素液0.1mlからなる反応液1.0mlを50℃で1時間反応させた。反応液を希釈した後分析したところ、4.4mMの対応するピリミジンヌクレオシド化合物が生成していた。
50mMの2´−デオキシリボース1−リン酸ジ(モノシクロヘキシルアンモニウム)塩(SIGMA製)、10mMの4−アセトアミドピリミジン(ALDRICH製)、100mMの酢酸カリウム緩衝液(pH8.0)、参考例2で得られた酵素液0.1mlからなる反応液1.0mlを50℃で1時間反応させた。反応液を希釈した後分析したところ、4.4mMの対応するピリミジンヌクレオシド化合物が生成していた。
[実施例3]
特開2002−205996号公報記載の方法で製造した2´-デオキシリボースー1リン酸ジアンモニウム塩を2.5g、2,4−ジアミノ−6−ハイドロキシピリミジン(ALDRICH製)を0.63g、炭酸マグネシウムを1.5gに蒸留水を15g加え反応液を調整した。参考例2で得られた酵素液5mlを加え、30℃で20時間反応した。反応液を用い、ESI(+)法にてLC−MS分析を行った。
LC条件
カラム:Develosil ODS−UG5
2.0x150mm(野村化学)
移動相: A:0.1%(V/V)酢酸/H2O
B:0.1%(V/V)酢酸/CH3CN
A/B=90/10
流速: 1.0mL/min
検出: 254nm
生成物の溶出時間は5.25分であり、MSの測定結果は次のとおりであった。
質量数(強度ピーク):127(80)、243(100)、485(20)
特開2002−205996号公報記載の方法で製造した2´-デオキシリボースー1リン酸ジアンモニウム塩を2.5g、2,4−ジアミノ−6−ハイドロキシピリミジン(ALDRICH製)を0.63g、炭酸マグネシウムを1.5gに蒸留水を15g加え反応液を調整した。参考例2で得られた酵素液5mlを加え、30℃で20時間反応した。反応液を用い、ESI(+)法にてLC−MS分析を行った。
LC条件
カラム:Develosil ODS−UG5
2.0x150mm(野村化学)
移動相: A:0.1%(V/V)酢酸/H2O
B:0.1%(V/V)酢酸/CH3CN
A/B=90/10
流速: 1.0mL/min
検出: 254nm
生成物の溶出時間は5.25分であり、MSの測定結果は次のとおりであった。
質量数(強度ピーク):127(80)、243(100)、485(20)
[実施例4]
特開2002−205996号公報記載の方法で製造した2´デオキシリボースー1リン酸ジアンモニウム塩を2.5g、4,5−ジアミノ−6−ハイドロキシピリミジン(LANCASTER製)を1.5g、炭酸マグネシウムを1.5gに蒸留水を15g加え反応液を調整した。参考例2で得られた酵素液5mlを加え、30℃で20時間反応した。
特開2002−205996号公報記載の方法で製造した2´デオキシリボースー1リン酸ジアンモニウム塩を2.5g、4,5−ジアミノ−6−ハイドロキシピリミジン(LANCASTER製)を1.5g、炭酸マグネシウムを1.5gに蒸留水を15g加え反応液を調整した。参考例2で得られた酵素液5mlを加え、30℃で20時間反応した。
反応液を用い、ESI(+)法にてLC−MS分析を行った。LC条件は実施例3と同じ条件で行った。
生成物の溶出時間は6.68分であり、MSの測定結果は次のとおりであった。
質量数(強度ピーク):127(40)、243(100)、485(10)
反応液からろ過により沈殿物を除き、pHを塩酸にて2.0に調整した。約5gまで濃縮し、イソプロピルアルコールを3倍量加えて晶析した。ろ別した結晶を同量のイソプロピルアルコールで洗浄したのち真空乾燥し、生成物の結晶約0.6gを得た。
1H NMRおよび13C NMRの測定結果を以下に示す。
質量数(強度ピーク):127(40)、243(100)、485(10)
反応液からろ過により沈殿物を除き、pHを塩酸にて2.0に調整した。約5gまで濃縮し、イソプロピルアルコールを3倍量加えて晶析した。ろ別した結晶を同量のイソプロピルアルコールで洗浄したのち真空乾燥し、生成物の結晶約0.6gを得た。
1H NMRおよび13C NMRの測定結果を以下に示す。
1HNMR (D2O, 400 MHz, 20.1 °C):
δ 8.29(s, 1H), 6.31(t, J = 6.3 Hz, 1H),4.48 (m, 1H), 4.12 (m, 1H), 3.87 (dd, J = 3.4 & 12.5 Hz, 1H), 3.77(dd, J=5.1 & 12.5 Hz, 1H), 2.54 (m,1H), 2.42 (m, 1H)
13CNMR(D2O)δ(ppm):
160.38, 156.12, 147.22, 102.61, 89.80,88.60, 72.99, 63.74, 42.58
δ 8.29(s, 1H), 6.31(t, J = 6.3 Hz, 1H),4.48 (m, 1H), 4.12 (m, 1H), 3.87 (dd, J = 3.4 & 12.5 Hz, 1H), 3.77(dd, J=5.1 & 12.5 Hz, 1H), 2.54 (m,1H), 2.42 (m, 1H)
13CNMR(D2O)δ(ppm):
160.38, 156.12, 147.22, 102.61, 89.80,88.60, 72.99, 63.74, 42.58
[実施例5]
50mMの2´−デオキシリボース1−リン酸ジ(モノシクロヘキシルアンモニウム)塩(SIGMA製)、10mMの2−チオシトシン(SIGMA製)、100mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)、参考例2で得られた酵素液0.1mlからなる反応液1.0mlを50℃で1時間反応させた。反応液を希釈した後分析したところ、0.3mMの対応するヌクレオシド化合物が生成していた。
50mMの2´−デオキシリボース1−リン酸ジ(モノシクロヘキシルアンモニウム)塩(SIGMA製)、10mMの2−チオシトシン(SIGMA製)、100mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)、参考例2で得られた酵素液0.1mlからなる反応液1.0mlを50℃で1時間反応させた。反応液を希釈した後分析したところ、0.3mMの対応するヌクレオシド化合物が生成していた。
[実施例6]
50mMの2´−デオキシリボース1−リン酸ジ(モノシクロヘキシルアンモニウム)塩(SIGMA製)、10mMの5−ヒドロキシメチルシトシン(SIGMA製)、100mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)、参考例2で得られた酵素液0.1mlからなる反応液1.0mlを50℃で1時間反応させた。反応液を希釈した後分析したところ、0.1mMの対応するヌクレオシド化合物が生成していた。
50mMの2´−デオキシリボース1−リン酸ジ(モノシクロヘキシルアンモニウム)塩(SIGMA製)、10mMの5−ヒドロキシメチルシトシン(SIGMA製)、100mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)、参考例2で得られた酵素液0.1mlからなる反応液1.0mlを50℃で1時間反応させた。反応液を希釈した後分析したところ、0.1mMの対応するヌクレオシド化合物が生成していた。
[実施例7]
50mMの2´−デオキシリボース1−リン酸ジ(モノシクロヘキシルアンモニウム)塩(SIGMA製)、10mMの4−チオウラシル(ALDRICH製)、100mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)、参考例2で得られた酵素液0.1mlからなる反応液1.0mlを50℃で1時間反応させた。反応液を希釈した後分析したところ、4.2mMの対応するヌクレオシド化合物が生成していた。
50mMの2´−デオキシリボース1−リン酸ジ(モノシクロヘキシルアンモニウム)塩(SIGMA製)、10mMの4−チオウラシル(ALDRICH製)、100mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)、参考例2で得られた酵素液0.1mlからなる反応液1.0mlを50℃で1時間反応させた。反応液を希釈した後分析したところ、4.2mMの対応するヌクレオシド化合物が生成していた。
[実施例8]
(脱アセチル化活性の除去操作)
参考例1で得られた菌体液を60℃で6時間加熱した。この菌体液を加熱菌体液とした。参考例1で得られた菌体にアセトンを70%V/Vとなるように加え、30℃にて1時間攪拌した。遠心分離により菌体を回収した。自然乾燥により菌体を乾燥しアセトン処理菌体とした。
(脱アセチル化活性の除去操作)
参考例1で得られた菌体液を60℃で6時間加熱した。この菌体液を加熱菌体液とした。参考例1で得られた菌体にアセトンを70%V/Vとなるように加え、30℃にて1時間攪拌した。遠心分離により菌体を回収した。自然乾燥により菌体を乾燥しアセトン処理菌体とした。
参考例1で得られた菌体を超音波破砕し粗酵素液を調製した。粗酵素液にアセトンを50%V/Vとなるように加え、沈殿物を遠心分離により除いた。更にアセトンを80%V/Vとなるように加え沈殿物を遠心分離より回収し、乾燥して酵素粉末をアセトンパウダーとした。
[実施例9]
(脱アセチル化活性を除去した酵素による反応)
2´−デオキシリボース1−リン酸ジ(モノシクロヘキシルアンモニウム)塩(SIGMA製)1.3gと4−アセトアミドピリミジン(ALDRICH製)0.6gに蒸留水16.5gを加え、酢酸マグネシウムを1.3g加えた溶液に1)加熱処理菌体を4g、2)アセトン処理菌体を1.2g、3)アセトンパウダーを0.4g加えてそれぞれ30℃で6時間反応した。反応中のpHは約7.0となるようにNaOHまたは酢酸にて調製した。比較例として参考例1で得られた菌体懸濁液4gを加えて反応した。
結果を表1に示した。
(脱アセチル化活性を除去した酵素による反応)
2´−デオキシリボース1−リン酸ジ(モノシクロヘキシルアンモニウム)塩(SIGMA製)1.3gと4−アセトアミドピリミジン(ALDRICH製)0.6gに蒸留水16.5gを加え、酢酸マグネシウムを1.3g加えた溶液に1)加熱処理菌体を4g、2)アセトン処理菌体を1.2g、3)アセトンパウダーを0.4g加えてそれぞれ30℃で6時間反応した。反応中のpHは約7.0となるようにNaOHまたは酢酸にて調製した。比較例として参考例1で得られた菌体懸濁液4gを加えて反応した。
結果を表1に示した。
Claims (8)
- リン酸化糖とピリミジン塩基誘導体とを、シトシンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を有する酵素の存在下で反応させて、ピリミジンヌクレオシド化合物を得る工程を有することを特徴とするピリミジンヌクレオシド化合物の製造方法において、ピリミジン塩基誘導体が下記一般式(I):
- 請求項1記載の一般式(I)で表されるピリミジン塩基誘導体が、2−ハイドロキシ−4−メチルピリミジン、4−アセトアミドピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ハイドロキシピリミジン、4,5−ジアミノ−6−ハイドロキシピリミジン、2−チオシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシンまたは4−チオウラシルである、請求項1記載の製造方法。
- リン酸化糖が、リボース−1−リン酸、2−デオキシリボース−1−リン酸、2’,3’−ジデオキシリボース−1−リン酸である請求項1または2に記載の製造方法。
- シトシンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を有する酵素が大腸菌由来である請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- シトシンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を有する酵素が、該酵素を有する微生物の菌体、あるいは該菌体もしくはその培養液から得られた酵素調製物として供給される請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 炭素数1〜3のアルキル基を有するアシル基で置換されたアミノ基を脱アシル化させる活性が失活または低減化処理されたシトシンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を有する微生物の菌体、または酵素調整物を用いて、一般式(I)中のR1が炭素数1〜3のアルキル基を有するアシル基で置換されたアミノ基である化合物とリン酸化糖を反応させる、ピリミジンヌクレオシド化合物の製造方法。
- 前記微生物の菌体または前記酵素調製物における脱アシル化活性の失活または低減化処理が、加熱または有機溶媒を含む水に接触させて、脱アシル化活性を選択的に失活または低減化したものである、請求項6に記載の製造方法。
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