JP2002282690A - 一酸化炭素除去用触媒および一酸化炭素除去方法ならびに一酸化炭素除去反応器 - Google Patents

一酸化炭素除去用触媒および一酸化炭素除去方法ならびに一酸化炭素除去反応器

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JP2002282690A
JP2002282690A JP2001088006A JP2001088006A JP2002282690A JP 2002282690 A JP2002282690 A JP 2002282690A JP 2001088006 A JP2001088006 A JP 2001088006A JP 2001088006 A JP2001088006 A JP 2001088006A JP 2002282690 A JP2002282690 A JP 2002282690A
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JP
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catalyst
carbon monoxide
gas
removing carbon
gas passage
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English (en)
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Takeshi Tabata
健 田畑
Mitsuaki Echigo
満秋 越後
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素の添加量を少なくしながら効率的にCO
転化率を高くする。 【解決手段】 酸化剤の共存下、水素と一酸化炭素とを
含む処理対象のガスを流す多数本のガス通路をハニカム
状に成形し、かつ、触媒の活性点の有る触媒ガス通路5
Aと触媒の活性点の無い無触媒ガス通路5Bとを混在さ
せて一酸化炭素除去用触媒5を構成する。これ故、酸化
剤の存在下、触媒の活性点の有る触媒ガス通路では処理
対象のガスをCOの酸化を受けさせながら通り抜けさ
せ、触媒の活性点の無い無触媒ガス通路ではCOの酸化
を受けないままで通り抜けさせることができる。この触
媒5を上流側で用いることにより、触媒での発熱量を抑
制すると共に、無触媒ガス通路5Bを通った酸化剤は反
応を受けないために、実質的に分割添加と同じ状態で、
その下流側での酸化に消費させることができるので、複
雑な制御を要することなく、CO転化率を高くできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池で必要と
する水素リッチガスの製造などに用いられるもので、水
素と一酸化炭素とを含む処理対象のガス中の一酸化炭素
を酸化除去するための一酸化炭素除去用触媒および一酸
化炭素除去方法ならびに一酸化炭素除去反応器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図8のブロック図に示すように、家庭用
コージェネレーションシステムや自動車用として用いら
れる固体高分子型燃料電池01の場合、燃料改質システ
ム02から燃料電池スタック03のアノード側に供給さ
れる水素リッチガス中の水素と、燃料電池スタック03
のカソード側に供給される空気中の酸素とを電解質膜を
介して反応させて電力を発生するように構成されてい
る。
【0003】燃料改質システム02は、都市ガスや天然
ガス等の炭化水素系の原燃料に水蒸気を混合し、改質反
応により水素に変換して水素リッチガスを製造している
が、固体高分子型燃料電池01では水素リッチガス中の
CO濃度を10ppm 程度まで低くする必要があり、一酸化
炭素除去用触媒を使って水素リッチガス中のCOを除去
してから水素リッチガスを燃料電池スタック03へ供給
している。
【0004】小規模の燃料改質システム02の場合、通
常、CO濃度を10ppm 程度以下まで低減させる必要があ
り、酸化剤の共存下、貴金属を含む一酸化炭素選択酸化
触媒を用い、処理対象の水素リッチガス中のCOを選択
的に酸化して除去しているが、処理対象の水素リッチガ
ス中のCO濃度が通常1%程度であるため、CO選択酸
化により99.9%以上の転化率を必要とする。
【0005】ところが、COの選択酸化反応の選択性は
必ずしも 100%ではないので、高転化率を得るには量論
比以上の酸化剤を共存させる必要があり、一般的に用い
られている酸素(空気)では、量論の5〜6倍の酸素が
必要となる。このとき、過剰の酸素が除去対象でない主
成分の水素と反応してしまい、水素の収率を下げる上
に、発熱を加速することになるので、できるだけ過剰酸
素量を減らす必要がある。
【0006】また、COの選択酸化反応は燃焼反応であ
るので、発熱を伴う。一方、選択酸化が起こるのはある
一定の温度域だけであるので、発熱による処理ガス温度
の上昇はCOの転化率を低下させると同時に、メタン化
の暴走など好ましくない副反応を引き起こしたり、更
に、触媒上での局部的な温度上昇による触媒機能の劣化
を早めるといった問題を引き起こす。
【0007】そこで、一酸化炭素除去用触媒層を多段に
分割し、分割された各段の触媒層の入口で酸素を添加す
ることにより、各触媒層での選択酸化反応に伴う発熱に
よる温度上昇を制限する手法が提案されている。また、
処理対象のガスが流入する入口部は貴金属担持量の少な
い低活性触媒を充填し、一方、出口部は貴金属担持量の
多い高活性触媒を充填し、反応量を制御して温度上昇を
制限する方法なども提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一酸化
炭素除去用触媒層を多段に分割する方法では、各段の触
媒層の温度上昇は、実質的に各段で添加する酸素の量で
制限できるが、二段目以降の触媒層に入るガス中のCO
濃度は、プロセスの負荷率の変動や触媒の劣化などによ
り大きく変化する。このようなCO濃度の測定には、高
価で大型のCO濃度検出装置を必要とするため、小規模
の装置では採用できず、CO濃度を正確に検知すること
ができないために、十分な転化率が得られるように過剰
の酸素を供給しなければならず、全体としての酸素過剰
添加量を減少できず、水素の収率を上げることができな
いという欠点があった。
【0009】また、異常な温度上昇と最終的なCO濃度
の上昇を防止しながら負荷変動に対応するには、酸素の
添加量をCO濃度の変化に追随させて細かく制御する必
要があり、耐久性を含めて信頼性の高いプロセスを構成
することは、大変困難であった。
【0010】一方 異なる活性の触媒を組み合わせる方
法の場合、定格負荷ではうまく動作しても、負荷が低下
して処理CO量が減ると低活性の触媒上で反応が進み過
ぎたり、逆に経時的に触媒が劣化して低活性の触媒上で
反応が進まず、下流側の触媒で集中的に反応が進んで大
幅な温度上昇が起こり、いずれにおいても、所定のCO
の転化率を得ることができない欠点があった。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、酸素の添加量を少なくしながら効率的
にCO転化率を高くできる一酸化炭素除去用触媒および
一酸化炭素除去反応器ならびに一酸化炭素除去方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
上述のような目的を達成するために、酸化剤の共存下、
水素と一酸化炭素とを含む処理対象のガスを接触させる
ことにより一酸化炭素を酸化して除去する一酸化炭素除
去用触媒において、多数本のガス通路をハニカム状に成
形し、触媒の活性点の有る触媒ガス通路と触媒の活性点
の無い無触媒ガス通路とを混在して構成する。
【0013】また、請求項2に係る発明は、前述のよう
な目的を達成するために、水素と一酸化炭素とを含む処
理対象のガスに酸化剤を加え、一酸化炭素除去用触媒に
よりガス中の一酸化炭素を酸化除去する一酸化炭素除去
方法において、多数本のガス通路をハニカム状に成形
し、触媒の活性点の有る触媒ガス通路と触媒の活性点の
無い無触媒ガス通路とを混在させた一酸化炭素除去用触
媒に、処理対象のガスを流通させた後、更に別の一酸化
炭素除去用触媒に流通させることを特徴としている。
【0014】また、請求項3に係る発明は、前述のよう
な目的を達成するために、請求項2に記載の一酸化炭素
除去方法において、一酸化炭素除去用触媒を3段以上に
分割し、複数段の一酸化炭素除去用触媒に無触媒ガス通
路の存在する触媒を用い、これら無触媒ガス通路の存在
する一酸化炭素除去用触媒における全ガス通路に対する
無触媒ガス通路の存在割合が下流側の触媒ほど減少する
ように構成するとともに、最下流側の一酸化炭素除去用
触媒には、全ガス通路が触媒ガス通路である触媒または
ペレット状触媒を用いるように構成する。
【0015】また、請求項4に係る発明は、前述のよう
な目的を達成するために、請求項2または3に記載の一
酸化炭素除去方法において、最上流側の触媒としてPt
系触媒を用い、最下流側の触媒としてRu系触媒を用い
て構成する。
【0016】また、請求項5に係る発明は、前述のよう
な目的を達成するために、請求項2、3、4のいずれか
に記載の一酸化炭素除去方法において、ガスの流動方向
で隣り合う触媒間で処理対象のガスを冷却するように構
成する。
【0017】また、請求項6に係る発明は、前述のよう
な目的を達成するために、酸化剤の共存下、水素と一酸
化炭素とを含む処理対象のガスを接触させることにより
一酸化炭素を酸化して除去する一酸化炭素除去用触媒を
容器本体内に設けた一酸化炭素除去反応器において、前
記容器本体内に、一酸化炭素除去用触媒を処理対象のガ
スの流動方向に複数段に分割して設けるとともに、少な
くとも最上流側の触媒において、多数本のガス通路をハ
ニカム状に成形し、触媒の活性点の有る触媒ガス通路と
触媒の活性点の無い無触媒ガス通路とを混在させて構成
する。
【0018】また、請求項7に係る発明は、前述のよう
な目的を達成するために、請求項6に記載の一酸化炭素
除去反応器において、容器本体内に、一酸化炭素除去用
触媒を3段以上に分割して設け、複数段の一酸化炭素除
去用触媒に無触媒ガス通路の存在する触媒を用い、これ
ら無触媒ガス通路の存在する一酸化炭素除去用触媒にお
ける全ガス通路に対する無触媒ガス通路の存在割合が下
流側の触媒ほど減少するように構成するとともに、最下
流側の一酸化炭素除去用触媒には、全ガス通路が触媒ガ
ス通路である触媒またはペレット状触媒で構成する。
【0019】また、請求項8に係る発明は、前述のよう
な目的を達成するために、請求項6または7に記載の一
酸化炭素除去反応器において、最上流側の触媒をPt系
触媒で構成し、最下流側の触媒をRu系触媒で構成す
る。
【0020】また、請求項9に係る発明は、前述のよう
な目的を達成するために、請求項6、7、8のいずれか
に記載の一酸化炭素除去反応器において、容器本体の最
上流側に酸化性ガスを添加する酸化性ガス添加手段を設
け、ガスの流動方向で隣り合う触媒間に処理対象のガス
を冷却する冷却手段を設けて構成する。
【0021】
【作用】請求項1に係る発明の一酸化炭素除去用触媒の
構成によれば、水素と一酸化炭素とを含む処理対象のガ
スを、ハニカム状に成形された多数本のガス通路に流通
し、酸化剤の存在下、触媒の活性点の有る触媒ガス通路
では処理対象のガスをCOの酸化を受けさせながら通り
抜けさせ、触媒の活性点の無い無触媒ガス通路ではCO
の酸化を受けないままで通り抜けさせることができる。
また、無触媒ガス通路を通った酸化剤は反応を受けない
ために、その下流側での酸化に消費させることができ
る。
【0022】また、請求項2に係る発明の一酸化炭素除
去方法の構成によれば、水素と一酸化炭素とを含む処理
対象のガスを、酸化反応の起こる触媒ガス通路と酸化反
応の起こらない無触媒ガス通路とを混在させ、全体とし
て酸化反応の起こる活性域の密度を調整した一酸化炭素
除去用触媒に流通させ、その後に別の一酸化炭素除去用
触媒に流通させる。このとき、無触媒ガス通路を流通し
た酸化剤は反応を受けないために、後段の一酸化炭素除
去用触媒に流通したときの酸化において消費させること
ができる。
【0023】また、請求項3に係る発明の一酸化炭素除
去方法の構成によれば、水素と一酸化炭素とを含む処理
対象のガスを最終段の一酸化炭素除去用触媒の手前で、
全ガス通路に対する無触媒ガス通路の存在割合が順番に
減少するように設けた複数の一酸化炭素除去用触媒で分
担して処理し、最終段では全部が触媒ガス通路である一
酸化炭素除去用触媒で処理することができる。
【0024】また、請求項4に係る発明の一酸化炭素除
去方法の構成によれば、最上流側の触媒として高温でも
メタン化反応が起こり難いPt系触媒を用い、最下流側
の触媒として低温でも活性度が高くて選択酸化性に優れ
るRu系触媒を用い、触媒層での発熱が大きい最上流側
で発熱反応を抑え、最終的にCO濃度を所定濃度まで抑
えなければならない最下流側ではCO除去性能を高める
ことができる。
【0025】また、請求項5に係る発明の一酸化炭素除
去方法の構成によれば、複数段に分割されている触媒の
間で処理対象のガスを冷却し、前段の反応での発熱反応
によって高温になったガスを冷却してから水素と一酸化
炭素とを含む処理対象のガスを次段の触媒へ流通させる
ことができる。
【0026】また、請求項6に係る発明の一酸化炭素除
去反応器の構成によれば、請求項2に係る発明の一酸化
炭素除去方法を実施する上での必要な構成を容器本体内
に組み込んである。
【0027】また、請求項7に係る発明の一酸化炭素除
去反応器の構成によれば、請求項3に係る発明の一酸化
炭素除去方法を実施する上での必要な構成を容器本体内
に組み込んである。
【0028】また、請求項8に係る発明の一酸化炭素除
去反応器の構成によれば、請求項4に係る発明の一酸化
炭素除去方法を実施する上での必要な構成を容器本体内
に組み込んである。
【0029】また、請求項9に係る発明の一酸化炭素除
去反応器の構成によれば、請求項5に係る発明の一酸化
炭素除去方法を実施する上での必要な構成を容器本体内
に組み込んである。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る一酸化炭
素除去用触媒の実施例品を設けた本発明に係る一酸化炭
素除去反応器の第1実施例を示す縦断面図である。
【0031】第1実施例の一酸化炭素除去反応器1で
は、図1に示すように、酸化剤の共存下、水素と一酸化
炭素とを含んだ処理対象のガスに接触して一酸化炭素を
酸化して除去する一酸化炭素除去用触媒2が容器本体3
内に設けられるとともに、処理対象のガスに酸化剤(例
えば、O2 あるいは空気)を添加する酸化性ガス添加手
段としてのノズル4が容器本体3の入口に設けられてい
る。
【0032】一酸化炭素除去用触媒2が、処理対象のガ
スの流動方向上流から下流に向けて、上流側(最上流
側)の触媒5と下流側(最下流側)の触媒6とから構成
されている。
【0033】上流側の触媒5は、図2の側面図、およ
び、図3の横断面図に示すように、上流側から下流側に
流動方向に所定の長さのある断面正方形の多数本の触媒
ガス通路5Aおよび無触媒ガス通路5Bを有するように
ハニカム状に成形されている。触媒ガス通路5Aと無触
媒ガス通路5Bとが交互に配置され、全ガス通路に対す
る無触媒ガス通路5Bの存在割合が半分となるように構
成されている。
【0034】触媒ガス通路5Aの内周面には、触媒の活
性点を有するように触媒活性層Pが付与され、酸化剤の
共存下で一酸化炭素と酸化反応して一酸化炭素を除去で
きるように構成されている。無触媒ガス通路5Bには触
媒活性層Pが付与されず、処理ガスおよび酸化剤の混合
ガスを未反応のままで流通できるように構成されてい
る。
【0035】下流側の触媒6は、上流側の触媒5と同様
にハニカム状に成形され、全てのガス通路の内周面に、
触媒の活性点を有するように触媒活性層Pをコートして
構成されている。すなわち、全ガス通路に対する無触媒
ガス通路5Bの存在割合が零となるように構成されてい
る。上記両触媒5,6における基材の材質、触媒活性点
の存在状態、触媒活性層付与方式などに特別の制限はな
い。
【0036】触媒活性層Pとしては、酸化剤の存在下、
水素と一酸化炭素とを含んだ処理対象のガスに接触して
一酸化炭素を選択的に酸化除去する触媒機能を発揮する
ものであればよく、特定のものに限られないが、通常、
アルミナなどの耐火性多孔質担体に白金族金属を担持さ
せたものが用いられる。担持対象の白金族金属として
は、Pt,Ru,Rhが挙げられる。特にPtを担持し
たPt系触媒は高温でのメタン化反応が起こり難い。ま
たRuを担持したRu系触媒は低温での活性・選択酸化
性に優れる。したがって、Pt系触媒は発熱の大きい上
流側の触媒5に好適であり、Ru系触媒は高活性が必要
な下流側の触媒6に好適である。
【0037】上流側の触媒5は、ハニカム状に成形した
セラミック製ハニカム構造体を準備し、無触媒ガス通路
5B用の通路はマスクで塞ぎ、触媒ガス通路5A用の通
路はマスクで塞がずに開いたままにしておいて、触媒活
性層を通常のウォシュコート法と同様の工程で形成して
製造される。また、下流側の触媒6は、マスクを被せな
いで触媒活性層を通常のウォシュコート法と同様の工程
で形成して上流側の触媒5と同様に製造できる。
【0038】次に第1実施例の除去反応器1による一酸
化炭素選択酸化除去について説明する。容器本体3の入
口3aから処理対象の水素と一酸化炭素とを含んだガス
を導入すると共に、酸化性ガス添加手段としてのノズル
4から(酸素を含む)空気を添加する。上流側の触媒5
では、触媒ガス通路5Aを通過するガス中の一酸化炭素
は触媒活性点と接触し、一酸化炭素を酸化除去する。一
方、無触媒ガス通路5Bを通過するガス中の一酸化炭素
は触媒活性点と接触せず、一酸化炭素は除去されない。
【0039】各触媒5,6での反応条件は、ガス組成に
より異なるが、処理対象のガス中のCO濃度は 0.3〜3
%、触媒入口温度は20〜 250℃、好ましくはPt系触媒
で 140〜 200℃、Ru系触媒で50〜 150℃、添加する酸
化剤の量はO2 /CO(モル比)で 0.5〜 3.0、好まし
くは 1.0〜 2.0、GHSV(Gaseous Hourly Space Velo
city) 200〜 30000、好ましくは 500〜10000 である。
GHSVは時間当たりの処理ガス量を触媒容積で割った
量(空間速度)である。
【0040】触媒ガス通路5Aを通過するガスの空間速
度をガス中の酸素のほぼ全量が消費されるようにしてお
くと、上流側の触媒5を通過した後のガスの組成は、反
応済ガスと未反応ガスを、触媒ガス通路5Aのガス流量
aと無触媒ガス通路5Bのガス流量bの割合で混合した
ものとなる。また、触媒ガス通路5Aで発生する熱は無
触媒ガス通路5Bに伝達される結果、上流側の触媒5で
の断熱温度上昇は、(ガス全量を反応させた時の理論断
熱温度上昇)×〔(ガス流量a)/(ガス流量a+ガス
流量b)〕に留まり、酸化反応に伴う発熱反応による温
度上昇を抑えることができる。
【0041】つまり、上流側の触媒5の場合、触媒ガス
通路5Aと無触媒ガス通路5Bとが交互に混在してい
て、酸化反応の起こらない無触媒域が触媒5全体に分散
し、酸化反応の起こる活性域の密度が半分と低く、酸化
反応に伴う発熱反応による温度上昇を抑えることができ
る。また、酸化反応の起こらない無触媒ガス通路5Bに
あっては、反応を受けない酸化剤はそのまま後流側の触
媒層に供されるので、酸化剤を分割添加しなくても、後
流側に十分な酸化剤が供給されることになる。
【0042】上流側の触媒5では触媒ガス通路5Aと無
触媒ガス通路5Bが半々であるので、断熱温度上昇は理
論断熱温度上昇の概ね半分程度に抑えることができる
が、触媒ガス通路5Aと無触媒ガス通路5Bの割合を変
えれば、上流側の触媒5における断熱温度上昇および上
流側の触媒5から出るガスの組成を調整することができ
る。
【0043】また、上流側の触媒5を出た処理対象のガ
スが続いて流入する下流側の触媒6では、無触媒ガス通
路5Bが全くないけれども、処理対象ガスの反応は上流
側の触媒5で半分程度済んでいて、下流側の触媒6の各
触媒ガス通路の反応量は少なくて発熱量も少なくなり、
酸化反応に伴う発熱反応による温度上昇を抑えることが
できる。また、流入したガスが全て触媒ガス通路を通る
ので、一酸化炭素は全て酸化反応を受けることになり、
容器本体3の出口3bから送り出されるガス中のCO濃
度を極めて低いものにでき、少ない酸素量でCO転化率
を適切かつ容易に高めることができる。
【0044】上記第1実施例における処理対象のガスと
しては、例えば、家庭用コージェネレーションシステム
や自動車用に用いられる固体高分子型燃料電池の電池ス
タックに水素リッチガスを供給する燃料改質システムに
おいて、原燃料に水蒸気を混合して改質反応により水素
に変換した後になお除去すべきCOが残留している水素
リッチガスなどが挙げられる。
【0045】図4は、本発明に係る一酸化炭素除去用触
媒の別実施例を示す断面図であり、上流側の触媒7を構
成する、触媒の活性点を有する触媒ガス通路7Aと触媒
の活性点を有さない無触媒ガス通路7Bそれぞれが、い
ずれも断面略三角形の通路によりハニカム状に成形され
ている。
【0046】触媒7は、金属製の波板7aと金属製の平
板7bを組み合わせることによりガス通路が形成されて
いて、触媒ガス通路7Aの内周面だけに触媒活性層Pが
付与されている。触媒ガス通路7Aと無触媒ガス通路7
Bの割合や、触媒ガス通路7Aと無触媒ガス通路7Bの
接し方は波板7aの波の形状を変えること等により適当
に調節することができる。触媒ガス通路7Aと無触媒ガ
ス通路7Bは多くの面で接していることが、両通路7
A,7Bの間の熱交換が円滑に行われるので好ましい
が、必要な熱交換が行われるようでありさえすれば、必
ずしも触媒ガス通路7Aと無触媒ガス通路7Bが交互で
ある必要もない。
【0047】触媒7は、金属製の波板7aおよび金属製
の平板7bの片面に通常の触媒担持方法と同様に触媒活
性層Pを形成した後、波板7aと平板7bを触媒活性層
Pの形成面を合わせるようにして積層して金属製ハニカ
ム構造体を成形することにより製造することができる。
【0048】また、触媒活性層Pの形成前に波板7aと
平板7bの片面に酸処理などで触媒活性層が付着し易い
ように下地処理した後、下地処理面を合わせるように波
板7aと平板7bを組み合わせて金属製ハニカム構造体
を成形しておいて、ハニカム構造体の全通路に触媒活性
層用スラリをウォシュコートしてから、エアーブローで
下地処理をしていない面のスラリだけを選択的に吹き飛
ばした後、常法の工程を経て触媒活性層Pを形成するこ
とによっても触媒7を製造することができる。
【0049】図5は、本発明に係る一酸化炭素除去用触
媒の実施例品を設けた本発明に係る一酸化炭素除去反応
器の第2実施例を示す縦断面図であり、第1実施例と異
なるところは、次の通りである。すなわち、上流側の触
媒5と下流側の触媒6との間に、容器本体3の内外にわ
たるようにして冷却水循環パイプ8Aが設けられ、この
冷却水循環パイプ8Aに冷却用熱交換器8Bが接続さ
れ、上流側の触媒5を流通したガスを冷却するようにガ
ス冷却機構8が構成されている。他の構成は第1実施例
と同じであり、同一図番を付すことにより、その説明は
省略する。
【0050】この第2実施例の一酸化炭素除去反応器1
Aによれば、上流側の触媒5での酸化反応に伴う発熱反
応によって高温になったガスを冷却し、その後に下流側
の触媒6に流通させ、下流側の触媒6での酸化反応に伴
う発熱反応によって高温になることをも抑制できる。ガ
ス冷却機構8に代えて、例えば冷却ファンを用いるよう
にしても良く、それらをして冷却手段と称する。
【0051】図6は、本発明に係る一酸化炭素除去用触
媒の実施例品を設けた本発明に係る一酸化炭素除去反応
器の第3実施例を示す縦断面図であり、第1実施例と異
なるところは、次の通りである。すなわち、一酸化炭素
除去用触媒2が3段に分割されて、容器本体3内に、処
理対象のガスの流動方向に、最上流側の触媒9、中間の
触媒10、最下流側の触媒11が順に設けられている。
【0052】最上流側の触媒9および中間の触媒10そ
れぞれが、触媒ガス通路と無触媒ガス通路とを混在させ
た触媒で構成され、最下流側の触媒11が全て触媒ガス
通路の触媒で構成されている。他の構成は第1実施例と
同じであり、同一図番を付すことにより、その説明は省
略する。
【0053】最上流側の触媒9では、例えば、全ガス通
路に対する無触媒ガス通路の存在割合が2/3に設定さ
れ、中間の触媒10では、例えば、全ガス通路に対する
無触媒ガス通路の存在割合が1/3に設定されている。
【0054】この第3実施例の一酸化炭素除去反応器1
Bによれば、全ガス通路に対する無触媒ガス通路の存在
割合が、処理対象のガスの流動方向の上流側の触媒ほど
多くて、発熱量が大きくなる上流側の触媒ほど活性域の
割合が少なくなっていて発熱を十分に抑えることがで
き、更に、未反応の酸化剤を、最上流側の触媒9、中間
の触媒10、最下流側の触媒11へと実質的に分割した
状態で供給することができる。最上流側の触媒9では、
第1実施例および第2実施例のように無触媒ガス通路が
1/2の場合に比べ、断熱温度上昇を規定する(ガス流
量a)/(ガス流量a+ガス流量b)の値を、3割ほど
減少することになり、発熱反応による温度上昇をより抑
えることができる。
【0055】図7は、本発明に係る一酸化炭素除去用触
媒の実施例品を設けた本発明に係る一酸化炭素除去反応
器の第4実施例を示す縦断面図であり、第3実施例と異
なるところは、次の通りである。すなわち、最上流側の
触媒9と中間の触媒10との間、および、中間の触媒1
0と最下流側の触媒11との間それぞれに、容器本体3
の内外にわたるようにして冷却水循環パイプ8Aが設け
られ、この冷却水循環パイプ8Aに冷却用熱交換器8B
が接続され、上流側の触媒5を流通したガスを冷却する
ようにガス冷却機構8が構成されている。他の構成は第
3実施例と同じであり、同一図番を付すことにより、そ
の説明は省略する。
【0056】この第4実施例の一酸化炭素除去反応器1
Cによれば、最上流側の触媒9での酸化反応に伴う発熱
反応によって高温になったガスを冷却し、その後に中間
の触媒10に流通させ、この中間の触媒10での酸化反
応に伴う発熱反応によって高温になったガスを冷却し、
最終的に、最下流側の触媒11に流通させ、中間の触媒
10および最下流側の触媒11での酸化反応に伴う発熱
反応によって高温になることをも抑制できる。
【0057】次に、本発明の効果を確認するための試験
例について説明する。先ず、本発明の一酸化炭素除去用
触媒の実施例である触媒ガス通路と無触媒ガス通路とを
混在させた触媒A〜Cを次のようにして製造した。
【0058】 触媒A ステンレス製の波板とステンレス製の平板の片面にγ−
アルミナを約10g/m2 程度となるようにウォシュコー
トしてから乾燥した後、ウォシュコート層にPt担持量
が約1g/m2 となるようにジニトリジアンミン白金溶
液を含浸させた。ついで、波板と平板を、図4に示すよ
うに、ウォシュコート層形成面を合わせるようにして積
層し、断面が四角形の筒状のステンレス製の枠材の中に
嵌め込み、乾燥・焼成を行って触媒Aを得た。
【0059】得られた触媒Aは、大きさが、断面:約2
cm×5cm、長さ:10cmであり、ガス通路数(セル
数):約 200セル/平方インチで全ガス通路の半分が無
触媒ガス通路である。Pt担持量は約 2.2g/リットル
と計算される。
【0060】 触媒B 含浸させる溶液を塩化ルテニウムとし、Ru担持量が約
2g/m2 となるように含浸させ、乾燥、固定化後、ヒ
ドラジン溶液で還元する以外は上記触媒Aと同様にして
触媒Bを得た。Ru担持量は約 4.5g/リットルと計算
される。
【0061】 触媒C ウォシュコートした波板と平板を組み合わせる際、ウォ
シュコートした波板と平板の対と、ウォシュコートして
いない波板と平板の対とを交互に積み重ねことにより、
1/4のガス通路に触媒が担持された触媒Cを得た。R
u担持量は約 2.2g/リットルと計算される。
【0062】次に、本発明では最下流側の触媒として用
いられる触媒Dを次のようにして製造した。 触媒D ステンレス波板とステンレス平板の両面にウォシュコー
ト層を形成する以外は、上記触媒Bと同様にして触媒D
を得た。Ru担持量は約9g/リットルと計算される。
【0063】さらに、上記の触媒A〜C,Dを用いて本
発明の実施例である一酸化炭素除去反応器QA〜QCを
次のようにして作成した。 (a)一酸化炭素除去反応器QA(図5の一酸化炭素除
去反応器1Aに相当) 触媒Aと触媒Dをガス冷却機構(熱交換器)を介して接
続して構成した容器本体3の入口3a側(触媒A)の端
部に、酸化性ガス添加手段としての空気の導入用のノズ
ル4を設け、第2実施例に対応する一酸化炭素除去反応
器QAを形成した。触媒Aが上流側の触媒であり、触媒
Dが下流側の触媒である。
【0064】(b)一酸化炭素除去反応器QB(図5の
一酸化炭素除去反応器1Aに相当) 触媒Aの代わりに触媒Bを用いた他は、上記一酸化炭素
除去反応器QAと同様にして第2実施例に対応する一酸
化炭素除去反応器QBを完成した。触媒Bが上流側の触
媒であり、触媒Dが下流側の触媒である。
【0065】(c)一酸化炭素除去反応器QC(図7の
一酸化炭素除去反応器1Cに相当) 更に、触媒Cと触媒Bをガス冷却機構(熱交換器)を介
して接続するとともに触媒Bと触媒Dをガス冷却機構
(熱交換器)を介して接続して容器本体3を構成し、そ
の容器本体3の入口3a側(触媒C)の端部に、酸化性
ガス添加手段としての空気の導入用のノズル4を設け、
第4実施例に対応する一酸化炭素除去反応器QCを形成
した。触媒Cが最上流側の触媒であり、触媒Bが中間の
触媒であり、触媒Dが最下流側の触媒である。
【0066】また、上記の触媒Dを用いて本発明の一酸
化炭素除去反応器の比較例である一酸化炭素除去反応器
Qaを次のようにして作成した。 (d)一酸化炭素除去反応器Qa 触媒Dを容器本体3に設けるとともに、容器本体3の入
口3a側に酸化性ガス添加手段としての空気の導入用の
ノズル4を設けて比較例の一酸化炭素除去反応器Qaを
形成した。
【0067】そして、上記の除去反応器QA〜QCを用
いて本発明の一酸化炭素除去方法の実施例を実行するこ
とによりCO除去試験を行った。なお、以下の試験では
触媒の入口温度の調整はガス冷却機構により行った。 (A)CO除去試験TA 使用器:一酸化炭素除去反応器QA 最上流側の触媒Aの入口温度: 150℃ 最下流側の触媒Dの入口温度: 120℃ 処理対象のガス流量:4リットル/分(ドライベース,
GHSV=2400) 酸化剤(空気)添加量:0.38リットル/分 (O2 /C
O= 2.0) 処理対象のガスの組成(ドライベース):COが1%,
CO2 が20%,H2 が残りの79%であり、ドライガス流
量に対して18%の水蒸気を添加する。上記の条件に従っ
て試験を行った結果、一酸化炭素除去反応器QAから排
出された処理後のガス中のCO濃度は8ppmであり、高い
CO転化率が確認された。
【0068】(B)CO除去試験TB 使用器:一酸化炭素除去反応器QB 最上流側の触媒Bの入口温度: 120℃ 最下流側の触媒Dの入口温度: 120℃ 上記の他はCO除去試験TAと同様の条件に従って試験
を行った結果、一酸化炭素除去反応器QBから排出され
た処理後のガス中のCO濃度は7ppmであり、高いCO転
化率が確認された。
【0069】(C)CO除去試験TC 使用器:一酸化炭素除去反応器QC 最上流側の触媒Cの入口温度: 120℃ 中間の触媒Bの入口温度: 120℃ 最下流側の触媒Dの入口温度: 120℃ 上記の他はCO除去試験TAと同様の条件に従って試験
を行った結果、一酸化炭素除去反応器QBから排出され
た処理後のガス中のCO濃度は1ppmであり、高いCO転
化率が確認された。
【0070】また、比較例の一酸化炭素除去反応器Qa
を使ってのCO除去試験も行った。 (D)CO除去試験Ta 使用器:一酸化炭素除去反応器Qa 触媒Dの入口温度: 120℃ 上記の他はCO除去試験TAと同様の条件に従って試験
を行った結果、一酸化炭素除去反応器Qaから排出され
た処理後のガス中のCO濃度は600ppmである上に、CH
4 の濃度が2%に達し、明らかに発熱反応による温度上
昇によりCO2のメタン化暴走が起きてCO選択酸化反
応が妨げられていることが分かった。
【0071】上記のCO除去試験TA〜TCと比較例の
CO除去試験Taの結果を比較すれば、触媒ガス通路と
無触媒ガス通路とを混在させた触媒A〜Cを用いること
が、高いCO転化率を適切かつ容易に得る上で有効であ
ることがよく分かる。また、CO除去試験TBとCO除
去試験TCの結果を比較すれば、高温になりがちの上流
側の触媒ほど活性域の割合が少なくなるようにして、処
理対象のガスを最下流側の触媒の手前で複数の触媒で分
担処理することが、より高いCO転化率を適切かつ容易
に得る上で非常に有効であることが分かる。
【0072】本発明の処理対象のガスとしては、固体高
分子型燃料電池の電池スタックに水素リッチガスを供給
する燃料改質システムにおいて、原燃料に水蒸気を混合
し、改質反応により水素に変換した後になお除去すべき
COが残留している水素リッチガスに限られるものでは
ない。
【0073】また、上記各実施例の一酸化炭素除去反応
器では、最下流側の触媒としてハニカム状に成形した触
媒を用いているが、通常のペレット状の触媒を用いても
よい。
【0074】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に係る発明の一酸化炭素除去用触媒によれば、酸化反
応の起こる触媒ガス通路と酸化反応の起こらない無触媒
ガス通路とを混在させ、しかも、無触媒ガス通路を通る
酸化剤を未反応のままで下流に供給するから、全域で酸
化反応を起こさせずに発熱反応を抑えて触媒の経時的劣
化を予想される範囲内に収めることで長期的な信頼性を
確立でき、かつ、酸化剤を実質的に分割した状態で供給
でき、複雑な制御を行わずに、酸素の添加量を少なくし
ながら効率的にCO転化率を高くできる一酸化炭素除去
用触媒を提供できる。
【0075】また、請求項2に係る発明の一酸化炭素除
去方法によれば、酸化反応の起こる触媒ガス通路と酸化
反応の起こらない無触媒ガス通路とを混在させた一酸化
炭素除去用触媒に、水素と一酸化炭素とを含む処理対象
のガスを流通させ、その後に別の一酸化炭素除去用触媒
に流通させるから、最初の一酸化炭素除去用触媒とその
後の別の一酸化炭素除去用触媒とによって、活性域の密
度を調整した状態で酸化反応を行わせて発熱反応を抑
え、触媒の経時的劣化を予想される範囲内に収めること
で長期的な信頼性を確立できるとともに、酸化剤を実質
的に分割した状態で供給でき、複雑な制御を行わずに、
酸化剤の過剰状態を回避して酸素の添加量を少なくしな
がら効率的にCO転化率を高くできる一酸化炭素除去用
触媒方法を提供できる。
【0076】また、請求項3に係る発明の一酸化炭素除
去方法によれば、全ガス通路に対する無触媒ガス通路の
存在割合が順番に減少するようにして、処理対象のガス
を複数の触媒で分担処理するから、各段での酸化反応を
軽減して発熱反応を抑えることができ、しかも、最終段
で確実に触媒ガス通路に流通させて処理でき、複雑な制
御を行わずに、酸素の添加量を少なくしながら一層効率
的にCO転化率を高くできる一酸化炭素除去用触媒方法
を提供できる。
【0077】また、請求項4に係る発明の一酸化炭素除
去方法によれば、発熱の大きい最上流側ではPt系触媒
を用いて発熱反応を抑え、高活性が必要な最下流側では
Ru系触媒を用いて反応を完結させ、全ガス通路に対す
る無触媒ガス通路の存在割合を最上流側の方を多くする
こととの協働により、複雑な制御を行わずに、酸素の添
加量を少なくしながらより一層効率的にCO転化率を高
くできる一酸化炭素除去用触媒方法を提供できる。
【0078】また、請求項5に係る発明の一酸化炭素除
去方法によれば、前段で高温になっても、それを冷却し
て次段の触媒に流通させるから、次段の触媒での酸化反
応を円滑に行わすことができ、複雑な制御を行わずに、
酸素の添加量を少なくしながらより一層効率的にCO転
化率を高くできる一酸化炭素除去用触媒方法を提供でき
る。
【0079】また、請求項6に係る発明の一酸化炭素除
去反応器によれば、請求項2に係る発明の一酸化炭素除
去方法を実施する上での必要な構成を容器本体内に組み
込んであるから、請求項2に係る発明の一酸化炭素除去
方法を好適に実施することができる。
【0080】また、請求項7に係る発明の一酸化炭素除
去反応器によれば、請求項3に係る発明の一酸化炭素除
去方法を実施する上での必要な構成を容器本体内に組み
込んであるから、請求項3に係る発明の一酸化炭素除去
方法を好適に実施することができる。
【0081】また、請求項8に係る発明の一酸化炭素除
去反応器によれば、請求項4に係る発明の一酸化炭素除
去方法を実施する上での必要な構成を容器本体内に組み
込んであるから、請求項4に係る発明の一酸化炭素除去
方法を好適に実施することができる。
【0082】また、請求項9に係る発明の一酸化炭素除
去反応器によれば、請求項5に係る発明の一酸化炭素除
去方法を実施する上での必要な構成を容器本体内に組み
込んであるから、請求項5に係る発明の一酸化炭素除去
方法を好適に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一酸化炭素除去反応器の第1実施
例を示す縦断面図である。
【図2】第1実施例の一酸化炭素除去反応器の上流側触
媒の側面図である。
【図3】第1実施例の一酸化炭素除去反応器の上流側触
媒の横断面図である。
【図4】本発明に係る一酸化炭素除去用触媒の別実施例
を示す断面図である。
【図5】本発明に係る一酸化炭素除去反応器の第2実施
例を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係る一酸化炭素除去反応器の第3実施
例を示す縦断面図である。
【図7】本発明に係る一酸化炭素除去反応器の第4実施
例を示す縦断面図である。
【図8】従来の燃料電池の構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1…一酸化炭素除去反応器 1A〜1C…一酸化炭素除去反応器 2…一酸化炭素除去用触媒 3…容器本体 4…ノズル 5,7…上流側の触媒 5A,7A…触媒ガス通路 5B,7B…無触媒ガス通路 9…最上流側の触媒 10…中間の触媒 6,11…最下流側の触媒 8…ガス冷却機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/04 H01M 8/04 N 8/06 8/06 G 8/10 8/10 Fターム(参考) 4G040 EB31 EB32 4G069 AA03 AA11 BA01A BA01B BA18 BB02A BB02B BC70A BC70B BC75A BC75B CC32 EA02X EA02Y EA18 EA21 EB12Y EB14Y EC29 4H060 AA01 AA02 BB11 BB21 CC15 DD01 EE03 FF02 GG02 5H026 AA06 EE02 5H027 AA06 BA16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化剤の共存下、水素と一酸化炭素とを
    含む処理対象のガスを接触させることにより一酸化炭素
    を酸化して除去する一酸化炭素除去用触媒であって、 多数本のガス通路をハニカム状に成形し、触媒の活性点
    の有る触媒ガス通路と触媒の活性点の無い無触媒ガス通
    路とを混在してあることを特徴とする一酸化炭素除去用
    触媒。
  2. 【請求項2】水素と一酸化炭素とを含む処理対象のガス
    に酸化剤を加え、一酸化炭素除去用触媒によりガス中の
    一酸化炭素を酸化除去する一酸化炭素除去方法であっ
    て、 多数本のガス通路をハニカム状に成形し、触媒の活性点
    の有る触媒ガス通路と触媒の活性点の無い無触媒ガス通
    路とを混在させた一酸化炭素除去用触媒に、処理対象の
    ガスを流通させた後、更に別の一酸化炭素除去用触媒に
    流通させることを特徴とする一酸化炭素除去方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の一酸化炭素除去方法にお
    いて、 一酸化炭素除去用触媒を3段以上に分割し、複数段の一
    酸化炭素除去用触媒に無触媒ガス通路の存在する触媒を
    用い、これら無触媒ガス通路の存在する一酸化炭素除去
    用触媒における全ガス通路に対する無触媒ガス通路の存
    在割合が下流側の触媒ほど減少するように構成するとと
    もに、最下流側の一酸化炭素除去用触媒には、全ガス通
    路が触媒ガス通路である触媒またはペレット状触媒を用
    いるものである一酸化炭素除去方法。
  4. 【請求項4】請求項2または3に記載の一酸化炭素除去
    方法において、 最上流側の触媒としてPt系触媒を用い、最下流側の触
    媒としてRu系触媒を用いる一酸化炭素除去方法。
  5. 【請求項5】請求項2、3、4のいずれかに記載の一酸
    化炭素除去方法において、 ガスの流動方向で隣り合う触媒間で処理対象のガスを冷
    却する一酸化炭素除去方法。
  6. 【請求項6】 酸化剤の共存下、水素と一酸化炭素とを
    含む処理対象のガスを接触させることにより一酸化炭素
    を酸化して除去する一酸化炭素除去用触媒を容器本体内
    に設けた一酸化炭素除去反応器であって、 前記容器本体内に、一酸化炭素除去用触媒を処理対象の
    ガスの流動方向に複数段に分割して設けるとともに、少
    なくとも最上流側の触媒において、多数本のガス通路を
    ハニカム状に成形し、触媒の活性点の有る触媒ガス通路
    と触媒の活性点の無い無触媒ガス通路とを混在させてあ
    ることを特徴とする一酸化炭素除去反応器。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の一酸化炭素除去反応器
    において、 容器本体内に、一酸化炭素除去用触媒を3段以上に分割
    して設け、複数段の一酸化炭素除去用触媒に無触媒ガス
    通路の存在する触媒を用い、これら無触媒ガス通路の存
    在する一酸化炭素除去用触媒における全ガス通路に対す
    る無触媒ガス通路の存在割合が下流側の触媒ほど減少す
    るように構成するとともに、最下流側の一酸化炭素除去
    用触媒には、全ガス通路が触媒ガス通路である触媒また
    はペレット状触媒で構成してある一酸化炭素除去反応
    器。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載の一酸化炭素除
    去反応器において、 最上流側の触媒がPt系触媒であり、最下流側の触媒が
    Ru系触媒である一酸化炭素除去反応器。
  9. 【請求項9】 請求項6、7、8のいずれかに記載の一
    酸化炭素除去反応器において、 容器本体の最上流側に酸化性ガスを添加する酸化性ガス
    添加手段を設け、ガスの流動方向で隣り合う触媒間に処
    理対象のガスを冷却する冷却手段を設けてある一酸化炭
    素除去反応器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007513044A (ja) * 2003-12-02 2007-05-24 フィースマン ヴェルケ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンデイトゲゼルシャフト 水素を発生させるための装置
JP2008081358A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Casio Comput Co Ltd 反応装置及び電子機器
JP2009502727A (ja) * 2005-08-01 2009-01-29 ビーエーエスエフ、カタリスツ、エルエルシー 単一の空気噴射による二段階選択的酸化システム
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