JP2005053854A - B,b’,b”−トリクロロ−n,n’,n”−トリアルキルボラジンおよびヘキサアルキルボラジンの製造方法 - Google Patents

B,b’,b”−トリクロロ−n,n’,n”−トリアルキルボラジンおよびヘキサアルキルボラジンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリアルキルボラジンを、効率的に製造する手法を提供する。
【解決手段】 三塩化ホウ素とハロゲン化モノアルキルアンモニウムとを、トリアルキルアミンの存在下で反応させる、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリアルキルボラジンの製造方法によって、上記課題は解決される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリアルキルボラジンおよびヘキサアルキルボラジンの製造方法に関する。本発明の製造方法によって製造される、低誘電材料であるボラジン環含有化合物は、例えば半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層、エッチストッパー層を形成するために用いられうる。
情報機器の高性能化に伴い、LSIのデザインルールは、年々微細になっている。微細なデザインルールのLSI製造においては、LSIを構成する材料も高性能で、微細なLSI上でも機能を果たすものでなければならない。
例えば、LSI中の層間絶縁膜に用いられる材料に関していえば、高い誘電率は信号遅延の原因となる。微細なLSIにおいては、この信号遅延の影響が特に大きい。このため、層間絶縁膜として用いられ得る、新たな低誘電材料の開発が所望されていた。また、層間絶縁膜として使用されるためには、誘電率が低いだけでなく、耐湿性、耐熱性、機械的強度などの特性にも優れている必要がある。
かような要望に応えるものとして、分子内にボラジン環骨格を有するボラジン環含有化合物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ボラジン環骨格を有する化合物は分子分極率が小さいため、形成される被膜は低誘電率である。その上、形成される被膜は、耐熱性にも優れる。
ボラジン環含有化合物としては、これまでに種々の化合物が提案されている。例えば、ホウ素部位がアルキル基で置換されたボラジン環含有化合物は、低誘電材料として非常に優れた特性を有する(例えば、特許文献2参照)。ホウ素部位がアルキル基で置換されたボラジン環含有化合物は、出発物質としてN−アルキル−B−トリクロロボラジンを用い、グリニャール試薬を用いて該化合物の塩素原子をアルキル基で置換することによって合成されうる(例えば、非特許文献1参照)。
出発物質として用いられるN−アルキル−トリクロロボラジンは、下記式に示すように、三塩化ホウ素とハロゲン化モノアルキルアンモニウムとを反応させることによって、合成されうる(例えば、非特許文献2参照)。
Figure 2005053854
(式中、Rはアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す)
しかしながら、上記反応の反応性は非常に低く、収率も非常に悪い。
特開2000−340689号公報 特開2003−119289号公報 D.T.HAWORTH and L.F.HOHNSTEDT,J.Am.Chem.Soc.,82,3860(1960) D.T.HAWORTH,Inorganic Syntheses,10,43(1971)
本発明の目的は、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリアルキルボラジンを、効率的に製造する手法を提供することである。
本発明は、三塩化ホウ素とハロゲン化モノアルキルアンモニウムとを、トリアルキルアミンの存在下で反応させる、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリアルキルボラジン(TCTAB)の製造方法である。
三塩化ホウ素とハロゲン化モノアルキルアンモニウムとを反応させる際に、トリアルキルアミンを存在させると、反応性が向上し、短時間でTCTABが得られる。また、トリアルキルアミンを反応系中に存在させることによって、TCTABの収率が大きく向上する。
本発明は、三塩化ホウ素とハロゲン化モノアルキルアンモニウムとを反応させてTCTABを合成する際に、反応系中にトリアルキルアミンを存在させることを特徴とする。トリアルキルアミンを反応系中に存在させることにより、反応性が大きく向上し、反応時間が劇的に低減されうる。従来の製造方法においては、場合によっては1週間もの長期間に渡って反応を継続させなければならず、生産性の点で問題があった。また、反応性が低く、反応時間が長期間に及ぶため、反応の終点を判別することが困難であった。
本発明において、反応性や収率が向上するメカニズムは定かではないが、トリアルキルアミンとBClとの間で形成される錯体が影響を及ぼしているのではないかと推測される。
BClの沸点は12℃前後と非常に低い。一方、TCTAB合成時の反応系の温度は、130℃程度の高温である。このため、従来の方法においては、反応系中に添加されたBClが反応液から揮発しやすい。その結果、BClとハロゲン化モノアルキルアンモニウムとが効果的に反応せず、反応時間が長期化する。
反応系中にトリアルキルアミンが存在すると、トリアルキルアミンとBClとの間で錯体が形成され、BClが反応系中に長期間滞留しやすくなる。その結果、BClとハロゲン化モノアルキルアンモニウムとが効果的に反応し、反応時間が短くなる。ただし、上記メカニズムは単なる推測であり、本発明の効果が他の理由によってもたらされている場合であっても、請求項に記載された要件を満足する、または、その均等物である限り、本発明の技術的範囲に包含される。
次に、本発明の製造方法について詳細に説明する。
まず、原料として用いられる三塩化ホウ素およびハロゲン化モノアルキルアンモニウムを準備する。
三塩化ホウ素(BCl)は、その純度や入手経路などに関して、特に限定されない。市販されている製品を利用してもよいし、場合によっては、自己で合成してもよい。
ハロゲン化モノアルキルアンモニウムは、モノアルキルアミン(RNH)を塩酸、臭化水素酸などの酸によって処理することによって得られる塩を意味する。ハロゲン化モノアルキルアンモニウムとしては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノ(n−プロピル)アミン、モノ(iso−プロピル)アミン、モノ(n−ブチル)アミン、モノ(sec−ブチル)アミン、モノ(iso−ブチル)アミン、モノ(tert−ブチル)アミン、モノ(1−メチルブチル)アミン、モノ(2−メチルブチル)アミン、モノ(neo−ペンチル)アミン、モノ(1,2−ジメチルプロピル)アミン、モノ(1−エチルプロピル)アミン、モノ(n−ヘキシル)アミン、モノシクロヘキシルアミン等のモノアルキルアミンの、塩酸塩およびシュウ酸塩が挙げられる。具体例としては、モノメチルアミン塩酸塩、モノエチルアミン塩酸塩、モノプロピルアミン塩酸塩、モノメチルアミンシュウ酸塩などが挙げられる。ただし、ハロゲン化モノアルキルアンモニウムは、これらに限定されない。
ハロゲン化モノアルキルアンモニウムも、その純度や入手経路などに関して、特に限定されない。市販されている製品を利用してもよいし、場合によっては、自己で合成してもよい。
三塩化ホウ素とハロゲン化モノアルキルアンモニウムとの反応は、溶媒中に懸濁させたハロゲン化モノアルキルアンモニウムに、三塩化ホウ素を添加する態様が好ましい。以下の説明においては、このような実施態様を用いてB,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリアルキルボラジン(TCTAB)を製造する方法について説明するが、トリアルキルアミンの存在下で三塩化ホウ素とハロゲン化モノアルキルアンモニウムとが反応するのであれば、他の態様を採用してもよい。ただし、その場合には、三塩化ホウ素の融点および沸点が、それぞれ−107℃および12.5℃と非常に低い点に留意すべきである。
まず、ハロゲン化モノアルキルアンモニウムを所定の溶媒と混合する。溶媒は、三塩化ホウ素、トリアルキルアミンが少なくとも溶解し、反応温度以上の沸点を有する溶媒であれば、特に制限はない。反応後の蒸留精製を考慮すると、製造されるTCTABが溶解する溶媒を用いることが好ましい。溶媒の具体例としては、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼンなどが挙げられる。
反応溶液周辺の雰囲気については、特に限定されないが、好ましくは窒素やアルゴンといった不活性ガスで、反応溶液周辺の雰囲気が置換される。
溶媒中にハロゲン化モノアルキルアンモニウムを懸濁させたら、溶液を反応温度近傍にまで加熱する。反応温度は、用いるハロゲン化モノアルキルアンモニウムや溶媒によって多少変更してもよいが、通常は、125〜145℃である。
溶液を反応温度近傍にまで上昇させたら、三塩化ホウ素を反応系に添加する。三塩化ホウ素は融点および沸点が非常に低いため、コンデンサーなどを用いて液化させてから、反応系中に添加するとよい。また、添加は、一度に三塩化ホウ素の全量を添加するのではなく、徐々に滴下するとよい。滴下に要する時間は、特に限定されないが、一般的には5〜20時間程度である。徐々に滴下させた場合には、低温の三塩化ホウ素を添加することによって、反応用液の温度が大きく低下することが防止されうる。
三塩化ホウ素が添加された反応溶液を反応温度で保持することによって、ハロゲン化モノアルキルアンモニウムと三塩化ホウ素との反応が進行する。本発明においては、この反応が進行する際に、反応溶液中にトリアルキルアミンを存在させる。
トリアルキルアミンは、一般式NRで表される化合物である。R、R、およびRはアルキル基を表し、R、R、およびRは同一であっても、異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これら以外のアルキル基が用いられてもよい。トリアルキルアミンの具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、モノメチルジエチルアミン、ジメチルモノエチルアミンなどが挙げられる。これら以外の化合物が用いられても勿論よい。
トリアルキルアミンが反応系中に添加される時期については、三塩化ホウ素とハロゲン化モノアルキルアンモニウムとが反応している期間の少なくとも一部においてトリアルキルアミンが存在するのであれば、特に限定されない。つまり、三塩化ホウ素が反応溶液に添加される前にトリアルキルアミンを反応溶液中に添加してもよいし、三塩化ホウ素が反応溶液に添加された後にトリアルキルアミンを反応溶液に添加してもよい。場合によっては、三塩化ホウ素の反応溶液への添加と、トリアルキルアミンの反応溶液への添加とが、同時に行われてもよい。反応の安全性を優先するのであれば、三塩化ホウ素およびハロゲン化モノアルキルアンモニウムを反応溶液に添加し、反応溶液を冷却した後、トリアルキルアミンが添加されるとよい。トリアルキルアミンを系中に添加すると、塩の生成にともない発生する中和熱によって、反応の安全性が損なわれる虞がある。ただし、本発明の効果を十分に得るためには、トリアルキルアミンは、三塩化ホウ素が添加された後、できるだけ早く反応溶液に添加されるとよい。
トリアルキルアミンを反応溶液に添加した後、反応温度を125〜145℃程度に維持して、TCTAB合成反応を進行させる。反応中は、反応溶液が撹拌されることが好ましい。TCTAB合成反応を進行させる時間は、使用している原料の量や反応温度などによって影響されるため、一義的には決定されない。通常は、反応時間は、3〜10時間程度である。
TCTAB合成反応が終了した後は、反応溶液中のTCTABを精製する。TCTABは、公知の精製法を用いて精製されうる。例えば、反応溶液を濾過し、濾液中の溶媒を除去し、得られた固体を減圧昇華させることによって、TCTABが精製される。他の手段を用いても勿論よい。
上記手順によって、TCTABが合成される。ただし、前述の通り、本発明の製造方法は、上記実施形態に限定されない。
三塩化ホウ素、ハロゲン化モノアルキルアンモニウム、およびトリアルキルアミンの使用量は、反応系の大きさに応じて決定されてばよい。一般的な基準を例示すれば、用いられる三塩化ホウ素とハロゲン化モノアルキルアンモニウムとのモル比は、三塩化ホウ素:ハロゲン化モノアルキルアンモニウム=1:1〜1:1.5である。また、トリアルキルアミンの添加量は、好ましくは、ハロゲン化モノアルキルアンモニウムのモル数に対して3〜5倍である。溶媒の量は、溶媒の種類にもよるが、通常は、ハロゲン化モノアルキルアンモニウムに対して100〜1000質量%である。
製造されたTCTABは、さらにグリニャール試薬と反応させて、ホウ素部位をアルキル基で置換してもよい。つまり、本願は、三塩化ホウ素とハロゲン化モノアルキルアンモニウムとを、トリアルキルアミンの存在下で反応させ、得られたB,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリアルキルボラジンとグリニャール試薬とを反応させる、ヘキサアルキルボラジンの製造方法も提供する。TCTABとグリニャール試薬との反応により、TCTABの塩素原子を、アルキル基で置換する反応は、非特許文献1などに開示されている通り公知の反応であるので、以下簡単に説明する。
RMgX(Rはアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す)型に代表されるグリニャール試薬によって引き起こされるグリニャール反応は、所定の化合物に含まれるハロゲン原子をグリニャール試薬に含まれるアルキル基で置換する。TCTABに関して言えば、ホウ素に直接結合している塩素原子が、グリニャール試薬に含まれるアルキル基で置換される。
グリニャール試薬としては、CHMgI、CHCHMgBr、CHCHCHMgIなど、種々のグリニャール試薬が用いられうる。グリニャール試薬は、これらに限定されないことは勿論である。
グリニャール試薬とTCTABとの反応条件は、特に限定されない。例えば、窒素雰囲気下、所定のTCTABおよび溶媒としてのジエチルエーテルを反応容器に供給する。反応溶液を撹拌しながら、反応溶液にグリニャール試薬であるCHMgIを徐々に滴下する。理論上に必要量をやや上回る量のグリニャール試薬を滴下し、さらに1時間、反応溶液を撹拌する。
製造されたボラジン環含有化合物は、特に限定されないが、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層、エッチストッパー層などの形成に用いられうる。その際に用いられるボラジン環含有化合物は、上記反応によって得られたヘキサアルキルボラジンであってもよいし、さらに改変が加えられたボラジン環含有化合物であってもよい。ボラジン環含有化合物を重合させた重合体を、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層またはエッチストッパー層の原料として用いてもよい。ボラジン環含有化合物から形成される重合体は、ボラジン環骨格を有する化合物をモノマーとして用いて形成されうる。重合方法や重合形態は特に限定されない。重合方法は、ボラジン環に結合している官能基によって、選択される。例えば、アミノ基が結合している場合には、縮重合によって重合体が合成されうる。ボラジン環にビニル基またはビニル基を含む官能基が結合している場合には、重合開始剤を用いたラジカル重合によって、重合体が形成されうる。重合体は、ホモポリマーであってよく、2以上のモノマーユニットからなる共重合体であってもよい。共重合体の形態は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などのいずれでもよい。他のモノマーと結合を形成しうる官能基を3つ以上有するモノマーを用いれば、モノマーがネットワーク状に結合した重合体を得ることも可能である。
ボラジン環含有化合物を用いて、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層またはエッチストッパー層を形成するには、ボラジン環含有化合物を含む溶液状またはスラリー状の組成物を調製し、これを塗布することによって、塗膜を形成する手法が用いられうる。その際に用いられる、ボラジン環含有化合物を溶解または分散させる溶媒は、ボラジン環含有化合物や、必要に応じて添加される他の成分を溶解し得るものであれば特に制限されない。溶媒としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジグライム、テトラグライムなどが用いられ得る。これらは、1種単独で使用しても良いし、2種以上を混合して用いてもよい。スピンコーティングを用いて成膜する場合には、ジグライムが好ましい。ジグライムまたはその誘導体を溶媒として用いると、製造される膜の均一性が向上する。また、膜の白濁が防止されうる。ボラジン環含有化合物を溶解または分散させる溶媒の使用量は、特に制限されるべきものではなく、低誘電材料の製造手段に応じて決定すればよい。例えば、スピンコーティングにより成膜する場合には、スピンコーティングに適した粘度になるよう、溶媒および溶媒量を決定すればよい。
ボラジン環含有化合物を含む組成物は、所望する部位に供給され、乾燥することにより、固化される。例えば、半導体用層間絶縁膜を形成するには、スピンコーティングにより、基板上に塗布し、乾燥させればよい。一度のコーティングおよび乾燥では所望する厚さの被膜が得られない場合には、コーティングおよび乾燥を、所望の厚さになるまで繰り返しても良い。スピンコーターの回転数、乾燥温度および乾燥時間などの成膜条件は、特に限定されない。
基板への塗布は、スピンコーティング以外の手法を用いてもよい。例えば、スプレーコーティング、ディップコーティングなどが用いられ得る。
その後、塗膜を乾燥する。塗膜の乾燥温度は、通常、100〜250℃程度である。ここでいう乾燥温度とは、乾燥処理をする際の温度の最高温度を意味する。例えば、乾燥温度を徐々に上昇させ、100℃で30分維持し、その後、冷却した場合の乾燥温度は100℃である。焼成温度は熱電対を用いて測定されうる。乾燥した被膜の乾燥時間については、特に限定されない。得られる低誘電材料についての、誘電率、耐湿性等の特性を考慮して、適宜決定すればよい。
<実施例1>
3Lフラスコに、ハロゲン化モノアルキルアンモニウムとしてモノメチルアミン塩酸塩(250g)、およびモノクロロベンゼン(1125mL)を入れ、130℃まで昇温させた。このフラスコ内に、三塩化ホウ素(480g)を−70℃のコンデンサーで液化させながら、約14時間かけて滴下した。その後、2時間還流させ、室温まで冷却した。フラスコを氷浴で冷却しながら、トリアルキルアミンとしてトリエチルアミン(1122g)を滴下した。トリエチルアミンの滴下終了後、室温で3時間攪拌、その後還流温度で3時間攪拌し、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンの合成反応を進行させた。
反応終了後、窒素雰囲気下でトリエチルアミン塩酸塩を濾過し、濾液から溶媒を減圧留去した。得られた固体から、減圧昇華精製によりB,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンを取り出した。B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンの収量は175.8g(収率63.0%)であった。結果を表1に示す。
<比較例1>
2Lフラスコに、ハロゲン化モノアルキルアンモニウムとしてモノメチルアミン塩酸塩(250g)、およびモノクロロベンゼン(1125mL)を入れ、130℃まで昇温させた。このフラスコ内に、三塩化ホウ素(480g)を−70℃のコンデンサーで液化させながら、約14時間かけて滴下した。三塩化ホウ素の滴下終了後、反応温度を130℃〜135℃に保ちながら45時間攪拌し、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンの合成反応を進行させた。
反応終了後、実施例1と同様にしてB,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンを得た。B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンの収量は138.7g(収率49.7%)であった。結果を表1に示す。
Figure 2005053854
<評価>
実施例1および比較例1から明らかなように、反応系中にトリアルキルアミンを存在させることによって、反応時間が大きく短縮し、収率が大きく向上する。具体的には、比較例1では三塩化ホウ素の滴下終了後、反応を熟成させるために45時間を要し、収率は49.7%である。これに対し、実施例1では、反応を熟成させるために必要な時間はわずか8時間であり、収率も63.0%と向上した。

Claims (2)

  1. 三塩化ホウ素とハロゲン化モノアルキルアンモニウムとを、トリアルキルアミンの存在下で反応させる、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリアルキルボラジンの製造方法。
  2. 三塩化ホウ素とハロゲン化モノアルキルアンモニウムとを、トリアルキルアミンの存在下で反応させ、得られたB,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリアルキルボラジンとグリニャール試薬とを反応させる、ヘキサアルキルボラジンの製造方法。
JP2003287696A 2003-08-06 2003-08-06 B,b’,b”−トリクロロ−n,n’,n”−トリアルキルボラジンおよびヘキサアルキルボラジンの製造方法 Expired - Fee Related JP4190367B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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