JP2005053742A - プレートフィン型反応器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 反応ガス流量によらず、反応器内の反応ガスの温度を一定範囲に制御することができるプレートフィン型反応器を提供すること。
【解決手段】 反応ガスが流れるガス流路が外側ガス流路17aと内側ガス流路17bからなり、冷媒が流れる第一冷媒流路18が外側ガス流路17aのみに接し、第一冷媒流路18は反応器の一方側に冷媒入口14を有するとともに反応器の他方側に冷媒出口15を有し、反応器の一方側において外側ガス流路17aにはガス入口12を設けるとともに内側ガス流路17bにはガス出口13を設け、外側ガス流路17aと内側ガス流路17bが反応器の他方側において接続されている。
【選択図】図6


Description

本発明は、伝熱面に触媒を充填し、反応流体が流れる流路と冷媒が流れる流路を積層し、大きな発熱や吸熱を伴う反応が行われるプレートフィン型反応器に関する。
例えば、メタノール、炭化水素含有ガス(例えば、天然ガス、プロパンガス)等に水蒸気を反応させて改質反応を行わせ、その改質ガス中の一酸化炭素と水を反応させ、水素と二酸化炭素を得るシフト反応や改質ガス中の一酸化炭素を10ppm 以下に低減させる一酸化炭素の選択酸化反応は大きな発熱を伴うので、冷却が必要である。特に、改質ガス中の水素の酸化を抑制し、一酸化炭素を選択的に酸化できる適正温度範囲は狭いので(約150〜200℃)、反応器内の温度分布を一定の狭い範囲に制御する必要がある。従って、一酸化炭素の選択酸化反応用には冷却性能の高いプレートフィン型反応器が適している。
一般に、反応ガスの濃度が高いほど反応速度が速く、反応熱も大きいので、反応器の入口付近が最も反応熱量が多くて、出口に向かって反応熱量は少なくなる。従って、発熱反応が行われる場合に反応器内の温度分布を一定の範囲に制御するためには、反応器の入口付近の冷却能力を高くし、出口に向かって冷却能力を低減していく必要がある。
従来のプレートフィン型反応器では、図16のように、入口から出口まで同じ流路断面積である反応ガス流路51と冷却ガス流路52を交互に積層し、反応ガスと冷却ガスをそれぞれ一方側から他方側に流す方式である。この場合、反応器の入口53付近の反応ガス濃度の高い部分での発熱を抑えるために、入口53付近の触媒量を少なくして発熱を抑制するとともに、発熱量に対する伝熱面積を大きくして温度上昇を抑制する必要がある。他方、反応器の出口側54では反応ガスの濃度が低くて発熱が少ないので大きな冷却能力は必要ないにも関わらず、反応器の入口53付近と同じ大きさの冷媒流路であるため、必要以上に冷却されることで、反応の促進が阻害されることがある。また、必要でない冷却部分が存在するために、反応器の寸法が非常に大きくなる。さらに、部分負荷の時は、反応器内の途中で反応が終了してしまう一方、反応器からの放熱により反応ガス流路の出口に向かってガス温度が低下し、所定の反応率を達成できないという問題がある。
以上の欠点を解消するためのプレートフィン型反応器として、次に説明するものが提案されている。
特許文献1に記載された燃料改質装置によれば、吸熱反応が生じる長方形状の改質部と発熱反応が生じる長方形状の触媒燃焼部とを交互に積層し、改質反応は燃焼反応に比べて反応速度が遅いという改質反応と燃焼反応の反応速度差を調整するために、改質部の積層数を触媒燃焼部の3倍としている。
特許文献2に記載された積層型改質器によれば、加熱セルユニットと改質セルユニットを交互に積層し、図19に示すように、改質原料ガス供給孔61から第1マニホールド62を経て改質セル63内に流入した改質原料ガスは、第1区画64、第2マニホールド65、第2区画66、第3マニホールド67、第3区画68、第4マニホールド69、改質ガス排出口70から排出される構成である。
特許文献3には、図20に示すように、燃焼空気平板71の上に燃焼触媒シート72、コルゲートフィン73、分散孔燃焼シート74、燃焼オフガス平板75、コルゲートフィン76、燃焼触媒シート77、シールシート78を積層した触媒燃焼部で燃料ガス(水素)を燃焼させて得た熱を改質部の改質反応の熱源とする改質器が記載されている。
特許文献4には、図22に示すように、α方向に一酸化炭素を含む高温のガスが流れる一酸化炭素選択酸化触媒層81と、αと直交する方向に冷媒が流れる冷媒層82とが交互に積層された燃料電池用触媒付き熱交換器が記載されている。
特許文献5には、図23に示すように、一酸化炭素選択酸化触媒層91と冷媒層92とが交互に積層された燃料電池用改質ガス供給システムが記載されている。
特許文献6には、図24に示すように、ケース101の上流側には、改質ガスおよび酸化剤をケース101内に導入するための導入口102が形成されており、ケース101の下流側には、酸化剤により酸化されて一酸化炭素が低減した改質ガスを排出する排出口が形成されている一酸化炭素選択酸化反応器が開示されている。ケース101内には、ハニカム状に形成された流路を有する複数の触媒担持層としてのハニカム触媒層103と冷却層104とが交互に積層されており、導入側から排出側にかけて触媒担持量を増すか、導入側から排出側にかけて処理ガス流路の数を増すことにより、導入側から排出側に至るガス温度の差を低減することが提案されている。
特許文献7には、図25に示すように、表面に一酸化炭素酸化触媒を担持した担体111を有する触媒反応器本体112と冷却部113を交互に積層した構造の一酸化炭素選択酸化反応器が開示されている。
特許文献8には、図26に示すように、一酸化炭素と酸素を含む水素に富むガス121が流れる流路122と、この流路122と直交する方向に冷却剤が流れる流路123とを交互に設け、一酸化炭素を酸化させる反応を促進する触媒層が流路122に面する部分に設けられており、流路122を通過するガス中の一酸化炭素が上記触媒により選択的に酸化される、第一熱交換器124、第二熱交換器125、第三熱交換器126、第四熱交換器127を順次設けた一酸化炭素選択酸化反応器が開示されている。
特許文献9には、図27に示すように、一酸化炭素と酸素を含む水素に富むガスが矢視131方向に流れ、この流路131のフィン部分には一酸化炭素選択酸化反応促進触媒が担持され、冷媒が矢視132方向に流れる一酸化炭素選択酸化反応器が開示されている。
特開2000−344503号公報 特開2001−146401号公報 特開2000−154001号公報 特開2002−198078号公報 特開2002−316802号公報 特開2002−356303号公報 特開2001−23671号公報 特開2000−95502号公報 特開2000−203801号公報
しかし、各特許文献1〜9に記載された発明には以下のような欠点がある。
特許文献1に記載された燃料改質装置は、改質部の積層数を触媒燃焼部より多くすることにより両者の反応速度の差を調整しているが、図17に示すように、改質部および触媒燃焼部の各々においてガス流路55を折り返す構成であり、伝熱面(フィン部)に触媒が被覆されておらず、発熱部(触媒燃焼部)と冷却部(改質部)との間の熱交換が充分に行われない。そのため、図18に示すように、入口から出口に至る改質ガス温度には大きな差が見られる。
特許文献2に記載された積層型改質器は、加熱セルユニットでの燃焼量が変化した場合でも、ガスを折り返して蛇行させることにより、入口から出口に至る改質原料ガスの温度差を緩和することが試みられているが、改質器の構造が複雑になり、被処理ガスの圧力損失が増大するという欠点がある。
特許文献3に記載された改質器は、改質器内の改質ガスの温度差を調節するため、薄膜シートの積層数、フィンの形状および触媒シートの材質を調整することが記載されているが、発熱部と冷却部との間の積極的な熱交換を行っていないため、図21に示すように、入口から出口に至る改質ガスの温度には大きな差が見られる。また、燃焼部の温度均一化を図るため、図20に示すように、燃焼オフガス平板75と燃焼空気平板71の間に空気を分散して導入する分散孔燃焼シート74が設けられているが、この方法では改質器の構造が複雑になる。
特許文献4に記載された熱交換器と特許文献5に記載された改質ガス供給システムは、一酸化炭素選択酸化触媒層と冷媒層を交互に積層することが記載されているだけであり、装置の入口から出口に至る処理ガスの温度差を低減する手段については記載されていない。
特許文献6に記載された反応器は、導入側から排出側にかけての触媒担持量の漸増と、導入側から排出側にかけての処理ガス流路の増加により、導入側から排出側に至る改質ガスの温度差を低減することを提案しているが、これだけでは反応器の入口から出口に至るガス温度差低減に充分とはいえない。また、反応ガス導入部の触媒量が少ないので、反応器が大きくなる。
特許文献7と8に記載された反応器は、一酸化炭素酸化触媒と冷却部を交互に積層することが記載されているだけであり、反応器の入口から出口に至るガス温度差を低減する手段については記載されていない。
特許文献9に記載された反応器は、一酸化炭素の選択酸化反応の反応熱を冷媒で回収することが記載されているだけであり、反応器の入口から出口に至るガス温度差を低減する手段については記載されていない。
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、反応ガス流量によらず、反応器内の反応ガスの温度を一定範囲に制御することができるプレートフィン型反応器を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、プレートフィン型反応器に発熱反応ガスを導入する場合において、反応ガスが流れる流路を外側ガス流路と内側ガス流路に分けて、反応器の一方側のガス入口から外側ガス流路内に導入した反応ガスを他方側で折り返して内側ガス流路内を一方側に向けて流し、発熱量が大きくて冷却を必要とするガス濃度が高いガスが流れている外側ガス流路のみに接するように冷媒流路を配置することを特徴とする。このように、外側ガス流路だけを冷媒で冷却することにより、反応器の入口から出口に至る反応ガスの温度差を抑制することができる。
本発明のプレートフィン型反応器によれば、次の効果を奏する。
(1)請求項1記載の発明によれば、反応が盛んに行われて発熱量が大きい外側ガス流路だけを冷却するので、反応器内の反応ガスの温度を一定の適正範囲に制御することができ、反応効率を高めることができる。冷却が必要な箇所だけに冷却部分を設けるので、反応器のコンパクト化を図ることができる。また、反応ガスは冷媒による冷却が行われない内側ガス流路を経て排出されるので、反応器からの反応ガスの放熱量を抑えることができる。
(2)請求項2記載の発明によれば、第一冷媒流路を流れる冷媒だけでは外側ガス流路を流れる反応ガスの冷却が不充分である場合、第一冷媒流路と第二冷媒流路を流れる冷媒により反応ガスを必要充分な範囲で冷却することができる。
(3)請求項3記載の発明によれば、断熱材により内側ガス流路を流れる反応ガスの冷却を確実に阻止することができる。
(4)請求項4記載の発明によれば、発熱反応で発生した熱を吸熱反応である改質反応の熱源として有効利用することができる。
(5)請求項5記載の発明によれば、改質ガス中の一酸化炭素を効果的に除くことができるので、改質ガスの品質を向上することができる。
(6)一酸化炭素の選択酸化反応は一酸化炭素を選択的に酸化できる適正温度範囲が狭い(約150〜200℃)ので、反応器に導入した一酸化炭素の選択酸化反応ガスを反応器入口から出口まで一様に冷却すると、ガス濃度の低い出口側ガスの温度低下により一酸化炭素の酸化率が低下しやすく、反応器から排出されるガス中の一酸化炭素の濃度が高くなる。請求項6記載の発明によれば、冷却が必要な外側ガス流路だけを冷却し、反応器内のガス温度を一酸化炭素の選択酸化に適正な温度範囲に制御することができるので、被処理ガスの一酸化炭素濃度を極く微量(約10ppm 以下)に低減することが可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明のプレートフィン型反応器の概略構成を示す図である。発熱反応ガス(酸素と水素を含む燃焼反応用ガス)が流れる流路は外側ガス流路1aと内側ガス流路1bからなる。冷媒(本実施形態では、天然ガスと水からなる改質原料ガス)が流れる第一冷媒流路2が外側ガス流路1aに外接している。外側ガス流路1aと内側ガス流路1bの内壁面にはパラジウム触媒が被覆されており、第一冷媒流路2の内壁面にはルテニウム触媒が被覆されている。第一冷媒流路2は反応器の一方側3と他方側4にそれぞれ冷媒入口5と冷媒出口6を有し、反応器の一方側3において外側ガス流路1aと内側ガス流路1bにそれぞれガス入口7とガス出口8を設け、外側ガス流路1aと内側ガス流路1bが他方側4において接続されている。すなわち、冷媒入口5から第一冷媒流路2に導入された冷媒は冷媒出口6から排出される。ガス入口7から外側ガス流路1aに導入された反応ガスは他方側4で折り返して内側ガス流路1bに流入し、ガス出口8から排出される。図2は、図1のII−II矢視断面図である。
(実施の形態2)
図3は、外側ガス流路1aの内側に接して反応器の一方側3から他方側4に向けて冷媒が流れる第二冷媒流路9が形成された場合を示す。第一冷媒流路を流れる冷媒だけでは外側ガス流路1aを流れる反応ガスの冷却が不充分である場合に、外側ガス流路1aを流れる反応ガスを第一冷媒流路2と第二冷媒流路9を流れる冷媒により必要にして充分な範囲で冷却することができる。しかしながら、外側ガス流路1aを内側から冷却すれば、冷却の必要でない内側ガス流路1bを流れるガスまで冷却されることがあるので、内側ガス流路1bを流れる反応ガスの反応効率が低下してしまう。そこで、図3のIV−IV矢視断面図である図4に示すように、第二冷媒流路9が内側ガス流路1bに接しないようにすることが好ましい。図4においては、第二冷媒流路9を構成するフィンが内側ガス流路1bに接しないようにするために、第二冷媒流路9と内側ガス流路1bとの間には間隙9aが設けられている。このような間隙を設けることにより、内側ガス流路1bを流れるガスが第二冷媒流路9を流れる冷媒により冷却されにくくなる。さらに、図5に示すように、第二冷媒流路9と内側ガス流路1bの間に断熱材層10を設けることにより、第二冷媒流路9と内側ガス流路1bの間の伝熱を防止でき、第二冷媒流路9を流れる冷媒による内側ガス流路1bを流れるガスの冷却を確実に阻止することができる。このようにして、反応器のガス入口7から外側ガス流路1aと内側ガス流路1bを経てガス出口8に至る反応ガスの温度差を極限まで小さくすることができる。
(改質反応用、シフト反応用および一酸化炭素の選択酸化反応用触媒の実施形態)
改質反応用、シフト反応用および一酸化炭素の選択酸化反応用触媒作用を示す金属または金属酸化物としては、銅または銅の酸化物、並びに亜鉛、クロム、マンガン、ニッケル、鉄、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、金、銀、マグネシウム、カルシウム、ランタン、チタン、ジルコニウム、イットリウムおよびセリウムの中の少なくともいずれかの金属または金属酸化物を用いることができる。炭化水素の改質反応用触媒としては、ルテニウムまたはニッケルが好ましく、メタノールの改質反応用触媒としては、銅または銅−亜鉛合金が好ましく、シフト反応用触媒としては、銅もしくは銅−亜鉛合金または鉄−クロム合金が好ましく、一酸化炭素の選択酸化反応用触媒としては、ルテニウムもしくは白金または白金−ルテニウム合金が好ましい。
触媒を担持する金属基材としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼および銅の中の少なくともいずれかからなる板、チューブ、フィン付きチューブ、波板およびフィン付き板のいずれかの形状の金属基材を用いることができる。
触媒作用を示す金属または金属酸化物を良好に担持するためには、金属基材の表面に多孔質の酸化被膜を形成することが好ましく、そのためには、アルミニウムやアルミニウム合金の場合は陽極酸化法を採用し、ステンレス鋼および銅の場合は高温で焼成する方法や酸化物を溶射する方法やゾルゲル法でコーティングする方法を採用することができる。
以下に本発明のより具体的な実施の形態について説明する。
(1)触媒の調製
アルミニウム製のコルゲートフィンを蓚酸中で陽極酸化し、アルミニウムの表面に酸化層を形成させた。このコルゲートフィンを80℃の水中に浸漬した後、400℃で焼成した。さらに、そのコルゲートフィンを硝酸ニトロシルルテニウム水溶液に24時間浸漬した後、塩化白金酸水溶液中に浸漬して、白金−ルテニウム合金を担持した触媒を得た。この触媒被覆アルミニウム製コルゲートフィンは、後記する本発明のプレートフィン型反応器の発熱反応ガスが流れる外側ガス流路と内側ガス流路よりなる反応ガス流路と、比較例のプレートフィン型反応器の発熱反応ガスが流れる流路を形成する。
(2)本発明のプレートフィン型反応器の実施例
図6(a)は本発明のプレートフィン型反応器の平面図である。図6(a)に示すように、プレートフィン型反応器11の一方側に反応ガス入口ヘッダー12と反応ガス出口ヘッダー13と冷媒入口ヘッダー14を有し、プレートフィン型反応器11の他方側に冷媒出口ヘッダー15と反応ガス折り返しヘッダー16を有している。図6(b)はプレートフィン型反応器の側面図である。図6(b)に示すように、発熱反応ガスが流れる外側ガス流路17aと内側ガス流路17bより構成される反応ガス流路が上下に設けられている。冷媒が流れる第一冷媒流路18と第二冷媒流路19が外側ガス流路17aに接するように配置されている。反応ガス入口ヘッダー12から外側ガス流路17aに流入した発熱反応ガスは反応ガス折り返しヘッダー16で折り返して内側ガス流路17bに移行し、反応ガス出口ヘッダー13を経て排出される。冷媒入口ヘッダー14から第一冷媒流路18と第二冷媒流路19に流入した冷媒は冷媒出口ヘッダー15から排出される。また、第二冷媒流路19と内側ガス流路17bの間には、厚さ1mmの断熱材層20(アルミナ−シリカ系)が介装されている。
図7は図6(a)のVII-VII 矢視断面図である。
図8(a)は第一冷媒流路18と第二冷媒流路19の平面図であり、触媒が被覆されていないアルミニウム製の高さh1 (図7参照)が3mmであるコルゲートフィン21が配置 されている。コルゲートフィン21は、反応器長手方向に7分割されている。
図8(b)は外側ガス流路17aの平面図である。触媒被覆コルゲートフィンは反応器長手方向に4分割されている。幅Wが55mmで、高さh2(図7参照)が3mmで、長さL1が20mmの2個の触媒被覆コルゲートフィンと、幅Wが55mmで、高さh2が3mmで、長さL2 が50mmの2個の触媒被覆コルゲートフィンよりなる。
図8(c)は内側ガス流路17bの平面図である。触媒被覆コルゲートフィンは反応器長手方向に4分割されている。幅Wが55mmで、高さh3(図7参照)が6mmで、長さL3が50mmの4個の触媒被覆コルゲートフィンよりなる。
以上のように構成されるプレートフィン型反応器の触媒の面積は合計2800cm2 で、 反応器全体の容積は1.0リットルである。
(3)比較例のプレートフィン型反応器
図9(a)は比較例のプレートフィン型反応器の平面図である。図9(a)に示すように、プレートフィン型反応器31の一方側に反応ガス入口ヘッダー32と冷媒入口ヘッダー33を有し、プレートフィン型反応器31の他方側に反応ガス出口ヘッダー34と冷媒出口ヘッダー35を有している。図9(b)はプレートフィン型反応器の側面図である。図9(b)に示すように、冷媒が流れる流路36と発熱反応ガスが流れる流路37が交互に積層されている。反応ガス入口ヘッダー32から流路37に流入した発熱反応ガスは反応ガス出口ヘッダー34を経て排出される。冷媒入口ヘッダー33から流路36に流入した冷媒は冷媒出口ヘッダー35から排出される。
図10は図9(a)のX-X矢視断面図である。
図11(a)は冷媒が流れる流路36の平面図であり、触媒が被覆されていないアルミニウム製の高さh4 (図10参照)が6mmであるコルゲートフィン38が配置されている 。コルゲートフィン38は、反応器長手方向に7分割されている。
図11(b)は発熱反応ガスが流れる流路37の平面図である。触媒被覆コルゲートフィンは反応器長手方向に12分割されている。幅Wが55mmで、高さh5(図10参照) が6mmで、長さL4 が5mmの7個の触媒被覆コルゲートフィンと、幅Wが55mmで、高さ h5 が6mmで、長さL5 が10mmの1個の触媒被覆コルゲートフィンと、幅Wが55mmで 、高さh5が6mmで、長さL6 が50mmの4個の触媒被覆コルゲートフィンよりなる。
以上のように構成されるプレートフィン型反応器の触媒の面積は合計2800cm2 で、 反応器全体の容積は1.3リットルである。
(4)反応器内のガス温度分布の測定
次ぎに、プレートフィン型反応器内に実際に発熱反応ガスを導入し、その発熱反応によって発生した熱を冷媒で冷却したときの反応器内のガス温度分布を測定したので、説明する。
すなわち、本発明の実施例のプレートフィン型反応器(図6、図7、図8参照)と比較例のプレートフィン型反応器(図9、図10、図11参照)に、以下の組成の発熱反応ガスを導入し、一酸化炭素の選択酸化反応を行った。
2=65%、CO2=15%、CO=1.0%、H2O=8.9%、O2=2.0%、 N2=7.7%、O2/CO比=2
a.本発明のプレートフィン型反応器の場合
本発明の実施例のプレートフィン型反応器に、上記組成の反応ガスを24リットル/min導入し、冷媒として空気を40リットル/min導入した場合の反応器内のガス温度分布を図12に示し、上記組成の反応ガスを12リットル/min導入し、冷媒として空気を5リットル/min導入した場合の反応器内のガス温度分布を図13に示す。図12と図13において、縦軸はガス温度(℃)を示し、横軸は反応器の長手方向位置を示す。図8(a)の参照番号40が図12と図13の横座標の原点に対応し、図8(a)の参照番号41が図12と図13の横座標の点Xに対応する。図12と図13において、記号「○」は外側ガス流路を流れる反応ガスの温度を示し、記号「△」は内側ガス流路を流れる反応ガスの温度を示し、記号「□」は冷媒(空気)の温度を示す。
図12と図13に示すように、反応ガス流量の大小に関わらず、反応器内の入口から出口に至る反応ガスの温度はほぼ一定であり、内側ガス流路から排出される反応ガス中のCO濃度は10ppm 以下であった(約8ppm)。
b.比較例のプレートフィン型反応器の場合
比較例のプレートフィン型反応器に、上記組成の反応ガスを24リットル/min導入し、冷媒として空気を40リットル/min導入した場合の反応器内のガス温度分布を図14に示し、上記組成の反応ガスを12リットル/min導入し、冷媒として空気を5リットル/min導入した場合の反応器内のガス温度分布を図15に示す。図14と図15において、縦軸はガス温度(℃)を示し、横軸は反応器の長手方向位置を示す。図11(a)の参照番号42が図14と図15の横座標の原点に対応し、図11(a)の参照番号43が図14と図15の横座標の点Yに対応する。図14と図15において、記号「○」は反応ガスの温度を示し、記号「□」は冷媒(空気)の温度を示す。
図14に示すように、反応ガス流量が24リットル/minの場合は、初期反応相当部分を除いて、反応器内の入口から出口に至る反応ガスの温度はほぼ一定であるが、図15に示すように、反応ガス流量が12リットル/minの場合は、ガスの熱容量が少ないため、反応器からの放熱により反応器出口側に向けてガス温度が急激に低くなり、一酸化炭素の選択酸化反応が促進されないため、反応器から排出される反応ガス中のCO濃度は100ppm と高かった。
そのため、反応器から排出される反応ガス中のCO濃度を10ppm 以下(約8ppm)にするためには、上記組成の原料反応ガス中の酸素量を増やし、O2/CO比=4まで高める必要があり、このとき、H2濃度は57%まで低下した。
産業上の利用の可能性
本発明のプレート型反応器は、反応器内の反応ガス温度の差が少ない反応器として有用であり、例えば、シフト反応や一酸化炭素の選択酸化反応のように、適正温度範囲の幅が狭い反応を行う反応器として好適である。
本発明のプレートフィン型反応器の一実施例の概略側面図である。 図1のII−II矢視断面図である。 本発明のプレートフィン型反応器の別の実施例の概略側面図である。 図3のIV−IV矢視断面図である。 本発明のプレートフィン型反応器のさらに別の実施例の断面図である。 図6(a)は本発明のプレートフィン型反応器のさらに別の実施例の平面図、図6(b)はその側面図である。 図6(a)のVII−VII矢視断面図である。 図8(a)は図6のプレートフィン型反応器における第一冷媒流路と第二冷媒流路の平面図、図8(b)は図6のプレートフィン型反応器における外側ガス流路の平面図、図8(c)は図6のプレートフィン型反応器における内側ガス流路の平面図である。 図9(a)は比較例のプレートフィン型反応器の平面図、図9(b)はその側面図である。 図9(a)のX−X矢視断面図である。 図11(a)は図9のプレートフィン型反応器における冷媒流路の平面図、図11(b)は図9のプレートフィン型反応器における反応ガス流路の平面図である。 反応ガス流量が24リットル/minの場合の本発明のプレートフィン型反応器内部のガス温度分布を示す図である。 反応ガス流量が12リットル/minの場合の本発明のプレートフィン型反応器内部のガス温度分布を示す図である。 反応ガス流量が24リットル/minの場合の比較例のプレートフィン型反応器内部のガス温度分布を示す図である。 反応ガス流量が12リットル/minの場合の比較例のプレートフィン型反応器内部のガス温度分布を示す図である。 従来のプレートフィン型反応器の側面図である。 特許文献1に記載された燃料改質装置の改質部および燃焼触媒部内のガス流れを示す図である。 特許文献1に記載された燃料改質装置内のガス温度の分布を示す図である。 特許文献2に記載された積層型改質器の平面図である。 特許文献3に記載された改質器の触媒燃焼部の分解斜視図である。 特許文献3に記載された改質器内のガス温度の分布を示す図である。 特許文献4に記載された熱交換器の断面図である。 特許文献5に記載された改質ガス供給システムの一酸化炭素選択酸化装置の模式図である。 特許文献6に記載された一酸化炭素選択酸化反応器の斜視図である。 特許文献7に記載された一酸化炭素選択酸化反応器の斜視図である。 特許文献8に記載された一酸化炭素選択酸化反応器の側面図である。 特許文献9に記載された一酸化炭素選択酸化反応器の部分斜視図である。
符号の説明
1a 外側ガス流路
1b 内側ガス流路
2 第一冷媒流路
3 反応器の一方側
4 反応器の他方側
5 冷媒入口
6 冷媒出口
7 ガス入口
8 ガス出口
9 第二冷媒流路
10 断熱材層
11 プレートフィン型反応器
12 反応ガス入口ヘッダー
13 反応ガス出口ヘッダー
14 冷媒入口ヘッダー
15 冷媒出口ヘッダー
16 反応ガス折り返しヘッダー
17a 外側ガス流路
17b 内側ガス流路
18 第一冷媒流路
19 第二冷媒流路
20 断熱材層
21 コルゲートフィン
31 プレートフィン型反応器
32 反応ガス入口ヘッダー
33 冷媒入口ヘッダー
34 反応ガス出口ヘッダー
35 冷媒出口ヘッダー
36 冷媒流路
37 反応ガス流路
38 コルゲートフィン

Claims (6)

  1. 伝熱面を触媒化し、発熱反応ガスが流れる複数の反応ガス流路と冷媒が流れる複数の冷媒流路を積層したプレート型反応器において、反応ガス流路が外側ガス流路と内側ガス流路からなり、冷媒流路が外側ガス流路のみに接し、冷媒流路は反応器の一方側に冷媒入口を有するとともに反応器の他方側に冷媒出口を有し、反応器の一方側において外側ガス流路にはガス入口を設けるとともに内側ガス流路にはガス出口を設け、外側ガス流路と内側ガス流路が反応器の他方側において接続されていることを特徴とするプレートフィン型反応器。
  2. 冷媒流路が第一冷媒流路と第二冷媒流路からなり、第一冷媒流路は外側ガス流路に外接し、第二冷媒流路は外側ガス流路に内接し、第二冷媒流路と内側ガス流路との間には間隙が形成されていることを特徴とする請求項1記載のプレートフィン型反応器。
  3. 第二冷媒流路と内側ガス流路との間隙には断熱材が介装されていることを特徴とする請求項2記載のプレートフィン型反応器。
  4. 冷媒が改質反応の原料ガスであることを特徴とする請求項1、2または3記載のプレートフィン型反応器。
  5. 発熱反応がシフト反応であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のプレートフィン型反応器。
  6. 発熱反応が一酸化炭素の選択酸化反応であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のプレートフィン型反応器。
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